以下、本発明の第1の実施形態であるテープ印字装置1について、図1乃至図13を参照して説明する。図1は、テープ印字装置1の斜視図であり、図2は、テープカセット30をテープ印字装置1に装着した状態を示す平面図であり、図3は、テープ印字装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、テープカセット30の内部構造を示した平面図であり、図5は、印字テープ50の縦断面図であり、図6は、印字テープ50の剥離紙52側から見た平面図であり、図7は、サーマルヘッド10付近における印字テープ50及びインクリボン60の搬送状態を示す説明図であり、図8は、付箋紙55のテープ基材51側から見た平面図であり、図9は、CPU71による印字制御動作を示すフローチャート(1枚の付箋紙55を作成する場合)であり、図10は、CPU71による印字制御動作を示すフローチャート(複数枚の付箋紙55を作成する場合)であり、図11は、図10の続きを示すフローチャートであり、図12は、複数の付箋紙55が剥離紙52に貼り付いた状態を示す平面図であり、図13は、複数の付箋紙55が剥離紙52に貼り付いた状態を示す縦断面図である。また、図2の下側をテープ印字装置1の前側とし、上側をテープ印字装置1の後ろ側とし、右側をテープ印字装置1の右側とし、左側をテープ印字装置1の左側とする。さらに、図4の下側をテープカセット30の前側とし、上側をテープカセット30の後ろ側とし、右側をテープカセット30の右側とし、左側をテープカセット30の左側とする。
なお、第1の実施形態であるテープ印字装置1は、非感熱式のレセプタータイプである印字テープ50を収納するテープカセット30を用いて、図8に示す印字済みの付箋紙55を作成できるものである。
はじめに、テープ印字装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、テープ印字装置1は、平面視長方形状の本体カバー2を備え、該本体カバー2の前側には、文字、記号及び数字等の文字キーや、種々の機能キー等を含むキーボード3が配設されている。そして、そのキーボード3の後ろ側には、入力した文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ5が設けられ、該液晶ディスプレイ5の後ろ側には、テープカセット30の交換時に開閉される蓋状のカセットカバー6が設けられている。さらに、そのカセットカバー6に対応する本体カバー2の内部には、テープカセット30を着脱可能に装着するカセット装着部8(図2参照)が設けられている。そして、そのカセット装着部8には、テープカセット30から印字テープ50を引き出して搬送する搬送機構や、印字テープ50の表面に文字等を印字する印字機構等が設けられている。また、本体カバー2の左側面後方には、印字された印字テープ50を外部に排出するための排出スリット9が設けられている。
次に、本体カバー2の内部構造について説明する。図2に示すように、カセット装着部8の前側には、発熱体10a(図7参照)を備えるサーマルヘッド10と、該サーマルヘッド10の左側に起立するテープ駆動ローラ軸(図示外)とが各々設けられている。そして、このテープ駆動ローラ軸には、テープカセット30の後述するテープ駆動ローラ46が嵌挿する。また、サーマルヘッド10の前側には、アーム状のプラテンホルダ12が軸支部12aを中心に揺動可能に軸支され、該プラテンホルダ12の先端側には、サーマルヘッド10に相対し、接離可能に設けられたプラテンローラ15と、テープ駆動ローラ軸に嵌挿するテープ駆動ローラ46に相対し、接離可能に設けられた可動搬送ローラ14とが共に回転可能に軸支されている。
また、カセット装着部8の略中央には、テープカセット30に収納されたインクリボン60を送るリボン巻取軸(図示外)が設けられている。このリボン巻取軸は、ステッピングモータ(図示外)であるテープ送りモータ23(図3参照)から駆動機構を介して回転駆動される。さらに、このリボン巻取軸には、印字後のインクリボン60を巻き取るリボン巻取スプール44が嵌挿する。よって、リボン巻取スプール44を印字スピードと同期して回転駆動することができる。また、テープ駆動ローラ軸は、テープ送りモータ23から駆動機構を介して回転駆動される。よって、テープ駆動ローラ軸に嵌挿するテープ駆動ローラ46を回転駆動することができる。
さらに、カセット装着部8の右側後方部には、データ読込書込装置16が設けられている。このデータ読込書込装置16は、テープカセット30に付設されたICタグ47の情報を読み込んでテープカセット30の種類を特定したり、各種情報をICタグ47に書き込むことができる。
また、カセット装着部8に装着されたテープカセット30のテープ排出口37から排出スリット9までの間には、印字済みの印字テープ50が搬送される搬送経路が設けられている。そして、その搬送経路には、印字テープ50を所定位置で切断するカット機構17が設けられている。このカット機構17は、固定刃19と、該固定刃19に対向して、前後方向(図2に示す上下方向)に移動可能に支持された移動刃18とで構成されている。なお、移動刃18は、カッターモータ24(図3参照)によって駆動機構を介して前後方向に移動される。
さらに、カット機構17の下流側には、印字テープ50を所定位置でハーフカットするハーフカット機構80が設けられている。ここで、「ハーフカット」とは、印字テープ50を剥離紙52のみを残すようにして切断することをいう。このハーフカット機構80は、搬送経路の後ろ側に配置された固定台81と、搬送経路の前側に配置され、固定台81に対向して前後方向(図2に示す上下方向)に移動可能に支持された移動刃82とで構成されている。この移動刃82は、ハーフカッターモータ85(図3参照)によって駆動機構を介して前後方向に移動される。そして、この移動刃82は、搬送経路に沿って搬送される印字テープ50のテープ基材51の表面に対向するように配置されている。
ところで、図2に示すように、排出スリット9の前側(図2の下側)には、印字テープ50の剥離紙52の裏面に印刷されたセンサマーク56を検出するマーク検出センサ21と、印字テープ50の剥離紙52(図5参照)に設けられたICタグ57にRAM75(図3参照)のデータを書き込むためのデータ書込装置20とが各々設けられている。なお、後述するが、マーク検出センサ21とサーマルヘッド10との間の距離はL2となっており、後述する印字テープ50(図5参照)におけるセンサマーク56と感圧粘着剤部54の前端部(印字テープ50の搬送方向における前端部)との間の距離と同一の長さとなっている。
ここで、マーク検出センサ21について説明する。マーク検出センサ21は、発光素子及び受光素子(図示外)を備える反射型フォトセンサである。このフォトセンサでは、発光素子から剥離紙52(図5,図6参照)の裏面に光が照射されると、その剥離紙52の裏面から照射される反射光が受光素子に受光される。これにより、マーク検出センサ21に黒色のセンサマーク56が対向したか否かが検出され、そのオン・オフ信号によりセンサマーク56が検出される。なお、センサマーク56は、後述するCPU71(図3参照)に印字テープ50の位置情報を出力すると共に、サーマルヘッド10による印字開始の指示を与えるためのマークでもある。
そして、以上構成からなるテープ印字装置1では、図2に示すように、マーク検出センサ21とサーマルヘッド10(詳しくは図7に示す発熱体10a)との間の距離がL2、サーマルヘッド10とカット機構17(詳しくは切断位置)との間の距離がL4、サーマルヘッド10とハーフカット機構80(詳しくは切断位置)との間の距離がL5となるように、マーク検出センサ21、サーマルヘッド10、カット機構17、ハーフカット機構80の相互間の位置が決められている。
次に、テープ印字装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、テープ印字装置1は、制御基板上に形成される制御回路部70を備えている。この制御回路部70は、各機器を制御するCPU71、該CPU71にデータバス69を介して接続されたCG−ROM72、EEPROM73、ROM74、RAM75及び入出力インタフェイス77等から構成されている。
CG−ROM72には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に6種類(例えば、16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて記憶されている。EEPROM73には、DCモータの定速回転時の回転速度であるエンコーダパルス周期の検出値や、その際の速度設定値であるD/A出力値等が記憶されている。
ROM74には、キーボード3から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて液晶駆動回路25を制御する表示駆動制御プログラム、印字テープ50の剥離紙52の裏面に印刷されたセンサマーク56を検出したときに、印字バッファのデータを読み出して、サーマルヘッド10や、テープ送りモータ23を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギー量に対応する印加パルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字が終了した場合に該印字テープ50を所定の切断位置までテープ送りモータ23を駆動して搬送し、カッターモータ24を駆動して印字テープ50を所定の切断位置で切断する切断駆動制御プログラム、ハーフカッターモータ85を駆動して所定の切断位置でハーフカットするハーフカット駆動制御プログラム、その他のテープ印字装置1の制御上必要な各種のプログラム等が各々記憶されている。つまり、CPU21は、これら各種プログラムに基づいて各種演算を行う。
RAM75には、テキストメモリ、印字バッファ、カウンタ、総印字ドット数カウンタ、パラメータ記憶エリア等が設けられている。テキストメモリには、キーボード3から入力された文書データが格納されている。また、印字バッファには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギー量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納されている。つまり、サーマルヘッド10はこの印字バッファに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。また、カウンタには、サーマルヘッド10により印字される1ライン分の印字ドット数のカウント値Nが記憶されている。さらに、総印字ドット数カウンタには、サーマルヘッド10により印字される起動時からの総印字ドット数が記憶されている。また、パラメータ記憶エリアには、各種演算データが記憶されている。
入出力インタフェイス77には、キーボード3と、ICタグ47へデータを読み書きできるデータ読込書込装置16と、RAM75のデータをICタグ47に書き込むことができるデータ書込装置20と、マーク検出センサ21と、液晶ディスプレイ(LCD)5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有する液晶駆動回路25と、テープ送りモータ23を駆動するための駆動回路26と、サーマルヘッド10を駆動するための駆動回路27と、カッターモータ24を駆動するための駆動回路28と、ハーフカッターモータ85を駆動するための駆動回路86等が各々接続されている。
以上構成からなるテープ印字装置1において、キーボード3を用いて文字等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)はテキストメモリに記憶される。そして、ドットパターン発生制御プログラム及び表示駆動制御プログラムに基づき、その入力された文字等に対応するドットパターンが液晶ディスプレイ5上に表示される。さらに、サーマルヘッド10は駆動回路27を介して駆動され、印字バッファに記憶されたドットパターンデータの印字を行う。そして、テープ送りモータ23は、サーマルヘッド10による印字動作に同期して駆動機構を介してテープの送り制御を行う。このとき、サーマルヘッド10では、駆動回路27によって発熱体10a(図7参照)に設けられた各発熱素子R1〜Rnが1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動される。これにより、キーボード3で入力された文字等が印字テープ50の表面の印字面(詳しくは、テープ基材51の表面の印字面)に印字される。
そして、図2に示すように、印字済みの印字テープ50は、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の回転駆動により、カット機構17の切断位置に、印字テープ50の所定位置(感圧粘着剤部54の前端部)が位置するまで搬送される。そして、カット機構17において移動刃18と固定刃19とが互いに協動することで印字テープ50がその所定位置で切断され、印字済みの付箋紙55(図8参照)を作成することができる。なお、この付箋紙55の作成工程については後で詳しく説明する。
次に、テープカセット30の構造について説明する。図4に示すように、テープカセット30は、非感熱式のレセプタータイプである印字テープ50を収納する。このテープカセット30は、下ケース32と、該下ケース32の上部に固定される上ケース(図示外)とを筐体として備えている。そして、下ケース32内の後部左側には、印字テープ50を巻回して支持するテープスプール40が支持孔39を介して回転可能に配置されている。また、下ケース32の前部右側には、インクリボン60を巻回したリボンスプール42が回転可能に配置されている。さらに、テープスプール40とリボンスプール42との間には、リボンスプール42からインクリボン60を引き出すとともに、文字等の印字にて使用されたインクリボン60を巻き取るリボン巻取スプール44が、支持孔43を介して回転可能に配置されている。このリボン巻取スプール44の下部には、リボン巻取スプール44が逆転することで、巻き取ったインクリボン60が緩んでしまうのを防止するためのクラッチバネ(図示外)が取り付けられている。
一方、テープカセット30の前面右側には、テープカセット30の前方にやや延びるとともに中央に向かって直角に折り返されたアーム部34が設けられている。そして、このアーム部34内には、テープスプール40から引き出された印字テープ50が、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60と共に案内されている。そして、このアーム部34の内面とテープカセット30の前面とに囲まれる隙間が、テープ印字装置1のサーマルヘッド10が嵌るためのヘッド装着部35となっている。さらに、アーム部34の先端には、印字テープ50にインクリボン60を重合した状態でヘッド装着部35に供給する開口34aが設けられている。
また、開口34aからテープ排出口37までの印字テープ50の搬送方向において、ヘッド装着部35の下流側には支持孔(図示外)が設けられ、該支持孔の内側に、テープ駆動ローラ46が回動可能に軸支されている。このテープ駆動ローラ46は、テープ駆動ローラ軸(図示外)に嵌挿され、テープ印字装置1の可動搬送ローラ14との協働により、テープスプール40から印字テープ50を引き出すことができる。また、そのテープ駆動ローラ46の上流側には、印字された印字テープ50を幅方向に規制して、テープ排出口37に向かって案内する一対の規制部材36(下側のみ図示)が設けられている。さらに、その規制部材36の近傍には、ヘッド装着部35を経由して搬送された使用済みのインクリボン60を印字テープ50から離間させ、リボン巻取スプール44に向かって案内するための案内壁38が立設されている。そして、その案内壁38とリボン巻取スプール44との間には、案内壁38に沿って案内される使用済みのインクリボン60と、テープスプール40に巻回して支持された印字テープ50とが互いに接触するのを防止するための分離壁45が立設されている。
次に、印字テープ50について説明する。この印字テープ50は、非感熱式のレセプタータイプであり、印字量に応じて切断することで所望の付箋紙55(図8参照)を作成することができる。図5,図6に示すように、印字テープ50は、貼り付け時の表面が印字面となる帯状のテープ基材51と、該テープ基材51の裏面に印字方向に沿って所定間隔L1毎に設けられた感圧粘着剤部54と、該感圧粘着剤部54を介して前記テープ基材51の裏面に剥離可能に接着された帯状の剥離紙52とから構成されている。
そして、感圧粘着剤部54は周知の感圧粘着剤で構成され、テープ基材51の裏面に塗布された平面視長方形状の感圧粘着剤の層である。これにより、テープ基材51を切断して付箋紙として所望の場所に剥離接着することができる。
また、剥離紙52の裏面には、印字テープ50の位置検出のための黒色長方形状のセンサマーク56が、感圧粘着剤部54の前端部から印字方向にL3だけズレた状態で所定間隔L1毎に印刷されている。これにより、感圧粘着剤部54とセンサマーク56とが互いに重ならないようになっている。さらに、センサマーク56と、該センサマーク56の印字方向下流側に位置する感圧粘着剤部54の前端部(印字テープ50の搬送方向における前端部)との距離は、テープ印字装置1のマーク検出センサ21とサーマルヘッド10との間の距離であるL2に調整されている。そして、L1=L2+L3の関係になっている。また、剥離紙52の表面(テープ基材51に対向する面)におけるセンサマーク56の近傍には、各種情報を記憶するICタグ57が設けられている。このICタグ57に記憶される情報は、例えば、付箋紙55を貼り付ける対象である商品の「商品名」、「商品コード」、「生産日の日付」等である。なお、図6に示すセンサマーク56が、本発明の「位置検出用マーク」に相当し、感圧粘着剤部54が本発明の「部分粘着剤部」に相当する。
上記構成からなる印字テープ50は、図4に示すように、テープカセット30内のテープスプール40に対し、剥離紙52の裏面が外側になるように巻回されて支持される。なお、剥離紙52の材質は紙に限らず、樹脂フィルム等であってもよい。さらに、図示しないが、剥離紙52のテープ基材51側に接着される面には、剥離剤としてのシリコン膜が塗布されていてもよい。これにより、剥離紙52をテープ基材51から容易に剥がすことができる。
次に、テープ印字装置1における印字処理について説明する。図2に示すように、印字テープ50は、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の協働により、テープスプール40から引き出される。次いで、テープスプール40から引き出された印字テープ50は、リボンスプール42の外側を通過しながらアーム部34内の搬送経路に沿って搬送される。そして、印字テープ50は、テープ基材51の表面側をヘッド装着部35(図4参照)側に向けた状態で開口34aから送出される。さらに、開口34aでは、テープ基材51の表面に対して、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60が重合される。
そして、印字テープ50は、その表面にインクリボン60が重合された状態で、テープ印字装置1のサーマルヘッド10とプラテンローラ15との間に搬送される。ここで、そのテープ基材51の表面の印字面に対して文字、図形、記号等が印字される。その後、使用済みのインクリボン60は印字テープ50から剥がされ、リボン巻取スプール44に巻き取られる。一方、印字済みの印字テープ50は、一対の規制部材36によって幅方向の位置が規制され、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の協働によって、テープ排出口37から排出される。
次に、CPU71によるテープ印字装置1の制御動作について説明する。はじめに、1枚の付箋紙55を作成する場合について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。まず、テープ印字装置1のキーボード3から印字データが入力される(S10)。すると、その印字データ量に応じて印字長Tが演算され(S11)、RAM75に記憶される。ここで、テープ印字装置1が作成できる付箋紙55の長さは(L1−L2)以下である。つまり、印字テープ50はカット機構17によってセンサマーク56の手前で切断される。これにより、カット機構17によって切断された印字テープ50の先端側にセンサマーク56を残すことができるので、次の感圧粘着剤部54の位置から印字を開始することができる。この場合、次の付箋紙55を作成するために少なくともL2分の長さが余白として切り落とされる。これに対し、印字長Tが(L1−L2)を超えてしまうと、カット機構17によって切断された印字テープ50の先端側にセンサマーク56を残すことができないので、次の感圧粘着剤部54の位置から印字を開始できず、次のセンサマーク56がマーク検出センサ21に検出されるまで印字されない。この場合、相当量の部分が余白として切り落とされてしまうので不都合となる。以上のことから、印字長Tは(L1−L2)以下にする必要がある。
したがって、S11で演算された印字長Tが(L1−L2)以下か否かが判断される(S12)。そして、印字データ量が多く、演算された印字長Tが(L1−L2)を超えた場合(S12:NO)、上記説明した不都合を生じるので、液晶ディスプレイ5にエラーが表示される(S13)。一方、演算された印字長Tが(L1−L2)以下の場合は(S12:YES)、続いて、キーボード3の印字開始ボタン(図示外)が押されて印字指示があったか否かが判断される(S14)。ここで、印字指示がない場合は(S14:NO)、S14の判断に戻り、印字指示があるまで処理が繰り返される。
次いで、印字開始ボタンが押されて印字指示があった場合(S14:YES)、テープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が搬送される(S15)。印字テープ50はテープ排出口37から排出され、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の協働によって、テープ印字装置1の排出スリット9に向かって搬送される。次に、マーク検出センサ21が印字テープ50のセンサマーク56を検出したか否かが判断される(S16)。ここで、センサマーク56が検出されていない場合(S16:NO)、センサマーク56はマーク検出センサ21に対向していない。よって、S15に戻り、センサマーク56が検出されるまでテープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が引き続き搬送される。
そして、センサマーク56が検出された場合(S16:YES)、図7に示すように、センサマーク56がマーク検出センサ21に対向し、感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の部分がサーマルヘッド10に対して対向する。これは、センサマーク56と、該センサマーク56よりも印字方向下流側の感圧粘着剤部54の前端部との間の距離が、サーマルヘッド10とマーク検出センサ21との間の距離と同じL2だからである。そこで、サーマルヘッド10を駆動させ、印字動作を開始させる(S17)。これにより、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の位置に合わせることができる。
次いで、その印字を開始した地点から印字テープ50をL4だけ搬送したか否かが判断される(S18)。そして、印字テープ50がL4だけ搬送されるまでは(S18:NO)、S17に戻って、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが引き続き行われる。その後、印字テープ50がL4だけ搬送された場合(S18:YES)、カット機構17の切断位置に感圧粘着剤部54の前端部が対向する。ここで、テープ駆動ローラ46が停止され、サーマルヘッド10による印字動作が停止される(S19)。次いで、カット機構17によるフルカット処理が実行される(S20)。このカット機構17では、カッターモータ24が駆動されるので、移動刃18が固定刃19に向かって前方に移動する。そして、印字テープ50はその感圧粘着剤部54の前端部にて切断されるので、後に作成される付箋紙55の先端部に感圧粘着剤部54を位置させることができる。
その後、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが再開される(S21)。そして、入力された印字データが全て印字され、サーマルヘッド10による印字動作が終了したか否かが判断される(S22)。ここで、まだサーマルヘッド10による印字動作が終了していない場合は(S22:NO)、S21に戻って引き続き処理が繰り返される。次いで、入力された印字データが全て印字され、サーマルヘッド10による印字動作が終了した場合は(S22:YES)、テープ駆動ローラ46が引き続き駆動され、印字動作が終了した地点から印字テープ50がL4だけ搬送された後に、テープ駆動ローラ46が停止される(S23)。そして、カット機構17によるフルカット処理が実行される(S24)。こうして、印字テープ50に印字された印字量に応じた付箋紙55(図8参照)を作成することができる。
次に、複数枚の付箋紙55(図12,図13参照)を作成する場合について、図10,図11に示す各フローチャートを参照して説明する。まず、テープ印字装置1のキーボード3から印字データと、印刷枚数Mとが入力される(S30)。すると、入力された印字データ量に応じて印字長Tが演算され(S31)、印刷枚数MとともにRAM75に記憶される。そして、テープ印字装置1が作成できる付箋紙55(図12参照)の長さはL1であるので、印字長TがL1以下か否かが判断される(S32)。そして、印字データ量が多く、演算された印字長TがL1を超えた場合(S32:NO)、1枚の付箋紙55に印字しきれなくなるので、液晶ディスプレイ5にエラーが表示される(S33)。一方、演算された印字長TがL1以下の場合は(S32:YES)、1枚の付箋紙55に全て印字できるので、続いて、キーボード3の印字開始ボタンが押されて印字指示があったか否かが判断される(S34)。ここで、印字指示がない場合は(S34:NO)、S34の判断に戻り、印字指示があるまで処理が繰り返される。
次いで、印字開始ボタンが押されて印字指示があった場合(S34:YES)、テープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が搬送される(S35)。印字テープ50はテープ排出口37から排出され、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の協働によって、テープ印字装置1の排出スリット9に向かって搬送される。次に、マーク検出センサ21が印字テープ50のセンサマーク56が検出されたか否かが判断される(S36)。ここで、まだ、センサマーク56が検出されていない場合は(S36:NO)、センサマーク56がマーク検出センサ21に対向していない。よって、S35に戻り、センサマーク56が検出されるまでテープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が引き続き搬送される。
そして、センサマーク56が検出された場合(S36:YES)、図7に示すように、センサマーク56がマーク検出センサ21に対向し、感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の部分がサーマルヘッド10に対して対向するので、サーマルヘッド10が駆動され、印字動作が開始される(S37)。これにより、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の位置に合わせることができる。
次いで、その印字を開始した地点から印字テープ50をL4だけ搬送したか否かが判断される(S38)。そして、印字テープ50がL4だけ搬送されるまでは(S38:NO)、S37に戻って、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが引き続き行われる。その後、印字テープ50がL4だけ搬送された場合(S38:YES)、カット機構17の切断位置に感圧粘着剤部54の前端部が対向する。ここで、テープ駆動ローラ46が停止され、サーマルヘッド10による印字動作が停止される(S39)。次いで、カット機構17によるフルカット処理が実行される(S40)。
その後、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが再開される(S41)。次に、センサマーク56を検出してから、印字テープ50の搬送量がL1に到達したか否かが判断される(S42)。ここで、センサマーク56を検出してから、印字テープ50の搬送量がL1に到達していない場合は(S42:NO)、S41に戻って、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが引き続き行われる。そして、印字テープ50の搬送量がL1に到達した場合は(S42:YES)、サーマルヘッド10による印字動作が既に終了しているので、テープ駆動ローラ46の駆動が停止され、印字テープ50の搬送動作が停止される(S43)。つまり、1枚目の付箋紙55の印字が終了している。そこで、RAM75に記憶された印刷枚数Mから1減算される(S44)。さらに、その減算処理後の印刷枚数Mが0か否かが判断される(S45)。なお、印刷枚数Mが0の場合は(S45:YES)、印字すべき付箋紙55がないので、その地点からL4だけ印字テープ50が搬送されて、テープ駆動ローラ46が停止される(S46)。そして、カット機構17によるフルカット処理が実行される(S47)。
一方、印刷枚数Mが0でない場合は(S45:NO)、テープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が再び搬送される(S48)。次いで、マーク検出センサ21が印字テープ50のセンサマーク56を検出したか否かが判断される(S49)。ここで、まだ、センサマーク56が検出されていない場合は(S49:NO)、センサマーク56がマーク検出センサ21に対向していない。よって、S48に戻り、センサマーク56が検出されるまでテープ駆動ローラ46が駆動され、印字テープ50が引き続き搬送される。
そして、マーク検出センサ21が印字テープ50のセンサマーク56を検出した場合は(S49:YES)、テープ駆動ローラ46が駆動され、サーマルヘッド10による印字動作が開始される(S50)。次いで、その印字を開始した地点から印字テープ50をL5だけ搬送したか否かが判断される(S51)。そして、印字テープ50がL5だけ搬送されるまでは(S51:NO)、S50に戻って、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが引き続き行われる。その後、印字テープ50がL5だけ搬送された場合(S51:YES)、ハーフカット機構80の切断位置に感圧粘着剤部54の前端部が対向する。ここで、テープ駆動ローラ46が停止され、サーマルヘッド10による印字動作が停止される(S52)。次いで、ハーフカット機構80によるハーフカット処理が実行される(S53)。このハーフカット機構80では、ハーフカッターモータ85が駆動されるので、移動刃82が固定台81に向かって前方に移動する。そして、印字テープ50はその感圧粘着剤部54の前端部にてハーフカットされるので、後に作成される各付箋紙55の先端部に感圧粘着剤部54をそれぞれ位置させることができる。
次に、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが再開される(S54)。そして、センサマーク56を検出してから、印字テープ50の搬送量がL1に到達したか否かが判断される(S55)。ここで、センサマーク56を検出してから、印字テープ50の搬送量がL1に到達していない場合は(S55:NO)、S54に戻って、サーマルヘッド10による印字動作と、印字テープ50の搬送動作とが引き続き行われる。そして、印字テープ50の搬送量がL1に到達した場合は(S55:YES)、テープ駆動ローラ46の駆動が停止され、印字テープ50の搬送動作が停止される(S56)。つまり、1枚分の付箋紙55の印字が終了している。そこで、RAM75に記憶された印刷枚数Mから1減算される(S57)。さらに、その減算処理後の印刷枚数Mが0か否かが判断される(S58)。ここで、印刷枚数Mが0の場合は(S58:YES)、全ての付箋紙55の印字が終了したので、その地点からL4だけ印字テープ50が搬送されて、テープ駆動ローラ46が停止される(S59)。そして、カット機構17によるフルカット処理が実行される(S60)。一方、印刷枚数Mが0でない場合は(S58:NO)、S48に戻り、印刷枚数Mが0になるまで処理が繰り返される。
このようにして、図12,図13に示すような一枚の剥離紙52に直列状に貼り付いた長さL1の複数の付箋紙55を作成することができる。この場合、各付箋紙55は、感圧粘着剤部54を介して剥離紙52に貼り付いた状態となっているので、感圧粘着剤部54側の一端部とは反対側の他端部が剥離紙52から浮いた状態となっている。これにより、付箋紙55を剥離紙52上から容易に剥がすことができる。
以上説明したように、第1の実施形態であるテープ印字装置1は、非感熱式のレセプタータイプである印字テープ50を収納するテープカセット30を用いて、印字済みの付箋紙55を作成することができる。印字テープ50のテープ基材51の裏面には、感圧粘着剤からなる感圧粘着剤部54が印字方向に沿って所定間隔L1毎に設けられている。一方、剥離紙52の裏面には、印字テープ50の位置検出のためのセンサマーク56が、感圧粘着剤部54から印字方向にL3だけズレて所定間隔L1毎に印刷されている。これにより、感圧粘着剤部54とセンサマーク56とは互いにズレた位置で重ならないようになっている。
また、センサマーク56と、該センサマーク56よりも印字方向下流側の感圧粘着剤部54の前端部(印字テープ50の搬送方向における前端部)との間の距離は、テープ印字装置1におけるサーマルヘッド10とマーク検出センサ21との間の距離と同じL2になっている。つまり、センサマーク56がマーク検出センサ21に対向すると、サーマルヘッド10に対して感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の部分が対向する。そこで、マーク検出センサ21がセンサマーク56を検出したら、CPU71は、サーマルヘッド10を駆動させるように駆動回路27を制御する。これにより、サーマルヘッド10に対して印字テープ50の感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の部分が対向したときにサーマルヘッド10による印字動作が開始する。よって、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部54の前端部に相当する印字面の位置に常に合わせることができる。
さらに、印字テープ50は、カット機構17によって感圧粘着剤部54の前端部で切断されるので、付箋紙55の先端側に感圧粘着剤部54を位置させることができる。つまり、感圧粘着剤部54が付いていない付箋紙55が作成されてしまうのを防止できる。また、複数の付箋紙55を作成したい場合は、ハーフカット機構80によって感圧粘着剤部54の前端部がハーフカットされる。これにより、印字テープ50は、感圧粘着剤部54の前端部において、剥離紙52のみが残るようにして切断されるので、一枚の剥離紙52に直列状に貼り付いた複数の付箋紙55を作成することができる。
なお、第1の実施形態であるテープ印字装置1は種々の変形が可能である。例えば、テープ印字装置1のカセット装着部8には、感熱式のレセプタータイプである印字テープを収納するテープカセットを装着することもできる。
そこで、第1の実施形態の変形例として、感熱式の印字テープ150を収納するテープカセット90を、テープ印字装置1のカセット装着部8に装着した場合について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、テープカセット90をテープ印字装置1に装着した状態を示す平面図であり、図15は、印字テープ150の縦断面図である。なお、テープカセット90の構造は、第1の実施形態のテープカセット30の構造とほぼ同じ構造であるので、同じ構造部分は第1の実施形態と同じ符号を付して説明を一部省略し、異なる構造部分を中心に説明する。
図14に示すように、テープカセット90は、感熱式のレセプタータイプである印字テープ150を収納する。この印字テープ150は、テープカセット90の下ケース32の後部左側に配置されたテープスプール40に巻回して支持されている。さらに、下ケース32の前部右側には、印字テープ150をアーム部34に向かってガイドするガイドスプール49が回転可能に支持されている。そして、テープカセット90には、図4に示すテープカセット30と同様に、ICタグ47、案内壁38、テープ駆動ローラ46等が設けられている。なお、印字テープ150は、感熱式のレセプタータイプであるので、テープカセット90にはインクリボンは収納されていない。
ここで、印字テープ150について説明する。図15に示すように、印字テープ150は、貼り付け時の表面に印字面を有する感熱式のテープ基材151と、該テープ基材151の裏面に印字方向に沿って所定間隔L1毎に設けられた感圧粘着剤部154と、前記テープ基材151の裏面に、その感圧粘着剤部154を介して剥離可能に接着された帯状の剥離紙152とから構成されている。そして、その剥離紙152の裏面には、印字テープ150の位置検出のためのセンサマーク156が、感圧粘着剤部154に相当する位置から印字方向にL3だけズレた状態で所定間隔L1毎に印刷されている。これにより、感圧粘着剤部154とセンサマーク156とが互いに重ならないようになっている。また、剥離紙152の表面(テープ基材151に対向する面)におけるセンサマーク156の近傍には、各種情報を記憶するICタグ157が設けられている。
さらに、センサマーク156と、該センサマーク156の印字方向下流側に位置する感圧粘着剤部154の前端部(印字テープ150の搬送方向における前端部)との距離は、テープ印字装置1のマーク検出センサ21とサーマルヘッド10との間の距離であるL2に調整されている。そして、L1=L2+L3の関係になっている。このような構成からなる印字テープ150が、図14に示すように、テープカセット90のテープスプール40に、剥離紙152の裏面が外側になるように巻回されて支持されている。
そして、図14に示すように、テープ印字装置1では、サーマルヘッド10とマーク検出センサ21との間の距離はL2になっているので、印字テープ150のセンサマーク156と、該センサマーク156よりも印字方向下流側の感圧粘着剤部154の前端部との間の距離と同じである。つまり、センサマーク156がマーク検出センサ21に対向すると、サーマルヘッド10に対して感圧粘着剤部154の前端部に相当する印字面の部分が対向する。
そこで、第1の実施形態と同様に、マーク検出センサ21がセンサマーク156を検出した場合に、サーマルヘッド10による印字動作を開始させることで、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部154の前端部に相当する印字面の位置に常に合わせることができる。なお、印字テープ150の切断処理及びハーフカット処理についても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。以上のように、感熱式のレセプタータイプの印字テープ150を収納するテープカセット90を、テープ印字装置1のカセット装着部8に装着した場合においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第2の実施形態であるテープ印字装置100について、図16乃至図18を参照して説明する。図16は、テープカセット130をテープ印字装置100に装着した状態を示す平面図であり、図17は、印字テープ170の縦断面図であり、図18は、サーマルヘッド10付近における印字テープ170及びインクリボン60の搬送状態を示す説明図である。第2の実施形態であるテープ印字装置100は、第1の実施形態とほぼ同じ構成を備え、センサマーク176を検出するマーク検出センサ121を、サーマルヘッド10の下流側(印字テープ170の搬送方向下流側)ではなく、上流側に配置した点で第1の実施形態と異なる。そこで、以下の説明では、第1の実施形態であるテープ印字装置1と同じ構成部分については、第1の実施形態と同符号を付して説明を一部省略するとともに、構造の異なる部分を中心に説明する。
なお、第2の実施形態であるテープ印字装置100は、図3に示すテープ印字装置1の電気的構成と同じ構成を備えているものとする。また、テープカセット130には、非感熱式のレセプタータイプである印字テープ170が収納されている。
図16に示すように、テープ印字装置100は、図2に示すテープ印字装置1とほぼ同じ構造を備え、カセット装着部8には、図5に示す印字テープ50を収納するテープカセット130が着脱可能に装着されている。そして、プラテンホルダ12において、カセット装着部8側に対向するアーム部分の側面には、印字テープ170の位置を検出するためのマーク検出センサ121が設けられている。つまり、マーク検出センサ121は、印字テープ170の搬送方向におけるサーマルヘッド10の上流側に設けられている。これにより、第1の実施形態と比較して、排出スリット9の周囲をコンパクトに設計することができる。さらに、第2の実施形態では、このマーク検出センサ121とサーマルヘッド10と間の距離が、図17に示す後述する印字テープ170のL6の距離と同じになっているのが特徴である。なお、L6は、印字テープ170における感圧粘着剤部174の前端部(印字テープ170の搬送方向における前端部)と、該前端部より印字方向下流側のセンサマーク176との間の距離である。
一方、テープカセット130は、図4に示すテープカセット30とほぼ同じ構成を備え、下ケースのプラテンホルダ12に対向して立設する前壁には、マーク検出センサ121に対向するとともに、矩形状に開口する窓部48が設けられている。この窓部48は、マーク検出センサ121に印字テープ170のセンサマーク176を検出させるための開口である。よって、マーク検出センサ121は、この窓部48を介して印字テープ170のセンサマーク176を検出することができる。
次に、印字テープ170について説明する。図17に示すように、印字テープ170は、貼り付け時の表面に印字面を有する非感熱式のテープ基材171と、該テープ基材171の裏面に印字方向に沿って所定間隔L1毎に設けられた感圧粘着剤部174と、該感圧粘着剤部174を介して前記テープ基材171の裏面に剥離可能に接着された剥離紙172とから構成されている。
また、剥離紙172の裏面には、印字テープ170の位置検出のための黒色長方形状のセンサマーク176が、感圧粘着剤部174の前端部(印字テープ170の搬送方向の前端部)から印字方向にL6だけズレた状態で所定間隔L1毎に印刷されている。そして、センサマーク176と、該センサマーク176よりも印字方向上流側の感圧粘着剤部174の前端部との間の距離はL6となり、マーク検出センサ121とサーマルヘッド10と間の距離と同一になっている。また、剥離紙172の表面(テープ基材171に対向する面)におけるにおけるセンサマーク176の近傍には、各種情報を記憶するICタグ177が設けられている。
次に、テープ印字装置200における印字位置のズレ防止機構について説明する。図16に示すように、テープカセット130のテープ排出口37から排出された印字テープ170は、テープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14の協働によって、テープ印字装置100の排出スリット9に向かって搬送される。ここで、図18に示すように、印字テープ170のセンサマーク176と、該センサマーク176よりも印字方向上流側の感圧粘着剤部174の前端部との間の距離は、サーマルヘッド10とマーク検出センサ121との間の距離と同じL6になっている。つまり、図16,図18に示すように、センサマーク176がマーク検出センサ121に対向すると、サーマルヘッド10に対して感圧粘着剤部174の前端部に相当する印字面の部分が対向する。
そこで、CPUは、マーク検出センサ121がセンサマーク176を検出した場合、サーマルヘッド10を駆動させるように駆動回路を制御する。これにより、サーマルヘッド10に対して印字テープ170の感圧粘着剤部174の前端部に相当する印字面の部分が対向したときにサーマルヘッド10による印字動作が開始する。これにより、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部174の前端部に相当する印字面の位置に常に合わせることができる。そして、テープ印字装置200において、印字テープ170の切断処理及びハーフカット処理についても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、第2の実施形態であるテープ印字装置100では、プラテンホルダ12のカセット装着部8側に対向する側面に、印字テープ170の位置を検出するためのマーク検出センサ121が設けられている。つまり、マーク検出センサ121は、印字テープ170の搬送方向において、サーマルヘッド10の上流側に設けられている。これにより、第1の実施形態と比較して、排出スリット9の周囲をコンパクトに設計できる。そして、センサマーク176と、該センサマーク176よりも印字方向上流側の感圧粘着剤部174の前端部との間の距離は、サーマルヘッド10とマーク検出センサ121との間の距離と同じL6となっている。つまり、センサマーク176がマーク検出センサ121に対向すると、サーマルヘッド10に対して感圧粘着剤部174の前端部に相当する印字面の部分が対向する。そこで、マーク検出センサ121がセンサマーク176を検出した場合、サーマルヘッド10を駆動させて印字動作を開始させる。これにより、サーマルヘッド10による印字開始位置を、感圧粘着剤部174の前端部に相当する印字面の位置に常に合わせることができる。
次に、第3の実施形態であるテープ印字装置200について、図19乃至図22を参照して説明する。図19は、テープカセット190をテープ印字装置200に装着した状態を示す平面図であり、図20は、テープカセット190の内部構成を示す平面図であり、図21は、印字テープ250の縦断面図であり、図22は、サーマルヘッド10付近における印字テープ250及びインクリボン160の搬送状態を示す説明図である。第3の実施形態であるテープ印字装置200は、第1の実施形態の変形例であり、非感熱式のラミネートタイプである印字テープ250を排出するテープカセット190を用いて、ラミネートタイプの付箋紙を作成できるものである。
なお、テープ印字装置200は、第1の実施形態であるテープ印字装置1とほぼ同じ構成を備えている。よって、以下の説明では、第1の実施形態のテープ印字装置1と同じ構成部分については、第1の実施形態と同符号を付して説明を一部省略し、構造の異なる部分を中心に説明する。なお、第3の実施形態のテープ印字装置200は、図3に示すテープ印字装置1の電気的構成と同様の構成を備えているものとする。
まず、テープ印字装置200の構造について説明する。図19に示すように、テープ印字装置200は、図2に示すテープ印字装置1とほぼ同じ構造を備えている。カセット装着部8には、ラミネートタイプの印字テープ250を排出するテープカセット190が着脱可能に装着されている。そして、排出スリット9の後ろ側(図19の上側)には、図21に示す印字テープ250の剥離紙256の裏面に印刷されたセンサマーク356を検出するマーク検出センサ221と、印字テープ250に設けられたICタグ357に制御回路部のRAM(図示外)のデータを書き込むためのデータ書込装置220とが各々設けられている。つまり、マーク検出センサ221及びデータ書込装置220は、第1の実施形態とは反対側に設けられている。この理由は、排出スリット9の内側において、図21に示す印字テープ250の剥離紙256の背面側が排出スリット9の後ろ側に向くからである。
また、カット機構17の下流側には、印字テープ250を所定位置でハーフカットするハーフカット機構180が設けられている。このハーフカット機構180は、印字テープ250の搬送経路の前側に配置された固定台181と、搬送経路の後ろ側に配置され、固定台181に対向して前後方向(図2に示す上下方向)に移動可能に支持された移動刃182とで構成されている。つまり、ラミネートタイプの印字テープ250の搬送経路において、印字テープ250は、フィルムテープ251側を搬送経路の前側(図19の下側)に向けた状態で搬送されるので、固定台と移動刃の位置が、第1の実施形態であるテープ印字装置1と反対になっている。これにより、移動刃182は、搬送経路に沿って搬送される印字テープ250のフィルムテープ251の表面に対向するように配置される。
次に、テープカセット190の内部構造について説明する。図20に示すように、テープカセット190は、ラミネートタイプの印字テープ250を排出するものであり、図2に示すテープカセット30を基本構造に備えている。下ケース132内の後部左側には、両面テープである粘着テープ252を巻回して支持する粘着テープスプール140が、支持孔139を介して回転可能に配置されている。一方、下ケース132内の後部右側には、透明なフィルムテープ251を巻回して支持するフィルムテープスプール149が、支持孔148を介して回転可能に配置されている。さらに、下ケース132の前部右側には、インクリボン160を巻回したリボンスプール142が回転可能に配置されている。
また、粘着テープスプール140とリボンスプール142との間には、リボンスプール142からインクリボン160を引き出すとともに、文字等の印字にて使用されたインクリボン160を巻き取るリボン巻取スプール144が、支持孔143を介して回転可能に配置されている。このリボン巻取スプール144の下部には、リボン巻取スプール144が逆転することで、巻き取ったインクリボン160が緩んでしまうのを防止するためのクラッチバネ(図示外)が取り付けられている。
そして、テープカセット190の前面右側に設けられたアーム部134内には、フィルムテープスプール149から引き出されたフィルムテープ251が搬送され、リボンスプール142から引き出されたインクリボン160とともに、開口134aからヘッド装着部135に排出されている。一方、粘着テープスプール140から引き出された粘着テープ252は、フィルムテープ251の裏面側に重合された状態でテープ駆動ローラ146を介してテープ排出口137から排出されている。また、テープ駆動ローラ146の上流側には、印字されたフィルムテープ251を幅方向に規制して、テープ排出口137に向かって案内する一対の規制部材136(下側のみ図示)が設けられている。また、下ケース132には、第1の実施形態と同様に、案内壁138、分離壁145等が設けられている。
次に、非感熱式のラミネートタイプの印字テープ250について説明する。図21に示すように、テープカセット190のテープ排出口137から排出される印字テープ250は、貼り付け時に裏面となる面に印字面を有する非感熱式の透明なフィルムテープ251と、該フィルムテープ251の裏面に積層されて接着される粘着テープ252とから構成されている。粘着テープ252は、透明なフィルムテープ251の背景となる背景基材254と、該背景基材254のフィルムテープ251側の面に塗布された粘着剤層253と、前記背景基材254の粘着剤層253が塗布された面の反対面に、背景基材254の長手方向に沿って所定間隔L1毎に設けられた感圧粘着剤部255と、該感圧粘着剤部255を挟んで、背景基材254の前記反対面に剥離可能に接着された剥離紙256とから構成されている。
そして、感圧粘着剤部255は、周知の感圧粘着剤で構成され、背景基材254の裏面(剥離紙256が接着される面)に所定間隔L1毎に塗布された平面視長方形状の感圧粘着剤の層である。これにより、フィルムテープ251、粘着剤層253、背景基材254からなる積層状のテープを所定位置で切断し、そのテープを付箋紙として所望の場所に剥離接着することができる。
また、剥離紙256の裏面には、印字テープ250の位置検出のための黒色長方形状のセンサマーク356が、感圧粘着剤部255の前端部(印字テープ250の搬送方向における前端部)から印字方向にL3だけズレた状態で所定間隔L1毎に印刷されている。これにより、感圧粘着剤部255とセンサマーク356とが互いに重ならないようになっている。さらに、センサマーク356と、該センサマーク356の印字方向下流側に位置する感圧粘着剤部255の前端部との距離は、図19に示すテープ印字装置200のマーク検出センサ221とサーマルヘッド10との間の距離であるL2に調整されている。そして、L1=L2+L3の関係になっている。また、剥離紙256の表面(背景基材254に対向する面)におけるセンサマーク356の近傍には、各種情報を記憶するICタグ357が設けられている。
なお、剥離紙256の材質は紙に限らず、樹脂フィルム等でもよい。また、図示しないが、剥離紙256の背景基材254に接着される面には、剥離剤としてのシリコン膜が塗布されているため、剥離紙256を背景基材254から容易に剥がすことができる。こうして、得られるラミネートタイプの印字テープ250は、透明なフィルムテープ251を使用しているので摩擦等に強く、水等の濡れにも強い。
次に、テープ印字装置200における印字処理、及び印字テープ250の作成工程について説明する。図19に示すように、まず、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の協働により、フィルムテープスプール149からフィルムテープ251が引き出される。次いで、フィルムテープ251は、リボンスプール142の外側を通過しながらアーム部134に沿って搬送される。さらに、フィルムテープ251は、印字面が設けられた裏面側をヘッド装着部135側に向けて開口134aから送出される。さらに、この開口134aでは、フィルムテープ251の裏面に、リボンスプール242から引き出されたインクリボン160が重合される。
次いで、テープ印字装置200のサーマルヘッド10とプラテンローラ15との間に、フィルムテープ251とインクリボン160とが重合された状態で搬送される。ここで、フィルムテープ251の印字面には、文字、図形、記号等が実際とは逆向きに印字される。その後、使用済みのインクリボン160はフィルムテープ251から剥がされ、リボン巻取スプール144に巻き取られる。そして、印字済みのフィルムテープ251は、一対の規制部材136によって幅方向の位置が規制され、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の間に搬送される。
一方、粘着テープスプール140に巻回して支持された粘着テープ252は、テープ駆動ローラ146と可動搬送ローラ14との協働によって引き出される。そして、粘着テープ252の粘着剤層253側の面(図21参照)が、フィルムテープ251の印字面である裏面に重合され、テープ駆動ローラ146と可動搬送ローラ14とによって圧接されて一本の印字テープ250が作成される。こうして、テープ排出口137から印字済みのラミネートタイプの印字テープ250が排出される。
次に、テープ印字装置200における印字開始位置のズレ防止機構について説明する。図19,図22に示すように、フィルムテープ251及び粘着テープ252は、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の間に搬送される。ここで、図22に示すように、センサマーク356と、該センサマーク356よりも印字方向下流側の感圧粘着剤部255の前端部との間の距離は、サーマルヘッド10とマーク検出センサ221との間の距離と同じL2になっている(図21参照)。さらに、センサマーク356がマーク検出センサ221に対向した時点において、サーマルヘッド10に対向するフィルムテープ251の印字面の部分は、後の粘着テープ252におけるセンサマーク356からL2だけ離間する感圧粘着剤部255の前端部に接着される部分に相当する。
そこで、CPUは、マーク検出センサ221がセンサマーク356を検出した場合、サーマルヘッド10を駆動させるように駆動回路を制御し、フィルムテープ251の印字面に印字する。そして、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の間では、フィルムテープ251の印字面における印字開始位置に対して、粘着テープ252の裏面における感圧粘着剤部255の前端部が相対するように圧接されて接着される。これにより、感圧粘着剤部255の前端部にフィルムテープ251の印字開始位置が相当する印字済みのラミネートタイプの印字テープ250を作成することができる。
また、本実施形態のようにラミネートタイプの印字テープ250を用いた場合、感圧粘着剤部255は、印字面を有するフィルムテープ251ではなく、粘着テープ252の背景基材254の裏面に設けられているので、フィルムテープ251に感圧粘着剤部による段差ができない。これにより、その段差上をサーマルヘッド10が走査することがないので、フィルムテープ251の印字面になされる印字の品質を良好に保つことができる。
次に、テープ印字装置200における切断処理について説明する。なお、ここでは、1枚の付箋紙を作成する場合について説明する。図19,図22に示すように、マーク検出センサ221がセンサマーク356を検出すると、CPUはサーマルヘッド10による印字動作を開始させるとともに、テープ駆動ローラ146を駆動させてフィルムテープ251をその地点からL4だけ搬送する。そして、フィルムテープ251がその地点から搬送される間に、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の間を通過することによって、フィルムテープ251の裏面に粘着テープ252が接着されて印字テープ250が作成される。
次いで、印字テープ250を構成するフィルムテープ251が前記地点からL4だけ搬送されたら、テープ駆動ローラ146を一時停止させる。このとき、カット機構17の切断位置に印字テープ250の感圧粘着剤部255の前端部が対向する。そして、CPUは、駆動回路を制御してカッターモータを駆動させる。すると、カット機構17では、移動刃18が固定刃19に向かって前方に移動するので、印字テープ250はその感圧粘着剤部255の前端部にて切断される。
その後、CPUは、サーマルヘッド10による残りの印字動作を再開させるとともにテープ駆動ローラ146を駆動させ、印字テープ250を排出スリット9に向かって再び搬送する。そして、印字動作が終了したら、CPUは、マーク検出センサ221が次のセンサマーク356を検出するまでテープ駆動ローラ146を駆動させる。次いで、マーク検出センサ221が次のセンサマーク356を検出した場合、テープ駆動ローラ146を駆動させて印字テープ250をその地点からさらにL4だけ排出スリット9側に搬送する。すると、感圧粘着剤部255の前端部がカット機構17の切断位置に相対する。そして、上記と同様にカット機構17により印字テープ250が切断されることで、長さL1の印字済みのラミネートタイプの付箋紙を得ることができる。なお、本実施形態では、長さL1の付箋紙を作成する場合について説明したが、第1の実施形態で説明したように、付箋紙の長さを(L1−L2)以下にすることで、切り落とされる余白を少なくすることができる。
次に、テープ印字装置200におけるハーフカット処理について説明する。テープ印字装置200では、ユーザによるキーボードの操作によって付箋紙の作成数量が入力されると、一枚の剥離紙256に対して、フィルムテープ251、粘着剤層253、背景基材254が積層してなるテープが複数箇所で切断されて貼り付いた複数の付箋紙を作成することができる。この場合、図19,図22に示すように、CPUは、ハーフカット機構180を動作させる。まず、CPUは、上記と同様の印字動作をテープ印字装置200に行わせ、その印字動作が終了したら、マーク検出センサ221が次のセンサマーク356を検出するまでテープ駆動ローラ146を駆動させる。
そして、マーク検出センサ221が次のセンサマーク356を検出した場合、CPUは、テープ駆動ローラ146を駆動させて印字テープ250をその地点からL5だけ排出スリット9側に搬送する。すると、感圧粘着剤部255の前端部がハーフカット機構180の切断位置に相対する。そこで、CPUは、駆動回路を制御してハーフカッターモータを駆動させる。すると、ハーフカット機構180では、移動刃182が固定台181に向かって移動するので、印字テープ250はその感圧粘着剤部255の前端部にて剥離紙256を残すようにしてハーフカットされる。そして、この処理が繰り返されることによって、一枚の剥離紙256に貼り付いた複数の付箋紙を得ることができる。
以上説明したように、第3の実施形態であるテープ印字装置200では、非感熱式のラミネートタイプである印字テープ250を排出するテープカセット190を用いて、ラミネートタイプの付箋紙を作成できるものである。そして、第1の実施形態と同様の効果に加え、感圧粘着剤部255が、印字面を有するフィルムテープ251ではなく、粘着テープ252の背景基材254の裏面に設けられているので、フィルムテープ251には感圧粘着剤部による段差ができない。これにより、フィルムテープ251の印字面になされる印字の品質を良好に保つことができる。
なお、第3の実施形態であるテープ印字装置200についても種々の変形が可能である。例えば、テープ印字装置200のカセット装着部8には、感熱式のラミネートタイプである印字テープを排出するテープカセットを装着することもできる。そこで、第3の実施形態の変形例として、感熱式の印字テープ450を排出するテープカセット230をテープ印字装置200に装着した場合について、図23及び図24を参照して説明する。図23は、テープカセット230をテープ印字装置200に装着した状態を示す平面図であり、図24は、印字テープ450の縦断面図である。
なお、テープカセット230の構造は、第3の実施形態のテープカセット130の構造とほぼ同じ構造である。よって、以下の説明では、同じ構造部分については第3の実施形態と同じ符号を付して説明を一部省略し、異なる構造部分を中心に説明する。
図23に示すように、テープカセット230のカセット装着部8に装着されたテープカセット230は、感熱式のラミネートタイプである印字テープ450を排出するものである。このテープカセット230の下ケース132内において、粘着テープスプール140には粘着テープ452が巻回して支持され、フィルムテープスプール149には、透明で感熱式のフィルムテープ451が巻回して支持されている。なお、フィルムテープ451は感熱式であるので、このテープカセット230にはインクリボンは収納されていない。
そして、テープカセット230の前面右側に設けられたアーム部134の内側には、フィルムテープスプール149から引き出されたフィルムテープ451が搬送され、開口134aからヘッド装着部(図示外)に排出されている。一方、粘着テープスプール140から引き出された粘着テープ452は、テープ駆動ローラ146を介してフィルムテープ451の裏面側に重合され、テープ排出口137からラミネートタイプの印字テープ450として排出される。なお、テープカセット230には、図20に示すテープカセット190と同様に、ICタグ147、案内壁138、テープ駆動ローラ146等が設けられている。
ここで、印字テープ450について説明する。図24に示すように、テープカセット230のテープ排出口137から排出される印字テープ450は、貼り付け時に裏面となる面に印字面を有する感熱式の透明なフィルムテープ451と、該フィルムテープ451の裏面に積層されて接着される粘着テープ452とから構成されている。粘着テープ452は、透明なフィルムテープ451の背景となる背景基材454と、該背景基材454のフィルムテープ451側の面に塗布された粘着剤層453と、前記背景基材454の粘着剤層453が塗布された面の反対面に、背景基材454の長手方向に沿って所定間隔L1毎に設けられた感圧粘着剤部455と、該感圧粘着剤部455を挟んで、背景基材454の前記反対面に剥離可能に接着された剥離紙456とから構成されている。
また、剥離紙456の裏面には、印字テープ450の位置検出のための黒色長方形状のセンサマーク556が、感圧粘着剤部455の前端部から印字方向にL3だけズレて所定間隔L1毎に印刷されている。これにより、感圧粘着剤部455とセンサマーク556とが互いに重ならないようになっている。さらに、センサマーク356と、該センサマーク356の印字方向下流側に位置する感圧粘着剤部455の前端部との距離はL2に調整されている。つまり、L1=L2+L3の関係になっている。また、剥離紙456の表面(背景基材454に対向する面)におけるセンサマーク556の近傍には、各種情報を記憶するICタグ557が設けられている。
そして、図23に示すように、テープ印字装置200では、サーマルヘッド10とマーク検出センサ221との間の距離がL2になっているので、図24に示すセンサマーク556と、該センサマーク556よりも印字方向下流側の感圧粘着剤部455の前端部との間の距離と同じになっている。さらに、センサマーク556がマーク検出センサ221に対向した時に、サーマルヘッド10に対向するフィルムテープ451の印字面の部分は、粘着テープ452のセンサマーク556からL2だけ離間する感圧粘着剤部455の前端部が接着される部分に相当する。
そこで、CPUは、マーク検出センサ221がセンサマーク556を検出した場合、サーマルヘッド10を駆動させるように駆動回路を制御し、フィルムテープ251の印字面に印字する。そして、テープ駆動ローラ146及び可動搬送ローラ14の間では、フィルムテープ451の印字面における印字開始位置に対して、粘着テープ452の裏面における感圧粘着剤部455の前端部が相対するように圧接される。これにより、感圧粘着剤部455の前端部にフィルムテープ451の印字開始位置が相当する印字済みの印字テープ450を作成することができる。
なお、印字テープ150の切断処理及びハーフカット処理においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。以上のように、感熱式のラミネートタイプの印字テープ450を排出するテープカセット230を、テープ印字装置200に装着した場合においても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の印字テープ、テープカセット及びテープ印字装置は、上記実施形態に限らず、各種変形が可能なことはいうまでもない。