本発明の実施の形態に係る回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」という)の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、遊技機1の概観について説明する。
遊技機1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられる前面扉1bとが設けられている。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がリールの回転方向に連続して配されている。具体的には、各リール3L,3C,3Rの表面には一の図柄に割り当てられる領域が複数(即ち、21個)設けられており、これらの各領域に、後述の赤7、青7、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ、又はブランクの各図柄が配されている(後述の図2参照)。各リール3L,3C,3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がリールの回転に伴って変動する。
前面扉1bの中央には、遊技機1の正面側から見てリール3L,3C,3Rの手前側、即ち、リール3L,3C,3Rに重畳する位置に、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の液晶表示部5aは、縦長矩形の図柄表示領域4L,4C,4R及び演出表示領域23により構成されている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、3個のリール3L,3C,3Rに対応して設けられており、対応する各リール3L,3C,3Rの前方に位置するように設けられている。そして、図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を透過することが可能となっている。即ち、図柄表示領域4L,4C,4Rを透して、その背後に設けられている各リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が視認可能となっている。また、液晶表示装置5の演出表示領域23では、遊技に関する映像の表示が行われ、演出が実行される。尚、図柄表示領域4L,4C,4R及び演出表示領域23を含めた液晶表示部5aの表示領域の全体を使って、所定の映像の表示を行い、演出を実行することも可能である。
また、各図柄表示領域4L,4C,4Rには、その表示領域内における上段、中段又は下段の各領域に一の図柄が表示されることにより、対応するリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される(即ち、図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄のうち一部の複数の図柄を夫々表示する図柄表示手段の一例であり、以下では「表示窓」と称す)。尚、本実施の形態では、リールの個数に対応する複数の表示窓を設けるようにしたが、これに限らず、一の表示窓として構成しても良い。表示窓は、各リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄のうちの一部の図柄が表示可能となる構成であることが好ましい。
表示窓4L,4C,4Rには、上段、中段及び下段の各領域のうち予め定められた何れかを夫々結ぶ擬似的なライン(予め定められた領域の組合せともいえる)が形成される。基本的に、当該ラインにより表示される図柄の組合せに基づいて遊技者に対して付与を行う利益の決定が行われる。上記ラインとして、具体的に、クロスアップライン8a、トップライン8b、センターライン8c、ボトムライン8d、及び、クロスダウンライン8eの5つが設けられる。センターライン8cは、各表示窓4L,4C,4Rの中段の領域を組み合せてなる。トップライン8bは、各表示窓4L,4C,4Rの上段の領域を組み合せてなる。ボトムライン8dは、各表示窓4L,4C,4Rの下段の領域を組み合せてなる。クロスアップライン8aは、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段、及び右表示窓4Rの上段の各領域を組み合せてなる。クロスダウンライン8eは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段、及び右表示窓4Rの下段の各領域を組み合せてなる。
液晶表示装置5の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の右側にはメダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には1−ベットボタン11、2−ベットボタン12及び最大ベットボタン13が設けられている。基本的に、メダル投入口22にメダルが放り込まれることに基づいて、及び、ベットボタン11,12,13に対する押圧操作に基づいて、メダルが投入され、上記入賞ライン8a〜8eが有効化される(有効化された入賞ラインを以下、有効ラインという)。有効化されたラインは、後述の利益の付与に係る図柄の組合せが表示されたか否かの判定を行う対象となる。尚、本実施の形態では、遊技媒体としてメダルを使用するが、これに限らず、コイン、遊技球又はトークンなどの他、メダルの数量等の情報を記憶したカード等も適用可能である。また、台座部10の中央には、7セグメントLEDから成り、遊技機1に投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数という)や遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)などを表示する情報表示部18が設けられている。
台座部10の前面部の左寄りには、メダルのクレジット(Credit)又はメダルの排出(Pay)の切り換えを行うためのC/Pボタン14が設けられている。メダルの排出が行われる場合、払出枚数に応じたメダルが正面下部のメダル払出口15から排出され、メダル受け部16に溜められる。また、クレジットが行われる場合、払出枚数に応じたメダルがクレジットされる。台座部10の前面部の中央には、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転を停止させるためのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。ストップボタン7L,7C,7Rの左側には、リール3L,3C,3Rの回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。
以下では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに最初に行われる停止操作(即ち、ストップボタンに対する遊技者の押圧操作)を「第1停止操作」といい、第1停止操作の次に行われ、2つのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第2停止操作」といい、第2停止操作の次に行われ、残り1つのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第3停止操作」という。
また、前面扉1bの上部には、LED101が設けられている。LED101は、遊技の状況に応じた点灯パターンにて点灯が行われ、遊技に関する演出が行われる。前面扉1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。スピーカ21L,21Rは、遊技の状況に応じた効果音や楽曲等の音が出力され、遊技に関する演出が行われる。
次に、図2を参照して、遊技機1の各リール3L,3C,3Rの表面に配される図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄が21個配されている。具体的に、赤7(図柄61)、青7(図柄62)、スイカ(図柄63)、ベル(図柄64)、チェリー(図柄65)、リプレイ(図柄66)、又はブランク(図柄67)の各図柄が配されている。尚、各リール3L,3C,3Rは、図2に示す矢印方向に回転する。
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム(例えば、後述の図13〜図21参照)、後述の図柄配置テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図4〜図9参照)等が記憶されている。RAM33には、後述の内部当籤役格納領域等の各種格納領域(例えば、後述の図10〜図12参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36、及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、情報表示部18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39、及びホッパー駆動回路41がある。表示部駆動回路48は、情報表示部18による各種情報(払出枚数やクレジット枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、ホッパー40によるメダルの排出の制御を行う。モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。
ここで、本実施の形態では、リールが一回転したことを示すリールインデックスが後述のリール位置検出回路50により検出されてから、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度を検出することとしている。また、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの表面に配された図柄1つ分のリールの回転が行われる構成となっている。
具体的には、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33のパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタにより16回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33の図柄カウンタが1ずつ加算される。また、図柄カウンタは、リールインデックスが後述のリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。図柄カウンタは、リールの種別に応じて設けられる。
ここで、リールインデックスの検出は、該当する図柄がセンターライン8c(より厳密には、各表示窓4L,4C,4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置するときに行われる構成となっている。即ち、リールの種別毎に当該図柄カウンタを設けることによって、センターライン8cに位置する図柄の種別等をリールの種別に応じて特定可能となる。尚、本実施の形態では、リールインデックスの検出は、該当する図柄がセンターライン8cに位置するときに行われる構成とするが、例えば、トップライン8b(より厳密には、各表示窓4L,4C,4Rの縦方向における上段の領域の中心部)やボトムライン8d(より厳密には、各表示窓4L,4C,4Rの縦方向における下段の領域の中心部)に位置するときに行われるようにしても良い。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、2−ベットスイッチ12S、最大ベットスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51が接続されている。また、図示を省略しているが、電源ボタンに対する管理者の操作に基づいて、遊技機1に対する電源の供給及び遮断を行うための電源スイッチも設けられている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の傾動操作(即ち、開始操作)を検出し、信号をマイクロコンピュータ30に出力する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の押圧操作(即ち、停止操作)を夫々検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。1−ベットスイッチ11S、2−ベットスイッチ12S、及び最大ベットスイッチ13Sは、1−ベットボタン11、2−ベットボタン12、及び最大ベットボタン13の夫々に対する遊技者の押圧操作(即ち、投入操作)を検出し、該当する投入枚数の加算を要求する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。メダルセンサ22Sは、遊技者の操作によりメダル投入口22に放り込まれたメダルの通過を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の押圧操作を検出し、メダルの排出又はクレジットの切り替えを要求する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L,3C,3R毎に検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、払出枚数が所定枚数に達したか否かを検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
前述した主制御回路71は、内部当籤役の決定やリールの制御など一連の遊技の進行を制御するものであるのに対し、副制御回路72は、映像、音、光、あるいはこれらを組み合わせた遊技に関する演出の制御を行うものである。主制御回路71と副制御回路72とはハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。
副制御回路72は、基本的に、サブCPU、制御ROM、SDRAM、レンダリングプロセッサ、描画用SDRAM、ドライバ、A/D変換器、及びアンプ等(図示せず)によって構成される。また、副制御回路72により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、液晶表示装置5、スピーカ21L,21R、及び、LED101がある。制御ROMは、基本的に、演出の内容の決定やその実行の制御を行うサブCPU制御用プログラムを記憶するプログラム記憶領域と、演出の内容を規定する演出テーブルやアニメーションデータ等の描画用のデータを記憶するデータ記憶領域によって構成される。サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、上記制御ROM内に記憶されたプログラム等に従い、映像、音、光の出力を制御する。
次に、図4を参照して、主制御回路71のROM32に記憶されている図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、図2に示す各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄の配列に基づいたデータを規定する。具体的に、図柄配置テーブルには、図柄カウンタにより特定され得る、リールの回転方向における位置(即ち、図柄位置「0」〜「20」)に応じて、当該位置に配された図柄の種別に応じたデータが規定されている。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各有効ライン8a〜8eなどに位置する図柄の種別が特定可能となる。
次に、図5を参照して、ROM32に記憶されている内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルには、遊技状態に応じて決定される内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とが規定されている。一般遊技状態では、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、基本的に、抽籤回数が7に決定される。後述のRB遊技状態では、RB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数が3に決定される。
次に、図6を参照して、ROM32に記憶されている内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルでは、各当籤番号に応じて割り当てられた乱数値の下限値及び上限値(即ち、下限値以上且つ上限値以下の数値の範囲)が規定されている。当籤番号は、内部抽籤テーブルに規定される複数の数値の範囲を識別するためのデータであり、後述の内部当籤役の決定等を行う際に用いられるデータである。
内部抽籤テーブルでは、「0〜65535」の範囲から抽出された乱数値が、前述の各当籤番号の数値範囲に属するか否かの判定が行われる。前述の抽籤回数は、この判定を行う回数を示す。抽籤回数分の判定を行った結果、乱数値格納領域に格納されたが何れかの数値範囲に属するとき、該当する当籤番号が決定される。尚、抽出された乱数値が何れの数値範囲にも属さなければ、当籤番号が0に決定される。また、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に規定された上限値と下限値との差に1を加えた数(即ち、数値範囲の大きさであり、図中における幅と等しい)/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(即ち65536)」により算出することができる。
図6の(1)は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、第2の内部抽籤テーブルに相当するものの一例である。図6の(2)及び図6の(3)は、リプレイタイム(以下、「RT」と略記する)作動中用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT作動中用内部抽籤テーブルは、投入枚数(即ち、1〜3)毎に、当籤番号1〜当籤番号7に応じた下限値及び上限値が規定されている。投入枚数が多いほど、後述のメダルの払い出しに係る当籤番号(即ち、当籤番号1〜3)及びボーナスゲームの作動に係る当籤番号(即ち、当籤番号6及び当籤番号7)の当籤確率が高い。
RT作動中用内部抽籤テーブルは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと比べて、後述の再遊技の作動に係る当籤番号(即ち、当籤番号4及び当籤番号5)の当籤確率が高く、他の当籤番号(即ち、当籤番号1〜3、当籤番号6及び当籤番号7)の当籤確率は等しくなっている。
本実施の形態では、RTの種別としてRT1及びRT2の2種類を設けており、RTの種別に応じて内部抽籤テーブルを設けるようにしている。図6の(2)は、RT1の作動が行われる場合に使用されるRT1作動中用内部抽籤テーブルを示す。RT1作動中用内部抽籤テーブルは、第1の内部抽籤テーブルに相当するものの一例である。また、図6の(3)は、RT2の作動が行われる場合に使用されるRT2作動中用内部抽籤テーブルを示す。RT2作動中用内部抽籤テーブルは、第3の内部抽籤テーブルに相当するものの一例である。
本実施の形態では、再遊技の作動に係る当籤番号として、当籤番号4(後述のリプレイ)及び当籤番号5(後述の特殊リプレイ)を設けている。当籤番号4の数値範囲の幅は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは「1」に規定されているのに対し、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは「9103」に規定されており、RT2作動中用内部抽籤テーブルでは「54614」に規定されている。また、当籤番号5の数値範囲の幅は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは「8978」に規定されているのに対し、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは「1」に規定されており、RT2作動中用内部抽籤テーブルでは「1」に規定されている。従って、当籤番号4及び当籤番号5のうち、一般遊技状態(RT1及びRT2の作動が行われていないとき)では基本的に当籤番号5が決定されるのに対して、RT1の作動中及びRT2の作動中では基本的に当籤番号4が決定される構成となっている。
ここで、一般遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT作動中用内部抽籤テーブルでは、当籤番号4の数値範囲と当籤番号5の数値範囲は互いに重複する関係にあり、抽出された乱数値がこの重複する数値範囲に属するときには、当籤番号4及び当籤番号5の両方が共に決定される。例えば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、抽出された乱数値が「7700」であるときに両者が共に決定されることとなる。
再遊技の作動に係る当籤番号が決定される数値範囲の全体の幅(言い換えれば、当籤番号4及び当籤番号5のうちの少なくとも何れかが決定される確率)は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは「8978」であるのに対して、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは「9103」であり、RT2作動中用内部抽籤テーブルでは「54614」である。従って、RT1の作動中では、一般遊技状態のそれと概ね同様の大きさである一方で、RT2の作動中では、一般遊技状態のそれと比べて極めて大きい構成となっている。
図6の(4)は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1〜当籤番号3に応じた下限値及び上限値が規定されている。また、RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、上記図6の(1)〜(3)の内部抽籤テーブルと比べて、当籤番号2(後述のベル)の当籤確率が極めて高い構成となっている。
次に、図7を参照して、ROM32に記憶されている内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルには、前述の各当籤番号に応じて、1バイトのフラグデータが規定されている。当該データは、乱数値に基づいた内部的な抽籤の結果として取得されるものであり、本実施の形態では、当該データを説明の便宜上「内部当籤役」と称す(また、本実施の形態では、図中の「内容」の項に示した名称にて各内部当籤役を区別する)。具体的には、当籤番号0〜当籤番号7の夫々に応じて、ハズレ、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、特殊リプレイ、RB2、及びRB1の夫々が内部当籤役として規定されている。
次に、図8を参照して、主制御回路71の図柄組合せテーブルについて説明する。
本実施の形態では、各有効ライン8a〜8eに沿って表示されることによって遊技者に対して利益の付与が行われる、複数種類の図柄の組合せが予め定められている。尚、有効ライン8a〜8eに沿って表示される図柄の組合せの種別を、説明の便宜上「表示役」と称す。図柄組合せテーブルは、上記利益の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役(1バイトのデータにより表され、その内容は当該内部当籤役の内容と同様である)及び払出枚数とが規定されている。
左リール3Lのチェリーが左表示窓4L内の上段、中段、及び下段の何れかに表示されると、残りの中表示窓4C及び右表示窓4Rの夫々に表示される図柄の種別に拘らず(チェリー−Any−Any)、表示役がチェリーと決定される。チェリーに対応する払出枚数は、投入枚数が1であれば15であり、投入枚数が2及び3であれば5である。各リール3L,3C,3Rのベルが一の有効ラインに沿って表示されると(ベル−ベル−ベル)、表示役がベルと決定される。ベルに対応する払出枚数は、投入枚数が1であれば15であり、投入枚数が2及び3であれば7である。また、各リール3L,3C,3Rのスイカが一の有効ラインに沿って表示されると(スイカ−スイカ−スイカ)、表示役がスイカと決定される。スイカに対応する払出枚数は、投入枚数が1のとき、投入枚数が2及び3のときの何れも14である。
各リール3L,3C,3Rのリプレイが一の有効ラインに沿って表示されると(再遊技の作動に係る第1の図柄の組合せである「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)、表示役がリプレイと決定される。左リール3Lのベル、中リール3Cのリプレイ、及び右リール3Rのリプレイが一の有効ラインに沿って表示されると(再遊技の作動に係る第2の図柄の組合せである「ベル−リプレイ−リプレイ」)、表示役が特殊リプレイと決定される。リプレイ及び特殊リプレイが決定されると、再遊技の作動が行われる。即ち、これらが表示役として決定されたときの投入枚数と同数のメダルが、次回において、遊技者による投入操作に基づかずに自動的に投入される。従って、次回において、遊技者が所有するメダルを消費する必要がなくなる。
また、特殊リプレイが決定されると、RT2の作動が行われる。RT2の作動が行われると、RT2作動中用内部抽籤テーブルが使用されて内部的な抽籤が行われる。従って、内部当籤役「リプレイ」が一般遊技状態よりも高い確率で決定されるようになり、その結果、再遊技の作動が行われる機会が増加するので、メダルの消費を抑えることが可能となる。さらにいえば、RT2の作動が開始されると、メダルの消費を極力抑えながら、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役(RB1、RB2)が決定されることを遊技者に期待させることができるようになる。
各リール3L,3C,3Rの青7が一の有効ラインに沿って表示されると(青7−青7−青7)、表示役がレギュラーボーナス(以下「RB」と略記する)2と決定される。各リール3L,3C,3Rの赤7が一の有効ラインに沿って表示されると(赤7−赤7−赤7)、表示役がRB1と決定される。RB2及びRB1が決定されると、RBの作動が開始される。RBの作動が行われると、RB作動中用内部抽籤テーブルが使用されて内部的な抽籤が行われる。従って、内部当籤役「ベル」が一般遊技状態よりも高い確率で決定されるようになり、その結果、メダルの払い出しが行われる機会が増加するので、遊技者にとって有利となる。
ここで、チェリー、スイカ、及びベルは、メダルの払い出し(即ち、入賞)に係るものの一例である。また、リプレイ及び特殊リプレイは、再遊技の作動に係るものの一例である。また、特殊リプレイは、予め定められた図柄の組合せの一例であり、リプレイタイムの作動に係るものの一例である。さらにまた、RB1及びRB2は、ボーナスゲームの作動に係るものの一例である。
次に、図9を参照して、ROM32に記憶されているボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルには、ボーナスゲームの作動が開始されるとき、RAM33の所定の格納領域に格納されるデータが規定されている。具体的に、RBの作動が開始されるときは、RB作動中フラグがオンされ、遊技可能回数カウンタに12が格納され、入賞可能回数カウンタに8が格納される。遊技可能回数カウンタは、RB作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動中においてメダルの払い出しに係る表示役が決定された回数(即ち、入賞が決定された回数)を計数するためのデータである。
次に、図10を参照して、RAM33の内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役が格納される内部当籤役格納領域の構成と表示役が格納される表示役格納領域の構成は、同様の内容となっている。
内部当籤役(又は表示役)が決定されると、1バイトのフラグデータがRAM33の内部当籤役格納領域(又は表示役格納領域)に格納される。当該格納領域のビット0〜ビット6の夫々は、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、特殊リプレイ、RB2、及びRB1の夫々に対応している(ビット7は未使用)。尚、当該格納領域の全てのビットが0のとき、内部当籤役(又は表示役)はハズレとなる。
次に、図11を参照して、RAM33の持越役格納領域の構成について説明する。
内部抽籤処理によりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、それを示す識別子(即ち、フラグデータ)がRAM33の持越役格納領域に格納される。具体的に、ビット5はRB2に対応し、ビット6はRB1に対応している。また、持越役格納領域に格納された識別子は、ボーナスゲームの作動が開始されることによりクリアされる。即ち、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、そのボーナスゲームの作動が開始されるまでの間、その識別子が記憶される構成となっている(いわゆる「持ち越し」と称され、格納されている識別子は「持越役」と称される)。そして、持越役格納領域に識別子が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、その格納されている識別子が内部当籤役格として決定されるようになっている。また、持越役は、内部当籤役に基づいて決定されることから、内部当籤役の下位概念とも言える。
次に、図12を参照して、主制御回路71のRAM33のRT作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
RTの作動が開始されると、その種別を示す識別子がRAM33のRT作動中フラグ格納領域に格納される。具体的に、ビット0及びビット1の夫々は、RT1作動中フラグ及びRT2作動中フラグの夫々に対応している。
次に、図13〜図21に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が行う制御について説明する。
先ず、図13を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるリセット割込処理について説明する。CPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、そのリセット割込の発生に基づいて、ROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
電源が投入されると、初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。この処理では、電源遮断時にRAM33に格納されたレジスタのデータや実行アドレスの復帰を行う処理などが行われる。次に、CPU31は、RAM33における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。この処理では、RAM33の各種格納領域等に格納されたデータがクリアされる。
次に、CPU31は、後で図14を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メダルセンサ22S及びベットスイッチ11S,12S,13Sの入力のチェックに基づく投入枚数カウンタ等の更新や、スタートスイッチ6Sの入力のチェックが行われる。次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。
次に、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。具体的には、RB作動中フラグがオンであればRB遊技状態を示す識別子(いわゆるフラグ)がRAM33に格納され、RB作動中フラグがオフであれば一般遊技状態を示す識別子がRAM33に格納される。次に、CPU31は、後で図15を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。この処理では、乱数値格納領域に格納されている乱数値が内部抽籤テーブルに規定されている複数の数値範囲のうちの何れに属するかの判定が行われ、内部当籤役が決定される。
次に、CPU31は、後で図19を参照して説明するRT遊技数カウンタ更新処理を行う(ステップS7)。RT遊技数カウンタは、RT作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。この処理では、RT遊技数カウンタが0でないと判別された場合に当該カウンタが1減算される。そして、この減算の結果、RT遊技数カウンタが0になったと判別された場合にRT作動中フラグ格納領域がクリアされる。
次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS8)。スタートコマンドには、内部当籤役や遊技状態などのデータが含まれている。次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。尚、全リールの回転開始が要求されると、後述する割込処理(図21参照)においてリールの回転を開始する処理が行われる。そして、遊技者による押圧操作を有効なものとして受け付けるストップボタンの種別を示すデータがRAM33に格納される。次に、CPU31は、後で図16を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS10)。この処理では、全てのリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる。
次に、CPU31は、図柄組合せテーブルを参照し、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する処理を行う(ステップS11)。この処理では、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと各有効ライン8a〜8cに沿って並ぶ図柄の組合せとが比較され、一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する表示役及び払出枚数が決定され、表示役格納領域及び払出枚数カウンタが更新される。また、一致しないときには、表示役格納領域に格納されるデータが「0」となり、表示役はハズレとなる。ここで、表示役「リプレイ」又は「特殊リプレイ」が決定されたときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタにコピーする処理を行う。
次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS12)。表示役コマンドには、決定された表示役などのデータが含まれている。次に、CPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS13)。この処理では、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の制御やクレジットカウンタの更新が行われる。次に、CPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS14)。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、当該カウンタから払出枚数に応じた値が減算される。
次に、CPU31は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS15)。CPU31は、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図18を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS16)。ボーナス終了チェック処理は、ボーナスゲーム終了手段を構成するものの一例である。この処理では、ボーナスゲームの作動時にRAM33に格納される各種カウンタが0に更新されたか否かの判別に基づいて、ボーナスゲームの作動を終了する処理が行われる。CPU31は、ステップS16の後、又は、ステップS15においてRB作動中フラグはオンではないと判別したときには、後で図17を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS17)。次に、CPU31は、後で図20を参照して説明するRT作動チェック処理を行う(ステップS18)。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
次に、図14を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、メダルが通過したか否かを判別する(ステップS51)。具体的には、投入メダルセンサ22Sがオンからオフに切り替わった場合に、メダルが通過したと判別される。CPU31は、メダルが通過したと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値であるか否かを判別する(ステップS52)。当該最大値は、RB作動中フラグがオンのときは「1」、RB作動中フラグがオフのときは「3」に規定されている。CPU31は、投入枚数カウンタは最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタに1を加算する(ステップS53)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS54)。有効ラインカウンタは、有効ラインの数を特定するためのデータである。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS55)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。
尚、ステップS51の前において、自動投入カウンタ(当該カウンタには、表示役「リプレイ」又は「特殊リプレイ」が決定されるときにそのときの投入枚数カウンタの値がコピーされる)が0ではないときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する自動投入処理が行われる。更に、以後、メダル投入口22からメダルが投入されても、投入枚数カウンタが加算されないようにするため、メダル投入口22から投入されたメダルがメダル払出口15から排出されるように、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わない。
CPU31は、ステップS52において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS56)。クレジットカウンタは、クレジットされるメダルの枚数を計数するためのデータである。次に、CPU31は、ステップS56の後、ステップS55の後、又はステップS51においてメダルが通過していないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS57)。具体的には、ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタ、クレジットカウンタ、及び投入枚数カウンタの最大値に基づいて、投入枚数カウンタに加算する値が算出され、投入枚数カウンタが更新される。尚、ベットスイッチのチェックは、メダルが通過している最中、また、メダルが通過したときは行われない。
次に、CPU31は、投入枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS58)。CPU31は、投入枚数カウンタは0であると判別したときには、ステップS51に移る。CPU31は、投入枚数カウンタは0ではないと判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS59)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS51に移る。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図15を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、遊技状態と、内部抽籤テーブル決定テーブルに基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS91)。次に、CPU31は、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS92)。CPU31は、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンであると判別したときには、該当するRT作動中用内部抽籤テーブルを決定する(ステップS93)。
CPU31は、ステップS93の後、又は、ステップS92においてRT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンではないと判別したときには、持越役格納領域にRB1又はRB2を示すデータが格納されているか否かを判別する(ステップS94)。CPU31は、持越役格納領域にRB1又はRB2を示すデータが格納されていると判別したときには、抽籤回数を5に変更する(ステップS95)。この処理により、持越役が存在するときには、RB1又はRB2が重複して決定されないようになる。CPU31は、ステップS95の後、又は、ステップS94において持越役格納領域にRB1又はRB2を示すデータが格納されていないと判別したときには、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS96)。
次に、CPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値と、投入枚数カウンタ及びセットされている当籤番号に応じた下限値及び上限値とを比較する(ステップS97)。次に、CPU31は、乱数値は下限値以上且つ上限値以下であるか否かを判別する(ステップS98)。CPU31は、ステップS98において乱数値は下限値以上且つ上限値以下であると判別したときには、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定する(ステップS99)。次に、CPU31は、セットされている当籤番号を当籤番号格納領域に格納(尚、上書き)する(ステップS100)。
次に、CPU31は、内部当籤役はRB1又はRB2であるか否かを判別する(ステップS101)。CPU31は、内部当籤役はRB1又はRB2であると判別したときには、持越役格納領域にRB1又はRB2を示すデータを格納する(ステップS102)。CPU31は、ステップS102の後、又は、ステップS101において内部当籤役はRB1又はRB2ではないと判別したときには、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS103)。CPU31は、ステップS103の後、又は、ステップS98において乱数値は下限値以上且つ上限値以下ではないと判別したときには、抽籤回数を1減算する(ステップS104)。
次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS105)。CPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS96に移る。CPU31は、ステップS105において抽籤回数は0であると判別したときには、内部当籤役格納領域と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS106)。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図16を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS121)。CPU31は、有効なストップボタンが押圧操作されていないと判別したときには、ステップS121の処理を繰り返す。尚、いわゆる自動停止を行う場合には、スタートスイッチ6Sがオンされてから所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判別するようにしても良い。CPU31は、ステップS121において有効なストップボタンが押圧操作されたと判別したときには、押圧操作が行われたストップボタンの種別を特定し、該当するストップボタンの押圧操作を無効化する(ステップS122)。即ち、該当するストップボタンの押圧操作が無効であることを示す識別子がRAM33に格納される。
次に、CPU31は、チェック回数として5をセットする(ステップS123)。次に、CPU31は、図柄カウンタに対応する図柄位置からチェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS124)。次に、CPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(ステップS125)。
より具体的には、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(即ち、リールの回転の停止が開始される図柄位置であり、これを「停止開始位置」という)からチェック回数の範囲内にある各図柄位置(例えば、停止開始位置が「0」であれば、図柄位置「0」〜「4」)の図柄の中に内部当籤役を満足する図柄があるか否かが検索され、さらに、利益の付与に係る図柄の組合せの種別(或いは内部当籤役の種別)に応じて予め規定されている優先順位に基づいて、最も優先順位の高い図柄位置が決定される。例えば、優先順位1として特殊リプレイ、優先順位2としてリプレイ、優先順位3としてRB1及びRB2、優先順位4としてチェリー、ベル、及びスイカを予め規定するようにしても良い。そして、停止開始位置から決定された図柄位置までの移動分(言い換えると、停止開始位置と決定された図柄位置との差分)が滑り駒数として決定される。
滑り駒数は、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから対応するリールの回転が停止する迄のリールの回転量であり、言い換えると、ストップスイッチ7Sにより停止操作の検出が行われてから該当するリールの回転が停止する迄の期間において、該当する表示窓の中段を通過する図柄の数である。これは、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。
本実施の形態では、基本的に、ストップスイッチ7Sにより信号が出力された後、190msec以内にリール3L,3C,3Rの回転を停止させる制御が行われ、数値範囲「0」〜「4」のうちの何れかが滑り駒数として決定される。例えば、停止開始位置が「0」であり、決定された滑り駒数が「4」であれば、図柄位置「4」の図柄を該当する表示窓の中段に表示するように該当するリールの回転を停止することが可能となる。このように、停止開始位置から滑り駒数の範囲内にある図柄をセンターライン8cに表示可能とするリールの回転の停止制御を所謂「引き込み」という。また、停止開始位置から滑り駒数分の引き込みが行われて停止されることとなる図柄位置を「停止予定位置」という。即ち、停止開始位置に滑り駒数分を加算した図柄位置が停止予定位置となる。
ここで、滑り駒数の最大値をX(Xは自然数であり、本実施の形態では「4」)とすると、リプレイの図柄やベルの図柄は、各リール3L,3C,3Rの表面において他の図柄がX+1個連続しない間隔で(換言すると、例えば、リプレイとリプレイの間に配される他の図柄の個数が0個以上X個以下となるように)配される。基本的に、このような図柄から構成される図柄の組合せは、該当する内部当籤役が決定されていることを条件に、遊技者により停止操作が行われると、そのタイミング等にかかわらず、遊技者に対して表示されるようになる。逆に言えば、各リール3L,3C,3Rの表面において他の図柄がX+1個連続する間隔で(換言すると、例えば、該当する図柄間に配される他の図柄の個数がX+1個以上となるように)配される図柄から構成される図柄の組合せが遊技者に対して表示されるには、適切なタイミングでの停止操作を行うことが遊技者に要求され、停止操作に関する技量が要求される。
次に、CPU31は、停止予定位置待ちに移行する(ステップS126)。例えば、決定された滑り駒数が「2」であり、停止開始位置が「20」であれば、停止予定位置が「1」に決定される。そして、停止予定位置が決定されると、後述する割込処理(図21参照)において、当該停止予定位置に基づいて該当リールの回転を停止する処理が行われる。尚、滑り駒数と停止予定位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。
次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS127)。リール停止コマンドには、停止されたリールの種別などのデータが含まれる。次に、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(ステップS128)。CPU31は、押圧操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、ステップS121に移る。また、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図17を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はRB1又はRB2であるか否かを判別する(ステップS141)。CPU31は、表示役はRB1又はRB2ではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、表示役はRB1又はRB2であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS142)。次に、CPU31は、持越役格納領域をクリアする(ステップS143)。次に、CPU31は、RT遊技数カウンタをクリアし、RT作動中フラグ格納領域をクリアする(ステップS144)。即ち、ボーナスゲームの作動が開始されると、RTの作動が終了する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図18を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS151)。CPU31は、入賞が成立したと判別したときには、入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS152)。次に、CPU31は、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS153)。CPU31は、入賞可能回数カウンタは0ではないと判別したとき、又は、ステップS151において入賞が成立していないと判別したときには、遊技可能回数カウンタを1減算する(ステップS154)。
次に、CPU31は、遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS155)。CPU31は、遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。CPU31は、遊技可能回数カウンタは0であると判別したとき、又は、ステップS153において入賞可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS156)。具体的に、RB作動中フラグや入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアが行われる。次に、CPU31は、RT1作動中フラグをオンにし、RT遊技数カウンタに1200を格納する(ステップS157)。即ち、ボーナスゲームの作動が終了することを条件に、RT1の作動が開始される。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図19を参照して、RT遊技数カウンタ更新処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT遊技数カウンタは1以上であるか否かを判別する(ステップS171)。CPU31は、RT遊技数カウンタは1以上ではないと判別したときには、RT遊技数カウンタ更新処理を終了する一方で、RT遊技数カウンタは1以上であると判別したときには、RT遊技数カウンタを1減算する(ステップS172)。次に、CPU31は、RT遊技数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS173)。CPU31は、RT遊技数カウンタは0ではないと判別したときには、RT遊技数カウンタ更新処理を終了する一方で、RT遊技数カウンタは0であると判別したときには、RT作動中フラグ格納領域をクリアする(ステップS174)。即ち、RT1の作動及びRT2の作動は、ボーナスゲームの作動が開始されるか、又は、予め定められた遊技回数が行われることによって終了する。この処理が終了すると、RT遊技数カウンタ更新処理を終了する。
次に、図20を参照して、RT作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役は特殊リプレイであるか否かを判別する(ステップS191)。CPU31は、表示役は特殊リプレイではないと判別したときには、RT作動チェック処理を終了する一方で、表示役は特殊リプレイであると判別したときには、RT作動中フラグ格納領域をクリアし、RT2作動中フラグをオンする(ステップS192)。即ち、特定の図柄の組合せが表示されることを条件に、RT2の作動が開始される。次に、CPU31は、RT遊技数カウンタに5000を格納する(ステップS193)。この処理が終了すると、RT作動チェック処理を終了する。
次に、図21を参照して、主制御回路71のCPU31の制御により行われる、1.1173msec周期の割込処理について説明する。
初めに、CPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS211)。次に、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS212)。具体的には、CPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS213)。具体的には、リールの回転開始要求がされたときは、リール3L,3C,3Rの回転が開始され、その後一定速度での回転が行われる。また、停止予定位置が格納されたときは、該当リールの図柄カウンタが停止予定位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。例えば、図柄カウンタが「0」であり、停止制御位置が「4」であれば、図柄カウンタが「4」に更新されたときにリールの回転が停止される。次に、CPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS214)。具体的に、情報表示部18への払出枚数の表示などの処理が行われる。次に、CPU31は、レジスタの復帰を行う(ステップS215)。この処理が終了すると、1.1173msec周期の割込処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、ボーナスゲームの作動が終了すると、RT1の作動を行い(即ち、RT1作動中用内部抽籤テーブルを決定し)、RT1の作動が開始してから更新されるRT遊技数カウンタが「0」に達すると(即ち、予め定められた遊技回数「1200回」が消化されると)、RT1の作動を終了し(即ち、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを決定し)、その後、特殊リプレイに係る図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RT2の作動を行うようにした(即ち、RT2作動中用内部抽籤テーブルを決定する)。尚、RT1の作動終了後には、RT2の作動に係る内部当籤役「特殊リプレイ」が決定される確率が増加し、RT2の作動中では、内部当籤役「リプレイ」が決定される確率が増大する。このような構成を採用することにより、リプレイタイムの作動のパターンなどが単調なものとならないようにすることができるので、遊技者が抱く期待感に起伏を生じさせることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、上記の構成によれば、ボーナスゲームの作動が終了した後、予め定められた遊技回数「1200回」が消化されることによって(一般遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されることで)、再遊技の作動が行われる確率が増大するRT2の作動が行われやすくなることから、RT2の作動が行われるタイミング、言い換えれば、消費するメダルの量を極力抑えながら、次のボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されるのを待つことができるようになるまでのタイミングを遊技者が予測することができるようになる。従って、ボーナスゲームの作動が終了してから予め定められた遊技回数「1200回」が消化されるまで遊技を継続させようと遊技者に思わしめることもでき、訴求力の向上を図ることができる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の回胴式遊技機が備える、図柄表示手段、開始操作検出手段、乱数値抽出手段、内部抽籤テーブル記憶手段、内部抽籤テーブル決定手段、内部当籤役決定手段、図柄変動手段、停止操作検出手段、停止制御手段、再遊技作動手段、ボーナスゲーム作動手段、数値情報更新手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
本実施の形態では、ボーナスゲームの作動が行われることを条件に、RTの作動を終了するようにしたが、本発明はこれに限らず、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されることを条件に、RTの作動を終了する(この場合、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを決定する)ようにしても良い。このような構成によれば、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定された以降において、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せが有効ラインに表示されやすくなり、遊技者にとって好ましい。
また、数値情報更新手段により数値情報(即ち、RT遊技数カウンタ)の更新が行われる契機として、本実施の形態では、開始操作の検出が行われて内部抽籤処理が行われた後を適用したが、これに限らず、数値情報の更新が行われるタイミングは任意に変更可能である。例えば、停止操作の検出が行われた後に行うようにしても良く、また、全てのリールの回転が停止したとき、表示役及び払出枚数が決定されたとき、表示役及び払出枚数が決定された後であって(例えば、次の開始操作の検出が行われる前における)RAM33の指定格納領域をクリアするとき(図13のステップS2)などを適用しても良い。
また、本実施の形態において適用した、図1及び図2に示す装置構成、図3に示す回路構成及びその周辺装置、図4〜図9に示すテーブルの構成、図10〜図12に示すRAMの格納領域の構成、図13〜図21に示すフローチャートの構成などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のようなパチスロ機の他、スロットマシン、ビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。更に、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。