JP2008078392A - 特性解析方法および装置、異常設備推定方法および装置、上記特性解析方法または異常設備推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

特性解析方法および装置、異常設備推定方法および装置、上記特性解析方法または異常設備推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】特性値が測定された複数の基板を、製造工程に関する知識を必要とせず、特性分布の揺らぎが或る程度存在しても、特性分布が類似したグループに精度良く分類できる特性解析方法を提供すること。
【解決手段】分類対象の基板群についての複数の特性値を、性質が類似した類似特性値グループに分類する(S103)。基板群に含まれた各基板について類似特性値グループ毎にその類似特性値グループに含まれた特性値を集計して、各基板についての類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を求める(S104)。各基板についての類似特性値グループ毎の特性分布の特徴に基づいて、各基板を、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに分類する(S105)。
【選択図】 図1

Description

この発明は特性解析方法および装置に関し、特性値が測定された複数の基板を、特性分布が類似したグループに分類する特性解析方法および装置に関する。
また、この発明は、基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を自動的に推定する異常設備推定方法および装置に関する。
また、この発明は、そのような特性解析方法または異常設備推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
また、この発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
半導体ウェハ、半導体ディスプレイ、ハードディスク磁気ヘッドなどの薄膜デバイスの製造ラインでは、歩留まりの向上や安定化を目的として様々な検査が実施される。これらの検査には、例えば基板上に付着した異物等によって生じる回路パターンの欠陥を検出するパターン検査や、形成された回路の電気的な特性を検査する電気特性検査などがある。製造ラインではこれらの検査結果を日々監視しており、例えばパターン検査で検出された欠陥の個数の増大や電気特性検査で測定された電気的特性の変動に基づいて製造工程で異常が発生していないかどうかをチェックしている。基板に対して順次実行される複数の製造工程のうち、或る製造工程において異常が発生した場合には、これらの検査の結果の調査や解析を行って迅速に原因を特定して対策を施すことで、歩留まり低下による損害を最小限に食い止めることができる。そのため、製造ラインには、検査情報や各製造装置の処理履歴を収集するシステムが設けられることが多い。
製造工程で異常が発生した場合、検査結果は異常の状態に応じて何らかの空間的、あるいは特性的な分布を持つことが多い。従って、パターン検査工程で欠陥の発生位置など、或る複数の基板の間に共通した特性分布の傾向が現れた場合、共通する特性分布をもつ基板のみを抽出してその製造履歴を調べることで、異常装置を特定することができる。しかしながら、実際には、そのような共通する特性分布の傾向が現れた基板を抽出することには、次に述べるような理由によって困難が伴う。
第1の理由は、検査工程で検査される基板の中には複数の異常設備のそれぞれで処理された基板が混在しており、更に異常設備以外の設備で処理された基板も混在していることである。そのため、基板の検査結果から特性分布が類似した基板をグループ分けする作業が必要となる。しかし、一般の製造ラインでは、検査結果に含まれる基板の数は膨大であり、これら全ての検査結果を人間が閲覧して基板相互の特性分布を調べることは時間的に難しい。
第2の理由は、いつどのような特性分布を持つ異常が発生するかが事前にわからないことである。例えば上記パターン検査の例では、欠陥の集中する部位は異常設備および異常の状態によって異なるため、未知の異常に対してはコンピュータを用いて特定の位置での欠陥の発生を集中監視することは不可能である。また、過去に発生した異常であれば上記システムに欠陥発生部位の情報を登録してパターンマッチングなどのパターン認識の方法を用いることで検出することができるかもしれない。しかし、製造工程内には様々な種類の製造設備があるため、それらの製造設備で発生する異常の欠陥集中部位を全て登録することは非常に手間がかかり、上記システムの計算量も膨大になる。
第3の理由は、特性分布は数値的に表現し難いことである。通常、上記システムで製造工程の状態を監視する場合には、例えば基板の欠陥数や基板の電気特性の平均値などの検査結果の統計値の時間的変化を監視する。しかし、特性分布は数値として表現することが難しく、また検査結果の統計値としても表れないことがあるため、実際には欠陥に分布が発生していても発見できないことが多い。
これらの困難を克服するため、複数の基板から特性分布としての欠陥分布の状態が類似しているグループを自動的に分類する手法が提案されている。そのような分類手法としては、例えば特許文献1(特開2002−310927号公報)に、平面状に分布した欠陥が検出された2つの基板のそれぞれに対して欠陥が密集した部位を1つの集合体として抽出し、2つの基板の集合体の重心位置が予め設定した範囲内であれば、それらの2つの基板を類似した基板であると判断する方法が記載されている。具体的には、同文献の方法では、図35に示すように、まず第1の基板上の任意の点Piから距離rの範囲内に別の点Pjが存在するかどうかを調査する。存在する場合は、点Pjを基準に点PiおよびPjとは別の点Pkが存在するか否かを調査し、次々と任意の点から距離r以内に存在する点を抽出してそれらを同一集合体として認識する。図中では、点Plは、点Pi、Pj、Pkのいずれに対しても距離r以内ではないので、同一集合体をなすとは認識されない。同様に、第2の基板に対して欠陥の同一集合体を検出し、それぞれの基板の同一集合体の重心すなわち双方の同一集合体に含まれる欠陥座標の平均値間の距離が予め定めた距離より小さい場合には、上記2つの基板は類似していると判断する。しかしながら、欠陥分布の密度は基板によって異なる。このため、欠陥が密に存在する場合に合わせて距離rを小さくすると、欠陥数が比較的少ない基板や偶然欠陥が疎な場所が存在した基板を正しく分類できなくなってしまう。また、逆に欠陥が疎に存在する場合に合わせて距離rを大きくとると、ランダムに発生した欠陥を範囲に含む可能性が高くなって、結果的にランダムな欠陥の影響が大きくなり、基板を正しく分類できなくなる。従って、欠陥の同一集合体を抽出するための距離rおよび2つの基板の同一集合体を類似しているとみなすための距離を一意に定義することは非常に難しい。
また、別の方法としては、例えば特許文献2(特開2004−288743号公報)に、ウェハ(基板)を同心円と扇形とを組み合わせた小領域に分割して領域区分を定義し、各領域区分に存在する欠陥の割合の比率が類似した基板を類似した基板として分類する方法が記載されている。具体的には、同文献の方法では、基板上に同心円と扇形とを組み合わせた領域区分を複数定義して、図36(a)〜(d)に示すようにそれらの領域区分に存在する欠陥の割合を順に並べたものを波形として扱う。なお、図36(a)、図36(b)、図36(c)、図36(d)は、それぞれ互いに異なる基板の波形を示している。更に、各基板の波形の相関を調べ、相関係数の大きな基板を類似していると判断して分類する。しかしながら、同文献の方法では、小領域を組み合わせた領域区分や波形化する際の順番を、製造工程のプロセスや製造設備等の特性から定義しているため、製造工程についての詳細な知識が必要とされる。このため、同文献の方法を、そのような知識のない新たな製造工程に適用するのは難しい。また、同一の異常から発生する欠陥分布であっても、厳密に同一の位置に欠陥が存在するわけではなく、或る程度の揺らぎが存在する。しかし、上述の領域区分は厳密に定義されているため、そのような位置ずれを許容できないという問題がある。
特開2002−310927号公報 特開2004−288743号公報
そこで、この発明の課題は、特性値が測定された複数の基板を、製造工程に関する知識を必要とせず、特性分布の揺らぎが或る程度存在しても、特性分布が類似したグループに精度良く分類できる特性解析方法および装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような特性解析方法による分類結果を用いることにより、基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を自動的に推定する異常設備推定方法および装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような特性解析方法または異常設備推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することにある。
また、この発明の課題は、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の特性解析方法は、
特性値が測定された基板群を基板毎に特性分布が類似したグループに分類する特性解析方法であって、
上記基板群についての複数の特性値を、性質が類似した類似特性値グループに分類し、
上記基板群に含まれた各基板について上記類似特性値グループ毎にその類似特性値グループに含まれた特性値を集計して、上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を求め、
上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴に基づいて、上記各基板を、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに分類することを特徴とする。
ここで「基板」とは、欠陥をもつ検査対象である薄膜デバイス、半導体ウェハなどを広く指す。
この発明の特性解析方法に対応した処理を、例えばコンピュータに実行させれば、分類対象の基板群を基板毎に、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに自動的に分類できる。しかも、この特性解析方法では、製造工程に関する知識を必要とせず、また、基板上の特性分布の揺らぎが或る程度存在しても、正確に分類できる。また、特性値の空間的あるいは特性的な分布が疎な基板であっても正確に分類できる。
一実施形態の特性解析方法では、
上記類似特性値グループの分類は、
上記基板群についての上記複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第1ステップと、
上記第1ステップで抽出された複数の異常特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2ステップと、
上記第2ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3ステップと、
上記第3ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4ステップを備えることを特徴とする。
ここで、「異常特性値」とは、上記基板群についての上記複数の特性値のうち特に状態の悪い特性値であって、第1ステップに先だって予め定義されるものである。
この一実施形態の特性解析方法では、基板群についての複数の特性値から異常特性値を抽出して分類を行うので、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低くても、良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析方法では、
上記類似特性値グループの分類は、
上記基板群から異常基板を複数抽出する第1ステップと、
上記第1ステップで抽出された上記異常基板についての複数の特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2ステップと、
上記第2ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3ステップと、
上記第3ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4ステップを備えることを特徴とする。
ここで、「異常基板」とは、上記基板群のうち特に状態の悪い基板であって、第1ステップに先だって予め定義されるものである。
この一実施形態の特性解析方法では、基板群から異常基板を複数抽出し、それらの異常基板についての複数の特性値を使って分類を行うので、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低くても、良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態発明の特性解析方法では、
上記類似特性値グループの分類は、
上記基板群から異常基板を複数抽出する第1ステップと、
上記第1ステップで抽出された上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第2ステップと、
上記第2ステップで抽出された異常特性値を、性質の類似した第1の類似特性値グループに分類する第3ステップと、
上記第3ステップで得られた分類結果に基づいて、各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第4ステップと、
上記第4ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第5ステップを備えることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析方法では、基板群から異常基板を抽出し、さらに上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を抽出して分類を行うので、製造工程内の異常に起因する異常基板の発生頻度が低くても良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析方法では、
上記類似基板グループの分類は、
上記異常基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第11ステップと、
上記異常基板を、第11ステップで得られた特性分布の特徴が類似した第1の類似基板グループに分類する第12ステップと、
上記第12ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似基板グループの境界を定める識別関数を導出する第13ステップと、
上記各基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第14ステップと、
上記第13ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記各基板を、上記第14ステップで算出された特性分布の特徴が類似した第2の類似基板グループに分類する第15ステップを備えることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析方法によれば、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低く、且つ、異常基板の発生頻度が低くても良好な特性解析結果を得ることができる。したがって、上記基板群を特性分布毎に精度良く分類できる。
一実施形態の特性解析方法では、
上記特性値は特性値の性質を表す1つ以上の数値からなるベクトルで表され、
上記類似特性値グループは上記基板群についての上記複数の特性値のうち、それらの特性値を表すベクトル同士の距離が予め定められた範囲内である特性値で構成されることを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、
上記類似特性値グループの分類は、
上記特性値が為す空間に対して予め定めた個数のグループの重心を与える第21ステップを備え、
上記複数の特性値を表すベクトルと上記各重心との距離に基づいて上記各特性値をグループに分類する第22ステップと、
上記各グループに分類された特性値に基づいて新たな重心を算出する第23ステップとを順次繰り返して類似特性値グループを決定することを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、
上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴は1つ以上の数値からなるベクトルで表され、
上記類似基板グループの分類は、
上記特性分布の特徴が為す空間に対して予め定めた個数のグループの重心を与える第21ステップを備え、
上記各基板の特性分布の特徴と上記各重心との距離に基づいて上記各基板をグループに分類する第22ステップと、
上記各グループに分類された基板の特性分布の特徴に基づいて新たな重心を算出する第23ステップとを順次繰り返すことで類似基板グループが決定されることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析方法によれば、類似特性値グループおよび類似基板グループの分類について効率良く良好な分類結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析方法では、
上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴はその類似特性値グループの特性値の数であり、
上記基板群の中で上記類似特性値グループ毎の特性値の数の分布が類似した基板を同一の類似基板グループに分類することを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、上記類似特性値グループに最終的に分類される特性値は、上記第22ステップと第23ステップとを繰り返して得られたグループの重心から或る距離の範囲内に、その特性値を表すベクトルが存在する特性値であることを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、上記類似基板グループに最終的に分類される基板は、上記第22ステップと第23ステップを繰り返して得られたグループの重心から或る距離の範囲内に、その基板の特性分布の特徴を表すベクトルが存在する基板であることを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、
上記第22ステップは、上記特性値または特性分布の特徴を、上記グループの重心と特性値を表すベクトルまたは特性分布の特徴を表すベクトルとの距離に関連した重みに応じた割合で各グループに分類し、
上記第23ステップは、上記各特性値または特性分布の特徴と上記重みとに基づいて上記新たな重心を算出することを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴は、その類似特性値グループの重心から各特性値を表すベクトルまでの距離に応じた重みを加算した特性値の数であることを特徴とする。
一実施形態の特性解析方法では、上記類似基板グループに分類される基板は、上記第22ステップと第23ステップを繰り返して得られる類似基板グループに対する上記基板の重みが或る値以上である基板であることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析方法によれば、特性分布の中心から離れた距離にある特性値の重みを少なくすることができるので、製造工程内の異常に起因しない特性値による影響を少なくして、より正確な特性解析を行うことができる。
一実施形態の特性解析方法では、上記特性値は基板上に平面的に分布した欠陥に対応し、上記特性値の特徴は少なくとも基板上での上記欠陥の座標を含むことを特徴とする。
この一実施形態の特性解析方法によれば、基板表面に検出された異物などの欠陥について良好な特性解析結果を得ることができる。
この発明の異常設備推定方法は、
基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を推定する異常設備推定方法であって、
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の特性解析方法で上記類似基板グループに分類された基板に共通して用いられた製造装置を、上記各基板についての処理履歴から抽出することを特徴とする。
この発明の異常設備推定方法によれば、特性分布が類似した基板から処理履歴を抽出するので、精度の高い異常設備推定を行うことができる。
この発明の特性解析装置は、
特性値が測定された基板群を基板毎に特性分布が類似したグループに分類する特性解析装置であって、
上記基板群についての複数の特性値を、性質が類似した類似特性値グループに分類する特性値分類部と、
上記基板群に含まれた各基板について上記類似特性値グループ毎にその類似特性値グループに含まれた特性値を集計して、上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を求める特性分布算出部と、
上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴に基づいて、上記各基板を、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに分類する基板分類部とを備えたことを特徴とする。
この発明の特性解析装置によれば、分類対象の基板群を基板毎に、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに自動的に分類できる。しかも、製造工程に関する知識を必要とせず、また、基板上の特性分布の揺らぎが或る程度存在しても、正確に分類できる。また、特性値の空間的あるいは特性的な分布が疎な基板であっても正確に分類できる。
一実施形態の特性解析装置では、
上記特性値分類部は、
上記基板群についての上記複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第1部分と、
上記第1部分で抽出された複数の異常特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2部分と、
上記第2部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3部分と、
上記第3部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4部分を備えることを特徴とする。
ここで、「異常特性値」とは、上記基板群についての上記複数の特性値のうち特に状態の悪い特性値であって、上記第1部分の動作に先だって予め定義されるものである。
この一実施形態の特性解析装置では、基板群についての複数の特性値から異常特性値を抽出して分類を行うので、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低くても、良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析装置では、
上記特性値分類部は、
上記基板群から異常基板を複数抽出する第1部分と、
上記第1部分で抽出された上記異常基板についての複数の特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2部分と、
上記第2部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3部分と、
上記第3部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4部分を備えることを特徴とする。
ここで、「異常基板」とは、上記基板群のうち特に状態の悪い基板であって、上記第1部分の動作に先だって予め定義されるものである。
この一実施形態の特性解析装置では、基板群から異常基板を複数抽出し、それらの異常基板についての複数の特性値を使って分類を行うので、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低くても、良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析装置では、
上記特性値分類部は、
上記基板群から異常基板を複数抽出する第1部分と、
上記第1部分で抽出された上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第2部分と、
上記第2部分で抽出された異常特性値を、性質の類似した第1の類似特性値グループに分類する第3部分と、
上記第3部分で得られた分類結果に基づいて、各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第4部分と、
上記第4部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第5部分を備えることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析装置では、基板群から異常基板を抽出し、さらに上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を抽出して分類を行うので、製造工程内の異常に起因する異常基板の発生頻度が低くても良好な特性解析結果を得ることができる。
一実施形態の特性解析装置では、
上記基板分類部は、
上記異常基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第11部分と、
上記異常基板を、第11部分で得られた特性分布の特徴が類似した第1の類似基板グループに分類する第12部分と、
上記第12部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似基板グループの境界を定める識別関数を導出する第13部分と、
上記各基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第14部分と、
上記第13部分で導出された上記識別関数を用いて、上記各基板を、上記第14部分で算出された特性分布の特徴が類似した第2の類似基板グループに分類する第15部分を備えることを特徴とする。
この一実施形態の特性解析装置によれば、製造工程内の異常に起因する特性異常の発生頻度が低く、且つ、異常基板の発生頻度が低くても良好な特性解析結果を得ることができる。したがって、上記基板群を特性分布毎に精度良く分類できる。
この発明の異常設備推定装置は、
基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を推定する異常設備推定装置であって、
請求項17乃至21のいずれか一つに記載の特性解析装置で上記類似基板グループに分類された基板に共通して用いられた製造装置を、上記各基板についての処理履歴から抽出することを特徴とする。
この発明の異常設備推定装置によれば、特性分布の原因となった製造工程内の製造設備を精度良く推定することができる。
この発明のプログラムは、上記発明の特性解析方法をコンピュータに実行させるための特性解析プログラムである。
別の局面では、この発明のプログラムは、上記発明の異常設備推定方法をコンピュータに実行させるための異常設備推定プログラムである。
この発明の記録媒体は、上記発明の特性解析プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
別の局面では、この発明の記録媒体は、上記発明の異常設備推定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、異物等によって生じる回路パターンの欠陥を特性値として検出するパターン検査の結果を例に、本発明の一実施形態の特性解析方法の概念を模式的に示している。この特性解析方法は、例えば分類対象である基板群としての薄膜デバイス群を薄膜デバイス毎に、特性分布の傾向が類似しているグループに分類する場合に適用される。
この特性解析方法では、ステップS101で複数の基板からなる分類対象の基板群100の検査データを取得する。分類対象の基板群100に含まれる単一の基板101に関する検査データの構成例を図2に示す。検査データ200は基板1枚の検査結果を表すデータであり、分類対象の基板数と同数存在する。検査データ200は基板の個別情報である基板データ201と、基板データ201に関連付けられた0個以上の特性データ202で構成される。基板データ201には、例えば製造工程内の基板に個別に与えられる基板固有の値である基板ID(識別番号)など、基板を一意に認識するための情報が含まれており、さらに検査日時や検査装置や検査条件などの基板単位の検査情報が含まれていても良い。特性データ202には、例えばパターン検査であれば検出された欠陥102の座標や面積、電気特性検査であれば測定点の座標や特性値など、検査工程にて検出された欠陥や測定点の検査結果の詳細を含む情報が含まれている。この特性データ202は、検査対象の基板データ201に関連付けられて記録される。特性データ202の数は基板上で検出された欠陥や測定点の数と同じであるので、パターン検査など検出される欠陥数が基板毎に一定でない場合、1つの基板データ201に関連付けられる特性データ202の数は基板によって異なる。
図1中のステップS102では、上記構造の検査データ200から、特性データ202だけを取り出す。つまり、図2において全ての基板の全ての特性データ202の集合が特性データ集合103となる。
図1中のステップS103では、特性データ集合103に含まれる特性データ202を、性質が類似した類似特性値グループ104〜106に分類する。このステップS102における特性値分類の概念を図3に示す。特性データ集合103に含まれる特性データ202が座標値X,Yのような2つの値で構成される場合、特性データ202は各値を要素とする2次元ベクトルで表される。この特性データ202を表す2次元ベクトルは、図3に示すように、2次元空間にプロットされる。ここで、性質が類似する特性データ202とは、この2次元空間で距離の近い範囲内に存在するデータと考えることができる。なお、図3の例では、3つの範囲301,302,303が示されている。図4に特性データ202が座標値X,Y,Zのような3つの値で構成される場合の特性値分類の概念を示す。図4に示すように特性データ202は各値を要素とする3次元ベクトルで表されている。この場合でも、性質が類似する特性データ202とは、この3次元空間上で距離の近い範囲内に存在するデータと考えることができる。なお、図4の例では、3つの範囲401,402,403が示されている。このように、特性データ202がいくつの検査値または測定値で構成されるデータであっても、特性データ202はそのデータを構成する要素の数と同じ次元を持つベクトルで表され、類似した特性データはその次元の空間で距離の近い範囲内に存在するデータであると考えることができる。このような考え方に基づくデータの解析方法はクラスタ分析と呼ばれ、いくつかの手法が知られている。この実施形態では、いずれの手法を用いても良い。
図1中のステップS104では、各々の基板101について、基板上に検出された特性データ202をステップS103で分類した類似特性値グループ毎に集計し、各類似特性値グループの特性分布の特徴を抽出する。特性分布の特徴とは、例えば類似特性値グループ毎の特性値の数や特性値の分散などの値である。以下、或る任意の基板について類似特性値グループ毎の特性分布の特徴をベクトルで表したものを、「基板の特徴量」と呼ぶ。
最後に、ステップS105で、分類対象の基板群100について、各基板の特徴量に基づいて、基板上の特性分布の類似した基板を類似基板グループ107〜109に分類する。基板の特徴量は欠陥と同じくベクトルで表されるので、欠陥の分類と同様の概念で分類を行うことができる。分類手法はクラスタ分析のいずれの手法を用いても良く、ステップS103と同じ手法であっても良いし、異なる手法を用いても良い。
以上の処理を行うことで、基板群100を特性分布毎に精度良く分類できる。つまり、分類対象の特性データ集合103を特性値の分布に従って類似特性値グループ104〜106などとして自動的に分類することで、特性値が為す空間中で特性値が集中する領域を自動的に決定できる。また、それら類似特性値グループ毎の特性分布から基板を分類するので、上記空間中で特性値の密度が疎な分布を持つ基板であっても正確に分類した特性解析結果を得ることができる。
図5は、上述の特性解析方法(図1参照)を実施するのに適した本発明の一実施形態の特性解析装置500の構成を示している。この特性解析装置500は、入力部としてのデータ収集部502、基板データ記憶部505、特性データ記憶部506、特性値分類部507、特性分布算出部508、基板分類部509、およびデータ出力部510で構成されている。また、この特性解析装置500のデータ収集部502には入力装置501、工程情報収集システム503、および検査装置504が、データ出力部510には出力装置511がそれぞれ接続されている。
入力装置501は、例えばキーボードやマウスで構成される。この例では、入力装置501は、特性解析装置500に対して、検査日時の範囲や検査装置で検出された欠陥数の範囲などの分類対象の基板の条件や、類似特性値グループ数、類似基板グループ数などの分類パラメータを入力するために用いられる。
データ収集部502は、入力装置501から特性解析装置500に送信された各種の情報を受け取って入力された条件に合致する検査データ200を工程情報システム503や検査装置504から収集し、収集した検査データ200から基板データ201と特性データ202を抽出する。これにより、基板データ201および基板データ201と特性データ202との関連付けの情報が基板データ記憶部505に、特性データ202および特性データ202と基板データ201との関連付けの情報が特性データ記憶部506にそれぞれ記憶される。また、類似基板グループ数は基板データ201とともに基板データ記憶部505に、類似特性値グループ数は特性データ202とともに特性データ記憶部506にそれぞれ記憶される。
工程情報収集システム503は、製造工程内に配置された検査装置や他の製造設備から処理情報を収集する工程情報収集システムである。この例では、工程情報収集システム503には、製造工程の検査データ200が蓄積されている。工程情報収集システム503は特性解析装置500と接続されており、データ収集部502は工程情報システム503から必要な検査データ200を収集する。
検査装置504は、製造工程内に配置されており、実際に基板の検査を行う。検査装置504は特性解析装置500と接続されており、データ収集部502は検査装置504から必要な検査データ200を収集する。
基板データ記憶部505は、データ収集部502が収集した検査データ200のうち、基板データ201と、基板データ201と特性データ202との関連付けを組にして記憶する。また、入力装置501で入力された類似基板グループ数もデータ収集部502を通じて基板データ記憶部505に記憶される。
特性データ記憶部506は、データ収集部502が収集した検査データ200のうち、特性データ202と、特性データ202と基板データ201との関連付けを組にして記憶する。また、入力装置501で入力された類似特性値グループ数もデータ収集部502を通じて特性データ記憶部506に記憶される。
特性値分類部507は、特性データ記憶部に記憶された特性データ202および類似特性値グループ数の情報を取り出してステップS102の処理を行って類似特性値グループを分類し、特性データ202と分類結果を紐付けて特性分布算出部508に渡す。
特性分布算出部508は、基板データ記憶部505に記憶された各々の基板データ201と特性データ202との関連付け情報と特性値分類部507の特性値分類結果を受け取り、ステップS103の処理を行って基板データ記憶部505に記憶された各々の基板101の類似特性値グループ毎の特性分布を算出する。算出結果は、基板データ記憶部505から取り出した類似基板グループ数の情報および基板データ201とともに基板分類部509に渡す。
基板分類部509は、特性分布算出部508から渡された類似基板グループ数、基板データ201および算出した特性分布情報に対してステップS105の処理を行い、基板を類似基板グループに分類した結果を特性解析結果としてデータ出力部510に渡す。
データ出力部510は、基板分類部509から渡された特性解析結果を受け取り、特性解析装置に500に接続された出力装置511に対して送信する。
出力装置511は、モニタや紙出力、あるいは磁気ディスクや携帯用半導体メモリなどを通して特性解析装置500による特性解析結果を出力する。
なお、工程情報収集システム503および検査装置504のいずれか一方から特性解析に必要な情報を全て取得できる場合、取得できる一方のみが接続されていても良い。
また、入力装置501と出力装置511は同一の装置、例えば出力装置としての表示部に入力装置としてのキーボードを備えて一体に構成にした装置としても良い。また、入力装置501と出力装置511は、特性解析装置500に含まれていても良い。
また、出力装置511は、特性解析装置500を通して入力装置501、工程情報収集システム503または検査装置504から特性解析に必要な情報以外の情報を受け取り、出力しても良い。
この特性解析装置500によれば、上述の特性解析方法を実施することができる。
次に、上記特性解析方法によって得られた基板の分類結果を用いて、製造工程において特性分布の原因となった製造設備(つまり、異常が発生した製造装置)を推定する異常設備推定方法について説明する。
図6は、この異常設備推定方法の対象となる基板の製造プロセスの例を模式的に示している。この製造プロセスは、基板に対して順次実行される複数の製造工程a,b,c,dを含んでいる。これらの製造工程終了後にパターン検査が行われる。
製造プロセスに含まれた或る工程、この例では工程b,dには、同一の製造処理を並行して行うための設備が複数台配置されている。この例では、工程bには、1号機、2号機、3号機という3台の設備が配置され、工程dには、1号機、2号機という2台が配置されている。各基板は工程内のいずれかの設備によって製造処理される。また、その工程においてどの設備で処理されるかはその時々に負荷の低い設備が選択されるのが普通であり、製造工程全体を通してどの設備を用いて処理されるかは定まっていない。このような配置になっている場合、図6中のパターン検査で検査された基板が各工程においてどの設備で処理されたかを調べると、図7(a)に示すように、工程bの各設備で処理された基板の割合は1/3ずつ、工程dの各設備で処理された基板の割合は1/2ずつというように、それぞれ工程内でほぼ均等になる。以下、各基板が各工程でどの設備によって処理されたかといった情報を処理履歴と呼ぶ。
一方、工程内のいずれかの設備で異常が発生して基板上の特定の部位に欠陥が集中して発生した場合、特性分布が類似した基板を分類すると、原因となった設備が存在する工程では原因設備で処理された基板を偏って抽出することになる。しかしながら、これらの基板は原因工程以外の工程で処理される設備は一定ではないので、他の工程では上記の偏りは生じない。例えば、図6において、工程bの1号機で右上部1pに異常がある場合、パターン検査の結果から、右上部101pに欠陥102が集中しているパターンの基板を抽出すると、図7(b)に示すように、工程bでは、原因となった1号機で処理された基板の割合(この例では4/5)が多く、2号機や3号機で処理された基板の割合(この例ではそれぞれ1/10)は少なく、設備間の偏りが生じている。同じパターンの基板について、工程dで処理された基板の割合には、設備間の偏りが生じていない。また、同様に、工程dの2号機で左下部2qに異常がある場合、パターン検査の結果から、左下部101qに欠陥102が集中しているパターンの基板を抽出すると、図7(c)に示すように、工程dでは、原因となった2号機で処理された基板の割合(この例では5/6)が多く、1号機で処理された基板の割合(この例では1/6)は少なく、設備間の偏りが生じている。同じパターンの基板について、工程bで処理された基板の割合には、設備間の偏りが生じていない。
図8は、このような状況を前提として、上記の特性解析方法による基板分類結果を用いて原因となった異常設備を推定する方法を示している。
まず、複数の基板からなる異常設備推定の対象となる基板群は、図1中の一連のステップS101〜S105を含む特性解析ステップS801によって解析される。これにより、特性分布の類似した類似基板グループ107〜109を得る。
ステップS802では、ステップS801で分類した類似基板グループ内の各基板について、製造工程で処理した設備の履歴を取得する。この情報は、通常上記の工程情報収集システム503で収集・管理されているので、容易に取り出すことができる。
ステップS803では、ステップS802で取得した設備の履歴を、製造工程の各工程別に集計し、設備別の処理基板数を算出する。
ステップS804では、各工程内の設備別の処理枚数を比較し、正常な状態と比較して最も処理枚数の割合が多い設備を統計的に調べて異常設備であると推定する。また、処理枚数の割合に明確な差が存在しない場合は、特定の設備に起因しない特性分布であると判断する。
最後にステップS805で全ての類似基板グループについて推定を行ったどうかを判断する。全てのグループに対して推定が終了していれば処理が終了となり、推定処理を行っていない類似基板グループが存在する場合には全ての未処理の類似基板グループに対してS802以降の処理を行う。
この異常設備推定方法によれば、特性分布が類似した基板から処理履歴を抽出するので、精度の高い異常設備推定を行うことができる。
図9は、上述の異常設備推定方法を実施するのに適した本発明の一実施形態の異常設備推定装置900の構成を示している。この異常設備推定装置900は、入力部としてのデータ収集部902、基板データ記憶部903、特性データ記憶部904、履歴データ記憶部905、特性解析部906、履歴データ取得部907、処理頻度算出部908、異常設備推定部909、およびデータ出力部910で構成されている。また、データ収集部902には入力装置901、工程情報収集システム503、および検査装置504が、データ出力部には出力装置911がそれぞれ接続されている。
入力装置901は、例えばキーボードやマウスで構成される。この例では、入力装置901は、異常設備推定装置900に対して、検査日時の範囲や検査装置で検出された欠陥数の範囲、または異常設備推定の対象となる製造工程の範囲などの異常設備推定対象の基板の条件や、類似特性値グループ数、類似基板グループ数などの推定パラメータを入力するために用いられる。
データ収集部902は、入力装置901から異常設備推定装置900に送信された各種の情報を受け取って、入力された条件に合致する検査データ200と検査データ中の基板の履歴データを工程情報システム503および検査装置504から収集する。収集した検査データ200は基板データ201と特性データ202を抽出し、基板データ201および基板データ201と特性データ202との関連付けの情報が基板データ記憶部903に、特性データ202および特性データ202と基板データ201との関連付けの情報が特性データ記憶部904にそれぞれ記憶される。また、履歴データは基板データ201と関連付けられて履歴データ905に記憶される。更に、類似基板グループ数は基板データ201とともに基板データ記憶部903に、類似特性値グループ数は特性データ202とともに特性データ記憶部904にそれぞれ記憶される。
工程情報収集システム503は、特性解析装置500と接続する工程情報収集システム503と同様のものである。ただし、この例では、工程情報収集システム503には、製造工程の検査データ200だけでなく、基板の処理履歴データも蓄積されている。工程情報収集システム503は異常設備推定装置900と接続されており、データ収集部902は工程情報システム503から必要な検査データ200および履歴データを収集する。
検査装置504は、特性解析装置500と接続する検査装置504と同様のものである。検査装置504は異常設備推定装置900と接続されており、データ収集部902は検査装置504から必要な検査データ200を収集する。
基板データ記憶部903は、特性解析装置500の基板データ記憶部505と同様の機能を持ち、データ収集部902が収集した検査データ200のうち、基板データ201と、基板データ201と特性データ202との関連付けを組にして記憶する。また、入力装置901で入力された類似基板グループ数もデータ収集部902を通じて基板データ記憶部903に記憶される。
特性データ記憶部906は、特性解析装置500の特性データ記憶部506と同様の機能を持ち、データ収集部902が収集した検査データ200のうち、特性データ202と、特性データ202と基板データ201との関連付けを組にして記憶する。また、入力装置901で入力された類似特性値グループ数もデータ収集部902を通じて特性データ記憶部904に記憶される。
履歴データ記憶部905は、データ収集部902が収集した履歴データと、履歴データと基板データ201との関連付けを組にして記憶する。
特性解析部906は、図1中の一連のステップS101〜S105の処理を行い、検査データ200から類似基板グループの分類結果を算出し、特性解析結果として履歴データ取得部907に渡す。特性解析部906の内部構成は、特性解析システム500と同様に特性値分類部507、特性分布算出部508、および基板分類部509を持つ。
履歴データ取得部907は、特性解析部906での特性解析結果を受け取り、各類似特性値グループに分類される基板の処理履歴データを履歴データ記憶部905から取得して処理頻度算出部908に渡す。
処理頻度算出部908は、履歴データ取得部907が取得した処理履歴を集計し、各工程内に配置された設備毎の処理枚数の割合を算出して異常設備推定部909に渡す。
異常設備推定部909は、処理頻度算出部908から受け取った処理枚数の割合に対して統計処理を行い、処理枚数の割合が多い設備を検出して異常設備推定結果としてデータ出力部910に出力する。
出力装置911は、モニタや紙出力、あるいは磁気ディスクや携帯用半導体メモリなどを通して特性解析装置900による特性解析結果を出力する。
なお、工程情報収集システム503および検査装置504のいずれか一方から異常設備推定に必要な情報を全て取得できる場合、取得できる一方のみが接続されていても良い。
また、入力装置901と出力装置911は同一の装置、例えば出力装置としての表示部に入力装置としてのキーボードを備えて一体に構成にした装置としても良い。また、入力装置901と出力装置911は、異常設備推定装置900に含まれていても良い。
また、出力装置911は、異常設備推定装置900を通して入力装置901、検工程情報収集システム503、または検査装置504から異常設備推定析に必要な情報以外の情報を受け取り、出力しても良い。
上述の通り、基板データ記憶部903、特性データ記憶部904、および特性解析部906は特性解析装置500と同様である。従って、図10に示すように、上記構成を特性解析装置500として異常設備推定装置900とは別に構成することも可能である。この図10に示す構成では、データ入力装置901は特性解析装置500から特性解析結果を受け取ってデータ収集部902に送信する。データ収集部902は、入力装置901から特性解析結果を受け取り、解析データ記憶部1001に記憶する。また、特性解析結果に含まれる基板の処理履歴データを工程情報収集システム503から取得して履歴データ記憶部905に記憶する。履歴データ取得部907は、解析データ記憶部1001に記憶された解析結果と履歴データ905に記憶された処理履歴データを取得し、各類似特性値グループに分類される基板の処理履歴データを処理頻度算出部908に渡す。
この異常設備推定装置900によれば、上述の異常設備推定方法を実施することができる。
なお、上述の特性解析方法または異常設備推定方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムとして構築しても良い。
また、そのようなプログラムをCD−ROMなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して配布できるようにしても良い。上記プログラムを汎用コンピュータにインストールすることで、汎用コンピュータによって上記特性解析方法および異常設備推定方法を実行することが可能である。
次に、実施例1として、図1中のステップS103〜S105の分類方法について、クラスタ分析手法の1つであるk平均法を利用して実現する方法について具体的に説明する。
図11に、特性データ集合103を分類する手順を示す。
まず、ステップS1101で、特性データ集合103の類似特性値グループ数cspecを任意に決定する。類似特性値グループ数cspecは特性データの性質の分布を表すのに適当な数字であればいくつでも良いが、10前後が適当であろう。
次にステップS1102で、特性データ集合103に含まれる特性データ202がなすベクトル空間に、cspec個のグループ重心v(i=1,…,cspec)をランダムに作成する。
次にステップS1103で、特性データ集合103の各特性データ202とcspec個のグループ重心との距離を調べ、最も距離の近い重心に特性データ202を分類する。k番目の特性データ202をxとすると、xとグループ重心vとの距離dikは(数1)で求まる。
Figure 2008078392
なお、Tは特性データ202の要素数である。xについて全てのグループ重心との距離を調べ、最も距離の近いグループ重心を持つグループiに特性データ202を分類する。
次にステップS1104で、上記ステップS1103で分類した特性データ202を使って、新たなグループ重心を(数2)で算出する。
Figure 2008078392
Nは特性データ集合103に含まれる全データ数であり、(数2)は各グループに分類された特性データ202の各要素の平均値を表す。
最後に、ステップS1105では、このように算出された新しいグループ重心vと前のグループ重心vとを比較して、同一の座標であれば正しい分類結果が得られたとして処理を終了し、座標が異なっている場合には新たなグループ重心vを用いてステップS1103以降の処理を新しい座標と以前の座標が同一になるまで行う。
次に、図11の手順に沿って、パターン検査の検査データを例に実際に分類処理を行った例を示す。図12に示すように、パターン検査は基板101上に付着した異物などが原因で生じた回路パターンの欠陥1201を検出する検査である。パターン検査で検出される欠陥1201の特性データ202は、基板101上に定められた2次元座標系での座標Xや座標Yを持ち、必要に応じて欠陥面積などの欠陥情報を含んでも良い。
回路パターンの特性データ202が座標Xおよび座標Yの2つの値を持つ場合の実際の分類過程を図13に示す。図13中の黒点は、特性データ集合103に含まれる特性データ202を2次元空間上にプロットした位置を表している。まず、類似特性値グループ数cspec=3を与えると(ステップS1101)、図13(a)中の3つのグループ重心1301〜1303がランダムに作成される(ステップS1102)。次に各特性データ202をグループ重心1301〜1303の中で最も近いグループに分類する(ステップS1103)。図13(b)で、破線で区切られた領域1304〜1306が、グループ重心1301〜1303に分類される特性データ202の範囲を表している。次に、領域1304〜1306に含まれる特性データ202に基づいて新たなグループ重心1307〜1309を算出する(ステップS1104)。この処理によりグループ重心は図13(c)に示す位置に移動するので分類は終了していないと判断され(ステップS1105)、新たなグループ重心1307〜1309によって再度特性データ202の分類が行われる(ステップS1102)。図13(d)で、破線で区切られた領域1310〜1312が、新たなグループ重心1307〜1309に分類される特性データ202の範囲を表している。この分類により得られる得られる各グループの領域1310〜1312は、図13(d)に示されるように図13(b)と比較してより正確な分類となっている。以上の処理をグループ重心が移動しなくなるまで繰り返すことで、正確な分類を行うことができる。図13(e)に、得られた分類結果を示す。
なお、図11の処理によって得られる分類結果は、図13(e)で示したように特性データのなす空間中の領域で表すことができる。図13(e)の例ではこの空間は基板101上の2次元座標に等しいので、図13(e)の分類結果は特性データ集合103の分布に基づいて基板101の領域を図14に示すような部分領域1401〜1403に自動的に分割したことになる。また、特性データ202が座標以外の情報も含んでいた場合、分類結果は座標情報だけでなくそれらの情報も考慮した分割となる。
図11の処理によって得られる分類結果では、特性データ集合103の特性データ202は必ずいずれかの類似特性値グループに含まれる。図15(a)に示す分類結果の例では、特性データ202はグループ1501〜1503のいずれかに分類されている。各グループ1501、1502、1503には、それぞれグループ重心1507、1508、1509が含まれている。そこで、グループ重心1507〜1509の近くに存在する特性データ202のみを分類し、グループ重心1507〜1509から離れた特性データ202はステップS104以降の基板の分類処理に考慮しない処理も考えられる。例えば、図15(b)に示すように、類似特性値グループの分類後に各グループの重心1507〜1509からの距離が予め任意の基準で定めた閾値(この例では距離r)よりも離れている欠陥202をグループから除外するなどの処理である。図15(b)では、グループ1501〜1503の重心1507〜1509から距離r以内のデータと、グループ1501〜1503のいずれにも属さずステップS1504以降の処理で考慮されないグループ1504に分類されている。
また、ステップS1103で特性データ202とグループ重心との距離尺度にユークリッド距離を用いたが、マハラノビス距離などの距離尺度を用いても良い。
次に、実施例1におけるステップS104での集計処理について上記の例を用いて具体的に説明する。上述したように、ステップS103の分類結果は特性データ202がなす空間上の部分領域を特性データ集合103の分布に基づいて自動的に分割する。従って、各基板101の類似特性値グループ毎の欠陥数をその領域の特性分布の状態を表す特徴量として用いる。この特性分布の特徴量は、基板wの特徴量Fを、(数2)を用いてcspec個の要素を持つベクトル(数3)で表される。
Figure 2008078392
ここで、Nは基板wの欠陥数である。
次に実施例1におけるステップS105での基板分類処理について説明する。(数3)によって得られた分類対象の基板群の各特徴量Fは、cspec次元空間中にプロットすることができる。例えば、図13の特性値分類結果から得られた分類対象の基板群100の特徴量Fから、図16に示すように3次元空間上にプロットすることができる(なお、図16中の直交軸N1401,N1402,N1403はそれぞれ部分領域1401,1402,1403の欠陥数を表している。)。この場合、図11の類似特性値グループの分類手順について、特性データ集合103の特性データ202を分類対象基板群100の特徴量Fに、類似特性値グループ数cspecを類似基板グループ数cpanelにそれぞれ置き換えたのに相当する図17のステップS1701〜S1705によって、基板群100を分類することができる。
なお、類似基板グループ数cpanelは分類対象の基板群に表れる特性分布のパターン数を表すのに適当な数字であればいくつでも良いが、5〜10程度が適当であろう。また、各基板の特性分布を表す特徴量Fとして、欠陥数ではなく、例えば類似特性値グループに含まれる欠陥の分散などの統計値や類似特性値グループに含まれる欠陥が形成する分布形状などの値を用いても良く、その場合であっても図17の手順で分類することができる。
なお、図17の分類では、分類対象の基板群100に含まれる基板101は必ずいずれかの類似基板グループに含まれる。そこで、グループ重心の近くに存在する特徴量Fのみを分類し、グループ重心から離れた特徴量Fは分類結果に含めない場合は、ステップS103での処理と同様に、類似基板グループの分類後に各グループの重心からの距離が予め任意の基準で定めた距離rよりも離れている基板101をグループから除外するなどの処理を用いる。
また、ステップS1703で特徴量Fとグループ重心との距離尺度にユークリッド距離を用いたが、マハラノビス距離などの距離尺度を用いても良い。
この実施例1では、基板表面上に定められた座標を特性データとするパターン検査を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電気特性検査で得られた電気特性値に対して実施例1の方法を適用しても良い。
以上の方法によって、特性データ202と類似特性値グループの重心との距離および分類対象の基板群100に含まれる基板101と類似基板グループの重心との距離を用いて特性解析を行うことができる。
次に、実施例2として、図1中のステップS103〜S105の分類方法について、グループ重心からの距離による重みを考慮するためにk平均法を拡張したファジィ−c平均法を利用して実現する方法について具体的に説明する。
図18は或るグループiの重心vおよびグループjの重心vと、データ1801およびデータ1802の関係を示している。図中の破線1809はグループ重心vとvから等距離となる位置を表している。図18中のデータとグループ重心との位置を見た場合、データ1801は明確にグループ重心vの近くに存在するが、データ1802はグループ重心vよりもグループ重心vの方が近いものの、データ1801と比較して、グループ重心v,vに対する距離の差は小さい。実施例1ではデータは一番近いグループに分類されるため、データ1802のようにグループの境界付近に位置するデータは分類結果に大きな影響を与え、結果として望ましい分類結果が得られないことがある。
実施例2の分類方法では、グループ重心とデータの距離に応じて分類結果に対する影響を変化させる。即ち、図18の例では、グループ重心vに近くグループ重心vからは離れているデータ1801はグループiに対して大きく影響し、グループ重心vとグループ重心vから同じような距離にあるデータ1802はグループiとグループjの分類に同じように影響するような重みをデータに与える。
図19に特性データ集合103を分類する手順を示す。ステップS1901、ステップS1902およびステップS1905は、図11中のステップS1101、S1102およびS1105と同様である。
ステップS1903では、各特性データ202を各グループ重心からの相対距離に応じた重みで各グループに分類する。以下、この重みを所属度と呼び、グループiに対する分類する特性データxの所属度uikを(数4)で定める。
Figure 2008078392

(数4)中のdikは特性データxと重心vの間の距離であり、(数1)で定義される。また、mはべき乗パラメータと呼ばれる1より大きな値であり、データxとグループiの重心v間の距離と所属度uikの関係を制御するパラメータである。
所属度uikは、データxとグループiの重心vの間の距離dikが他のグループに比べて相対的に近いほど大きく、データxから全てのグループ重心への距離dが等しいときuikの値は1/cspecとなる。また、或るデータxについて、全ての類似特性値グループの所属度uikの和は1になる。
ステップS1904では、上記ステップS1903で得られた所属度uikを使って、新たなグループ重心を(数5)で算出する。
Figure 2008078392
Nは特性データ集合103に含まれる全データ数であり、mとしては(数4)と同じ値を用いる。(数5)で得られるグループ重心vはuikを考慮したグループiの平均値を表す。
以上の処理で、図11に対してグループとデータの距離による重みの概念を拡張した分類を行うことができる。
図19の処理によって得られる分類結果では、全ての特性データ202は、0から1の範囲の所属度で全ての類似特性値グループに分類される。従って、特性データ202が分類される類似特性値グループを1つに定めたい場合は、所属度が最も大きいグループに分類されると判断する。また、グループ重心の近くに存在する特性データ202のみを分類し、グループ重心から離れた特性データ202はステップS104以降の基板の分類処理に考慮したくない場合は、図11での分類で用いたグループ重心からの距離だけでなく、グループに対する所属度が或る値より小さい場合はそのグループに分類されないと判断することができる。この場合、各グループの範囲は単純な円ではなく、図20に示すように、各グループの相互の距離が反映された複雑な形状の範囲2001、2002、2003となる。なお、図20は、図15(a)の例に実施例2の処理を適用して得られた例を示している。
次に、実施例2におけるステップS104での集計処理について上記の例を用いて具体的に説明する。実施例2におけるステップS104の集計処理は実施例1と同様の処理で実施される。即ち、基板wの特徴量Fとして類似特性値グループ毎の欠陥数を用いる場合、類似特性値グループiへの特性データxの所属度uikに対して(数3)を適用して特徴量Fを求める。ただし、そのようにして分類結果を求めた場合、特性データxが類似特性値グループiに分類されないときは所属度uikを0とする。上記方法によって得られた特徴量Fの要素の値が重みを考慮したときの各要素の欠陥数を表す。
次に、実施例2におけるステップS105での基板分類処理を説明する。実施例2のステップS105の基板分類処理は、図17の実施例1におけるステップS105に対してステップS103と同様の拡張を行って分類を行う。この実施例2におけるステップS105の分類手順を図21に示す。
なお、類似基板グループ数cpanelは分類対象の基板群に表れる特性分布のパターン数を表すのに適当な数字であればいくつでも良いが、5〜10程度が適当であろう。また、各基板の特性分布を表す特徴量Fとして、欠陥数ではなく、例えば類似特性値グループに含まれる欠陥の分散などの統計値や類似特性値グループに含まれる欠陥が形成する分布形状などの値を用いても良く、その場合であっても図21の手順で分類することができる。
なお、図21の分類では、分類対象の基板群100に含まれる全ての基板101は、0から1の範囲の所属度で全ての類似基板グループに分類される。そのため、基板101が分類される類似基板グループを1つに定めたい場合は、所属度が最も大きいグループに分類されると判断する。また、グループ重心の近くに存在する基板101のみを分類し、グループ重心から離れた基板101は分類結果に含めない場合は、図17での分類で用いたグループ重心からの距離だけでなく、グループに対する所属度が或る値より小さい場合はそのグループに分類されないと判断することができる。この場合、各グループの範囲は単純な円ではなく、各グループの相互の距離が反映された複雑な形状の範囲となる。
以上の方法によって、特性データ202と類似特性値グループの重心との距離に応じた重み、および分類対象の基板群100に含まれる基板101と類似基板グループの重心との距離に応じた重みを考慮した特性解析を行うことができる。
次に、実施例3として、分類対象の基板群100で測定された測定値102から異常特性値を複数抽出し、それらの異常特性値を使って類似特性値グループの分類を行う特性解析方法を説明する。
図22は或る製造工程のパターン検査を例に、検出された欠陥102と欠陥面積の関係を示している。図22のグラフの縦軸は欠陥面積を表し、横軸は検出された個々の欠陥を検出日時順に横に並べたものである。この製造工程におけるパターン検査結果では、少ない頻度で特に欠陥面積の大きな欠陥2201が発生している。本発明を用いてこれらの欠陥2201と欠陥2201に類似する欠陥からなる特性分布を分類したい場合、図22の全ての検査結果に対して本発明の特性解析方法を適用した場合、分類対象の基板群100で検出された欠陥102の総数と比較して注目すべき欠陥2201の数が少ないため、欠陥2201以外の欠陥102の影響が大きく、うまく分類できない。また、図22に示すように或る基準値を定めて欠陥面積がその基準値を超えた欠陥2201のみ抽出して本発明の特性解析方法を適用した場合、分類対象の基板100で検出された欠陥の数が少なく疎な特性分布となるため、うまく分類できない。
そこで、本発明の実施例3では、図1中のステップS103において、異常特性値を分類するための関数を導出し、その関数を用いて分類対象の基板群100で測定された特性値を分類することで、特性値102全体から異常特性値に性質の類似した特性値のみ抽出し、その特性分布を分類する。なお、「異常特性値」とは、基板群100についての複数の特性値102のうち特に状態の悪い特性値であって、予め定義されるものである。
図23は本発明の実施例3における処理(図1のステップS103に相当する)の流れを、図24は図23での処理の概念をそれぞれ示している。図22中に示すように、本実施例におけるステップS103では、まずステップS2301で、特性データ集合103から異常特性データ集合2401を抽出する。異常特性データ集合2401は、例えば特性データ集合103に含まれる特性データ202について、或る検査項目の値が予め設定された閾値より悪い特性データ202や、特性データ集合103中の予め定めた割合の特性データ202などである。
次にステップS2302では、抽出した異常特性データ集合2401を分類し、類似特性値グループ2402を得る。ステップS2302での分類方法はクラスタ分析のいずれの方法でも良く、例えば実施例1または実施例2で説明した類似特性値グループの分類方法でも良い。
次にステップS2303では、ステップS2302の分類結果から異常特性データ集合2401が類似特性値グループ2403のいずれに分類されるかを決定するための関数2403を得る。この関数は分類対象の特性データ集合がなす空間中で各類似特性値グループが持つ領域の境界を表し、例えば実施例1では図15(a)中の破線または図15(b)中の破線で、実施例2では図20中の破線でそれぞれ表される。以後、このような関数を識別関数と呼ぶ。識別関数は、上述した実施例1では類似特性値グループ2402の分類結果で定められるグループ重心vを用いて(数1)および(数2)で表すことができる。上述した実施例2でも同様に類似特性値グループ2402の分類結果で定められるグループ重心vを用いて(数4)および(数5)で表すことができる。また、分類結果から識別関数が得られないクラスタ分析手法を用いる場合には、例えば隣接するグループ重心間の中点を結んだ領域から識別関数を定める方法や、異常特性データ集合2401に含まれる全データについて隣接するデータとの中点を結んだ領域をそのデータの領域と定めて類似特性値グループ2402の識別関数はそれぞれの類似特性値グループに含まれるデータの領域の集合で表すなど、分類時とは異なる式を用いて識別関数を定義しても良く、実施例1および実施例2でも分類時とは異なる識別関数を用いても良い。
最後に、ステップS2304は、ステップS2303で得られた識別関数2403を用いて、元の特性データ集合103をステップS2302で得られた類似特性値グループのいずれかに識別する。図24では異常特性データ集合2401がなす空間において、類似特性値グループ2402のそれぞれが持つ領域は識別関数2403で定義される。異常特性データ集合2401は元の特性データ集合103の部分集合であるのでそれぞれの特性データ集合に含まれる特性データ202の要素数は同数である。従って、識別関数2403で定義される類似特性値グループ2402の領域は元の特性データ集合103にもそのまま適用できるので、特性データ集合103に含まれる全ての特性値102を最終的な類似特性値グループ104〜106のいずれかに分類できる。
以上の方法によって、注目すべき異常特性値の数が製造工程において測定される特性値の数に対して少ない場合でも正確に特性解析を行うことができる。
図25は、上述の特性解析方法を実施するのに適した特性解析装置500中の特性値分類部507の内部構成を示している。特性値抽出部2501は、特性データ記憶部506から取得した特性データ202に対して図23のステップS2301の処理を行って特性データ202から異常特性を抽出して識別関数導出部2502に渡す。更に、欠陥抽出部2501は、取得した全ての特性データ202を特性値識別部2503に渡す。識別関数導出部2502は、図23のステップS2302およびS2303の処理を行って識別関数2403を導出し、特性値識別部2503に渡す。特性値識別部2503は、特性値抽出部2501から受け取った特性データ202について識別関数導出部2502から受け取った識別関数2403を適用して分類を行い、特性分布算出部508に渡す。
この構成により、上述の特性解析方法を実施することができる。
次に、実施例4として、分類対象の基板群100に含まれる基板101から異常基板を複数抽出し、それらの異常基板で検出された複数の特性値を使って類似特性値グループの分類を行う特性解析方法を説明する。なお、「異常基板」とは、基板群100のうち特に状態の悪い基板であって、予め定義されるものである。
通常、安定して稼動する製造工程では不良となる基板の発生頻度は低い。そのような製造工程から不良となるような異常基板とそれに類似する基板を分類しようとすると、分類対象となる基板群100に含まれる基板数と比較して本来注目すべき異常基板の数が少ないために他の基板の影響が大きく、うまく分類できない。
そこで、本発明の実施例4では、図1中のステップS103において異常基板で測定された特性値102を分類するための識別関数を導出し、得られた識別関数を用いて分類対象の基板群100で測定された全ての基板の特性値102を分類する方法を説明する。本実施例の方法を用いることで、異常基板で発生した特性値の性質をより反映させた解析結果を得ることができる。
図26は本発明の実施例4における処理(図1のステップS103に相当する)の流れを、図27は図26での処理の概念をそれぞれ示している。図26中に示すように、本実施例におけるステップS103では、まずステップS2601で、分類対象の基板群100から異常基板群2701を抽出する。異常基板は、例えば検査工程で検出された欠陥数が予め設定された閾値より多い基板や、或る検査項目の集計値が予め設定された閾値よりも悪い基板、あるいは検査工程における良否判定で不良となった基板などである。
次にステップS2602では、抽出した異常基板群2701に含まれる特性データ202を分類し、類似特性値グループ2703を得る。ステップS2602での分類方法はクラスタ分析のいずれの方法でも良く、例えば実施例1または実施例2で説明した類似特性値グループの分類方法でも良い。
次にステップS2603では、実施例3と同様の方法で識別関数2704を導出する。
最後に、ステップS2604では、実施例3と同様の方法でステップS2603で得られた識別関数2704を用いて元の分類対象の基板群100に含まれる特性データ集合103をステップS2602で得られた類似特性値グループのいずれかに識別する。
以上の方法によって、注目すべき異常基板の数が製造工程内の基板数と比較して少ない場合でも正確に特性解析を行うことができる。
図28は、上述の特性解析方法を実施するのに適した特性解析装置500中の特性値分類部507の内部構成を示している。基板抽出部2801は、特性データ記憶部506から取得した特性データ202について基板データ201との関連付けを元に基板単位で集計し、ステップS2601の処理を実施して異常基板群2701を抽出して識別関数導出部2802に渡す。このとき、基板データ201に既に特性データ202の集計情報が含まれている場合は、基板データ記憶部505から取得したデータを元に異常基板群2701を抽出しても良い。更に、基板抽出部2801は、取得した全ての特性データ202を特性値識別部2803に渡す。識別関数導出部2802は、基板抽出部2801から受け取った異常基板群2701に含まれる特性データ集合2702に対してステップS2602およびステップS2603の処理を行って識別関数2704を導出し、特性値識別部2803に渡す。特性値識別部2803は基板抽出部2801から受け取った全ての特性データ202に対して識別関数導出部2802から受け取った識別関数を適用してステップS2604の分類を行い、特性分布算出部508に渡す。
この構成により、上述の特性解析方法を実施することができる。
次に、実施例5として、分類対象の基板群100から異常基板を抽出し、さらに上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を抽出し、それらの異常特性値を使って類似特性値グループの分類を行う特性解析方法を説明する。この実施例5は、異常基板の発生頻度が低く、且つ異常特性値の発生頻度も低い場合でも、異常基板で発生した特性値の性質をより反映させた解析結果を得ることができる。
図29は本発明の実施例5における処理(図1のステップS103に相当する)の流れを、図30は図29での処理の概念をそれぞれ示している。図29中に示すように、本実施例におけるステップS103では、まずステップS2901で、分類対象の基板群100から異常基板群3001を抽出する。異常基板群3001に含まれる基板は、例えば検査工程で検出された欠陥数が予め設定された閾値より多い基板や、或る検査項目の集計値が予め設定された閾値よりも悪い基板、あるいは検査工程における良否判定で不良となった基板などである。
次に、ステップS2902では、ステップS2901で抽出した異常基板群3001に含まれる特性データから異常特性データ集合3002を抽出する。異常特性データ集合3002は、例えば或る検査項目の値が予め設定された閾値より悪い特性データ202や、基板群3001に含まれる特性データ中の予め定めた割合の特性データ202などである。
次にステップS2903では、抽出した異常特性データ集合3002を分類し、類似特性値グループ3003を得る。ステップS2903での分類方法はクラスタ分析のいずれの方法でも良く、例えば実施例1または実施例2で説明した類似特性値グループの分類方法でも良い。
次にステップS2904では、実施例3と同様の方法でステップS2903の分類結果から特性データ集合3002が類似特性値グループ3003のいずれに分類されるかを決定するための識別関数3004を得る。
最後にステップS2905では、実施例3と同様の方法で、ステップS2904で得られた識別関数3004を用いて、元の特性データ集合103をステップS2903で得られた類似特性値グループのいずれかに識別する。
以上の方法によって、注目すべき異常基板の数が製造工程内の基板数と比較して少なく、異常特性が少ない場合でも正確に特性解析を行うことができる。
図31は、上述の特性解析方法を実施するのに適した特性解析装置500中の特性値分類部507の内部構成を示している。基板抽出部3101は、特性データ記憶部506から取得した特性データ202について基板データ201との関連付けを元に基板単位で集計し、ステップS2901の処理を実施して異常基板群3001を抽出して特性値抽出部3102に渡す。このとき、基板データ201に既に特性データ202の集計情報が含まれている場合は、基板データ記憶部505から取得したデータを元に異常基板群3001を抽出しても良い。更に、基板抽出部3101は、取得した全ての特性データ202を特性値識別部3104に渡す。特性値抽出部3102は、ステップS2902の処理を行って、基板抽出部3101から受け取った特性データ202から異常特性値3002を抽出して識別関数導出部3103に渡す。識別関数導出部3103は、特性値抽出部3102から受け取った異常特性データ集合3002に対してステップS2903およびステップS2904の処理を行って識別関数3004を導出し、特性値識別部3104に渡す。特性値識別部3104は基板抽出部3101から受け取った全ての特性データ202に対して識別関数導出部3103から受け取った識別関数を適用してステップS2905の分類を行い、特性分布算出部508に渡す。
この構成によれば、上述の特性解析方法を実施することができる。
次に、実施例6として、実施例4または実施例5で抽出された異常基板を用いて類似特性値グループの分類を行う方法を説明する。
実施例4および実施例5では、発生頻度の低い異常基板の特性分布を特性解析結果に正確に反映させるために異常基板から得られた特性データ202を分類して得られた識別関数を用いて特性データ集合103を識別して類似特性値グループ104〜106が得られた。これに対して、この実施例6では異常基板の類似特性値グループ毎の特性分布から類似基板グループを分類して得られる識別関数を用いて分類対象の基板群100を識別することで、異常基板の特性値の性質だけでなく特性分布の特徴をより反映させた分類を行う。
図32は本発明の実施例6における処理(図1のステップS104、S105に相当する)の流れを、図33は図31での処理の概念をそれぞれ示している。図32中に示すように、この実施例6におけるステップS104では、まずステップS3189,S3199で、実施例4または実施例5におけるステップS103で分類した異常基板の類似特性値グループ104〜106毎の特性分布の特徴3302と分類対象の全基板の特性分布の特徴3303とを別々に算出する。
次にステップS105内のステップS3201では、異常基板の特性分布3302を分類し、類似基板グループ3304を得る。ステップS3201での分類方法はクラスタ分析のいずれの方法でも良く、例えば実施例1または実施例2で説明した類似特性値グループの分類方法でも良い。
次にステップS105内のステップS3202では、実施例3における類似特性値グループの分類と同様の方法でステップS3201の分類結果から異常基板3301の特性分布3302が類似特性値グループ3304のいずれに分類されるかを決定するための識別関数3305を得る。
次に、ステップS3203では、ステップS104で求めた分類対象の全基板の特性分布3303に対して識別関数3305を適用して各基板の特性分布の識別を行い、分類対象の基板の分類結果3306を得る。
以上の方法によって、異常基板の数が製造工程内の基板数と比較して少ない場合であっても、異常基板の特性分布を正確に反映させた特性解析結果を得ることができる。
図34は、上述の特性解析方法を実施するのに適した特性解析装置500中の特性値分類部507、特性分布算出部508および基板分類部509の内部構成を示している。特性値分類部507は類似特性値グループの分類結果と共に異常基板のリストを特性分布算出部508に渡す。特性分布算出部508はステップS104の処理を行う。即ち、内部の異常基板算出部3401で各異常基板の類似特性値グループ毎の特性分布3302を、分類基板算出部3402で分類対象の各基板の類似特性値グループ毎の特性分布3303をそれぞれ算出し、算出結果を基板分類部509に送る。基板分類部509では、識別関数導出部3403は異常基板の特性分布3302に対してステップS3201およびステップS3202の処理を行って基板の識別関数を導出して基板識別部3404に渡す。基板識別部3404は、特性分布3303に対して識別関数導出部3403が導出した識別関数を適用し、分類対象の各基板を類似基板グループ3304のいずれかに識別した分類結果である類似基板グループ3306をデータ出力部510に渡す。
この構成によれば、上述の特性解析方法を実施することができる。
本発明の一実施形態の特性解析方法の概念を模式的に示す図である。 分類対象となるデータの構造例を示す図である。 本発明の一実施形態における特性値分類の概念の例を示す図である。 本発明の一実施形態における特性値分類の概念の別の例を示す図である。 本発明の一実施形態の特性解析装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の特性解析方法と異常設備推定方法との関係を模式的に示す図である。 図6中の特性分布パターンと製造設備による処理枚数を比較した例を示す図である。 本発明の一実施形態の異常設備推定の概念を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態の異常設備推定装置の構成を示す図である。 図9の異常設備推定装置の変形例を示す図である。 実施例1の特性解析方法における特性値分類の流れを示す図である。 パターン検査の検査結果の例を示す図である。 実施例1の特性解析方法におけるパターン検査結果を分類する過程を模式的に示す図である。 実施例1の特性解析方法による特性値分類結果と基板上の特性分布の関係を模式的に示す図である。 実施例1の特性解析方法において類似特性値グループが為す領域の例を模式的に示す図である。 実施例1の特性解析方法における基板分類の概念を模式的に示す図である。 実施例1の特性解析方法における基板分類の流れを示す図である。 実施例2の特性解析方法におけるデータの重み付けの概念を模式的に示す図である。 実施例2の特性解析方法における分類の特性値分類の流れを示す図である。 実施例2の特性解析方法において類似特性値グループが為す領域を模式的に示す図である。 実施例2の特性解析方法における基板分類の流れを示す図である。 製造工程内で発生する異常欠陥の例を模式的に示す図である。 実施例3の特性解析方法における特性値分類の流れを示す図である。 実施例3の特性解析方法における特性値分類の概念を模式的に示す図である。 実施例3の特性解析装置の構成を示す図である。 実施例4の特性解析方法における特性値分類の流れを示す図である。 実施例4の特性解析方法における特性値分類の概念を模式的に示す図である。 実施例4の特性解析装置の構成を示す図である。 実施例5の特性解析方法における特性値分類の流れを示す図である。 実施例5の特性解析方法における特性値分類の概念を模式的に示す図である。 実施例5の特性解析装置の構成を示す図である。 実施例6の特性解析方法における基板分類の流れを示す図である。 実施例6の特性解析方法における基板分類の概念を模式的に示す図である。 実施例6の特性解析装置の構成を示す図である。 或る従来技術を説明する図である。 別の従来技術を説明する図である。
符号の説明
100 分類対象の基板群
101 分類対象の基板群中の基板
102 基板で測定された特性値
103 分類対象の基板群で測定された特性データ集合
104〜106 類似特性値グループ
107〜109 類似基板グループ

Claims (26)

  1. 特性値が測定された基板群を基板毎に特性分布が類似したグループに分類する特性解析方法であって、
    上記基板群についての複数の特性値を、性質が類似した類似特性値グループに分類し、
    上記基板群に含まれた各基板について上記類似特性値グループ毎にその類似特性値グループに含まれた特性値を集計して、上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を求め、
    上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴に基づいて、上記各基板を、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに分類することを特徴とする特性解析方法。
  2. 請求項1に記載の特性解析方法において、
    上記類似特性値グループの分類は、
    上記基板群についての上記複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第1ステップと、
    上記第1ステップで抽出された複数の異常特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2ステップと、
    上記第2ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3ステップと、
    上記第3ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4ステップを備えることを特徴とする特性解析方法。
  3. 請求項1に記載の特性解析方法において、
    上記類似特性値グループの分類は、
    上記基板群から異常基板を複数抽出する第1ステップと、
    上記第1ステップで抽出された上記異常基板についての複数の特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2ステップと、
    上記第2ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3ステップと、
    上記第3ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4ステップを備えることを特徴とする特性解析方法。
  4. 請求項1に記載の特性解析方法において、
    上記類似特性値グループの分類は、
    上記基板群から異常基板を複数抽出する第1ステップと、
    上記第1ステップで抽出された上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第2ステップと、
    上記第2ステップで抽出された異常特性値を、性質の類似した第1の類似特性値グループに分類する第3ステップと、
    上記第3ステップで得られた分類結果に基づいて、各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第4ステップと、
    上記第4ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第5ステップを備えることを特徴とする特性解析方法。
  5. 請求項3または4に記載の特性解析方法において、
    上記類似基板グループの分類は、
    上記異常基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第11ステップと、
    上記異常基板を、第11ステップで得られた特性分布の特徴が類似した第1の類似基板グループに分類する第12ステップと、
    上記第12ステップで得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似基板グループの境界を定める識別関数を導出する第13ステップと、
    上記各基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第14ステップと、
    上記第13ステップで導出された上記識別関数を用いて、上記各基板を、上記第14ステップで算出された特性分布の特徴が類似した第2の類似基板グループに分類する第15ステップを備えることを特徴とする特性解析方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の特性解析方法において、
    上記特性値は特性値の性質を表す1つ以上の数値からなるベクトルで表され、
    上記類似特性値グループは上記基板群についての上記複数の特性値のうち、それらの特性値を表すベクトル同士の距離が予め定められた範囲内である特性値で構成されることを特徴とする特性解析方法。
  7. 請求項6に記載の特性解析方法において、
    上記類似特性値グループの分類は、
    上記特性値が為す空間に対して予め定めた個数のグループの重心を与える第21ステップを備え、
    上記複数の特性値を表すベクトルと上記各重心との距離に基づいて上記各特性値をグループに分類する第22ステップと、
    上記各グループに分類された特性値に基づいて新たな重心を算出する第23ステップとを順次繰り返して類似特性値グループを決定することを特徴とする特性解析方法。
  8. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の特性解析方法において、
    上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴は1つ以上の数値からなるベクトルで表され、
    上記類似基板グループの分類は、
    上記特性分布の特徴が為す空間に対して予め定めた個数のグループの重心を与える第21ステップを備え、
    上記各基板の特性分布の特徴と上記各重心との距離に基づいて上記各基板をグループに分類する第22ステップと、
    上記各グループに分類された基板の特性分布の特徴に基づいて新たな重心を算出する第23ステップとを順次繰り返すことで類似基板グループが決定されることを特徴とする特性解析方法。
  9. 請求項8に記載の特性解析方法において、
    上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴はその類似特性値グループの特性値の数であり、
    上記基板群の中で上記類似特性値グループ毎の特性値の数の分布が類似した基板を同一の類似基板グループに分類することを特徴とする特性解析方法。
  10. 請求項7に記載の特性解析方法において、
    上記類似特性値グループに最終的に分類される特性値は、上記第22ステップと第23ステップとを繰り返して得られたグループの重心から或る距離の範囲内に、その特性値を表すベクトルが存在する特性値であることを特徴とする特性解析方法。
  11. 請求項8に記載の特性解析方法において、
    上記類似基板グループに最終的に分類される基板は、上記第22ステップと第23ステップを繰り返して得られたグループの重心から或る距離の範囲内に、その基板の特性分布の特徴を表すベクトルが存在する基板であることを特徴とする特性解析方法。
  12. 請求項7または8に記載の特性解析方法において、
    上記第22ステップは、上記特性値または特性分布の特徴を、上記グループの重心と特性値を表すベクトルまたは特性分布の特徴を表すベクトルとの距離に関連した重みに応じた割合で各グループに分類し、
    上記第23ステップは、上記各特性値または特性分布の特徴と上記重みとに基づいて上記新たな重心を算出することを特徴とする特性解析方法。
  13. 請求項12に記載の特性解析方法において、
    上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴は、その類似特性値グループの重心から各特性値を表すベクトルまでの距離に応じた重みを加算した特性値の数であることを特徴とする特性解析方法。
  14. 請求項12に記載の特性解析方法において、
    上記類似基板グループに分類される基板は、上記第22ステップと第23ステップを繰り返して得られる類似基板グループに対する上記基板の重みが或る値以上である基板であることを特徴とする特性解析方法。
  15. 請求項1に記載の特性解析方法において、
    上記特性値は基板上に平面的に分布した欠陥に対応し、上記特性値の特徴は少なくとも基板上での上記欠陥の座標を含むことを特徴とする特性解析方法。
  16. 基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を推定する異常設備推定方法であって、
    請求項1乃至5のいずれか一つに記載の特性解析方法で上記類似基板グループに分類された基板に共通して用いられた製造装置を、上記各基板についての処理履歴から抽出することを特徴とする異常設備推定方法。
  17. 特性値が測定された基板群を基板毎に特性分布が類似したグループに分類する特性解析装置であって、
    上記基板群についての複数の特性値を、性質が類似した類似特性値グループに分類する特性値分類部と、
    上記基板群に含まれた各基板について上記類似特性値グループ毎にその類似特性値グループに含まれた特性値を集計して、上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を求める特性分布算出部と、
    上記各基板についての上記類似特性値グループ毎の特性分布の特徴に基づいて、上記各基板を、基板上の特性分布が類似した類似基板グループに分類する基板分類部とを備えたことを特徴とする特性解析装置。
  18. 請求項17に記載の特性解析装置において、
    上記特性値分類部は、
    上記基板群についての上記複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第1部分と、
    上記第1部分で抽出された複数の異常特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2部分と、
    上記第2部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3部分と、
    上記第3部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4部分を備えることを特徴とする特性解析装置。
  19. 請求項17に記載の特性解析装置において、
    上記特性値分類部は、
    上記基板群から異常基板を複数抽出する第1部分と、
    上記第1部分で抽出された上記異常基板についての複数の特性値を、性質が類似した第1の類似特性値グループに分類する第2部分と、
    上記第2部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第3部分と、
    上記第3部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第4部分を備えることを特徴とする特性解析装置。
  20. 請求項17に記載の特性解析装置において、
    上記特性値分類部は、
    上記基板群から異常基板を複数抽出する第1部分と、
    上記第1部分で抽出された上記異常基板についての複数の特性値から異常特性値を複数抽出する第2部分と、
    上記第2部分で抽出された異常特性値を、性質の類似した第1の類似特性値グループに分類する第3部分と、
    上記第3部分で得られた分類結果に基づいて、各第1の類似特性値グループの境界を定める識別関数を導出する第4部分と、
    上記第4部分で導出された上記識別関数を用いて、上記基板群についての上記複数の特性値を、性質が類似した第2の類似特性値グループに分類する第5部分を備えることを特徴とする特性解析装置。
  21. 請求項19または20に記載の特性解析装置において、
    上記基板分類部は、
    上記異常基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第11部分と、
    上記異常基板を、第11部分で得られた特性分布の特徴が類似した第1の類似基板グループに分類する第12部分と、
    上記第12部分で得られた分類結果に基づいて、上記各第1の類似基板グループの境界を定める識別関数を導出する第13部分と、
    上記各基板について上記第2の類似特性値グループ毎の特性分布の特徴を算出する第14部分と、
    上記第13部分で導出された上記識別関数を用いて、上記各基板を、上記第14部分で算出された特性分布の特徴が類似した第2の類似基板グループに分類する第15部分を備えることを特徴とする特性解析装置。
  22. 基板に対して順次実行される複数の製造工程でそれぞれ用いられる製造装置の中から、異常が発生した製造装置を推定する異常設備推定装置であって、
    請求項17乃至21のいずれか一つに記載の特性解析装置で上記類似基板グループに分類された基板に共通して用いられた製造装置を、上記各基板についての処理履歴から抽出することを特徴とする異常設備推定装置。
  23. 請求項1に記載の特性解析方法をコンピュータに実行させるための特性解析プログラム。
  24. 請求項16に記載の異常設備推定方法をコンピュータに実行させるための異常設備推定プログラム。
  25. 請求項23に記載の特性解析プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  26. 請求項24に記載の異常設備推定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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