JP2008074912A - ローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物及び現像ローラ - Google Patents

ローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物及び現像ローラ Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度で成形性に優れ、硬化物の圧縮永久歪が小さいローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物、及びこの組成物を用いて形成された現像ローラを提供する。
【解決手段】(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜30質量部、
(C)平均粒子径が50μm以下で、200℃のオーブン中で4時間放置した時の質量減少が1%以下である無機充填剤:3〜100質量部、
(D)導電性付与材料:0.5〜50質量部、
(E)付加反応触媒:触媒量
を含有してなり、硬化後の体積抵抗率が10kΩ・m以下であるローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形が容易であり、かつ体積抵抗率が10kΩ・m以下で、圧縮永久歪の小さい硬化物を与えるローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物、及びこの組成物を用いて形成された現像ローラに関する。
従来、電気絶縁性を示すゴム状物質に導電性材料を配合した導電性ゴムは種々知られており、例えば導電性材料としてカーボンブラック等を配合し、体積抵抗率を10-3〜10-1Ω・mの範囲にした導電性ゴムが広い分野で応用されている。一方、電気絶縁性ゴム状物質の一つであるシリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、電気絶縁性ゴムとして多く利用されているが、他のゴム状物質と同様に導電性材料を添加することで、導電性ゴムとしても実用化されている。
この場合、導電性シリコーンゴムに添加する導電性材料としては、例えばカーボンブラックやグラファイト、銀,ニッケル,銅等の各種金属粉、各種非導電性粉体や短繊維表面を銀等の金属で処理したもの、炭素繊維,金属繊維などを混合したものが、ゴムが持つ特異な特性を損なうことなく、その導電性材料の種類及び充填量によりシリコーンゴムの体積抵抗率を10kΩ・m以下まで低下させ得ることから頻繁に使用されている。
特に、液状付加硬化タイプのシリコーンゴムは、カーボンブラックなどの導電性付与材を配合しても低粘度で成形性に優れることや、短時間での硬化が可能であることからロール材として広く使用されている。
しかしながら、液状シリコーンゴムゴムにケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラックを配合しただけでは、シリコーンゴムの強度が不十分で、ロールとして電子写真装置に組み込んだ時に、耐久時にゴム破壊が生じてしまう。これを改良するためにカーボンブラックを増量したり、ヒュームドシリカを多量に加えたりすると圧縮永久歪が悪化してしまう。そこで、比較的圧縮永久歪に与える影響が小さい石英粉、珪藻土、沈降シリカ、パーライトなどの無機粉体を配合する方法がある。ところが、これらの充填剤は表面にシラノール基などの親水性基を有することから、空気中の水分を吸着しやすい性質がある。このように吸着された水分は、ゴムの硬化時に揮発して内部に気泡として残ったり、シリコーンゴムのアフターキュア時に揮発してロールが収縮したりしてしまい、ロール寸法に影響してしまう場合がある。特に現像ロール用途の場合、感光体と接触してトナーの授受を行うため、わずかなロール径の違いがトナーの移行性、すなわち画像に影響してしまう。
特開2000−9129号公報、特開2002−338808号公報(特許文献1,2)には、珪藻土をロール用材料の充填剤として使用することが例示されているが、有機過酸化物硬化型ミラブルシリコーンゴムのみで液状付加硬化については、全く触れられていない。特開平9−222770号公報(特許文献3)には、液状シリコーンゴムに珪藻土を加えてもよいという記載はあるが、実施例では充填剤が全く記載されていない。一方、特開2005−82617号公報(特許文献4)には、平均粒子径及び嵩密度で規定した無機充填剤を配合した付加硬化型液状導電性シリコーンが例示されているが、充填剤の吸水率や加熱減量については全く触れられていない。
特開2000−9129号公報 特開2002−338808号公報 特開平9−222770号公報 特開2005−82617号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低粘度で成形性に優れ、硬化物の圧縮永久歪が小さいローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物、及びこの組成物を用いて形成された現像ローラを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、付加硬化型液状シリコーンゴム組成物に、導電性カーボンブラック等の導電性付与材料を配合し、更にこの導電性シリコーンゴム組成物に対し、平均粒子径が50μm以下で、200℃,4時間での加熱減量が1%以下である無機充填剤を配合することにより、型成形時に気泡等によるボイドの発生がなく、かつ硬化物の圧縮永久歪が小さいローラが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物及び現像ローラを提供する。
〔1〕 (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 0.1〜30質量部、
(C)平均粒子径が50μm以下で、200℃のオーブン中で4時間放置した時の質量減少が1%以下である無機充填剤: 3〜100質量部、
(D)導電性付与材料: 0.5〜50質量部、
(E)付加反応触媒: 触媒量
を含有してなり、硬化後の体積抵抗率が10kΩ・m以下であるローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔2〕 (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンの平均重合度が、100〜800の範囲である〔1〕記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔3〕 (C)無機充填剤が、珪藻土、パーライト、石英粉又は沈降性シリカである〔1〕又は〔2〕記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔4〕 (D)導電性付与材料が、導電性カーボンブラックである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔5〕 シリコーンゴム組成物の25℃における粘度が、10Pa・s以上200Pa・s以下である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔6〕 現像ロール、帯電ロール又は転写ロール用である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔7〕 硬化ゴムの引張り強度が2.0MPa以上であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔8〕 更に、ヒュームドシリカを(A)成分100質量部に対し、5質量部以下含有する〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
〔9〕 導電性の軸体の外周に導電性の弾性層を表層として有するロール又は該弾性層の外周に、更に有機樹脂からなる表層を有するロールであって、該弾性層が〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする電子写真式画像形成装置用現像ローラ。
本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、液状材料で流動性に優れるため成形性が良好であるだけでなく、成形時にボイドなどの発生が少なく、硬化後は体積抵抗率が経時や成形条件によって変化せず安定していると共に、圧縮永久歪が小さくかつロール耐久性に優れた材料である。
以下、本発明につき更に詳述すると、本発明のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)平均粒子径が50μm以下で、200℃のオーブン中で4時間放置した時の質量減少が1%以下である無機充填剤、
(D)導電性付与材料、
(E)付加反応触媒
を含有してなるものである。
(A)成分の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、本組成物の主剤(ベースポリマー)であり、このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.02の範囲の正数である。
ここで、上記R1で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90%以上がメチル基であることが好ましい。また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6のものであり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6mol/g〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-3mol/gより多いと圧縮永久歪が悪くなってしまうだけでなく、脆いゴムとなってしまうおそれがある。
このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。重合度については、室温で液状であればよいが、好ましくは、通常、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均重合度が100〜800、更に好ましくは、150〜600である。100未満ではゴム弾性が不十分となる場合があり、800より大きいと圧縮永久歪が悪くなってしまう場合がある。
(B)成分は、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための架橋剤として作用するものである。
この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。またbは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
ここで、R2の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、bは好ましくは0.8〜2.0、cは好ましくは0.01〜1.0、b+cは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられ、SiH基と(A)成分のアルケニル基の総量との比は、0.3〜10.0、好ましくは0.5〜3.0である。
この珪素原子結合水素原子(Si−H)の含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中0.001〜0.017mol/g、特に0.002〜0.015mol/gとすることが好ましい。珪素原子結合水素原子(Si−H)の量が少なすぎると架橋が不十分でゲル状になってしまうことがあり、また多すぎると架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムになってしまうおそれがある。
なお、珪素原子に結合する水素原子は、分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。上記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体やこれらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたものなどが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.3〜20質量部である。0.1質量部未満では硬化が不十分でゲル状になってしまい、ゴム状の弾性体硬化物を与えることができず、30質量部を超える量では、硬化物の強度と耐圧縮永久歪が著しく低下して(圧縮永久歪が大きくなって)しまう。また、上記と同様の理由で、(A)成分のアルケニル基に対する珪素結合水素原子とのモル比が、好ましくは0.3〜5.0、更に好ましくは0.5〜2.5の範囲である。
次に、(C)成分の無機充填剤は、低圧縮永久歪で硬化物に強度を与えることにより十分なロール耐久性を得るのに必須の成分である。無機充填剤は、平均粒径が50μm以下、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜20μmである。平均粒径が1μmより小さいと経時で体積抵抗が変化してしまう場合があり、50μmより大きいと表面に凹凸が発生したり、ロールとしての耐久性が低下してしまう。
更に、これら無機充填剤としての必須の性質は、200℃のオーブン中に4時間放置した場合の加熱減量(加熱による質量減少量)が1質量%以下、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。加熱減量が1質量%を超えると、成形中に水などが発生してしまい、成形物中にボイドが生じてしまう。なお、この加熱減量は、1,000ccのビーカーに約100gの充填剤を入れ、これを200℃のオーブンに入れ、4時間後に取り出し、デシケータ中で1時間冷却させて質量を測定する。ビーカーに入れた充填剤量をAg、加熱、冷却後の充填剤量(ビーカー質量を引いた質量)をBgとすると、
加熱減量(質量%)=[(A−B/A)]×100
で計算される。
これら充填剤は、購入時に予め乾燥工程を経たものを使用してもよいし、配合前に30〜100℃で、30分〜24時間程度加熱乾燥したものを使用してもよい。購入時に予め乾燥工程を経たものを使用する場合は、その後の運搬・保管時に吸湿がないよう透湿性の低い梱包形態、あるいは吸湿剤を同梱するなどの配慮が必要となる。更には乾燥が不十分な充填剤でも、(A)成分との混合後、常圧あるいは減圧下、100〜200℃で、30分〜8時間程度混合するような揮発分を除く工程を取ってもよい。
このような無機充填剤としては、石英粉、珪藻土、パーライト、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ガラスビーズ、沈殿シリカなどがあるが、中でも珪藻土、パーライト及び発泡パーライトの粉砕物、石英粉などが好適である。
無機充填剤の配合量としては、(A)成分100質量部に対して、3〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。配合量が3質量部未満では、ロール耐久性が不十分で、100質量部を超えると圧縮永久歪が悪化するばかりでなく、配合も困難になってしまう。
これら無機充填剤の混合方法は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて(A)、(B)成分と混合してもよいし、あるいは上記のように100〜200℃の高温で混合してもよい。
またこれら無機充填剤は、シラン系カップリング剤又はその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン又はその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサン等により表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機充填剤自体を予め処理しても、あるいはオイルとの混合時に処理を行ってもよい。但し、これら表面処理剤が残存することにより、200℃×4時間の加熱減量が1質量%を超えてしまう場合は、目的の効果が得られなくなってしまう。
なお、これら無機充填剤以外にも、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機粉体を、本材料の特長である低圧縮永久歪、経時で安定した体積抵抗率、ロール耐久性を損なわない範囲で添加してもよい。
(D)成分の導電性材料としては、次のものが好適に用いられる。
導電性カーボンブラックとしては、通常導電性ゴム組成物に常用されているものが使用し得、例えばアセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックやチャンネルブラック等を挙げることができる。具体的に、アセチレンブラックとしては、電化アセチレンブラック(電気化学社製),シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガンケミカル社製)等が、コンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製),バルカンC(キャボット社製)等が、スーパーコンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスSCF(コンチネンタルカーボン社製),バルカンSC(キャボット社製)等が、エクストラコンダクティブファーネスブラックとしては、旭HS−500(旭カーボン社製),バルカンXC−72(キャボット社製)等が、コンダクティブチャンネルブラックとしては、コウラックスL(デグッサ社製)等が例示され、また、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)を用いることもできる。なお、これらのうちでは、アセチレンブラック及びアセチレンブラックと上記カーボンとの混合物が本発明において特に好適に用いられる。
上記(D)成分の配合量は、本シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率を10kΩ・m以下、望ましくは0.1Ω・m〜10kΩ・m、特に1Ω・m〜5kΩ・mとする量である。
具体的に、導電性カーボンブラックの添加量は、上述した(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部、特に1〜20質量部とすることが好ましい。添加量が0.5質量部未満では所望の導電性を得ることができない場合があり、50質量部を超えると圧縮永久歪が悪くなってしまう場合がある。
(E)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常白金族金属として(A)、(B)成分の合計質量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
上記シリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、低分子シロキサンエステル、シラノール、例えばジフェニルシランジオール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、エチニルシクロヘキサノール、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン等の反応制御剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物などを添加混合してもよい。
本材料の組成物は、25℃で液状であればいかなる粘度でも使用可能であるが、特に25℃での粘度が10Pa・s以上200Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは20Pa・s以上150Pa・s以下である。10Pa・s未満では、硬化物の強度が低く、ロール耐久性が不十分となる場合があり、200Pa・sより大きいと、成形に圧力を要するため、ロール寸法が安定しなくなる場合がある。
なお、本材料の硬化物は、体積抵抗率が0.1Ω・m〜10kΩ・m、特に1Ω・m〜5kΩ・mであることが好ましい。0.1Ω・m未満では、導電性付与剤の配合量が多くなりすぎてロール耐久性が得られない場合があり、10kΩ・mより大きいと、体積抵抗が安定せず、鮮明な画像が得られない場合がある。また、硬化物の引張り強度は2.0MPa以上、特に2.5MPa以上であることが好ましく、2.0MPa未満では、ロールとしての耐久性が不十分になってしまう場合がある。
本材料の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、帯電ロール、現像ロール、紙送りロール、トナー搬送ロール、転写ロールなどの電子写真装置のロール用途として、特に現像ロール、帯電ロール、転写ロール用、とりわけ現像ロール用として好適である。なお、本材料は、これらロール用に芯金の上にシリコーンゴム層を表層として被覆した単層のロールとして使用してもよいし、あるいはポリイミド、ウレタン、フッ素系などの樹脂を更にシリコーンゴム層の上に被覆したロールとして使用してもよい。厚さは、シリコーンゴム層として0.5〜50mm、特に1〜20mm、表層として1〜300μm、特に2〜100μmの範囲であることが好ましい。
本発明においては、特に導電性の軸体の外周に導電性の弾性層を表層として有する電子写真式画像形成装置用現像ローラ、及び更に該導電性の弾性層の外周に有機樹脂からなる表層を有する電子写真式画像形成装置用現像ローラの該弾性層に、本材料である付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を硬化させたものを用いることが好ましい。
以下、実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、部はいずれも質量部を示す。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)80部、同じく両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度800)20部、平均粒径6μmである珪藻土(オプライトW−3005S、北秋珪藻土株式会社製)を150℃のオーブンに8時間放置したもの(200℃×4時間の加熱減量0.1質量%)30部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を2.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部及びテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン0.2部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(1)とした。このシリコーンゴム組成物(1)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、95Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(1)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。厚さ2mmのシートで硬さ(デュロメータタイプA)及び引張り強度を測定し、厚さ6mmのシートで体積抵抗率を、厚さ12.5mmの円柱により圧縮永久歪を測定した結果を表1に記した。なお、硬さ、引張り強度及び圧縮永久歪はJIS K 6249に準じて測定を行い、また体積抵抗率は、図1に示すように、電極A,B(2,3)間にゴムシート1を接触させ、電極間の抵抗を測定した。測定電圧は100V、12点測定し、その平均値を記した。なお、測定機器4は(株)アドバンストデジタル製の超高抵抗計R8340を用いた。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(1)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、ボイドは一つも見られなかった。
[実施例2]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持ち、重合度が480であるジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.00008mol/g)80部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)20部、平均粒径7μmである珪藻土(ラヂオライトF、昭和化学工業株式会社製、200℃×4時間の加熱減量1.2質量%)30部を室温で30分撹拌後、180℃に昇温し、2時間撹拌を続けた。室温に戻した後、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)4.5部を加え、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を1.5部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されすべてのSi原子がSi−H結合を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度12、Si−H量0.013mol/g)を0.3部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(2)とした。このシリコーンゴム組成物(2)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、140Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(2)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。実施例1と同様にして、硬さ(デュロメータタイプA)、引張り強度、体積抵抗率及び圧縮永久歪を測定し、結果を表1に記した。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(2)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、ボイドは一つも見られなかった。
[実施例3]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されかつ側鎖にビニル基を持ち、重合度が550であるジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.00012mol/g)50部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)50部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度100)30部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)2部、平均粒径17μmであるパーライト(ロカヘルプ4209、三菱金属工業株式会社製)を250℃のオーブン中に2時間放置したもの(200℃×4時間の加熱減量0.05質量%)20部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5.5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を2.6部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(3)とした。このシリコーンゴム組成物(3)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、66Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(3)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。実施例1と同様にして、硬さ(デュロメータタイプA)、引張り強度、体積抵抗率及び圧縮永久歪を測定し、結果を表1に記した。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(3)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、ボイドは一つも見られなかった。
[比較例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)80部、同じく両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度800)20部、平均粒径6μmである珪藻土(オプライトW−3005S、200℃×4時間の加熱減量1.2質量%)30部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を2.1部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部及びテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン0.2部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(4)とした。このシリコーンゴム組成物(4)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、93Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(4)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。実施例1と同様にして、硬さ(デュロメータタイプA)、引張り強度、体積抵抗率及び圧縮永久歪を測定し、結果を表1に記した。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(4)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、表面及び内部に、直径0.5〜1mm程度のボイドが計8個確認された。
[比較例2]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持ち、重合度が480であるジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.00008mol/g)80部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)20部、平均粒径7μmである珪藻土(ラヂオライトF、200℃×4時間の加熱減量1.1質量%)30部を室温で30分撹拌後、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)4.5部を加え、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を1.5部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されすべてのSi原子がSi−H結合を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度12、Si−H量0.013mol/g)を0.3部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(5)とした。このシリコーンゴム組成物(5)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、155Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(5)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。実施例1と同様にして、硬さ(デュロメータタイプA)、引張り強度、体積抵抗率及び圧縮永久歪を測定し、結果を表1に記した。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(5)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、表面及び内部に、直径0.5〜2mmのボイドが計5個確認された。
[比較例3]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されかつ側鎖にビニル基を持ち、重合度が550であるジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.00012mol/g)50部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度250)50部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度100)30部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)2部、平均粒径17μmであるパーライト(ロカヘルプ4209、200℃×4時間の加熱減量2.9質量%)20部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5.5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)を2.6部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(6)とした。このシリコーンゴム組成物(6)の25℃での粘度を回転粘度計(BH型ローター7番20rpm)で測定した結果、69Pa・sであった。
このシリコーンゴム組成物(6)を撹拌終了後30分以内に150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さ2mm及び厚さ6mmのシリコーンゴムシート、厚さ12.5mmの円柱を得た。実施例1と同様にして、硬さ(デュロメータタイプA)、引張り強度、体積抵抗率及び圧縮永久歪を測定し、結果を表1に記した。
次いで、プライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲にこのシリコーンゴム組成物(6)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この弾性層の周囲及び軸端部から10mmごとにゴムを周方向に切断した断面を目視観察した。その結果、表面及び内部に、直径0.5〜2mmのボイドが多数(20個以上)確認された。
Figure 2008074912
本発明の実施例における体積抵抗率の測定方法を説明する概略図である。
符号の説明
1 ゴムシート
2 電極A
3 電極B
4 測定機器

Claims (9)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)一分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 0.1〜30質量部、
    (C)平均粒子径が50μm以下で、200℃のオーブン中で4時間放置した時の質量減少が1%以下である無機充填剤: 3〜100質量部、
    (D)導電性付与材料: 0.5〜50質量部、
    (E)付加反応触媒: 触媒量
    を含有してなり、硬化後の体積抵抗率が10kΩ・m以下であるローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  2. (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンの平均重合度が、100〜800の範囲である請求項1記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  3. (C)無機充填剤が、珪藻土、パーライト、石英粉又は沈降性シリカである請求項1又は2記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  4. (D)導電性付与材料が、導電性カーボンブラックである請求項1,2又は3記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  5. シリコーンゴム組成物の25℃における粘度が、10Pa・s以上200Pa・s以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  6. 現像ロール、帯電ロール又は転写ロール用である請求項1乃至5のいずれか1項記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  7. 硬化ゴムの引張り強度が2.0MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  8. 更に、ヒュームドシリカを(A)成分100質量部に対し、5質量部以下含有する請求項1乃至7のいずれか1項記載のローラ用付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物。
  9. 導電性の軸体の外周に導電性の弾性層を表層として有するロール又は該弾性層の外周に、更に有機樹脂からなる表層を有するロールであって、該弾性層が請求項1〜8のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする電子写真式画像形成装置用現像ローラ。
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