JP2008069606A - 断面h形鋼材の補強構造および補強方法 - Google Patents

断面h形鋼材の補強構造および補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接することなく、断面H形鋼材と補強部材とを確実に、強固に一体化可能な断面H形鋼材の補強構造および補強方法を提供すること。
【解決手段】断面H形鋼材1における各フランジ内側面5とウェブ側面6とに囲まれた各凹溝4にコンクリート系材料8が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面11を長手方向にわたって被覆するようにコンクリート系材料8が設けられ、各フランジ巾方向の側端面11を被覆するコンクリート系材料8のコーナー部は断面円弧状のコーナー部12とされ、コンクリート系材料8の外表面を長手方向にわたって被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シート9が接着剤により固着されている。断面H形鋼材1の凹溝4にコンクリート系材料8を打設し、コンクリート系材料8の外面および断面H形鋼材1の外面に連続繊維シート9を接着剤により固着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、H形鋼(圧延ロール成形H形鋼、プレート組立H形鋼)あるいは既存の鉄骨構造物における柱・梁・筋交い等に使用されるH形鋼等の断面H形鋼材の補強構造および補強方法に関する。
従来、(A).図9(a)に示すように部材または構造材として使用されているH形鋼等の断面H形鋼材1の補強構造として、断面H形鋼材1における対向するフランジ2巾方向端部に渡って補強鋼板20を配置し、フランジ2と補強鋼板20とを溶接Wにより固定し補強する形態、同図(b)に示すように、フランジ2の外側に補強鋼板20を重合配置すると共に溶接Wにより一体に固定し補強する形態、同図(c)に示すように、断面H形鋼材1における片側フランジ2の外側であって、ウェブ3の延長面上に、カットT形鋼等の補強形鋼21におけるウェブ3先端部分を溶接Wにより固定する補強形態も知られている。
このような断面H形鋼材1の補強構造では、断面H形鋼材1と、補強鋼板20または補強形鋼21を溶接で一体化することで、強度を確実に向上できる利点がある。
また従来、(B).図10に示すように、H形鋼等の断面H形鋼材1の補強構造として、H形鋼柱22の周囲に、部材軸方向に延長するように、主筋23および環状横鉄筋(フープ筋)24を配置し、これらをコンクリート8aにより埋め込むように打設して一体化した構造形態も知られている。このような構造では、断面H形鋼材1の周囲を、主筋23および環状横鉄筋24ならびにコンクリート8aによる鉄筋コンクリートで囲うため、断面H形鋼材1とコンクリート8aは一体化され、強度を確実に向上できる利点がある。
また従来、(C)H形鋼における対向するフランジに渡って鉄筋を溶接により固定し、フランジとウェブに囲まれた凹溝にコンクリートを打設し、鉄筋によってH形鋼とコンクリートを一体化する補強形態も知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。このような補強形態では、断面外形寸法が大きくならないため、周囲にスペースが必要とならない利点がある。
また従来、(D)H形鋼にスタッドを溶着し、スタッドを利用して鉄筋を取り付け、フランジとウェブに囲まれた部分にコンクリートを打設するH形断面部材の補強形態も知られている(例えば、特許文献5参照)。このような補強形態では、スタッドおよび鉄筋によってH形鋼とコンクリートが一体化され、強度を確実に向上できる利点がある。
特開2002−266503号公報 特開2002−266317号公報 特開2004−183232号公報 特開平08−49350号公報 特開2002−266319号公報
前記(A)の従来の場合は、H形鋼に補強鋼板または補強形鋼を、火気使用となる溶接により固定するため、例えば引火性の物品や可燃物を貯蔵もしくは使用する工場・倉庫等、火気の使用ができない既存建物等の使用条件によっては、工事が困難となり、工場における操業や倉庫の保管を一時停止した後、補強構造の施工をする等、補強施工に長期間を要するばかりでなく、火気使用となる溶接を必要とするため周囲に引火する恐れを必然的に生じ、補強工事の安全性が低下する等の問題がある。また、断面H形鋼材の断面外形が大きくなるため、周囲にスペースがない場合には、適用できないという問題もある。
前記(B)の従来の場合は、断面H形鋼材の断面外形が大幅に大きくなるため、周囲にスペースがない場合には、適用できないという問題もある。
前記(C)(D)の従来の場合は、H形鋼に鉄筋またはスタッドを、火気使用となる溶接により固定するため、前記(A)と同様に、火気の使用ができない既存建物等の使用条件によっては、工事が困難となり、工場における操業を一時停止した後、補強構造の施工をする等、補強施工に長期間を要するばかりでなく、火気使用となる溶接を必要とするため、周囲に引火する恐れを必然的に生じ、補強工事の安全性が低下する等の問題がある。
本発明は、断面H形鋼材を補強する場合に、周囲にスペースを確保できない場合でも施工可能であり、また、火気の使用となる溶接することなく、断面H形鋼材とこれを補強する補強部材とを確実に、強固に一体化可能な断面H形鋼材の補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
前記の目的を有利に解決するために、第1発明の断面H形鋼材の補強構造では、断面H形鋼材における各フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝にコンクリート系材料が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面を長手方向にわたって被覆するようにコンクリート系材料が設けられ、各フランジ巾方向の側端面を被覆するコンクリート系材料のコーナー部は断面円弧状のコーナー部とされ、コンクリート系材料の外表面を長手方向にわたって被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートが、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材におけるフランジ外面に接着剤により固着されていることを特徴とする。
第2発明では、第1発明の断面H形鋼材の補強構造において、断面H形鋼材における各フランジ巾方向の側端面に、フランジ長手方向に延長する棒状部材が接着剤により固定され、前記棒状部材の外側コーナー部を断面円弧状のコーナー部とし、フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝および前記棒状部材を埋め込むようにコンクリート系材料が打設されて硬化され、対向する各フランジ巾方向の側端面に固定した棒状部材の外表面およびこれらの間のコンクリート系材料の外表面を被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを接着剤により固着されていることを特徴とする。
第3発明では、第1または第2発明の断面H形鋼材の補強構造において、断面円弧状のコーナー部の半径は、少なくとも20mmの半径とされていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの断面H形鋼材の補強構造において、連続繊維シートは、断面H形鋼材のフランジ外面全体を被覆するように接着剤により固定されていることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの断面H形鋼材の補強構造において、連続繊維シートは、断面H形鋼材のフランジ外面の一部を被覆するように、断面H形鋼材のフランジ側部に接着剤により固定されていることを特徴とする。
第6発明では、第1発明〜第5発明のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造において、連続繊維シートによる被覆層の外側に、連続繊維シートを締め付けるようにバンド金具が設けられていることを特徴とする。
第7発明では、第1発明〜第6発明のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造において、コンクリート系材料が、補強繊維混入コンクリート系材料であることを特徴とする。
第8発明の断面H形鋼材の補強方法においては、断面H形鋼材におけるフランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝にコンクリート系材料を打設すると共に、各フランジ巾方向の側端面を長手方向にわたって被覆するように前記コンクリート系材料が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面を被覆するコンクリート系材料のコーナー部を断面円弧状のコーナー部とした後、コンクリート系材料の外表面を長手方向にわたって被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材におけるフランジ外面に接着剤により固着することを特徴とする。
第9発明では、第8発明の断面H形鋼材の補強方法において、断面H形鋼材における各フランジ巾方向の側端面に、その長手方向にわたって被覆するように外側コーナー部が断面円弧状とされた棒状部材を接着剤によりそれぞれ固定した後、断面H形鋼材におけるフランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝および前記棒状部材を埋め込むようにコンクリート系材料を打設して硬化させた後、棒状部材の外表面およびこれらの間のコンクリート系材料の外表面を被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを接着剤により固着することを特徴とする。
第10発明では、第8または第9発明の断面H形鋼材の補強方法において、断面H形鋼材は、既存の鉄骨構造物における柱または梁あるいは筋交いであることを特徴とする。
第1発明によると、断面H形鋼材における各フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝にコンクリート系材料が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面を長手方向にわたって被覆するようにコンクリート系材料が打設されて硬化されて設けられ、各フランジ巾方向の側端面を被覆するコンクリート系材料のコーナー部は断面円弧状のコーナー部とされ、かつ断面H形鋼材の部材長手方向に連続する連続繊維シートが、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材の外面に接着剤により固着された形態の補強構造であるので、従来のように、溶接による補強形態と異なり、断面H形鋼材に設けるコンクリート系材料あるいは連続繊維シートなどの補強材料と、断面H形鋼材との一体化に火気を使用することなく一体化して補強することができ、しかも断面H形鋼材におけるフランジ間方向(縦方向)は、連続繊維シートの厚み分しか厚み寸法が大きくならないために、周囲にスペースを確保できない場合でも断面H形鋼材を補強することができる効果が得られる。
また、連続繊維シートが、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材のフランジ外面に固着されているので、断面H形鋼材にその軸方向方向から圧縮(引張)応力が作用すると、接着剤による接着部を介して連続繊維シートに圧縮(引張)応力が伝達させることができる。また、前記のように補強された断面H形鋼材では、これに曲げ力が作用した場合には、硬化したコンクリート系材料には、その外側に連続繊維シートが設けられているため、硬化したコンクリート系材料は連続繊維シートで外側から締め付けられるため、断面H形鋼材と硬化したコンクリート系材料との間には摩擦力が生じ、この摩擦力により、圧縮(引張)応力は、断面H形鋼材からコンクリート系材料にも伝達される。したがって、硬化したコンクリート系材料および連続繊維シートにより断面H形鋼材を確実に補強することができる。
さらに、硬化したコンクリート系材料のコーナー部は、断面円弧状のコーナー部とされているので、連続繊維シートがコーナー部におけるこすれにより損傷するおそれを排除することができる等の効果が得られる。
したがって、コンクリート系材料と断面H形鋼材とが、連続繊維シートおよび接着剤により一体化された高強度の補強構造とすることができる等の効果が得られる。
第2発明によると、断面H形鋼材における各フランジ巾方向の側端面に、フランジ長手方向に延長する棒状部材が接着剤により固定され、前記棒状部材の外側コーナー部を断面円弧状のコーナー部とし、フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝および前記棒状部材を埋め込むようにコンクリート系材料が打設されて硬化されて一体化された補強形態であるので、従来のように、溶接による補強形態と異なり、断面H形鋼材に設ける補強材料と断面H形鋼材の一体化に、火気の使用となる溶接をすることなく一体化して補強することができ、しかも周囲にスペースを確保できない場合でも、断面H形鋼材を補強することができる効果が得られる。
また、断面円弧状のコーナー部を形成するための部材として、断面H形鋼材あるいは硬化したコンクリート系材料とは別個の棒状部材を設けるので、棒状部材を適宜設定することにより、断面円弧状のコーナー部の半径寸法を設定することができ、断面円弧状のコーナー部の設定が容易になると共に、棒状部材を接着剤によりフランジ幅方向端面に固定した状態で、コンクリート系材料を打設すればよいので、断面H形鋼材の補強施工が容易である。
また、コンクリート系材料と断面H形鋼材と棒状部材とが、連続繊維シートと接着剤により一体化された高強度の補強構造とすることができる等の効果が得られる。
第3発明によると、一般に連続繊維シートは突端部とのこすれに弱いが、断面円弧状のコーナー部の半径を20mm以上とし、コーナー部に20mm以上の半径のR部(断面円弧状部)を設けているため、ゼロに近い断面円弧状のコーナー部に比べて、連続繊維シートがコーナー部でこすれることはなく、連続繊維シートに繰り返し応力が作用しても、こすれによる損傷を受ける恐れを排除することができる等の効果が得られる。
第4発明によると、断面H形鋼材におけるフランジ外面全体にも連続繊維シートを接着剤により固着するようにしたので、フランジ部分が連続繊維シートにより補強されると共に、コンクリート系材料の外表面全面とフランジの一部分のみに連続繊維シートを固定する場合に比べて、連続繊維シートが全体に渡って接着剤より固着されて補強されているため、より高強度の補強構造とすることができ、また、連続繊維シートを硬化したコンクリート系材料を備えた断面H形鋼材の外側に、層状に巻回するように設ければよいので、補強施工が容易である等の効果が得られる。
第5発明によると、連続繊維シートは、硬化したコンクリート系材料の外面と、断面H形鋼材のフランジ側部に接着材により固着されて被覆されているので、硬化したコンクリート系材料のみにより固着する場合に比べて、連続繊維シートの巾方向の端部を確実に接着剤により固定することができると共に、断面H形鋼材と硬化したコンクリート系材料の外表面境界部を確実に連続繊維シートにより保護・補強できるため、断面H形鋼材から硬化したコンクリート系材料に、あるいは硬化したコンクリート系材料から断面H形鋼材に、連続繊維シートによる確な締め付け力により、断面H形鋼材と硬化したコンクリート系材料との間の摩擦力を確実に発揮させることができる高強度の補強構造とすることができる。
第6発明によると、連続繊維シートによる被覆層の外側に、連続繊維シートを締め付けるようにバンド金具が設けられているので、連続繊維シートを確実に拘束し、連続繊維シートによる締め付け力を高めることができ、断面H形鋼材と硬化したコンクリート系材料との境界面の摩擦力を高めることができるため、これら間の伝達可能な応力を高めることができ、また、連続繊維シートを固定しているバンド金具付近の接着剤層が部分的に損傷または劣化しても、バンド金具の締め付け力により、損傷または劣化した接着剤層の作用を補完することもできる。
第7発明によると、コンクリート系材料が、補強繊維混入コンクリート系材料であるので、補強繊維が混入していない場合の補強構造に比べてさらに強度の高い補強構造とすることができる。
第8発明によると、断面H形鋼材における各フランジ内側面とこれに接続する各ウェブ側面とにより形成される凹部に打設すると共にフランジ巾方向の側端面を埋め込むようにコンクリート系材料を打設し、硬化したコンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材におけるフランジ外面に接着剤により連続繊維シートを固着させる簡単な施工で、断面H形鋼材を容易に補強することができる。特に本発明の断面H形鋼材の補強方法では、火気の使用となる溶接を用いない形態であるので、火気使用による周囲に引火する恐れを排除することができ、安全確実に、また周囲にスペースがない場合でも容易に補強することができる。
第9発明によると、各フランジ巾方向の側端面に、断面円弧状の外側コーナー部を有する棒状部材を、接着剤により固定した後、棒状部材を埋め込むようにフランジ内側面およびウェブ側面により形成される凹溝を含む領域にコンクリート系材料を打設して硬化させ、棒状部材とこれらの間の硬化したコンクリート系材料の外表面に、接着剤により連続繊維シートを固定するだけで、容易に断面H形鋼材を補強することができばかりでなく、容易に断面H形鋼材と連続繊維シートと棒状部材とを一体化して高強度の補強構造とすることができる。また、断面円弧状の外側コーナー部を備えた棒状部材を使用するので、これにより、連続繊維シートを使用しても、連続繊維シートの損傷する恐れの少ない補強された断面H形部材とすることができる。
第10発明によると、既存の鉄骨構造物における柱または梁あるいは筋交いに使用されている断面H形鋼材を、周囲に安全確実に容易に高強度に補強することができる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1(a)および図5は、本発明の第1実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示すものであって、圧延ロール成形H形鋼またはプレート組立H形鋼からなるH形鋼等の間隔をおいて対向する2つのフランジ2とウェブ3を備えた断面H形鋼材1、あるいは既存の鉄骨構造物における柱・梁・筋交い等に使用されるH形鋼等の断面H形鋼材1におけるフランジ内側面5とウェブ側面6とにより形成される凹溝4に、部材長手方向の補強を必要とする部分(図示の形態では部材長手方向全長)に渡ってコンクリート系材料8が打設されて硬化され、かつ、前記断面H形鋼材1におけるフランジ2の巾方向の側端面11も、断面H形鋼材1の長手方向に渡ってコンクリート系材料8により被覆されている。
フランジ巾方向の側端面11を被覆する硬化したコンクリート系材料8は、フランジ外面の延長面上となるように、フランジ外面から面外方向に突出しないように設けられている。
また、フランジ巾方向の側端面11を被覆するコンクリート系材料8のコーナー部(コーナー外面)は、断面円弧状のコーナー部12とされて、その外側の接着剤により固着される繊維強化複合材料製の連続繊維シート9が、コーナー部が角部とされた場合によるこすれをなくし、連続繊維シート9がこすれにより損傷するのを防止し、連続繊維シート9の耐久性を向上させるようにしている。
前記の連続繊維シート9としては、例えば、アラミド繊維あるいは超高強力PVA(ポリビニルアルコール)繊維等の有機系繊維または無機系繊維を使用した繊維強化複合材料からなる連続繊維シートを使用でき、好ましくは耐火性がある、ガラス繊維あるいは炭素繊維等の無機系の高強度繊維、例えば、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維を一方向に引き揃え、微量の樹脂を含浸させ複合一体化された可撓性あるいは屈曲性に富んだ炭素繊維と合成樹脂との炭素繊維複合シートからなる連続繊維シートを使用するとよい。なお、連続繊維シートは、変形自在な布状等のシート状であってもよい。
前記の断面円弧状のコーナー部12の半径は、0に近い小さな半径寸法よりは、より大きな半径寸法であるほうが、連続繊維シート9がこすれによる耐久性の低下の恐れを改善する点で望ましく、例えば、20mm以上の半径の円弧状のコーナー部12とするように、適宜型枠により、コンクリート系材料8の外側コーナー部12を成型するのが望ましい。前記の断面円弧状のコーナー部12は、円弧状であればよく、かならずしも1/4円状である必要はない。
前記のようにコーナー部を断面円弧状のコーナー部12とした後、打設充填したコンクリート系材料8の外表面全体を被覆すると共に、断面H形鋼材1におけるフランジ巾方向の少なくとも側部(図示の場合には、フランジ巾方向の全巾)を被覆するように、接着剤層7が設けられると共に、同様に前記連続繊維シート9が配置されて固着され、断面H形鋼材1および硬化したコンクリート系材料8が連続繊維シート9により被覆される。なお、適宜連続繊維シート9の幅方向の端部は重合されて接着剤により固着される。前記の連続繊維シート9は、必要に応じ、1重または2重以上に積層されて接着剤により一体化される。連続繊維シート9の繊維方向は、断面H形鋼材1の長手方向に延長する方向に主に繊維を引き揃えて配置された連続繊維シート9が用いられる。断面H形鋼材1の部材長手方向に直角な方向の横繊維(緯糸)は、連続繊維シート9の横方向の一体性を向上する上で、適宜配置されていてもよい。
前記の接着剤層7および後記の接着剤層7bを形成する接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤、その他の樹脂系等の接着剤を使用することができるが、エポキシ樹脂系接着材あるいはウレタン樹脂系接着材などの耐熱性の高い接着剤を使用すると耐火性が向上するので望ましい。
前記の接着剤層7を設ける場合、コンクリート系材料8の表面の凸凹を埋め込むように下地処理し、プライマーを塗布した後、プライマー上に設けるとよい。
前記のコンクリート系材料8としては、コンクリート、補強繊維混入コンクリート、モルタル、セメントペースト等のいずれか一つまたは複数を使用することができる。補強強度を向上させる点では、補強繊維混入コンクリートを用いるのが好ましい。コンクリート内に混入する補強繊維としては公知のポリプロピレン繊維等の樹脂系の短繊維(あるいは長繊維)あるいは金属系の短繊維を適宜混入させる。コンクリート系材料8はフランジ2の巾方向端縁まで充填または打設し、断面H形鋼材1の外形寸法が大きくならないようにし、現場において補強施工するにあたって、周囲にスペースがほとんどないような場合にも補強可能であり、工場において補強された断面H形鋼材を製作する場合にも、外形寸法が大きくならないコンパクトな補強構造としている。
前記の補強形態の特徴を下記に列記する。
(1)コンクリート系材料8、接着剤、連続繊維シート9のみで補強される構成とされるため、施工に溶接による火気は使用しない。
(2)コンクリート系材料8は、フランジ2の巾方向側端面を被覆するように設けるだけであるので、また、H形鋼等の断面H形鋼材1のフランジ2外面は、連続繊維シート9が設けられる厚み代しか大きくならないため、本願の補強構造を実施補強により部材の外形寸法はほとんど変わらない。そのため、周囲にスペースを確保できない場合にも施工可能にされている。
(3)断面H形鋼材1に圧縮(引張)応力が作用すると(図7参照)、接着面18を介して連続繊維シート9に圧縮(引張)応力が伝達される。また、コンクリート等のコンクリート系材料8は、連続繊維シート9で外側から締め付けられているため、断面H形鋼材1とコンクリート系材料8との間には、摩擦力が作用し、圧縮(引張)応力はH形鋼からコンクリート系材料8にも伝達される。
(4)H形鋼等の断面H形鋼材1に曲げ応力が作用すると(図8参照)、圧縮側フランジ2、引張側フランジ2ともに接着面を介して連続繊維シート9の片側に圧縮応力、片側に引張応力が伝達される。また、コンクリート等のコンクリート系材料8は、連続繊維シート9で外側から締め付けられているため、断面H形鋼材1とコンクリート系材料8との間には、摩擦力が作用し、コンクリート系材料にも曲げ応力が伝達される。
(5)硬化したコンクリート系材料8のコーナー部は、断面円弧状のコーナー部12とされているので、例えば、断面H形鋼材1が柱材として使用される場合には、断面H形鋼材1の軸方向には、地震、台風、あるいは工場・倉庫における天井走行クレーンの頻繁な走行により繰り返し応力(鉛直荷重および水平力による圧縮(引張)応力および曲げ応力)が作用し、弾性的に伸縮するが、連続繊維シート9はコーナー部12が鋭角な角部でなく、丸い円弧状部であるので、こすれにより損傷する恐れはなく、確実に支承することができる
次に、後記の実施形態においても共通する本発明の特徴について説明すると、
断面H形鋼材1における少なくともフランジ巾方向の側端面11を被覆し、断面H形鋼材1とコンクリート系材料8と、連続繊維シート9とを接着剤により一体化する補強形態であるので、火気の使用となる溶接することなく、断面H形鋼材に設けるコンクリート系材料8の補強材料と断面H形鋼材1の一体化に、溶接によらないコンクリート系材料8および接着剤層7等とによる湿式方式で一体化して補強することができ、しかも断面H形鋼材1の外形寸法よりも大きくならないので、断面H形鋼材1の外形周囲にスペースを確保できない場合でも断面H形鋼材を補強することができる効果が得られる。
補強された状態では、断面H形鋼材1は、コーナー部は、断面円弧状のコーナー部12とされているので、連続繊維シート9がこすれにより、損傷するおそれを排除することができる。
次に、断面H形鋼材のフランジ巾方向の側端面に部材を配置する場合の形態について説明する。
図1(b)および図5は、本発明の第2実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示すものであって、前記第1実施形態と相違する部分は、断面H形鋼材1におけるフランジ2の側端面11に、フランジ2長手方向に延長するように、鋼製の棒状部材19を、フランジ巾方向の側端面11に設けた接着剤層7bを介して固定した点および棒状部材19は、断面H形鋼材1のフランジ2の巾方向の側端面に設置された状態における出隅のコーナー部が、前記と同様に断面円弧状のコーナー部12とされている点が、前記実施形態と相違しているが、その他の形態は前記実施形態と同様であるので、相違する部分について主に説明する。
この第2実施形態では、断面H形鋼材1における各フランジ2の巾方向の側端面11に、断面H形鋼材1の長手方向にわたって棒状部材19の一側面が接着剤7bにより固着されている。
前記の棒状部材19の断面形状としては、図1(b)に示すように、断面円弧状のコーナー部12に接続する平坦な側面を有する棒状部材19の平坦な側面を有する棒状部材19としてもよい。
図1(b)に示すように、各側面に平坦な側面を有する矩形状断面の棒状部材19であると、棒状部材19の取り扱いが容易であるので、容易にフランジ2の側端面11に接着剤により固定することができる。
前記のように、棒状部材19を設ける形態では、棒状部材19を取付けた後、前記棒状部材19を埋め込むようにコンクリート系材料8を打設するようにすればよい。
各フランジ2の巾方向の片側に、それぞれ棒状部材19を固定した後、コンクリート系材料8を充填硬化させ、その後反転して、他方のフランジ2の側端面11に棒状部材19を接着剤により固定して、コンクリート系材料8により前記棒状部材19を埋め込むように打設し、硬化させた後、フランジ2の外面および硬化したコンクリート系材料8の外面ならびに棒状部材19の長手方向の外面に接着剤を塗布して、連続繊維シート9を固着するようにすればよい。
前記の棒状部材19の材質としては、鋼材の他の金属製材料であってもよいが、鋼棒であるほうが安価でよい。
その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な要素には同様な符号を付して説明を省略する。
図2(a)は、本発明の第3実施形態を示すものであって、この形態では、棒状部材19が、断面ほぼ1/4円形の扇状断面の棒状部材19とされて、前記実施形態の場合の棒状部材19よりもより断面積が小さくコンパクトで軽量安価な棒状部材19とされ、その棒状部材19の平坦な側面25が接着剤により、断面H形鋼材1におけるフランジ2の側端面11に接着剤により固定しているが、その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な要素には同様な符号を付して説明を省略する。
前記の連続繊維シート9は、断面H形鋼材1の部材長手方向に連続して設けると、部材長手方向全長に渡って、コンクリート系材料8と共同して、断面H形鋼材1を補強することができる。
連続繊維シート9としては、例えば、炭素繊維強化複合材料製の連続繊維シートあるいは、糸状の繊維強化複合材料を編み組まれた繊維強化複合材料製の連続繊維シートを使用するとよい。
本発明では、連続繊維シート9は、断面H形鋼材1の長手方向に連続していて、硬化したコンクリート系材料8または断面H形鋼材1のフランジ2の外面26に接着剤により固着されて一体化されていることが重要である。
前記の連続繊維シート9を配置する場合に、図2(b)に示すように、少なくとも断面H形鋼材1のフランジ2の外面26の側部と、硬化したコンクリート系材料8の外面26とを被覆するように設置してもよいが、より高強度とする場合には、図1(a)〜図2(a)に示すように,部材全体を被覆するように設置したり、2重あるいは3重に被覆するように連続繊維シート9を複数層形成するように積層設置するとよい。このように連続繊維シート9を複数層設置すると、一層配置の形態に比べて、より高強度の補強構造とすることができる。連続繊維シート9を配置する場合、断面H形鋼材の部材中心軸線に対して対称配置となるようにすると、釣り合いがとれて均等に補強することになるので好ましい。
断面H形鋼材1におけるフランジ2の側端面11をコンクリート系材料8により被覆する図1(a)に示す形態の変形形態として、図3に示す第5実施形態のように、フランジ2とウェブ3を埋め込むコンクリート系材料8の外面26を、巾方向中央部に向かって膨らむ断面円弧状に成型するようにしてもよい。このように断面円弧状の外面とすると、断面円弧状のコーナー部12との接続が一層滑らかになるので、連続繊維シート9のこすれによる損傷する恐れを極力なくすことができ、耐久性を一層向上させることができる。
本発明を実施する場合、柱13、梁14(図6参照)あるいは筋交い等を補強する場合に適用してもよい。最も、梁あるいは筋交いを補強する場合、部材軸方向の全長または中間部のみを補強する形態でもよい。中間部のみを補強する形態では、コンクリート系材料8および連続繊維シート9を、断面H形鋼材1の長手方向の中間部のみ設けるようにすればよい。
図4は、本発明の第6実施形態および第7実施形態を示すものであって、図4(a)(b)の形態では、連続繊維シート9の外側にバンド金具27を設けて、連続繊維シート9の横方向の補強およびコンクリート系材料8と連続繊維シート9並びに断面H形鋼材1の一体化を高めるようにした形態の代表形態である。バンド金具27の配置形態としては、図5に2点鎖線で示すように、端部と中間部とに、連続繊維シート9の外側から緊縛するように設けるとよい。前記のバンド金具27としては、公知の緊縛金具付きの鋼製帯状バンドを用いてもよいが、前記の連続繊維シート9と同じ材質の帯状の連続繊維シート9を横方向に巻回して接着剤により固定するようにしてもよい。
前記ように補強された断面H形鋼材1では、座屈による圧縮耐力について、硬化したコンクリート系材料8による座屈補剛効果があると共に、連続繊維シート9(12)とコンクリート系材料8の引張耐力および圧縮耐力の両方の耐力の付加が見込め、断面H形鋼材1のみの場合に比べて、例えば、少なくとも、1.5倍〜2倍程度の耐力を向上させることも可能である。
次に、前記各実施形態における断面H形鋼材の補強構造とする場合に、現場施工により断面H形鋼材の補強構造とする場合と、工場において補強鋼材を製作する場合があるのでこれらの形態について説明する。
前記のような断面H形鋼材の補強構造にする場合、例えば、図6(a)に示すように、プラント設備における鋼構造物16における柱13を対象とする場合には、同図(b)に示すように、鋼製柱13における補強対象とする部分のフランジ内側面5およびウェブ側面6並びにフランジ2とウェブ3に予め固定されている水平ダイアフラム17等の表面の塵埃等を除去し、界面処理し、コンクリート系材料との付着を確実になるようにする。次いで、型枠28を配置して、フランジ2とウェブ3とで形成される凹溝4内およびフランジ2の側端面11を埋め込むように、コンクリート系材料8を打設(充填)し、養生硬化させる。その後、断面H形鋼材1と硬化したコンクリート系材料8の外表面に、部材長手方向に渡って、接着剤を塗布して、接着剤層7を形成すると共に連続繊維シート9を固着し、必要に応じ、バンド金具27を設ける。
断面H形鋼材1におけるフランジ2の側端面11に棒状部材19を接着剤により設ける場合には、フランジ2の側端面11および棒状鋼材19の接合すべき面にプライマーを塗布した後、接着剤によりフランジ2に棒状部材19を固定し、型枠を適宜配置してコンクリート系材料8を下から順に所定の位置まで打設し、養生硬化させ、一体化させる。その後、断面H形鋼材1と硬化したコンクリート系材料8の外表面に、部材長手方向に渡って、接着剤を塗布して、接着剤層7を形成すると共に連続繊維シート9を固着し、必要に応じ、バンド金具27を設ける。
前記のようなプラント設備における鋼構造物16における柱13、梁、筋交いなどの部分は、その部分の周囲に配管設備等が近接配置されている場合が多く、補強対象となる部材の周囲にスペースがほとんどないような場合が多いが、本発明の補強構造を採用すると、周囲のスペースのほとんどないよう場合でも、断面H形鋼材1の補強を確実安全に補強施工でき、しいては、鋼構造物建家を確実に強固に補強することができる。
次に、断面H形鋼材1の補強構造とするにあたって、図示を省略するが、工場において補強された断面H形鋼材1を製作する場合には、断面H形鋼材1を横倒し状態とし、断面H形鋼材1のフランジ2とウェブ3とにより形成される一方の凹溝4を上にして、断面H形鋼材1のフランジ2部に前部型枠および後部型枠並びに上面型枠を配置すると共に、長手方向端部に側部型枠を配置し、コンクリート系材料8をフランジ2の巾方向側端面を十分埋め込むレベルまで打設し、養生硬化させた後、脱型する。その後、反転し、他方の凹溝4を上にして、同様に型枠を配置し、コンクリート系材料8を、フランジ2の巾方向側端面を十分埋め込むレベルまで打設し、養生硬化させた後、脱型する。
また、フランジ2の巾方向側端面11に棒状鋼材19を接着剤により固定する形態では、棒状鋼材19を固定した後、側部型枠を配置した後、棒状鋼材19の上端レベルまでコンクリート系材料8を打設充填して、養生硬化させ、脱型する。
前記のように、片側または両側のコンクリート系材料8の充填硬化させた後、断面H形鋼材1と硬化したコンクリート系材料8の外表面に、部材長手方向に渡って、接着剤を塗布して、接着剤層7を形成すると共に連続繊維シート9を固着する。そして必要に応じ、バンド金具27を設ける。
前記のように、本発明の断面H形鋼材1の補強方法にあっては、フランジ内側面5とウェブ側面6とに囲まれた各凹溝4にコンクリート系材料8を打設し硬化させ、これらの外表面に設けた前記接着剤層7により連続繊維シート9を固着し、硬化したコンクリート系材料8と断面H形鋼材1とを、接着剤層7および連続繊維シート9によりさらに一体化する。
そのため、既存の鉄骨構造物における柱または梁あるいは筋交いが、断面H形鋼材である場合には、前記のような補強方法により容易に断面H形鋼材を補強することができ、既存の鉄骨構造物を補強強化することができる。
本発明を実施する場合、断面H形鋼材1の形態として、前記以外に、溝形鋼などの断面溝形鋼材を背中合わせにより溶接またはボルトにより一体化した断面H形状とした、断面H形鋼材であってもよい。
また、本発明を実施する場合、断面H形鋼材1を鋼板により組み立てる場合、フランジ内側面5およびウェブ側面6を粗面としてコンクリート系材料8との付着を高めるようにしてもよく、例えば突起付き鋼板を使用してもよい。
(a)は本発明の第1実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示す断面図、(b)は本発明の第2実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示す断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示す断面図、(b)は本発明の第4実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示す断面図である。 本発明の第5実施形態の断面H形鋼材の補強構造を示す断面図である。 (a)は第1実施形態の断面H形鋼材の補強構造にさらにバンド金具を設ける代表形態としての第6実施形態を示す断面図、(b)は第2実施形態の断面H形鋼材の補強構造にさらにバンド金具を設ける代表形態としての第7実施形態を示す断面図である。 本発明の補強構造により補強された断面H形鋼材の側面図である。 本発明の補強構造を施工する場合の一形態を示すものであって、プラント設備等における断面H形鋼材を現場施工により補強する工程を示す斜視図である。 補強された断面H形鋼材に圧縮力が作用した場合の応力伝達を説明するための説明図である。 補強された断面H形鋼材に曲げ力が作用した場合の応力伝達を説明するための説明図である。 従来の補強形態を示すものであって、(a)(b)(c)は、断面H形鋼材を鋼板または形鋼などの鋼材により補強する形態を示す断面図である。 従来の補強形態を示すものであって、断面H形鋼材の周囲に鉄筋コンクリートにより補強する形態を示す断面図である。
符号の説明
1 断面H形鋼材
2 フランジ
3 ウェブ
4 凹溝
5 フランジ内側面
6 ウェブ側面
7 接着剤層
7b 接着剤層
8 コンクリート系材料
9 連続繊維シート
10 取付け部
11 フランジ巾方向の側端面
12 断面円弧状のコーナー部
13 柱
14 梁
16 鋼構造物
17 水平ダイアフラム
18 接着面
19 棒状部材または棒状鋼材
20 補強鋼板
21 補強形鋼
22 H形鋼柱
23 主筋
24 環状横鉄筋
25 側面
26 フランジの外面(フランジにおけるウェブと反対側の外面)
27 バンド金具
28 型枠
M 曲げ応力
W 溶接

Claims (10)

  1. 断面H形鋼材における各フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝にコンクリート系材料が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面を長手方向にわたって被覆するようにコンクリート系材料が設けられ、各フランジ巾方向の側端面を被覆するコンクリート系材料のコーナー部は断面円弧状のコーナー部とされ、コンクリート系材料の外表面を長手方向にわたって被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートが、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材におけるフランジ外面に接着剤により固着されていることを特徴とする断面H形鋼材の補強構造。
  2. 断面H形鋼材における各フランジ巾方向の側端面に、フランジ長手方向に延長する棒状部材が接着剤により固定され、前記棒状部材の外側コーナー部を断面円弧状のコーナー部とし、フランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝および前記棒状部材を埋め込むようにコンクリート系材料が打設されて硬化され、対向する各フランジ巾方向の側端面に固定した棒状部材の外表面およびこれらの間のコンクリート系材料の外表面を被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを接着剤により固着されていることを特徴とする断面H形鋼材の補強構造。
  3. 断面円弧状のコーナー部の半径は、少なくとも20mmの半径とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の断面H形鋼材の補強構造。
  4. 連続繊維シートは、断面H形鋼材のフランジ外面全体も被覆するように接着剤により固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造。
  5. 連続繊維シートは、断面H形鋼材のフランジ外面の一部も被覆するように、断面H形鋼材のフランジ側部に接着剤により固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造。
  6. 連続繊維シートによる被覆層の外側に、連続繊維シートを締め付けるようにバンド金具が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造。
  7. コンクリート系材料が、補強繊維混入コンクリート系材料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の断面H形鋼材の補強構造。
  8. 断面H形鋼材におけるフランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝にコンクリート系材料を打設すると共に、各フランジ巾方向の側端面を長手方向にわたって被覆するように前記コンクリート系材料が打設されて硬化され、かつ各フランジ巾方向の側端面を被覆するコンクリート系材料のコーナー部を断面円弧状のコーナー部とした後、コンクリート系材料の外表面を長手方向にわたって被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを、コンクリート系材料の外表面と断面H形鋼材におけるフランジ外面に接着剤により固着することを特徴とする断面H形鋼材の補強構造。
  9. 断面H形鋼材における各フランジ巾方向の側端面に、その長手方向にわたって被覆するように外側コーナー部が断面円弧状とされた棒状部材を接着剤によりそれぞれ固定した後、断面H形鋼材におけるフランジ内側面とウェブ側面とに囲まれた各凹溝および前記棒状部材を埋め込むようにコンクリート系材料を打設して硬化させた後、棒状部材の外表面およびこれらの間のコンクリート系材料の外表面を被覆するように、断面H形鋼材の部材軸方向に連続する連続繊維シートを接着剤により固着することを特徴とする断面H形鋼材の補強構造。
  10. 断面H形鋼材は、既存の鉄骨構造物における柱または梁あるいは筋交いであることを特徴とする請求項8または9に記載の断面H形鋼材の補強方法。
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