JP2008064071A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008064071A JP2008064071A JP2006245454A JP2006245454A JP2008064071A JP 2008064071 A JP2008064071 A JP 2008064071A JP 2006245454 A JP2006245454 A JP 2006245454A JP 2006245454 A JP2006245454 A JP 2006245454A JP 2008064071 A JP2008064071 A JP 2008064071A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crank chamber
- pressure
- internal combustion
- combustion engine
- control device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】クランク室内の圧力を従来よりも適切に制御して排気エミッションを改善することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】クランク室11の底部からオイルを汲み出すスカベンジポンプ35を備えた内燃機関1の制御装置において、クランク室11と吸気通路3とを連通する新気導入通路19と、新気導入通路19を開閉する開閉弁20と、クランク室11内の圧力を検出する圧力センサ52とを備え、開閉弁20の開度はクランク室11内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるように圧力センサ52によって検出された圧力に基づいて制御される。
【選択図】図2
【解決手段】クランク室11の底部からオイルを汲み出すスカベンジポンプ35を備えた内燃機関1の制御装置において、クランク室11と吸気通路3とを連通する新気導入通路19と、新気導入通路19を開閉する開閉弁20と、クランク室11内の圧力を検出する圧力センサ52とを備え、開閉弁20の開度はクランク室11内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるように圧力センサ52によって検出された圧力に基づいて制御される。
【選択図】図2
Description
本発明は、クランク室からオイルを汲み出すオイルポンプを備えた内燃機関の制御装置に関する。
ドライサンプ式の潤滑装置を備えた内燃機関において、スカベンジポンプである第1オイルポンプのオイル吸入通路又はクランクケースに連通する大気開放部にこの大気開放部を開閉可能な制御弁を配置し、内燃機関の運転状態に応じて制御弁を開閉制御する潤滑制御装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特許文献1及び2の発明では内燃機関の運転性能と潤滑性能とを両立させることを主目的に制御弁を制御しているため、内燃機関又は潤滑装置に異常が発生してクランク室内の圧力が過度に変化した場合の対策が不十分である。例えば、内燃機関の回転数が急上昇した場合、スカベンジポンプによってクランク室内から排出されるガスが急増し、クランク室内の圧力が過度に低下するおそれがある。この場合、機関本体のシール部からクランク室内に空気が流入して異物を移動させ、機関本体内の摺動部が異物を咬み込むおそれがある。また、上述した特許文献1及び2では、制御弁の開弁時にクランク室内のガスが大気に放出されるおそれがあるため、排気エミッションを悪化させるおそれがある。
そこで、本発明は、クランク室内の圧力を従来よりも適切に制御して排気エミッションを改善することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、クランク室の底部からオイルを汲み出すオイルポンプを備えた内燃機関の制御装置において、前記クランク室と前記内燃機関の吸気通路とを連通する新気導入通路と、前記新気導入通路を開閉する弁手段と、前記クランク室内の圧力を取得する圧力取得手段と、前記クランク室内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるように前記圧力取得手段により取得された圧力に基づいて前記弁手段の開度を制御する弁開度制御手段と、を備えていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の制御装置によれば、クランク室内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるので、その所定の圧力範囲を適切に設定することによってクランク室内の圧力を従来よりも適切に制御することができる。また、新気導入通路にてクランク室と吸気通路とが連通されているので、クランク室の圧力が上昇してクランク室からブローバイガスなどが流出しても吸気通路から内燃機関に吸い込ませることができるので、ブローバイガスの外部への放出を防止できる。そのため、排気エミッションを改善できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記所定の圧力範囲は、前記クランク室を形成している機関本体のシール部を介した前記クランク室と前記クランク室の外部との間におけるガスの移動が防止されるように設定されてもよい(請求項2)。圧力範囲をこのように設定することにより、シール部を介したガスの移動を防止できる。
この形態においては、前記所定の圧力範囲の下限値として、前記クランク室の外部から前記クランク室への前記シール部を介したガスの流入を防止可能な圧力が設定されてもよい(請求項3)。下限値をこのように設定すれば、シール部を介して外部からクランク室内にガス(例えば空気)が流入することが抑制できるので、摺動部の異物の咬み込みを抑制できる。
また、前記所定の圧力範囲の上限値として、前記クランク室から前記クランク室の外部への前記シール部を介したガスの流出を防止可能な圧力が設定されてもよい(請求項4)。このような上限値の設定によれば、シール部を通過してクランク室から外部にブローバイガスが漏れることを抑制できる。そのため、排気エミッションをさらに改善できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記所定の圧力範囲の上限値として、前記クランク室から前記新気導入通路を介して前記吸気通路に流出するガスが前記内燃機関に吸入されずに外部へ流出する現象を防止可能な圧力が設定されてもよい(請求項5)。これにより、クランク室から吸気通路に流出したガスの外部への漏れを防止することができるので、排気エミッションの改善効果をより高めることができる。この場合においては、前記所定の圧力範囲の下限値として、前記クランク室を形成している機関本体のシール部を介した前記クランク室の外部から前記クランク室への空気の流入を防止可能な圧力が設定されてもよい(請求項6)。このように下限値を設定すれば、シール部を介したクランク室への空気の流入に起因する摺動部の異物の咬み込みを抑制できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記新気導入通路は、スロットルバルブより上流側の吸気通路と前記クランク室とを連通していてもよい(請求項7)。内燃機関の運転時、スロットルバルブより下流側の吸気通路の圧力はスロットルバルブより上流側の吸気通路の圧力よりも低くなる。この形態では、スロットルバルブより上流側の吸気通路とクランク室とが連通されるので、スロットルバルブより下流側の吸気通路とクランク室とが連通される場合よりも少ない仕事量でクランク室に空気を導入することができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は機関本体と別体にオイルタンクが設けられるドライサンプ式の潤滑装置を備え、前記オイルポンプは、前記クランク室の底部から前記オイルタンクにオイルを排出するスカベンジポンプであってもよい(請求項8)。ドライサンプ式の潤滑装置では、スカベンジポンプによってクランク室内のガスがオイルとともにクランク室からオイルタンクに排出されるため、クランク室内の圧力が変化し易い。そのため、本発明を好適に適用できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記圧力取得手段は、前記クランク室内の圧力を検出する圧力検出手段であってもよいし(請求項9)、前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、前記内燃機関のスロットル開度を取得するスロットル開度取得手段と、をさらに備え、前記圧力取得手段は、前記回転数取得手段により取得された回転数及び前記スロットル開度取得手段により取得されたスロットル開度に基づいて前記クランク室内の圧力を推定してもよい(請求項10)。クランク室内の圧力は内燃機関の回転数及び内燃機関のトルクとそれぞれ相関している。内燃機関のトルクはスロットル開度と相関関係を有しているため、内燃機関の回転数及びスロットル開度に基づいてクランク室内の圧力を推定できる。
以上に説明したように、本発明の制御装置によれば、クランク室内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるので、所定の圧力範囲を適切に設定することによりクランク室から外部へのブローバイガスの漏れを抑制できる。そのため、排気エミッションを改善できる。また、外部からクランク室内への空気の流入も抑制できるので、摺動部の異物の咬み込みを抑制できる。
図1は、本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の一例を示している。図1の内燃機関(以下、エンジンと呼ぶこともある。)1は、車両に走行用動力源として搭載されるものであり、機関本体2と、吸気通路3及び排気通路4と、潤滑装置30とを備えている。機関本体2は、複数(図1では1つのみを示す。)の気筒5が形成されるシリンダブロック6と、シリンダブロック6の上方に設けられるシリンダヘッド7と、シリンダヘッド7の上面に取り付けられるヘッドカバー8と、シリンダブロック6の下方に取り付けられるクランクケース9と、クランクケース9の下面に取り付けられるオイルパン10とを備えている。クランクケース9の内部には、シリンダブロック6、クランクケース9、及びオイルパン10によってクランク室11が形成される。ヘッドカバー8とシリンダヘッド7とによって形成された空間とクランク室11とは、シリンダブロック6及びシリンダヘッド7にそれぞれ形成されたブローバイガス通路(不図示)によって互いに接続されている。
各気筒5には、ピストン12が往復動可能にそれぞれ挿入され、燃焼室13がそれぞれ形成される。ピストン12は、コンロッド14によって機関本体2に回転自在に支持されるクランク軸15と連結されている。各燃焼室13には、吸気通路3を開閉する吸気弁16及び排気通路4を開閉する排気弁17がそれぞれ設けられている。吸気通路3には、吸気量を調整するためのスロットルバルブ18が設けられている。
また、図1に示したように、エンジン1には、スロットルバルブ18より上流の吸気通路3とシリンダヘッド7内とを連通する新気導入通路19と、新気導入通路19を開閉する弁手段としての開閉弁20とが設けられている。このようにシリンダヘッド7内と吸気通路3とが新気導入通路19で連通されることにより、新気導入通路19及びブローバイガス通路によって吸気通路3とクランク室11とが連通される。そのため、本発明の新気導入通路には、新気導入通路19及びブローバイガス通路の両方が相当する。
機関本体2には、クランク軸15を支持するクランクジャーナル(不図示)などの複数のオイル供給対象が設けられている。これら複数のオイル供給対象は、機関本体2に設けられているメインオイルホール21と連通しており、潤滑装置30はこのメインオイルホール21を介して複数のオイル供給対象にオイルを供給する。
潤滑装置30は、ドライサンプ式の潤滑装置であり、機関本体2と別体に設けられるオイルタンク31と、クランク室11の底部に設けられたオイル回収部32とオイルタンク31とを接続するオイル排出通路33と、オイルタンク31とメインオイルホール21とを接続するオイル供給通路34とを備えている。オイル排出通路33にはオイルポンプとしてのスカベンジポンプ35が設けられ、オイル供給通路34にはフィードポンプ36が設けられる。オイルタンク31のヘッドスペース31aとスロットルバルブ18より下流の吸気通路3とはブローバイガス通路37にて連通されており、ブローバイガス通路37にはブローバイガスの逆流を防止するためのPCVバルブ38が設けられている。なお、スカベンジポンプ35及びフィードポンプ36は、クランク軸15にて駆動される周知のものと同様のものでよいため、詳細な説明は省略する。
オイルタンク31内のオイルは、フィードポンプ36によりオイル供給通路34及びメインオイルホール21を介して機関本体2の各オイル供給対象に供給される。各オイル供給対象にて使用されたオイルは、オイル回収部32に回収され、その後スカベンジポンプ35によってオイル排出通路33を介してオイル回収部32からオイルタンク31に戻される。このようにオイルは、オイルタンク31と機関本体2との間を循環する。なお、スカベンジポンプ35はクランク室11内からオイルと共にガスもオイルタンク31に送るため、スカベンジポンプ35によってクランク室11内が減圧される。
開閉弁20の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)50によって制御される。ECU50は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、各種センサから入力される信号に基づいてエンジン1の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU50には、例えばエンジン1のクランク角度に対応した信号を出力するクランク角センサ51、クランク室11内の圧力に対応した信号を出力する圧力検出手段としての圧力センサ52、及びスロットルバルブ6の開度に対応した信号を出力するスロットル開度取得手段としてのスロットルバルブ開度センサ53などが接続される。
上述したようにクランク室11はシリンダブロック6、クランクケース9及びオイルパン10によって形成されているため、例えばピストン12に設けられるピストンリングが摩耗してピストン12と気筒5の壁面との隙間が拡大し、クランク室11内に吹き込むブローバイガスの量が増加したり、スカベンジポンプ35が故障してクランク室11からオイルタンク31へのガスの排出が停止した場合にクランク室11内の圧力が過度に上昇し、クランク室11から吸気通路3側にブローバイガスが逆流する量が多くなり、そのブローバイガスがエンジン1に吸入されずに吸気通路3を逆流して大気中に流出するおそれがある。さらに、圧力が高くなると、クランクケース9とオイルパン10とのシール部60などから外部にクランク室11内のガスが漏れるおそれがある。また、例えばクランク軸15の回転数が急上昇してスカベンジポンプ35のオイル排出能力が急増した場合にクランク室11内の圧力が過度に低下してシール部60からクランク室11内に空気が流入するおそれがある。この場合、この空気がクランク室11内の異物を移動させるおそれがあるため、クランクジャーナルなどの摺動部に異物が咬み込むおそれがある。
クランク室11内はスカベンジポンプ35によって減圧されているため、開閉弁20の開度を変更し、新気導入通路19及びブローバイガス通路を介してクランク室11に導かれる新気(外部から内燃機関へ吸入される燃焼前の空気)の量を調整することにより、クランク室11内の圧力を調整できる。例えば、開閉弁20の開度を開き側に変更すると吸気通路3からブローバイガス通路及び新気導入通路19を介してクランク室11に導かれる新気の量が増加するため、クランク室11内の圧力を上昇させることができる。一方、開閉弁20の開度を閉じ側に変更すると吸気通路3からブローバイガス通路及び新気導入通路19を介してクランク室11に導かれる新気の量が減少するため、クランク室11内の圧力を低下させることができる。
そこで、ECU50は図2の開閉弁制御ルーチンをエンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行してクランク室11内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるように開閉弁20の開度を制御する。なお、図2の制御ルーチンを実行して開閉弁20の開度を制御することにより、ECU50が本発明の弁開度制御手段として機能する。
図2の制御ルーチンにおいてECU50はまずステップS11で圧力センサ52の出力信号を参照してクランク室11内の圧力Pを取得する。そのため、圧力センサ52が本発明の圧力取得手段に相当する。次のステップS12においてECU50は取得した圧力Pが予め設定した上限圧力Pmaxより高いか判断する。上限圧力Pmaxは、クランク室11から吸気通路3側に逆流するブローバイガス量が増加し、そのブローバイガスがエンジン1に吸入されることなく吸気通路3を逆流して外部、すなわち大気中に流出する現象を防止できるように設定されていればよい。例えばブローバイガスの逆流量が所定の量以上となる圧力よりも低くかつ後述する下限圧力Pminよりも高い圧力が設定される。このように設定された上限圧力Pmaxは、クランク室11から外部へのシール部60を介したブローバイガスの流出を防止できる圧力、つまりシール部60から外部にブローバイガスが漏れ始める圧力よりも低い圧力で、かつ下限圧力Pminよりも高い圧力であることを満たしている。このような上限圧力Pmaxとしては、例えば−50mmH2Oが設定される。
圧力Pが上限圧力Pmaxより高いと判断した場合はステップS13に進み、ECU50は開閉弁20の開度を所定の開度分閉じ側に変更する。なお、すでに開閉弁20が全閉の場合はその状態を維持させる。所定の開度としては、例えば新気導入通路19を流通する新気の量が変化する最小の開度が設定される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、圧力Pが上限圧力Pmax以下と判断した場合はステップS14に進み、ECU50は圧力Pが予め設定した下限圧力Pminより低いか否か判断する。下限圧力Pminは外部からクランク室11へのシール部60を介した空気の流入が防止されるように設定されていればよく、例えばシール部60からクランク室11内に空気が流入し始める圧力より高く、かつ上限圧力Pmaxより低い圧力が設定される。このような下限圧力Pminとしては、例えば−200mmH2Oが設定される。
圧力Pが下限圧力Pminより低いと判断した場合はステップS15に進み、ECU50は開閉弁20の開度を所定の開度分開き側に変更する。なお、すでに開閉弁20が全開の場合はその状態を維持させる。所定の開度にはステップS13と同様の開度が設定される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、圧力Pが下限圧力Pmin以上と判断した場合はステップS16に進み、ECU50はクランク室11内に新気導入通路19及びブローバイガス通路を介してクランク室11内を換気するために必要な量の新気が導入されるように圧力Pに応じて開閉弁20の開度を調整する通常制御を行う。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図2の制御ルーチンを実行して開閉弁20の開度を変更することにより、クランク室11内の圧力をほぼ上限圧力Pmaxと下限圧力Pminの間の圧力範囲となるよう調整できるので、クランク室11から外部へのブローバイガスの漏れを抑制したり、外部からクランク室11内への空気の流入を抑制できる。そのため、排気エミッションを改善したり、摺動部の異物の咬む込みを抑制できる。
図3は、開閉弁制御ルーチンの変形例を示している。図3の変形例では、ステップS11の代わりにステップS21〜S23が設けられる。それ以外は、図2と同じであるため、図3において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図3の制御ルーチンにおいてECU50は、まずステップS21でエンジン1の回転数を取得する。エンジン1の回転数は、例えばクランク角センサ51の出力信号に基づいて取得する。このように回転数を取得することにより、クランク角センサ51が本発明の回転数取得手段として機能する。続くステップS22においてECU50は、スロットル開度センサ53の出力信号を参照してスロットルバルブ18の開度(スロットル開度)を取得する。
次のステップS23においてECU50は、取得したエンジン1の回転数及びスロットル開度に基づいてクランク室11内の圧力を推定する。この圧力の推定は、例えば図4に示したマップを使用して行う。図4は、エンジン1の回転数及びスロットル開度とクランク室内の圧力との関係の一例を示している。クランク室内の圧力はエンジン1の回転数及びエンジン1のトルクとそれぞれ相関を有している。エンジン1の回転数が高くなるほどクランク室11内の圧力が低下する。また、エンジン1のトルクが大きくなるほどクランク室11内の圧力が低下する。エンジン1のトルクはスロットル開度と相関しており、スロットル開度が大きいほどエンジン1のトルクが大きくなる。そのため、エンジン1の回転数及びスロットル開度に基づいてクランク室11内の圧力が推定できる。図4に示したマップは、予め実験又は数値計算などにより求めてECU50のROMに記憶させておく。クランク室11内の圧力を推定した後はステップS12に進み、以降図2と同様に処理を進める。
図3の開閉弁制御ルーチンでは、エンジン1の回転数及びスロットル開度に基づいてクランク室11内の圧力を推定するので、圧力センサ52を設ける必要がない。なお、この場合、ステップS23においてECU50がクランク室11内の圧力を推定するため、ECU50が本発明の圧力取得手段として機能する。
上記の形態における上限圧力Pmax及び下限圧力Pminは一例であって、クランク室の圧力範囲の上限値及び下限値は種々の事情を考慮して定めてよい。例えば、ブローバイガスの吸気通路3から外部への漏れが問題とならない場合には、シール部60を介したクランク室11から外部へのガスの流出を防止することが可能な範囲で上限圧力Pmaxを設定してもよい。シール部60を介してクランク室11へ空気が流入するほどにクランク室11の圧力が低下するおそれがないときは上限圧力のみを開閉弁20にて制限してもよい。また、例えばクランク室11の容積に対してスカベンジポンプ35の能力に余裕があるなどクランク室11からシール部60を介して、又は吸気通路3を逆流して外部にブローバイガスが流出するおそれがない場合は、下限圧力のみを開閉弁20にて制限してもよい。
1 内燃機関
2 機関本体
3 吸気通路
11 クランク室
18 スロットルバルブ
19 新気導入通路
20 開閉弁(弁手段)
30 潤滑装置
31 オイルタンク
35 スカベンジポンプ(オイルポンプ)
50 エンジンコントロールユニット(弁開度制御手段、圧力取得手段)
51 クランク角センサ(回転数取得手段)
52 圧力センサ(圧力取得手段、圧力検出手段)
53 スロットル開度センサ(スロットル開度取得手段)
60 シール部
2 機関本体
3 吸気通路
11 クランク室
18 スロットルバルブ
19 新気導入通路
20 開閉弁(弁手段)
30 潤滑装置
31 オイルタンク
35 スカベンジポンプ(オイルポンプ)
50 エンジンコントロールユニット(弁開度制御手段、圧力取得手段)
51 クランク角センサ(回転数取得手段)
52 圧力センサ(圧力取得手段、圧力検出手段)
53 スロットル開度センサ(スロットル開度取得手段)
60 シール部
Claims (10)
- クランク室の底部からオイルを汲み出すオイルポンプを備えた内燃機関の制御装置において、
前記クランク室と前記内燃機関の吸気通路とを連通する新気導入通路と、前記新気導入通路を開閉する弁手段と、前記クランク室内の圧力を取得する圧力取得手段と、前記クランク室内の圧力が所定の圧力範囲内に調整されるように前記圧力取得手段により取得された圧力に基づいて前記弁手段の開度を制御する弁開度制御手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記所定の圧力範囲は、前記クランク室を形成している機関本体のシール部を介した前記クランク室と前記クランク室の外部との間におけるガスの移動が防止されるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定の圧力範囲の下限値として、前記クランク室の外部から前記クランク室への前記シール部を介したガスの流入を防止可能な圧力が設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定の圧力範囲の上限値として、前記クランク室から前記クランク室の外部への前記シール部を介したガスの流出を防止可能な圧力が設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定の圧力範囲の上限値として、前記クランク室から前記新気導入通路を介して前記吸気通路に流出するガスが前記内燃機関に吸入されずに外部へ流出する現象を防止可能な圧力が設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定の圧力範囲の下限値として、前記クランク室を形成している機関本体のシール部を介した前記クランク室の外部から前記クランク室への空気の流入を防止可能な圧力が設定されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記新気導入通路は、スロットルバルブより上流側の吸気通路と前記クランク室とを連通していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関は機関本体と別体にオイルタンクが設けられるドライサンプ式の潤滑装置を備え、
前記オイルポンプは、前記クランク室の底部から前記オイルタンクにオイルを排出するスカベンジポンプであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記圧力取得手段は、前記クランク室内の圧力を検出する圧力検出手段であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、前記内燃機関のスロットル開度を取得するスロットル開度取得手段と、をさらに備え、
前記圧力取得手段は、前記回転数取得手段により取得された回転数及び前記スロットル開度取得手段により取得されたスロットル開度に基づいて前記クランク室内の圧力を推定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006245454A JP2008064071A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006245454A JP2008064071A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008064071A true JP2008064071A (ja) | 2008-03-21 |
Family
ID=39286986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006245454A Pending JP2008064071A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008064071A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2666982A3 (en) * | 2012-05-25 | 2015-05-20 | Hamilton Sundstrand Corporation | Lubrication system |
US9194254B2 (en) | 2012-05-25 | 2015-11-24 | Hamilton Sundstrand Corporation | Reduced velocity valve |
WO2024045678A1 (zh) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 中国第一汽车股份有限公司 | 直喷氢内燃机曲轴箱***及具有其的车辆及控制方法 |
-
2006
- 2006-09-11 JP JP2006245454A patent/JP2008064071A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2666982A3 (en) * | 2012-05-25 | 2015-05-20 | Hamilton Sundstrand Corporation | Lubrication system |
US9194254B2 (en) | 2012-05-25 | 2015-11-24 | Hamilton Sundstrand Corporation | Reduced velocity valve |
US9284866B2 (en) | 2012-05-25 | 2016-03-15 | Hamilton Sundstrand Corporation | Valve bypass |
WO2024045678A1 (zh) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 中国第一汽车股份有限公司 | 直喷氢内燃机曲轴箱***及具有其的车辆及控制方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7174876B2 (en) | Control apparatus for dry sump type internal combustion engine | |
JP4254847B2 (ja) | ブローバイガス処理装置 | |
US10519824B2 (en) | Oil supply device of internal combustion engine | |
JP5937681B2 (ja) | 燃料システムからの燃料漏れを減少させる燃料システム及び方法 | |
US20120048228A1 (en) | System for controlling hydraulic pressure and flow rate of oil in engine and control method thereof | |
JP2017115584A (ja) | 内燃機関の異常検出装置 | |
JP2006250080A (ja) | ブローバイガス処理装置付き内燃機関 | |
JP5835004B2 (ja) | 内燃機関の異常判定装置 | |
JP2006097690A (ja) | 機関を運転するための方法及び機関 | |
JP2008064071A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6299677B2 (ja) | 内燃機関の換気システム | |
JP5664474B2 (ja) | 内燃機関のクランクケース換気装置 | |
JP2007056848A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2009191790A (ja) | エンジンのオイル消費量低減装置 | |
JP2019143529A (ja) | 制御装置及び、制御方法 | |
JP2010038146A (ja) | エンジンの潤滑装置 | |
JP2013231365A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4983444B2 (ja) | ラッシュアジャスタの作動油供給構造及び内燃機関 | |
JP2017180171A (ja) | エンジンのオイル供給装置 | |
JP2009162166A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2010138817A (ja) | エンジンのオイル循環システム | |
JP6297870B2 (ja) | エンジンの制御装置及びエンジンの制御方法 | |
WO2022054816A1 (ja) | 内燃機関の潤滑装置 | |
JP2008057510A (ja) | 内燃機関 | |
JP2007285261A (ja) | 内燃機関におけるブローバイガス処理装置 |