JP2008060276A - 液浸露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 停電時に投影光学系の最終面とウエハ表面との間の空間から液体を残さず回収する液浸露光装置及びデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】 投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間に液体180を供給するための液体供給機構182と、空間の液体180を回収するための第一の液体回収機構190とを有する液浸露光装置100において、気体供給機構200と第二の液体回収機構300とを有し、気体供給機構200に接続される気体供給ノズル202と、第二の液体回収機構300に接続される第二の液体回収ノズル302とを、空間を挟み対向して配置する。気体供給機構200と第二の液体回収機構300は停電時に同時に動作し、空間から液体180を排除する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液浸露光装置及びこの液浸露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化に伴い、露光装置とりわけ投影光学系には、高い性能を求められている。
露光装置の解像度は投影光学系の開口数(NA)を大きくすることによって高めることができるが、NAを大きくすることによって焦点深度は浅くなる。
このため、ある程度以上NAを大きくすることはできず、解像度を高めるために露光波長を短波長化することが要求されてきた。
露光波長の短波長化を実現するためには、レジスト、ペリクル、レチクル、レンズなどの各種材料を開発する必要がある。
しかし、材料開発には、時間やコストがかかるため、短期間のうちに短波長化を実現することは困難であった。
このような材料開発の問題を解決するため、露光波長の短波長化をせずに解像度を向上させる液浸露光方式が提案されている。
また、液浸露光方式の一方式として、投影光学系の最終面(最終レンズ)とウエハの表面との空間に液体を局所的に充填するローカルフィル方式が提案されている。
屈折率nの液体中では波長が1/nになるため、見かけ上の露光光波長が短くなり、解像度を高めることができる。併せて、焦点深度をn倍程度拡大することも可能である。
ローカルフィル方式では、液体供給機構と液体回収機構を備え、ウエハの露光前に最終レンズとウエハ表面と間の開放空間に液体を満たす工程と、ウエハの露光後に該開放空間に満たされた液体を回収する工程が含まれる。
露光装置のスループットを落とさないためにウエハ交換時も前記開放空間に液体を保持する工夫が成される。
一方、ウエハチャックの交換や長期休止時等で前記開放空間に満たされた液体を回収する必要がある場合、露光装置の通常運転時では液体供給装置を停止し、残る液体を液体回収装置によって回収する。
また、停電等による電源異常によって液体回収機構が停止した場合、ウエハ上から液体が溢れウエハステージ等の故障を引き起こし、ウエハ上に残った液体によって光学部材が劣化する可能性がある。
このため、液体回収機構が停止する場合は、速やかにウエハ上に残った液体を回収する必要がある。
そこで、特開2005−57278号公報(特許文献1)により、緊急時に投影光学系とウエハとの間の液体を除去するための真空源を有する液浸露光装置が提案されている。
さらに、国際公開公報WO2005/022615(特許文献2)により、露光装置の電源異常時に対応するため、補助電源若しくは無停電電源を備える方法が提案されている。
特開2005−57278号公報 国際公開公報WO2005/022615
しかしながら、上記に示した液浸露光装置は、停電時に液体の回収を吸引のみによって行なっているため、回収の途中で液体の一部が千切れウエハ上や投影光学系の最終面に液体を残してしまう場合があった。
特に使用する液体の表面張力が小さい場合は液体が千切れやすく、残った液体は乾燥するまでにレジストからの溶出物や雰囲気中の不純物を溶かし込んでしまうので、液体が乾燥した後は不純物の薄い膜を形成してしまう。
この場合、ウエハに塗布されているレジストの劣化や光学レンズ表面の汚染による露光光の透過率むらを生じ、最終的に良好なデバイスを製造することができなくなる。
そこで、本発明は、停電時でも、投影光学系の最終面とウエハ表面との空間に供給された液体をウエハ表面や光学系の最終面にあまり残さずに回収できる液浸露光装置を提供することを例示的な目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一側面としての液浸露光装置は、投影光学系の最終面とウエハ表面との間の空間に液体を供給するための液体供給機構と、前記空間の前記液体を回収するための第一の液体回収機構と、を有する液浸露光装置において、気体供給機構と第二の液体回収機構とを有し、前記気体供給機構に接続される気体供給ノズルと、前記第二の液体回収機構に接続される第二の液体回収ノズルとは前記空間を挟み対向して配置され、前記気体供給機構と前記第二の液体回収機構は停電時に動作し、前記空間から前記液体を排除することを特徴とする。
本発明の液浸露光装置によれば、停電時でも、投影光学系の最終面とウエハ表面との空間に供給された液体をウエハ表面や光学系の最終面にあまり残さずに回収できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
(実施例1における液浸露光装置の概要)
図1は、本発明の実施例1に係る液浸露光装置100の構成を模式的に示す模式図である。
図1に示すように、本発明の実施例1の液浸露光装置100は、照明装置110と、レチクル(マスク)130と、レチクルステージ132と、投影光学系140と、ウエハ170と、ウエハステージ174とを有する。
また、液浸露光装置100は、媒質としての液体180と、液体供給機構182と、第一の液体回収機構190と、気体供給機構200と、第二の液体回収機構300とを有する。
液浸露光装置100は、投影光学系140の最もウエハ170側のレンズ(最終レンズ)のウエハ170側の面(レンズ最終面)とウエハ170表面との間の空間に液体180が供給される。投影光学系140のレンズ最終面は、部分的又は全体的にウエハ170表面の液体180に接触される。
投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の空間に液体180を供給する液体供給機構182と、その液体180を回収する第一の液体回収機構190については後述する。
即ち、液浸露光装置100は、液体180を介してレチクル130に形成されたパターンをウエハ170に露光する液浸式の露光装置であり、ステップアンドスキャン方式の投影露光装置を例示する。
ただし、本発明の実施例1の液浸露光装置100は、ステップアンドリピート方式等の他、任意の露光方式を適用することができる。
一方、照明装置110は転写用の回路パターンが形成されたレチクル130を照明し、光源部と照明光学系とを有する。光源部は、光源としてのレーザー112と、ビーム整形光学系114とを含む。
レーザー112は、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約157nmのFエキシマレーザー等のパルスレーザー光を使用することができる。
レーザーの種類、個数は限定されず、光源部の種類も限定されない。
ビーム整形光学系114は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使用することができ、レーザー112からの光束の縦横比率を所望の値に変換する。
即ち、ビーム整形光学系114は、例えば、光束の断面形状を長方形から正方形に変換する等によりビーム形状を所望の形状に成形する。
ビーム成形光学系114は、後述するオプティカルインテグレーター118を照明するのに必要な大きさと発散角を持つ光束を形成する。
照明光学系は、レチクル130を照明する光学系であり、実施例1では、集光光学系116と、オプティカルインテグレーター118とを含む。
また、照明光学系は、開口絞り120と、集光レンズ122と、折り曲げミラー124と、マスキングブレード126と、結像レンズ128とを含む。
照明光学系は、輪帯照明、四重極照明等のような様々な照明モードを実現できる。
集光光学系116は、複数の光学素子から構成され、オプティカルインテグレーター118に所望の形状の光束を効率よく導入する。
集光光学系116は、例えば複数の光学素子としてのズームレンズシステムを含み、オプティカルインテグレーター118への入射ビームの形および角度の分配をコントロールする。
集光光学系116は、レチクル130への照明光の露光量を照明毎に変更可能な露光量調整部を含む。
一方、オプティカルインテグレーター118は、実施例1では、レチクル130に照明される照明光を均一化し、入射光の角度分布を位置分布に変換して出射するハエの目レンズとして構成される。
オプティカルインテグレーター118の出射面の直後には、形状及び径が固定された開口絞り120が設けられている。
開口絞り120は、投影光学系140の瞳142に形成される有効光源とほぼ共役な位置に配置され、開口絞り120の開口形状は投影光学系140の瞳面の有効光源形状に相当する。
開口絞り120は、後述するように、有効光源の形状を制御する。開口絞り120は、照明条件に応じて図示しない絞り交換機構によって、種々の開口絞りが光路中に位置するように切り替え可能となっていてもよい。
集光レンズ122は、オプティカルインテグレーター118の射出面近傍の2次光源から射出して、開口絞り120を透過した複数の光束を集光する。
集光レンズ122は、集光後の光束を、折り曲げミラー124で反射させて被照斜面としてのマスキングブレード126面をケーラー照明する。
マスキングブレード126は、複数の可動遮光板より構成され、ほぼ矩形の任意の開口を有している。マスキングブレード126は、レチクル130と光学的に共役な位置に配置される。
マスキングブレード126の開口部を透過した光束をレチクル130の照明光として使用する。マスキングブレード126は開口幅を自動可変可能な絞りであり、転写領域を変更できる。
また、液浸露光装置100は、スキャン方向の転写領域を変更可能にする、上述のマスキングブレード126と類似した構造のスキャンブレードを更に有してもよい。
スキャンブレードも開口幅が自動可変可能である絞りであり、マスキングブレード126の近傍に設けられる。
液浸露光装置100は、これら二つの可変ブレードを用いることによって露光を行なうショットの寸法に合わせて転写領域の寸法を設定することができる。
一方、結像レンズ128は、マスキングブレード126の開口形状をレチクル130面上に結像する。
レチクル130は、ウエハ170上に転写されるべきパターンが形成され、レチクルステージ132に支持及び駆動される。レチクル130から発せられた回折光は投影光学系140を通りウエハ170上に投影される。
ウエハ170上には、レジストが塗布されている。レチクル130とウエハ170とは光学的に共役の関係に配置される。
レチクルステージ132は、レチクル130を支持して図示しない移動機構に機械的に接続されている。
投影光学系140は、レチクル130に形成されたパターンを経た回折光をウエハ170上に結像する機能を有する。
投影光学系140は、複数のレンズ素子のみからなる屈折光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する反射屈折光学系等を使用できる。
ウエハ170は、シリコンウエハに限らず、液晶モニタ用ガラス基板、またはその他の基板を指す。
ウエハ170の表面にはレジストが塗布されており、ウエハ170はウエハチャック172を介してウエハステージ174に支持される。
ウエハステージ174は、例えばリニアモータを利用してXYZ方向にウエハ170を移動する。
一方、液体供給機構182は、所定の圧力を発生して、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の空間に液体180を供給するものであり、液体供給配管183と液体供給ノズル184とを有する。
液体供給ノズル184の先端は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の上記空間領域の一方端(例えば図示右側の一方端)若しくはその付近に位置する。
液体供給機構182は、例えば図示しないが、液体180を溜めるタンク、精製装置、脱気装置、温度制御装置、液体180を送り出す圧送装置、液体180の供給流量を制御する流量制御装置を含む。
ただし前記タンクの代わりに、工場から直接供給される純水装置を使用することもできる。
第一の液体回収機構190は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の空間の液体180を回収するものであり、第一の液体回収配管189と第一の液体回収ノズル186とを有する。
第一の液体回収ノズル186の先端は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の上記空間領域の他方端(例えば図示左側の他方端)若しくはその付近に位置する。
液体供給機構182に機械的に接続された液体供給ノズル184と、第一の液体回収機構190に機械的に接続された第一の液体回収ノズル186とは前記空間を挟み対向して配置されている。
液体180は、液体供給機構182から液体供給配管183及び液体供給ノズル184を介して、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170との間の空間に所定の液体量分として供給される。
液体180は、第一の液体回収ノズル186及び第一の液体回収配管189を介して第一の液体回収機構190に回収される。
液体180の材料としては、露光波長の透過率がよく、投影光学系140に汚れを付着させず、レジストプロセスとのマッチングがよい液体が選択される。
液体180は、例えば、水や有機系液体であり、ウエハ170に塗布されたレジストや露光光の波長に応じて選定することができる。
投影光学系140のレンズ最終面には液体180からの影響を保護するためにコーティングを施すこともできる。
(本発明の実施例1の概要)
気体供給機構200は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の空間に例えば空気等の気体を噴射して供給するものであり、気体供給配管201と気体供給ノズル202とを有する。
気体供給ノズル202の先端は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の上記空間領域の一方端(例えば図示右側の一方端)若しくはその付近に位置する。
気体供給機構200の気体供給配管201及び気体供給ノズル202は、単数に限らず、複数を用いても良く、気体供給機構200自体も複数を用いてもよい。
第二の液体回収機構300は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の空間の液体180を回収するものであり、第二の液体回収配管301と第二の液体回収ノズル302を有する。
第二の液体回収ノズル302の先端は、投影光学系140のレンズ最終面とウエハ170表面との間の上記空間領域の他方端(例えば図示左側の他方端)若しくはその付近に位置する。
即ち気体供給機構200に機械的に接続された気体供給ノズル202と、第二の液体回収機構300に機械的に接続された第二の液体回収ノズル302とは前記空間を挟み対向して配置されている。
第二の液体回収機構300の第二の液体回収配管301及び第二の液体回収ノズル302も、単数に限らず、複数を用いても良く、第二の液体回収機構300自体も複数を用いてもよい。
(本発明の実施例1の詳細)
図2は、本発明の実施例1の気体供給機構200及び第2の液体回収機構300の構成の詳細を模式的に示す詳細模式図である。
気体供給機構200は、図2に示すように、密閉加圧容器203と第一のノーマルオープンバルブ204と気体導入配管209と第一の逆止弁205と加圧手段206とを有する。
また、気体供給機構200は、密閉加圧圧容器203内の圧力を検出するための第一の圧力計207と気体流速制御バルブ208とを有する。
第一のノーマルオープンバルブ204は、密閉加圧容器203の気体を気体供給ノズル202に導く気体供給配管201に設けられている。
第一のノーマルオープンバルブ204は、液浸露光装置100が異常休止した時に開いて密閉加圧容器203の気体供給ノズル202からの気体噴射を行わせる。
第一のノーマルオープンバルブ204は、該バルブ204を開閉するための電磁力や電気力等の動力源が途切れた際に異常休止時の動作として開状態を保つ。
第一のノーマルオープンバルブ204の開状態の保持は、所定の復帰力を与えるスプリング等の部材や高圧空気等を用いることで可能となる。
異常休止とは、例えば、停電時(電源異常等)、レチクルステージ132の異常停止、ウエハステージ174の異常停止等の場合であり、所定のセンサや論理回路(不図示)等により検出できる。
また、異常休止には、液体供給機構182又は第一の液体回収機構190が異常停止した場合を含む。この点のみを検出する場合も、所定のセンサや論理回路(不図示)等を用いることで可能となる。
ただしセンサ等を用いる場合、本例では第一のノーマルオープンバルブ204を用いるため、異常休止の検出時に、第一のノーマルオープンバルブ204への電磁力若しくは電気力の供給を遮断するための所定の構成を含む。
即ち液浸露光装置100の異常休止の検出時には、第一のノーマルオープンバルブ204への電磁力等の動力の出力が遮断されて、開状態が保たれるため、上記気体の噴射が可能となる。
一方、加圧手段206は、気体を気体導入配管209から密閉加圧容器203に圧入し、第一の圧力計207の指示値に基づいて通電時に密閉加圧容器203内の圧力を所定の圧力に維持する。
密閉加圧容器203内の圧力は、加圧手段206の通電時に例えば1気圧よりも高く維持されることが好ましい。
加圧手段206には、加圧ポンプや半導体製造工場の高圧空気設備等を使用することができる。
ここで加圧手段206とは、密閉加圧容器203内を所定の圧力に保つための圧力制御バルブ、圧力レギュレータ等を含み、また加圧手段の非動作時に密閉加圧容器203から気体が逆流するのを防止するための逆止弁を含む。
尚、逆止弁は、後述する第一の逆止弁205で兼用してもよい。
気体は、湿度調節器(不図示)によって低湿度にされた空気が使われる。また気体は、空気に限らず、液体180に対する飽和蒸気圧の高い気体を用いてもよい。
しかし酸素を含まない気体の場合は、ウエハステージ空間は独立空間とされる。
ただし第一の圧力計207は必ずしも必要ではなく、例えば加圧手段206が圧力レギュレータ(不図示)を含む場合は圧力レギュレータによって圧力が決定される。
第一の逆止弁205は、加圧手段206が停止した場合、密閉加圧容器203内の気体が加圧手段206側へ流れるのを防止する。
また、気体供給配管201には、気体流速制御バルブ208が設けられているため、該気体供給配管201を通る気体の流速を所定の値以下に制御することが可能である。
ここで気体流速制御バルブ208とは、定流量バルブ、定圧弁バルブ等を含み、第一のノーマルオープンオープンバルブ204が閉状態から開状態へ切り換わる際に気体供給ノズル202から吹き出される気体の流速を所定流速以内に収めるためのバルブである。
一方、第二の液体回収機構300は、図2に示すように、密閉減圧容器303と第二のノーマルオープンバルブ304と気体排出配管309と第二の逆止弁305と減圧手段306とを有する。
また、第二の液体回収機構300は、密閉減圧容器303内の圧力を検出する第二の圧力計307と液体流速制御バルブ308とを有する。
第二のノーマルオープンバルブ304は、液体回収ノズル302の液体を密閉減圧容器303に導く第二の液体回収配管301に設けられている。
第二のノーマルオープンバルブ304も、本例の液浸露光装置100が異常休止した時に開いて密閉減圧容器303内へ第二の液体回収ノズル302を介して上記液体180及び上記気体の吸引を可能にする。
第二のノーマルオープンバルブ304は、該バルブ304を開閉するための電磁力や電気力等の動力源が途切れた際に異常休止時の動作として開状態を保つ。
第二のノーマルオープンバルブ304の開状態の保持も、例えば所定の復帰力を与えるスプリング等の部材や高圧空気等を用いることで可能となる。
異常休止とは、同じく、停電時(電源異常等)、レチクルステージ13の異常停止、ウエハステージ174の異常停止等の場合であり、所定のセンサや論理回路(不図示)等により検出できる。
また、同じく異常休止には、液体供給機構182又は第一の液体回収機構190が異常停止した場合を含む。この点のみを検出する場合も、所定のセンサや論理回路(不図示)等を用いることで可能となる。
ただしセンサ等を用いる場合、本例では第二のノーマルオープンバルブ304を用いるため、異常休止の検出時に、第二のノーマルオープンバルブ304への電磁力若しくは電気力の供給を遮断するための構成を含む。
即ち、液浸露光装置100の異常休止の検出時には、第二のノーマルオープンバルブ304への電磁力等の動力の出力が遮断されて、開状態が保たれるため、上記気体及び上記液体180の吸引が可能となる。
この点の動作タイミングは、気体供給機構200の第一のノーマルオープンバルブ204の場合も上述の如く同一であり、したがって気体供給機構200及び第二の液体回収機構300は、同一のタイミングで同時に作動する。
特に、気体供給機構200及び第二の液体回収機構300は、停電時の非通電による第一及び第二のノーマルオープンバルブ204,304の同時作動により、上記空間に残る液体180を効率よく排除する。
ここで同時とは、気体供給機構200と第二の液体回収機構300とが同時に動作する以外に、どちらかが断続運転、もう一方が連続運転といった動作や、どちらも断続運転といった動作も含まれる。
尚、気体供給機構200及び第二の液体回収機構300は、一つのスイッチ操作に伴う例えば充電器からの電源投入で同時に作動させるという態様もある。
一方、減圧手段306は、例えば真空ポンプ等を用いて密閉減圧容器303内の気体を気体排出配管309から外部へ排出し第二の圧力計307の指示値に基づいて密閉減圧容器303内の圧力を所定の圧力に維持する。
密閉減圧容器303内の圧力は、減圧手段306の通電時に例えば1気圧よりも低く維持されることが好ましい。
ここで減圧手段とは、前記密閉減圧容器303内を所定の圧力に保つための圧力制御バルブ、圧力レギュレータ等を含み、また減圧手段の非動作時に該密閉減圧容器303へ気体が逆流するのを防止するための逆止弁を含む。
尚、逆止弁は、後述する第二の逆止弁305で兼用してもよい。
一方、気体排出配管309は密閉減圧容器303内の気体のみを排出するため密閉減圧容器303の上部に連結されている。
第二の圧力計307は、必ずしも必要でなく、減圧手段306の減圧能力で決定される真空度まで密閉減圧容器303を減圧してもよい。
第二の逆止弁305は、減圧手段306が停止した場合、減圧手段306側から密閉減圧容器303内に気体が流れるのを防止する。
減圧手段306は、例えばターボ分子ポンプやその他任意の真空ポンプや半導体製造工場の真空設備等を使用することができる。
第二の液体回収配管301には液体流速制御バルブ308が設けられているため、第二の液体回収配管301を通る液体の流速を所定の値以下に制御することができる。
図3は、液体供給ノズル184及び液体回収ノズル186の一つの配置例として図2のA―A’に沿って図示下方から見上げた状態を模式的に示す部分的模式図である。
従来の技術に関係する液体供給ノズル184及び第一の液体回収ノズル186は、図3に示すように異なる同心円状に配置されている。
即ち、図3に示す例では、内側の同心円状部分aが液体供給ノズル184の配置領域であり、外側の同心円状部分bが第1の液体回収ノズル186の配置領域である。
ただし液体供給ノズル184及び第一の液体回収ノズル186は、液体180の空間において互いに対向する配置であることが好ましい。
この場合、気体供給機構200の気体供給ノズル202の配置領域は、内側の同心円状部分aに設定し、第二の液体回収機構300の第二の液体回収ノズル302は、外側の同心円状部分bに設定するという態様がある。
即ち液体供給ノズル184及び気体供給ノズル202は、互いに例えば交互に存在させ、かつ第一の液体回収ノズル186及び第二の液体回収ノズル302も互いに例えば交互に存在させるという一つの配置例である。
しかし液体供給ノズル184及び気体供給ノズル202は、内側の同心円状部分aで互いに直交させ、かつ第一の液体回収ノズル186及び第二の液体回収ノズル302も外側の同心円状部分bで互いに直交させてもよい。
尚、上記各ノズル184,186,202,302の配置例については同心円状に限定されるものではなく、例えばウエハのスキャン方向に対向して配置してもよい。
若しくは上記各ノズル184,186,202,302の配置例については更に例えばウエハのステップ方向に配置しても良く、即ちその配置の仕方は任意である。
ところで、図2は本発明の実施例1の液浸露光装置100が正常に運転されている状態を示す。
液体180は、液体供給機構182から液体供給ノズル184を介して投影光学系140の最終面(最終レンズ面)とウエハ170表面との間の空間に供給され、第一の液体回収ノズル186を介して第一の液体回収機構190に回収される。
この時、液体180の液体供給量と液体回収量は等しく、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間には液体180が保たれた状態でウエハスキャン及び露光処理が行なわれる。
一方、正常運転時は、第一及び第二のノーマルオープンバルブ204,304は閉じており、密閉加圧容器203は加圧手段206によって所定の圧力に加圧され、密閉減圧容器303は減圧手段306によって所定の圧力に減圧されている。
(本発明の実施例1の気体供給機構と第二の液体回収機構の動作の概要)。
図4から図7は本発明の実施例1の液浸露光装置100に電源異常が発生した後、液体180が第二の液体回収機構300に回収されていく様子を時系列的に示す動作説明図である。
特に図4は電源異常が発生し液体供給機構182と第一の液体回収機構190が停止した直後の状態を示す。
電源異常が発生して電力の供給が停止すると第一及び第二のノーマルオープンバルブ204,304は同時に開状態となる。
このため、一方では密閉加圧容器203が気体供給ノズル202を介して気体400を上記空間に供給し、上記空間に残る液体180を、その気体400の動圧によって第二の液体回収ノズル302の方向へ押し出す。
また同時に、他方では密閉減圧容器303が第二の液体回収ノズル302を介して上記空間から押し出される液体180の回収を開始する(図5)。
密閉減圧容器303が気体供給ノズル302を介する上記空間の液体180の回収が進み、最後の部分の液体180の回収(図6)の後、密閉減圧容器303が第二の液体回収ノズル302を介する上記空間の液体180の回収を終える(図7参照)。
この間の液体180の回収効率を決定する一要因である気体400の風量及び風速は、液体180を上記空間から外へ吹き飛ばしてしまうことがない限り任意であり、もう一つの要因である吸引の負圧も弊害がない限り1気圧よりも低い任意の負圧を用いてよい。
一方、密閉減圧容器303が第二の液体回収ノズル302を介して上記空間の液体180の回収を終えたとしても、図7に示すように、密閉加圧容器203は、気体供給ノズル202を介して気体400を上記空間に供給し続ける。
また同時に、密閉減圧容器303は、気体供給ノズル202から噴出される気体400を吸引し続ける。
密閉減圧容器303が、気体供給ノズル202からの気体400を吸引し続けることによって、投影光学系140の最終面やウエハ170表面に液体180が微小に残るとしてもその液体180を速やかに乾燥させることができる。
気体400を上記空間に供給し続ける時間、及び上記気体400を吸引し続ける時間は、任意の同時間に設定してよいが、投影光学系140の最終面やウエハ170表面の液体180が完全に乾燥するまでに要する時間以上の時間に設定することが好ましい。
気体供給ノズル202と第二の液体回収ノズル302は、1対に限らず、液体180用の上記空間の液浸領域によって例えば図11(図2の断面A−A’’方向から見下ろした図)に示すように放射状の複数対の配列構成にしてもよい。
気体供給ノズル202を複数設けることによって液体180を広がることなく第二の液体回収ノズル302に導くことが可能である。
また、第二の液体回収ノズル302を複数設けることによって液体180を効率良く回収することができる。
第二の液体回収ノズル302の材質としては、液体180に直接触れるため不純物の溶出の少ないテフロン(登録商標)樹脂等が望ましい。
しかしながら、例えばテフロン(登録商標)樹脂の場合、使用する液体180が水だとすると撥水性が大きいため、図13に示すように、第二の液体回収ノズル302の先端に水が接していても水をはじいて気体400のみを吸引し水を回収できない場合もあり得ると考える。
この場合、第二の液体回収ノズル302の内壁を親水処理することで図14、図15に示すように第二の液体回収ノズル302が液体180に接する際の水の表面張力により第二の液体回収ノズル302の液体180の回収能力を高めることができる。
また第二の液体回収ノズル302の内壁を親水処理する以外に、使用する液体に対して親水性の材料からなる多孔質体を第二の液体回収ノズル302に嵌め込んでも同様の効果を得ることができる。
加圧手段206及び減圧手段306の動力源は通常の商用電源、又は無停電電源を使用することができる。
通常の商用電源等を使用した場合、停電等の電源異常が発生した時点で電力の供給が停止されるが、電力投与がなくても密閉加圧容器203内に蓄えられた加圧気体によって密閉加圧容器203内の圧力が環境圧力に等しくなるまで気体400を供給できる。
また密閉減圧容器303内も電力の供給が停止するまで減圧状態に保たれているため、最大密閉減圧容器の体積まで液体180及び気体400を回収することができる。
更に密閉容器と機械的なバルブによってのみ構成されるので、商用電源を用いる場合、無停電電源を使用する場合に比べて、コストや信頼性の面で有利となる。
本発明の実施例1の液浸露光装置100によれば、停電等の電源異常時に作動する気体供給機構200及び第二の液体回収機構300を備える。
しかも、気体供給機構200に機械的に接続された気体供給ノズル202と、第二の液体回収機構300に機械的に接続された第二の液体回収ノズル302とを液体180を供給する上記空間を挟み対向して配置した。
このため、電源異常(停電時等)が発生した際でも、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間の液体180が途切れることなく、かつ確実に液体180を残さず回収することができる。
したがって、従来において停電時に発生し易かった吸引し切れない液体の乾燥した後に残る不純物等の悪影響を完全に防止することができ、しかも、液体の蒸発を考える必要がなく、液浸露光装置100の各機器の腐食発生の原因をも排除できる。
その結果、本発明の実施例1の液浸露光装置100は、停電時においても動作上及び高機能性の信頼性を確実に高めることができる。
次に、本発明の実施例2を説明する。
図8は、本発明の実施例2に係る液浸露光装置100の構成の要部を模式的に示す部分的模式図である。
本例の液浸露光装置100は、図8に示すように、気体供給機構200a及び第二の液体回収機構300aを備える。
気体供給機構200aは、加圧手段206と気体供給配管201と気体供給ノズル202と気体流速制御バルブ208とを有する。加圧手段206には、一般的な電動性の気体用ポンプを使用することができる。
第二の液体回収機構300aは、減圧手段306と第二の液体回収配管301と第二の液体回収ノズル302と液体流速制御バルブ308とを有する。減圧手段306には、一般的な電動性の気体液体兼用ポンプを使用することができる。
また、気体供給機構200a及び第二の液体回収機構300aは、無停電電源500を共有する。
無停電電源500は、液浸露光装置100の主電源(不図示)に異常が発生した場合に作動し、気体供給機構200a及び第二の液体回収機構300aに電源を供給する。
具体的には、無停電電源500は、主電源(不図示)の停電等の異常発生時に、気体供給機構200aの加圧手段206、及び第二の液体回収機構300aの減圧手段306に対し駆動電力を与え、双方の機構200a,300aを同時に駆動させる。
本例では、密閉加圧容器、及び密閉減圧容器を使用しないため、それらの容量に制限されず、無停電電源500の電源容量の範囲で、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間に気体400を供給し、該空間の液体180を残さず回収できる。
本発明の実施例2の液浸露光装置100のその他の構成は実施例1で説明した構成と同様である。このため、本例の液浸露光装置100は、詳しく説明しないが、実施例1の場合と同様の効果を発揮する。
次に、本発明の実施例3を説明する。
図9は、本発明の実施例3に係る液浸露光装置100の第二の液体回収機構300bの構成の要部を模式的に示す部分的模式図である。
本例の第二の液体回収ノズル302bは、図9に示すように、電磁クランプ601とバネ602を用いて第二の液体回収ノズル302bを上下動させる上下機構を備える。
液浸露光装置100が正常運転している場合、第二の液体回収ノズル302bの先端は第一の液体回収ノズル186の水平面Bより高い場所に電磁クランプ601によって保持される。
液浸露光装置100の電源異常時には、図10に示すように、電磁クランプ601が外れるため、第二の液体回収ノズル302bの先端は、水平面Bよりも低い位置に移動されて保持される。
このため、第二の液体回収ノズル302bの先端は、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間で、該空間の液体180の上面よりも低い位置に位置することが可能である。
本発明の実施例3においては、正常露光時の第二の液体回収ノズル302bは、液体180の供給及び回収の動作を阻害することはない。
しかし、液浸露光装置100の電源異常時には、第一の液体回収ノズル186よりも第二の液体回収ノズル302bの先端をウエハ170の表面に近づけることができるため、より効率良く液体180を残さず回収することができる。
尚、液浸露光装置100が正常に回復した場合は、バネ602等により第二の液体回収ノズル302bの先端は、初期の元の位置に復帰することが可能である。
本発明の実施例3の液浸露光装置100のその他の構成は実施例1又は実施例2で説明した構成と同様である。このため、本例の液浸露光装置100も、詳しく説明しないが、実施例1の場合と同様の効果を発揮する。
以下、本発明の実施例4について説明する。
本発明の実施例4の液浸露光装置は、一例として、光源に、ArFエキシマレーザーを使用したステップアンドスキャン方式の液浸露光装置を用いた。
投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間に供給する液体としては純水を用いた。
液体供給ノズル184及び第一の液体回収ノズル186の材質としてテフロン(登録商標)の多孔質体を用いた。
多孔質体の形状はリング状とし、その大きさは、厚み2mm、幅4mmとし、液体供給ノズル184の中心部の直径を80mm、第一の液体回収ノズル186の中心部の直径を92mmとした。
また、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の距離を1mmに設定し、液体供給量を0.3L/minに設定した。
供給気体は乾燥空気とし、密閉加圧容器203は、ステンレス製で容量3Lの物を用い設定圧力を0.9MPaとした。
気体導入配管209には第一のノーマルオープンバルブ204を設置した。
気体供給ノズル202は、先端形状を0.5mm×4mmの矩形断面とし、個数を5本とした。
気体供給ノズル202から供給される空気の流速は気体流速制御バルブ208によって2m/s以下とした。
したがって本例の気体供給機構200は、式1のとおり、流速2m/sの空気を約20分供給することができる。
3×10×(9−1)÷(0.5×4×5×2000)÷60=20分 …式1
一方、密閉減圧容器303は、ステンレス製で容量3Lの物を用い設定圧力を100Paとした。
第二の液体回収機構300の気体排出配管309には第二のノーマルオープンバルブ304を設置した。
第二の液体回収ノズル302は、先端形状を0.2mm×4mmの矩形断面とし、個数を5本とした。
第二の液体回収ノズル302から回収される液体の流速は液体流速制御バルブ308によって0.2m/s以下とした。
電源異常発生直後、投影光学系140の最終面とウエハ170表面との間の空間に残っている水は、式2のとおり約7850mm3なので実施例4の第二の液体回収機構300は約10秒(式3)で液体を回収できる。
50×50×3.14×1=7850mm …式2
7850÷(0.2×4×5×200)≒10s …式3
以上の構成で、液浸露光装置の主電源を強制的に停止し、気体供給機構200と第二の液体回収機構300を動作させ、約5分後投影光学系140の最終面及びウエハ170表面を観察したところ、液体及び水分はほぼ完全に回収されていた。
一方、比較例として、実施例1の構成から、気体供給機構200と液体流速制御バルブ308を取り除き、実施例1と同様に液浸露光装置100の主電源を強制的に停止し、約5分後投影光学系140の最終面及びウエハ170表面を観察した。
その結果、図12に示すように投影光学系140の最終面及びウエハ170表面には、部分的に水残り700があることが観察された。
(本発明のデバイス製造方法の実施例)
次に、上述の液浸露光装置を用いた場合のデバイスとしての半導体装置(半導体素子)の製造方法を説明する。
図16は、上述の液浸露光装置を用いた場合のデバイスとしての半導体装置(半導体素子:IC)の製造方法を示すフローチャートである。
まず、ステップ1(回路設計)では、ICの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
一方、シリコン等からなる被露光基板を用意し、ステップ3(ウエハプロセス)において前記用意したマスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
次いでステップ4(組立)において、ステップ3によって製作されたICの回路が形成されたウエハを半導体チップ化し、次いでアッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)を行い、パッケージング(チップ封入)を行う。
一方、ステップ5(検査)においては、ステップ4で製作されたICチップの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。
図17は、上記ICチップ製造における上記ステップ3のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
まず、ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。次いでステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウエハにイオン打ち込みを行う。ステップ15(レジスト処理)ではCMP(化学材機研磨)装置によってウエハ表面を平坦に研磨する。
ステップ16(レジスト処理)では、平坦化されたウエハ表面にレジストを塗布する。ステップ17(露光)では上述の液浸露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼き付け露光する。
即ち、はじめにマスクを搬送し、マスクチャックにチャッキングし、次にレジストが塗布されたシリコンウエハ基板を上述の液浸露光装置内にローディングする。
アライメントユニットでグローバルアライメント用のデータを読みとり、計測結果に基づいてウエハステージを駆動して所定の位置に次々に露光を行う。
一方、ステップ18(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ19(エッチング)では、現像後にレジストが除去された部分をエッチングする。
ステップ20(レジスト剥離)では、レジストを剥離する。これらのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
上記ウエハプロセスに本実施例のデバイスの製造方法を用いれば、従来の製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを製造することができる。特に停電時にも水分の弊害がなく、動作上及び高機能性の信頼性を確実に高め、製造するデバイスの信頼性も増す。
本発明の実施例1に係る液浸露光装置の構成を模式的に示す模式図である。 実施例1の気体供給機構及び第2の液体回収機構の構成の詳細を模式的に示す詳細模式図である。 実施例1の液体供給ノズル及び液体回収ノズルの一つの配置例として図2のA―A’に沿って図示下方から見上げた状態を模式的に示す部分的模式図である。 実施例1の電源異常が発生し液体供給機構と第一の液体回収機構が停止した直後の状態を示す第1段回の動作説明図である。 実施例1の液浸露光装置に電源異常が発生した後、液体が第二の液体回収機構に回収されていく様子を時系列的に示す第2段階の動作説明図である。 実施例1の液浸露光装置に電源異常が発生した後、液体が第二の液体回収機構に回収されていく様子を時系列的に示す第3段階の動作説明図である。 実施例1の液浸露光装置に電源異常が発生した後、液体が第二の液体回収機構に回収されていく様子を時系列的に示す第4段階の動作説明図である。 本発明の実施例2に係る液浸露光装置の構成の要部を模式的に示す部分的模式図である。 本発明の実施例3に係る液浸露光装置の第二の液体回収機構の構成の要部を模式的に示す部分的模式図である。 実施例3に係る液浸露光装置の第二の液体回収機構の動作時の状態を示す動作説明図である。 図2の断面A−A’’方向から見下ろした気体供給ノズル及び第二の液体回収ノズルの配置の一例を示す配置説明図である。 投影光学系の最終面及びウエハ表面に、部分的に水残りが発生した比較例を模式的に示す比較模式図である。 撥水性の第二の液体回収ノズルが気体のみを吸引する場合の例を模式的に示す気体吸引模式図である。 第二の液体回収ノズルの吸水性を高め、第二の液体回収ノズル内に液体がその水の表面張力により進入する際の様子を模式的に示す液体進入模式図である。 第二の液体回収ノズルの吸水性を高め、続いて、第二の液体回収ノズル内に液体が吸引されていく様子を模式的に示す液体吸引模式図である。 ICやLSI等の半導体チップ、LCD、CCD等のデバイス製造方法の実施例を説明するフローチャートである。 図16に示すステップ4のウェハプロセスの詳細を説明するフローチャートである。
符号の説明
100 液浸露光装置 110 照明装置
112 レーザー 114 ビーム成形光学系
116 集光光学系 118 オプティカルインテグレータ
120 開口絞り 122 集光レンズ
124 折り曲げミラー 126 マスキングブレード
128 結像レンズ 130 レチクル
132 レチクルステージ 140 投影光学系
142 瞳 170 ウエハ
172 ウエハチャック 174 ウエハステージ
180 液体 182 液体供給機構
183 液体供給配管 184 液体供給ノズル
186 第一の液体回収ノズル 189 第一の液体回収配管
190 第一の液体回収機構 200,200a 気体供給機構
202 気体供給ノズル 203 密閉加圧容器
204 第一のノーマルオープンバルブ 205 第一の逆止弁
206 加圧手段 207 第一の圧力計
208 気体流速制御バルブ 209 気体導入配管
300,300a 第二の液体回収機構
301 第二の液体回収配管
302,302b 第2の液体回収ノズル
303 密閉加圧容器 304 第二のノーマルオープンバルブ
305 第二の逆止弁 306 減圧手段
307 第二の圧力計 308 液体流速制御バルブ
309 気体排出配管 500 無停電電源
601 電磁クランプ 602 バネ
a、b 同心円状部分

Claims (9)

  1. 投影光学系の最終面とウエハ表面との間の空間に液体を供給するための液体供給機構と、
    前記空間の前記液体を回収するための第一の液体回収機構と、を有する液浸露光装置において、
    気体供給機構と第二の液体回収機構とを有し、
    前記気体供給機構に接続される気体供給ノズルと、前記第二の液体回収機構に接続される第二の液体回収ノズルとは前記空間を挟み対向して配置され、
    前記気体供給機構と前記第二の液体回収機構は停電時に動作し、前記空間から前記液体を排除することを特徴とする液浸露光装置。
  2. 前記気体供給機構と前記第二の液体回収機構は、停電時に同時に動作することを特徴とする請求項1記載の液浸露光装置。
  3. 前記気体供給機構は、密閉加圧容器と、
    前記密閉加圧容器に気体を圧入するための加圧手段と、
    前記空間に前記気体を供給するための前記気体供給ノズルと、
    前記密閉加圧容器の前記気体を前記気体供給ノズルに導く気体供給配管と、
    前記気体供給配管に設けられ、通電時には閉まり、停電時に開く第一のノーマルオープンバルブと、を有することを特徴とする請求項1または2記載の液浸露光装置。
  4. 前記気体供給機構は、前記気体供給配管に気体流速制御バルブを設けることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液浸露光装置。
  5. 前記第二の液体回収機構は、密閉減圧容器と、
    前記密閉減圧容器内の圧力を減圧にするための減圧手段と、
    前記空間から前記液体を回収するための第二の液体回収ノズルと、
    前記液体回収ノズルにより回収された前記液体を前記密閉減圧容器に導く液体回収配管と、
    前記液体回収配管に設けられ、通電時には閉まり、停電時に開く第二のノーマルオープンバルブと、を有することを特徴とする請求項1または2記載の液浸露光装置。
  6. 前記第二の液体回収機構は、前記液体回収配管に液体流速制御バルブを設けたことを特徴とする請求項1,2,5のいずれかに記載の液浸露光装置。
  7. 前記密閉加圧容器は、通電時に1気圧より高く維持され、
    前記密閉減圧容器は、通電時に1気圧より低く維持されることを特徴とする請求項3または5記載の液浸露光装置。
  8. 前記第二の液体回収機構に接続される前記第二の液体回収ノズルを上下動する上下機構を有することを特徴とする請求項1,2,5,6,7のいずれかに記載の液浸露光装置。
  9. 請求項1から8のいずれか記載の液浸露光装置を用いてウエハを露光するステップと、露光された前記ウエハを現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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