JP2008059820A - 誘導加熱ローラ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ローラの外周側に加熱用のコイルを配置する構成としてもそのコイルからローラへの加熱効率が高い誘導加熱ローラ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
レーストラック状に巻回されたコイルに交流電流(122)を流してローラ(10)を誘導加熱する態様の誘導加熱ローラ装置(1)を前提に、上記ローラの外側に、固定コア(124)及び上記レーストラック状に巻回されたコイル(120)を構成するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば合成繊維製造プロセスの延伸加熱工程などにおいて使用されるような、合成繊維等の物体をローラ表面に接触させて加熱する誘導加熱ローラ装置に関する。
物体をローラ表面に接触させて加熱する加熱ローラ装置のうち、その加熱方式として誘導加熱方式を使用したものを誘導加熱ローラ装置と呼んでいる。
誘導加熱ローラ装置は、例えば合成繊維製造プロセスの延伸加熱工程などにおいて使用されている。合成繊維製造プロセスの延伸加熱工程で使用される場合は、例えば、その誘導加熱ローラ装置に二つの隣接する回転ローラを設けるなどして、それらのローラの間に合成繊維を送り込み、それらの回転ローラでその合成繊維を延伸過熱する。
そのような誘導加熱ローラ装置の回転ローラ一つあたりを加熱する機構が、次の二つの特許文献に記載されている。
一つは、回転ドラムの外周面に2個の加熱コイルを近接して配設した構成を示している。この場合、上記回転ドラムは上記2個の加熱コイルにより誘導加熱される。またその他に、固定ドラムの外周円にコアを介して加熱コイルを円筒巻きにした構成も示している。この構成では加熱コイルが回転ドラムの内側に配置されているため、この回転ドラムは内側から誘導加熱される(特許文献1参照)。
他の一つは、ロータ本体の内周の定位置に非磁性体の円筒部材からなる固定コアを固定し、そして、その固定コアの上に、インダクションコイルをローラ軸方向に応じて巻密度を変えて巻回する構成を示している。そのそのインダクションコイルに高周波が印加されるとロータは誘導加熱され、更に、ロータ表面温度をロータ軸方向において均一化する。(特許文献2参照)。
特開平4−212283号公報(段落「0005」、「0025」、「0030」、図1、図5、図6、図10) 特開平8−296142号公報(段落「0011」−「0013」、図1)
誘導加熱ローラ装置において、従来、ローラの加熱は、上述したようにローラの外周側に加熱用のコイルを配置したり、又はローラの内周側に加熱用のコイルを配置したりして行っていた。
後者のローラの内周側に加熱用のコイルを配置したものは、円筒部材からなる固定コアに加熱用のコイルを巻回するなどしてローラを誘導加熱する方式がとられている。
しかしこの構成では、固定コアやコイル等の機構をローラの内周側に設けなければならないため、例えばそのローラの支持構造が複雑になってしまう。また、強度確保のため、重量が増加してしまう。このため、軸受け強度の確保が困難であったり、モータ容量が増大するなどの問題がある。
またこれとは反対に、前者のローラの外周側に加熱用のコイルを配置したものは、上記のような問題は低減される。しかし、加熱用コイルをローラの外周側に配置しただけであるため、コイルから発生した磁束がローラに効率良く導かれず、コイルの加熱に大きな電流を消費するという問題がある。また、この構成の場合、ローラの外周に加熱コイルを近接して配置するため、例えば樹脂系の糸類をローラに巻き付ける際の作業性が悪く問題である。
そこで本発明は、上記問題を鑑みてなされた発明であり、ローラの外周側に加熱用のコイルを配置する構成としてもそのコイルからローラへの加熱効率が高い誘導加熱ローラ装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
本発明の誘導加熱ローラ装置の態様に一つは、レーストラック状に巻回されたコイルに交流電流(例えば20〜30kHzの高周波数の交流電流など)を流してローラを誘導加熱する態様のものを前提に、上記ローラの外側に、固定コア(例えば磁性鋼板の積層コアやフェライトコアなど)及び上記レーストラック状に巻回されたコイルを構成するようにする。
例えば、上記ローラの形状が円筒形状であれば、そのローラ表面を内外の境界としたときのそのローラの外側に固定コアと上記コイルとを構成するようにする。
上記コイル上及び上記固定コア上の少なくとも上記ローラの表面に対向する各面は、それぞれ、上記ローラの表面の外周方向において該表面からの間隔が略一定となるように曲がっているものが良い。
上記コイルのうちの少なくとも加熱対象以外の物体に近接して配置されているコイル端部は上記固定コアの端部から外側にはみ出ないように上記固定コアの範囲内に収納されているものが良い。
なお、上記レーストラック状に巻回されたコイルは、第一のコイル面がローラの表面に平行に該ローラの表面に向かい合わせで配置されており、上記固定コアは、上記第一のコイル面の反対側の第二のコイル面側に配置されている、ことが好ましい。
また、上記固定コアは、上記第二のコイル面に対して平行に該第二のコイル面に向かい合わせで配置されており、且つ、上記コイルの最内周コイルの内側の範囲にロータの表面側に突き出た突出部を有する、とより好ましい。
また、望ましくは、上記固定コアは、更に、上記レーストラック状に巻回されたコイルの最外周コイルの外側の範囲にロータの表面側に突き出た突出部を有する構成のものが良い。
本発明では、誘導加熱ローラ装置のローラ外側に固定コアとコイルを設けるようにした。固定コアがあるため、交流電流が流れることにより生じるコイルの磁場を制御することができる。特に、第一のコイル面をローラの表面に平行に向かい合わせで配置し、上記固定コアを第二のコイル面側に配置した場合に、第二のコイル面側に広がる磁場が上記固定コアを超えて広がることを抑止する。
また、ロータの外周面に鎖交する磁力線の総数を増大させる。更に、その固定コアに上記のような突起部がある場合には、コイル周りの磁力線の軌道をロータの外周面に向かわせるように制御できるので、ロータの外周面に鎖交する磁力線の総数は更に増大する。
また、上記コイル上及び上記固定コア上の少なくとも上記ローラの表面に対向する各面が、それぞれ、上記ローラの表面の外周方向において該表面からの間隔が略一定となるように曲がっている場合には、ロータの外周面に鎖交する磁力線がそのロータの外周方向を貫く距離が長くなるため、ロータの外周方向のより広い範囲で誘導加熱の効果が得られる。
本発明では固定コア及びコイルをローラの内側に構成しないため、それらがローラの内側にあることにより複雑化してしまうそのローラの支持構造を、単純化できる。これと共に、強度確保の要求も緩和されるため、誘導加熱ロータ装置の総重量も低く抑える事が可能となる。よって、軸受け強度の確保も容易となり、モータ容量を低く抑えることが可能になる。
また、固定コアを設けているため、漏れ磁束を抑えることが可能になり、近接する周辺構造物への磁場による影響を抑制できるようになる。
一方、コイル周りの磁力線のループ軌跡がローラ表面とより多く鎖交するようにその磁場をローラ表面側に効率よく導くことが可能になる。これは、少ない電流でローラの従来の加熱力に達する、つまり加熱効率を向上させることに繋がる。
また、これまで以上にコイルの磁場が漏れなくローラ表面の方向に向かうように制御されているため、そのコイルの配置をローラ表面から遠ざけることもできるようになる。この場合、例えば樹脂系の糸類をローラに巻き付ける際の作業性が飛躍的に良くなる。
また、ローラ外側にコイルを設けたことにより、プラスティックや合成繊維などの延伸加熱に使用されるローラの外表面を直接加熱することができ、そのローラの表面温度の立ち上がり時間などの応答性が良くなる。また、放熱性にも優れ、ローラ内側にコイルを設ける場合のようなコイルの冷却対策を施す必要がない。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の誘導加熱ローラ装置の模式図である。
図1(a)は、本発明の誘導加熱ローラ装置を側面から示した図である。また、図1(b)は、図1(a)のA−A´線の位置における断面図である。
同図の誘導加熱ローラ装置1は、例えば合成繊維やプラスティックなどを延伸加熱するためのローラ10と、このローラ10を誘導加熱させる誘導加熱制御手段12と、そして、そのローラ10を回転させるローラ駆動手段14とを備えている。
上記ローラ駆動手段14は、本構成では、支持台140にモータ142の一方の端面142−1を固設し、更にそのモータ142の不図示の出力軸と連結されている回転軸144をその支持台140を通り抜けてその反対面側に突出させるようにして構成している。
上記ローラ10には、例えば鋼材を材料にして底付きの中空円筒形状に成形したものが使用されている。本構成では、ローラ10の軸方向の温度分布を均一化させるために、そのローラ10に更にジャケット(又はヒートパイプ)102を設けている。このジャケット(又はヒートパイプ)102は、ローラ10の表面近傍に(本構成ではローラ10の内部寄りに)、その一端面10−1から他方の端面10−2にかけて回転軸144の方向に配設されている。なお図1(a)では、その内部構成を分かりやすく示すために、ローラ表面を部分的に省略し、その内部構成を回転軸中心の位置における断面図で示している。
このローラ10は、上記モータ142の回転軸144により内部で片持ち支持されており、その円筒体の軸(この軸は、回転軸144の中心軸と一致している)を中心に上記モータ142の回転軸144と一体回転する。
そして、そのローラ10の外部に誘導加熱制御手段12が構成されている。
誘導加熱制御手段12は、レーストラック状に巻回されたコイル120と、このコイル120に交流電流を流すインバータなどの交流電源手段122と、そのコイル122により生じた磁場を制御する固定コア124により構成されている。そして、少なくともこのうちのコイル120及び固定コア124が上記ロータ10の外部に構成されている。
レーストラック状に巻回された同図のコイル120は、そのコイル面(第一のコイル面)をローラ10の表面に向けて配置されている。このコイル120は、1巻きコイルでも良いし、レーストラック状に巻回されたN巻コイルでも良い。また更に、そのN巻きコイルがローラ表面に向けて複数個積層されたものであっても良い。
また、固定コア124は、磁性鋼板の積層コアやフェライトコアなどである。この固定コア124は、ローラ10の表面と向かい合わせのコイル面(第一のコイル面)を表面としその反対側のコイル面(第二のコイル面)を裏面と呼ぶように定義した場合、図に示されているように裏のコイル面側に配置すると良い。図1(b)の断面図では、その一例として、上記コイルを単層5巻きコイルとしたときのコイル断面を示し、その磁力線の軌跡を楕円形状の破線で示した。また、そのコイル断面には、ある時点にコイルに流れる電流の向きも重ねて記号表示した。念のため、同図右側の記号が紙面側から向かってくる方向を示す記号であり、同図左側の記号が紙面側に向かう方向を示す記号である。
このように誘導加熱制御手段12をローラ10の外側に配置した構成では、コイル120に交流電流(例えば20〜30kHzの高周波数の交流電流など)が流されると、その電流の向きの変化に応じてコイル120から発生する磁力線の向きが変化する。そして、その磁力線の変化によりローラ表面上で交番磁界が起こり、ローラ表面に渦電流が発生する。そのときローラ10が回転することにより、周方向のローラ表面が上記コイル120の磁場に曝され、ローラ表面はその渦電流により熱を発生する。
更に、本構成では固定コアを設けているため、コイルから生じた磁場は、その固定コアを超えて広がらないように制御される。特に、裏のコイル面側に固定コアを配置した場合は、同図(b)にそのときの磁力線を示したように裏のコイル面側に発生する磁力線が遠方に広がらないように制御される。これに対して、表のコイル面側に発生する磁力線はロータ表面側へ押し出される。このため、ロータ表面と鎖交する磁力線の数が相対的に増大する。
つまり、固定コアを設けているため、コイル周りの磁力線のループ軌跡がローラ表面とより多く鎖交するようにその磁場をローラ表面側に効率よく導くことが可能になる。これは、少ない電流でローラの従来の加熱力に達する、つまり加熱効率を向上させることに繋がる。
また、ローラ外側にコイルを設けたことにより、プラスティックや合成繊維などの延伸加熱に使用されるローラの外表面を直接加熱することができ、そのローラの表面温度の立ち上がり時間などの応答性が良くなる。また、放熱性にも優れ、ローラ内側にコイルを設ける場合のようなコイルの冷却対策を施す必要がない。
また、固定コアにより、漏れ磁束を抑えることが可能になり、近接する周辺構造物への磁場による影響を抑制できるようになる。
また、これまで以上にコイルの磁場が漏れなくローラ表面の方向に向かうように制御されているため、そのコイルの配置をローラ表面から遠ざけることもできるようになる。この場合、例えば樹脂系の糸類をローラに巻き付ける際の作業性が飛躍的に良くなる。
また、本構成では固定コア及びコイルをローラの内側に構成しないため、それらがローラの内側にあることにより複雑化してしまうそのローラの支持構造の単純化にも繋がる。これと共に、強度確保の要求も緩和されるため、誘導加熱ロータ装置の総重量も低く抑える事が可能となる。よって、軸受け強度の確保も容易となり、モータ容量を低く抑えることが可能になる。
なお、上記においては、中空円筒形状のローラを示したが、その形状は一例に過ぎない。以下でもこの構成を用いて実施例を示すこととするが、本発明はそのロータの形状には限定されない。
以下、固定コア124や、コイル120などの具体的な構造を示し、上記誘導加熱ローラ装置に構成された際のそれぞれの作用効果を説明する。
(実施例1)
図2は、実施例1における固定コアの構造図である。
同図には、斜方向から作図された固定コアの概観図と、更に、ローラ10との位置関係を示すためにローラ10の概観図を固定コアに添えて示している。
実施例1の固定コア200は、ローラ10の外周方向において、そのローラ表面との間隔が略一定となるようにそのローラ表面に追従させた曲面形状の本体200−1を備えている。そして、実施例1では、更に、固定コア200は、本体200−1の中央及び両端においてローラ表面側に突き出た突出部(200−2〜200−4)を備えている。
実施例1では、上記突出部(200−2〜200−4)はローラ10の回転軸方向に向けて本体200−1の両端部に渡って設けられている。
図3は、実施例1の固定コア200に対して配置されるコイルの構造図(その一)である。
図3(a)は、図2のB方向から作図した固定コア及びコイルの底面図である。
図3(b)は、図2のC−C´線の位置における固定コア及びコイルの正方断面図である。
図3(c)は、図2のD−D´線の位置における固定コア及びコイルの側方断面図である。
なお、各図には、ある時点にコイルに流れる電流の向きを図1と同様な記号を用いるなどして示している。
本構造図(その一)のコイル250は、固定コア200の底面(図2のローラ10の表面に対向する側の面)に配置されている。このコイル250は、固定コア本体200−1の中央の突出部200−2を中心に、本体200−1の曲面に沿わせてレーストラック状に外側に向けて巻回されている。そのコイル250は、本体200−1の回転軸方向の両端部において固定コアの本体200−1から外側にはみ出すようにしてその本体200−1の内側へ巻き戻されている。そして、そのコイルの巻き始めと巻き終わりの巻線端末が不図示のインバータ(図1の交流電流供給手段122)に接続され、例えば20〜30kHzの高周波電流が供給される。
図3(b)及び図3(c)には、この構成のときにコイルから発生する磁力線を破線で示している。
上記のように実施例1では、固定コアの本体200−1を、ローラ10の外周方向において、そのローラ表面との間隔が略一定となる曲面形状にした。そして、本体200−1の中央及び両端においてローラ表面側に突き出た突出部(200−2〜200−4)を設けた。そのため、この底面に沿わせて巻回されたコイルから発生する磁力線は、図3(b)に示されるように、第一に固定コアの本体200−1により裏側のコイル面に生じる磁力線の軌道がその本体200−1の曲面形状に沿うように制御される、つまり、ローラ表面に平行するように制御される。そして、第二に突出部(200−2〜200−4)により、裏のコイル面から前のコイル面に回り込む磁力線をローラ表面側に向かわせるように制御され、これに加えて、前のコイル面から裏のコイル面に回り込む磁力線も制御される。
この構造(その一)により、ローラに鎖交する磁力線の総数は増大し、また、ローラ表面の外周方向では、その固定コアの範囲で熱が均一に発生することになる。
また、図3(c)は、固定コアの両端部からはみ出したコイルの線から発生する磁力線を示した図である。同図に示されるように、固定コアからはみ出したコイルの線から発せいする磁力線は、その固定コアによる制御を殆ど受けないため周囲に広がる。
周囲の構造物はそのコイルからの漏れ磁束の影響により誘導電流が生じ加熱するため、コイルまたは構造物に磁気遮蔽板を設けるなどの対策が必要である。
また、磁気遮蔽板を設毛ない場合は、その漏れ磁束の影響を受けないために、そのコイルを周囲の構造物(例えばモータの支持台など)からなるべく遠ざけて配置することが必要となる。
図4は、実施例1の固定コア200に対して配置されるコイルの構造図(その二)である。
本構造図(その二)も上述した構造図(その一)と同様にして、底面図、正方断面図、及び側方断面図を示しし、各図には、ある時点にコイルに流れる電流の向きを図1と同様な記号を用いるなどして示している。
以下では、構成(その一)と異なる点を説明する。
本構造(その二)のコイル280は、構造(その一)のコイル250において、他の構造物(本例ではモータの支持台)が隣接する側の固定コア本体からはみ出したコイル線をその固定コア本体の端部から垂直に折り曲げた構造をしている。
この構造(その二)では、図4(c)に示されるように、垂直に立ち上げられたコイル線から生じる磁力線の他の構造物への影響が抑制される。
よって、構造(その二)は、構造(その一)よりもコイルを他の構造物に近い位置に配置できる。
(実施例2)
図5は、実施例2における固定コアの構造図である。
同図には、実施例1と同じ要領で、斜方向から作図された固定コアの概観図と、更に、ローラ10との位置関係を示すためにローラ10の概観図を固定コアに添えて示している。
以下では、実施例1と異なる点を説明する。
実施例2の固定コア300は、実施例1の固定コア200の本体中央に設けられた突出部200−2の構造が異なる。
実施例2の固定コア300の本体中央の突出部300−2は、本体200−1の回転軸方向の両端部及びその近傍の内側領域に、コイル線を折り返すための切り欠き部を設けている。つまり、この領域においてその突出部を構成していない。
図6は、実施例2の固定コア300に対して配置されるコイルの構造図(その三)である。本構造図(その三)も上述した構造図(その一やその二)と同様にして、底面図、正方断面図、及び側方断面図を示しし、各図には、ある時点にコイルに流れる電流の向きを図1と同様な記号を用いるなどして示している。
以下では、構成(その1)と異なる点を説明する
本構造図(その三)のコイル350は、固定コア本体200−1の中央の突出部350−2を中心に、本体200−1の曲面に沿わせてレーストラック状に外側に向けて巻回されている。そのコイル350は、本体200−1の回転軸方向の両端部において固定コアの本体200−1から外側にはみ出さないようにしてその本体200−1の内側に収納されている。
図6(c)は、固定コアの両端部におけるコイルの折り返しの線から発生する磁力線を示した図である。同図に示されるように、コイルの線が固定コア内に収納されているため、そのコイルから発生する磁力線はそのコイルの折り返し部においても固定コアによって制御され、他の構造物への広がりを抑制する。
このため、この構造(その三)の場合には、他の構造物(例えばモータの支持台など)がその磁力線による影響を殆ど受けないため、そのコイルを他の構造物に隣接して配置することができる。
よって、これまで周囲の構造物への影響を考慮してその構造物からなるべく遠ざけて配置していた場合でも、本構造(その三)にすることにより、周囲の構造物への影響を考慮することなく、ロータ表面を加熱するための最適な場所にコイルを配置できるようになる。
なお、構造(その三)の上記説明では、コイルの最外周の折り返し部分が固定コアの端部に一致するようにコイルを固定コアに収納させている図を用いたが、コイルの最外周が固定コアの内側にあればよい、つまり、コイルの最外周の外側に固定コアの本体が飛び出している構造をとってもよい。
(実施例3)
図7は、実施例3における固定コアの構造図である。
同図には、実施例1と同じ要領で、斜方向から作図された固定コアの概観図と、更に、ローラ10との位置関係を示すためにローラ10の概観図を固定コアに添えて示している。
以下では、実施例1と異なる点を説明する。
実施例3の固定コア400は、実施例1の固定コア200の本体中央に設けられた突出部200−2の構造が異なる。
実施例3の固定コア400の本体中央の突出部400−2は、本体200−1の回転軸方向の端部(他の構造物がある側の端部)及びその近傍の内側領域に、コイル線を折り返すための切り欠き部を設けている。つまり、この領域においてその突出部を構成していない。
図7は、実施例3の固定コア400に対して配置されるコイルの構造図(その四)である。本構造図(その四)も上述した構造図(その一やその二やその三)と同様にして、底面図、正方断面図、及び側方断面図を示しし、各図には、ある時点にコイルに流れる電流の向きを図1と同様な記号を用いるなどして示している。
以下では、構成(その一)と異なる点を説明する
本構造図(その四)のコイル450は、固定コア本体200−1の中央の突出部450−2を中心に、本体200−1の曲面に沿わせてレーストラック状に外側に向けて巻回されている。そのコイル450は、本体200−1の回転軸方向の端部(本例では、モータの支持台が構成されている端部)において固定コアの本体200−1から外側にはみ出さないようにしてその本体200−1の内側に収納されている。
図8(c)は、固定コアの上記端部におけるコイルの折り返しの線から発生する磁力線を示した図である。同図に示されるように、コイルの線が固定コア内に収納されているため、そのコイルから発生する磁力線はそのコイルの折り返し部においても固定コアによって制御され、他の構造物への広がりを抑制する。
このため、この構造(その四)の場合には、他の構造物(例えばモータの支持台など)がその磁力線による影響を殆ど受けないため、そのコイルを他の構造物に隣接して配置することができる。
よって、これまで周囲の構造物への影響を考慮してその構造物からなるべく遠ざけて配置していた場合でも、本構造(その四)により、ロータ表面を加熱するための最適な場所にコイルを配置できるようになる。また、他の構造物がない側の固定コア端部では、コイルを固定コア内に収納する必要がないため、固定コアの材料をその分だけ削減することもできるようになる。
なお、構造(その四)の上記説明では、コイルの最外周の折り返し部分が固定コアの端部に一致するようにコイルを固定コアに収納させている図を用いたが、コイルの最外周が固定コアの内側にあればよい、つまり、コイルの最外周の外側に固定コアの本体が飛び出している構造をとってもよい。
以上、実施例1から3に示した構成は、一例である。このため、各実施例に示した構成をそれぞれ組み合わせたり、又は、その他に構成を組み合わせるなどして本発明を実施しても良い。
以上のように本実施の形態では、誘導加熱ローラ装置のローラ外側に固定コアとコイルを設けるようにした。固定コアがあるため、交流電流が流れることにより生じるコイルの磁場を制御することができる。特に、第一のコイル面をローラの表面に平行に向かい合わせで配置し、上記固定コアを第二のコイル面側に配置した場合に、第二のコイル面側に広がる磁場が上記固定コアを超えて広がることを抑止する。
また、ロータの外周面に鎖交する磁力線の総数を増大させる。更に、その固定コアに上記のような突起部がある場合には、コイル周りの磁力線の軌道をロータの外周面に向かわせるように制御できるので、ロータの外周面に鎖交する磁力線の総数は更に増大する。
また、上記コイル上及び上記固定コア上の少なくとも上記ローラの表面に対向する各面が、それぞれ、上記ローラの表面の外周方向において該表面からの間隔が略一定となるように曲がっている場合には、ロータの外周面に鎖交する磁力線がそのロータの外周方向を貫く距離が長くなるため、ロータの外周方向のより広い範囲で誘導加熱の効果が得られる。
固定コア及びコイルをローラの内側に構成しないため、それらがローラの内側にあることにより複雑化してしまうそのローラの支持構造を、単純化できる。これと共に、強度確保の要求も緩和されるため、誘導加熱ロータ装置の総重量も低く抑える事が可能となる。よって、軸受け強度の確保も容易となり、モータ容量を低く抑えることが可能になる。
また、固定コアを設けているため、漏れ磁束を抑えることが可能になり、近接する周辺構造物への磁場による影響を抑制できるようになる。
一方、コイル周りの磁力線のループ軌跡がローラ表面とより多く鎖交するようにその磁場をローラ表面側に効率よく導くことが可能になる。これは、少ない電流でローラの従来の加熱力に達する、つまり加熱効率を向上させることに繋がる。
また、これまで以上にコイルの磁場が漏れなくローラ表面の方向に向かうように制御されているため、そのコイルの配置をローラ表面から遠ざけることもできるようになる。この場合、例えば樹脂系の糸類をローラに巻き付ける際の作業性が飛躍的に良くなる。
また、上記実施例では高周波電流を使用した。このため、商用周波数では数百ターンあったコイル巻数が十ターン程度で済むのでコイルを小形化できる。
また、コイル巻数が少ないため構造が簡単で、製作コストの削減が図れる。
また、インバータ電源を使うことにより熱効率、電力力率が良いので運用時のランニングコストの低減が可能となる。
また、コイルをローラの外側にしたことにより、ローラ構造、ローラの支持構造を簡素化でき、回転軸、軸受け、モータにかかるコストを削減できる。
また、コイルを配置する十分なスペースが無い場合でも、コイルを分割して配置すれば、作業性に支障をきたすことなく設置することも可能になる。
本発明の誘導加熱ローラ装置の模式図である。。 実施例1における固定コアの構造図である。。 実施例1の固定コア200に対して配置されるコイルの構造図(その一)で 実施例1の固定コア200に対して配置されるコイルの構造図(その二)である。 実施例2における固定コアの構造図である。 実施例2の固定コア300に対して配置されるコイルの構造図(その三)である。 実施例3における固定コアの構造図である。 実施例3の固定コア400に対して配置されるコイルの構造図(その四)である。
符号の説明
1 誘導加熱ローラ装置
10 ローラ
12 誘導加熱制御手段
14 ローラ駆動手段
102 ジャケット(又はヒートパイプ)
120 コイル
122 交流電源手段
124 固定コア
140 モータ
142 支持台
144 回転軸

Claims (6)

  1. レーストラック状に巻回されたコイルに交流電流を流してローラを誘導加熱する誘導加熱ローラ装置において、
    前記ローラの外側に、固定コア及び前記レーストラック状に巻回されたコイルを有する、
    ことを特徴とする誘導加熱ローラ装置。
  2. 前記レーストラック状に巻回されたコイルは、第一のコイル面がローラの表面に平行に該ローラの表面に向かい合わせで配置されており、
    前記固定コアは、前記第一のコイル面の反対側の第二のコイル面側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱ローラ装置。
  3. 前記固定コアは、
    前記第二のコイル面に対して平行に該第二のコイル面に向かい合わせで配置されており、且つ、前記コイルの最内周コイルの内側の範囲にロータの表面側に突き出た突出部を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱ローラ装置。
  4. 前記固定コアは、更に、前記レーストラック状に巻回されたコイルの最外周コイルの外側の範囲にロータの表面側に突き出た突出部を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱ローラ装置。
  5. 前記コイル上及び前記固定コア上の少なくとも前記ローラの表面に対向する各面は、それぞれ、前記ローラの表面の外周方向において該表面からの間隔が略一定となるように曲がっている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の内の何れか一つに記載の誘導加熱ローラ装置。
  6. 前記コイルのうちの少なくとも加熱対象以外の物体に近接して配置されているコイル端部は前記固定コアの端部から外側にはみ出ないように前記固定コアの範囲内に収納されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の内の何れか一つに記載の誘導過熱ローラ装置。
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