JP2008058735A - 記録装置及び媒体搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体の搬送制御を好適に行うことができるうえ、制御内容が比較的簡単で済む記録装置及びその媒体搬送方法を提供する。
【解決手段】給紙ローラを駆動させるASFモータと紙送りローラを駆動させるPFモータのうち、与えられたモータ協調制御条件に応じて先に駆動される一方のモータと、後から駆動される(待機させる)他方のモータが決定される(S1)。また、与えられた条件に応じて決まる待機距離から待機終了位置が設定される(S4,S11)。先に駆動された一方のモータの駆動量に応じた計数値で示される位置パラメータとしての現在位置が、待機終了位置に達すると、他方のモータの駆動を開始させる(S5,S6,S8,S9と、S12,S13,S15,S17)。また、待機距離が零の場合は、ASFモータとPFモータが同時に駆動される(S2,S3)。
【選択図】図6

Description

本発明は、媒体の給送及び搬送を行うとともに搬送中の媒体に画像等の記録を行う記録装置及び媒体搬送方法に関する。
従来、記録装置の1種であるプリンタには、自動給紙装置(以下、ASF(Auto Sheet Feeder )という)を備えるものがある(例えば特許文献1等)。ASFにセットされた用紙は、印刷を開始する際にASFが駆動されて給紙され、印刷開始位置に自動的に頭出しされる。
ASFは、先行用紙が給紙されて1枚の用紙の排紙が終わると、次の後続用紙の給紙が開始される。しかし、この給紙方法では、先行用紙の排紙が終わった後、次の後続用紙の給紙動作が開始されるので、先行用紙と後続用紙の間隔が広く開き、先行用紙の印刷が終わってから、次の後続用紙の印刷が開始されるまでに待ち時間が発生する。これが、印刷処理時間が長くなる一つの原因となっていた。
この種の問題を解決するため、例えば特許文献1には、先行用紙の排紙動作と、後続用紙の給紙動作を同時並行で進め、先行用紙の印刷終了後、後続用紙への印刷開始までの待ち時間を短くする印刷装置(記録装置)が開示されている。この印刷装置によれば、印刷のスループットを向上できる。
ところで、特許文献1の技術では、複数の搬送ローラが別々のモータにより駆動される構成であった。そして、後続用紙(次頁の記録シート)の搬送開始時期を、先行用紙(現頁の記録シート)の後端が搬送ローラを通過してから行う構成とし、先行用紙と後続用紙との重送を防ぐようにしていた。つまり、特許文献1の技術においては、搬送ローラの駆動を停止させて先行用紙が重送防止可能な位置まで搬送されるのを待ってから、搬送ローラの駆動を開始する構成であった。そして、以後、先行用紙が紙送りされるときは、後続用紙の搬送は、先行用紙の紙送り量と同じ搬送量だけ同期して搬送される。
特開2005−96450号公報
しかし、特許文献1の技術では、先行用紙と後続用紙との間に間隔を確保する具体的なモータ制御の内容については開示されていなかった。複数の搬送ローラを別々に駆動させる複数のモータは、用紙を好適に搬送するためには適切に協調して制御される必要がある。例えば特許文献1の技術においては、搬送ローラの駆動を停止させて先行用紙が重送を防止できる位置まで搬送されるのを待ってから、搬送ローラの駆動を開始させる。この場合、後続用紙の搬送開始を待つために停止中の上流側の搬送ローラ(第1搬送ローラという)を駆動させるモータ(第1モータという)と、重送しなくなる位置まで先行用紙を搬送する下流側の搬送ローラ(第2搬送ローラという)を駆動させるモータ(第2モータという)とを適切に協調制御する必要がある。この場合、第1モータは第2モータの駆動開始に遅れた所定のタイミングで起動されることになる。
また、用紙が第1搬送ローラと第2搬送ローラの両方にニップされた状態で搬送される場合、第1モータと第2モータの起動タイミングが同じであると、用紙のニップ間の部分に過度な引っ張りが働いて用紙が破損するなどの不具合が心配される。この対策としては、第1モータが先に駆動され、第2モータは第1モータの駆動開始に遅れた所定のタイミングで起動されることにより、用紙を若干弛ませて搬送させる方法が挙げられる。このように用紙を搬送する複数の搬送ローラを別々のモータで協調制御する場合、どちらのモータが先に駆動されるかはそのときの条件次第で変わり、しかも協調させるタイミングのずれも条件次第で変わるので、制御内容が複雑になるという問題があった。そのため、条件に応じて第1モータと第2モータのうちどちらが先に駆動されることになっても、好適にしかも比較的簡単な制御で用紙搬送を実現できるモータ制御方法が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、媒体の搬送制御を好適に行うことができるうえ、制御内容が比較的簡単で済む記録装置及びその媒体搬送方法を提供することにある。
本発明は、媒体を搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段より搬送方向下流側の位置で前記媒体を搬送する第二搬送手段と、該第一及び第二搬送手段により搬送される媒体に記録を施す記録手段とを備えた記録装置であって、前記第一搬送手段及び第二搬送手段のうち条件に応じて先に駆動される一方の搬送手段を決定し、先に駆動される一方の搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される他方の搬送手段の起動タイミングを制御する制御手段とを備えたことを要旨とする。
これによれば、第一搬送手段及び第二搬送手段のうち条件に応じて先に駆動される一方の搬送手段が決定され、先に駆動される一方の搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される他方の搬送手段の起動タイミングが制御される。このため、条件に応じてどちらの搬送手段が先に駆動されようとも、先に駆動された搬送手段の駆動量に応じた所定のタイミングで、他方の搬送手段の駆動を開始することができる。よって、第一及び第二搬送手段の駆動タイミングをずらして、媒体を適切に搬送する場合、駆動タイミングを正確にずらして、媒体の適切な搬送を正確に制御できる。
また、本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第一搬送手段である場合は、該第一搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第一搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第二搬送手段の起動タイミングを制御し、一方、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第二搬送手段である場合は、該第二搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第一搬送手段の起動タイミングを制御することが好ましい。
これによれば、先に駆動される搬送手段が第一搬送手段である場合は、第一搬送手段の駆動が先に開始されるとともに、第一搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される第二搬送手段の起動タイミングが制御される。一方、先に駆動される搬送手段が第二搬送手段である場合は、第二搬送手段の駆動が先に開始されるとともに、第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される第一搬送手段の起動タイミングが制御される。よって、第一搬送手段と第二搬送手段のうちどちらが先に駆動されるものとして選択されても、第一搬送手段と第二搬送手段が逆転するだけで、制御内容は同じなので、第一及び第二搬送手段の制御内容が簡単になる。
また、本発明の記録装置では、前記第一搬送手段を駆動させる第一駆動源と、前記第二搬送手段を駆動させる第二駆動源とを備え、前記制御手段は、前記第一及び第二駆動源のうち条件に応じて先に駆動される駆動源を決定し、先に駆動される駆動源の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される駆動源の起動タイミングを制御することが好ましい。
これによれば、第一及び第二駆動源のうち条件に応じて先に駆動される駆動源が決定され、先に駆動される駆動源の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される駆動源の起動タイミング(駆動開始タイミング)が制御される。第一搬送手段と第二搬送手段がそれぞれ別々の駆動源で駆動されるので、駆動タイミングをずらす制御の精度が出やすい。例えば駆動源を共通にして電磁クラッチで第一及び第二搬送手段の駆動タイミングをずらす構成も可能ではあるが、この構成に比べ、独立した駆動源をそれぞれ制御する構成の方が、駆動タイミングをずらす制御の精度が出やすい。
また、本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に駆動される駆動源が駆動開始されてから、後から駆動される駆動源の起動タイミングを示す前記先に駆動される駆動源の駆動量で示された待機量を前記条件に応じて設定し、前記位置パラメータが前記待機量ら決まる待機終了位置に達したら、前記後から駆動される駆動源に対し駆動許可を与えることが好ましい。
これによれば、先に駆動される駆動源が駆動開始されてから、後から駆動される他方の駆動源の起動タイミングを示す待機終了位置が前記条件に応じて設定される。そして、先に駆動される駆動源の駆動量に応じた位置パラメータが待機終了位置に達したら、後から駆動される駆動源に対し駆動許可が与えられる。条件に応じた駆動終了位置が設定されるので、条件に応じた適切な媒体の搬送制御を行うことができる。
また、本発明の記録装置では、前記制御手段は、前記待機量が零に相当する設定値である場合、前記第一駆動源と前記第二駆動源の各々の駆動を略同時に開始させることが好ましい。
これによれば、待機量が零に相当する設定値である場合、第一駆動源と前記第二駆動源の各々の駆動が略同時に開始される。このため、第一及び第二駆動源の駆動タイミングをずらしたくない場合は、待機量が零に相当する値の設定値を設定すればよく、起動タイミングをずらすときだけでなく、略同時に駆動させたい場合も、同じ制御を用いることができるので、制御が比較的簡単に済む。
また、本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に駆動される駆動源が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラー以外で停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させて、後から駆動される当該駆動源の駆動を開始させることが好ましい。
これによれば、先に駆動される駆動源が、待機終了位置に達する前にエラー以外で停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させて後から駆動される当該駆動源の駆動が開始される。このため、先に駆動される駆動源が、待機終了位置に達する前にエラー以外で停止した場合、後から駆動されるはずの駆動源が、エラーでないにも拘わらず、駆動されずに放置される不都合を回避できる。
さらに本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に駆動される駆動源が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させて、後から駆動される当該駆動源を駆動させないことが好ましい。
これによれば、先に駆動される駆動源が、待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させ、待機していた当該駆動源は駆動されない。このため、先に駆動される駆動源が、待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合、後から駆動されるはずの駆動源が、エラーであるにも拘わらず、駆動されてしまう不都合を回避できる。
また、本発明の記録装置では、前記与えられた条件とは、指示された搬送動作が前記媒体を前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方で搬送する搬送動作であることであり、前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方に媒体が搬送される搬送動作であるか否かを判断する判断手段を更に備え、前記制御手段は、前記判断手段により前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方に媒体が搬送される搬送動作であると判断された場合、前記第一搬送手段を先に駆動されるものとして決定するとともに、前記第二搬送手段を後から駆動されるものとして決定し、前記位置パラメータが前記媒体における前記第一搬送手段と第二搬送手段のそれぞれが該媒体と係合する両係合位置間における部分に弛みを付与しうる所定値に達すると、前記第二搬送手段の駆動を開始させることが好ましい。
これによれば、第一及び第二搬送手段の少なくとも両方に媒体が搬送される搬送動作であると判断された場合、第一搬送手段が先に駆動されるものとして決定されるとともに、第二搬送手段が後から駆動されるものとして決定される。そして、第一搬送手段の駆動が開始された後、該第一搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが、媒体における第一搬送手段と第二搬送手段との両係合位置間における部分に弛みを付与しうる所定値に達すると、第二搬送手段の駆動が開始される。この結果、媒体は、第一搬送手段と第二搬送手段との両係合位置間における部分に弛みが付与された状態で搬送される。よって、媒体が過度な引っ張りが付与された状態で搬送されることを回避できる。
また、本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に給送される先行媒体を前記第一及び第二搬送手段の両方で搬送し、該先行媒体が前記第一搬送手段により搬送されなくなる所定位置まで搬送されると、前記第一搬送手段の駆動を一旦停止させて先行媒体と後続媒体との間隔が所定距離になるまで待ってから、前記第一搬送手段による後続媒体の搬送を開始させるように前記第一及び第二搬送手段を駆動制御し、
前記第一搬送手段が前記所定位置で一旦停止させた後、前記先行媒体と後続媒体との前記間隔を開けるために当該第一及び第二搬送手段を駆動させる条件が成立した場合は、前記第二搬送手段を先に駆動させる一方として決定し、該第二搬送手段の駆動を開始するとともに、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが前記間隔に相当する値に達すると、前記第一搬送手段の駆動を開始させることが好ましい。
これによれば、先に給送される先行媒体を第一及び第二搬送手段の両方で搬送し、該先行媒体が第一搬送手段により搬送されなくなる所定位置まで搬送されると、第一搬送手段の駆動が一旦停止されると、該第一搬送手段の停止に伴って第二搬送手段の駆動も一旦停止される。この第一及び第二搬送手段の一旦停止後、先行媒体と後続媒体との間隔を開けるために第一及び第二搬送手段を駆動させる条件を満たす場合、制御手段により、第二搬送手段が先に駆動される一方として決定され、第二搬送手段の駆動が先に開始され、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが前記間隔に対応する所定値に達すると、第一搬送手段の駆動が開始される。この結果、第二搬送手段の駆動開始後、先行媒体と後続媒体との間隔が所定距離になるまで待ってから、第一搬送手段による後続媒体の搬送が開始される。よって、先行媒体と後続媒体との間に必要な間隔を確保できる。例えば先行媒体と後続媒体の重送を回避したり、後続媒体の先端をセンサで検知したりすることが可能になる。
さらに本発明の記録装置では、一枚の媒体に記録を行う過程で搬送動作が複数回繰り返される構成の記録装置であって、前記所定位置を通過する媒体の搬送動作であるか否かを判断する判断手段を更に備え、前記制御手段は、前記判断手段により前記所定位置を通過する媒体の搬送動作であると判断されると、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段とが一旦停止された後の駆動開始に際して、前記第二搬送手段を先に駆動されるものとして決定するとともに、前記第一搬送手段を後から駆動されるものとして決定し、該第二搬送手段の駆動を開始させ、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが前記間隔に相当する所定値に達すると、前記第一搬送手段の駆動を開始させることが好ましい。
これによれば、搬送動作が複数回繰り返されて一枚の媒体への記録が行われる。指示された搬送動作が、媒体が所定位置を通過する搬送動作であると判断されると、第一及び第二搬送手段の一旦停止後における駆動開始に際して、第一搬送手段が先に駆動されるものとして決定されるとともに、第二搬送手段が後から駆動されるものとして決定される。そして、制御手段により、第二搬送手段の駆動が先に開始され、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが、前記間隔に相当する所定値に達すると、第一搬送手段の駆動が開始される。この結果、先行媒体と後続媒体との間に必要な間隔が確保される。
また、本発明の記録装置では、前記第一搬送手段は、媒体を給送する給送手段であり、前記第二搬送手段は、該給送手段により給送された媒体を該給送手段の搬送方向下流側の位置で搬送する媒体送り手段であることが好ましい。
これによれば、給送手段と、該給送手段により給送された媒体を搬送する媒体送り手段との両方により搬送される媒体を適切に搬送させることができる。
また、本発明は、媒体を搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段により搬送された媒体を搬送する第二搬送手段と、該第二搬送手段により搬送される媒体に記録を施す記録手段とを備えた記録装置における媒体搬送方法であって、与えられた条件に応じて前記第一及び第二搬送手段のうち先に駆動される一方を決定する先駆動決定ステップと、前記第一及び第二搬送手段のうち先に駆動される一方の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される他方の起動タイミングを制御する制御ステップとを備えたことを要旨とする。この媒体搬送方法によれば、上記の記録装置の発明と同様の効果が得られる。
以下、本発明をプリンタに具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図2は、本実施形態におけるプリンタの斜視図である。
記録装置としてのプリンタ11は、例えばインクジェット式プリンタである。プリンタ11には、本体12の背面側に媒体としての用紙Pを給紙する第一搬送手段及び給送手段としての自動給紙装置(Auto Sheet Feeder;以下、ASF13という)が装備されている。ASF13には、給紙トレイ14、ホッパー15、エッジガイド16及び用紙サポート14aを備えた用紙ガイド17が取着されている。ASF13は用紙ガイド17にセットされた用紙を1枚ずつ本体12内に給紙する給紙駆動機構を備える。
また、本体12内には主走査方向(図2におけるX方向)に往復動するキャリッジ18が設けられ、キャリッジ18の下部に記録ヘッド19が備えられている。キャリッジ18を主走査方向Xに移動させる過程で記録ヘッド19から用紙Pにインクを噴射する記録動作と、用紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する紙送り動作とを交互に繰り返すことによって、用紙Pへの印刷が行われる。印刷された用紙Pは本体12の前側下部に開口する排紙口12Aから排出されるようになっている。なお、キャリッジ18及び記録ヘッド19により記録手段が構成される。
図1は自動給紙装置及び搬送装置を示す。図1に示すように、本体背面部に斜状に配置された給紙トレイ14の上面側にはホッパー15が上端部の軸15aを中心として所定角度の範囲を傾動可能な状態に支持されている。ホッパー15は給紙トレイ14との間に介装された圧縮バネ21によって、給紙トレイ14から離間する方向(図1における左上方向)に付勢されている。
ホッパー15の下端付近には、円柱状の給紙ローラ22が回転軸23を中心に回転可能な状態に配置されている。ホッパー15は、図1(a)に示す退避位置と図1(b)に示す給紙位置との間を往復動するようになっている。
給紙トレイ14の下流側(図1における左側)端部上面には案内部14bが設けられている。また、案内部14bの上端近傍位置には給紙ローラ22と対向する位置にリタードローラ24が配置されている。リタードローラ24は、トルクリミッター等のトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与された状態で従動回転可能かつ給紙ローラ22に対し接近・離間可能に設けられている。本実施形態では、ホッパー15及びリタードローラ24は連動して動作するように構成されている。
ASF13より用紙搬送方向下流側位置には、インクカートリッジ26を搭載したキャリッジ18がガイド軸27に沿って主走査方向X(図1の紙面直交方向)に移動可能に設けられている。記録ヘッド19の下方には所定の間隔を開けてプラテン28が配置されている。プラテン28を副走査方向(同図左右方向)に挟んだその両側には紙送りローラ29と排紙ローラ30とがそれぞれ配置されている。
紙送りローラ29は搬送駆動ローラ29aと搬送従動ローラ29bとの一対からなり、排紙ローラ30は排紙駆動ローラ30aと排紙従動ローラ30bとの一対からなる。本実施形態では、搬送駆動ローラ29aと排紙駆動ローラ30aは、同一の駆動源であるPFモータ58(紙送りモータ)(図5参照)によって駆動され、それぞれ協働して用紙Pの紙送り・排紙等を行う。給紙ローラ22は、ASFモータ56(給紙モータ)(図5参照)により駆動され、紙送りローラ29と協働して用紙Pの給紙・紙送り等を行う。
給紙ローラ22と紙送りローラ29との間には、その下端が用紙搬送経路に達する長さで延出するレバー31と、レバー31の上端部を検知対象とする光学式のセンサ部32とからなる紙検出センサ33が設けられている。紙検出センサ33は、レバー31の下端を押す用紙Pが無い状態ではレバー31がバネの付勢力で図1(a)に示す原位置に復帰してオフしており、給紙の途中で用紙P1がレバー31の下端を押してこれを図1(b)に示すように回動させるとオンする。詳しくは、センサ部32は発光器と受光器とを備え、発光器からの投光を遮っていたレバー31が用紙P1に押されて回動し、その投光が受光器により受光されることで紙検出センサ33がオンする構成である。
リタードローラ24は、図1(a)に示すように給紙ローラ22の外周面から離間する退避位置と、図1(b)に示すように給紙ローラ22の外周面に当接する給紙位置との間を上下動可能に構成されている。印刷が行われていない図1(a)に示す待機時には、リタードローラ24は下方へ移動して給紙ローラ22から離間する退避位置に配置される。一方、図1(b)に示す印刷時には、リタードローラ24が上動して給紙ローラ22との間に用紙をニップ可能な位置に配置され、これに連動してホッパー15が圧縮バネ21の付勢方向へ傾動して、ホッパー15上に積重された用紙Pが給紙ローラ22に押し付けられる。
ホッパー15が上動することで給紙ローラ22に付勢された用紙Pは、そのうち最上位の1枚が給紙ローラ22の回転によって給紙ローラ22とリタードローラ24との間に挟持されつつ給紙される。この給紙過程においてリタードローラ24の回転抵抗と、給紙ローラ22の周面の摩擦抵抗と、用紙Pの表面の摩擦抵抗とのバランスによって、給紙ローラ22に付勢された用紙Pは、そのうち最上位の1枚の用紙P1のみが、他の用紙から分離されて給紙される。
リタードローラ24およびホッパー15は、用紙の頭出しが終わった時に次に給紙すべき次ページがない場合に退避位置へ復帰する。よって、給紙すべき次ページの用紙があるうちは、ホッパー15及びリタードローラ24は図1(b)に示す給紙位置に保持される。
給紙ローラ22を継続的に回転させると、先に給紙された先行用紙P1と次ページの後続用紙P2が隙間なく連続的に給紙されて間隔が確保されなくなる。しかし、先行用紙P1と後続用紙P2との間に所定の間隔がないと、先行用紙P1の後端が紙検出センサ33のレバー31の下端を過ぎても、レバー31が図1(a)に示す原点位置に復帰できず、後続用紙P2の先端を検知できなくなる。
用紙P1,P2間に間隔を確保する方法としては、先行用紙P1が給紙ローラ22とリタードローラ24の間にニップされなくなる位置(図3参照)まで給紙される度に、ホッパー15及びリタードローラ24を退避位置へ移動させる方法が挙げられる。しかし、この方法によると、1秒以下の僅かな時間の退避であっても、その退避が例えば排紙時あるいは比較的長い紙送り量の紙送り動作時に行われると、先行用紙と後続用紙との間隔が開き過ぎてしまい、印刷のスループットを低下させる原因となる。そこで、本実施形態では、ホッパー15及びリタードローラ24を給紙位置に保持したまま、給紙ローラ22と紙送りローラ29のそれぞれを駆動する別々のモータを協調制御することで、先行用紙と後続用紙との間に必要な間隔を確保するページ間制御が採用されている。なお、このページ間制御の内容については後述する。
給紙された用紙P1は、先端部分が紙送りローラ29間を通ってキャリッジ18とプラテン28間の印刷開始位置に頭出しされる。記録ヘッド19の下面にはインクを噴射する多数のノズル(ノズル群)が開口しており、ノズル群のうち搬送方向最上流に位置するノズル(最上流ノズルと称す)の位置がヘッド基準位置(図1(b)における「▼」の位置)であり、このヘッド基準位置に用紙上の印刷開始位置が一致する位置まで用紙P1を搬送することで、用紙P1の頭出しは行われる。
頭出し位置は、用紙上の印刷開始位置を決めている余白(トップマージン)や縁なし印刷などのレイアウト条件に応じて決まり、給紙の際にはその頭出し位置に応じた搬送距離が指示される。用紙P1の給紙終了後(つまり頭出し後)、記録ヘッド19の印刷動作と紙送り動作とが交互に実施さて、印刷は進められる。
本実施形態では、給紙された用紙が頭出しされるまでの用紙搬送が「給紙動作」、頭出しされた用紙の印刷が終わるまでの用紙搬送が「紙送り動作」、印刷が終わった用紙の後端が紙検出センサ33に検知されなくなるまでの用紙搬送が「排紙動作」として定義されている。なお、印刷が終わった時点で既に用紙後端が紙検出センサ33に検知されなくなる位置まで用紙の搬送が進んでいる場合は、その用紙に対する排紙動作は行われず、後続用紙の給紙動作が行われ、この給紙動作に伴い連動して排紙ローラ30が回転することで先行用紙の排紙が行われる。
図3は、自動給紙装置(ASF)および搬送装置(PF)を側面から見た模式図である。同図を用いて、ページ間制御処理において定義される各種の位置および距離を説明する。記録ヘッド19の最上流ノズル位置がヘッド基準位置Hである。ヘッド基準位置H(最上流ノズル)〜紙送りローラニップ点間の距離が「La」、紙送りローラニップ点〜紙検出センサ33間の距離が「Lb」、紙検出センサ33〜給紙ローラニップ点(給紙ローラ22とリタードローラ24とのニップ点)間の距離が「Lc」となっている。
先行する用紙P1が図3の位置まで搬送されれば、用紙P1は給紙ローラ22のニップから解放される。このため、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされている間(図1(b)参照)は、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを略同速度の搬送速度で同期させて駆動させる必要があるが、図3の位置まで搬送された以後は、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを略同速度の搬送速度で駆動させる必要はなくなる。ここで、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29との2箇所(係合位置間)でニップされている期間において、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを略同速度で同期させて駆動させるのは、先行用紙P1が両ニップ間の部分で過度に引っ張られたり過度に弛んだりして不適切な搬送となってしまうことを回避するためである。
しかし、用紙P1の搬送方向上流側の端部(後端)が給紙ローラ22のニップから解放された以後は、先行用紙P1と次ページの用紙P2(後続用紙)は個別に搬送されるので、給紙ローラ22と紙送りローラ29の搬送を同期させる必要はなくなる。本実施形態では、先行用紙P1の後端が給紙ローラ22のニップから解放された位置になると、給紙ローラ22の回転を一旦停止させ、この停止中に、紙送りローラ29による用紙P1の搬送が進んで、先行用紙P1と後続用紙P2との間に規定の隙間(間隔)が確保された後、給紙ローラ22の回転を再開して、後続用紙P2の給紙を再開する構成となっている。このようなページ間制御処理を行うことにより、用紙P1,P2間に必要な隙間を確保する。用紙P1,P2間に規定の隙間が確保されることで、その後、隙間によって紙検出センサ33がオフしてから、後続用紙P2の先端を検知してオンするので、この後続用紙P2を紙検出センサ33により検知することができる。よって、紙検出センサ33により検知された位置を基準とし、該基準の位置から所定の距離を搬送して行われる後続用紙P2の頭出しが可能になる。
先行用紙P1が給紙ローラ22によるニップから解放された後、給紙ローラニップ点から後続用紙P2の先端が距離「Ld」だけ飛び出した位置に、給紙ローラ22の回転を停止させる停止位置であるページ間制御位置Gを設定している。この飛び出す距離「Ld」は、先行用紙P1が給紙ローラ22のニップから確実に解放されてから給紙ローラ22を停止できるマージンに相当する。本実施形態では、ヘッド基準位置Hと対向する位置に用紙P1の先端が達したときを「0」として、その後の用紙P1の搬送距離を紙送り量カウンタ65(図5参照)により計数することで、用紙P1の先端からヘッド基準位置Hまでの距離を示す計数値Nxにより、用紙P1の位置を管理している。つまり、計数値Nxによりヘッド基準位置Hと対向する用紙P1上の位置を管理することにより用紙P1の位置を管理している。ここで、先行用紙P1の後端がページ間制御位置Gに達したときにヘッド基準位置Hと対向する用紙P1上の位置をページ間制御位置Ngとする。
図3において、距離「Lgap」は、用紙P1,P2間を離間させるべき距離(以下、隙間距離Lgapという)である。ページ間制御位置から隙間距離「Lgap」だけ用紙P1が紙送りされた後、一時停止されていた給紙ローラ22の回転を再開する。「Psize」は、プリンタドライバより指定される用紙長(搬送方向長さ)である。この用紙長「Psize」から距離(La+Lb+Lc−Ld)を差し引いた位置がページ間制御位置Ngである。よって、ページ間制御位置Ngは、用紙長「Psize」に応じて変化することになる。紙送り量カウンタ65の計数値である紙送り量Nxが(Psize−(La+Lb+Lc−Ld))である値Ngに達したことをもって、用紙P1がページ間制御位置Ngに達したと判断する。
次に、プリンタの電気的構成を図5に基づいて説明する。
図5に示すように、プリンタ11は各種制御を司る制御部40を備えている。制御部40はホストコンピュータ35(PC)と通信可能に接続されるインタフェイス41を備えている。インタフェイス41に接続されたバス42には、CPU43、ASIC44(Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM45、RAM46及び不揮発性メモリ47等が接続されている。CPU43はROM45に記憶されたプログラムを実行することで、給紙制御、紙送り制御、印刷制御、排紙制御などを行う。
ホストコンピュータ35はプリンタドライバ(図示せず)を備え、ユーザの入力指示に基づき表示装置35aに表示させた印刷設定画面で、ユーザが入力装置35bを操作して設定した、用紙サイズ、用紙種類、レイアウトなどの各種印刷パラメータを取得する。プリンタドライバは、入力装置35bから印刷実行の指示を受け付けると所定の処理を行って印刷データを生成する。詳しくはプリンタドライバは、印刷対象の画像データを表示解像度から印刷解像度へ変換する解像度変換処理、例えばRGB表色系からCMYK表色系への色変換処理、プリンタ11が表現可能な階調値に変換するハーフトーン処理、プリンタ11に転送すべきデータ順(吐出順序)に並び替えるラスタライズ処理(マイクロウィーブ処理)を順次行う。そして、得られた印刷画像データにコマンドを含むヘッダを付して印刷データを生成する。このヘッダにはコマンドの他、用紙サイズを始めとする印刷パラメータや、コマンドで指示すべき内容を示す用紙搬送時の目標速度・搬送距離(紙送り量等)のパラメータが含まれる。
CPU43は、ホストコンピュータ35のプリンタドライバからインタフェイス41及びバス42を通じて印刷データを入力する。CPU43はホストコンピュータ35から最初に受信した印刷データ中のヘッダから用紙長Psizeを取得する。また、CPU43は、印刷データのヘッダに含まれるコマンドを解釈して給紙・紙送り・排紙などの各種コマンドと、指示の具体的な内容が数値等で示された例えば給紙・紙送り・排紙時に用紙を搬送すべき目標速度、搬送距離などのパラメータを取得する。コマンドのパラメータで指示される目標速度は、例えば給紙・紙送り・排紙毎及び印刷モードに応じて設定された値である。印刷モードとしては、例えば印刷画質より印刷速度を優先する高速印刷モードや、印刷速度より印刷画質を優先する画質優先モードなどがある。
ASIC44は、CPU43から印刷データのうちヘッダ以外の印刷画像データを受け取り、この印刷画像データに画像処理等(画像展開処理)を施し、記録ヘッド19のノズルからインク滴を吐出する吐出信号の生成に用いられる所定階調値のビットマップデータに変換する。ASIC44は、変換したビットマップデータを例えば1パス分ずつヘッドドライバ48に送る。ヘッドドライバ48はビットマップデータに基づき記録ヘッド19を制御してノズルからインク滴を吐出させる。
また、CPU43には、モータドライバ49,50,51,52が接続されている。CPU43は、各モータドライバ49〜52を介してキャリッジモータ55、第一駆動源としてのASFモータ56、サブモータ57、第二駆動源としてのPFモータ58(紙送りモータ)を駆動制御する。詳しくは、CPU43はモータドライバ50に制御データを指令し、このモータドライバ50は制御データに基づく回転方向、回転速度で回転するようASFモータ56を駆動制御する。また、CPU43は、モータドライバ52に制御データを指令し、このモータドライバ52は制御データに基づく回転方向、回転速度で回転するようPFモータ58を駆動制御する。本実施形態では、ASFモータ56とPFモータ58はそれぞれDCモータにより構成されている。さらに他のモータドライバ49,51についても同様の方法でキャリッジモータ55、サブモータ57を駆動制御する。
また、PFモータ58の出力軸は輪列(図示せず)を介して搬送駆動ローラ29a及び排紙駆動ローラ30aと動力伝達可能に連結されている。なお、PFモータ58及び紙送りローラ29等により、第二搬送手段及び媒体送り手段が構成される。
ここで、ASFモータ56は、給紙ローラ22を回転駆動させる。また、サブモータ57は、リタードローラ24及びホッパー15と動力伝達可能に連結されており、リタードローラ24及びホッパー15とが連動してそれぞれの退避位置と給紙位置との間を移動するように駆動させる。
ASFモータ56は、その出力軸の回転を検出するロータリエンコーダ(以下、エンコーダ61という)を備え、またPFモータ58は、その出力軸の回転を検出するロータリエンコーダ(以下、エンコーダ62という)を備えている。各エンコーダ61,62は、それぞれ対応するモータの回転速度に反比例する周期をもつパルス信号を生成して出力する。CPU43には、入力系として紙検出センサ33及び各エンコーダ61,62が接続されており、CPU43は紙検出センサ33のオン・オフ信号、及び各エンコーダ61,62からの各パルス信号をそれぞれ入力する。
また、CPU43は、紙送り量カウンタ65、ASFカウンタ66、PFカウンタ67を内蔵している。紙送り量カウンタ65は紙検出センサ33がオンするとCPU43によりリセットされ、そのリセット後にエンコーダ62から入力されるパルス信号のパルスエッジを計数する。その後、紙送り量カウンタ65が用紙P1の頭出し位置までの搬送量に相当する計数値を計数すると、ASFモータ56の駆動を停止させ、用紙P1の給紙(頭出し)が行われる。給紙終了後、紙送り量カウンタ65の計数値が図3に示す距離(La+Lb)に相当する値を差し引いて、用紙P1の先端がヘッド基準位置H(最上流ノズル)に到達したときの用紙P1の位置を原点とする紙送り量に相当する計数値に更新される。よって、給紙終了後における紙送り量カウンタ65の計数値Nxは、用紙P1の先端がヘッド基準位置Hに達したときを「0」とする紙送り量に相当する値が計数される。CPU43は紙送り量カウンタ65の計数値Nxから頭出し後の用紙Pの位置(搬送位置)を把握する。
また、ASFカウンタ66は、ASFモータ56の回転を検出するエンコーダ61から入力するパルス信号のパルスエッジを計数する。ASFカウンタ66は、ASFモータ56の駆動が開始されるに先立ってリセットされ、ASFモータ56により回転駆動される給紙ローラ22によって給紙される用紙の給紙量(搬送距離)に相当する計数値を計数する。このため、CPU43は、ASFカウンタ66の計数値から給紙中の用紙がその給紙開始位置から給紙終了位置までの区間内のどの位置にあるかを把握できる。CPU43は、ASFカウンタ66の計数値から、給紙開始位置を原点とする用紙の給紙経路上の距離を把握し、図示しない加減速テーブルを参照して距離(つまり給紙開始位置からの位置)に応じた速度を制御データ中の一情報として指令することでASFモータ56を速度制御する。
また、PFカウンタ67は、PFモータ58の回転を検出するエンコーダ62から入力するパルス信号のパルスエッジを計数する。PFカウンタ67は、PFモータ58の駆動が開始されるに先立ってリセットされ、PFモータ58により回転駆動される給紙ローラ22によって給紙される用紙の給紙量(搬送距離)に相当する計数値を計数する。このため、CPU43は、PFカウンタ67の計数値から紙送り中の用紙がその紙送り開始位置から紙送り終了位置までの区間内のどの位置にあるかを把握できる。CPU43は、PFカウンタ67の計数値から、紙送り開始位置を原点とする用紙の搬送経路上の距離を把握し、図示しない加減速テーブルを参照して距離に応じた速度を制御データ中の一情報として指令することでPFモータ58を速度制御する。詳しくは、CPU43は、不揮発性メモリ47から加減速テーブルを読み出して、該加減速テーブルに従って搬送開始位置からの距離に応じた速度になるようにASFモータ56及びPFモータ58をそれぞれ速度制御する。
また、CPU43が指令する制御データには電圧指令値が含まれる。モータドライバ50,52は、入力した電圧指令値に従ってそれぞれ対応するASFモータ56、PFモータ58に印加される電圧を制御する。この電圧によりASFモータ56、PFモータ58を流れる電流値が決まり、電流値に応じた回転トルクが得られる。電圧指令値は別途テーブルを用いて、距離ごと、あるいは加減速域を複数に区分した速度域ごとに決められる。
本実施形態では加減速テーブルは、距離と周期の対応関係を示すデータ群から構成され、CPU43は、ASFカウンタ66及びPFカウンタ67の計数値で示される距離に応じた周期(目標周期)をモータドライバ50,52にそれぞれ逐次指令する。この周期は、例えばエンコーダ61,62からの入力パルスのパルスエッジの周期に相当する値である。なお、エンコーダ61,62から取得したパルスのエッジ周期を計時して、その計時した検出周期が目標周期に一致するようフィードバック制御を行ってもよい。
本実施形態では、CPU43は、第一駆動源としてのASFモータ56と、第二駆動源としてのPFモータ58を協調制御する。このとき、CPU43は、与えられた条件に応じて2つのモータ56,58のうち先に駆動させるモータと、後から駆動させるモータ(待機させるモータ)とを決定する。また、CPU43は、後から駆動されるモータの起動タイミングを決める待機距離を、与えられた条件に応じて設定する。そして、先に駆動されたモータの駆動量に応じたパルス計数値で示される位置パラメータが、待機距離で規定される待機終了位置に達したら、後から駆動されるモータの駆動を許可する構成となっている。
CPU43が2つのモータ56,58を協調制御するためにROM45に記憶されたプログラムには、上記の制御内容を含むモータ協調制御のルールとして、以下の(A)〜(F)の内容が規定されている。
(A)待機する側のモータの起動タイミングを決めるために待機距離を設定し、先に駆動されるモータに対して、待機距離に相当する駆動量の駆動を終了した位置である待機終了位置を設定する。
(B)先に駆動されるモータが待機終了位置まで駆動されたら、待機中の他方のモータに対して駆動の許可を与える。
(C)待機する側のモータは、先に駆動されるモータから駆動の許可を受けるまでは待機し続けて、駆動許可が与えられてから駆動を開始する。
(D)待機距離が「0」の場合は、待機する側のモータは、駆動許可を待たず直ぐに駆動を開始する。
(E)先に駆動されたモータが、待機終了位置に到達する前にエラー以外の原因で駆動を終了した場合は、待機する側のモータは待機を中止して駆動を開始する。
(F)先に駆動されたモータが、エラーが原因で停止した場合は、待機する側のモータは待機を中止するが駆動は行わない。
ここで、待機終了位置に到達したことは、先に駆動されるモータがASFモータ56であれば、モータ駆動開始に先立ってリセットされたASFカウンタ66の計数値が待機距離に相当する値に達したことをもって判断する。また、先に駆動されるモータがPFモータ58であれば、モータ駆動開始に先立ってリセットされたPFカウンタ67の計数値が待機距離に相当する値に達したことをもって判断する。モータの駆動量に応じた位置パラメータとは、ASFカウンタ66及びPFカウンタ67の計数値を指す。
2つのモータ56,58を同時に駆動させるときには、待機距離を「0」に設定する。この場合、CPU43の処理上は2つのモータ56,58の駆動に先と後が生じるが、2つのモータ56,58は事実上同時に駆動開始される。
また、先に駆動されるモータが、待機終了位置に到達する前にエラー以外で停止した場合、待機を中止し他方のモータの駆動を開始させる理由は、先に駆動されたモータがエラー以外で停止した場合(つまり正常な場合)、後から駆動されるはずの待機中のモータが待機状態のまま放置されるハンギングを回避するためである。
また、先に駆動されるモータが、待機終了位置に到達する前にエラーで停止した場合、待機を中止して後から駆動される予定であった他方のモータを駆動させない理由は、エラーが発生したときにはいかなるモータも駆動されることは、好ましくないからである。
本実施形態のプリンタ11では、上記のルールに則り2つのモータ56,58を協調制御して用紙搬送制御を行う。ROM45には、図6にフローチャートで示される用紙搬送制御処理ルーチンのプログラムが記憶されている。CPU43が、このプログラムを実行してモータ協調制御を実行することにより、2つのモータ56,58が連携して駆動され、用紙の搬送動作が適切に行われる。例えば先行用紙を若干弛みが付与された状態で搬送したり、先行用紙と後続用紙の間に規定の間隔が確保されるように各用紙を搬送したりする。
ここで、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして決定され、PFモータ58が後から駆動されるモータとして決定されるケースとしては、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた状態で搬送される搬送動作を行う場合がある。この場合、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた位置にあることは、紙送り量カウンタ65の計数値Nxが、ページ間制御位置Ngを超えていない(Nx<Ng)ことが条件となる。この条件(両ニップ条件という)が成立して紙送りする際は、ASFモータ56とPFモータ58のうち、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして選択され、PFモータ58が後から駆動されるモータとして選択される。また、待機距離として、先行用紙に所定の弛みが付与される値wが設定される。先に駆動されたASFモータ56が待機距離wだけ駆動し終わり、ASFカウンタ66の計数値が待機終了位置を示す「w」に達すると、後から駆動されるべきPFモータ58の駆動が許可される。このように後から駆動されるべきモータの起動タイミングは、設定された待機距離wにより決められる。
図7に示すグラフは、上記のように先行用紙P1を若干弛みを付与した状態で搬送するために、ASFモータ56の駆動開始に待機距離wだけ遅れてPFモータ58の駆動を開始する場合の速度プロファイルを示すものである。ここで、横軸はカウンタ計数値に相当する距離D、縦軸は速度Vである。待機距離「w」は、先行用紙に所定の弛みを付与するめに必要な値が設定されている。本実施形態では、PFモータ58の駆動開始がASFモータ56の駆動開始に比べて、待機距離「w」だけ遅れるものの、給紙ローラ22と紙送りローラ29で先行用紙を搬送する搬送距離が等しくなるように、ASFモータ56およびPFモータ58の駆動量が設定されている。本実施形態では、ASF駆動系とPF駆動系で、輪列の減速比とローラ径などから決まるそれぞれの減速比が等しくなっているものとし、ASFモータ56とPFモータ58の各駆動量(つまり搬送距離)に相当する距離Dyの値は、共に「a」と等しくなっている。よって、ASFモータ56の駆動が先に開始され、ASFモータ56が待機距離wだけ駆動された時点で、PFモータ58の駆動が遅れて開始されることで、先行用紙P1に所定の弛みが付与される。そして、所定の弛みが付与された状態で先行用紙P1は搬送距離aだけ搬送され、ASFモータ56が先に駆動を停止した後、待機距離w分だけ遅れてPFモータ58の駆動が停止される。
一方、PFモータ58が先に駆動されるモータとして決定され、ASFモータ56が後から駆動されるモータとして決定されるケースとしては、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた位置から、先行用紙P1がページ間制御位置Ngを通過する搬送動作(ページ間制御搬送動作ともいう)を行う場合がある。このページ間制御搬送動作であることは、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた位置にあり(Nx<Ng)、かつ今回の搬送動作(搬送距離Dy)が行われた場合における紙送り量カウンタ65の計数値(Nx+Dy)がページ間制御位置Ngを超える(Nx+Dy>Ng)という条件を満たすかどうかで判断される。搬送動作を行うに当たって、Nx<NgかつNx+Dy>Ngの条件を満たす場合は、搬送動作を、先行用紙を現在位置Nxからページ間制御位置Ngまで搬送する第一搬送動作と、先行用紙をページ間制御位置Ngから搬送終了位置(Nx+Dy)まで搬送しつつ先行用紙と規定の間隔を開けた状態に後続用紙を搬送する第二搬送動作とに分割する。ASFモータ56とPFモータ58を紙送り量カウンタ65の計数値Nxがページ間制御位置Ngに達するまでは、用紙が給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた両ニップ条件成立時のモータ協調制御で第一搬送動作を行う。そして、ページ間制御位置Ngで一旦停止した後、ページ間制御位置Ngから搬送終了位置(Nx+Dy)までの第二搬送動作を行う際は、現在位置Nxがページ間制御位置Ngに一致するページ間制御条件が成立する。このページ間制御条件(Nx=Ng)が成立する際には、PFモータ58を先に駆動されるモータとして決定し、ASFモータ56を後から駆動されるモータとして決定する。このとき待機距離として、ページ間制御距離Lgapを設定する。そして、先に駆動されたPFモータ58が待機距離Lgapだけ駆動し終わると、後から駆動されるべきASFモータ56の駆動が許可される。このように後から駆動されるべきASFモータ56の起動タイミングは、設定された待機距離Lgapにより決められる。
図4は、ページ間制御位置Ngを通過する搬送動作が行われる際に実行されるページ間制御を説明する用紙の模式図である。同図では矢印で示す上方向が排紙方向(紙送り方向)である。この図では、用紙P1と共に動く視点から記録ヘッド19を見て、記録ヘッド19が用紙P1に対して相対移動するように描かれている。なお、図4において記録ヘッド19(19A〜19C)中に描かれている太線はノズル列を示す。
記録ヘッド19Aは用紙P1の先端がヘッド基準位置Hに位置するときの記録ヘッド位置を示す。用紙P1が頭出しされた後、用紙P1の先端側(図4における上端)から印刷が1ライン毎に進められ、1ライン(1パス)の印刷の度に紙送りがなされ、上端側から下方へ向かって印刷は進められる。このとき記録ヘッド19は用紙P1に対して、同図における上側から下側へ向かって相対移動する。図4に示す用紙P1において網掛けで示した領域は、記録ヘッド19が印刷を施す印刷領域PA1,PA2を示している。同図に示すように、2つの印刷領域PA1,PA2間に印刷が施されない空白領域BAが存在する場合、印刷領域PA1の印刷を終えた記録ヘッド19Bは、紙送りによって、印刷領域PA2の印刷開始位置である記録ヘッド19Cの位置まで相対移動する。この紙送り過程でページ間制御位置Ngを通過する場合、この搬送距離「a」の紙送り動作は、現在位置からページ間制御位置Ngまでの第一搬送動作と、ページ間制御位置Ngから搬送終了位置(Nx+a)までの第二搬送動作に分割される。このときPFモータ58の駆動(「PF駆動」ともいう)については、搬送距離「b1」と搬送距離「c1」の二回の駆動に分割され、ASFモータ56の駆動(「ASF駆動」ともいう)については、搬送距離「b2」(=b1)の駆動と、待機距離Lgap分の待機と、搬送距離「c2」の駆動に分割される。
搬送距離「b1」のPF駆動と、搬送距離「b2」のASF駆動は、ほぼ同時(実際は両ニップ条件成立時における待機距離wの起動タイミングのずれを伴って)に同じ搬送速度で駆動される。これは、ページ間制御位置Ngに到達前の用紙搬送では、先行用紙P1が給紙ローラ22と紙送りローラ29との両方にニップされているので、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを同期駆動させる必要があるからである。但し、本実施形態では、先行用紙P1に若干弛みを付与させた状態で搬送させるため、PF駆動が先に開始された後、待機距離w分だけ遅れてASF駆動が開始される。
搬送距離「b1」のPF駆動が終わると、直ぐ搬送距離「c1」のPF駆動が開始される。一方、ASF駆動については、搬送距離「b2」の給紙動作を終えた後、搬送距離「c1」の紙送り動作を開始したPF駆動によって先行用紙P1が距離Lgap分だけ搬送された時点で、遅れて搬送距離「c2」のASF駆動は開始される。このため、先行用紙P1と後続用紙P2(図3参照)との間に距離Lgap分の間隔が確保される。
このページ間制御終了以後においては、ASF駆動とPF駆動とが同じ搬送距離ずつ用紙搬送を行うので、距離Lgap分の隙間が確保されたまま、先行用紙P1の紙送りと後続用紙P2の給紙が同時並行で行われる。なお、図4において、ページ間制御位置Ngは、用紙P1の後端から用紙搬送方向へ距離(La+Lb+Lc−Ld)の位置となる。このため、紙送り量カウンタ65の計数値Nxが(Psize−(La+Lb+Lc−Ld))で示される値Ngに達したら、先行用紙P1が図3に示すページ間制御位置に達したことになる。
図8に示すグラフは、図4に示すようなページ間制御位置Ngを通過する搬送動作の際に、先行用紙P1と後続用紙P2の間に規定の間隔Lgapを確保するために行われるページ間制御時のASF駆動とPF駆動の各速度プロファイルを示すものである。横軸は距離D、縦軸は速度Vである。なお、図7及び図8のグラフにおいて、速度Vの値が異なるが、これは以下の理由による。
すなわち、本実施形態では、図8に示すように、速度プロファイルは略台形状の波形を描くが、その台形波形の高さは目標速度に比例する。そして、PF駆動の右側の台形波形を例にすると、台形波形の高さ(目標速度)が高くなるほど、加速するのに必要な移動距離Daと、減速するのに必要な移動距離Dbが長くなる傾向にある。このため、目標速度(図8のグラフでは例えばV3)に到達できるためには、加速開始点から目標速度に到達するまでの加速過程の移動距離Daと、目標速度V3から停止するまでの減速過程の移動距離Dbとの合計(Da+Db)が、最低距離として必要になる。ここで、定速域の目標速度と搬送距離は印刷データのヘッダ中の一情報として取得され、その目標速度に対応した加減速テーブルが選択されるが、搬送距離がその加減速テーブルの最低距離(Da+Db)に満たない場合は、搬送距離が最低距離以上となる他の加減速データのうち最も高速な目標速度が得られるものを選択する。
よって、搬送距離Dy(図8の例では例えばDy=c1)が決まると、この搬送距離Dyが最低距離(Da+Db)以上であることが、採用できる加減速テーブルの条件となり、搬送距離Dyが最低距離(Da+Db)以上であることを満たす加減速テーブルのうち、最も高速な目標速度が得られるものを選択する。このため、図8のグラフでは、短めの搬送距離b1,b2に応じて決まる速度V2が、長めの搬送距離c1,c2に応じて決まる速度V3よりも低速になっている。
図8のグラフに示すように、ページ間制御は、第一搬送動作と第二搬送動作の2回に分割されて行われる。まず第一搬送動作では、先に駆動されるモータとして決定されたASFモータ56が駆動され、その駆動開始後の駆動量に相当する計数値がASFカウンタ66に計数される。また、このときの搬送速度(目標速度)は、搬送距離b2と最低距離条件とから決まった加減速テーブルを参照して目標速度V2で駆動される。ASFカウンタ66の計数値が値wに達して、ASFモータ56が待機距離wだけ駆動された時点で、PFモータ58の駆動が開始される。そして、それぞれ同じ搬送速度V2で同じ搬送距離b1,b2(=b1)だけ駆動されて共に先行用紙P1がページ間制御位置Ngに達するために必要な駆動量だけそれぞれ駆動された時点で一旦停止する。このとき、ASFモータ56が先に停止し、待機距離w分だけ遅れてPFモータ58が停止する。なお、ASF駆動とPF駆動で、ASF用の加減速テーブルとPF用の加減速テーブルの設定内容が異なるため、搬送距離と最低距離条件とからそれぞれ決まる各加減速テーブルの目標速度がASF駆動とPF駆動で仮に異なった場合は、低速側の目標速度に合わせる構成としている。
上記第一搬送動作の終了後、第一搬送動作と連続するように第二搬送動作が開始される。搬送距離b1のPFモータ58の駆動が停止して第一搬送動作が終了すると、搬送距離c1のPFモータ58の駆動を直ぐ再開して、第二搬送動作を直ぐ開始する。第二搬送動作では、PFモータ58は、搬送距離c1と最低距離条件とから決まった加減速テーブルを参照して目標速度V3で駆動される。PFカウンタ67には、PFモータ58の駆動開始後の駆動量に相当する計数値が計数され、その計数値が値Lgapに達してPFモータ58が待機距離Lgapだけ駆動された時点で、ASFモータ56の駆動が開始される。そして、搬送距離c1のPFモータ58の駆動と搬送距離c2のASFモータ56の駆動がそれぞれ停止されると、先行用紙P1が搬送距離a(b1+b2)だけ搬送し終わるとともに、先行用紙P1と後続用紙P2の間に規定の間隔Lgapが確保される。
次にCPU43が実行する図6のフローチャートで示される用紙搬送制御処理ルーチンを説明する。
次にCPU43が実行する用紙搬送制御処理ルーチンを、図6に従って説明する。なお、1パスの印刷動作が行われる度に印刷データ中のコマンドから、目標速度と搬送距離を取得して搬送動作を行う。
ステップS1では、モータ協調制御条件について判断する。ここで、モータ協調制御条件とは、CPU43が指示された搬送動作の条件であり、給紙動作・紙送り動作・排紙動作・ページ間制御搬送動作などの動作条件、これらの搬送動作が行われるときに先行用紙の位置がページ間制御位置Ngに達する前であるか後であるかの位置条件などからなり、例えば前述の両ニップ条件、ページ間制御条件などが挙げられる。モータ協調制御条件によって、(a)ASFモータ56とPFモータ58を同時駆動させる待機距離「0」の場合、(b)待機距離を設定してASFモータ56が待機距離分だけ駆動されるまでPFモータ58を待機させる場合、(c)PFモータ58が待機距離分だけ駆動されるまでASFモータ56を待機させる場合、の3つの判断結果に分かれる。
例えば給紙動作・紙送り動作・排紙動作のうち一の搬送動作が指示された際に、先行用紙の現在位置がページ間制御位置Ngに達する前で、給紙ローラ22と紙送りローラ29の両方にニップされた状態にあるという両ニップ条件(Nx<Ng)が成立する場合は、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、PFモータ58が後から駆動される(待機させる)モータとして決定される。これに加え、待機距離は、先行用紙P1に若干弛みを付与するために必要な値wが設定される。
また、指示された搬送動作が、先行用紙P1がページ間制御位置Ngを通過する搬送動作である場合は、今回行うべき用紙の搬送距離Dyの搬送動作を、先行用紙を現在位置Nxからページ間制御位置Ngまで搬送させる第一搬送動作と、ページ間制御位置Ngから搬送終了位置まで搬送させる第二搬送動作とに分ける。この搬送動作の分割処理は、CPU43が他のプログラムを実行して行っており、第一搬送動作と第二搬送動作の開始時にそれぞれ個別にモータ協調制御条件の判定が行われる。このとき第一搬送動作については待機距離wが設定され、第二搬送動作については待機距離Lgapが設定される。
第一搬送動作が行われる際は、両ニップ条件(Nx<Ng)が成立するので、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、PFモータ58が後から駆動されるモータとして決定される。これに加え、待機距離wが設定される。一方、第二搬送動作が行われる場合、ページ間制御条件(Nx=Ng)が成立するので、PFモータ58が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、ASFモータ56が後から駆動されるモータとして決定される。これに加え、待機距離Lgapが設定される。
さらに、次の2つの場合は、待機距離が「0」に設定される。1つは、1ページ目の給紙動作のときであって給紙ローラ22と紙送りローラ29にニップされた用紙がまだ存在しない場合であり、他の1つは、先行用紙P1がページ間制御位置Ngを超えた位置にあって、給紙ローラ22のニップからすでに解放されている場合である。1ページ目の給紙動作であることは、印刷データのヘッダの情報から判断可能であるし、また紙送り量カウンタ65の計数値が「0」かつ紙検出センサ33がオフである条件(先行用紙なし)からも判断できる。また、先行用紙P1がページ間制御位置Ngを超えた位置にあることは、Nx>Ngの条件が成立することから判断できる。これらの条件を満たす場合は、待機距離が「0」に設定される。待機距離「0」は、ASFモータ56とPFモータ58の駆動が同時に開始されることを意味する。以上の各ケースは一例であって、他にも種々の条件が設定されており、与えられた条件に応じて、上記(a)〜(c)のうちいずれに該当するかを判断する。
ステップS1の判断において、待機距離「0」である場合((a)の場合)は、ステップS2に進む。また、PFモータ58を待機させる((b)の場合)という判断をした場合は、ステップS4に進む。そして、ASFモータ56を待機させる((c)の場合)という判断をした場合は、ステップS11に進む。
ステップS2では、ASFモータ56を駆動させる。
ステップS3では、PFモータ58を駆動させる。
これらステップS2,S3の処理はほぼ同時に行われ、ASFモータ56とPFモータ58は同時に駆動される。なお、図6のフローチャートでは、ASFモータ56が先に駆動される処理の順番として記載しているが、ステップS2,S3は、例えば数10ミリ秒未満の間に順次実行されるので、事実上、同時に駆動される。よって、1ページ目の給紙の場合や、先行用紙P1がページ間制御位置Ngをすでに超えた場合などは、ASFモータ56とPFモータ58が同時に駆動される。
ステップS4では、待機終了位置として、「待機終了位置=ASF駆動開始位置+待機距離」を設定する。例えば両ニップ条件成立時は、待機終了位置=ASF駆動開始位置+待機距離「w」が設定される。ここで、ASF駆動開始位置は、ASFモータ56の駆動開始位置であり、ASFモータ56の駆動位置を計数値として管理するASFカウンタ66がモータ駆動開始に先立ってリセットされる本実施形態の場合、その値は「0」になる。もちろん、ASFカウンタ66がモータ駆動開始に先立ってリセットされない構成の場合は、ASF駆動開始位置が「0」以外の値をとるので、待機終了位置はASF駆動開始位置(≠0)+待機距離wとなる。
次のステップS5では、ASFモータ56を駆動する。つまり、先に駆動されるASFモータ56の駆動を開始する。
ステップS6では、現在位置が待機終了位置に達したか(現在位置≧待機終了位置が成立したか)否かを判断する。つまり、ASFカウンタ66の計数値で示される現在位置が待機終了位置に達したか否かを判断する。現在位置≧待機終了位置が成立すればステップS8に進み、現在位置≧待機終了位置が不成立であった場合はステップS7に進む。
ステップS7では、ASFモータ56が停止しているか否かを判断する。ここでASFモータ56が停止しているとは、現在位置≧待機終了位置が成立していないにも拘わらず、ASFモータ56が停止していることを指す。ASFモータ56の停止には、エラーの原因による停止と、エラー以外の原因による停止とがある。エラーによる停止の場合は、CPU43はエラーフラグを立てる(「1」にする)。よって、このエラーフラグを見ることで、CPU43はASFモータ56の停止がエラー原因によるものか、エラー以外の原因によるものかを判断可能となっている。
用紙の現在位置が待機終了位置に達する前においては、ステップS7でASFモータ56の停止と判断されない限り、ステップS6で現在位置≧待機終了位置が成立するまで、ステップS6及びS7の処理を繰り返すことになる。
ステップS8では、待機距離終了通知を行う。ここで、詳しくは図6のフローチャートではCPU43が実行するメインプログラムと割込み処理で実行するサブルーチンとを含んで描いており、ステップS6,S7、S8、S13,S14、S15が割込み処理に相当する処理である。よって、CPU43は割込み処理で、現在位置≧待機終了位置の成立の判断(S6)やASFモータ56の停止の判断(S7)を行っており、ステップS6において現在位置≧待機終了位置の成立と判断されると、割込み処理でサブルーチンを実行しているCPU43から、メインプログラムを実行するCPU43へ待機距離終了通知がなされる(S8)。
ステップS9では、エラー停止であるか否かを判断する。すなわち、ASFモータ56がエラー原因で停止したか否かを判断する。CPU43はエラーフラグの値を見て、「1」であればエラー停止であると判断し、「0」であればエラー以外の原因による停止であると判断する。エラー停止(エラーフラグ「1」)であると判断した場合は当該プログラムを終了し、エラー停止ではない(エラーフラグ「0」)と判断した場合は、ステップS10に進む。
そして、待機距離終了通知を受け付けるか、ASFモータ56の停止がエラー停止でなければ、CPU43は、ステップS10において、PFモータ58を駆動させる。つまり、PFモータ58の駆動を許可する。例えばステップS8で待機距離終了通知を受けて、PFモータ58の駆動を許可した場合は、先に駆動されたASFモータ56が待機距離wを駆動した時点で、待機中であったPFモータ58の駆動が開始される。この結果、両ニップ条件成立時においては、先行用紙P1は若干弛みが付与された状態で搬送される。従って、搬送中の先行用紙P1が過度に引っ張られることがなく、先行用紙P1の破れや過度の伸びを防止できる。
一方、ステップS1におけるモータ協調制御条件の判断で、ASFモータ56を待機させるという判断結果が得られた場合は、以下のステップS11〜S17の処理が行われる。ステップS4〜S10の処理がPFモータ58を待機させるときのものであるのに対し、ステップS11〜S17の処理はASFモータ56を待機させるときのものであり、ステップS4〜S10の処理に対してASFモータ56とPFモータ58が逆転するだけで処理は基本的に同種の内容となっている。
詳しくはまずステップS11では、待機終了位置として、「機終了位置=PF駆動開始位置+待機距離」を設定する。例えばページ間制御条件(Nx=Ng)の成立時は、待機終了位置=ASF駆動開始位置+待機距離「Lgap」が設定される。ここで、PF駆動開始位置は、PFモータ58の駆動開始位置であり、PFモータ58の駆動位置を計数値として管理するPFカウンタ67がモータ駆動開始に先立ってリセットされる本実施形態の場合、その値は「0」になる。もちろん、PFカウンタ67がモータ駆動開始に先立ってリセットされない構成の場合は、PF駆動開始位置が「0」以外の値をとるので、待機終了位置はPF駆動開始位置(≠0)+待機距離wとなる。
次のステップS12では、PFモータ58を駆動する。つまり、先に駆動されるPFモータ58の駆動を開始する。
ステップS13では、現在位置が待機終了位置に達したか(現在位置≧待機終了位置が成立したか)否かを判断する。つまり、PFカウンタ67の計数値で示される現在位置が待機終了位置に達したか否かを判断する。現在位置≧待機終了位置が成立すれば、ステップS15に進み、現在位置≧待機終了位置が不成立であった場合は、ステップS14に進む。
ステップS14では、PFモータ58が停止しているか否かを判断する。ここでPFモータ58が停止しているとは、現在位置≧待機終了位置が成立していないにも拘わらず、PFモータ58が停止していることを指す。PFモータ58の停止には、エラー原因による停止と、エラー以外の原因による停止とがある。エラーが原因で停止した場合は、CPU43はエラーフラグを立てる(「1」にする)。よって、このエラーフラグを見ることで、CPU43はPFモータ58の停止がエラー原因によるものか、エラー以外の原因によるものかを判断可能となっている。
用紙の現在位置が待機終了位置に達する前においては、ステップS14でPFモータ58の停止と判断されない限り、ステップS13で現在位置≧待機終了位置が成立するまで、ステップS13及びS14の処理を繰り返すことになる。
ステップS15では、待機距離終了通知を行う。ここで、詳しくは図6のフローチャートではCPU43が実行するメインプログラムと割込み処理で実行するサブルーチンとを含んで描いており、前述のとおり、ステップS6,S7,S8の処理と同様、S13,S14,S15の処理も割込み処理に相当する。よって、CPU43は割込み処理で、現在位置≧待機終了位置の成立の判断(S13)やPFモータ58の停止の判断(S14)を行っており、ステップS13において現在位置≧待機終了位置の成立と判断されると、割込み処理でサブルーチンを実行しているCPU43から、メインプログラムを実行するCPU43へ待機距離終了通知がなされる(S15)。
ステップS16では、エラー停止であるか否かを判断する。すなわち、PFモータ58がエラー原因で停止したか否かを判断する。CPU43はエラーフラグの値を見て、「1」であればエラー停止であると判断し、「0」であればエラー以外の原因による停止であると判断する。エラー停止(エラーフラグ「1」)であると判断した場合は当該プログラムを終了し、エラー停止でない(エラーフラグ「0」)場合は、ステップS10に進む。
そして、待機距離終了通知を受け付けるか、PFモータ58の停止がエラー停止でなければ、CPU43は、ステップS17において、ASFモータ56を駆動させる。つまり、ASFモータ56の駆動を許可する。
例えば指示された搬送動作が、現在位置Nxがページ間制御位置Ngの手前である両ニップ条件(nx<Ng)が成立した場合は、PFモータ58を待機させるように決定される。つまり、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、PFモータ58が後から駆動されるモータとして決定される。図7に示すように、まずASFモータ56が先に駆動され、ASFモータ56の回転を検出するエンコーダ61からのパルスのパルスエッジを計数して、ASFカウンタ66にはASFモータ56の回転駆動量に相当するとともに給紙ローラ22により搬送された用紙の搬送距離に相当する計数値が計数される。
そして、図7に示すように、先行用紙が待機距離wだけ搬送されてASFカウンタ66の計数値で示される現在位置が待機終了位置に達すると(S6でYES)、PFモータ58の駆動が開始される(S10)。このようにASFモータ56が先に駆動され、待機距離w分だけ駆動の開始が遅れてPFモータ58の駆動が開始されることにより、まず給紙ローラ22にニップされた用紙の部分が先に送り出されて給紙ローラ22と紙送りローラ29間における用紙の部分に若干の弛みが作り出される。そして、待機距離w分の若干の弛みが作り出されると、PFモータ58の駆動が開始される。このため、用紙は給紙ローラ22と紙送りローラ29間に若干弛みが付与された状態を保ちつつ各ローラ22,29の回転によりそれぞれ搬送距離aだけ同じ速度V1で搬送される。各ローラ22,29によって起動タイミングは異なるものの同じ搬送距離aだけ搬送されるので、先行用紙P1の搬送動作が終わった際は、先行用紙P1は弛みのない状態で停止する。よって、先行用紙P1の搬送時に過度な引っ張りが付与されないので、先行用紙P1の搬送中の過度な引っ張りに起因する破れ等の心配を無くすことができる。
一方、指示された搬送動作が、ページ間制御位置Ngを通過するものである場合は、この搬送動作が、現在位置からページ間制御位置Ngまで先行用紙を搬送する第一搬送動作と、ページ間制御位置Ngから搬送終了位置まで先行用紙を搬送する第二搬送動作とに分割される。まず第一搬送動作を行う際は、両ニップ条件(Nx<Ng)が成立するため、PFモータ58を待機させるように決定される(S1)。つまり、ASFモータ56が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、PFモータ58が後から駆動されるモータとして決定される。図8に示すように、まずASFモータ56が先に駆動され、先行用紙が待機距離wだけ搬送されてASFカウンタ66の計数値で示される現在位置が待機終了位置に達すると(S6でYES)、PFモータ58の駆動が開始される(S10)。よって、先行用紙P1は給紙ローラ22と紙送りローラ29間に若干弛みが付与された状態を保ちつつ各ローラ22,29の回転によりそれぞれ同じ搬送距離b1,b2(=b1)だけ同じ速度V2で搬送される。よって、先行用紙P1の搬送時に過度な引っ張りが付与されないので、先行用紙P1の搬送中の破れ等の心配がない。
第一搬送動作が終了すると、引き続き第二搬送動作が開始される。第二搬送動作が開始される際は、現在位置がページ間制御位置Ngに一致するページ間制御条件(Nx=Ng)が成立するため、ASFモータ56を待機させるように決定される(S1)。つまり、PFモータ58が先に駆動されるモータとして決定されるとともに、ASFモータ56が後から駆動されるモータとして決定される。図8に示すように、まずPFモータ58が先に駆動され、先行用紙が待機距離Lgapだけ搬送されてPFカウンタ67の計数値で示される現在位置が待機終了位置に達すると(S13でYES)、ASFモータ56の駆動が開始される(S17)。よって、先行用紙P1と後続用紙P2の間に規定の間隔Lgapが確保される。従って、先行用紙P1と後続用紙P2の重送が防止されるとともに、後続用紙P2の先端を紙検出センサ33により検知できるので、後続用紙P2の頭出しを確実に行うことができる。なお、ページ間制御位置Ngを通過する搬送動作は、紙送り動作時だけでなく、給紙動作及び排紙動作時においても起こりうる。
一方、用紙が紙送りローラ29等で詰まる、いわゆる紙ジャムが発生した場合にはエラーとして検出される。すなわち、ASFモータ56及びPFモータ58が駆動されているにも拘わらず、エンコーダ61,62のうち少なくとも一方からのパルスが入力されなくなって、ASFカウンタ66やPFカウンタ67の計数が進まなくなるので、エラーとして検出される。この種のエラーが検出されたときにはエラーフラグに「1」が立つとともにエラー検出時点で先に駆動されているASFモータ56又はPFモータ58の駆動が停止される。
例えばASFモータ56が待機終了位置に達する前にエラー停止した場合(S7でYES、S9でYES)は、PFモータ58の駆動は許可されない。一方、先に駆動されたASFモータ56が待機距離wだけ駆動する前にエラー以外の原因で停止した場合(S9でNO)は、このまま放置されるとハンギングを起こすので、ハンギングを防止するためにPFモータ58の駆動を許可する(S10)。但し、この場合、ASFモータ56は待機距離に達する前に途中停止したので、PFモータ58はその途中停止までの搬送距離に応じた分の距離だけ駆動されるようにしている。
また、例えばPFモータ58が待機終了位置に達する前にエラー停止した場合(S14でYES、S16でYES)は、ASFモータ56の駆動は許可されない。一方、先に駆動されたPFモータ58が待機距離Lgapだけ駆動する前にエラー以外の原因で停止した場合(S16でNO)は、このまま放置されるとハンギングを起こすので、ハンギングを防止するためにASFモータ56の駆動を許可する(S17)。但し、この場合、PFモータ58は待機距離に達する前に途中停止したので、ASFモータ56はその途中停止までの搬送距離に応じた分の距離だけ駆動されるようにしている。
ここで、PFモータ58がエラー以外の原因で停止する場合の一例としては次のケースが挙げられる。本実施形態のプリンタ11は、用紙の後端が紙検出センサ33のレバー31を通過して紙検出センサ33がオンからオフへ切り替わった場合、モータの駆動を一旦停止するようにしている。これは、用紙の後端がレバー31を通過した後は、用紙に印刷できる残りの搬送量を別のカウンタ(オーバーライドカウンタ)で管理するようにしており、用紙が検知されなくなって紙検出センサ33がオンからオフに切り替わった位置で正確にこのカウンタをリセットさせるためである。このような構成のプリンタ11において、プリンタドライバに設定された用紙長がA4サイズであるのに対し、ユーザがA5サイズの用紙をセットした場合に、待機終了位置に達する前にエラー以外の原因でPFモータ58が停止する場合がある。
この場合、印刷データのヘッダから取得される用紙長PsizeがA4の用紙長であるため、ページ間制御位置Ng(=Psize−(La+Lb+Lc−Ld))は、実際にセットされたA5の用紙の場合に設定されるべきページ間制御位置Ngに比べ、A4サイズの用紙長とA5サイズの用紙長との差分だけ大きな値に設定される。よって、現在位置NxがA4サイズ用のページ間制御位置Ngに達する前に、実際にセットされたA5サイズの用紙の後端がレバー31を通過して紙検出センサ33がオンからオフに切り替わる。この結果、PFモータ58は現在位置Nxが待機終了位置に達する前に、その駆動が停止される。この場合、PFモータ58が待機終了位置まで駆動されることが、ASFモータ56の駆動が許可される条件であるが、このようにエラー以外の原因でPFモータ58の駆動が停止された場合は、ASFモータ56の駆動が許可される。仮にASFモータ56の駆動が許可されないとすると、先行用紙がその後端がレバー31を通過する位置まで搬送されて停止したまま、ASFモータ56はいつまでも駆動の許可が出るのを待つことになって、ハンギングが発生する。しかし、本実施形態では、PFモータ58が待機終了位置に達する前にエラー以外の原因で停止した場合は、ASFモータ56の駆動が許可される。よって、この場合、先行用紙の後端がレバー31を通過する位置まで搬送されて停止した先行用紙P1に対して、先行用紙P1との間隔がLgapになるまで後続用紙P2が給紙される。このとき、ASFモータ56の搬送距離は、後続用紙P2が先行用紙P1に対して規定の間隔Lgapを確保するために必要な値に変更され、駆動が許可されたASFモータ56は、その変更後の搬送距離に応じた駆動量だけ駆動される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ASFモータ56とPFモータ58の2つのうち、条件に応じて先に駆動される一方のモータを決定し、該一方のモータを駆動してから、該一方のモータの駆動量に応じたカウンタ計数値(位置パラメータ)が待機距離から決まる待機終了位置に達すると、待機中の他方のモータの駆動を許可(開始)させる制御を行う。よって、条件に応じてどちらのモータが先に駆動されることになっても、制御の対象となるASFモータ56とPFモータ58が逆転するだけで、制御内容は同じ(つまり図6のフローチャートにおいて左(S4〜S10)と右(S11〜S17)で対称)なので、用紙搬送制御処理のプログラム作成が簡単なうえ、簡単な制御内容(プログラム)を提供できる。
2つのモータ56,58を適切な起動タイミングで連動させることができる。例えば共通の用紙を搬送する2つの搬送ローラのそれぞれを別々のモータで駆動する構成の場合、あるいは2枚の用紙をそれぞれ個別に搬送する2つの搬送ローラを、用紙間隔を制御しながら、それぞれ別々のモータで駆動する構成の場合に、適切な用紙搬送を実現できる。
(2)さらに、与えられた条件に応じて、先に駆動させるモータだけでなく、後から駆動される他方のモータが、先に駆動されたモータが待機距離だけ駆動されるまで待つ当該待機距離を決定するので、条件に応じた起動タイミングを適切な距離(駆動量)だけずらした協調制御を行うことができる。
(3)指示された搬送動作が両ニップ条件(Nx<Ng)を満たす場合は、ASFモータ56を先に駆動されるモータとし、PFモータ58を後で駆動されるモータとして決定する。そして、待機距離として、搬送中の用紙に若干の弛みが付与されうる値wを設定する。このため、先行用紙が搬送されるときには用紙に弛みが付与されるので、搬送中の用紙が給紙ローラ22と紙送りローラ29間で過度に引っ張られることを回避できる。これにより例えば印刷前における用紙の伸びや破れを防止でき、適切な印刷を行うことができる。
(4)両ニップ条件成立時の給紙ローラ22と紙送りローラ29で先行用紙を搬送する搬送距離(ローラ周面移動量)は同じなので、先行用紙は搬送動作終了後において弛みが少ない状態に保持される。よって、次回の紙送り開始時に、用紙の弛みに起因する紙ジャム(紙詰まり)等の誘発を防ぐことができる。
(5)指示された搬送動作がページ間制御位置Ngを通過するページ間制御条件を満たす場合は、先行用紙が現在位置からページ間制御位置Ngまで搬送する第一搬送動作と、ページ間制御位置Ngから搬送終了位置まで搬送する第二搬送動作に分割する。そして、第一搬送動作を行う際は、ASFモータ56を先に駆動されるモータとして決定するとともに、PFモータ58を後から駆動されるモータとして決定し、待機距離をwに設定する。そして、ASFモータ56を先に駆動し、ASFモータ56が待機距離wから決まる待機終了位置まで駆動された時点で、PFモータ58の駆動を開始するので、第一搬送動作を先行用紙に若干弛みを付与させた状態で行って、搬送中における先行用紙の破れ等を防止できる。
また、第一搬送動作に引き続き第二搬送動作を行う際は、PFモータ58を先に駆動されるモータとして決定するとともに、ASFモータ56を後から駆動される(待機させる)モータとして決定し、このとき待機距離をLgapに設定する。そして、PFモータ58を先に駆動し、PFモータ58が待機距離Lgapから決まる待機終了位置まで駆動された時点で、ASFモータ56の駆動を開始するので、先行用紙P1と後続用紙P2の間に規定の間隔Lgapを確保できる。
(6)ASFモータ56とPFモータ58とを同時に駆動開始させるときは、待機距離を零に設定すればよい。よって、ASFモータ56とPFモータ58のうち一方を先に駆動させるときにその起動タイミングのずれ量を設定する待機距離に零を設定することにより、ASFモータ56とPFモータ58とを同時に駆動開始させる制御も可能である。よって、待機させる(後から駆動される)モータの決定(つまり先に駆動されるモータの決定)と、待機距離の設定とを行う制御内容を使って、設定内容の一つである待機距離の設定を変えるだけで2つのモータを同時に駆動する場合にも対応できる。
(7)また、先に駆動されたモータが、待機終了位置に達する前にエラー以外の原因で停止した場合は、後から駆動されるモータを待機を中止して駆動を開始するようにしている。このため、先に駆動されたモータがエラー以外の原因で停止した場合(つまり正常な場合)、後から駆動されるはずの待機中のモータが待機状態のまま放置されるハンギングを回避できる。
(8)さらに、先に駆動されたモータが、待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合は、待機を中止し、後から駆動される待機中のモータを駆動させないようにしている。このため、エラーで停止したときに、エラー停止中であるにも拘わらず、後から駆動されるモータが駆動される事態を回避できる。
なお、前記実施形態に限定されず、以下の形態も採用できる。
(変形例1)前記実施形態では、ページ間制御位置を給紙ローラ22とリタードローラ24とのニップ点よりも僅かに給紙方向下流側の位置Gに設定したが、ページ間制御位置はこれに限定されない。ニップ点よりも給紙方向下流側の位置であって、紙検出センサ33の検知位置よりも搬送方向上流側であれば足りる。このようにページ間制御位置は、給紙ローラニップ点と検知位置間の範囲内の位置に設定されれば、後続用紙の先端が検知されるべき位置に搬送されるまでの間に、ページ間制御を行って間隔Lgapを確保することはできる。
(変形例2)前記実施形態では、加減速テーブルをもつ構成であったが、加減速テーブルをもたない構成でも構わない。加速と減速は直線勾配に設定され、加速域および減速域において距離に対する周期(速度)は直線式を用いた計算で求める構成でもよい。また、加速領域、減速領域のうち少なくとも一方に加速度又は減速度の勾配が変化する点が1つ以上設定されていてもよい。
(変形例3)前記実施形態では、給紙ローラ22と紙送りローラ29をそれぞれ別々に駆動させる2つのモータとしたが、これに限定されない。例えば紙送りローラ29と排紙ローラ30をそれぞれ別々に駆動させる2つのモータとしてもよい。その他、駆動対象を連携させて協調制御する必要がある他の2つのモータに適用してもよい。
(変形例4)前記実施形態では、ASFモータ56とPFモータ58とを別々に設け、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを別々の駆動源で駆動させる構成としたが、モータが共有された1つの駆動源としもよい。この場合、電磁クラッチの接続を切り離してローラの回転を停止させたり、電磁クラッチを接続してローラの駆動を開始させたりする構成を適用できる。この構成の場合も、給紙ローラ22と紙送りローラ29とを連携させ、先に駆動された側の駆動量を示す位置パラメータが所定値に達したことをもって、後から駆動される側の駆動を開始して、その駆動開始タイミングを制御することは可能である。
(変形例5)前記実施形態では、駆動源はDCモータに限定されない、他の電気モータを使用できる。例えばステッピングモータを使用できる。ステッピングモータとしては、例えば二相励磁方式、一相励磁方式、一−二相励磁方式、マイクロステップ駆動(バーニア駆動)方式のものを採用することもできる。また、回転子は、永久磁石型(PM型)、歯車状鉄心形(VR型)、ハイブリッド型(HB型)のいずれも採用できる。
(変形例6)前記実施形態では、ASFモータとPFモータの駆動制御を、CPU43がプログラムを実行することによりソフトウェアにより実現したが、ソフトウェアによる方法に限定されない。例えば用紙搬送制御処理を制御回路(カスタムICなど)によりハードウェアで実現してもよく、さらに用紙搬送制御処理をハードウェアとソフトウェアとの組合せ(協働)により実現することもできる。
(変形例7)インクジェット式プリンタに限定されない。ドットインパクト式プリンタなどの他のシリアルプリンタに適用してもよい。また、最大用紙幅の全域に渡って記録可能なノズルを有するラインヘッド型の記録ヘッドを備え、記録ヘッドが主走査方向に移動することなく、媒体に記録を行う記録装置に適用することもできる。この場合、ラインヘッドが記録する媒体は搬送方向に一定速度で搬送され、搬送方向に移動中の媒体にラインヘッドによる記録が行われる。
(変形例8)前記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンタに具体化したが、液体としてインク以外の液体を噴射するその他の液体噴射式の記録装置にも適用できる。ここで、「記録」は、印刷による記録に限定されず、例えば回路の配線パターンなどに使用される材料を含む液状体を噴射して媒体としての基板上に配線パターンを描く記録をも含む。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料が分散または溶解された液状体を噴射する液体噴射装置(記録装置)であってもよい。この場合、液滴を噴射して基板上に画素パターンや配線パターンなどの所定パターンが描画される。例えばシート状の基板を給送手段で1枚ずつ順次給送し、給送された基板上に記録手段により配線パターン等の所定パターンを液体噴射法で描画する場合、媒体としての基板の搬送制御を簡単な制御を用いて実現できる。
以下、前記実施形態および各変形例から把握される技術的思想を記載する。
(1)前記後から駆動される搬送手段の起動タイミングを示す前記先に駆動される搬送手段の駆動量で示された待機量を前記条件に応じて設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
(2)前記制御手段は、前記待機量が零に相当する設定値である場合、前記第一及び第二搬送手段の各々の駆動を略同時に開始させることを特徴とする前記技術的思想(1)に記載の記録装置。
(3)前記制御手段は、先に駆動される搬送手段が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラー以外で停止した場合、待機している搬送手段の待機を中止させて、後から駆動される当該搬送手段の駆動を開始させることを特徴とする技術的思想(1)又(2)に記載の記録装置。
(4)前記制御手段は、先に駆動される搬送手段が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合、待機している搬送手段の待機を中止させて、待機していた当該搬送手段を駆動させないことを特徴とする技術的思想(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の記録装置。
(5)位置パラメータは、先に駆動される駆動源の駆動パルスを計数する計数値であることを特徴とする請求項1乃至11、前記技術的思想(1)乃至(4)のうちいずれか一項に記載の記録装置。ここで、駆動パルスの計数値とは、パルス数の計数値に限らず、パルスエッジ計数値など、パルス数に比例する計数値であれば足りる。但し、パルス数以上の計数値とすれば、後から駆動される駆動源の起動タイミングの精度を高めることができる。この構成によれば、駆動源の駆動量を計数する計数値を利用して、後から駆動される(つまり待機中の)駆動源の起動タイミングを制御できる。
(6)前記制御手段は、先に駆動される駆動源が待機終了位置に達したら待機する側の駆動源に対して駆動許可を出す位置管理制御部(43)と、該位置管理制御部から駆動許可が出ると、他方の駆動源の駆動を開始させる駆動開始制御部(43)とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。これによれば、位置管理制御部は、先に駆動される駆動源が待機終了位置に達したら、待機する側の駆動源に対して駆動許可(駆動許可の通知)を出す。駆動開始制御部は、位置管理制御部から駆動許可が出ると、他方の駆動源の駆動を開始させる。なお、実施形態において、S6,S8,S13,S15を実行するCPU43により位置管理制御部が構成され、S10,S17を実行するCPU43により駆動開始制御部が構成される。
(7)前記制御ステップでは、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第一搬送手段である場合は、該第一搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第一搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第二搬送手段の起動タイミングを制御し、一方、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第二搬送手段である場合は、該第二搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第一搬送手段の起動タイミングを制御することを特徴とする記録装置における媒体搬送方法。
(8)請求項12又は前記技術的思想(7)において、先に駆動される駆動源が駆動開始されてから、後から駆動される他方の駆動源の駆動開始タイミングを示す待機終了位置を前記条件に応じて設定する設定ステップを更に備え、前記制御ステップでは、先に駆動される駆動源の駆動量に応じた位置パラメータが前記待機終了位置に達したら、後から駆動される駆動源に対し駆動許可を与えることを特徴とする記録装置における媒体搬送方法。
一実施形態における(a),(b)自動給紙装置の動作を説明する模式側面図。 プリンタの斜視図。 自動給紙装置から用紙が搬送される搬送機構を示す模式側面図。 ページ間制御位置を通過する紙送りを説明する模式平面図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 用紙搬送制御処理を示すフローチャート。 両ニップ条件成立時の搬送動作における速度波形を示すグラフ。 ページ間制御位置を通過する搬送動作における速度波形を示すグラフ。
符号の説明
11…記録装置としてのプリンタ、13…第一搬送手段及び給送手段としての自動給紙装置(ASF)、18…記録手段を構成するキャリッジ、19…記録手段を構成する記録ヘッド、22…第一搬送手段を構成する給紙ローラ、24…第一搬送手段を構成するリタードローラ、29…第二搬送手段及び媒体送り手段を構成する紙送りローラ、30…排紙ローラ、33…検知手段としての紙検出センサ、35…ホストコンピュータ、40…制御部、43…制御手段を構成するとともに判断手段としてのCPU、45…ROM、50…制御手段を構成するモータドライバ、52…制御手段を構成するモータドライバ、56…第一搬送手段を構成するとともに第一駆動源としてのASFモータ、58…第二搬送手段及び媒体送り手段を構成するとともに第二駆動源としてのPFモータ、65…紙送り量カウンタ、66…ASFカウンタ、67…PFカウンタ、Nx…位置パラメータとしての計数値、P1…先行媒体としての先行用紙、P2…後続媒体としての後続用紙、P…媒体としての用紙、Nx…位置パラメータとしての計数値(現在位置)、Ng…ページ間制御位置、w…待機距離、Lgap…待機距離(間隔)。

Claims (12)

  1. 媒体を搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段より搬送方向下流側の位置で前記媒体を搬送する第二搬送手段と、該第一及び第二搬送手段により搬送される媒体に記録を施す記録手段とを備えた記録装置であって、
    与えられた条件に応じて前記第一搬送手段及び第二搬送手段のうち先に駆動される一方の搬送手段を決定するとともに、後から駆動される他方の搬送手段を決定し、先に駆動される前記一方の搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される他方の搬送手段の起動タイミングを制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第一搬送手段である場合は、該第一搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第一搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第二搬送手段の起動タイミングを制御し、一方、先に駆動される前記一方の搬送手段が前記第二搬送手段である場合は、該第二搬送手段の駆動を先に開始させるとともに、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される前記第一搬送手段の起動タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第一搬送手段を駆動させる第一駆動源と、
    前記第二搬送手段を駆動させる第二駆動源とを備え、
    前記制御手段は、前記第一及び第二駆動源のうち条件に応じて先に駆動される駆動源を決定し、先に駆動される駆動源の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される駆動源の起動タイミングを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、先に駆動される駆動源が駆動開始されてから、後から駆動される駆動源の起動タイミングを示す前記先に駆動される駆動源の駆動量で示された待機量を前記条件に応じて設定し、前記位置パラメータが前記待機量から決まる待機終了位置に達したら、前記後から駆動される駆動源に対し駆動許可を与えることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記待機量が零に相当する設定値である場合、前記第一駆動源と前記第二駆動源の各々の駆動を略同時に開始させることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記制御手段は、先に駆動される駆動源が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラー以外で停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させて、後から駆動される当該駆動源の駆動を開始させることを特徴とする請求項4又は5に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、先に駆動される駆動源が、前記待機量から決まる待機終了位置に達する前にエラーで停止した場合、待機している駆動源の待機を中止させて、待機していた当該駆動源を駆動させないことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 前記与えられた条件とは、指示された搬送動作が前記媒体を前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方で搬送する搬送動作であることであり、前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方に媒体が搬送される搬送動作であるか否かを判断する判断手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記第一及び第二搬送手段の少なくとも両方に媒体が搬送される搬送動作であると判断された場合、前記第一搬送手段を先に駆動されるものとして決定するとともに、前記第二搬送手段を後から駆動されるものとして決定し、前記位置パラメータが前記媒体における前記第一搬送手段と第二搬送手段のそれぞれが該媒体と係合する両係合位置間における部分に弛みを付与しうる所定値に達すると、前記第二搬送手段の駆動を開始させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の記録装置。
  9. 前記制御手段は、先に給送される先行媒体を前記第一及び第二搬送手段の両方で搬送し、該先行媒体が前記第一搬送手段により搬送されなくなる所定位置まで搬送されると、前記第一搬送手段の駆動を一旦停止させて先行媒体と後続媒体との間隔が所定距離になるまで待ってから、前記第一搬送手段による後続媒体の搬送を開始させるように前記第一及び第二搬送手段を駆動制御し、
    前記第一搬送手段が前記所定位置で一旦停止させた後、前記先行媒体と後続媒体との前記間隔を開けるために当該第一及び第二搬送手段を駆動させる条件が成立した場合は、前記第二搬送手段を先に駆動させる一方として決定し、該第二搬送手段の駆動を開始するとともに、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが前記間隔に相当する値に達すると、前記第一搬送手段の駆動を開始させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 一枚の媒体に記録を行う過程で搬送動作が複数回繰り返される構成の記録装置であって、
    前記所定位置を通過する媒体の搬送動作であるか否かを判断する判断手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記所定位置を通過する媒体の搬送動作であると判断されると、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段とが一旦停止された後の駆動開始に際して、前記第二搬送手段を先に駆動されるものとして決定するとともに、前記第一搬送手段を後から駆動されるものとして決定し、該第二搬送手段の駆動を開始させ、該第二搬送手段の駆動量に応じた位置パラメータが前記間隔に相当する所定値に達すると、前記第一搬送手段の駆動を開始させることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記第一搬送手段は、媒体を給送する給送手段であり、前記第二搬送手段は、該給送手段により給送された媒体を該給送手段の搬送方向下流側の位置で搬送する媒体送り手段であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の記録装置。
  12. 媒体を搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段により搬送された媒体を搬送する第二搬送手段と、該第二搬送手段により搬送される媒体に記録を施す記録手段とを備えた記録装置における媒体搬送方法であって、
    与えられた条件に応じて前記第一及び第二搬送手段のうち先に駆動される一方を決定する先駆動決定ステップと、
    前記第一及び第二搬送手段のうち先に駆動される一方の駆動量に応じた位置パラメータに基づいて、後から駆動される他方の起動タイミングを制御する制御ステップと
    を備えたことを特徴とする記録装置における媒体搬送方法。
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