JP2008057085A - ポリアミドモノフィラメントの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸長手方向の油剤付着を安定化させ、高品質に生産することが可能なポリアミドモノフィラメントの製造方法および製造装置を提供する
【解決手段】ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することによりポリアミドモノフィラメントを製造する装置において、前記給油ガイドを、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行う一対の給油ガイド4,5により構成したことを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造装置
【選択図】図1
【解決手段】ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することによりポリアミドモノフィラメントを製造する装置において、前記給油ガイドを、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行う一対の給油ガイド4,5により構成したことを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造装置
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアミドモノフィラメントの直接延伸方法によるポリアミドモノフィラメントの製造方法および製造装置に関するものである。詳細には、糸条の長手方向への油剤付着を安定化させ、高品質に生産することが可能なポリアミドモノフィラメントの製造方法およびこのポリアミドモノフィラメントの製造装置に関するものである。
スクリーン紗と呼ばれるモノフィラメントを製織した紗織物は、スクリーン紗印刷用途、フィルタ用途などに広く使用されている。
近年、紗織物の軽量化薄地化が進み、紗織物の品位に対する要求が上がってきていることから、ヨコヒケや糸削れ等のない品質の均一なモノフィラメントが要求されている。
モノフィラメントの生産手段としては、例えば溶融紡糸用口金パックを用いポリマーを吐出させ、冷却装置による冷却気流により冷却後、給油ガイド装置を用い給油後、第1ゴデロールで引き取り、加熱された第2ゴデロールとの間で延伸し、巻き取る方法が一般的であり、この場合の給油ガイドとしては、給油ガイドの前面に走行糸条を接糸部へ導入するための60°以上90°以下の角度の傾斜面を持つ走行糸条導入部を有し、かつ該走行糸条導入部に続いてストレートな壁面とフラットな底溝を有する糸条の接糸部を有している給油ガイド(例えば、特許文献1参照)や、走行糸条に対して横断する形で油剤溜め溝を設けて、接糸面に対して135°〜180°の交差角度を形成して交差する油剤供給面を有している給油ガイド(例えば、特許文献2参照)を用い均一付着性を高めている。
モノフィラメントの生産手段としては、例えば溶融紡糸用口金パックを用いポリマーを吐出させ、冷却装置による冷却気流により冷却後、給油ガイド装置を用い給油後、第1ゴデロールで引き取り、加熱された第2ゴデロールとの間で延伸し、巻き取る方法が一般的であり、この場合の給油ガイドとしては、給油ガイドの前面に走行糸条を接糸部へ導入するための60°以上90°以下の角度の傾斜面を持つ走行糸条導入部を有し、かつ該走行糸条導入部に続いてストレートな壁面とフラットな底溝を有する糸条の接糸部を有している給油ガイド(例えば、特許文献1参照)や、走行糸条に対して横断する形で油剤溜め溝を設けて、接糸面に対して135°〜180°の交差角度を形成して交差する油剤供給面を有している給油ガイド(例えば、特許文献2参照)を用い均一付着性を高めている。
しかしながら、これら従来の給油ガイドでは、モノフィラメントの様な繊維径の太い糸に用いた場合は、糸周方向への均一給油が難しく、その結果、油剤付着斑が発生してしまいタフネス性の低下、ヨコヒケの発生や糸削れが発生するという問題があった。
特開2004−300582号公報
特開平11−286824号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決しようとするものであり、糸長手方向の油剤付着を安定化させ、高品質に生産することが可能なポリアミドモノフィラメントの製造方法およびこのポリアミドモノフィラメントの製造装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することにより、ポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、前記油剤付与処理を、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行うことを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造方法が提供される。
なお、本発明のボリアミドモノフィラメントの製造方法においては、
前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角θが−30°≦θ≧30°の角度をなすようにして油剤を付与すること、および
前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすようにして油剤を付与すること
が、いずれも好ましい条件である。
前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角θが−30°≦θ≧30°の角度をなすようにして油剤を付与すること、および
前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすようにして油剤を付与すること
が、いずれも好ましい条件である。
(1) m≦100mm
(2) 1mm≦n≦10mm
また、本発明のボリアミドモノフィラメントの製造装置は、ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することによりポリアミドモノフィラメントを製造する装置において、前記給油ガイドを、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行う一対の給油ガイドにより構成したことを特徴とし、
前記一対の給油ガイドが、上部給油ガイドと下部給油ガイドからなり、前記上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、前記下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角θが−30°≦θ≧30°の角度をなすように配置したこと、および
前記一対の給油ガイドにおける上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすこと
が、いずれも好ましい条件である。
(2) 1mm≦n≦10mm
また、本発明のボリアミドモノフィラメントの製造装置は、ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することによりポリアミドモノフィラメントを製造する装置において、前記給油ガイドを、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行う一対の給油ガイドにより構成したことを特徴とし、
前記一対の給油ガイドが、上部給油ガイドと下部給油ガイドからなり、前記上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、前記下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角θが−30°≦θ≧30°の角度をなすように配置したこと、および
前記一対の給油ガイドにおける上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすこと
が、いずれも好ましい条件である。
(1) m≦100mm
(2) 1mm≦n≦10mm
(2) 1mm≦n≦10mm
本発明によれば、以下に説明するとおり、糸長手方向の油剤付着斑を抑制し、ヨコヒケや糸削れがなく良好で高品質なポリアミドモノフィラメントを得ることができる。
本発明について、以下詳細に説明する。
本発明でいうポリアミドモノフィラメントとしては、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレナジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等などからなるモノフィラメントが挙げられる。特に、紗織物用ポリアミドモノフィラメントとして、ポリカプラミド(ナイロン6)モノフィラメントおよびポリヘキサメチレナジパミド(ナイロン66)モノフィラメントであることが好ましい。本発明におけるボリアミドモノフィラメントを構成するポリマーには、目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤、たとえば、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤等を必要に応じて共重合、或いは混合しても良い。
本発明のボリアミドモノフィラメントの製造方法は、ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することにより、ポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、前記油剤付与処理を、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行うことを特徴とする。
このように給油処理を紡出糸条の両面から行うことにより、これまでの片面のみの給油方法では困難であった糸長手方向の油剤付着斑の抑制が可能となり、ヨコヒケ、糸削れのない高品質なポリアミドモノフィラメント製品を得ることができるのである。
なお、この場合には、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、かつ上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nを特定することが好ましく、これについては以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を実施するために使用する製造装置の一例を示す正面図であり、図2は図1の給油ガイド部の拡大側面図であり、図3は給油ガイド部の上面図である。
図1において、溶融紡糸機におけるスピンブロック1は、図示していない加熱手段により加熱されている。紡糸口金2を前記スピンブロック1に装着し、ポリマーを押し出して紡出糸条Y(以下、単に糸条Yという)を形成し、前記口金2下流側に設けたユニフロー形式のチムニー3により糸条Yを均一に冷却後、糸条を挟んで向かい合う一対の給油ガイド4、5により、糸条に対して両方向から油剤を計量給油し、第1ゴデローラー6に数回巻き取った後、次の加熱された第2ゴデローラー7に数回巻き、且つ第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸した後、巻き取り装置8によりドラムを形成させるように構成されている。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法および装置においては、糸条Yを挟んで向かい合う一対の給油ガイド4、5により、糸条Yに対し両方向から油剤を付与することが重要である。
すなわち、一対の給油ガイドは、紡出糸条Yを挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした上部給油ガイド4と下部給油ガイド5から構成されている。
ここで、図3に示したように、上部給油ガイド4の油剤の吐出流路方向Aに対する、下部給油ガイド5の吐出流路方向Bとのなす角θが−30°≦θ≧30°、好ましくは−10°≦θ≧10°の関係をなすように配置されていることが望ましい。
このように上部給油ガイド4と下部給油ガイド5を配置することにより、糸長手方向への均一給油が円滑に行われ、糸条に対する給油ガイドの芯出しも確実に行うことができる。また、給油ガイドの油剤吐出部以外に糸条が接して擦過の影響を受け、ウースター斑や強度斑などのタフネス性低下に繋がる現象を抑えることもできるのである。片面給油の場合は、繊維径の太いモノフィラメントでは給油ガイドの吐出流路と反対側の糸周への均一給油が難しく、糸長手方向への油剤均一付着は困難であった。また糸押さえガイド(図示せず)を用い、糸道の屈曲を大きくすることで油剤を付着させていたが、ガイドとの擦過抵抗が大きくなりタフネス性が低下してしまう。これに対し、糸条を挟んで向かい合う一対の給油ガイド4、5により糸条に対し両方向から油剤を付与することにより、給油ガイド4側の糸条に油剤を付与した後、給油ガイド5側の糸条にも等しく油剤を付与できるため、糸長手方向に安定して油剤を均一に付着させることが可能となる。また片面給油で要した糸押さえガイドが不要となるため、糸条の擦過を大幅に低減させることができる。
かかることにより、これまでの片面のみの給油方法では困難であった糸長手方向の油剤付着斑の抑制が可能となり、ヨコヒケ、糸削れのない高品質なポリアミドモノフィラメント製品を得ることができるのである。
また、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法および装置においては、図2に示すように、上部給油ガイド4の接糸部4aから下部給油ガイド5の接糸部5aまでの鉛直方向の距離mを、糸押さえ機能および油剤均一付与効果を得るため、100mm以下とすることが好ましい。また、給油ガイド5による糸押さえ量nは、糸外れ防止効果および均一付着性を得るため1〜10mmとすることが好ましい。ここに示す糸押さえ量nは、上部給油ガイド4の接糸部4aから下部給油ガイド5の接糸部5aまでの水平方向の距離をいう。通常、上部給油ガイド4の接糸部4aに対する下部給油ガイド5の接糸部5aの位置は、上部給油ガイド4の接糸部4aの鉛直線上位置より、上部給油ガイド4の接糸部後方側に位置している、すなわち給油ガイド4の接糸部4aと下部給油ガイド5の接糸部5aで糸条を押さえ合うような形で位置している。
かかる構成からなる本発明の方法および装置によれば、糸長手方向の油剤付着斑を抑制し、ヨコヒケや糸削れがなく良好で高品質なポリアミドモノフィラメントを得ることができ、このようにして得られたボリアミドモノフィラメントを製織した紗織物は、スクリーン紗印刷用途、フィルター用途、スピーカー用フィルター用途などに有用である。
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例中の特性値の測定は、次のとおりに行った。
A.ウースター斑
zellweger uster社製 USTER TESTER IIIを用いて試料長:250m、測定糸速度:50m/minを12.5%HIで4個測定し、繊維長手方向の太さの変動を求めた。U%(HI)レベルが平均値で0.8%未満を◎、1.0%未満を○、1.2%未満を△、1.5%以上を×と4段階評価で示し、△以上を合格と判定した。○は良好、◎は優れると判定した。
A.ウースター斑
zellweger uster社製 USTER TESTER IIIを用いて試料長:250m、測定糸速度:50m/minを12.5%HIで4個測定し、繊維長手方向の太さの変動を求めた。U%(HI)レベルが平均値で0.8%未満を◎、1.0%未満を○、1.2%未満を△、1.5%以上を×と4段階評価で示し、△以上を合格と判定した。○は良好、◎は優れると判定した。
B.強度
オリエンテック社製の“テンシロン”を用いて測定した。具体的には、初荷重として繊度(デシテックス)の1/33のグラム数の荷重を加え、試料長50cm、引張速度50cm/分の条件で測定し、引張最高強力を求め、それを繊度で割った値を強度とした。1パッケージにつき3回の測定を4パッケージ行い、その平均値を強度とした。
オリエンテック社製の“テンシロン”を用いて測定した。具体的には、初荷重として繊度(デシテックス)の1/33のグラム数の荷重を加え、試料長50cm、引張速度50cm/分の条件で測定し、引張最高強力を求め、それを繊度で割った値を強度とした。1パッケージにつき3回の測定を4パッケージ行い、その平均値を強度とした。
C.ヨコヒケ
織り設計として経糸250本/吋、緯糸254本/吋になるようスルザー織機を用い1kg巻きのドラムを緯打ち込みし、生織おけるバンド状の光沢差について観察を行った。ヨコヒケがない状態を◎、ヨコヒケ弱レベルを○、ヨコヒケ中レベルを△、ヨコヒケ強レベルを×と4段階で評価し、○以上を合格と判定した。
織り設計として経糸250本/吋、緯糸254本/吋になるようスルザー織機を用い1kg巻きのドラムを緯打ち込みし、生織おけるバンド状の光沢差について観察を行った。ヨコヒケがない状態を◎、ヨコヒケ弱レベルを○、ヨコヒケ中レベルを△、ヨコヒケ強レベルを×と4段階で評価し、○以上を合格と判定した。
D.糸削れ
織り設計として経糸250本/吋、緯糸254本/吋になるようスルザー織機を用い1kg巻きのドラムを緯打ち込みし、織機における筬汚れについて観察を行った。筬汚れがない状態を◎、筬汚れ弱レベルを○、筬汚れ中以上を×と3段階で評価し、○以上を合格とした。
[実施例1〜6、比較例1]
実施例1〜6として、図1、図2および図3に示す装置を用い、硫酸相対粘度2.84のナイロン66ポリマーを295℃で溶融し、口金孔径φ0.60の吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、口金下流側面に設けた加熱手段により加熱された加熱気体流路から口金へ水蒸気を200℃、10mmAqの量で供給した後、ユニフロー形式のチムニーにより糸条を冷却し、4フィラメントの糸条を1糸条ずつに分けて、図2に示す距離mを50mm、距離nを5mmに設定した後、各糸条を給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向が−40°≦θ≧〜20°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込みと同時に油剤を計量給油し、第1ゴデローラー6に3.5回巻き取った後、次の第2ゴデローラー7に3.5回巻き、且つ第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で4倍に延伸した後、巻き取り装置8により3000m/minで巻き取り、17デシテックス、1フィラメントのポリアミドモノフィラメント繊維を得た。
織り設計として経糸250本/吋、緯糸254本/吋になるようスルザー織機を用い1kg巻きのドラムを緯打ち込みし、織機における筬汚れについて観察を行った。筬汚れがない状態を◎、筬汚れ弱レベルを○、筬汚れ中以上を×と3段階で評価し、○以上を合格とした。
[実施例1〜6、比較例1]
実施例1〜6として、図1、図2および図3に示す装置を用い、硫酸相対粘度2.84のナイロン66ポリマーを295℃で溶融し、口金孔径φ0.60の吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、口金下流側面に設けた加熱手段により加熱された加熱気体流路から口金へ水蒸気を200℃、10mmAqの量で供給した後、ユニフロー形式のチムニーにより糸条を冷却し、4フィラメントの糸条を1糸条ずつに分けて、図2に示す距離mを50mm、距離nを5mmに設定した後、各糸条を給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向が−40°≦θ≧〜20°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込みと同時に油剤を計量給油し、第1ゴデローラー6に3.5回巻き取った後、次の第2ゴデローラー7に3.5回巻き、且つ第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で4倍に延伸した後、巻き取り装置8により3000m/minで巻き取り、17デシテックス、1フィラメントのポリアミドモノフィラメント繊維を得た。
比較例1として、前記工程において油剤の付与を給油ガイド4のみの片面給油とし、その下に糸押さえガイドを設け、給油ガイド4に糸条を押さえつけた。
得られたボリアミドモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例7〜13]
実施例7〜13として、前記実施例1の工程において、図3に示す給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向がθ=0°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込み、図2に示す距離mを50〜150mm、距離nを0〜15mmに設定した。
実施例7〜13として、前記実施例1の工程において、図3に示す給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向がθ=0°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込み、図2に示す距離mを50〜150mm、距離nを0〜15mmに設定した。
結果を表2に示す。
表1より、糸条を挟んで向かい合う一対の給油ガイドを設けることにより、ウースター斑、糸強度、ヨコヒケ、糸削れが良好なポリアミドモノフィラメント繊維を得ることができる。また、給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向が−30°≦θ≧30°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込みことで、より品質が安定化し、給油ガイド4の給油吐出流路方向に対して給油ガイド5の油剤吐出流路方向が−10°≦θ≧10°の角度に向かい合う一対の給油ガイドで挟み込みことで更に安定化することがわかる。
表2より、糸条を挟んで向かい合う一対の給油ガイド距離m、nを本発明の範囲内とすることで、ウースター斑、糸強度、ヨコヒケ、糸削れが良好なポリアミドモノフィラメント繊維を得ることができる。
本発明によれば、糸長手方向の油剤付着斑を抑制し、ヨコヒケや糸削れがなく良好で高品質なポリアミドモノフィラメントを得ることができ、このようにして得られたボリアミドモノフィラメントを製織した紗織物は、スクリーン紗印刷用途、フィルター用途、スピーカー用フィルター用途などに有用である。
1:スピンブロック
2:紡糸口金
3:ユニフローチムニー
4:上部給油ガイド
4a:接糸部
5:下部給油ガイド
5a:接糸部
6:第1ゴデローラー
7:第2ゴデローラー
8:巻き取り装置
Y:紡出糸条
2:紡糸口金
3:ユニフローチムニー
4:上部給油ガイド
4a:接糸部
5:下部給油ガイド
5a:接糸部
6:第1ゴデローラー
7:第2ゴデローラー
8:巻き取り装置
Y:紡出糸条
Claims (6)
- ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することにより、ポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、前記油剤付与処理を、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行うことを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造方法。
- 前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角度θが−30°≦θ≧30°の角度をなすようにして油剤を付与することを特徴とする請求項1に記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
- 前記油剤付与処理を、紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらして配置した一対の給油ガイドを使用して行い、上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすようにして油剤を付与することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
(1) m≦100mm
(2) 1mm≦n≦10mm - ポリアミドを溶融紡糸し、紡出糸条を冷却装置で冷却気流により冷却した後、給油ガイドにより油剤付与処理し、フィードロールとドローロールとで延伸することによりポリアミドモノフィラメントを製造する装置において、前記給油ガイドを、前記紡出糸条を挟み、かつこの紡出糸条の走行方向に位相をずらした両側から行う一対の給油ガイドにより構成したことを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造装置。
- 前記一対の給油ガイドが、上部給油ガイドと下部給油ガイドからなり、前記上部給油ガイドの油剤の吐出流路方向に対し、前記下部給油ガイドの吐出流路方向とのなす角度θが−30°≦θ≧30°の角度をなすように配置したことを特徴とする請求項4に記載のポリアミドモノフィラメントの製造装置。
- 前記一対の給油ガイドにおける上部給油ガイドの接糸部から下部給油ガイドの接糸部までの鉛直方向の距離mと、水平方向の距離nが下記の式(1)および(2)を満たすことを特徴とする請求項4または5に記載のポリアミドモノフィラメントの製造装置。
(1) m≦100mm
(2) 1mm≦n≦10mm
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102534826A (zh) * | 2012-01-20 | 2012-07-04 | 北京中丽制机工程技术有限公司 | 丝束油剂喷淋装置 |
CN103305938A (zh) * | 2013-06-25 | 2013-09-18 | 苏州锦凯纺织有限公司 | 新型预取向丝的上油设备 |
EP2799600A1 (en) | 2011-12-27 | 2014-11-05 | Toray Industries, Inc. | Liquid-crystalline polyester multifilament |
WO2019208404A1 (ja) | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 東レ株式会社 | ポリアミドモノフィラメント |
-
2006
- 2006-08-31 JP JP2006237044A patent/JP2008057085A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019208404A1 (ja) | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 東レ株式会社 | ポリアミドモノフィラメント |
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