JP2008052778A - 光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】記録時にはリム強度を下げてレーザー光の利用効率を上げることによりパワーを確保し、再生時にもレーザー出射パワーを落とさずにリム強度を上げてレーザー光の利用効率を下げることにより集光径を小さく保ち低雑音で再生することを可能とする。
【解決手段】略同じ波長のレーザー光を出射する2つの光源を有し、第一の光源1から出射される第一のレーザー光を対物レンズを介して記録媒体へ集光照射して記録を行う手段と、第二の光源2から出射される第二のレーザー光を記録媒体へ導く光路中に凹レンズ3を配して対物レンズにおける第二のレーザー光のリム強度を第一のレーザー光のリム強度よりも大きくして再生する。これにより、記録時にはレーザー光の利用効率を上げて記録パワーを確保し、再生時には記録媒体上での集光径を小さくするとともに、光源2の出射パワーをRINが十分に低くなるパワーに設定して再生することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】略同じ波長のレーザー光を出射する2つの光源を有し、第一の光源1から出射される第一のレーザー光を対物レンズを介して記録媒体へ集光照射して記録を行う手段と、第二の光源2から出射される第二のレーザー光を記録媒体へ導く光路中に凹レンズ3を配して対物レンズにおける第二のレーザー光のリム強度を第一のレーザー光のリム強度よりも大きくして再生する。これにより、記録時にはレーザー光の利用効率を上げて記録パワーを確保し、再生時には記録媒体上での集光径を小さくするとともに、光源2の出射パワーをRINが十分に低くなるパワーに設定して再生することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光情報記録装置において記録媒体に情報を記録再生する光ピックアップに関する。
レーザー光を使用して光学的に情報の記録再生が行われる光ディスクや光テープ等の光情報記録装置においては、記録媒体に形成されている記録材料にレーザー光を集光照射し、照射部分の記録材料の温度を上昇させて物理的・化学的な変化を起こさせることにより情報を記録する手法が一般的である。記録媒体から情報を再生する場合には、すでに記録されている情報を破壊または消去しないように、記録時よりも低いパワーのレーザー光を集光照射し、記録材料の物理的・化学的変化の有無を、反射率などの光学特性の変化として検出することにより情報を再生する。
このような光情報記録装置の開発の歴史においては、記録媒体の記録密度の向上を図る目的で、使用するレーザー光の波長を短くする手法が取られてきた。これは、レンズ等でレーザー光を集光させた場合に、その集光径がレーザー光の波長に比例するためである。たとえば光ディスク装置においては、プレイヤーやドライブ装置に搭載するのに適した光源として半導体レーザーが使用され、各光ディスクが規格化された当時に量産が可能となっていた最も短い波長の半導体レーザーが使用されてきた。そのため、CD(Compact Disc)では波長780nm程度の赤外半導体レーザーが、DVD(Digital Versatile Disc)では波長650nm程度の赤色半導体レーザーが使用されることが想定された規格となっている。近年は波長405nm程度の青色半導体レーザーを使用することで記録密度を高めたBlu-ray規格やHD DVD(High Density Digital Versatile Disc)規格が提案されている。
さらに、レーザー光の波長が同じ場合でも、そのレーザー光を集光するレンズに入射するビームの強度分布によって集光径は変化する。図2に示すように、一般に光記録に用いられる半導体レーザーから出射されるレーザー光は、光軸上を最大値(I0)とし光軸から離れるに従い小さくなるような断面強度分布12をもっている。このレーザー光11をレンズ13で集光する場合、レンズ13の瞳径端におけるレーザー光の相対強度I1/I0(リム強度:pupil
limb intensity)が大きい方が、レーザー光の集光領域14の径dを小さくすることができる。たとえば、図3に波長405nmのレーザー光と開口数0.85の対物レンズを用いた場合のリム強度と集光スポット径の関係を示す。ただし、リム強度を大きくするほどレーザー光の光軸から離れた部分の光を使用しないことになるため、レーザー光の利用効率は下がることになる。
limb intensity)が大きい方が、レーザー光の集光領域14の径dを小さくすることができる。たとえば、図3に波長405nmのレーザー光と開口数0.85の対物レンズを用いた場合のリム強度と集光スポット径の関係を示す。ただし、リム強度を大きくするほどレーザー光の光軸から離れた部分の光を使用しないことになるため、レーザー光の利用効率は下がることになる。
記録媒体へ情報を記録する場合には相対的に大きなパワーが必要になるため、リム強度を小さくしてレーザー光の利用効率を上げる方が好ましい。リム強度を小さくすると、それに応じてレーザー光の集光径は大きくなるが、上述のように一般に光記録においてはレーザー光照射による熱を利用して記録材料に物理的・化学的変化を起こさせることにより情報を記録しているため、集光されたレーザー光の中心付近の高温領域のみで記録を行うようにレーザー光強度を調整することができる。したがって、記録時においては集光径を小さくすることよりもパワーを確保することの方が重要である。特に短波長のレーザー光を出射する半導体レーザーにおいては一般に出力が大きく取れないため、パワーの確保はなおさら重要である。一方、記録媒体から情報を再生する場合は、すでに記録されている情報を破壊・消去しない程度に記録媒体上でのパワーを落とす必要があるとともに、隣接トラックからのクロストークの影響を少なくするために集光スポット径をできるだけ小さく保つのが望ましい。
また、半導体レーザーは量子雑音(RIN:Relative Intensity Noise)をもち、この雑音は一般に半導体レーザーを低パワーで使用する場合により大きくなる傾向があり、特に青色半導体レーザー、具体的にはGaN系の半導体レーザーの場合はこの傾向がより顕著である。図4に青紫色レーザー光を出射する半導体レーザーの出力とRINの関係の一例を示す。一般に、光情報記録再生装置においてはRINが-125dBm/Hzよりも大きいと良好な記録再生信号が得られない。したがって、たとえば図4の特性を持つ半導体レーザーの場合、7mW以上の出力で使用しないと良好な信号が得られないことになる。
したがって、再生時に記録時の構成のまま単純にレーザー出射パワーを下げるとRINが大きくなるとともに、リム強度がもともと小さいため集光径も大きいままであり、良好な再生信号を得ることは難しい。
再生時にレーザー出射パワーを下げない方法としては、たとえば再生時に減光フィルターを光路中に挿入する手法(特許文献1参照)や、液晶を用いて再生時のレーザー光の透過率を下げる手法(特許文献1、特許文献2参照)が知られている。
特開2002-260272
特開2003-115109
光路中に減光フィルターを出し入れする方法では、そのための駆動機構が別途必要となり、構成が複雑になるとともに精度や信頼性に問題がある。また、液晶を用いてレーザー光の透過率を変更する方法にしても、再生時にレーザー出射パワーを下げなくてもよいことでRINは小さくできるものの、リム強度の割合は変化しないためレーザー光の集光径を小さくすることはできず、良好な再生信号を得るのに適した構成とはならない。
本発明は、記録時にはリム強度を下げてレーザー光の利用効率を上げることによりパワーを確保し、再生時にもレーザー出射パワーを落とさずにリム強度を上げてレーザー光の利用効率を下げることにより集光径を小さく保ち低雑音で再生することを可能とする光ピックアップを提供しようとするものである。
本発明の光ピックアップは、略同じ波長のレーザー光を出射する2つの光源を有し、第一の光源から出射される第一のレーザー光を対物レンズを介して記録媒体へ集光照射して記録を行う手段と、第二の光源から出射される第二のレーザー光を記録媒体へ導く光路中にレンズ等を配して対物レンズにおける第二のレーザー光のリム強度を第一のレーザー光のリム強度よりも大きくして再生する手段を有することを特徴とする。
上述のように構成された本発明の光ピックアップにおいては、記録時には対物レンズにおけるリム強度を小さくしたレーザー光を使用することによりレーザー光の利用効率を上げて記録パワーを確保し、再生時には対物レンズにおけるレーザー光のリム強度を大きくして記録媒体上での集光径を小さくするとともに、光源となる半導体レーザーの出射パワーをRINが十分に低くなるパワーに設定しつつ、記録媒体上の再生パワーを情報の破壊・消去等が起きない程度に低く抑えて再生することが可能となる。
本発明による光ピックアップによれば、レーザー光源を2つ持つことにより、記録時には対物レンズにおけるリム強度を小さくしたレーザー光を使用してレーザー光の利用効率を上げることにより半導体レーザーの出力を必要以上に上げることなく記録パワーを確保
し、再生時には対物レンズにおけるレーザー光のリム強度を大きくして記録媒体上での集光径を小さくするとともに、光源となる半導体レーザーの出射パワーをRINが十分に低くなるパワーに設定しつつ、記録媒体上の再生パワーを情報の破壊・消去等が起きない程度に低く抑えて再生することが可能となる。
し、再生時には対物レンズにおけるレーザー光のリム強度を大きくして記録媒体上での集光径を小さくするとともに、光源となる半導体レーザーの出射パワーをRINが十分に低くなるパワーに設定しつつ、記録媒体上の再生パワーを情報の破壊・消去等が起きない程度に低く抑えて再生することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態による光ピックアップの一例を示す。この光ピックアップでたとえば光ディスク等の記録媒体8に情報を記録する場合には、レーザー駆動切替回路10により光源として第一の半導体レーザー1を選択駆動し、半導体レーザー1から記録信号に応じてレーザー光が出射される。半導体レーザー1から出射されたレーザー光は偏光ビームスプリッター4、ビームスプリッター5、コリメートレンズ6を透過し、対物レンズ7によって記録媒体8に集光照射される。図1において、偏光ビームスプリッター5は入射するレーザー光の偏光方向が紙面に平行な場合は透過し、それと直交する(紙面に垂直)偏光の場合は反射する特性を持ち、半導体レーザー1から出射されるレーザー光が偏光ビームスプリッター4を透過する向き(紙面に平行)に配置されているものとする。また、半導体レーザー1の出力は、RINが十分に低く、かつ上述の光路を経て記録媒体8に記録を行うのに十分なパワーに設定しておくものとする。
次に、記録媒体8に記録されている情報を再生する場合には、レーザー駆動切替回路10により光源として第二の半導体レーザー2を選択駆動する。ここで半導体レーザー2は、出射するレーザー光の偏光の向きが偏光ビームスプリッター4で反射されるような向き(紙面に垂直)になるように配置されるものとする。半導体レーザー2から出射されたレーザー光は凹レンズ3によって放射角度が広げられ、偏光ビームスプリッター4で反射され、ビームスプリッター5、コリメートレンズ6を透過して対物レンズ7によって記録媒体8に集光照射される。さらに記録媒体8によって反射されたレーザー光は、対物レンズ7、コリメートレンズ6を逆に辿ってビームスプリッター5で反射された成分がフォトダイオードIC9に入射し、ここで電気信号に変換されることにより記録媒体8に記録されている情報が再生される。
上述のように、再生時において半導体レーザー2から出射されたレーザー光は、出射直後の凹レンズ3によってその放射角度が広げられるため、対物レンズ7に到達した状態においては、記録時に半導体レーザー1から出射されたレーザー光が対物レンズ7に到達した状態に比べて、光軸に垂直なビーム強度分布が広がった状態となっている。このことにより、再生時に半導体レーザー2から対物レンズ7に入射するレーザー光のリム強度の割合は記録時に比べて大きくなり、記録媒体8上に集光するスポット径は相対的に小さくできる。同時に、再生時には半導体レーザー2から対物レンズ7までレーザー光が導かれる間に光軸から離れた部分の光のけられ量が多くなることにより、記録時に比べてレーザー光の利用効率が下がり、記録媒体8に到達するパワーは相対的に減衰する。したがって、半導体レーザー2の出力を、RINが再生信号に悪影響を与えるほど低く設定せずとも、記録媒体8に記録されている情報を破壊・消去せずに再生することが可能となる。
たとえば光磁気ディスクの場合、記録時と再生時のディスク記録膜でのパワーの比は8〜10倍程度である。図4に示すようなRIN特性を持つ半導体レーザーを用いる場合、RINが-125dBm/Hz以下の状態で使用するためには7mW以上の出力で出射する必要がある。そこで、仮に記録媒体上での適正な再生レーザーパワーが0.7mWであれば、半導体レーザーから記録媒体までの光学系の効率を10%に調整して7mWのレーザー出力パワーで再生するように構成できるが、この場合パワーの変更だけで記録するためには56〜70mWのレーザー出力パワーが必要となる。この記録パワーを青紫色半導体レーザーで出力させることは、消費電
力、レーザーの耐久性を考慮すると好ましくない。そこで、ピックアップを本実施例である図1のような構成にすれば、凹レンズ3により再生時の光学系の効率を下げることによって、記録時と再生時のレーザー出力パワーの比を小さくすることができる。半導体レーザー2の出射ビームの強度分布がガウス分布であれば、たとえばリム強度を15%から58%に変更するとレーザー光の利用効率は85%から42%(略1/2)に減少し、その結果記録時と再生時のパワーの比は4〜5倍に縮まる。すなわち、上述の例で凹レンズを用いることによって対物レンズでのリム強度を15%から58%にし、凹レンズを除いた光学系の効率を20%にすれば、再生時のレーザー2の出射パワーは7mWとRINの低い状態で使用しつつ、記録時のレーザー1の出射パワーは28〜35mWで済むことになる。しかも、図3に示すように、再生時の集光スポット径は記録時の0.44μmから0.41μmに7%程度縮小するので、良好な再生特性が確保できる。
力、レーザーの耐久性を考慮すると好ましくない。そこで、ピックアップを本実施例である図1のような構成にすれば、凹レンズ3により再生時の光学系の効率を下げることによって、記録時と再生時のレーザー出力パワーの比を小さくすることができる。半導体レーザー2の出射ビームの強度分布がガウス分布であれば、たとえばリム強度を15%から58%に変更するとレーザー光の利用効率は85%から42%(略1/2)に減少し、その結果記録時と再生時のパワーの比は4〜5倍に縮まる。すなわち、上述の例で凹レンズを用いることによって対物レンズでのリム強度を15%から58%にし、凹レンズを除いた光学系の効率を20%にすれば、再生時のレーザー2の出射パワーは7mWとRINの低い状態で使用しつつ、記録時のレーザー1の出射パワーは28〜35mWで済むことになる。しかも、図3に示すように、再生時の集光スポット径は記録時の0.44μmから0.41μmに7%程度縮小するので、良好な再生特性が確保できる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態や数値に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。たとえば、上述の実施形態、図1において、再生用の半導体レーザー2と偏光ビームスプリッター4の間に減光フィルターを追加配置すること等によって再生時の光学系の効率を下げることにより、記録時と再生時のレーザー出力パワーの比をさらに小さくすることも可能である。
Claims (6)
- レーザー光を使用して記録媒体に情報の記録再生を行うための光ピックアップであって、2つのレーザー光源を有し、該2つの光源から出力されるレーザー光の波長が略等しいことを特徴とする光ピックアップ。
- 上記2つのレーザー光は、記録媒体に集光するための1つの対物レンズを共有し、対物レンズの瞳端での強度を異ならしめたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
- 上記2つのレーザー光の少なくとも一方の光路中にレーザー光の利用効率を下げるための手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ピックアップ。
- 上記レーザー光の利用効率を下げるための手段として凹レンズを有することを特徴とする請求項3記載の光ピックアップ。
- 上記光源は青色から紫外の波長域で発振可能な半導体レーザーであることを特徴とする請求項1〜請求項4記載の光ピックアップ。
- 上記2つの光源のうち一方を記録媒体への情報の記録時または書換時または消去時に使用し、他方を記録媒体からの情報の再生時に使用するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5記載の光ピックアップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006225456A JP2008052778A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 光ピックアップ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2008052778A true JP2008052778A (ja) | 2008-03-06 |
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JP (1) | JP2008052778A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8102748B2 (en) | 2009-03-03 | 2012-01-24 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
-
2006
- 2006-08-22 JP JP2006225456A patent/JP2008052778A/ja active Pending
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US8102748B2 (en) | 2009-03-03 | 2012-01-24 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
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