JP2008051446A - 蓄熱器と蓄熱器を用いた車載熱システム - Google Patents

蓄熱器と蓄熱器を用いた車載熱システム Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトでありながら、高い蓄熱性能を発揮する蓄熱器を提供すること。簡単な熱媒体循環制御としながら、パワーユニット始動時、期待に応えるエンジンの暖機促進や車室内の暖房能力向上を達成することができる蓄熱器を用いた車載熱システムを提供すること。
【解決手段】貯液部1の外周部に断熱層2,3,4を有する蓄熱器において、前記貯液部1と前記断熱層2,3,4との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けた。車載熱発生源と車載熱要求源とが蓄熱器Sを介して接続された車載熱システムにおいて、蓄熱器Sの入口側と出口側にそれぞれ第1バルブ23と第2バルブ24を設け、パワーユニット駆動状態で両バルブ23,24を開き、パワーユニットが停止すると両バルブ23,24を閉じ、パワーユニットの始動時に両バルブ23,24を開く熱媒体循環制御手段を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン暖機を促進させるため、もしくは、暖房能力を向上させるためエンジン冷却水循環回路等に適用される蓄熱器と蓄熱器を用いた車載熱システムに関する。
従来、エンジン冷却水を保温貯蔵する蓄熱器としては、金属製の内容器と外容器との二重構造であって、両容器間の空隙部が真空断熱されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来の蓄熱器を用いた車載熱システムでは、車両走行時に高温となったエンジン冷却水を蓄熱器の取り込み、車両が停止している間、高温のエンジン冷却水を蓄熱器内に保温貯蔵する。そして、次回のエンジン始動時、蓄熱機内の高温のエンジン冷却水がエンジンや車室内暖房用のヒータコアに送り込まれ、エンジンの早期暖機や早期暖房に使用される。
特開2004−20027号公報
しかしながら、従来の蓄熱器にあっては、貯液部の外周に真空断熱層を有し、エンジン冷却水が相変化することなく蓄えた熱エネルギーのみを利用する構成であるため、蓄熱器内の高温エンジン冷却水を使い切ってしまえば、以後、熱エネルギーの供給が得られず、蓄熱性能が低い、という問題があった。また、蓄熱性能を高めるには蓄熱器の容量をかなり高容量の設定にせざるを得ず、蓄熱器の大型化を招く、という問題があった。
また、従来の蓄熱器を用いた車載熱システムにあっては、エンジン始動時、エンジン冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は高温のエンジン冷却水がエンジンや車室内暖房用のヒータコアに送り込まれるが、2サイクル目以降は、エンジンや大気等のシステム環境の温度影響を受けるし、低温のエンジン冷却水とも混合されるため、一気に熱が奪われてしまい、低温のエンジン冷却水が循環することになる。したがって、期待に応えるエンジンの早期暖機性能や車室内の早期暖房性能を望めない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コンパクトでありながら、高い蓄熱性能を発揮する蓄熱器を提供することを目的とする。また、簡単な熱媒体循環制御としながら、パワーユニット始動時、期待に応えるエンジンの暖機促進や車室内の暖房能力向上を達成することができる蓄熱器を用いた車載熱システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、貯液部の外周部に断熱層を有する蓄熱器において、
前記貯液部と前記断熱層との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層を設けたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明では、パワーユニット駆動状態で熱媒体を加熱する車載熱発生源と、熱媒体の温度が降下するパワーユニット停止状態からの始動時に高温の熱媒体を要求する車載熱要求源と、が熱媒体回路により接続された車載熱システムにおいて、
前記熱媒体回路に、入口側を前記車載熱発生源に接続し、出口側を前記車載熱要求源に接続した蓄熱器を設定し、
前記蓄熱器は、貯液部と断熱層との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層を設け、
前記車載熱発生源と前記蓄熱器の入口側とを接続する回路に第1バルブを設け、
前記蓄熱器の出口側と前記車載熱要求源とを接続する回路に第2バルブを設け、
パワーユニット駆動状態で前記第1バルブと前記第2バルブとを開き、パワーユニットが停止すると前記第1バルブと前記第2バルブとを閉じ、パワーユニットの始動時に前記第1バルブと前記第2バルブとを開く熱媒体循環制御手段を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の蓄熱器にあっては、蓄熱器内を高温の熱媒体が流通しているとき、高温の熱媒体からの温度を受けて蓄熱材の温度が融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、貯液部を経過する高温熱媒体の流通が停止すると、断熱層と蓄熱層との2層に囲まれた貯液部に高温の熱媒体が封じ込められる。
そして、蓄熱器内の高温熱媒体を使う場合、まず、蓄熱器内の高温熱媒体が放出される。この高温熱媒体の放出に伴い蓄熱器内の熱媒体温度が低下しようとするが、熱媒体温度の低下に伴って蓄熱材の温度が凝固点に達すると、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出される。
すなわち、固相と液相間の相変化に伴って吸収あるいは放出される熱エネルギーである「潜熱」の場合、相変化なしに蓄えられる熱エネルギーである「顕熱」の場合に比べ、桁違いに大きい熱量を蓄えることができる。この点に着目し、本発明の蓄熱器は、保温性を保ちつつ熱媒体に蓄えた「顕熱」と、蓄熱層の蓄熱材から放出される「潜熱」と、を有効に併用するようにした。このため、コンパクトでありながら、高い蓄熱性能を発揮する蓄熱器を提供することができる。
本発明の蓄熱器を用いた車載熱システムにあっては、パワーユニット駆動状態のとき、熱媒体循環制御手段において、第1バルブと第2バルブとが開かれる。したがって、蓄熱器の入口側から出口側を経過する高温の熱媒体から熱を受け、蓄熱材の温度が融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、パワーユニットが停止すると、熱媒体循環制御手段において、第1バルブと第2バルブとが閉じられる。したがって、断熱層と蓄熱層との2層に囲まれた貯液部に高温の熱媒体が封じ込められる。
さらに、パワーユニットの始動時には、熱媒体循環制御手段において、第1バルブと第2バルブとが開かれる。したがって、熱媒体の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄えられていた高温の熱媒体が車載熱要求源に送り込まれる。その後、システム環境の温度影響を受けるし低温の熱媒体と混合されることで、蓄熱器内の熱媒体温度が低下する。しかし、熱媒体温度の低下に伴い蓄熱材の温度が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出される。この蓄熱材からの熱放出により熱媒体の温度低下が抑えられ、高温を保った熱媒体が車載熱要求源に送り込まれる。
この結果、簡単な熱媒体循環制御としながら、パワーユニット始動時、例えば、車載熱要求源をエンジンとした場合には、期待に応えるエンジンの暖機促進を達成することができるし、車載熱要求源をヒータコアとした場合には、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
以下、本発明の蓄熱器と蓄熱器を用いた車載熱システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例6に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の蓄熱器を示す縦断正面図、図2は実施例1の蓄熱器を示す図1のA部拡大図、図3は実施例1の蓄熱器を示す外観斜視図、図4は実施例1の蓄熱器を示す断面斜視図、図5は実施例1の蓄熱器を示す分解斜視図である。
実施例1の蓄熱器S1は、図1〜図5に示すように、貯液部1と、側面真空断熱層2(断熱層)と、入口側端面真空断熱層3(断熱層)と、出口側端面真空断熱層4(断熱層)と、蓄熱層5と、入口パイプ6(入口側部材)と、出口パイプ7(出口側部材)と、第1円筒側板8と、第1入口側端板9と、第1出口側端板10と、第2円筒側板11と、第2入口側端板12と、第2出口側端板13と、蛇腹円筒板14(熱交換促進部材)と、を備えている。
実施例1の蓄熱器S1は、貯液部1の外周部に真空断熱層2,3,4を有し、前記貯液部1と前記側面真空断熱層2との間には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けている。
前記貯液部1には、熱媒体を流入させる入口パイプ6と、熱媒体を流出させる出口パイプ7と、が設けられ、前記貯液部1と蓄熱層5とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に断面波形状の凹凸を有する蛇腹円筒板14としている。
前記入口パイプ6は、第2入口側端板12と第1入口側端板9とを貫通して固定され、前記出口パイプ7は、第2出口側端板13と第1出口側端板10とを貫通して固定される。
前記蓄熱層5に充填される蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いている。
前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、前記蓄熱層5には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分(10%程度)を考慮して充填している。
ここで、蓄熱性素材として、パラフィン系素材を用いた理由は、融解点(融解温度)や凝固点(凝固温度)による相変化温度を設定するに際し、炭素鎖数に対応し広範な温度域(-50℃〜80℃)をカバーすることができるし、蓄熱量(溶融潜熱)も130〜250kJ/kg程度であり、他の素材に比べて高いことによる。
例えば、エンジン冷却水をヒータコアに循環させる車載熱システムに蓄熱器を用いる場合には、相変化温度は、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上が好ましい。その理由は、エンジン冷却水温は冬季等では80℃に満たないケースもあり、かつ、暖かいと感じられる吹き出し温度は30℃であるため、吹き出し温度30℃以上を得るのに必要な相変化温度は、上記のように、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上の温度となる。
前記内容器は、第1円筒側板8と、第1入口側端板9と、第1出口側端板10と、を有する。そして、前記第1円筒側板8の内側位置に、第1円筒側板8とは同心に蛇腹円筒板14を配置している。
前記外容器は、前記内容器の外側に配置され、第2円筒側板11と、第2入口側端板12と、第2出口側端板13と、を有する。
前記貯液部1は、蛇腹円筒板14と第1入口側端板9と第1出口側端板10とで囲まれる円柱状空間により構成される。なお、両端板9,10に対する蛇腹円筒板14の位置決めは、第1入口側端板9に形成された段差部9aと、第1出口側端板10に形成された段差部10aと、により行われる。
前記断熱層としては、側面真空断熱層2と、入口側端面真空断熱層3と、出口側端面真空断熱層4と、を有し、内容器と外容器との間に形成される間隙を真空化することにより構成される。
前記側面真空断熱層2は、第1円筒側板8と第2円筒側板11との間に円筒状の層として形成される。前記入口側端面真空断熱層3は、第1入口側端板9と第2入口側端板12との間に形成される。前記出口側端面真空断熱層4は、第1出口側端板10と第2出口側端板13との間に形成される。なお、側面真空断熱層2の径方向間隙は、第2入口側端板12に形成された環状突部12aと、第2出口側端板13に形成された環状突部13aとにより位置決めされることで、外力が加わっても相対位置関係を変えることなく、一定の間隙に保たれる。
前記蓄熱層5は、第1円筒側板8と蛇腹円筒板14との間に形成される円筒状空間により構成される。なお、蓄熱層5の径方向間隙は、第1円筒側板8が環状突部12a,13aにより位置決めされ、蛇腹円筒板14が段差部9a,10aにより位置決めされることにより、一定の間隙に保たれる。
次に、作用を説明する。
[蓄熱作用]
蓄熱材による熱吸収作用について説明すると、蓄熱器S1内の貯液部1に、入口パイプ6から出口パイプに向かっての流れにより高温の熱媒体が流通しているとき、高温の熱媒体からの熱を、蛇腹円筒板14を介して蓄熱層5内の蓄熱材が受ける。そして、熱を受けて蓄熱材の温度が上昇し、蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
ちなみに、実施例1ではパラフィン封入カプセルを蓄熱材としているため、蓄熱材の温度が融解点未満で低いときは、封入されているパラフィンが、蝋のように固まった固体であるのに対し、蓄熱材の温度が融解点以上になると、固体のパラフィンが徐々に液化し、最大に吸熱した状態ではカプセル内で完全に液体となる。
貯液部1内の熱媒体への蓄熱作用について説明すると、貯液部1を経過する高温熱媒体の流通が停止すると、図6(a)に示すように、真空断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1に高温の熱媒体が封じ込められ、蓄熱器S1内の貯液部1に蓄えられた熱媒体の温度の低下が抑えられ、熱媒体が高温状態のままで保たれる。
すなわち、熱媒体流通が停止状態となったままで長時間が経過し、蓄熱器S1を囲む外気温が低温となっても、真空断熱層2,3,4と蓄熱層5との二重断熱構造により、貯液部1に蓄えられた熱媒体から逃げようとする熱エネルギーが最小に抑えられ、長時間を経過しても貯液部1の熱媒体を高温状態のままで保つ高い保温性が達成される。
[放熱作用]
高温熱媒体の放出作用について説明すると、蓄熱器S1の貯液部1内の高温熱媒体を使う場合、まず、貯液部1の高温熱媒体が、出口パイプ7を経過して放出される。この高温熱媒体の放出に伴い、図6(b)に示すように、蓄熱器S1の貯液部1内へ入口パイプ6を経過して低温熱媒体を導入することで、高温と低温の両熱媒体が混合し、蓄熱器S1の貯液部1内の熱媒体温度が低下する。
蓄熱材からの放熱作用について説明すると、蓄熱器S1の貯液部1内の熱媒体温度が低下し、蛇腹円筒板14を介して蓄熱層5内の蓄熱材から熱を奪うと、蓄熱材の温度が低下する。そして、蓄熱材の温度が凝固点に達すると、図6(c)に示すように、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーを、蛇腹円筒板14を介して熱媒体に対し供給し続け、熱媒体の温度低下を抑える。
ちなみに、実施例1ではパラフィン封入カプセルを蓄熱材としているため、蓄熱材の温度が凝固点より高いときは、封入されているパラフィンが液体であるのに対し、蓄熱材の温度が凝固点以下に低下すると、液体のパラフィンが徐々に固体化して放熱し、最大に放熱した状態ではカプセル内で固体となる。
[蓄熱性能の比較]
図7に示すエンジン始動時のエンジン冷却水温度の比較特性により蓄熱性能を比較する。
図7において、点線特性はエンジン冷却水の循環回路の途中位置に蓄熱器が無い場合のエンジン冷却水温度特性、1点鎖線特性はエンジン冷却水の循環回路の途中位置に従来の蓄熱器を設定した場合のエンジン冷却水温度特性、実線特性はエンジン冷却水の循環回路の途中位置に実施例1の蓄熱器を設定した場合のエンジン冷却水温度特性である。
エンジン冷却水の循環回路の途中位置に蓄熱器が無い場合にエンジンを始動すると、図7の点線特性に示すように、始動時点における外気温度レベルによるエンジン冷却水温度から、エンジン駆動による熱エネルギーを受け、時間の経過と共にエンジン冷却水温度が上昇する。なお、図7では一定勾配によりエンジン冷却水温度が上昇すると仮定する。
エンジン冷却水の循環回路の途中位置に従来の蓄熱器(真空断熱層のみを有する)を設定した場合にエンジンを始動すると、図7の1点鎖線特性に示すように、エンジン始動時点で蓄熱器から高温のエンジン冷却水が送られることにより、始動直後にエンジン冷却水温が立ち上がるが、直ぐに冷たいエンジン冷却水と混じり合うことで温度が低下し、その後は、点線特性に沿ってエンジン冷却水温度が上昇する。
エンジン冷却水の循環回路の途中位置に実施例1の蓄熱器S1を設定した場合にエンジンを始動すると、図7の実線特性に示すように、エンジン始動時点で蓄熱器から高温のエンジン冷却水が送られることにより、始動直後にエンジン冷却水温が立ち上がる。そして、冷たいエンジン冷却水と混じり合うことで温度が低下しようとすると、蓄熱材に蓄えられていた熱を放出することでエンジン冷却水の温度低下が抑えられ、2サイクル目以降からもエンジン冷却水温度が上昇する。
上記エンジン冷却水温度特性により蓄熱器の性能を比較する場合、「顕熱」と「潜熱」とが関係する。前記「顕熱」とは、相変化なしに蓄えられる熱エネルギーをいい、前記「潜熱」とは、固相と液相間の相変化に伴って吸収あるいは放出される熱エネルギーをいう。そして、「潜熱」の場合は、「顕熱」の場合に比べ、桁違いに大きい熱量を蓄えることができる。
これに対し、従来の蓄熱器(例えば、特開2004−20027号公報参照)は、高温のエンジン冷却水を蓄える、つまり、上記「顕熱」のみを利用するものであるため、図7に示すように、蓄えた高温のエンジン冷却水を使い切ってしまえば、その後、熱エネルギーの追加が無いというように、顕熱効果代が低い。このため、エンジン冷却水の循環回路の途中位置に蓄熱器が無い場合の暖機温度に達する時間T3に対し、暖機温度に達する時間T2はわずかに短縮されるのみである。
一方、実施例1の蓄熱器S1は、保温性を保ちつつ熱媒体に蓄えた「顕熱」と、蓄熱層5の蓄熱材から放出される「潜熱」と、を有効に併用するものであるため、図7に示すように、顕熱効果代に、熱エネルギーを追加する潜熱効果代が加わる。このため、エンジン冷却水の循環回路の途中位置に蓄熱器が無い場合の暖機温度に達する時間T3に対し、暖機温度に達する時間T1が大幅に短縮される。
[熱交換促進作用]
実施例1の蓄熱器S1は、貯液部1に、熱媒体を流入させる入口パイプ6と、熱媒体を流出させる出口パイプ7と、を設け、貯液部1と蓄熱層5とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に断面波形状の凹凸を有する蛇腹円筒板14としている。
このため、入口パイプ6から出口パイプ7へ向かう熱媒体の流れは、蛇腹円筒板14の内面の凹凸形状に沿って蛇行して流れることになり、蓄熱層5に充填した蓄熱材にて熱媒体からの熱を吸収するときには、熱吸収する有効面積が、ストレートの円筒パイプの場合に比べて拡大し、熱吸収効率が高くなる。同様に、蓄熱層5に充填した蓄熱材から熱媒体へ熱を放出するときには、熱放出する有効面積が、ストレートの円筒パイプの場合に比べて拡大し、熱放出効率が高くなる。
次に、効果を説明する。
実施例1の蓄熱器S1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 実施例1の蓄熱器S1は、貯液部1の外周部に真空断熱層2,3,4を有する蓄熱器において、前記貯液部1と前記側面真空断熱層2との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けたため、コンパクトでありながら、高い蓄熱性能を発揮する蓄熱器S1を提供することができる。
(2) 前記貯液部1には、熱媒体を流入させる入口パイプ6と、熱媒体を流出させる出口パイプ7と、が設けられ、前記貯液部1と蓄熱層5とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に断面波形状の凹凸を有する蛇腹円筒板14としたため、蓄熱層5に充填した蓄熱材の熱吸収効率と熱放出効率が高くなるというように熱交換が促進され、蓄熱材による高い潜熱効果を達成することができる。
(3) 前記蓄熱層5に充填される蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いたため、少ない充填量にて高い蓄熱量を得ることができると共に、相変化温度の設定自由度が高いことにより、用途に応じた適切な相変化温度に設定することができる。
(4) 前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、前記蓄熱層5には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分を考慮して充填したため、パラフィン系素材の欠点である揮発性が球状皮膜により抑えられるし、体積変化による変形力の作用も抑えられることで、長期間の使用に対して耐久信頼性を確保することができる。
(5) 第1円筒側板8と、第1入口側端板9と、第1出口側端板10と、を有する内容器と、前記内容器の外側に配置され、第2円筒側板11と、第2入口側端板12と、第2出口側端板13と、を有する外容器と、を備え、前記第1円筒側板8の内側位置に、第1円筒側板8とは同心に蛇腹円筒板14を配置し、前記貯液部1は、蛇腹円筒板14と第1入口側端板9と第1出口側端板10とで囲まれる円柱状空間により構成し、前記断熱層は、第1円筒側板8と第2円筒側板11との間に形成される円筒状の側面真空断熱層2と、第1入口側端板9と第2入口側端板12との間に形成される入口側端面真空断熱層3と、第1出口側端板10と第2出口側端板13との間に形成される出口側端面真空断熱層4と、により構成し、前記蓄熱層5は、第1円筒側板8と蛇腹円筒板14との間に形成される円筒状空間により構成したため、内容器と外容器による二重容器構造に蛇腹円筒板14を加えるだけの簡単な構成としながら、貯液部1の全周を覆う真空断熱層2,3,4により高い保温性能を得ることができると共に、蛇腹円筒板14の採用により蓄熱材による高い潜熱効果を達成することができる。
実施例2は、実施例1の容器型の蓄熱器に対し、貯液部の容量を可変に設定できる積層型の蓄熱器とした例である。
まず、構成を説明する。
図8は実施例2の蓄熱器を示す縦断正面図、図9は実施例2の蓄熱器を示す図8のB部拡大図、図10は実施例2の蓄熱器を示す外観斜視図、図11は実施例2の蓄熱器を示す断面斜視図、図12は実施例2の蓄熱器を示す分解斜視図である。
実施例2の蓄熱器S2は、図8〜図12に示すように、貯液部1と、側面真空断熱層2(断熱層)と、入口側端面真空断熱層3(断熱層)と、出口側端面真空断熱層4(断熱層)と、蓄熱層5と、入口パイプ6(入口側部材)と、出口パイプ7(出口側部材)と、入口側端板15と、入口側蓋板16と、出口側端板17と、出口側蓋板18と、タンク構成要素19と、を備えている。
実施例2の蓄熱器S2は、貯液部1の外周部に真空断熱層2,3,4を有し、前記貯液部1と前記側面真空断熱層2との間には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けている。
前記貯液部1には、熱媒体を流入させる入口パイプ6と、熱媒体を流出させる出口パイプ7と、が設けられ、前記貯液部1と蓄熱層5とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に凹凸を有するタンク構成要素19の第3隔壁部19cによる構成としている。なお、凹凸は、図9に示すように、隣接する第3隔壁部19cと内リブ19d,19dとの重なり合いにより形成される。
前記入口パイプ6は、入口側端板15を貫通して固定され、前記出口パイプ7は、出口側端板17を貫通して固定される。
前記蓄熱層5に充填される蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いている。
前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、前記蓄熱層5には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分(10%程度)を考慮して充填している。
実施例2の蓄熱器S2は、構成部品として、入口側端板15と、入口側蓋板16と、出口側端板17と、出口側蓋板18と、タンク構成要素19と、を有する。
前記出口側端板17には、図12に示すように、蓄熱器S2を真空ロウ付けにより製造する場合、蓄熱材を封入するための蓄熱材封入部17aが、出口側蓋板18に向かって突出される。前記出口側蓋板18には、前記蓄熱材封入部17aを貫通する封入部穴18aが形成され、前記蓄熱材封入部17aは、蓄熱材を封入した後、樹脂系やゴム系等によるキャップ20にて塞がれる。
前記タンク構成要素19は、同心状に第1隔壁部19aと第2隔壁部19bと第3隔壁部19cと内リブ19dと外リブ19eとを有する。前記第1隔壁部19aと前記第2隔壁部19bとの間は、全周のうち4箇所程度で径方向に連結し、連結部間に断熱層空間19fを形成している。前記第2隔壁部19bと前記第3隔壁部19cとの間は、全周のうち4箇所程度で径方向に連結し、連結部間に蓄熱層空間19gを形成している。前記第3隔壁部19cに囲まれた空間を貯液部空間19hとしている。前記内リブ19dは、前記第3隔壁部19cから貯液部1に向かって突出する。前記外リブ19eは、第1隔壁部19aから外方に向かって突出するもので、全周のうち一部には積層時の外形位置合わせのために軸方向の折り曲げ部を有する。なお、第1隔壁部19aと第2隔壁部19bとの連結部には、タンク軸方向に突出する位置決め突起19iを形成している(図9参照)。
実施例2の蓄熱器S2は、前記タンク構成要素19を1枚ずつ反転させながら複数枚積層し、積層したタンク構成要素19の両端開口部を、前記入口側端板15及び入口側蓋板16と、前記出口側端板17及び出口側蓋板18と、により閉塞することで容器を構成している。なお、実施例2の蓄熱器S2は、製造方法として、各構成部品にロウ材を塗布して容器の形状に組み立て、これを真空雰囲気の中に入れて昇温させ、各構成部品をロウ付けするという、真空ロウ付け方法を採用している。
前記側面真空断熱層2は、前記タンク構成要素19の積層により連通する断熱層空間19fを真空化することにより構成している。前記入口側端面真空断熱層3は、入口側端板15と入口側蓋板16とで形成される空間を真空化することにより構成している。前記出口側端面真空断熱層4は、出口側端板17と出口側蓋板18とで形成される空間を真空化することにより構成している。
前記蓄熱層5は、前記タンク構成要素19の積層により連通する蓄熱層空間19gにより構成している。この蓄熱層5に蓄熱材を封入するにあたっては、真空ロウ付け後、真空化した蓄熱層5に対し、真空引きを利用して封入している。
前記貯液部1は、前記タンク構成要素19の積層により連通する貯液部空間19hにより構成している。
次に、作用を説明する。
[蓄熱器の製造方法]
図13は実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法を示す工程図、図14は実施例2の蓄熱器S2の炉中内での真空引き工程で真空度を向上させるためのエアー抜き溝を示す図、図15は実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法における蓄熱材封入工程を示す説明図である。以下、図13〜図15を用い実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法を説明する。
・部品加工工程
ステップS1の第1部品加工工程では、タンク構成要素19がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS2の第2部品加工工程では、入口側蓋板16と出口側蓋板18がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS3の第3部品加工工程では、入口側端板15と出口側端板17とがプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS4の第4部品加工工程では、入口パイプ6と出口パイプ7がパイプ成形により板材から加工、又は、引き抜き等により加工される。
ステップS5の第5部品加工工程では、キャップ20がプレスや打ち抜きにより板材から加工される。
・ロウ材塗布工程
ステップS6のロウ材塗布工程では、前記ステップS1の第1部品加工工程において加工された複数のタンク構成要素19(例えば、ステンレス鋼)に対し、ロウ材を塗布する。
・サブ組み立て工程(積層工程)
ステップS7のサブ組み立て工程では、前記ステップS6のロウ材塗布工程においてロウ材を塗布した複数のタンク構成要素19を、貯液容量の設計値に応じて所要枚数積層する。なお、実施例2の場合は、図8〜図12に示す積層状態となるように、複数のタンク構成要素19を1枚毎に裏返ししながら積層する。
・組み立て工程
ステップS8の組み立て工程では、ステップS7のサブ組み立て工程にて組み立てられた積層したタンク構成要素19に対し、第2部品加工工程〜第5部品加工工程にて加工された、入口側蓋板16、出口側蓋板18、入口側端板15、出口側端板17、入口パイプ6、出口パイプ7、キャップ20の各部品を組み付け、全体として容器形状となるように仮に組み立てる。このとき、積層したタンク構成要素19以外のロウ付け必要部分についてもロウ材を塗布する。
・治具セット工程
ステップS9の治具セット工程では、前記ステップS8の組み立て工程にて容器形状に仮に組み立てられた各部品が位置ずれすることなく、一体性を確保するためのロウ付け用治具をセットする。
・ロウ付け工程
ステップS10のロウ付け工程では、下記の炉中内工程により、各部品間を真空ロウ付け方により固定する。
炉中内工程は、炉中内を真空化する真空引き工程(ステップS10a)と、炉中内の温度を上昇させる昇温工程(ステップS10b)と、溶けたロウにより部品間を固定するロウ付け工程(ステップS10c)と、ロウ付け固定した容器を冷却する冷却工程(ステップS10d)と、を有する。
上記ステップS10aの真空引き工程において、より真空度を向上させるために、図14(a)に示すように、第2隔壁部19bと第3隔壁部19cとを径方向に連結する連結部にエアー抜け溝19jを形成している。したがって、タンク構成要素19を積層した場合、図14(b)に示すように、貯液部1と側面真空断熱層2とが、対向する一対のエアー抜け溝19j,19jにより連通する。
・気密工程
ステップS11の気密工程では、炉中から取り出したロウ付け容器の真空断熱層2,3,4と蓄熱層5の真空状態を保つ気密性を確保する。
・蓄熱材封入工程
ステップS12の蓄熱材封入工程では、真空化された蓄熱層5による真空引きを利用して蓄熱材が封入される。
すなわち、図15(a)に示すように、真空ロウ付け方の場合、蓄熱層5も真空化される。また、出口側端板17に形成した蓄熱材封入部17aには、基準板厚に対して厚みを薄くした薄肉部17a′が形成されている。
そこで、蓄熱材P(パラフィン系)を充填した封入機の先端部を、図15(b)に示すように、蓄熱材封入部17aに差し込み、薄肉部17a′を突き破ると、蓄熱層5による真空吸引力により、一気に蓄熱材Pが蓄熱層5に吸い込まれる。なお、蓄熱層5が真空であるため、蓄熱材Pの封入時間が短く、かつ、均一に充填される。
そして、蓄熱層5に蓄熱材Pが充填されると、突き破られた蓄熱材封入部17aを塞ぐため、図15(c)に示すように、キャップ20を差し込み係合する。
・出荷検査工程
ステップS13の出荷検査工程では、ロウ付け不良箇所が無く、真空断熱層2,3,4の真空性が保たれているか、蓄熱層5に蓄熱材Pが充填されているか等のチェック項目についての出荷検査を行う。
・梱包工程
ステップS14の梱包工程では、出荷検査をパスした製品について、梱包を行う。
・出荷工程
ステップS15の出荷工程では、梱包を行った製品の工場出荷を行う。
なお、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の蓄熱器S2にあっては、実施例1の蓄熱器S1における(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 構成部品として、入口側蓋板16と出口側蓋板18とタンク構成要素19を有し、前記タンク構成要素19は、同心状に第1隔壁部19aと第2隔壁部19bと第3隔壁部19cと内リブ19dとを有し、前記第1隔壁部19aと前記第2隔壁部19bとの間に断熱層空間19fを形成し、前記第2隔壁部19bと前記第3隔壁部19cとの間に蓄熱層空間19gを形成し、前記第3隔壁部19cに囲まれて貯液部空間19hを形成し、前記タンク構成要素19を複数枚積層し、積層したタンク構成要素19の両端開口部を、前記入口側蓋板16と前記出口側蓋板18とにより閉塞することにより容器を構成し、前記貯液部1は、前記タンク構成要素19の積層により連通する貯液部空間19hにより構成し、前記真空断熱層2は、前記タンク構成要素19の積層により連通する断熱層空間19fを真空化することにより構成し、前記蓄熱層5は、前記タンク構成要素19の積層により連通する蓄熱層空間19gにより構成したため、構成部品の種類を変えることなく、貯液部1に収容する熱媒体の容量を変更したい場合、タンク構成要素19の積層枚数を変えることにより容量変更に対応することができる。
実施例3は、実施例1の蓄熱器S1または実施例2の蓄熱器S2(以下、「蓄熱器S」という。)を、車載熱発生源と車載熱要求源とが熱媒体回路により接続された車載熱システムに適用した例である。
まず、構成を説明する。
図16は実施例3の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示すエンジン冷却水循環回路図である。
エンジン駆動状態でエンジン冷却水(熱媒体)を加熱するエンジン21(車載熱発生源)と、エンジン冷却水の温度が降下するエンジン停止状態からのエンジン始動時に加熱したエンジン冷却水を要求するエンジン21(車載熱要求源)及びヒータコア22(車載熱要求源)と、がエンジン冷却水循環回路により接続されている。
前記エンジン21は、駆動状態で冷却水を加熱することで車載熱発生源といえるし、停止状態で冷却水の温度が降下することで車載熱要求源ともいえる。
前記ヒータコア22は、車室内の温度を制御するエアーコンディショナーのユニット内に配置され、エンジン冷却水を加熱媒体とすることで車載熱要求源といえる。
前記エンジン冷却水循環回路には、入口側を前記エンジン21に接続し、出口側を前記エンジン21とヒータコア22に接続した蓄熱器Sを設定している。
前記蓄熱器Sは、貯液部1と断熱層2,3,4との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けている(実施例1,実施例2を参照)。
前記エンジン21と前記蓄熱器Sの入口側とを接続する回路に第1バルブ23を設け、前記蓄熱器Sの出口側と前記エンジン21及びヒータコア22とを接続する回路に第2バルブ24を設けている。なお、エンジン21とラジエータ25とを結ぶエンジン冷却水循環回路には、サーモバルブ26と循環ポンプ27とが設けられている。
前記第1バルブ23と第2バルブ24と循環ポンプ27とは、コントローラ28(熱媒体循環制御手段)によりその作動が制御される。
前記コントローラ28は、基本的に、エンジン駆動状態で前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを開き、エンジン21が停止すると前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを閉じ、エンジン21の始動時に前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを開く制御をする。
これに対し、実施例3の場合、車載熱要求源が2つ存在することで、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブ24を前記エンジン21側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブ24を前記ヒータコア22側に開く制御を行う。
次に、作用を説明する。
[蓄熱作用]
エンジン駆動による通常走行状態のとき、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、暖房使用時には、第2バルブ24がヒータコア22側に開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図17(a)に示すように、エンジン21からの高温のエンジン冷却水は、蓄熱器Sの入口側から出口側を経過し、暖房使用時、ヒータコア22を介してエンジン21に送られる。このため、エンジン冷却水の温度が上昇して蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、エンジン21が停止すると、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が閉じられ、かつ、循環ポンプ27が停止される。
したがって、図17(b)に示すように、断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1にエンジン冷却水が封じ込められ、蓄熱器S内に蓄えられたエンジン冷却水の温度の低下が抑えられ、エンジン冷却水が高温状態のままで保たれる。
[エンジン暖機優先時]
その後、エンジン21の始動時であって、エンジン暖機優先時には、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、第2バルブ24がエンジン21側に開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図17(c)に示すように、エンジン冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温のエンジン冷却水がエンジン21に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温のエンジン冷却水と混合されることで、蓄熱器S内のエンジン冷却水の温度が低下する。
しかし、蓄熱器S内のエンジン冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーをエンジン冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出によりエンジン冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保ったエンジン冷却水がエンジン21に送り込まれる。
[車室内暖房優先時]
一方、エンジン21の始動時であって、車室内暖房優先時には、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、第2バルブ24がヒータコア22側に開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図17(d)に示すように、エンジン冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温のエンジン冷却水がヒータコア22に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温のエンジン冷却水と混合されることで、蓄熱器S内のエンジン冷却水が低下する。
しかし、蓄熱器S内のエンジン冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーをエンジン冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出によりエンジン冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保ったエンジン冷却水がヒータコア22に送り込まれる。
次に、効果を説明する。
実施例3の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(7) パワーユニット駆動状態で熱媒体を加熱する車載熱発生源と、熱媒体の温度が降下するパワーユニット停止状態からの始動時に高温の熱媒体を要求する車載熱要求源と、が熱媒体回路により接続された車載熱システムにおいて、前記熱媒体回路に、入口側を前記車載熱発生源に接続し、出口側を前記車載熱要求源に接続した蓄熱器Sを設定し、前記蓄熱器Sは、貯液部1と断熱層2,3,4との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設け、前記車載熱発生源と前記蓄熱器Sの入口側とを接続する回路に第1バルブ23を設け、前記蓄熱器Sの出口側と前記車載熱要求源とを接続する回路に第2バルブ24を設け、パワーユニット駆動状態で前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを開き、パワーユニットが停止すると前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを閉じ、パワーユニットの始動時に前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを開くコントローラ28を設けたため、簡単な熱媒体循環制御としながら、パワーユニットの始動時、「顕熱」と「潜熱」を併用する蓄熱器Sから、車載熱要求源に対して高温の熱媒体を送り続けることで、期待に応えるエンジン暖機促進や、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
(8) 前記車載熱発生源は、駆動状態で冷却水を加熱するエンジン21であり、前記車載熱要求源は、停止状態で冷却水の温度が降下するエンジン21と、エンジン冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22と、であり、前記コントローラ28は、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブ24を前記エンジン21側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブ24を前記ヒータコア22側に開くため、簡単なエンジン冷却水の循環制御としながら、エンジン始動時であって、エンジン暖機優先時には、期待に応えるエンジン21の暖機促進を達成することができるし、エンジン始動時であって、車室内暖房優先時には、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
実施例4は、実施例3の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システムにおいて、第2バルブ24とヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を追加した例である。
まず、構成を説明する。
図18は実施例4の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示すエンジン冷却水循環回路図である。
実施例4において、車載熱発生源は、駆動状態で冷却水を加熱するエンジン21であり、車載熱要求源は、停止状態で冷却水の温度が降下するエンジン21と、エンジン冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22と、である。
そして、第2バルブ24とヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を設け、前記コントローラ28は、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブ24を前記エンジン21側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブ24を前記ヒータコア22側に開くと共に、前記ポンプ29を作動させて蓄熱器Sからヒータコア22へ送る流量を調整する。なお、他の構成は、実施例3と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[蓄熱作用]
エンジン駆動による通常走行状態のとき、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、暖房使用時には、第2バルブ24がヒータコア22側に開かれると共にポンプ29と循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図19(a)に示すように、エンジン21からの高温のエンジン冷却水は、蓄熱器Sの入口側から出口側を経過し、暖房使用時、ヒータコア22を介してエンジン21に送られる。このため、エンジン冷却水の温度が上昇して蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、エンジン21が停止すると、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が閉じられ、かつ、ポンプ29と循環ポンプ27が停止される。
したがって、図19(b)に示すように、断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1にエンジン冷却水が封じ込められ、蓄熱器S内に蓄えられたエンジン冷却水の温度の低下が抑えられ、エンジン冷却水が高温状態のままで保たれる。
[エンジン暖機優先時]
その後、エンジン21の始動時であって、エンジン暖機優先時には、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、第2バルブ24がエンジン21側に開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図19(c)に示すように、エンジン冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温のエンジン冷却水がエンジン21に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温のエンジン冷却水と混合されることで、蓄熱器S内のエンジン冷却水の温度が低下する。
しかし、蓄熱器S内のエンジン冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーをエンジン冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出によりエンジン冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保ったエンジン冷却水がエンジン21に送り込まれる。
[車室内暖房優先時]
一方、エンジン21の始動時であって、車室内暖房優先時には、コントローラ28において、第1バルブ23が開かれ、第2バルブ24がヒータコア22側に開かれると共にポンプ29が駆動制御され、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図19(d)に示すように、エンジン冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温のエンジン冷却水がヒータコア22に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温のエンジン冷却水と混合されることで、蓄熱器S内のエンジン冷却水が低下する。
しかし、蓄熱器S内のエンジン冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーをエンジン冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出によりエンジン冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保ったエンジン冷却水が、流量を調整するポンプ29を介し、ヒータコア22に送り込まれる。
次に、効果を説明する。
実施例4の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システムにあっては、実施例3の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記車載熱発生源は、駆動状態で冷却水を加熱するエンジン21であり、車載熱要求源は、停止状態で冷却水の温度が降下するエンジン21と、エンジン冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22と、であり、前記第2バルブ24と前記ヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を設け、前記コントローラ28は、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブ24を前記エンジン21側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブ24を前記ヒータコア22側に開くと共に、前記ポンプ29を作動させて蓄熱器Sからヒータコア22へ送る流量を調整するため、エンジン始動時であって、エンジン暖機優先時には、期待に応えるエンジン21の暖機促進を達成することができるし、エンジン始動時であって、車室内暖房優先時には、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができると共に、流量調整により暖房性能をコントロールすることができる。
実施例5は、実施例3及び実施例4がエンジン車のエンジン冷却水循環システムへの適用例であるのに対し、ハイブリッド車の駆動モータ用電装品冷却水循環システムへの適用例である。
まず、構成を説明する。
図20は実施例5の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示す冷却水循環回路図である。
実施例5において、車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器30と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器31であり、車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22である。
ここで、ハイブリッド車の駆動モータとしては、高定格出力の三相交流モータ等が使用される。このため、交流(モータ側)と直流(バッテリ側)とを相互に変換するインバータも大型となり、スイッチング回路やコンデンサ等が熱を持つ関係上、水冷が必要となる。また、駆動用バッテリーも他の車載電装品用のバッテリーとは別に、大型の駆動モータ専用バッテリーを搭載していて、このバッテリーも水冷が必要となる。
前記コントローラ28は、エンジン始動時、前記第1バルブ23と前記第2バルブ24を開く制御を行う。なお、他の構成は、実施例3及び実施例4と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[蓄熱作用]
エンジンまたはモータの一方を駆動する通常走行状態のとき、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図21(a)に示すように、インバータ冷却器30及びバッテリー冷却器31からの高温の冷却水は、蓄熱器Sの入口側から出口側を経過し、ラジエータ25とヒータコア22に送られる。このため、冷却水の温度が上昇して蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、エンジン停止時には、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が閉じられ、かつ、循環ポンプ27が停止される。
したがって、図21(b)に示すように、断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1に冷却水が封じ込められ、蓄熱器S内に蓄えられた冷却水の温度の低下が抑えられ、冷却水が高温状態のままで保たれる。
[エンジン始動時]
エンジン始動時(車室内暖房時)には、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が開かれ、循環ポンプ27が駆動される。
したがって、図21(c)に示すように、冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温の冷却水がヒータコア22に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温の冷却水と混合されることで、蓄熱器S内の冷却水の温度が低下する。
しかし、蓄熱器S内の冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーを冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出により冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保った冷却水がヒータコア22に送り込まれる。
次に、効果を説明する。
実施例5の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムにあっては、実施例3の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器30と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器31であり、車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22であり、前記コントローラ28は、エンジン始動時、前記第1バルブ23と前記第2バルブ24を開く制御を行うため、ハイブリッド車でのエンジン始動時、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
実施例6は、実施例5の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムにおいて、第2バルブ24とヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を追加した例である。
まず、構成を説明する。
図22は実施例6の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示す冷却水循環回路図である。
実施例6において、車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器30と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器31であり、車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22である。
そして、前記第2バルブ24と前記ヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を設け、前記コントローラ28は、エンジン始動時、前記第1バルブ23と前記第2バルブ24を開くと共に、前記ポンプ29を作動させて蓄熱器Sからヒータコア22へ送る流量を調整する制御を行う。なお、他の構成は、実施例3及び実施例4と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[蓄熱作用]
エンジンまたはモータの一方を駆動する通常走行状態のとき、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が開かれ、循環ポンプ27が駆動され、暖房使用時にはポンプが駆動される。
したがって、図23(a)に示すように、インバータ冷却器30及びバッテリー冷却器31からの高温の冷却水は、蓄熱器Sの入口側から出口側を経過し、ラジエータ25に送られるし、暖房使用時にはヒータコア22に送られる。このため、冷却水の温度が上昇して蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
そして、エンジン停止時には、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が閉じられ、かつ、循環ポンプ27とポンプ29が停止される。
したがって、図23(b)に示すように、断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1に冷却水が封じ込められ、蓄熱器S内に蓄えられた冷却水の温度の低下が抑えられ、冷却水が高温状態のままで保たれる。
[エンジン始動時]
エンジン始動時(車室内暖房時)には、コントローラ28において、第1バルブ23と第2バルブ24が開かれ、循環ポンプ27が駆動され、ポンプ29が流量調整のために駆動される。
したがって、図23(c)に示すように、冷却水の循環サイクルのうち、1サイクル目は、蓄熱器Sに蓄えられていた高温の冷却水がポンプ29を介してヒータコア22に送り込まれる。そして、システム環境の温度影響を受けるし低温の冷却水と混合されることで、蓄熱器S内の冷却水の温度が低下する。
しかし、蓄熱器S内の冷却水温度低下により蓄熱材が凝固点に達する2サイクル目以降は、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーを冷却水に対し供給し続ける。つまり、2サイクル目以降においては、蓄熱材からの熱放出により冷却水の温度低下が抑えられ、高温を保った冷却水が、流量を調整するポンプ29を介し、ヒータコア22に送り込まれる。
次に、効果を説明する。
実施例6の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムにあっては、実施例3の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器30と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器31であり、車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22であり、前記第2バルブ24と前記ヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を設け、前記コントローラ28は、エンジン始動時、前記第1バルブ23と前記第2バルブ24を開くと共に、前記ポンプ29を作動させて蓄熱器Sからヒータコア22へ送る流量を調整するため、ハイブリッド車でのエンジン始動時、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができると共に、流量調整により暖房性能をコントロールすることができる。
以上、本発明の蓄熱器を実施例1及び実施例2に基づき説明し、本発明の蓄熱器を用いた車載熱システムを実施例3〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、二重容器+壁部材での容器構造により、貯液部と断熱層との間に蓄熱層を設ける蓄熱器の例を示し、実施例2では、タンク構成要素を積層する積層構造により、貯液部と断熱層との間に蓄熱層を設ける蓄熱器の例を示した。しかし、具体的な蓄熱器の構成は、実施例1,2の構造に限られるものではなく、三重容器構造によるものや、容器構造と積層構造を組み合わせたもの等であってもよい。要するに、貯液部と断熱層との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層を設けたものであれば、本発明に含まれる。
実施例1では、蓄熱性素材としてパラフィン系素材を用いた例を示したが、例えば、相変化温度を重合度に応じて設定可能なポリエチレングリコールや、相変化温度域が広範な無機塩・水和物/水溶液(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウム混合物、塩化カルシウム六水塩等)等のように、他の蓄熱性素材を用いても良い。
また、実施例1では、蓄熱材として、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルを用いた例を示したが、蓄熱性素材を樹脂製容器に充填するパッケージ化や、樹脂に蓄熱性素材を練り込み成形したものをラミネート被覆する等、他の処理・加工を行ったものを用いても良い。
実施例1,2では、熱媒体を水とする蓄熱器への適用例を示したが、熱媒体が水以外の液体の蓄熱器としても、また、車両以外の様々な用途の蓄熱器としても適用することができる。
実施例3,4では、車載熱システムとしてエンジン車のエンジン冷却水循環システムの例を示し、実施例5,6では、車載熱システムとしてハイブリッド車の駆動モータ用電装品冷却水循環システムの例を示したが、電気自動車の駆動モータ用電装品冷却水循環システム等にも適用できる。要するに、パワーユニット駆動状態で熱媒体を加熱する車載熱発生源と、熱媒体の温度が降下するパワーユニット停止状態からの始動時に高温の熱媒体を要求する車載熱要求源と、が熱媒体回路により接続された車載熱システムには適用することができる。
実施例1の蓄熱器を示す縦断正面図である。 実施例1の蓄熱器を示す図1のA部拡大図である。 実施例1の蓄熱器を示す外観斜視図である。 実施例1の蓄熱器を示す断面斜視図である。 実施例1の蓄熱器を示す分解斜視図である。 実施例1の蓄熱器での蓄熱作用と放熱作用を説明する作用説明図である。 エンジン始動時における蓄熱器無し・従来の蓄熱器有り・実施例1の蓄熱器有りの場合のエンジン冷却水温度比較特性図である。 実施例2の蓄熱器を示す縦断正面図である。 実施例2の蓄熱器を示す図8のB部拡大図である。 実施例2の蓄熱器を示す外観斜視図である。 実施例2の蓄熱器を示す断面斜視図である。 実施例2の蓄熱器を示す分解斜視図である。 実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法を示す工程図である。 実施例2の蓄熱器S2の炉中内での真空引き工程で真空度を向上させるためのエアー抜き溝を示す図である。 実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法における蓄熱材封入工程を示す説明図である。 実施例3の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示すエンジン冷却水循環回路図である。 実施例3のエンジン冷却水循環システムにおけるエンジン冷却水循環作用説明図である。 実施例4の蓄熱器Sを用いたエンジン冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示すエンジン冷却水循環回路図である。 実施例4のエンジン冷却水循環システムにおけるエンジン冷却水循環作用説明図である。 実施例5の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示す冷却水循環回路図である。 実施例5の駆動モータ用電装品冷却水循環システムにおける冷却水循環作用説明図である。 実施例6の蓄熱器Sを用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システム(車載熱システムの一例)を示す冷却水循環回路図である。 実施例6の駆動モータ用電装品冷却水循環システムにおける冷却水循環作用説明図である。
符号の説明
S1 蓄熱器
1 貯液部
2 側面真空断熱層(断熱層)
3 入口側端面真空断熱層(断熱層)
4 出口側端面真空断熱層(断熱層)
5 蓄熱層
6 入口パイプ(入口側部材)
7 出口パイプ(出口側部材)
8 第1円筒側板
9 第1入口側端板
10 第1出口側端板
11 第2円筒側板
12 第2入口側端板
13 第2出口側端板
14 蛇腹円筒板(熱交換促進部材)
S2 蓄熱器
15 入口側端板
16 入口側蓋板
17 出口側端板
18 出口側蓋板
19 タンク構成要素
19a 第1隔壁部
19b 第2隔壁部
19c 第3隔壁部(熱交換促進部材)
19d 内リブ(熱交換促進部材)
19e 外リブ
19f 断熱層空間
19g 蓄熱層空間
19h 貯液部空間
20 キャップ
S 蓄熱器
21 エンジン
22 ヒータコア
23 第1バルブ
24 第2バルブ
25 ラジエータ
26 サーモバルブ
27 循環ポンプ
28 コントローラ
29 ポンプ
30 インバータ冷却器
31 バッテリー冷却器

Claims (11)

  1. 貯液部の外周部に断熱層を有する蓄熱器において、
    前記貯液部と前記断熱層との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層を設けたことを特徴とする蓄熱器。
  2. 請求項1に記載された蓄熱器において、
    前記貯液部には、熱媒体を流入させる入口側部材と、熱媒体を流出させる出口側部材と、が設けられ、
    前記貯液部と蓄熱層とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に凹凸を有する熱交換促進部材としたことを特徴とする蓄熱器。
  3. 請求項1または2に記載された蓄熱器において、
    前記蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いたことを特徴とする蓄熱器。
  4. 請求項3に記載された蓄熱器と蓄熱器において、
    前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、
    前記蓄熱層には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分を考慮して充填したことを特徴とする蓄熱器。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された蓄熱器において、
    第1円筒側板と、第1入口側端板と、第1出口側端板と、を有する内容器と、
    前記内容器の外側に配置され、第2円筒側板と、第2入口側端板と、第2出口側端板と、を有する外容器と、を備え、
    前記第1円筒側板の内側位置に、第1円筒側板とは同心に蛇腹円筒板を配置し、
    前記貯液部は、前記蛇腹円筒板と第1入口側端板と第1出口側端板とで囲まれる円柱状空間により構成し、
    前記断熱層は、前記第1円筒側板と前記第2円筒側板との間に形成される円筒状の側面真空断熱層と、前記第1入口側端板と前記第2入口側端板との間に形成される入口側端面真空断熱層と、前記第1出口側端板と前記第2出口側端板との間に形成される出口側端面真空断熱層と、により構成し、
    前記蓄熱層は、前記第1円筒側板と前記蛇腹円筒板との間に形成される円筒状空間により構成したことを特徴とする蓄熱器。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された蓄熱器において、
    構成部品として、入口側蓋板と出口側蓋板とタンク構成要素を有し、
    前記タンク構成要素は、同心状に第1隔壁部と第2隔壁部と第3隔壁部と内リブとを有し、前記第1隔壁部と前記第2隔壁部との間に断熱層空間を形成し、前記第2隔壁部と前記第3隔壁部との間に蓄熱層空間を形成し、前記第3隔壁部に囲まれて貯液部空間を形成し、
    前記タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の両端開口部を、前記入口側蓋板と前記出口側蓋板とにより閉塞することにより容器を構成し、
    前記貯液部は、前記タンク構成要素の積層により連通する貯液部空間により構成し、
    前記断熱層は、前記タンク構成要素の積層により連通する断熱層空間を真空化することにより構成し、
    前記蓄熱層は、前記タンク構成要素の積層により連通する蓄熱層空間により構成したことを特徴とする蓄熱器。
  7. パワーユニット駆動状態で熱媒体を加熱する車載熱発生源と、熱媒体の温度が降下するパワーユニット停止状態からの始動時に高温の熱媒体を要求する車載熱要求源と、が熱媒体回路により接続された車載熱システムにおいて、
    前記熱媒体回路に、入口側を前記車載熱発生源に接続し、出口側を前記車載熱要求源に接続した蓄熱器を設定し、
    前記蓄熱器は、貯液部と断熱層との間に、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層を設け、
    前記車載熱発生源と前記蓄熱器の入口側とを接続する回路に第1バルブを設け、
    前記蓄熱器の出口側と前記車載熱要求源とを接続する回路に第2バルブを設け、
    パワーユニット駆動状態で前記第1バルブと前記第2バルブとを開き、パワーユニットが停止すると前記第1バルブと前記第2バルブとを閉じ、パワーユニットの始動時に前記第1バルブと前記第2バルブとを開く熱媒体循環制御手段を設けたことを特徴とする蓄熱器を用いた車載熱システム。
  8. 請求項7に記載された蓄熱器を用いた車載熱システムにおいて、
    前記車載熱発生源は、駆動状態で冷却水を加熱するエンジンであり、
    前記車載熱要求源は、停止状態で冷却水の温度が降下するエンジンと、エンジン冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコアと、であり、
    前記熱媒体循環制御手段は、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブを前記エンジン側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブを前記ヒータコア側に開くことを特徴とする蓄熱器を用いた車載熱システム。
  9. 請求項7に記載された蓄熱器を用いた車載熱システムにおいて、
    前記車載熱発生源は、駆動状態で冷却水を加熱するエンジンであり、
    前記車載熱要求源は、停止状態で冷却水の温度が降下するエンジンと、エンジン冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコアと、であり、
    前記第2バルブと前記ヒータコアとを接続する回路にポンプを設け、
    前記熱媒体循環制御手段は、エンジン始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブを前記エンジン側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブを前記ヒータコア側に開くと共に、前記ポンプを作動させて蓄熱器からヒータコアへ送る流量を調整することを特徴とする蓄熱器を用いた車載熱システム。
  10. 請求項7に記載された蓄熱器を用いた車載熱システムにおいて、
    前記車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器であり、
    前記車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコアであり、
    前記熱媒体循環制御手段は、エンジン始動時、前記第1バルブと前記第2バルブを開くことを特徴とする蓄熱器を用いた車載熱システム。
  11. 請求項7に記載された蓄熱器を用いた車載熱システムにおいて、
    前記車載熱発生源は、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器であり、
    前記車載熱要求源は、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコアであり、
    前記第2バルブと前記ヒータコアとを接続する回路にポンプを設け、
    前記熱媒体循環制御手段は、エンジン始動時、前記第1バルブと前記第2バルブを開くと共に、前記ポンプを作動させて蓄熱器からヒータコアへ送る流量を調整することを特徴とする蓄熱器を用いた車載熱システム。
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