JP2008047383A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】個々の半導体型光源の温度上昇を効率的に抑えることができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】LED1を備えたヘッドランプ100であって、LEDを取り付けるヒートシンク部2が、作動流体が封入されたヒートパイプ部21と、LEDを当接させるとともにヒートパイプ部を収容する収容部23と、その収容部に接続される放熱フィン部22とを有している。
そして、ヒートパイプ部は、LEDを近接させる底辺部211とその底辺部に略直交する垂直部212とによって略L字形に形成され、垂直部に近接して放熱フィン部が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】LED1を備えたヘッドランプ100であって、LEDを取り付けるヒートシンク部2が、作動流体が封入されたヒートパイプ部21と、LEDを当接させるとともにヒートパイプ部を収容する収容部23と、その収容部に接続される放熱フィン部22とを有している。
そして、ヒートパイプ部は、LEDを近接させる底辺部211とその底辺部に略直交する垂直部212とによって略L字形に形成され、垂直部に近接して放熱フィン部が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車に搭載するヘッドランプ、フォグランプ、テールランプ等の車両用灯具に関するものである。
近年、高輝度の白色発光ダイオードをヘッドランプに適用するための技術が開発されており、特許文献1などが公開されている。
一方、高輝度化した発光ダイオードは、発熱量が大きくなり、その発熱によって上昇した温度を適切に低下させないと、光源光束が減少したり、発光色が変化したりしてヘッドランプとして適切に機能しなくなるおそれがある。
そこで、特許文献1の車両用前照灯では、ロービーム用及びハイビーム用に上・中・下の3段に配置された灯具ユニットに、共通の金属製支持部材を放熱部材として取り付け、そこからの放熱によって発光ダイオードの温度を低下させている。
特開2004−311224号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の車両用前照灯は、複数の灯具ユニットに共通の放熱部材によって放熱をおこなうため、熱伝導作用によって隣接する灯具ユニットの熱が伝達され、発光ダイオードの配置位置によっては充分に冷却できないおそれがある。
また、塊状の放熱部材は、容積が大きいほど放熱性能が向上するが、所定の容積を超えると飽和状態になって容積あたりの放熱性能は低下してしまうので、大型の放熱部材を使用しても期待した放熱効果が得られない場合がある。
そこで、本発明は、個々の半導体型光源の温度上昇を効率的に抑えることができる車両用灯具を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の車両用灯具は、半導体型光源を備えた車両用灯具であって、前記半導体型光源を取り付けるヒートシンク部が、作動流体が封入されたヒートパイプ部と、前記半導体型光源を当接させるとともに前記ヒートパイプ部を収容する収容部と、該収容部に接続される放熱フィン部とを有することを特徴とする。
ここで、前記ヒートパイプ部は、前記半導体型光源に近接させる底辺部とその底辺部に略直交する垂直部とによって略L字形に形成され、該垂直部に近接して前記放熱フィン部が形成される構成であることが好ましい。
このように構成された本発明の車両用灯具は、光を出力する際に発熱する半導体型光源ごとにヒートシンク部が取り付けられており、そのヒートシンク部の収容部には作動流体が封入されたヒートパイプ部が収容されている。そして、この収容部には放熱フィン部が設けられている。
すなわち、半導体型光源で発生した熱は、収容部を介してヒートパイプ部に入熱され、熱源から遠ざかる方向に輸送されて収容部に接続された放熱フィン部から気中に放熱されるため、個々の半導体型光源の温度上昇を効率的に抑えることができる。
また、ヒートパイプ部を略L字形に形成し、底辺部で入熱された熱を垂直部で放熱させるようにすることで、熱輸送が促進されて放熱性能を向上させることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は、本実施の形態による車両用灯具としてのヘッドランプ100の概略構成を示した図であって、車両に向かって左側のヘッドランプ100の正面図である。
まず、全体構成から説明すると、このような本実施の形態のヘッドランプ100は、複数の光源ユニットから構成される上段ユニット100aと、中段ユニット100bと、下段ユニット100cと、これらの前面側を覆う透明な透光カバー6とから主に構成される。
この上段ユニット100aと中段ユニット100bは、ロービーム用に配置されており、下段ユニット100cはハイビーム用に配置されている。
また、中段ユニット100bには、車幅方向の配光制御をおこなうスイブル機構5が設けられている。
そして、この中段ユニット100bを構成する複数の光源ユニット10,・・・の車両前後方向の断面(図2のA−A線断面)を示したのが図1である。
この光源ユニット10は、半導体型光源としてのLED1と、そのLED1を後方底面に収容するリフレクタ3と、そのリフレクタ3の前方開口部に配置される凸レンズ4と、LED1の放熱をおこなうヒートシンク部2とから主に構成される。
このLED1は、発光チップを有する白色発光ダイオードであって、高輝度の光を出力するために通電電流が多くなるので熱が発生する。この発熱によってLED1の温度が上昇すると、輝度が低下したり、発光色が変化したりするので、温度上昇を抑えるために後述するヒートシンク部2を個々に設けている。
また、このLED1は熱伝導性を有する基板11上に設置された状態で、リフレクタ3の下面開口部3aに配置される。
すなわち、リフレクタ3には、回転楕円曲面又は回転楕円を基本にした自由曲面として形成される反射面の第1焦点の近傍に、発光部を対向させるようにしてLED1を配置しており、下面開口部3aに設置したLED1から発生した光は、反射面で反射して車両前方側の凸レンズ4の背面に照射される。
そして、この凸レンズ4の背面から入射された光は、車両前方に向けて出射されて、透光カバー6を通った光が外部を照らす。
一方、LED1の基板11には、LED1の温度上昇を抑えるために放熱用のヒートシンク部2が、図3に示すように1個のLED1毎に個別に取り付けられている。
このヒートシンク部2は、管状のヒートパイプ部21と、それを収容する箱状の収容部23と、放熱フィン部22とから主に構成されている。
このヒートパイプ部21は、図1に示すように、底辺部211と、その底辺部211に略直交して上方に向けて延出される垂直部212とによって略L字形に形成されている。
このヒートパイプ部21の内部は、減圧されるとともに作動流体が封入されており、この作動流体の膨張収縮時の熱移動則により熱輸送を効率的におこなう。
例えば、ヒートパイプ部21の内周に沿って毛細管構造のウィックを配設しておくことで、LED1が近接する加熱面21bからの入熱によって作動流体が蒸発し、潜熱を吸収した状態でLED1から離れた非加熱面21a方向に移動していく。
そして、低温部となる非加熱面21aでは管壁からの放熱がおこなわれ、ここで潜熱を放出することで凝縮して液体になった作動流体は、再び加熱面21b方向に向けて移動する。このようにヒートパイプ部21を通して熱輸送が効率的におこなわれれば、発生した熱をLED1から遠ざけることができる。
なお、ヒートパイプ部21の構造としては、上述した以外の構造のものであってもよく、例えば重力を利用したサーモサイフォン式ヒートパイプであれば毛細管現象を利用しないので、ウィックを管内に配設する必要がない。
また、このヒートパイプ部21内に封入する作動流体には、水、アセトン、アンモニア、メタノール、水銀、ナトリウム、フロンなどを使用することができる。
さらに、このヒートパイプ部21は、熱輸送を効率的におこなうために、図3に示すように車幅方向に間隔を置いて複数配置する。
また、収容部23は、ヒートパイプ部21の底辺部211を内部に収容するとともにLED1の基板11を当接させて固定する取付部231と、ヒートパイプ部211の垂直部212を内部に収容する放熱部232とから主に構成されている。
この収容部23には、複数のヒートパイプ部21,・・・が収容されており、ヒートパイプ部21,21間には仕切り板(図示省略)が設置され、取付部231の下方開口部は蓋部233によって塞がれている。
また、放熱部232の内壁面は、ヒートパイプ部21の垂直部212の車両前後方向側面に当接させて、熱伝導効率が良くなるようにしておく。
そして、この放熱部232の車両後方側の壁に、放熱フィン部22を取り付ける。この放熱フィン部22は、放熱性に優れた銅、銅合金などの表面に腐食防止処理を施したものが使用できる。
この放熱フィン部22は、車幅方向に広がる放熱部232に直交して接続された車両後方に延設される複数の突出板221,・・・によって形成される。
このように放熱フィン部22による放熱によってヒートパイプ部21の非加熱面21aは他の部分より早く冷却されるので、ヒートパイプ部21の加熱面21bとの温度差を大きくして熱輸送の効率を上げることができる。
このように構成された本実施の形態のヘッドランプ100は、光を出力する際に発熱するLED1ごとにヒートシンク部2が取り付けられており、そのヒートシンク部2の収容部23には作動流体が封入されたヒートパイプ部21が収容されている。
そして、この収容部23には放熱フィン部22が接続されている。
すなわち、LED1で発生した熱は、収容部23を介してヒートパイプ部21に入熱され、熱源から遠ざかる方向に輸送されて収容部23に接続された放熱フィン部22から気中に放熱されるため、個々のLED1の温度上昇を効率的に抑えることができる。
このように、ヒートパイプ部21で熱輸送をおこなってから放熱フィン部22で放熱するようにすれば、放熱フィン部22で熱飽和が発生し難くなり、LED1の発熱量が大きくなっても効率的に放熱させることができる。
また、ヒートパイプ部21を略L字形に形成し、底辺部211で入熱させると、蒸発して密度が小さくなった作動流体は底辺部211よりも上方の垂直部212の上端に向けてスムーズに流れ出す。
そして、LED1から最も離れた位置の低温部になり易い垂直部212から放熱フィン部22に熱伝導して作動流体は冷却され、液体となって流れ落ちて再び底辺部211に戻る。
このように垂直部212を上方に向けて立設させたL字形のヒートパイプ部21であれば、垂直部212で放熱させ易く、効率的に熱輸送をおこなうことができる。
また、ヒートパイプ部21をL字形に折り曲げることによってヒートシンク部2を小型化することができる。さらに、ヒートパイプ部21の垂直部212は、リフレクタ3の車両後方側に収容されることになるので、配置スペースを容易に確保することができる。
また、塊状のヒートシンクではなく隙間が適度に形成された放熱フィン部22を使用することで、軽量化が可能になり、小さな駆動力であってもスイブル機構5によって配光制御をおこなうことができる。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、車両用灯具としてヘッドランプ100に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、フォグランプ、テールランプ等の車両用灯具に本発明を適用してもよい。
さらに、前記実施の形態では半導体型光源としてLED1について説明したが、これに限定されるものではなく、有機EL(エレクトロルミネッセンス)などの有機半導体を利用した半導体型光源や半導体レーザ(LD)であってもよい。
また、前記実施の形態では略L字形のヒートパイプ部21について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばヘの字形のように底辺部211から斜めに低温部となる非加熱面21aが延出されていてもよいし、曲折部のない直線状のヒートパイプを使用してもよい。
100 ヘッドランプ(車両用灯具)
1 LED(半導体型光源)
2 ヒートシンク部
21 ヒートパイプ部
211 底辺部
212 垂直部
22 放熱フィン部
23 収容部
1 LED(半導体型光源)
2 ヒートシンク部
21 ヒートパイプ部
211 底辺部
212 垂直部
22 放熱フィン部
23 収容部
Claims (2)
- 半導体型光源を備えた車両用灯具であって、
前記半導体型光源を取り付けるヒートシンク部が、作動流体が封入されたヒートパイプ部と、前記半導体型光源を当接させるとともに前記ヒートパイプ部を収容する収容部と、該収容部に接続される放熱フィン部とを有することを特徴とする車両用灯具。 - 前記ヒートパイプ部は、前記半導体型光源に近接させる底辺部とその底辺部に略直交する垂直部とによって略L字形に形成され、該垂直部に近接して前記放熱フィン部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
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