JP2008046269A - 光硬化性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

光硬化性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】高感度で、現像性に優れ、良好なパターン形成性を有するとともに、支持体との密着性に優れたパターンを形成しうるカラーフィルタ用積層体及びカラーフィルタの提供。
【解決手段】一般式で表される光重合開始剤、(A)アルキレンオキシド鎖、(B)アルカリ可溶性基、(C)芳香族基を側鎖末端に有する高分子化合物、着色剤、及び、重合性化合物を含有する光硬化性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ。
Figure 2008046269

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタの形成に有用な光硬化性着色組成物及びそれを用いて得られるカラーフィルタに関する。
近年、テレビ、パソコン、携帯電話等各種のディスプレイにおいては、高画質化、高彩度化が求められており、特に、テレビ用においては、大画面化も求められている。現在、これらディスプレイの主流は、液晶ディスプレイ方式であり、上記、高画質化、高彩度化、大画面化を達成するためには、そこで使用するカラーフィルタの技術が非常に重要となってきている。具体的には、カラーフィルタを作製するプロセス、それに適合する光硬化性着色組成物に関する技術である。
カラーフィルタの高精細化に関しては、カラーフィルタのパターン形成の線幅を精細にするため、パターン露光とその後に続く現像に対して、精度よくパターンを形成することが必要となっている。また、高彩度化では、着色剤の色相調整と高濃度化などが必須となっている。しかしながら、従来の顔料分散系を適用した硬化性組成物では、顔料が比較的粗大な粒子であるために色ムラが発生する等の問題があり、解像度の更なる向上を図ることは困難で、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。そこで、着色剤として顔料の代わりに有機溶剤可溶性の染料を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
着色剤として染料を用いる場合でも、顔料を用いる場合でも、カラーフィルタ作製用の着色硬化性組成物中における着色剤の含有率を高くすることが必須となるが、他方、該着色硬化性組成物を硬化させるために必要な成分である光重合開始剤及び光重合性モノマーの含有量が制限される、或いは、効果のための露光波長光がガラス支持体界面へ届くことが妨げられるなどの問題が生じやすくなり、硬化性着色組成物の高感度化や支持体への高密着化が必要となる。
さらに、近年、基板サイズの拡大に伴い、大面積カラーフィルタの製造が不可欠であるが、プロセス上、エネルギーコストを変えずに、従来の生産性を維持しようとすると、塗布時間や露光時間等の低減が必須とされ、このため速い塗布速度達成のための光硬化性着色組成物のガラス支持体に対する濡れ性の向上や短い露光時間(少ない露光量)に対応できる高感度化が必要となっている。
また、大画面化された場合には、カラーフィルタ作製後の微少欠陥が、歩留まりを大きく左右するため、結果的に着色パターンを形成する硬化性組成物の耐熱性や耐光性等も従来よりも高いレベルでの安定化が求められている。
従来、カラーフィルタ作製用の硬化性組成物としては、例えば、カルボキシル基を含有するバインダーポリマーとペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性アクリレートと、光重合開始剤とを組合せた感放射線性組成物が用いられており、このような感放射線性組成物における高感度の光重合開始剤として、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。
また、硬化性組成物に適用しうる光重合開始剤としては、印刷版やフォトレジストに使用される感放射性組成物に適用しうる光重合開始剤として、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール等が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照。)。
しかしながら、上記のいずれの硬化性組成物についても、感度は未だ満足できるレベルになく、硬化させるに際して高エネルギーの放射線を照射する必要がある。このような硬化性組成物を用いてカラーフィルタの着色パターンを形成した場合、照射量が不足すると、パターンの欠落や欠損、残膜率あるいは画素強度の低下等の問題を招来し、延いては、得られたカラーフィルタの着色パターンにおいて、解像力と支持体との密着性が低下するという問題が生じる。
以上のように、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有する硬化性着色組成物、及びそれを用いて得られた解像力と支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタが望まれているが、未だ提供されていないのが現状である。
特開平2−127602号公報 特開平6−75372号公報 特開平6−75373号公報等 特公昭48−38403号公報 特開昭62−174204号公報
本発明は、前記従来における問題点に鑑み成されたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、現像性に優れ、良好なパターン形成性を有するとともに、現像性及びガラス支持体との密着性の双方に優れた着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの作製に有用な、光硬化性着色組成物、及び、それを用いて得られた高解像度で支持体との密着性に優れた着色パターンを備えるカラーフィルタを提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定の光重合開始剤と特定の側鎖構造を有する高分子化合物とを含有する光硬化性着色組成物により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 下記一般式(I)〜(V)で表される化合物より選択されるヘテロ環含有光重合開始剤、(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))、(B)アルカリ可溶性基(−Acid)、及び、(C)芳香族基(−Ar)を側鎖末端に有する高分子化合物、着色剤、及び、付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物を含有する光硬化性着色組成物。
Figure 2008046269
一般式(I)中、Wはアリール基を表し、Xは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Yは弗素原子、塩素原子又は臭素原子を表す。nは1〜3の整数を表す。
Figure 2008046269
一般式(II)中、Qは、臭素原子又は塩素原子を表す。Pは、−CQ、−NH、−NHR、−N(R)、又は−ORを表し、ここで、Qは上記と同義であり、Rはフェニル又はアルキル基を示す。Wは、芳香族基、複素環式基、又は下記一般式(II−A)で表される一価の基を表す。nは、0、1又は2を表す。
Figure 2008046269
一般式(II−A)中、Zは−O−又は−S−であり、Rは上記一般式(II)におけるのと同義である。
Figure 2008046269
一般式(III)中、Xは、臭素原子又は塩素原子を表す。m、nはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Rは、下記一般式(III−A)で示される基を表す。
Figure 2008046269
一般式(III−A)中、Rは水素原子又はORcを表し、ここで、Rcはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は、アリール基を表す。Rは臭素原子、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。
Figure 2008046269
一般式(IV)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、下記一般式(IV−A)又は(IV−B)で示される基を表す。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。X、Yはそれぞれ独立に、塩素原子又は臭素原子を表す。m、nは、それぞれ独立に、0、1又は2を表す。
Figure 2008046269
一般式(IV−A)及び(IV−B)中、R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2008046269
<2> ガラス支持体上に、<1>に記載の光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を有する積層体をパターン露光して光硬化性着色層の露光領域を硬化させ、未露光領域を現像して得られる着色パターンを備えるカラーフィルタ。
本発明の光硬化性着色組成物(以下、適宜、硬化性組成物と称する)は、分子内にヘテロ環を有する特定の光重合開始剤と、側鎖末端に、(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))、(B)アルカリ可溶性基(−Acid)、及び、(C)芳香族基(−Ar)という3種の官能基を有する高分子化合物を含有する。
本発明の作用機構は明確ではないが、光硬化性着色組成物中の光重合開始剤はそのヘテロ環構造に起因して、また、特定高分子化合物は、側鎖末端に存在するアルキレンオキシド鎖及び芳香族基の共存に起因して、基材であるガラス表面に存在するシラノール基や金属イオンと良好に相互作用を形成するため、露光−現像後のパターン形成性が向上し、さらには、カラーフィルタにおける着色パターンの密着耐久性が向上するものと考えている。また、この側鎖にアルキレンオキシド鎖を有する高分子化合物は、露光部では上記相互作用による支持体との高密着化を促進し、未露光部ではこのアルキレンオキシ鎖や分子内に共存するアルカリ可溶性基の特性により、現像液浸透性が向上し、速やかに塗布膜が溶解し、優れた現像性が発現されるものと考えられる。本発明の光硬化性着色組成物は、硬化皮膜のガラス支持体との密着性と優れた現像性とが両立することが後述する実施例によっても確認されている。
本発明によれば、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、現像性に優れ、良好なパターン形成性を有するとともに、現像性及びガラス支持体との密着性の双方に優れた着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの作製に有用な、光硬化性着色組成物を提供することができる。
さらに、前記本発明の光硬化性着色組成物を用いることで、高解像度で支持体との密着性に優れた着色パターンを備えるカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明の光硬化性着色組成物及びそれを用いて得られたカラーフィルタについて詳細に説明する。
〔光硬化性着色組成物〕
本発明の光硬化性着色組成物は、(1)下記一般式(I)〜(V)で表される化合物より選択されるヘテロ環含有光重合開始剤(以下、適宜「特定開始剤」と称する。)、(2)(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))、(B)アルカリ可溶性基(−Acid)、及び、(C)芳香族基(−Ar)を側鎖末端に有する高分子化合物(以下、適宜「特定高分子化合物」と称する。)、(3)着色剤、及び、(4)付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物を含有する光硬化性着色層を有することを特徴とする。
以下、本発明に係る光硬化性着色組成物に含有される各成分について順次説明する。
<(1)下記一般式(I)〜(V)で表される化合物より選択されるヘテロ環含有光重合開始剤>
本発明の硬化性着色層は、この分子内にヘテロ環構造を含む特定の光重合開始剤を含有する。
Figure 2008046269
一般式(I)中、Wはアリール基を表し、Xは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Yは弗素原子、塩素原子又は臭素原子を表す。nは1〜3の整数を表す。
上記アリール基、アルキル基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、本発明において好ましく用いられる特定開始剤であるハロメチル−s−トリアジン系化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載の下記一般式(II)に示されるビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の下記一般式(III)に示される2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び下記一般式(IV)で示される4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(II)中、Qは、臭素原子又は塩素原子を表す。Pは、−CQ、−NH、−NHR、−N(R)、又は−ORを表し、ここで、Qは上記と同義であり、Rはフェニル又はアルキル基を示す。Wは、芳香族基、複素環式基、又は下記一般式(II−A)で表される一価の基を表す。nは、0、1又は2を表す。
上記一般式(II)において、芳香族基、複素環式基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(II−A)中、Zは−O−又は−S−であり、Rは上記一般式(II)におけるのと同義である。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン等が挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(III)中、Xは、臭素原子又は塩素原子を表す。m、nはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Rは、下記一般式(III−A)で示される基を表す。
Figure 2008046269
一般式(III−A)中、Rは水素原子又はORcを表し、ここで、Rcはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は、アリール基を表す。Rは臭素原子、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
一般式(III)で表される特定開始剤の具体例としては、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン等が挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(IV)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、下記一般式(IV−A)又は(IV−B)で示される基を表す。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。X、Yはそれぞれ独立に、塩素原子又は臭素原子を表す。m、nは、それぞれ独立に、0、1又は2を表す。
上記アルキル基、アリール基、アルコキシ基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(IV−A)及び(IV−B)中、R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
上記アルキル基及びアリール基はさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基の例としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
一般式(IV)において、RとRがそれらと結合している窒素原子と共に非金属原子からなるヘテロ環を形成してもよく、その場合、ヘテロ環としては下記に示されるものが挙げられる。
Figure 2008046269
一般式(IV)で表される特定開始剤の具体例としては、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、等が挙げられる。
Figure 2008046269
上記一般式(V)で表される基本構造を示すロフィン二量体は2個のロフィン残基からなる2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体を意味する。
一般式(V)で表される基本構造を示す化合物の具体例としては、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等が挙げられる。
これら特定開始剤は、分子内にラジカル発生部位とヘテロ環構造とを有することを特徴とするが、このヘテロ環は、後述するガラス支持体との相互作用形成性の観点から、窒素原子を2以上含むヘテロ環であることが好ましく、同様の観点からは、窒素原子を3つ含むトリアジン骨格を有するもの、具体的には、一般式(II)〜一般式(IV)で表される化合物がさらに好ましい。なかでも好ましい態様は、一般式(IV)で表される化合物であり、最も好ましくは、一般式(IV)で表される化合物において、R、Rの少なくとも一方がハロゲン原子である化合物が挙げられる。
前記ヘテロ環は置換基を有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、アルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基などが挙げられるが、なかでもハロゲン化アルキル基が好ましく、ヘテロ環、特にはトリアジン環に、ハロゲン化アルキル基が直接結合したものが好ましく挙げられる。
特定開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
光硬化性着色層形成用の組成物における特定開始剤の含有量は、固形分換算で、0.1〜15.0質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜10.0質量%の範囲であり、この範囲において効率よく重合反応が進行し、得られた硬化膜の強度にも優れる。
(他の光重合開始剤)
なお、硬化性組成物においては、上記特定開始剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、これ以外の光重合開始剤を併用することができる。
ここで用いうる光重合開始剤は、光により分解し、後述する付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ビイミダゾール系化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
なかでも、高感度化の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましく、ビイミダゾール系化合物が最も好ましい。
併用可能な光重合開始剤の含有量は、前記特定開始剤に対して、75質量%以下であることが好ましく、0〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
また、特定開始剤と他の光重合開始剤との総量として、組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは0.3〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
(増感剤)
これら特定開始剤には、増感剤を併用することができる。
本発明に用いることができる増感剤としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
また、増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ300nm(330nm)〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
増感剤の具体例としては、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
このような増感剤に関しては、さらに、硬化性組成物の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。
例えば、増感剤と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの特定増感剤の不要な析出抑制を行うことができる。
また、増感剤と前記光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
増感剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
増感剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分中、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.2質量%〜20質量%がより好ましい。
増感剤は、硬化性組成物における着色剤の濃度が非常に高く、形成される着色パターン(感光層)の光の透過率が極端に低くなる場合、具体的には、これら増感剤を添加せずに形成した場合の感光層の365nmの光の透過率が10%以下となるような場合に添加することで、その効果が顕著に発揮される。
<(2)(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))、(B)アルカリ可溶性基(−Acid)、及び、(C)芳香族基(−Ar)を側鎖末端に有する高分子化合物>
本発明に用いられる特定高分子化合物は、側鎖に、以下に詳述する3種の官能基を有する。
(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO)
(B)アルカリ可溶性基(−Acid)
(C)芳香族基(−Ar)
特定高分子化合物の主鎖構造は特に限定されないが、好ましい例として、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタアクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリスチレン等が挙げられ、また、これらのポリマーを構成する構造単位から選択される2種以上を含む共重合体も同様に好ましい。
これらのなかでも、より好ましい例としては、ポリメタクリレート、ポリスチレン、およびメタクリル酸及びスチレンを構造単位として含む共重合体が挙げられる。
次に、本発明の特定高分子化合物が側鎖末端に有する3種の官能基について順次説明する。
<側鎖末端構造:(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))>
本発明の高分子化合物が有する側鎖末端官能基である(A)アルキレンオキシド鎖は、下記式(A)で表される。
−(RO) (A)
上記式(A)中、Rは、飽和炭化水素連結基を表す。
としては、炭素数2〜10のアルキレン基などが挙げられ、その構造内に分岐鎖や環構造を有するものであってもよい。Rは好ましくは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、シクロヘキシレンを表し、より好ましくは、エチレン、プロピレンである。
は、水素原子、炭化水素基、又はアシル(RCO)基を表す。
ここで、炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基などが挙げられる。また、アシル基(RCO)におけるRとしては、前記した炭化水素基などが同様に好ましく挙げられる。
は具体的には、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ベンジル、フェニル、ナフチル、シクロヘキシル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基が好ましく挙げられ、より好ましくは、水素原子、メチル、フェニルである。
nは、好ましくは、2〜100、より好ましくは、4〜50、最も好ましくは、4〜20である。
特定高分子化合物の側鎖に(A)アルキレンオキシド鎖官能基を導入するためには、側鎖に前記式(A)で表される如き官能基を有する構成単位を共重合成分として用いればよい。
以下に、側鎖末端にアルキレンオキシド鎖を有する構成単位の具体例〔(A−1)〜(A−16)〕を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2008046269
Figure 2008046269
これらの構造単位は、(2)特定高分子化合物に対して、仕込み量で、5〜70モル%含まれることが好ましく、10〜50モル%含まれることがより好ましい。
<側鎖末端構造:(B)アルカリ可溶性基(−Acid)>
本発明の高分子化合物が有する側鎖末端官能基である(B)アルカリ可溶性基(−Acid)は、pKa1〜11の酸基を表す。
酸基としては、好ましくは、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、フェノール基(フェノール性水酸基)が挙げられ、より好ましくは、リン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基である。
前記フェノール基はさらに置換基を有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、好ましくは、ハロゲン原子、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミド基、炭素数1〜10のアルコキシ基、1〜10のアルコキシカルボニル基である。
特定高分子化合物の側鎖に(B)アルカリ可溶性基を導入するためには、側鎖に前記下如き酸基を有する構成単位を共重合成分として用いればよい。
以下に、側鎖末端にアルカリ可溶性基を有する構成単位の具体例〔(B−1)〜(B−20)〕を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2008046269
Figure 2008046269
上記構造単位は、(2)特定高分子化合物に対して、仕込み量で、5〜70モル%含まれることが好ましく、10〜50モル%含まれることがより好ましい。
<側鎖末端構造:(C)芳香族基(−Ar)>
本発明における(C)芳香族基(−Ar)は、炭素数4以上のヘテロ芳香環基、および炭素数6以上の芳香環基から選択される官能基を表す。
芳香族基の好ましい具体例としては、フラン環基、チオフェン環基、ピロール環基、インドレニン環基、ピリジン環基、キノリン環基、フェニル基、ナフチル基、アントラセン環基が挙げられる。これらの芳香族基は、置換基を有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
より好ましくは、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
特定高分子化合物の側鎖に(C)芳香族基を導入するためには、側鎖に芳香族基を有する構成単位を共重合成分として用いればよい。
以下に、側鎖末端に芳香族基を有する構成単位の具体例〔(C−1)〜(C−16)〕を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2008046269
Figure 2008046269
上記構造単位は、(2)特定高分子化合物に対して、仕込み量で、5〜70モル%含まれることが好ましく、10〜50モル%含まれることがより好ましい。
前記(A)〜(C)で表される官能基を側鎖末端に有する特定高分子化合物の好ましい重量平均分子量は3000〜200000であり、より好ましくは、3000〜50000、最も好ましくは、3000〜10000の範囲である。
以下、本発明に用いられる(3)特定高分子化合物の具体例〔(P−1)〜(P−11)〕を、該高分子化合物を構成する構造単位と重合モル比、及びその重量平均分子量(Mw)により示す。以下に示す構造単位(A−○)、(B−○)及び(C−○)は、前記(A)〜(C)の官能基の説明において表示した構造単位の具体例の符号を表す。
なお、本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2008046269
本発明で用いうる(2)特定高分子化合物は、従来公知の方法により合成できる。
具体的には、各ユニットのモノマーを溶媒中でアゾ系開始剤により熱重合して得ることができる。
本発明の光硬化性着色組成物における(2)特定高分子化合物の含有量は、コントラストと膜硬化性の両立といった観点から、固形分換算で、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、5〜30質量%の範囲である。
<(3)着色剤>
本発明において光硬化性着色組成物は着色剤を含有する。
本発明に用いられる着色剤には特に制限はなく、カラーフィルタ用途に好適な、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。該着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料、有機顔料のいずれであっても、形成された光硬化性着色層が高光透過率であることが好ましいことを考慮すれば、なるべく細かい粒径の顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明では、特に顔料の構造式中に塩基性のN原子をもつものを好ましく用いることができる。これら塩基性のN原子をもつ顔料は本発明の組成物中で良好な分散性を示す。その原因については十分解明されていないが、感光性重合成分と顔料との親和性の良さが影響しているものと推定される。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン単独または混合が用いられ、カーボンとチタンカーボンとの組合せが好ましい。また、カーボンとチタンカーボンとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して硬化性組成物を得ることができる。
本発明に係る硬化性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
この中でも酸性染料としては、acid black 24;acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;acid orange 8,51,56,63,74;acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;acid violet 7;acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,184,243;acidgreen 25等の染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
なかでも、(3)着色剤としては、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
本発明において使用しうる着色剤は、染料、若しくは、平均粒径r(単位nm)は、20≦r≦300、好ましくは125≦r≦250、特に好ましくは30≦r≦200を満たす顔料が望ましい。このような平均粒径rの顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ高光透過率の赤色および緑色の画素を得ることができる。ここでいう「平均粒径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
前記した平均粒径および粒径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒径は通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤および溶媒と混合した顔料混合液として、例えばビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
本発明の光硬化性着色組成物に含有される(3)着色剤の含有量としては、組成物の全固形分中、25〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%が更に好ましい。
着色剤が少なすぎると、本発明の硬化性組成物によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向があるが、本発明に係る特定増感剤は光吸収効率が高いことから、硬化性組成物中に着色剤を高濃度に含有する場合であっても、顕著に感度向上効果が発揮される。
<(4)付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物>
本発明に用いることができる付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物(以下、適宜、重合性化合物と称する)は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A)
(ただし、一般式(A)中、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光硬化性着色組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の光硬化性着色組成物は、以上説明した(1)特定開始剤、(2)特定高分子化合物、(3)着色剤及び(4)付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物及び所望により用いられる増感剤と共に、必要に応じて以下に詳述する任意成分をさらに含有してもよい。以下、本発明に使用しうる任意成分について説明する。
<分散剤>
本発明における(3)着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物における分散剤の含有量としては、顔料に対して、1〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明において、着色剤としての顔料と分散剤とを用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、硬化性組成物を構成する全固形分に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の光硬化性着色組成物においては、前記(2)特定高分子化合物が被膜形成能を有する化合物であるため、他の高分子化合物は特に必要とするものではないが、形成される皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、さらに他のバインダーポリマーを併用することができる。
バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
アルカリ可溶性樹脂を共重合体として用いる場合、共重合させる化合物として、先にあげたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(13)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明で使用しうるバインダーポリマーの重量平均分子量としては、好ましくは5、000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1、000以上であり、さらに好ましくは2、000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いうるバインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
このような他のバインダーポリマーを併用する場合、その含有量は、前記(2)特定高分子化合物に対し、50質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0〜30質量%の範囲である。
<共増感剤>
本発明の光硬化性着色組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
<重合禁止剤>
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
<密着向上剤>
本発明においては、基材である硬質表面(基板)との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加するのが好ましい。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスアリルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、フェニルトリメトキシシラン、N-(3−アクリロキシ-2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(3−メタクリロキシ-2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、(アクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
密着向上剤の添加量は、硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
<その他の添加剤>
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
<希釈剤>
本発明の光硬化性着色組成物は、カラーフィルタの製造に際し支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供されてもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。有機溶剤中の固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
[カラーフィルタ]
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、ガラス支持体表面に、光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を形成し、マスクを介するなどの手段によりパターン露光し、露光後の光硬化性着色層を現像してガラス支持体表面に着色パターンを形成することにより得られる。
光硬化性着色層の形成は、光硬化性着色組成物をガラス支持体に塗布、乾燥して形成してもよく、また、光硬化性着色組成物により予め作製されたシートをラミネート法によりガラス支持体上に密着させて形成してもよい。
<ガラス支持体>
本発明に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明に係る硬化性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
支持体上に塗布された硬化性組成物は、通常、70〜110℃で2〜4分程度の条件下で乾燥され、光硬化性着色組成物からなる層が形成される。
硬化性組成物の乾燥後の塗布膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmがさらに好ましい。
本発明に係る光硬化性着色組成物は、露光により高感度で硬化し、露光後の未露光部の現像性に優れ、かつ、光硬化性着色組成物を適用するガラス支持体表面への高い密着性を示す。
本発明のカラーフィルタは、ガラス支持体上に、前記のように形成した着色パターンを有することを特徴とする。
具体的には、前記本発明の光硬化性着色組成物かならなる光硬化性着色層を、所定のマスクパターンを介して、或いは、走査露光により、パターン露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で未硬化領域現像することによって、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、本発明のカラーフィルタを製造するものである。
<露光工程>
露光工程では、前記光硬化性着色層を、マスクを介して露光する、走査露光するなどによりパターン露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。露光量は、5mJ/cm〜1500mJ/cmが好ましく10mJ/cm〜1000mJ/cmがより好ましく、10mJ/cm〜800mJ/cmが最も好ましい。
<現像工程>
露光工程に次いで、アルカリ現像処理を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、本発明の製造方法においては、上述した、硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
その後、他の色相の光硬化性着色層を形成し、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
本発明のカラーフィルタは、ガラス支持体上に、ガラスとの相互作用を形成しうる光硬化性着色組成物からなる層を有する積層体を用いて作製されるため、パターン形成性に優れ、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、且つ、未露光部においては、硬化性組成物中に含まれる特定高分子化合物の側鎖構造に起因する高い現像性を示すため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、かつ、残膜のない、高解像度のパターンを形成することができる。従って、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
[実施例1]
ここでは、着色剤(顔料)を含有する光硬化性着色組成物α−1を調整し、該硬化性組成物α−1を用いて、液晶表示素子用途のカラーフィルタを作製する例を説明する。
〔1.光硬化性着色組成物α−1の調製〕
1−1.顔料分散液(Q1)の調製:グリーン系
顔料として、C.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー219との30/70(質量比)混合物40質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固形分換算約4.51質量部)、および溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(Q1)を調製した。
得られた顔料分散液(Q1)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
1−2.光硬化性着色組成物α−1(塗布液)の調製
下記組成α−1の成分を混合して溶解し硬化性組成物A−1を調製した。
<組成α−1>
・顔料分散液(Q1) 600質量部
・アルカリ可溶性樹脂
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、mol比:70/30、
Mw:10000) 100質量部
・特定高分子化合物(P−1)(前記化合物) 90質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔重合性化合物〕 60質量部
・化合物1(下記構造)〔特定光重合開始剤〕 60質量部
・ミヒラーケトン〔増感剤〕 40質量部
・共増感剤:2−メルカプトベンゾチアゾール 40質量部
・界面活性剤:(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
・γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 10質量部
Figure 2008046269
〔2.カラーフィルタの作製〕
2−1.硬化性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する光硬化性着色組成物α−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して光硬化性着色層を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
2−2.露光、現像
その後、光硬化性着色層表面を、2.5kWの超高圧水銀灯を用い、マスクを介してパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CD、富士フイルムアーチ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
2−3.加熱処理
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを形成し、カラーフィルタを得た。
〔3.性能評価〕
上記で調製された光硬化性着色組成物α−1(塗布液)を用いてガラス基板上に形成されたカラーフィルタ積層体の光硬化性着色層における露光パターン形成性、さらに、カラーフィルタにおける着色パターンの基板密着性を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
3−1.塗布膜(着色層)のパターン形成性
光硬化性着色組成物α−1(塗布液)をガラス基板上に塗布後乾燥して膜厚1.0μmとした。スピンコート条件は300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、線幅10μmのテスト用のフォトマスクを用い、顔料分散液Q1〜Q3を用いた着色層に対しては、50mJ/cm、顔料分散液Q4を用いた着色層に対しては、200mJ/cm、の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、25℃、未露光部の残膜が完全に消失するまで現像した(残膜の消失は顔料成分の残存具合を光学顕微鏡の暗視野で確認することで行った)。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥しパターニングを完了した。露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚を測定し、露光前の膜厚100%に対する膜減りを以下の基準により評価した。膜減りが少ないほど、露光感度が高く、且つ、残膜が存在しない状態に達するまでの現像時間が短く(現像性に優れ)、これらの両立によりパターン形成性が良好であることを示す。
○:95%以上
△:95未満〜85%以上
×:85%未満
3−2.基板密着性
ポストベーク後のカラーフィルタにおける着色パターンを光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認することにより、基板密着性の評価を行った。評価方法の詳細は以下の通りである。
<基板密着性>
基板密着性の評価として、パターン欠損や基板との隙間が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った。○及び△であれば、実用上問題のないレベルである。
○:パターン欠損、基板との隙間がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損は観察されず、基板との間に一部隙間が見られる領域があるが、実用上問題のないレベルであった。
×:パターン欠損が明確に観察され、実用上使用不可のレベルであった。
[実施例2〜16]
実施例1において、光硬化性着色組成物α−1の調製に用いた組成α−1中の特定開始剤(化合物1)、及び/又は顔料分散液(Q1)を、下記表1に示されるものに代えた以外は、すべて実施例1と同様にして、光硬化性着色組成物α−2〜α−12を調製した。これらを用い、それぞれ実施例1と同様にして着色パターンを有するカラーフィルタを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
また、ここで用いられた特定開始剤(化合物2〜化合物5)の構造及び顔料分散剤Q2〜Q4の詳細を以下に示す。
Figure 2008046269
顔料分散液(Q2)の調製:レッド系
顔料として、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177との80/20(質量比)混合物40質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固形分換算約4.51質量部)、溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより20時間混合・分散して、顔料分散液(Q2)を調製した。
得られた顔料分散液(Q2)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、170nmであった。
顔料分散液(Q3)の調製:ブルー系
顔料として、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との90/10(質量比)混合物35質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固形分換算約4.51質量部)、および溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより20時間混合・分散して、顔料分散液(Q3)を調製した。
得られた顔料分散液(Q3)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
顔料分散液(Q4)の調製:ブラック系
顔料として、リーガル(キャボット社製カーボンブラック、粒径31nm、pH9、DBP給油量42ml/100部、黒色度My値235)27質量部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比70/30モル比、重量平均分子量30000)6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65質量部からなる混合液を、ビーズミルにより20時間混合・分散して、顔料分散液(Q4)を調製した。
得られた顔料分散液(Q4)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、150nmであった。
[比較例1〜16]
実施例1において調製した光硬化性着色組成物α−1を用いて光硬化性着色層を形成する際に、調製に用いた組成α−1の特定光重合性開始剤、特定高分子化合物を表1に示す他の化合物或いは比較用化合物に変更したものを、組成β−1〜β−16とする。それ以外は、すべて実施例1と同様にして、比較用光硬化性着色組成物β−1〜β−16を調製すると共に、それを用いて着色パターンを形成したカラーフィルタを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例に用いた比較用光重合開始剤〔比較用化合物1〜比較用化合物4〕及び比較高分子化合物〔(Y−1)〜(Y−6)〕の構造を以下に示す。なお、比較高分子化合物の構造は、該高分子化合物を構成する構造単位と重合モル比、及びその重量平均分子量(Mw)により示す。以下に示す構造単位(A−○)、(B−○)及び(C−○)は、前記(A)〜(C)の官能基の説明において表示した構造単位の具体例の符号を表す。
Figure 2008046269
Figure 2008046269
Figure 2008046269
表1の結果から、特定開始剤と特定高分子化合物とを含有する光硬化性着色組成物を用いて作製された実施例1〜12のカラーフィルタは、パターン形成性に優れ、形成された着色パターンの基板密着性が良好であり、本発明の光硬化性着色組成物を用いることで、露光感度が高く、パターン形成性に優れると共に、形成された着色パターンの基板密着性に優れたカラーフィルタが得られることがわかる。
他方、光重合開始剤として本発明の範囲外の比較化合物を用いた比較例1〜4、或いは、比較高分子化合物を用いた比較例4〜8のいずれも、実施例に比べ、パターン形成性、基板との密着性に劣るものであり、特定開始剤と特定高分子化合物の双方を含有する本発明の光硬化性着色組成物を用いることで、はじめて本発明の優れた効果が得られることがわかる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)〜(V)で表される化合物より選択されるヘテロ環含有光重合開始剤、(A)アルキレンオキシド鎖(−(RO))、(B)アルカリ可溶性基(−Acid)、及び、(C)芳香族基(−Ar)を側鎖末端に有する高分子化合物、着色剤、及び、付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物を含有する光硬化性着色組成物。
    Figure 2008046269
    一般式(I)中、Wはアリール基を表し、Xは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Yは弗素原子、塩素原子又は臭素原子を表す。nは1〜3の整数を表す。
    Figure 2008046269
    一般式(II)中、Qは、臭素原子又は塩素原子を表す。Pは、−CQ、−NH、−NHR、−N(R)、又は−ORを表し、ここで、Qは上記と同義であり、Rはフェニル又はアルキル基を示す。Wは、芳香族基、複素環式基、又は下記一般式(II−A)で表される一価の基を表す。nは、0、1又は2を表す。
    Figure 2008046269
    一般式(II−A)中、Zは−O−又は−S−であり、Rは上記一般式(II)におけるのと同義である。
    Figure 2008046269
    一般式(III)中、Xは、臭素原子又は塩素原子を表す。m、nはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Rは、下記一般式(III−A)で示される基を表す。
    Figure 2008046269
    一般式(III−A)中、Rは水素原子又はORcを表し、ここで、Rcはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は、アリール基を表す。Rは臭素原子、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。
    Figure 2008046269
    一般式(IV)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、下記一般式(IV−A)又は(IV−B)で示される基を表す。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。X、Yはそれぞれ独立に、塩素原子又は臭素原子を表す。m、nは、それぞれ独立に、0、1又は2を表す。
    Figure 2008046269
    一般式(IV−A)及び(IV−B)中、R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
    Figure 2008046269
  2. ガラス支持体上に、請求項1に記載の光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を有する積層体をパターン露光し、パターン露光して光硬化性着色層の露光領域を硬化させ、未露光領域を現像して得られる着色パターンを備えるカラーフィルタ。
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