JP2008046075A - 光学系、薄膜評価装置および薄膜評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料表面からの信号光に対して背景光となる裏面反射光を除去して高感度の計測を可能とする。
【解決手段】投光光学系2は、入射面において、試料5の表面5aの反射光と裏面5bの反射光とが重ならないように、光源19から出射した光を集光して試料5に入射させ、受光光学系3は、入射面において、試料5の表面5aと検出器27の検出面とが結像関係になり、かつ、試料5の像が拡大されて結像されるように構成されている。
【選択図】図4
【解決手段】投光光学系2は、入射面において、試料5の表面5aの反射光と裏面5bの反射光とが重ならないように、光源19から出射した光を集光して試料5に入射させ、受光光学系3は、入射面において、試料5の表面5aと検出器27の検出面とが結像関係になり、かつ、試料5の像が拡大されて結像されるように構成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、透明基板上に形成された薄膜などからの反射光の偏光状態や光強度を計測するのに好適な光学系、それを用いて薄膜の特性を評価する薄膜評価装置および薄膜評価方法に関する。
近年、例えば半導体プロセスにおいては、基板の大型化や、デザインルールの微細化に伴い、不良に対する莫大な損害の可能性や微妙な異常に対する管理の必要性が出てきており、検査の重要性がますます高まってきている。また、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP( Plasma Display Panel)、に代表されるFPD(Flat Panel Display)プロセスにおいても、ガラス基板の大型化が進む中で、大画面化・高精細化・高品位化が急速に進んでおり、高品質の製品を高歩留まりで生産するために、検査の重要性がますます高まってきている。
また、画質の向上、高精細化のニーズの増加から、高精度な検査が求められている。
FPDの製造プロセスにおいて、基板上に形成される薄膜、例えば、ガラス基板上に形成される液晶配向膜の膜ムラの検査は、FPDの表示性能に関連するため重要である。
ここでいうムラとは、膜厚分布のムラ、膜のキズ、欠陥などをいい、例えば、図11(a)の平面図および図11(b)の側面図に示すように、表面に薄膜35が形成された基板36における屈折率のムラ37、膜厚のムラ38、スジ状のムラ39、部分的なムラ40、ミスト状のムラ41や欠陥などをいう。
かかる薄膜のムラについては、現在、人手による目視検査で良否を判定する方法が採用されているが、作業者の主観により判断される場合が多く定量化されていないのが現状である。
そこで、作業者の主観によらない判定方法として、測定対象に光を照射し、その反射光の2次元強度分布を、エリアCCDカメラを使って計測し、ムラを定量化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、反射光の偏光状態の2次元画像を計測する方法も提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
しかし、これらの2次元画像を計測する方法では、ガラスのような透過性基板の場合には、図12に示すように、基板42の表面42aの反射光と裏面42bの反射光とが重なり、裏面42bの反射光もCCDカメラで受光してしまうため、基板42の表面42aの薄膜の測定感度が低下するという課題がある。なお、以下の説明では、薄膜は、その厚みが基板に比べて極めて薄いため図示を省略している。
このような基板の裏面の反射光は、薄膜自体から反射される信号光に対して、背景光となるため、信号光の測定感度は低下する。また、製造ライン上であれば、そこからの反射光の影響も受けるため更に低下することになる。
かかる裏面反射光を除去する方法として、図13(a)あるいは図13(b)に示すように、裏面を拡散面43にする、あるいは、ウェッジ状の傾斜面44にするなどして、裏面からの反射光が帰ってこないようにすることが従来から行われているが、かかる方法では測定対象である基板42の裏面を加工処理する必要があるという難点がある。
そこで、加工処理を行なわず、裏面反射光を除去する方法として、測定対象に平行光を照射し、エリアCCDカメラで薄膜からの反射光と、裏面反射光とを分離する方法(例えば、特許文献4参照)、あるいは、測定対象に光を集光して照射し、受光部に設けたスリットで除去する方法もある(例えば、特許文献5参照)。
しかし、これらの方法では以下のような課題がある。
すなわち、これらの方法では、特許文献4に対応する図14あるいは特許文献5に対応する図15に示すように、測定対象である基板42の表面42aの反射光と裏面42bの反射光とを分離できる幅tは、式(1)のように、ガラス等の透明基板42の厚みdglass、その屈折率nglass、入射角θ1に依存している。
なお、図14および図15において、45は反射光を検出する検出器である。
近年のFPDで使用されるガラス基板は薄くなる傾向にあり、例えば、ガラス基板の厚みを0.5mm、屈折率を1.53、入射角を60度とすると、表面反射光と裏面反射光とを分離できる幅tは、0.35mm程度になってしまう。
したがって、図14に示す構成では、平行光を照射する幅を0.35mm以下にする必要があり、事実上困難であり、図15に示す構成では、受光部のスリットの配置が難しくなる。
また、特許文献4,5では、いずれも1点計測を想定しており、測定対象の薄膜ムラを計測するためには、センサを走査する必要がある。
その他の裏面反射光を除去する方法として、図16に示すように、測定対象である基板42付近にスリット46を配置する方法もあるが(例えば、特許文献6参照)、スリット46の配置に精度が必要になり、センサの設置も困難になるという課題がある。
特許第3431075号公報
特許第3447654号公報
特開平10―160577号公報
特開平6―337205号公報
特開平3―231103号公報
特開2006―23202号公報
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、試料表面からの信号光に対して背景光となる裏面反射光を除去して高感度の計測を可能とする光学系、この光学系を用いて薄膜を評価する薄膜評価装置および薄膜評価方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
(1)本発明の光学系は、透明な試料に対して、光源からの光を斜入射させる投光光学系と、前記試料からの反射光を検出する検出器を有する受光光学系とを備え、前記投光光学系は、入射面において、前記試料の表面の反射光と前記試料の裏面の反射光とが重ならないように、光源から出射した光を集光して前記試料に入射させるものであり、前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料と前記検出器とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように構成されている。
入射面とは、試料の法線と入射光とを含む面をいう。
「前記試料の表面の反射光と前記試料の裏面の反射光とが重ならないように、」とは、表面の反射光と裏面の反射光とが全く重ならないようにするのが好ましいが、一部が重なってもよい。
本発明によると、試料表面では、表面反射光と裏面反射光との分離幅が狭くても、拡大光学系となっている受光光学系によって、試料と結像関係にある検出器では、分離幅が拡大されることになり、従来では、表面反射光から分離するのが困難であったような裏面反射光を分離除去して表面反射光を検出することができる。これによって、当該光学系を用いた計測装置においては、信号光に対する背景光となる裏面反射光を除去して高感度の計測が可能となる。
(2)本発明の光学系の一つの実施形態では、前記試料は、表面に薄膜が形成された透明基板であり、前記投光光学系は、前記透明基板の厚みd、該透明基板の屈折率n、前記入射面における入射角θ、および、前記入射面における入射光のスポット径Dを含む下記式(6)を満足するように、光を集光して前記試料に入射させるものである。
透明基板は、表面から入射した光の少なくとも一部が、透過せずに、裏面で反射する程度の光の透過性を有する基板をいう。
この実施形態によると、投光光学系は、上記式(6)を満足するように、光を集光して前記試料に入射させるので、試料の表面反射光と裏面反射光とが重ならないようにすることができ、受光光学系では、この表面反射光と裏面反射光との分離幅を拡大し、裏面反射光を除去して表面反射光を検出器で検出することが可能となる。
(3)本発明の光学系の好ましい実施形態では、前記受光光学系は、受光レンズを有し、前記入射面において、前記試料の表面と前記検出器の検出面とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように、前記受光レンズが配置されるものである。
この実施形態によると、受光光学系の受光レンズによって、試料の表面反射光と裏面反射光との分離幅を拡大し、検出器に結像させることができる。
(4)本発明の光学系の他の実施形態では、前記投光光学系または前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料に対する光の入射角を制限する素子または前記入射角を制限するように前記試料からの反射光を制限する素子を有するものである。
制限する素子としては、例えば、スリットが好ましい。
偏光解析や反射率計測においては、多数の入射角に対応する反射光を、一括して検出器で検出すると、計測精度が低下することになるが、この実施形態によると、入射角を制限しているので、偏光解析や反射率計測の光学系とした場合に、高精度で計測することが可能になる。
(5)本発明の光学系の更に他の実施形態では、前記投光光学系は、前記入射面に垂直な面において、前記光源からの光を広げて前記試料上のライン状の測定領域に入射させる投光レンズを有する一方、前記受光光学系は、前記測定領域からの反射光を、ライン状の検出領域を有する前記検出器に導く受光レンズを有するものである。
「入射面に垂直な面において、前記光源からの光を広げて前記試料上のライン状の測定領域に入射させる」とは、入射面内においては、試料の表面の反射光と裏面の反射光とが重ならない程度に集光され、かつ、入射面に垂直な方向に関しては、上記集光された幅よりも広がりを持つ光を入射させることをいう。
例えば、入射面に垂直なラインビームとすることができる。
「ライン状の検出領域を有する前記検出器」は、1次元受光素子アレイや1次元撮像素子を含むが、これに限らず、2次元のものを用いてもよい。
この実施形態によると、当該光学系を走査することなく、試料のライン状の測定領域を高速で計測できることになる。
(6)本発明の光学系の好ましい実施形態では、前記投光光学系および前記受光光学系は、偏光光学素子を有するとともに、前記投光光学系および前記受光光学系の少なくともいずれか一方の光学系は、ズームレンズを有し、前記投光光学系の前記偏光光学素子は、前記ズームレンズよりも光源側に配置され、前記受光光学系の前記偏光光学素子は、前記ズームレンズよりも検出器側に配置されている。
偏光光学素子とは、例えば、偏光子、位相子、検光子などをいう。
この実施形態によると、投光光学系では、入射光を拡大するズームレンズの前段に偏光光学素子が配置され、あるいは、受光光学系では、反射光を縮小するズームレンズの後段に、偏光光学素子が配置されるので、高価な偏光光学素子を、ズームレンズの拡大に応じた大きなサイズにする必要がなく、コストを低減することができる。
(7)本発明の薄膜評価装置は、本発明に係る光学系を備え、前記反射光の偏光状態または前記反射光の光強度を測定して、前記試料の表面の薄膜を評価するものである。
本発明によると、試料表面の薄膜によって反射される信号光から背景光となる裏面反射光を除去して、薄膜からの反射光の偏光状態または光強度を高感度で計測して薄膜の特性を高い精度で評価することができる。
(8)本発明の薄膜評価装置の好ましい実施形態では、前記薄膜のムラを評価するものである。
ここで、薄膜のムラとは、膜厚分布のムラ、屈折率のムラ、キズ、欠陥などをいう。
この実施形態によると、試料表面の薄膜からの反射光の偏光状態または光強度を測定して試料表面の薄膜のムラを評価し、その良否を判定することができる。
(9)本発明の薄膜評価装置の一つの実施形態では、前記試料が、表面に異方性の前記薄膜が形成されたガラス基板であって、ラビング処理されるものであり、前記試料上のライン状の測定領域が前記ラビング方向に沿うように前記光学系を、配置するものである。
ラビング処理による薄膜の欠陥は、ラビングローラの進行方向であるラビング方向に沿って一定間隔をあけて生じる場合が多く、この実施形態では、ライン状の測定領域が、ラビング方向に沿うように光学系を配置するので、一定間隔をあけて生じる薄膜の欠陥を、より確実に検出できる。
ラビング処理による薄膜の欠陥は、ラビングローラの進行方向であるラビング方向に沿って一定間隔をあけて生じる場合が多く、この実施形態では、ライン状の測定領域が、ラビング方向に沿うように光学系を配置するので、一定間隔をあけて生じる薄膜の欠陥を、より確実に検出できる。
(10)本発明の薄膜評価方法は、表面に薄膜が形成された試料に対して、投光光学系によって光源からの光を斜入射させ、前記試料からの反射光を、受光光学系の検出器によって検出し、前記反射光の偏光状態または光強度を測定して前記薄膜を評価する方法であって、前記投光光学系は、入射面において、前記試料の表面の反射光と前記試料の裏面の反射光とが重ならないように、光源から出射した光を集光して前記試料に入射させるものであり、前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料と前記検出器とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように構成されているものである。
本発明によると、試料表面の薄膜によって反射される信号光から背景光となる裏面反射光を除去して、薄膜からの反射光の偏光状態または光強度を測定できることになり、これによって、試料表面の薄膜の特性を高い精度で評価することができる。
本発明によれば、試料表面では、表面反射光と裏面反射光との分離幅が狭くても、拡大光学系である受光光学系によって、試料と結像関係にある検出器では、分離幅が拡大されるので、従来では、分離が困難であったような裏面反射光を分離除去して表面反射光を検出することができ、これによって、当該光学系を用いた計測装置においては、信号光に対する背景光となる裏面反射光を除去して高感度の計測が可能となる。
また、試料の裏面反射光の影響を除去して、試料表面の薄膜からの反射光の偏光状態または光強度を高感度に計測して試料表面の薄膜を評価することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態に係る薄膜評価装置1の全体構成図を示す図であり、この薄膜評価装置1は、反射型の偏光解析を利用して薄膜を評価するものである。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る薄膜評価装置1の全体構成図を示す図であり、この薄膜評価装置1は、反射型の偏光解析を利用して薄膜を評価するものである。
この薄膜評価装置1は、投光光学系2および受光光学系3を有する光学系4と、測定対象である試料5が配置される回転ステージ6と、光学系4および回転ステージ6にケーブル11を介して接続されて所定の演算処理や制御を行う処理部7と、モニタ8、キーボード9、マウス等の外部I/F10とを備えている。
試料5は、表面に薄膜が形成された透明基板、例えば、配向膜が形成されたガラス基板である。
ここで、実施の形態の説明に先立って、反射型の偏光解析法の計測原理について説明する。
図2に反射型偏光解析法を説明するための概略図を示す。同図において、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
入射角θの入射光が測定対象50により反射して、出射光となるとき、入射光と出射光との関係は次式で表される。
Ap,Asは入射光の電場のp方向、s方向成分、Bp,Bsは出射光の電場のp方向、s方向成分である。rppは、p偏光を入射したときの、p偏光の複素振幅反射率係数、rpsは、s偏光を入射したときの、p偏光の複素振幅反射率係数、rspは、p偏光を入射したときの、s偏光の複素振幅反射率係数、rssは、s偏光を入射したときの、s偏光の複素振幅反射率係数であり、これらを表す行列式をジョーンズ行列という。測定対象50が等方性媒質の場合は、rps=rsp=0となるが、異方性媒質の場合は、これらは0にならず、値を持つことになる。
p、s偏光の振幅反射率係数の比(複素振幅反射率比ρ)は、式(3)のように表される。
χ=Ap/Asであり、入射光の電場のp方向、s方向成分の比である。Δは電場のp偏光成分とs偏光成分の位相差をあらわし、ψは、電場のp偏光成分とs偏光成分の振幅比をあらわす。
この実施形態では、p、s偏光の振幅反射率係数の比(複素振幅反射率比ρ)を計測し、試料表面の薄膜のムラを評価するものである。
図3は、図1の薄膜評価装置1の電気的構成図である。
投光光学系2から出た光信号は、試料5によって反射し、受光光学系3で観測される。処理部7は、投光光学系2および受光光学系3を制御する投受光制御部12と、受光光学系3からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部13と、光学系4と同期して回転ステージ6を駆動するステージ制御部14と、各種のプログラムを内蔵したROM15と、キーボード8、マウスが接続される入力部16と、ディスプレイなどのモニタ8が接続される出力部17と、これらを制御するとともに、所要の演算を行なうCPU18で構成される。
図4および図5は、この実施形態の光学系の構成を示す図であり、図4は、入射面における構成を、図5は、入射面に垂直な面における構成を示すものである。
入射面とは、測定対象である試料6の法線Lと入射光とを含む面をいう。
投光光学系2は、光源19と、光源19からの光をコリメート光にするコリメートレンズ20と、スリット21と、コリメート光のある偏光成分だけを通過させる偏光子22と、光を集光して試料表面の薄膜に照射するシリンドリカルレンズからなる投光レンズ23とを備えており、試料表面に光を斜入射させる斜入射光学系となっている。
投光光学系2は、光源19と、光源19からの光をコリメート光にするコリメートレンズ20と、スリット21と、コリメート光のある偏光成分だけを通過させる偏光子22と、光を集光して試料表面の薄膜に照射するシリンドリカルレンズからなる投光レンズ23とを備えており、試料表面に光を斜入射させる斜入射光学系となっている。
受光光学系3は、試料5からの反射光を受光するシリンドリカルレンズからなる受光レンズ24と、位相子25と、コリメート光のある偏光成分だけを通過させる検光子26と、例えば、一次元のCCDからなる検出器27とを備えている。
この実施形態では、試料5の表面5aの薄膜の一次元のムラを高速に計測するために、図5に示すように、投光光学系2では、シリンドリカルレンズからなる投光レンズ23によって光源19から出射した光を広げて、試料5のライン状の広い測定領域28に照射し、受光光学系3では、測定領域28からの反射光を、シリンドリカルレンズからなる受光レンズ24を介して1次元の検出器27で検出する。
この実施形態の投光光学系2は、図4に示す入射面において、試料5の表面5aの反射光と試料5の裏面5bの反射光とが重ならないように、次の条件を満足するように、光源19から出射した光を集光して試料5に入射させるものである。
図6は、入射面におけるガラス等の透明基板55に対する入射光および反射光を示す図である。
この図6において、集光する入射光のスポット径Dは、透明基板55の厚みをdglass、屈折率をnglass、入射角をθ1とすると、下記の式(4)の関係を満たす必要がある。なお、この式(4)は、上述の式(6)において、dをdglass、nをnglass、θをθ1に変更したものであって、同じ式である。
入射面のスポット径Dが、式(4)以上になると、図6に示すように、透明基板55の表面55aと裏面55bの反射光が重なってしまうために、受光光学系で分離することができなくなる。
このため、この実施形態の投光光学系2では、例えば、試料5となる透明基板の厚みと屈折率が決まっているとすると、式(4)の関係を満足するように、入射角θ1とスポット径Dとを規定するようにしている。この場合、入射角θ1を先に規定してもよいし、スポット径Dを先に規定してもよい。
更に、この実施形態では、試料5の裏面反射の影響を除去するために、受光光学系3は、図4に示す入射面において、試料5の表面5aと検出器27の検出面とが結像関係になり、かつ、試料5の像が拡大されて結像されるように、受光レンズ24を配置している。すなわち、受光光学系3は、入射面において、拡大光学系となっている。
かかる構成によって、図4に示すように、試料表面付近において、実線で示される表面5aの反射光と、破線で示される裏面5bの反射光との分離幅t0が小さくても、検出器27付近では、拡大倍率aに応じて拡大された分離幅a・t0(=t)となる。
したがって、この実施形態では、図4の入射面において、表面反射光と裏面反射光を分離できる幅tは、式(5)のように、基板の厚みdglass、と屈折率nglass、入射角θ1、および、拡大倍率aに依存する。
この式(5)では、拡大倍率aの項があるため、上述の式(1)で示した従来例とは異なり、裏面反射と表面反射をより大きく分離できることになる。
例えば、ガラス基板の厚みを0.5mm、屈折率を1.53、入射角を60度とし、受光レンズの拡大倍率を2倍とすると、表面反射光と裏面反射光との分離幅tは0.70mmとなり、従来例(0.35mm)に対して、より大きく分離することができる。
したがって、従来例では、表面反射光と裏面反射光との分離が困難であった薄いガラス基板であっても裏面反射光の影響を除去することが可能となる。
これによって、試料5の表面5aの薄膜からの反射光の偏光状態を高感度で計測することができ、上述の複素振幅反射率比ρの面内分布などに基づいて、試料5の表面の薄膜のムラを高い精度で評価し、その良否を判定することができる。
また、この実施形態では、投光光学系2には、図4に示すように、試料5に対する入射角を制限するスリット21を配置している。
入射角を制限しない場合には、集光して光を試料5に照射しているため、試料5に対して、多数の入射角で光を入射することになり、この多数の入射角を含んだ反射光を、分離せず一括して検出器27で受光することになる。
一般に、偏光解析や反射率計測において、多数の入射角を分離せず一括して受光すると、測定精度が低下する。したがって、検出器27で受光する光の入射角を、より単入射角のみに近づけるために、上述のように入射角を制限するスリット21を配置するのである。
入射角を制限する素子であれば、特にスリットに限らず、例えば、光源自体が一方向にしか伝播しないものを用いてもよい。また入射角を限定するための素子は、投光側、受光側のどちらに配置してもよい。
図7は、この実施形態の光学系の具体的な構成の一例を示す斜視図であり、図4および 図5に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
光源(LD)19から出射した光は、スリット21を通って、コリメートレンズ20で平行光になり、偏光子22を通過して第1,第2ズームレンズ29,30で拡大され、シリンドリカルレンズ23により、入射面に対して垂直な方向のみ集光され、試料5に照射される。
光が照射されている試料5のライン上の測定領域28から反射した光は、再度シリンドリカルレンズ241で平行光になり、第3,第4ズームレンズ31,32で縮小され、位相子25、回転される検光子26を通過して、再度シリンドリカルレンズ242で集光され、検出器27で検出される。
偏光光学素子である偏光子22、位相子25および検光子26は、サイズが大きくなると、高価になる。
このため、投光光学系2の偏光子22を、ズームレンズ29,30よりも光源19寄りに配置する一方、受光光学系3の位相子25および検光子26を、ズームレンズ31,32よりも検出器27寄りに配置しており、これによって、大きなサイズの偏光子等を用いる必要がない。
図8は、この実施形態の薄膜評価装置1によって、ガラス基板33上に形成された液晶の配向膜を、評価する場合の光学系の配置例を示す図である。
液晶配向膜は、ラビング処理によって光学的異方性を発現させるものであり、このラビング処理は、配向膜が形成されたガラス基板33の表面を、図8に示すようにラビングローラ34によって矢符で示されるラビング方向に摺ることにより行なわれる。
ラビングローラ34のラビング布に部分的な欠陥があった場合、ラビング布の欠陥部分と、ガラス基板33が接触する際に、ガラス基板33にも欠陥が形成される。ラビングローラ34は、矢符で示されるラビング方向に回転しているため、一定間隔で前記欠陥部分に起因するキズ等の欠陥56が、ガラス基板33にも離散的に、線状に形成される。
そこで、光学系4を、ライン状の測定領域28が、矢符で示されるラビング方向に沿うように配置することで、離散的に形成される欠陥56の間に、前記測定領域28が位置する確率を少なくして欠陥56の検出確率を向上させている。
上述の実施形態では、ラインCCDによって検出器27を構成したけれども、本発明の他の実施形態として、フォトダイオード(PD)を複数配列して検出器を構成してもよい。また、光学系4を、複数配列してより広い領域を計測できるようにしてもよい。
上述の実施形態では、ライン状の測定領域28を計測したけれども、本発明の他の実施形態として、上述の図4および図5に対応する図9および図10に示すように、試料5の一点57を計測する構成としてもよい。この場合には、光学系を走査して一次元の計測を行なえばよい。
反射光の偏光状態の計測は、検光子を回転させる回転検光子法に限らず、位相子を回転する方法やその他の方法であってもよい。
また、他の実施形態として、反射光の光強度を計測する反射率計測に適用してもよい。
本発明は、例えば、液晶配向膜などの薄膜の透明基板上の薄膜の評価などに有用である。
1 薄膜評価装置 2 投光光学系
3 受光光学系 4 光学系
5 試料 21 スリット
22 偏光子 23 投光レンズ
24 受光レンズ 25 位相子
26 検光子 27 検出器
3 受光光学系 4 光学系
5 試料 21 スリット
22 偏光子 23 投光レンズ
24 受光レンズ 25 位相子
26 検光子 27 検出器
Claims (10)
- 試料に対して、光源からの光を斜入射させる投光光学系と、前記試料からの反射光を検出する検出器を有する受光光学系とを備え、
前記投光光学系は、入射面において、前記試料の表面の反射光と前記試料の裏面の反射光とが重ならないように、光源から出射した光を集光して前記試料に入射させるものであり、
前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料と前記検出器とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように構成されていることを特徴とする光学系。 - 前記受光光学系は、受光レンズを有し、前記入射面において、前記試料の表面と前記検出器の検出面とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように、前記受光レンズが配置される請求項1または2に記載の光学系。
- 前記投光光学系または前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料に対する光の入射角を制限する素子または前記入射角を制限するように前記試料からの反射光を制限する素子を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記投光光学系は、前記入射面に垂直な面において、前記光源からの光を広げて前記試料上のライン状の測定領域に入射させる投光レンズを有する一方、前記受光光学系は、前記測定領域からの反射光を、ライン状の検出領域を有する前記検出器に導く受光レンズを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記投光光学系および前記受光光学系は、偏光光学素子を有するとともに、前記投光光学系および前記受光光学系の少なくともいずれか一方の光学系は、ズームレンズを有し、
前記投光光学系の前記偏光光学素子は、前記ズームレンズよりも光源側に配置され、前記受光光学系の前記偏光光学素子は、前記ズームレンズよりも検出器側に配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学系。 - 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学系を備え、前記反射光の偏光状態または前記反射光の光強度を測定して、前記試料の表面の薄膜を評価することを特徴とする薄膜評価装置。
- 前記薄膜のムラを評価する請求項7に記載の薄膜評価装置。
- 前記試料が、表面に異方性の前記薄膜が形成されたガラス基板であって、ラビング処理されるものであり、
前記試料上のライン状の測定領域が前記ラビング方向に沿うように前記光学系を、配置する請求項7または8に記載の薄膜評価装置。 - 表面に薄膜が形成された試料に対して、投光光学系によって光源からの光を斜入射させ、前記試料からの反射光を、受光光学系の検出器によって検出し、前記反射光の偏光状態または光強度を測定して前記薄膜を評価する方法であって、
前記投光光学系は、入射面において、前記試料の表面の反射光と前記試料の裏面の反射光とが重ならないように、光源から出射した光を集光して前記試料に入射させるものであり、
前記受光光学系は、前記入射面において、前記試料と前記検出器とが結像関係になり、かつ、前記試料の像が拡大されて結像されるように構成されていることを特徴とする薄膜評価方法。
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