JP2008041530A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子源と陽極間の放電を防止して高信頼性の画像表示装置を提供する。
【解決手段】背面基板SUB1の内面にデータ信号配線d、絶縁層INSを介して形成された走査信号配線sを有し、データ信号配線dと走査信号配線sの交差部に電子源ELSが形成されている。走査信号配線sの上に放電防止部材SSBを設置する。放電防止部材SSBはガラスを好適とする絶縁芯材MBDの上面に導電層ECLを有し、下面をフリットガラス等の接着剤FGLで走査信号配線sに固定してある。放電防止部材SSBの幅は走査信号配線sの幅よりも広く、陽極から見たときに、走査信号配線sを放電防止部材SSBが覆っているような寸法とする。
【選択図】図2
【解決手段】背面基板SUB1の内面にデータ信号配線d、絶縁層INSを介して形成された走査信号配線sを有し、データ信号配線dと走査信号配線sの交差部に電子源ELSが形成されている。走査信号配線sの上に放電防止部材SSBを設置する。放電防止部材SSBはガラスを好適とする絶縁芯材MBDの上面に導電層ECLを有し、下面をフリットガラス等の接着剤FGLで走査信号配線sに固定してある。放電防止部材SSBの幅は走査信号配線sの幅よりも広く、陽極から見たときに、走査信号配線sを放電防止部材SSBが覆っているような寸法とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、前面パネルと背面パネルの間に形成される真空中への電子放出を利用した平面型の画像表示装置に係り、特に前記両パネル間に複数の間隔保持部材を備えた画像表示装置における輝度ムラの抑制に好適なものである。
高輝度、高精細に優れた画像表示装置(ディスプレイデバイス)として、従来からカラー陰極線管が広く用いられてきた。しかし、近年の情報処理装置やテレビ放送の高画質化に伴い、高輝度、高精細の特性をもつと共に軽量、省スペースの平面型画像表示装置(フラット・パネル・ディスプレイ、FPD)の要求が高まっている。
その典型例として液晶表示装置、プラズマ表示装置などが実用化されている。また、特に高輝度化が可能なものとして、電子源から真空への電子放出を利用した自発光型表示装置、低消費電力を特徴とする有機ELディスプレイなど、種々の平面型画像表示装置の実用化も図られている。
FPDの中、自発光型のFPDでは、電子源をマトリクス状に配置した構成が知られている。その一つとして微小で集積可能な薄膜型の冷陰極を利用する電子放出型の画像表示装置がある。
また、自発光型のFPDでは、その冷陰極にスピント型、表面伝導型、カーボンナノチューブ型、金属―絶縁体―金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型、金属―絶縁体―半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型または金属―絶縁体―半導体−金属型等の電子源などが用いられる。
平面型画像表示装置は、上記のような電子源を備えた背面パネルと、蛍光体層とこの蛍光体層に電子源から放出される電子を射突させるための加速電極を形成する陽極を備えた前面パネルと、両パネルの対向する内部空間を所定の減圧状態に封止する封止枠とで構成される。この画像表示パネルに駆動回路等を組み合わせて画像表示装置が構成される。
このような画像表示装置では、第1の方向に延在して第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数のデータ信号配線と、このデータ信号配線を覆って形成された絶縁膜と、この絶縁膜上で前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の走査信号配線と、前記データ信号配線と前記走査信号配線との交差部付近に設けられた電子源とを有する背面基板からなる背面パネルを備える。この背面基板はガラスを好適とする絶縁板であり、この基板上に前記の電極が形成される。
この構成において、前記走査信号配線には前記第1の方向に順次(線順次走査)走査信号が印加される。また、背面基板上の走査信号配線とデータ信号配線の各交差部に上記した電子源が設けられる。これら両配線と電子源とは直接に又は給電電極を介して接続され、電子源に電流が供給される。この背面基板からなる背面パネルと対向して、対向する内面に複数色の蛍光体層とアノード電極(陽極)とを有する前面基板からなる前面パネルを備える。少なくとも前面基板は、ガラスを好適とする光透過性の材料で形成される。そして、両パネルは各々の貼り合せ内周縁に封止枠を介挿して封止され、当該背面パネルと前面パネル及び封止枠で形成される内部を減圧して画像表示装置が構成される。
電子源は、前記したようにデータ信号配線と走査配線との交差部又はその近傍に有し、データ信号配線に供給する電流値、又はデータ信号配線と走査配線との間の電位差で電子源(カソード)からの電子の放出量(放出のオン・オフを含む)を制御する。放出された電子は、前面基板に有する陽極(アノード)に印加される高電圧で加速され、同じく前面基板に有する蛍光体層に射突してこれを励起することで当該蛍光体層の発光特性に応じた色光で発色する。
個々のカソードは対応する蛍光体層と対になって単位画素を構成する。通常は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の単位画素で一つの画素(カラー画素、ピクセル)が構成される。なお、カラー画素の場合、各色を構成する単位画素は副画素(サブピクセル)とも呼ばれる。単位画素の蛍光体層はコントラストを向上させるための遮光膜(ブラックマトリクス:BM)に形成された開口(BM開口)に充填されており、カソードから放出され、アノードで加速された電子束(電子ビーム)がブラックマトリクスの開口に充填されている蛍光体層を十分にカバーするように射突することで所定の発光量で発光する。
このような平面型の画像表示装置では、一般的に背面パネルと前面パネルとの間の支持体で囲繞された空間に複数の間隔保持部材(スペーサ)が固定配置され、両基板間の間隔を封止枠と協働して所定間隔に保持する。このスペーサは、一般にはガラスやセラミックスなどの絶縁材で形成した高抵抗の板状体からなり、通常、複数の画素毎に画素の動作を妨げない位置に設置される。
また、封止枠は背面パネルと前面パネルとの内周縁にフリットガラスなどの封着部材で固着され、この固着部で気密封着がなされる。両パネルと封止枠とで形成される表示領域内部の減圧された空間の真空度は、例えば10-3〜10-5Paである。
また、平面型画像表示装置において、スペーサを電子源及び電極へ当接する際に導電性ガラスフリットを用いて電気的及び機械的に固定した電子線装置が特許文献1に提案されている。このスペーサは、導電性ガラスフリットを塗布した後に単に加熱処理することにより接着固定されている。その他、スペーサに関する従来技術を開示したものとしては、特許文献2、特許文献3を挙げることができる。
特許第3554312号公報
特開平10−144203号公報
特開2000−251785号公報
前面パネルを構成する基板の内面に有する陽極には、背面パネルの基板に配置される電子源の電位に対して、2〜10kV程度の高電圧が印加される。電子源と陽極の間の間隔は2mm〜5mmである。そのため、減圧空間内の部材表面での絶縁特性の劣化や減圧空間内の帯電で電子源と陽極間に放電が発生する恐れがある。放電が起こると、電子源が破壊されて表示装置として機能しなくなり表示装置の信頼性を低下させる。
本発明の目的は、電子源と陽極間の放電を防止して高信頼性の画像表示装置を提供することにある。
本発明の画像表示装置は、複数の走査信号配線と、前記走査信号配線に交差する複数のデータ信号配線と、前記走査信号配線と前記データ信号配線の表示領域内での各交差部近傍に配列された複数の電子源を内面に有する背面基板で構成された背面パネルと、前記電子源に対応して配列された複数の蛍光体層及び前記電子源に対して高電圧が印加される陽極を内面に有する前面基板で構成された前面パネルと、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に配置された複数の間隔保持部材とを有し、前記前面パネル及び背面パネルとの間を気密封着してなる。
そして、上記の目的を達成するために、本発明は、前記走査信号配線の上に前記陽極と前記電子源との間での放電を抑制する放電防止部材を設けた。この放電防止部材は、前記走査信号配線に沿った帯状である。該帯状の放電防止部材の幅は前記走査信号配線の幅より大とするのが望ましい。
また、本発明は、前記放電防止部材を全ての前記走査信号配線の上に設置し、当該帯状の放電防止部材の前記陽極と対向する面に導電層を設け、前記電子源を挟む一対の前記導電層に前記電子源の電位より正の電位を与えて、前記陽極方向に放出された電子を4重極作用で陽極方向に収束する収束電極とすることもできる。
また、本発明は、前記間隔保持部材を、帯状部と壁状部とからなる逆T字断面を有する部材とし、前記帯状部の幅を前記走査信号配線の幅より大とすることもできる。また、前記帯状部の前記陽極と対向する面と前記壁状部の表面に導電層を設け、前記帯状部の導電層の表面抵抗値を前記壁状部の表面の導電層の表面抵抗値より低くする構成とすることもできる。
また、本発明は、前記放電防止部材を、隣接する二本の前記走査信号配線に跨って配置することもできる。
本発明の構成により、減圧空間内に放電が発生しても、この放電電流は放電防止部材を通して減圧空間の外に放出することができ、電子源の破壊を防止できる。また、放電防止部材の陽極側に設ける導電層を収束電極として利用することで、蛍光体上での電子の他色打ち裕度の向上を図ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の画像表示装置の全体構成を説明する模式図である。この画像表示装置は、背面パネルPNL1と前面パネルPNL2の各主面を対向させ、ガラスを好適とする封止枠MFLを介してフリットガラスFGLで貼り合わせて一体化される。なお、背面パネルPNL1と前面パネルPNL2も共にガラスを好適とする。背面パネルPNL1を構成する背面基板SUB1の内面には、複数の走査信号配線と、前記走査配線に交差する複数のデータ信号配線と、前記走査信号配線と前記データ信号配線の表示領域内での各交差部近傍に複数の電子源ELSを有する。この電子源ELSはMIMに代表される薄膜型の電子源、カーボンナノチューブ(CNT)に代表される電界放出型電子源等がある。
前面パネルPNL2を構成する前面基板SUB2の内面には、電子源ELSに対応して配列された複数色(通常は、R,G,B)の蛍光体層(図示を省略)及び陽極ADを内面に有する。蛍光体層は遮光膜(ブラックマトリクス:図示を省略)の開口に充填されている。
背面パネルPNL1と前面パネルPNL2との間には、両パネルの間の間隔(セルギャップ)を規制するために表示領域内に配置された複数の薄板状の間隔保持部材(スペーサ)SPCを有し、周辺に介挿した封止枠MFLで両パネルの間を気密封着して一体化される。
スペーサSPCは、背面パネルPNL1の走査配線GLと前面パネルPNL2のブラックマトリクスの間(陽極AD上)に橋絡し、導電性接着剤で固定して配置される。なお、図1では、データ信号配線などの構成部材は図示を省略した。
図2は、本発明の実施例1を説明する背面パネルの要部断面図である。背面パネルには、背面基板SUB1の内面(主面)にデータ信号配線d、絶縁層INSを介して形成された走査信号配線sを有し、データ信号配線dと走査信号配線sの交差部に電子源ELSが形成されている。電子源ELSが薄膜型の電子放出源である場合は、走査信号配線sとの間を接続電極UEとその上に成膜される上部電極(図示せず)で接続される。
実施例1では、走査信号配線sの上に放電防止部材SSBを設置してある。放電防止部材SSBはガラスを好適とする絶縁芯材MBDの上面(陽極に対向する面)に導電層ECLを有し、下面をフリットガラス等の接着剤FGLで走査信号配線sに固定してある。この放電防止部材SSBの幅は走査信号配線sの幅よりも広くされており、陽極から見たときに、走査信号配線sを放電防止部材SSBが覆っているような寸法とするのが望ましい。隣接する放電防止部材SSB間の距離Wと絶縁芯材MBDの厚みHの関係は、厚みHが大きいほど放電防止効果が大きいが、実験的にはH>3Wとするのが望ましい。
走査信号配線sの何本か置きに、あるいは可能であれば全ての走査信号配線s上に放電防止部材SSBを設置することで、減圧空間内に放電が発生しても、この放電電流は放電防止部材を通して減圧空間の外に放出することができ、電子源の破壊を防止できる。
図3は、図2で説明した放電防止部材SSBの変形例を説明する断面図である。また、図4は、図2で説明した放電防止部材SSBの他の変形例を説明する断面図である。図3に示した放電防止部材SSBは、側面を外側に膨出させた形状、あるいは稜線に丸みを持たせた形状の絶縁芯材MBDを用い、上面に導電層ECLを有し、側面には高抵抗層HRLを形成してあり、図2と同様に、下面をフリットガラス等の接着剤で走査信号配線に固定する。
図4に示した放電防止部材SSBは、逆台形の絶縁芯材MBDを用い、上面に導電層ECLを有し、図2と同様に、下面をフリットガラス等の接着剤で走査信号配線に固定する。なお、側面に高抵抗層HRLを形成してもよい。
図5は、本発明の実施例1を説明する背面パネルの全体図で、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のA−A'線に沿った断面図である。放電防止部材SSBは走査信号配線sの上に固定されており、表示領域の装置との一方の端部で帯電防止部材電位供給線SBLに共通に接続されている。帯電防止部材電位供給線SBLは、図示しない引き出し線で接地線あるいは、適当な電位に接続される。
図6は、放電防止部材を画素分離に利用した場合の構成を説明する背面パネルの断面図である。MIM型の薄膜電子源では、走査信号配線ごとに上部電極を切断して画素分離を行う必要がある。図6では、走査信号配線sに対して放電防止部材SSBの位置を隣接する画素側にオフセットさせて固定した。使用する放電防止部材SSBは図4に示した逆台形の断面を有するものが適している。
走査信号配線sにフリットガラス等で放電防止部材SSBを固定後、金属膜をスパッタして放電防止部材SSBの陽極と対向する面に導電層ECLを形成する。このとき、同時に電子源を構成する上部電極UEも形成される。上部電極UEは放電防止部材SSBのオフセットで、隣接する走査信号配線sで選択される画素を構成する電子源の上部電極UEが自己整合で自動的に分離される。
図7は、放電防止部材を隣接する二本の走査信号配線の上に跨って設置した場合を説明する要部平面図である。この場合の画像表示装置では、隣り合わせた二本の走査信号配線sの各反対側に選択すべき画素を配置してある。したがって、一対の放電防止部材SSBの間にデータ信号配線d上に形成した二つの画素(電子源ELS)が配置されることになる。
図8は、放電防止部材を隣接する二本の走査信号配線の上に跨って設置した図7の要部断面図である。図8において使用されている放電防止部材SSBは図2で説明したものと同様に、その幅が二本の走査信号配線の配置幅を超えたサイズとなっている。放電防止部材SSBはフリットガラス等で二本の走査信号配線sの上に接着されている。
図9は、本発明の実施例2を説明する背面パネルの要部断面図である。実施例2は、前記前面パネルと前記背面パネルとの間で、前記走査信号配線sの上に放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCを配置したものである。実施例2の間隔保持部材TSPCは、帯状部と壁状部とからなる逆T字断面を有している。帯状部はガラスを好適とする第1の絶縁芯材MBD1で構成され、上面(陽極に対向する面)に導電層ECL1を有している。また、壁状部は同じくガラスを好適とする第2の絶縁芯材MBD2で構成され、側面に導電層ECL2を成膜してある。なお、この導電層ECL2に代えて絶縁芯材MBD2自体に導電性を持たせたものとしてもよい。
帯状部と壁状部は導電性接着剤FGLCで一体化されて逆T字断面の放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCとしている。この放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCはフリットガラス等の接着剤FGLで帯状部を走査信号配線sの上に接着されている。この間隔保持部材TSPCの帯状部の幅は走査信号配線sの幅よりも広くされており、陽極から見たときに、走査信号配線sを放電防止部材SSBが覆っているような寸法とするのが望ましい。この間隔保持部材TSPCの壁状部の上端は前面基板SUB2の陽極ADに導電性接着剤FGLCで接着されている。
帯状部の導電層ECL1の表面抵抗値を壁状部の表面の導電層ECL2の表面抵抗値より低くすることで壁状部の表面の帯電を速やかに帯状部の導電層ECL1を通して外部に排出させることができる。
図10は、図9に示した放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCを隣接する二本の前記走査信号配線に跨って配置した場合を説明する要部平面図である。また、図11は、図10の要部断面図である。図10と図11の構成は、放電防止部材を間隔保持部材TSPCに置き換えた点を除いて図7と同様である。
図12は、逆T字断面を有する放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCの寸法例を説明する図である。図12(a)の壁状部の高さL1は0.5〜5mm、厚さt1は0.05〜0.3mmである。図12(b)の帯状部の高さt2は0.05〜0.3mmで、幅Wは壁状部の厚さt1以上である。なお、この逆T字断面を有する放電防止機能を持たせた間隔保持部材TSPCは、上記のような帯状部と壁状部とを別個の部材として、両者を接合して構成するものに限らず、単一の部材とすることもできる。
図13は、本発明の実施例3を説明する背面パネルの要部断面図である。また、図14は、背面パネルの模式平面図である。実施例3は、走査信号配線sの上に、陽極と電子源との間での放電を抑制する図4と同様の放電防止部材を設けた。そして、この放電防止部材が全ての前記走査信号配線の上に設置され、当該放電防止部材の陽極と対向する面に有する導電層を収束電極CELとした。
電子源ELSを挟む一対の収束電極CELに電子源ELSの電位より正の電位を与える。これにより、陽極方向に放出された電子に4重極作用を与える収束電界が生成され、通過する電子の束の拡がりを抑制し、蛍光面上の3色蛍光体R,G,Bの配向方向(水平方向)での他色打ち裕度を向上させることができ、色純度を改善できる。収束電極CELを有しない構成とした画像表示装置
図15は、収束電極CELを有しない構成とした画像表示装置の効果を説明する図、図16は、収束電極CELを有する本発明の実施例3の構成を有する画像表示装置の効果を説明する図である。
収束電極CELを有しない構成とした画像表示装置については、電子源の形状と大きさ及び陽極方向に放出される電子束のプロファイルは図15の(b)に示したようになっている。図15の(a)及び(c)に示したように、走査信号配線s上に収束電極CELを有する放電防止部材を設置しない場合、蛍光面上での3色の蛍光体R、G、Bにランディングする電子束のスポットeR、eG、eBには他色打ち裕度mは0以下(m≦0)である。
これに対し、図16の(a)および(c)に示したように、走査信号配線s上に収束電極CELを有する放電防止部材を設置した実施例3の場合、収束電極CELを通過した電子束は4重極作用で矢印Qで示したように一対の走査信号配線s側(垂直方向)に引き伸ばされ、走査配線の延在方向(水平方向)に圧縮されたプロファイルとなる。即ち、電子束は縦長形状に変形される。その結果、蛍光面上での3色の蛍光体R、G、Bにランディングする電子束のスポットeR、eG、eBの他色打ち裕度mは0を超える(m>0)。したがって、蛍光面上の走査信号配線の延在方向(3色蛍光体R,G,Bの配向方向)での他色打ち裕度が向上し、色純度が改善できる。また、蛍光面上の蛍光体R,G,Bを縦長ドット、あるいはストライプ形状にすると、縦長電子ビームの蛍光面での利用効率が向上し、発光輝度の上昇に寄与する。
SUB1・・・背面基板、SUB2・・・前面基板、MFL・・・封止枠(枠体)、SSB・・・放電防止部材、SPC・・・スペーサ、ELS・・・電子源、PH・・・蛍光体、AD・・・陽極。
Claims (14)
- 複数の走査信号配線と、前記走査信号配線に交差する複数のデータ信号配線と、前記走査信号配線と前記データ信号配線の表示領域内での各交差部近傍に配列された複数の電子源を内面に有する背面基板で構成された背面パネルと、前記電子源に対応して配列された複数の蛍光体層及び前記電子源に対して高電圧が印加される陽極を内面に有する前面基板で構成された前面パネルと、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に配置された複数の間隔保持部材とを有し、前記前面パネル及び背面パネルとの間を気密封着してなる画像表示装置であって、
前記走査信号配線の上に前記陽極と前記電子源との間での放電を抑制する放電防止部材を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1において、
前記放電防止部材は、前記走査信号配線に沿った帯状であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2において、
前記帯状の放電防止部材の前記陽極と対向する面に導電層を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項3において、
前記帯状の放電防止部材の前記電子源側の側縁が、当該放電防止部材の前記陽極側の側縁よりも該放電防止部材の内側に後退していることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2〜4の何れかにおいて、
前記放電防止部材が、隣接する二本の前記走査信号配線に跨って配置されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項3〜4の何れかにおいて、
複数の前記放電防止部材の前記導電層が、前記表示領域の外側で所定電位に共通に接続されていることを特徴とする画像表示装置。 - 複数の走査信号配線と、前記走査信号配線に交差する複数のデータ信号配線と、前記走査信号配線に挟まれるように表示領域内に配列された複数の電子源を内面に有する背面基板で構成された背面パネルと、前記電子源に対応して配列された複数の蛍光体層及び前記電子源に対して高電圧が印加される陽極を内面に有する前面基板で構成された前面パネルを有し、前記前面パネル及び背面パネルとの間を気密封着してなる画像表示装置であって、
全ての前記走査信号配線の上に前記陽極方向に放出された電子に4重極作用を与える収束電極を有することを特徴とする画像表示装置。 - 複数の走査信号配線と、前記走査信号配線に交差する複数のデータ信号配線と、前記走査信号配線と前記データ信号配線の表示領域内での各交差部近傍に配列された複数の電子源を内面に有する背面基板で構成された背面パネルと、前記電子源に対応して配列された複数の蛍光体層及び前記電子源に対して高電圧が印加される陽極を内面に有する前面基板で構成された前面パネルと、前記前面パネルと前記背面パネルとの間で、前記走査信号配線の上に配置された複数の間隔保持部材とを有し、前記前面パネル及び背面パネルとの間を気密封着してなる画像表示装置であって、
前記間隔保持部材は、帯状部と壁状部とからなる逆T字状断面を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項8において、
前記帯状部の前記陽極と対向する面と前記壁状部の表面に導電層を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項9において、
前記帯状部の導電層の表面抵抗値が前記壁状部の表面の導電層の表面抵抗値より低いことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項8において、
前記放電防止部材が、隣接する二本の前記走査信号配線に跨って配置されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項9において、
複数の前記放電防止部材の前記壁状部の表面に有する前記導電層が、前記表示領域の外側で所定電位に共通に接続されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項8〜12の何れかにおいて、
前記放電防止部材の前記帯状部と前記壁状部とが別個の部材の接合で構成されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項8〜12の何れかにおいて、
前記放電防止部材の前記帯状部と前記壁状部とが単一の部材であることを特徴とする画像表示装置。
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