JP2008031799A - 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 - Google Patents

防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 Download PDF

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Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Masaki Kinoshita
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Abstract

【課題】長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れる防火区画貫通部
の施工方法を提供すること。
【解決手段】
建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する長尺体が挿通される防火区画貫通部
の施工方法であって、
無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜2
5重量%および有機質バインダー5〜15重量%を含み、かつ前記無機質バインダーは、
融点が650〜1000℃の範囲である焼結性無機質材からなる熱膨張性無機材料を含有
するテープ状成形体を、前記長尺体のうち前記防火区画を貫通する部分の一部または全部
に巻き付けた後、
前記熱膨張性無機材料、モルタル、不燃材料およびパテからなる群より選ばれる少なく
とも一つにより、前記防火区画貫通部と前記長尺体との間隙を埋め戻すことを特徴とする
防火区画貫通部の施工方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画貫通部を貫通して設置される長尺体
に対して防火措置を施すための防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造に関
する。
通常、建築物の床、壁、間仕切り等の仕切り部に長尺体を貫通させる場合は、前記長尺
体を貫通させるための貫通孔を前記仕切り部に設け、この貫通孔に長尺体(給排水管、電
線管、冷媒管、ダクト等)を貫通させる。
そして前記貫通孔と前記長尺体との間隙に防耐火のためモルタル等の充填剤を充填して
閉塞させることにより防火区画貫通部を施工することができる。この施工方法により得ら
れた防火区画貫通部構造により、仕切り部の一方の側で発生した火災による熱、火炎、煙
等が他方の側へ到達するのを遅らせたり、防止したりすることが可能となる。
この様な防火区画貫通部の施工方法として、ゴム成分を含む樹脂成分、熱膨張性黒鉛お
よび無機充填剤を含む樹脂組成物からなるテープ状成形体を前記長尺体に巻き付けた後、
前記長尺体と前記貫通孔との間隙に対してモルタル等を用いて埋め戻す防火区画貫通部の
施工方法が提案されている(特許文献1)。
一方、ロックウール50〜90重量%、熱膨張性無機粉末5〜25重量%、焼結性無機
質材5〜10重量%および有機質バインダー2〜10重量%の組成物の水分スラリーを湿
式抄造して得られる熱膨張性無機質繊維フェルトが提案されている。
この熱膨張性無機質繊維フェルトは火災等による熱を受ける前と受けた後ではその形状
が大きく変化する。このため火災等の熱により前記熱膨張性無機質繊維フェルトが膨張し
た後であっても、膨張後の前記熱膨張性無機質繊維フェルトが容易に崩れ落ちたりしない
様に、前記熱膨張性無機質繊維フェルトには焼結性無機質材が必須の構成要素とされてい
る。
この焼結性無機質材は、前記ロックウールと火災等の熱により焼結一体化する。この焼
結一体化により膨張後の前記熱膨張性無機質繊維フェルトが短時間の間に崩れ落ちたりす
ることを防止することができる。
このことから前記熱膨張性無機質繊維フェルトを、耐火性シール材等に応用することが
できるとされる(特許文献2)。
特開2002−227325号公報 特開2000−199194号公報
しかしながら、上記に説明した防火区画貫通部の施工方法に使用される熱可塑性樹脂等
からなる耐火膨張シートに替えて、単に前記熱膨張性無機質繊維フェルトを使用すると問
題が生じた。
すなわち、前記熱膨張性無機質繊維フェルトの場合の様に、融点が75℃のホウ砂等や、あるいは融点が1300℃を超えるセピオライト等の焼結性無機質材を前記熱膨張性無機質繊維フェルトに使用した場合には、火災等の熱により前記熱膨張性無機質材料が十分に膨張する前に前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが焼結一体化してしまったり、逆に前記熱膨張性無機質材料が十分に膨張した後になっても、前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが十分に焼結一体化しないことがあり、長時間高温にさらされた場合の形状保持性が未だ十分ではないとの問題があった。
本発明の目的は、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れる防火
区画貫通部の施工方法を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、融点が650〜1000℃
の範囲であるという、特定の融点を有する焼結性無機質材を含む熱膨張性無機材料を使用
した防火区画貫通部の施工方法が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに
至った。
すなわち本発明は、
[1]建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する長尺体が挿通される防火区画貫
通部の施工方法であって、
無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜2
5重量%および有機質バインダー5〜15重量%を含み、かつ前記無機質バインダーは、
融点が650〜1000℃の範囲である焼結性無機質材からなる熱膨張性無機材料を含有
するテープ状成形体を、前記長尺体のうち前記防火区画を貫通する部分の一部または全部
に巻き付けた後、
前記熱膨張性無機材料、モルタル、不燃材料およびパテからなる群より選ばれる少なく
とも一つにより、前記防火区画貫通部と前記長尺体との間隙を埋め戻すことを特徴とする
防火区画貫通部の施工方法を提供するものであり、
[2]建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する長尺体が挿通される防火区画貫
通部の施工方法であって、
無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜2
5重量%および有機質バインダー5〜15重量%を含み、かつ前記無機質バインダーは、
融点が650〜1000℃の範囲である焼結性無機質材からなる熱膨張性無機材料により、前記防火区画貫通部と前記長尺体との間隙を埋め戻すことを特徴とする防火区画貫通部の施工方法を提供するものであり、
[3]前記熱膨張性無機材料に含まれる無機質バインダーは、二酸化ケイ素50〜60重
量%、酸化アルミニウム10〜20重量%、酸化カルシウム10〜20重量%、酸化マグ
ネシウム1〜10重量%および酸化ホウ素8〜13重量%を含有する焼結性無機質材から
なることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の防火区画貫通部の施工方法を提
供するものであり、
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の施工方法により施工されてなる防火区画貫
通部構造を提供するものである。
本発明によれば、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れる防火
区画貫通部の施工方法を提供することができる。
以下に、本発明の防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造につき詳細に説
明する。
最初に本発明に使用する長尺体の外面に熱膨張性無機材料を含有するテープを巻き付け
る場合について説明する。
図1の斜視図に示すように、長尺体1の外面に熱膨張性無機材料を含有するテープ状成
形体2を巻き付ける。
この際、前記長尺体1の外面および前記熱膨張性無機材料を含有するテープ状成形体2
の少なくとも一方に接着剤を塗布する方法、両面接着テープを併用する方法等により、長
尺体1の外面に熱膨張性無機材料からなるテープ状成形体2を貼着することができる。
また、前記熱膨張性無機材料に粘着成分を添加する方法や粘着層を積層する方法等によっても前記テープ状成形体2自体に粘着性を付与することができ、この粘着性を利用して長尺体1の外面に熱膨張性無機材料からなるテープ状成形体2を貼着することもできる。
ここで前記長尺体としては、例えば、樹脂配管、ケーブル、断熱被覆管等の一種もしく
は二種以上を挙げることができる。
また図1は樹脂配管にテープ状成形体を巻き付けた状態を示したが、ケーブル、断熱被
覆管等についても同様に巻き付けることができる。
次いで、前記テープ状成形体2が巻き付けられた長尺体1は、図2の模式斜視図に例示
される様に、建築物の防火区画を形成するスラブ等の仕切り部3に設けられた貫通孔5に
挿通される。
また、前記貫通孔5に既に長尺体が挿通されている場合は、前記貫通孔5内で、先に説
明した方法と同様の方法により巻き付け作業を行う。
また、前記テープ状成形体を前記長尺体に少なくとも一周巻き付けた後、接着剤や両面
接着テープ等で前記テープ状成形体を固定した後、貫通部にスライドさせて挿通させても
よい。
また、少なくとも一方の面に離型基材が積層された粘着性を有する前記テープ状成形体
を使用する場合には、前記長尺体に前記離型基材面側が内側になるように少なくとも一周
巻き付けた後、前記テープ状成形体の重なり部分の離型基材を剥離し、その粘着性を利用
して固定した後、貫通部にスライドさせて挿通させてもよい。
次に、図3に模式断面図を示したように、テープ状成形体2が巻き付けられた長尺体1
と、前記貫通孔5との間隙に前記熱膨張性無機材料、モルタル、不燃材料、パテ等の一種
もしくは二種以上(参照符号4)が埋め戻しされる。
上記不燃材料としては、例えば、ロックウール、セラミックウール、ガラスウール等の
一種もしくは二種以上が挙げられる。
これらの埋め戻しに用いられる材料の形状に特に限定はなく、例えば、不定形塊状、直
方体等のブロック状、シート状等の一種もしくは二種以上の形状を使用することができる。
前記テープ状成形体2が巻き付けられた長尺体1は、火災時の加熱によって熱変形を起
こしたり、焼失して隙間を生じても、前記テープ状成形体2が燃焼熱により膨張して膨張
断熱層を形成して間隙を閉塞し、熱伝導を抑制することによって、前記仕切り部3の一方
の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止することができる。
なお、前記埋め戻しに前記熱膨張性無機材料を使用する場合には、前記長尺体にテープ
状成形体2を巻き付ける工程を省略することが可能である。
前記テープ状成形体2の幅が前記貫通孔5の厚さより短い場合は、前記仕切り部3の厚
さ方向に略均等となるように配置することが好ましいが、前記貫通孔5のどちらかの端部
に片寄って配置されてもよい。
また、前記仕切り部3の厚さより長い場合は、前記仕切り部3の両側への突出長さが略
均等となるように配置することが好ましい。
また、テープ状成形体2が巻き付けられた前記長尺体1は、前記貫通孔5において略中
央となるように配置することが好ましい。
前記テープ状成形体は無機繊維、熱膨張性無機物、無機質バインダーおよび有機質バイ
ンダーを含む熱膨張性無機材料からなるものである。また、先の埋め戻しには熱膨張性無
機材料が使用されるものであるが、次にこの熱膨張性無機材料について説明する。
最初に本発明に使用する無機繊維について説明する。
本発明に使用する無機繊維としては、例えば、セラミック繊維等を挙げることができる。
この様なセラミック繊維としては、例えば、具体的にはシリカアルミナ繊維、アルミナ
繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
かかるセラミック繊維は、耐熱性の観点から融点が1300℃以上のものが好ましく、
1500℃以上のものであればさらに好ましい。
なお本発明において融点という場合、純物質等の様にその融点を明確に示す物質につい
てはその融点を意味し、混合物等の様にその融点を明確に示さないものについては、JI
S R3103−1に準じて測定された軟化点を意味するものとする。
前記無機繊維は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する無機繊維の配合量は、本発明に使用する熱膨張性無機材料の重量を基
準として、55〜85重量%の範囲である。
前記無機繊維の配合量が55重量%未満の場合には断熱層の形状保持性が低下し、また
85重量%を超える場合には前記熱膨張性無機材料の製造作業性が低下する。
本発明に使用する無機繊維の配合量は、60〜80重量%の範囲であれば好ましい。
前記無機繊維の直径は、通常0.01〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜
30μmの範囲である。また前記無機繊維はシランカップリング剤等の集束剤により複数
の繊維を一本にまとめたものを使用することができる。
前記無機繊維を得るための製造方法に限定はないが、例えば、この無機繊維の原料を軟
化させて線引きして得られた繊維を巻き取るロッド法、溶融させた前記原料をノズルから
排出し、得られた繊維を巻き取るポット法、有機溶剤に溶かした前記原料の前駆体を繊維
状にし、これをプレカーサーとして焼結して得られた繊維を巻き取る前駆ポリマー法等の
方法等を挙げることができる。これらの無機繊維として市販品を入手することができる。
本発明に使用する無機繊維は、例えば、直線状のセラミック繊維を切断して得られたも
の、直線状のセラミック繊維を粉砕して得られたもの等を挙げることができる。
上記の直線状のセラミック繊維を切断して得られたものはチョップド無機繊維として市
販品を入手することができ、上記の直線状のセラミック繊維を粉砕して得られたものはミ
ルド無機繊維として市販品を入手することができる。
これらの無機繊維は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性無機物について説明する。
本発明に使用する熱膨張性無機化合物としては、加熱時に膨張するものであれば特に限
定はないが、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられ
る。これらの中でも、発泡開始温度が低いことから熱膨張性黒鉛が好ましい。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラフ
ァイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。粒度が2
00メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られず、
また、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、熱膨張性無機質材料に保持されにくくなる。
前記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON
社製「GRAF GUARD」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
前記熱膨張性無機物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する熱膨張性無機物の配合量は、本発明に使用する熱膨張性無機材料の重
量を基準として、5〜30重量%の範囲である。
前記熱膨張性無機物の配合量が5重量%未満の場合には燃焼後の膨張体積が少なく、十
分な耐火断熱層が得られない。また30重量%を超える場合には膨張後の熱膨張性無機質
材料の強度が低下する。
本発明に使用する熱膨張性無機物の配合量は、10〜25重量%の範囲であれば好まし
い。
次に本発明に使用する無機質バインダーについて説明する。
本発明に使用する無機質バインダーとしては、例えば、焼結性無機質材等を挙げること
ができる。
この焼結性無機質材の具体例としては、例えば、電気絶縁性ガラス等を例示することが
できる。
前記電気絶縁性ガラスとしては、具体的には二酸化ケイ素が50〜60重量%、酸化ア
ルミニウムが10〜20重量%、酸化カルシウムが10〜20重量%、酸化マグネシウム
が1〜10重量%、酸化ホウ素が8〜13重量%等の範囲で含まれるEガラスと呼ばれる
もの等を挙げることができる。
本発明に使用する焼結性無機質材は、鉛金属塩およびアルカリ金属酸化物含有量が前記
焼結性無機質材の重量に対してそれぞれ1重量%未満のものであれば好ましい。
前記鉛金属塩としては、例えば、PbO、PbO、Pb等を挙げることができ
る。
また前記アルカリ金属酸化物としては、例えば、NaO、KO等を挙げることがで
きる。
本発明に使用する焼結性無機質材の中でも前記Eガラスは、アルカリ金属酸化物含有量
が少なく、建築構造材に対する影響が少ないことから好ましい。
本発明に使用する焼結性無機質材は、650〜1000℃の範囲の融点を有するもので
ある。
これにより、本発明に使用する前記テープ状成形体が火災等の熱により膨張した後であ
っても前記テープ状成形体に含まれる無機繊維等を一体のまとまりのある形状に保つこと
ができることに加え、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性が維持され
る。
前記融点が650℃未満の場合には、火災等の熱により、前記熱膨張性無機質材料が十
分に膨張する前に前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが焼結一体化するため、長時間高
温にさらされた場合の形状保持性に劣り、前記融点が1000℃を超える場合には、前記
熱膨張性無機質材料が十分に膨張した後になっても、前記焼結性無機質材と前記無機繊維
とが十分焼結一体化しないことがあり、同様に長時間高温にさらされた場合の形状保持性
に劣る。
前記融点の範囲は700〜900℃であれば好ましく、750〜850℃の範囲であれ
ばさらに好ましい。
所望の融点を有する前記焼結性無機質材は、前記焼結性無機質材に含まれる成分の調整
を行なうことにより得ることができる。
例えば、具体的には前記Eガラスの場合であれば、二酸化ケイ素が55重量%、酸化ア
ルミニウムが15重量%、酸化カルシウムが15重量%、酸化マグネシウムが5重量%、
酸化ホウ素が10重量%等含まれる場合、その融点は700℃である。
このEガラスに対し、その中に含まれる酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の量を増
加させることにより、このEガラスに含まれる二酸化ケイ素等の共有結合の割合を減少さ
せることができることから、前記Eガラスの融点を700℃以下に下げることができる。
逆に、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の量を減少させることにより、このEガラ
スに含まれる二酸化ケイ素等の共有結合の割合を増加させることができることから、前記
Eガラスの融点を700℃以上に上げることが可能となる。
本発明に使用する焼結性無機質材の配合量は、前記熱膨張性無機材料の重量を基準とし
て、5〜25重量%の範囲である。
前記焼結性無機質材の配合量が5重量%未満の場合または25重量%を超える場合には、前記熱膨張性無機質材料が長時間高温にさらされた場合、その形状保持性が低下する。
本発明に使用する焼結性無機質材の配合量は、10〜15重量%の範囲であれば好まし
い。
前記焼結性無機質材の形状には特に限定はないが、例えば、繊維形状体、繊維形状体が
絡み合ったウール形状体、粉体形状体等を挙げることができる。
前記焼結性無機質材として繊維形状体を使用する場合には、前記繊維の直径は、通常0.01〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜30μmの範囲である。この場合、前記繊維形状体はシランカップリング剤等の集束剤により複数の繊維を一本にまとめたものを使用することができる。
この様な繊維形状体を得る方法としては特に限定はないが、例えば、この焼結性無機質
材の原料を軟化させて線引きして得られた繊維を巻き取るロッド法、溶融させた前記原料
をノズルから排出し、得られた繊維を巻き取るポット法等の方法により得られたもの等を
市販品として入手することができる。
また、前記焼結性無機質材として粉体形状体を使用する場合には、前記粉体状体の平均
粒径は、通常5〜500μmの範囲である。前記粉体状体は通常市販品として入手するこ
とができる。
前記焼結性無機質材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する有機質バインダーについて説明する。
本発明に使用する有機質バインダーに特に限定はないが、例えば、具体的にはポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等
のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹
脂、エチレン−プロピレン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂類、
天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリ
ブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレン
ゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン
ゴム(EPR、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(
ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリ
コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム(U)等のゴム類、
ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂類、
上記熱可塑性樹脂類、ゴム類等のラテックス類、
上記熱可塑性樹脂類、ゴム類等のエマルション類等を挙げることができる。
中でも取り扱い性の面等から、ゴム類のラテックス類、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ア
クリル系樹脂エマルション等が好ましい。
前記有機質バインダーは一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する有機質バインダーの配合量は、本発明に使用する熱膨張性無機材料の
重量を基準として、5〜15重量%の範囲である。
有機質バインダーの配合量が5重量%未満の場合、前記熱膨張性無機質材料を製造する
作業性が低下する。また15重量%を超える場合には、前記熱膨張性無機質材料が長時間
高温にさらされた場合、その形状保持性が低下する。
本発明に使用する有機質バインダーの配合量は、5〜10重量%の範囲であれば好まし
い。
また本発明の熱膨張性無機質材料に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、着色
剤、酸化防止剤、難燃剤、無機充填材、粘着剤等の各種添加剤を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性無機材料を製造する方法について説明する。
本発明に使用する熱膨張性無機材料の製造方法については特に限定はないが、例えば、
前記熱膨張性無機材料の各成分を抄造法により製造する方法、前記熱膨張性無機材料の各
成分と有機溶剤との混合物を成形した後、有機溶剤を除去することにより製造する方法等
が挙げられる。
中でも、均質な熱膨張性無機材料を製造する観点から、抄造法による製造方法が好まし
く、この抄造法による製造方法の中でも吸着成形法がさらに好ましい。
代表的な抄造法による前記熱膨張性無機材料の製造方法としては、例えば、次の工程に
よる製造方法を挙げることができる。
(1)先に説明した本発明に使用する前記熱膨張性無機材料の各成分を、ミキサーやミル
等の装置を用いて溶剤に分散し、前記熱膨張性無機材料の溶剤スラリーを調製する。
(2)前記溶剤スラリーをロートフォーマー等の抄造機により抄造し、所望の形状に成形
する。
(3)必要に応じて前記溶剤スラリーを吸引、圧縮、遠心、加熱、送風等の手段により溶
剤分を除去する。
以上の工程により、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を得ることができる。
この抄造法により得られた前記熱膨張性無機材料を適宜裁断する等の工程により、本発
明に使用する熱膨張性無機材料からなるテープ状成形体を得ることができる。
次に吸着成形法による前記熱膨張性無機材料の製造方法について説明する。
この吸着成形法の一実施態様について、図4を参照しつつ具体的な工程を挙げて例示す
ると次の通りである。
(1)例えば、前記熱膨張性無機材料の各構成成分を溶解しない溶剤を準備しておき、か
かる溶剤中に前記熱膨張性無機材料の各構成成分を懸濁させたスラリー6を準備しておく。
(2)前記スラリー6を吸入するための枠体吸入口7と、前記枠体吸引口7の一方の側に
備えられた前記スラリー6から前記熱膨張性無機材料の各構成成分を分離するための濾過
部材8と、前記濾過部材8を通して前記スラリー6から前記溶剤を回収するための吸引装
置9とを備えた吸着成形装置10により前記スラリーを吸引する。
(3)前記吸着成形装置10の前記枠体吸入口7から前記濾過手段8との間には、例えば、スラリー6に含まれる無機繊維を一方向に配向させるための仕切りを設けることができる(図示せず。)。この仕切りは各区画の一辺が他辺に比べて十分に長く設けられているため、吸引成形装置10の内部においてこの長い辺の方向に沿って無機繊維11が順次前記濾過部材8側から堆積する。
なお説明の便宜上、図4においては無機繊維の長さは実際よりも長く描かれている。
前記仕切りは吸引操作終了後、もしくは吸引操作を行いながら前記枠体吸引口7から抜
き取ることにより、前記吸着成形装置10の内部には前記無機繊維が一定方向に略配向し
た濾過物が形成される。
(4)吸引後、得られた濾過物に含まれる溶剤を吸引、圧縮、遠心、加熱、送風等の手段
により除去する。
以上の工程により、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を得ることができる。
前記濾過部材としては、例えば、濾紙、濾布、フィルター、金属メッシュ等を有するも
の等を挙げることができる。
前記濾過部材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
なお前記溶剤は、前記熱膨張性無機質材料の各種成分を溶解しないものが好ましく、例
えば、水、メタノール等を挙げることができる。これらの中でも取り扱い性の面から、前
記溶剤は水であることが好ましい。
この吸着成形法により得られた前記熱膨張性無機材料を適宜裁断する等の工程により、
本発明に使用する熱膨張性無機材料を含有するテープ状成形体を得ることができる。
前記枠体吸入口の形状を適宜選択することにより、所望の形状の前記熱膨張性無機材料
を含有するテープ状成形体を得ることもできる。
上記の操作により前記スラリーを吸引する際に、吸引方向に無機繊維の配向方向を揃え
ることができ、前記熱膨張性無機材料中に含まれる無機繊維を、前記テープ状成形体の表
面に対する法線方向に略配向させることができる。
前記無機繊維が前記テープ状成形体の表面に対する法線方向に略配向することにより、
本発明に使用する前記テープ状成形体は、前記前記テープ状成形体の厚み方向に比べて、
前記テープ状成形体の表面方向に大きく膨張する。
これにより、前記長尺体の一部に本発明に使用する前記テープ状成形体により巻き付け
られていない部分があったとしても、これらの巻き付けられていない箇所を火災等の熱に
基づく膨張により閉塞させることができる。
また、前記有機溶剤との混合物を成形する方法の具体例としては、例えば、有機質バイ
ンダーが溶解する有機溶剤に、無機繊維、熱膨張性無機物、焼結性無機質材および有機質
バインダーを混合してパテ状混合物を作製し、成形機にて各種形状に成形した後、有機溶
剤を除去する方法が挙げられる。
この方法によっても本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を得ることができ、前記熱
膨張性無機材料を適宜裁断する等の工程により、前記テープ状成形体を得ることができる。
本発明に使用するテープ状成形体の厚みは、0.3〜6mmの範囲であることが好まし
い。
前記厚みが0.3mm未満になると必要な巻き付け厚みを得るのに何回も巻き付ける必
要があり、6mmを超えると所定の厚みに巻き付けることが難しくなる。
また前記テープ状成形体の巻き付け厚みは、先に説明した防火区画貫通部に挿通される
長尺体の外径の0.5〜20%の範囲であることが好ましい。
前記巻き付け厚みが長尺体の外径の0.5%未満になると火災時に十分な膨張断熱層が
形成されず、20%を超えると貫通部の開口面積を大きくしなければならなくなる。
前記テープ状成形体の幅は、前記仕切り部の厚みの25〜150%が好ましい。
厚みの25%未満になると火災時に十分な膨張断熱層が形成されず、150%を超える
と貫通部の際で配管を曲げることができなくなり、配管設計の自由度が小さくなる。
以下、実施例により本発明の実施態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
・参考例1〜3
表1に示した配合比のセラミック繊維(新日化サーマルセラミックス社製「SCバルク
」)、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、ガラス繊維(旭ファイバーグラ
ス社製「グラスロンチョップドストランド」、Eガラス長繊維、繊維径:約10μm、繊
維長:約3mm)、ガラスウール(旭ファイバーグラス社製「グラスロンウール」、繊維
径:約4〜7μm)、アクリル樹脂系ラテックス(日本ゼオン社製「LX874」)の水
分散液を調整し、抄造法にて表1に記載のかさ密度、厚みのシート材料を作製した。
作製した熱膨張性無機質材料について、下記の性能評価を行った。参考例2および3に
ついても、表1に示した配合比にて実施例1の場合と同様に実施した。結果を表1にまと
めた。
[膨張倍率・破断点応力の測定]
参考例1〜3により得られたサンプルを用いて、電気炉にて1000℃の温度にて一時
間加熱し、膨張倍率を加熱後の厚みの、加熱前の厚みに対する比(加熱後の厚み/加熱前
の厚み)としてそれぞれ算出した。
また加熱膨張後の本発明の熱膨張性無機質材料の形状保持性の指標として、加熱後のサ
ンプルを圧縮試験機(カトーテック社製「フィンガーフィーリングテスター」)を用いて、0.25cmの圧子で0.1cm/sの圧縮速度にて破断点応力を測定した。
結果を表1に示す。
なお、前記サンプルの破断点応力が、0.05kgf/cm以上であると、垂直に保
持させた状態において耐火試験を行ったとしても、加熱膨張後の本発明の熱膨張性無機質
材料の形状が崩れることなく耐火性能を十分に発揮することができる。
Figure 2008031799
・参考例4〜5
熱膨張性材料の作製
セラミック繊維(新日化サーマルセラミックス社製「SCバルク」)、熱膨張性黒鉛(
東ソー社製「GREP−EG」)、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製「グラスロンチ
ョップドストランド」、Eガラス長繊維、繊維径:約10μm、繊維長:約3mm)、ガ
ラスウール(旭ファイバーグラス社製「グラスロンウール」、繊維径:約4〜7μm)、
アクリル樹脂系ラテックス(日本ゼオン社製「LX874」)を、表2に示した配合比に
て水に分散させスラリーを調製した。幅300mm×長さ450mm×厚み30mmの金
型を用い、抄造法にて厚み方向から吸引(吸着成形法)して、無機繊維が略一定方向に配向
した所定のかさ密度のテープ状成形体を作製した後、無機繊維の配向方法と垂直方向にス
ライスして、所定厚みのテープ状成形体を得た。
[得られたサンプルの評価]
作製したテープ状成形体について、体積膨張倍率の評価を行った。
50mm角の上記テープ状成形体を電気炉にて1000℃の温度にて一時間加熱し、幅
・長さ・厚みを測定して、体積膨張倍率を加熱後の体積の、加熱前の体積に対する比(加
熱後の体積/加熱前の体積)として算出した。
加熱後のサンプルは、主として繊維方向と平行になる方向に優先的に膨張するが、繊維
方向、すなわち厚み方向にも膨張が見られた。
Figure 2008031799
参考例1により作製した熱膨張性無機材料を裁断して2mm厚のテープ状成形体を作製
する。テープ状成形体の幅は160mmとする。
上記テープ状成形体を外径140mm(参照符号1)の硬質塩化ビニル管の外面に1周
分巻き付けて(巻き付け厚2mm)接着剤により固定し、試験体を作製する。このテープ
状成形体は厚みが薄いため、カッターやはさみ等で簡単に切断可能である。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=150mm)
に開けた床用丸型防火区画貫通部5(図2において、貫通孔の直径D=175mm)に、
テープ状成形体2の巻き付け部分がスラブ3面から床上方向へ10mm出るように挿通さ
せた後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定す
ることにより本発明の防火区画貫通部構造を得ることができる。
この防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
参考例2により作製した熱膨張性無機材料を裁断して0.5mm厚、60mm幅のテー
プ状成形体を作製する。
前記テープ状成形体を外径42mm(参照符号1b)のポリエチレン鞘管(波形管)〔
内管:外径27mm(参照符号1b)の架橋ポリエチレン管〕の外面に1周分巻き付けて
(巻き付け厚0.5mm)粘着テープにより固定し、試験体を作製する。
同様に作製した試験体を7本準備する。
これらの試験体7本を、図5に示したように、厚さ100mmのスラブに開けた壁用角
型貫通孔5(300×75mm)に挿通させた後、テープ状成形体2の巻き付け部分が加
熱面から10mm出るように、また、ポリエチレン鞘管1b同士の間隔が10mmとなる
ように配置し、試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定することにより本
発明の防火区画貫通部構造を得ることができる。
この防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
実施例2と同様のテープ状成形体を用い、外径42mm(参照符号1)のポリエチレン
鞘管〔内管:外径27mmの架橋ポリエチレン管(図示せず)〕の外面に1周分巻き付け
て(巻き付け厚0.5mm)粘着テープで固定し、試験体を作製した。この試験体を、図
2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=150mm)に開けた床用丸型貫
通孔5(図2において、貫通孔の直径D=200mm)に、テープ状成形体の巻き付け部
分がスラブ3面から床上方向へ10mm出るように挿通させた後、図3に示したように、
試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定することにより本発明の防火区画
貫通部構造を得ることができる。
この防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
参考例3により作製した熱膨張性無機材料に粘着層を積層して裁断し、1.5mm厚、
80mm幅のテープ状成形体を作製する。
前記テープ状成形体を外径114mmの架橋ポリエチレン管の外面に2周分巻き付けて
(巻き付け厚3mm)、試験体を作製する。このテープ状成形体は自己粘着性を有するた
め、巻き付け作業を容易に行うことができる。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=100mm)
に開けた貫通孔5(図2において、貫通孔の直径D=150mm)に、テープ状成形体の
巻き付け部分がスラブ3の中央にくるように挿通させた後、図3に示したように、試験体
とスラブ3との間隙にロックウール4を充填して固定することにより本発明の防火区画貫
通部構造を得ることができる。
この防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
実施例2と同様のテープ状成形体を外径42mm(参照符号1)のポリエチレン鞘管の
外面に1周分巻き付けて粘着テープで固定した後(巻き付け厚いずれも0.5mm)、種
類の異なる7種の内管を挿入して7種類の試験体を作製する。尚、内管として、外径34
mm(参照符号1)のポリエチレン管、外径34mm(参照符号1)の架橋ポリエチレン
管、外径34mm(参照符号1)のポリブテン管、外径34.6mm(参照符号1)の被
覆ステンレスフレキ管、外径32.2mm(銅管外径22.2mm、保温材厚5mm)の
被覆銅管、外径32.3mm(参照符号1)の金属強化架橋ポリエチレン管、及び、外径
28mm(CV600V 38mm×4C)のケーブルをそれぞれ使用する。
これらの試験体を、図6に示したように、厚さ100mmのスラブ3に開けた壁用角型
貫通孔5(538×76mm)にそれぞれ挿通させた後、テープ状成形体2の巻き付け部
分が加熱面から10mm出るように、また試験体同士の間隔が10mmとなるように配置
し、試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定することにより本発明の防火
区画貫通部構造を得ることができる。
この防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
実施例1の場合において、前記テープ状成形体を使用せず、かつモルタル4に替えて、
表1および表2に示した配合により作製したブロック状の熱膨張性無機材料を試験体とス
ラブ3との間隙に充填した他は実施例1の場合と全く同様の操作を行うことにより本発明
の防火区画貫通部構造を得ることができる。
これらの防火区画貫通部構造は優れた耐火性を有する。
樹脂配管にテープ状成形体を巻き付けた状態を示す模式斜視図である。 テープ状成形体を巻き付けた樹脂配管を防火区画貫通部に挿通した状態を示す模式斜視図である。 防火区画貫通部に挿通した樹脂配管の周囲にモルタルを充填した状態を示す模式断面図である。 吸着成形法による熱膨張性無機材料を製造するための装置の概略を示す模式要部断面図である。 実施例2及び8の試験体をスラブに固定した状態を示す模式斜視図である。 実施例10の試験体をスラブに固定した状態を示す模式斜視図である。
符号の説明
1 樹脂配管、ケーブル又は断熱被覆管
1a 内管
1b ポリエチレン鞘管
2 テープ状成形体
3 防火区画(スラブ)
4 モルタル、不燃材料又はパテ
5 防火区画貫通部
6 スラリー
7 枠体吸入口
8 濾過部材
9 吸引装置
10 吸着成形装置
11 無機繊維
12 配管
13 スラリー槽
D 貫通孔の直径
t 防火区画貫通部の厚み

Claims (4)

  1. 建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する長尺体が挿通される防火区画貫通部
    の施工方法であって、
    無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜2
    5重量%および有機質バインダー5〜15重量%を含み、かつ前記無機質バインダーは、
    融点が650〜1000℃の範囲である焼結性無機質材からなる熱膨張性無機材料を含有
    するテープ状成形体を、前記長尺体のうち前記防火区画を貫通する部分の一部または全部
    に巻き付けた後、
    前記熱膨張性無機材料、モルタル、不燃材料およびパテからなる群より選ばれる少なく
    とも一つにより、前記防火区画貫通部と前記長尺体との間隙を埋め戻すことを特徴とする
    防火区画貫通部の施工方法。
  2. 建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する長尺体が挿通される防火区画貫通部
    の施工方法であって、
    無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜2
    5重量%および有機質バインダー5〜15重量%を含み、かつ前記無機質バインダーは、
    融点が650〜1000℃の範囲である焼結性無機質材からなる熱膨張性無機材料により
    、前記防火区画貫通部と前記長尺体との間隙を埋め戻すことを特徴とする防火区画貫通部
    の施工方法。
  3. 前記熱膨張性無機材料に含まれる無機質バインダーは、二酸化ケイ素50〜60重量%
    、酸化アルミニウム10〜20重量%、酸化カルシウム10〜20重量%、酸化マグネシ
    ウム1〜10重量%および酸化ホウ素8〜13重量%を含有する焼結性無機質材からなる
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の防火区画貫通部の施工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の施工方法により施工されてなる防火区画貫通部構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264577A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Cci Corp 防音排水管
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WO2017217472A1 (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 積水化学工業株式会社 建築物に区画貫通孔を形成するためのスリーブ
JP2021004315A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 デンカ株式会社 熱膨張性パテ組成物及び目地材

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