JP2008029920A - 液体吐出ノズル及び液体吐出ノズルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出ノズルの内外径寸法が微小でかつ一定のノズル長を有する液体塗布装置用の液体吐出ノズルを提供する。また、内外径寸法が微小な液体吐出ノズルを寸法のばらつきが小さく、低コストで製造できる方法を提供する。
【解決手段】液体流入口と液体吐出口とを連通する通路を具える液体吐出ノズルであって、ガラス製中空管からなる母材が、所定の外径になるまで加熱延伸された後、所定の長さに切断され、液体流入口内面がテーパー状に加工されている液体吐出ノズルである。
【選択図】図1

Description

本発明の液体吐出ノズルは、電子部品、家電製品などの分野の生産工程に用いられる液体塗布装置において、接着剤、クリームハンダ、蛍光体、グリース、塗料、ホットメルトなどの各種液体を定量に吐出する吐出部に用いられる液体吐出ノズルに関するものである。
液体塗布装置は、従来から様々な分野で用いられており、例えば液体が貯留されたシリンジと液体吐出ノズルとが連通するように配設され、コントローラにより制御された空圧をシリンジに保持されている液体に加圧作用して、液体吐出ノズルより所定量の液体を吐出する装置が知られている。
これらの液体塗布装置に用いられる液体吐出ノズルの一般的な形態は、シリンジ等から液体を液体吐出ノズルに流入する液体流入口と、液体を被塗布物に対して吐出する液体吐出口と、液体流入口と液体吐出口とを連通する通路とを具えており、液体吐出ノズルの液体流入口側をノズルホルダーやシリンジ等に接着固定して用いられるものである。
液体吐出ノズルは、セラミックや金属や樹脂などの材料が従来より用いられている。ノズルの加工方法としては、セラミック製ノズルの場合、例えば、セラミック原料を射出成形もしくはプレス成形して成形体を得て、その成形体を焼成した後、パルスレーザを照射して細孔を形成する方法がある(特許文献1)。
また、金属製ノズルの場合、例えば、放電加工にて先端を形成した焼結ダイヤモンドもしくは超硬合金等からなる工具材料を用いて、高精度なテーパ形状ノズル穴を切削加工する方法がある(特許文献2)。
特開2003−181326号公報 特開2001−54808号公報
近年の電子機器の小型化や電子部品の高密度実装化の流れにともない、極微小量の液体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請される様になっている。そのため、空圧等を高精度に制御するコントローラとともに、液体塗布装置の吐出部である液体吐出ノズルは、液体吐出口の端面の外径が細く、かつ液体吐出口の端面の内径が細いことが求められている。
液体塗布装置の液体吐出ノズルは、液体吐出口の端面の外径が塗布幅に大きく影響する。そのため、電子回路基板への液体塗布のような微細な塗布幅を求められる用途においては、液体吐出口の端面の外径をできる限り細くすることが求められている。また、被塗布物の塗布箇所が配線パターン等で入り組んでいる場合、それらとの干渉を考慮するため、一定のノズル長が必要とされる。また、ノズル製作時の取り扱いを考慮すると、数mmのノズル長がないと取り扱いが非常に難しくなる。
しかし、上記の特許文献に記載されたノズルでは、これらの要求を満足することは難しいと考えられる。
切削等の機械加工にて貫通孔を形成する場合、貫通孔を形成した基板から、数百μm以下の外径の細いノズルを切り出す等して得ることは非常に難しい。また、外径の細い柱状のノズル材料に対して、機械加工により貫通孔を形成することも考えられるが、機械加工にて加工可能な貫通孔の深さの上限及び孔径の下限は数十μmであり、孔径数μmの貫通孔を数mm程度の深さまで形成することは、実質不可能である。
また、機械加工及びレーザ加工に共通の問題として、1本毎の孔加工であるため製造に時間を要すること、及びこれに伴い製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、液体吐出ノズルの内外径寸法が微小でかつ一定のノズル長を有する液体塗布装置用の液体吐出ノズルを提供することを目的とする。また、内外径寸法が微小な液体吐出ノズルを寸法のばらつきが小さく、低コストで製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、液体流入口と液体吐出口とを連通する通路を具える液体吐出ノズルであって、ガラス製中空管からなる母材が、所定の外径になるまで加熱延伸された後、所定の長さに切断され、液体流入口内面がテーパー状に加工されていることを特徴とする液体吐出ノズルである。
これにより、ガラス製中空管が加熱延伸されているため、液体吐出ノズルの内外径寸法が微小である。また、ノズル内外面が平滑であり、クラック等の欠陥がほとんど存在しないため、機械強度が高い。また、加熱延伸された後、所望の長さで切断されるため、任意のノズル長が得られ取り扱いが容易である。また、液体流入口内面がテーパー状に加工されているため、液体吐出時の圧力を低く抑えることができる。
また、前記液体吐出ノズルは、液体流入口側の端面外周縁がR面取り加工されている。
これにより、液体吐出ノズルをシリンジ等のノズル保持部材と接合する際、円滑な挿入が可能となり、組み立て時の破損等を防ぐことができる。
また、前記液体吐出ノズルは、外径が10〜200μm、かつ内径が1〜60μmとなるようにガラス製中空管が加熱延伸されている。
これにより、微小な吐出が可能な液体吐出ノズルを得ることができる。液体吐出ノズルは、この外径寸法により、微小な塗布幅の液体吐出が可能である。またこの内径寸法により、微小な塗布量の液体吐出が可能である。
また、前記液体吐出ノズルは、液体吐出口側の端面が鏡面研磨加工されている。
これにより、液体吐出口側の端面での液体の切れ(液離れ)が良く、液体の塗布量が安定し、高精度の塗布量管理が可能となる。また、液体吐出ノズルを洗浄する際、簡単な洗浄で液体を洗い落とすことが可能であり、液体吐出口側の端面の洗浄残りがない。
本発明は、液体流入口と液体吐出口とを連通する通路を具える液体吐出ノズルの製造方法であって、ガラス製中空管からなる母材を所定の外径になるまで加熱延伸した後、加熱延伸されたガラス細管の外面を耐侵食性被覆材で覆った状態で複数本を束ね、束ねたガラス細管を所定の寸法に切断した後、液体流入口内面をエッチングによりテーパー状に加工することを特徴とする液体吐出ノズルの製造方法である。
これにより、ガラス製中空管を加熱延伸するため、1度の加工で母材から大量のガラス細管を得ることができ、寸法のばらつきが小さく、低コストで製造が可能となる。また、液体吐出ノズルの内外径寸法が微小である。また、ノズル内外面が平滑であり、クラック等の欠陥がほとんど存在しないため、機械強度が高い。また、加熱延伸した後、所望の長さで切断するため、任意のノズル長が得られる。また、液体流入口内面をエッチングによりテーパー状に加工するため、液体流入口内面の平滑性が非常に高く、液体を液体流入口と液体吐出口とを連通する通路に円滑に導くことが可能で、液体の目詰まりを起こしにくい液体吐出ノズルとすることが可能である。
また、前記液体吐出ノズルの製造方法は、液体流入口内面をエッチングによりテーパー状に加工する際、同時に液体流入口側の端面外周縁をR面取り加工することを有するものである。
これにより、液体吐出口内面のテーパー加工と液体流入口側端面外周縁のR面取り加工とを1工程で行うことができ、低コストで製造が可能となる。
前記液体吐出ノズルの製造方法は、加熱延伸されたガラス細管の外面を耐侵食性被覆材で覆い複数本を束ねた状態で液体吐出口側の端面を鏡面研磨加工することを有するものである。
これにより、液体吐出口側の端面での液体の切れ(液離れ)が良く、液体の塗布量が安定した液体吐出ノズルを製造することが可能である。また、複数本をまとめて加工することができる。
本発明の液体吐出ノズル及び液体吐出ノズルの製造方法によれば、従来のノズル材料では実現が難しかった微小な液体吐出が可能な液体吐出ノズルを、寸法のばらつきが小さく、低コストで製造することができる。
本発明の液体吐出ノズルが用いられる液体塗布装置について説明する。図5は、本発明の液体吐出ノズルが用いられる液体塗布装置の概略構成図である。液体塗布装置20の主な構成は、液体吐出ノズル1、シリンジ21、コントローラ22、エアー源23からなり、それぞれが空圧ホース24で接続されている。
シリンジ21は、シリンジ内部に挿入されたピストン29により、液体貯留空間26と加圧空間25とに区画されている。シリンジ先端の保持部28に液体吐出ノズル1が保持され、この保持部28を通じて、液体吐出ノズル1と液体貯留空間26とは連通している。シリンジ21の加圧空間25はコントローラ22と空圧ホース24で接続されており、コントローラ22からの空気圧が加圧空間25に供給されると、ピストン29が押圧され、この押圧力が液体貯留空間26に作用することにより、液体吐出ノズル1から液体が吐出される構成となっている。尚、液体吐出ノズル1をシリンジ21に保持する場合は、液体吐出ノズル1を保持する保持部材を別途用いて、その保持部材をシリンジ1の保持部28に固定するようにしても良い。
コントローラ22は、液体吐出ノズル1と被塗布物27との位置情報や規定された塗布量等に基づき制御された空圧を空圧ホース24を通じてシリンジ21の加圧空間25に供給する。また、エアー源23はコントローラ22と空圧ホース24で接続しており、エアー源23からは一定の空気圧がコントローラ22に供給される。
図5には記載していないが、液体タンクを別途設けてシリンジ21の液体貯留空間25に供給するようにしてもよい。この場合、液体タンクはコントローラ22と空圧ホース24で接続し、コントローラ22からの空気圧により、液体タンクから液送配管を通じて液体をシリンジ21の液体貯留空間26に供給する。
尚、本発明の液体吐出ノズルは上記の液体塗布装置に限らず、所定量の液体を微小吐出する液体塗布装置のノズルとして好適に用いることができる。
次に本発明の液体吐出ノズルについて説明する。図1は本発明の液体吐出ノズルの断面図である。液体吐出ノズル1は、液体流入口2、液体吐出口3、液体流入口2と液体吐出口3とを連通する通路4を有し、ガラス製中空管を加熱延伸された後、所定の長さに切断され、液体流入口内面7がテーパー状に加工されているものである。
液体吐出ノズル1の内外径寸法は、外径が10〜200μm、内径が1〜60μmであることが好ましい。液体吐出ノズル1の外径を10〜200μmに限定する理由は、外径が10μmより小さいと機械強度が低く製造時の取り扱いが困難であり、外径が200μmより大きいと液体吐出時に微小な塗布幅が得られないからである。また、液体吐出ノズル1の内径を1〜60μmに限定する理由は、内径が1μmより小さいと所望の内径の液体吐出ノズル1を得ることが困難であり、内径が60μmより大きいと液体吐出時に微小な塗布量が得られないからである。また、液体吐出ノズル1の内外径比(内径/外径)は、0.005〜0.6であることが好ましい。液体吐出ノズル1の内外径比を前述の範囲にすることが好ましい理由は、内外径比が0.005未満のものは、肉厚が厚いため、吐出時の塗布量と塗布幅のバランスが悪く、液体吐出ノズルとしては不適である。また、0.6を越えるものは、肉厚が薄いため、製造が困難なうえ、取り扱いにくいからである。
液体吐出ノズル1の全長寸法は、液体吐出ノズル1の固定方法や液体塗布装置20の仕様により適宜設定されるものであるが、固定の取り付け代を考慮すると、1mm以上であることが好ましい。
液体吐出ノズル1の液体流入口内面7は、液体吐出ノズル1の通路内部から液体流入口側の端面5に向けてテーパー状に漸次拡径するものである。液体流入口内面7のテーパー形状は、液体流入口内面7の開口縁と液体流入口側の端面5とが連続的な曲面を形成するような形状であることが好ましい。
液体吐出ノズル1の液体流入口側の端面外周縁8は、R面取り加工されていることが好ましい。尚、液体流入口側の端面外周縁8とは、図2の液体吐出ノズルの別の実施形態の断面図に示すとおり、液体吐出ノズル1の外面と液体流入口側の端面5とのコーナー部をいう。液体吐出ノズル1は、直接もしくは保持部材を用いてシリンジに取り付けられるものである。取り付け方法は、適宜の方法を用いることが可能であるが、例えば保持部材の液体吐出ノズルの外径よりわずかに大きい取り付け穴に対して、液体吐出ノズル1を液体流入口側より挿入し、接着剤を用いて接着固定する方法がある。この際、液体流入口側の端面外周縁8がR面取り加工されていることにより、取り付け穴への挿入を円滑に行うことが可能となる。また、挿入時の液体流入口側の端面外周縁8の欠けを防止し、液体への異物混入を防ぐことができる。
液体吐出ノズル1の液体吐出口側の端面6は、鏡面研磨加工されていることが好ましい。液体吐出口側の端面6が鏡面状であると、端面における液体の濡れ性が悪く、ノズル側面への回り込みなどが起こらない。そのため、液体塗布時の塗布量が安定し、高精度の塗布が可能となる。
液体吐出ノズル1のガラス組成は、特に限定されるものではない。本発明の液体吐出ノズルは、加熱延伸することにより所望の外径を得るので、加熱延伸による寸法のばらつきが少なくなるよう、加熱延伸を行う温度域におけるガラス粘度の温度依存性が小さいガラスや失透しにくいガラスを用いることが好ましい。ガラス組成としては、例えばソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス等を用いることが可能である。また、透光性のガラスを用いることにより、塗布時のノズル内のエアー噛み込みや洗浄時の状態を、肉眼もしくは拡大鏡など用いて視認することができる。
次に本発明の液体吐出ノズルの製造方法について説明する。図3は本発明の液体吐出ノズル1の製造方法の一実施形態を示す流れ図である。
以下、母材(ガラス製中空管)から液体吐出ノズルに至る製造工程の流れを、図3に従って簡単に説明する。まず、ガラス製中空管よりなる母材を加熱延伸し、所定の外径のガラス細管を得る(加熱延伸)。このガラス細管を固定用中空管に複数本挿入し耐侵食性被覆材を充填して固定する(固定用中空管内に固定)。そして、この固定用中空管を適宜の長さに切断する(固定用中空管を切断)。切断された固定用中空管の液体流入口側の端面をエッチング液に浸漬し、固定用中空管に保持された複数のガラス細管の液体流入口内面をテーパー状に加工する(液体流入口内面をテーパー加工)。次に固定用中空管の液体吐出口側の端面を研磨機を用いて鏡面研磨加工する(液体吐出口を研磨加工)。そして、固定用中空管よりガラス細管を取り出す(固定用中空管から取り出し)。取り出されたガラス細管を洗浄・検査して、液体吐出ノズルを得る。
母材となるガラス製中空管は、適宜の方法で製造されたものを用いることができる。例えば、ダンナー法やダウンドロー法等により成形することが可能である。尚、次工程である加熱延伸工程により、所定の外径のガラス細管を得るが、加熱延伸工程では加工前の母材の外径と内径との比と加工後のガラス細管の外径と内径との比は変化せず、加工前後でほぼ相似する外観形状を呈する。したがって、母材となるガラス製中空管の内外径寸法は、液体吐出ノズルの外径と内径との比に近い外径と内径との比であることが好ましい。
加熱延伸工程は、母材を加熱延伸することで細径の中空管を得る工程である。図4に示す加熱延伸装置により説明する。まず、母材11を加熱炉18の中に入れ、母材11の上端を支持部12にセットして、炉内温度を所定の温度に制御する。ヒーター13で加熱することで軟化し、自重落下により伸長した母材11の下端を引き出しローラ15にセットする。そして引き出しローラ15を駆動することにより、母材11が延伸されてガラス細管17となる。この際、延伸部分の外径が所定の外径となるように、レーザー寸法測定器14によって外径を検出しながら、引き出しローラ15の駆動速度及び炉内温度等を制御するため、得られるガラス細管17の内外径の寸法のばらつきが非常に小さい。引き出されたガラス細管は、引き出しローラ15の下に配置されたカッター16で所望の長さに切断されるため、任意の全長のガラス細管17が得られる。また、加熱延伸することで内外表面の表面粗さが小さく(中心線平均粗さRa:5nm以下)なるため、液体流入口と液体吐出口とを連通する通路の液体の移動が円滑であり、通路内における液体の目詰まりが起こりにくい。
本発明の液体吐出ノズルの製造方法における加熱延伸工程は、2回に分けて行うことが好ましい。理由は、加熱延伸工程後のガラス細管の外径が非常に小さく、母材からガラス細管への縮尺比が大きいためである。1回の加熱延伸工程で所望の外径を得ようとすると、仕掛かり時間(所望の外径までの到達時間)が長くなったり、工程中にガラス細管が断管した場合の復旧に時間を要するからである。一例として、母材の外径に対して1000分の1の外径のガラス細管を得る場合は、1回目の加熱延伸工程で、100分の1の外径のガラス中空管を得た後、2回目の加熱延伸工程で先に加熱延伸したガラス中空管を10分の1の外径になるよう加熱延伸することで、所望の外径のガラス細管を安定して製造することができる。
固定用中空管内に固定する工程は、加熱延伸工程で所定の外径となった複数本のガラス細管を、固定用中空管内に束ねた状態で挿入し、ガラス細管外面の隙間に耐侵食性被覆材を充填して固定する。尚、固定用中空管はどのような材質のものでも用いることができる。耐侵食性被覆材としては、後工程にてガラス細管を取り出す必要があることから、熱軟化性ワックスや紫外線硬化樹脂等を用いることが好ましい。
固定用中空管を切断する工程は、ガラス細管が収められた固定用中空管を内周刃スライサー等の切断装置を用いて、所望の長さに切断する。
液体流入口内面をテーパー加工する工程は、切断された固定用中空管の一方の端面(液体流入口側)をエッチング液に浸漬することで、液体流入口内面をテーパー状に加工する。エッチング条件は、硝材やテーパー形状を考慮して、エッチング液の種類や濃度、浸漬時間等を調整する。一例として、エッチング液はフッ酸溶液を用いる。得られる液体流入口内面はテーパー状で平滑性が高いため、液体を液体流入口と液体吐出口とを連通する通路に円滑に導くことが可能であり、液体吐出時の圧力を低く抑えることができる。
また、液体流入口内面をテーパー加工する工程では、同時に液体流入口側の端面外周縁をR面取り加工することが好ましい。これは、ガラス細管の外面を覆う耐侵食性被覆材を適宜のものを用いることで可能である。例えば、耐侵食性被覆材として熱軟化性ワックスを用いると、熱軟化性ワックスが軟化状態から冷却固化する際、体積収縮を生じ、ガラス細管と耐侵食性被覆材との間に微小な隙間が生じる。そのため、エッチング液に固定用中空管の端面を浸漬すると、この隙間にエッチング液が入り込むことにより、液体吐出口側の端面外周縁がR面取り加工される。
液体流入口側の端面外周縁がR面取り加工されていることにより、液体吐出ノズルをシリンジ等のノズル保持部材と接合する際、円滑な挿入が可能となり、組み立て時の破損等を防ぐことができる。また、液体吐出口内面のテーパー加工と同時に液体流入口側の端面外周縁をR面取り加工することで、これらの加工を1工程で行うことができ、低コストで製造が可能である。
液体吐出口を研磨加工する工程は、固定用中空管にガラス細管を充填固定したままの状態で、液体流入口内面をテーパー状に加工した液体流入口側の端面と反対の液体吐出口側の端面を片面研磨機にて鏡面研磨加工する。固定用中空管にガラス細管を充填固定したままの状態で液体吐出口を研磨加工するため、複数本のガラス細管をまとめて研磨加工でき、非常に加工効率が良い。また、ガラス細管の側面が固定されているため、ガラス細管を1本ずつ研磨加工する場合と比較して、ガラス細管が破損し難い。また、研磨面の角度等のバラツキも少なくすることができる。
液体吐出ノズルは、液体吐出口側の端面を鏡面研磨加工することで、液体吐出口の液体の濡れ性が下がり液離れが良くなり、液体の塗布量が安定する。また、液体吐出口の目詰まりを防止したり、液体吐出ノズルを簡単な洗浄で液体を洗い落とすことが可能である。
固定用中空管から取り出す工程は、固定用中空管内の耐侵食性被覆材を軟化もしくは粘着性を低下させる等して、加工したガラス細管を取り出す。そして、このガラス細管を洗浄・検査等行い、液体吐出ノズルが得られる。
(実施例)
実施例として、液体吐出ノズルを以下の方法で作成した。
母材として、外径:30mm(寸法ばらつき:±3mm)、内径:5mm、長さ:450mmのホウ珪酸ガラス製中空管を用意した。
このガラス製中空管を加熱延伸装置の加熱炉の中にセットし、炉内温度を850℃±1℃以下になるよう制御し、ガラス製中空管を加熱した。そして、軟化・自重落下により伸長したガラス製中空管の下端を手動で引き出し、引き出しローラにセットした。そして、供給速度(0.4mm/min)、引き出し速度(2600mm/min)で延伸した。この際、ガラス製中空管をあらかじめ加熱した加熱炉内の所定箇所に保持してから所定の外径となるまで約2時間程度を要した。そして、延伸したガラス細管を引き出しローラの下方に配置されたカッターで所定の長さに切断した。これにより、外径:300μm(寸法ばらつき:±7μm)、内径:50μm、長さ:200mmのガラス細管を得た。
次いで、上記の加熱延伸加工にて得られたガラス細管を用いて、2回目の加熱延伸加工を行った。2回目の加熱延伸加工も同様の加熱延伸装置を用い、炉内温度を700℃±3℃以下になるよう制御し、引き出し速度(500mm/min)で延伸した。この際、ガラス細管をあらかじめ加熱した加熱炉内の所定箇所に保持してから所定の外径となるまで約3分程度を要した。そして、延伸したガラス細管を引き出しローラの下方に配置されたカッターで所定の長さに切断した。これにより、外径:30μm(寸法ばらつき:±5μm)、内径:5μm、内外径比:0.17、長さ:100mmのガラス細管を得た。
次いで、2回目の加熱延伸加工にて得られたガラス細管を、固定用中空管(ガラス製、外径:10mm、内径:8mm)に束ねた状態で収めた。そして、固定用中空管の内面とガラス細管外面及びガラス細管外面どうしの隙間に熱軟化性ワックス(アルコ・シフト・ベースワックス:日化精工製)を充填し、冷却することでガラス細管を固定した。そして、固定用中空管を内周刃スライサーを用いて、長さ30mmに切断した。
次いで、固定用中空管の一方の切断端面をエッチング液中に浸漬することで、テーパー加工を行った。エッチング条件は、フッ酸6.5%溶液に15分間浸漬した。この加工により、内径(液体流入口側の端面):13μm、長さ:200μmのテーパー状の開口部を得た。また、この加工により、液体流入口側の端面外周縁はR4μmのR面取りがされた。
次いで、固定用中空管にガラス細管を充填固定したままの状態で、テーパー状に加工した端面と反対の端面を片面研磨機にて鏡面研磨加工した。加工条件は、砥粒として1μmダイヤモンドスラリーを用い、0.1μm/minの加工速度にて行い、鏡面状の端面を得た。
固定用中空管を加熱して熱軟化性ワックスを軟化させ、ガラス細管を取り出した。そして、ガラス細管を洗浄・検査し、液体吐出ノズルを得た。得られた液体吐出ノズルは、外径:30μm、内径:5μm、長さ:30mmであった。
この液体吐出ノズルを液体塗布装置に接続したところ、破損もなく円滑な接続が可能であった。また、液体の塗布を行ったところ、微小な塗布幅及び塗布量が得られた。また、液体吐出ノズルの目詰まりは発生しなかった。
本発明によれば、従来のノズル材料や加工方法では困難だった微小な内外径寸法を有する液体吐出ノズルを得ることができる。この液体吐出ノズルを液体塗布装置に用いることにより、微小な塗布幅及び塗布量の塗布が可能となる。また、このような液体吐出ノズルを低コストで製造することができる。
本発明の液体吐出ノズルの断面図である。 本発明の液体吐出ノズルの別の実施形態の断面図である。 液体吐出ノズルの製造方法の一実施形態を示す流れ図である。 加熱延伸装置の概略図である。 液体吐出ノズルが用いられる液体塗布装置の構成図である。
符号の説明
1…液体吐出ノズル、2…液体流入口、3…液体吐出口、4…通路、5…液体流入口側の端面、6…液体吐出口側の端面、7…液体流入口内面、8…液体流入口側の端面外周縁、10…加熱延伸装置、11…母材、12…支持部、13…ヒーター、14…レーザー寸法測定器、15…引出しローラー、16…カッター、17…ガラス細管、18…加熱炉、20…液体塗布装置、21…シリンジ、22…コントローラ、23…エアー源、24…空圧ホース、25…加圧空間、26…液体貯留空間、27…被塗布物、28…保持部、29…ピストン。

Claims (7)

  1. 液体流入口と液体吐出口とを連通する通路を具える液体吐出ノズルであって、ガラス製中空管からなる母材が、所定の外径になるまで加熱延伸された後、所定の長さに切断され、液体流入口内面がテーパー状に加工されていることを特徴とする液体吐出ノズル。
  2. 前記液体吐出ノズルは、液体流入口側の端面外周縁がR面取り加工されていることを特徴とする請求項1の液体吐出ノズル。
  3. 前記液体吐出ノズルは、外径が10〜200μm、かつ内径が1〜60μmとなるように前記ガラス製中空管が加熱延伸されていることを特徴とする請求項1ないし2の液体吐出ノズル。
  4. 前記液体吐出ノズルは、液体吐出口側の端面が鏡面研磨加工されていることを特徴とする請求項1ないし3の液体吐出ノズル。
  5. 液体流入口と液体吐出口とを連通する通路を具える液体吐出ノズルの製造方法であって、ガラス製中空管からなる母材を所定の外径になるまで加熱延伸した後、加熱延伸されたガラス細管の外面を耐侵食性被覆材で覆った状態で複数本を束ね、束ねたガラス細管を所定の寸法に切断した後、液体流入口内面をエッチングによりテーパー状に加工することを特徴とする液体吐出ノズルの製造方法。
  6. 前記液体吐出ノズルの製造方法は、液体流入口内面をエッチングによりテーパー状に加工する際、同時に液体流入口側の端面外周縁をR面取り加工することを特徴とする請求項5の液体吐出ノズルの製造方法。
  7. 前記液体吐出ノズルの製造方法は、加熱延伸されたガラス細管の外面を耐侵食性被覆材で覆い複数本を束ねた状態で液体吐出口側の端面を鏡面研磨加工すること特徴とする請求項5ないし6の液体吐出ノズルの製造方法。
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