JP2008028137A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract


【課題】 等価直列抵抗が低く、耐熱特性の良い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 固体電解コンデンサの陰極層4を形成するカーボンペースト層9に繊維状カーボン10を使用することにより陰極層4の内部および陰極層4と固体電解質層3との密着性を上げて等価直列抵抗を低減する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関するものであり、特に、等価直列抵抗を低減した固体電解コンデンサに関する。
近年、電子機器の小型化、高速化、デジタル化および多機能化に伴って、コンデンサの分野においても小型大容量で、高周波領域でのインピーダンスが低いコンデンサが強く要求されている。
従来、100kHz〜数十MHzの高周波領域で使用されるコンデンサには、マイカコンデンサ、積層セラミックコンデンサがあるが、これらのコンデンサでは形状が大きくなり大容量化が難しい。一方、大容量のコンデンサとしては、アルミニウム電解コンデンサやタンタル固体電解コンデンサなどの電解コンデンサが存在する。しかし、これらの電解コンデンサは、用いられている電解質、即ち、アルミニウム電解コンデンサでは電解液、タンタル電解コンデンサでは二酸化マンガンの電気伝導度が低いことから、高周波領域でのインピーダンスが十分に低いコンデンサを得ることは困難である。
この課題を解決するための技術としては、特許文献1には、アルミニウムおよびタンタル固体電解コンデンサにおいて、電解質として電気伝導度の高いポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を用いた技術が開示されている。
導電性高分子を用いた固体電解コンデンサは、固体電解質の電気伝導度が高いため、高周波領域でのインピーダンスが低いという大きな特徴を持っている。その有用性を更に高め、さらに等価直列抵抗(以下、ESRと略す)を低減するために、固体電解質層と陰極層の界面抵抗および陰極層自体の抵抗を低減させるために様々な改良が加えられている。
ここで、従来の固体電解コンデンサにつき、図5を参照して詳細に説明する。図5より、固体電解コンデンサは、陽極側電極としての弁作用金属2に、表面を陽極酸化して誘電体酸化皮膜層1を形成し、さらに電解質として固体電解質層3を形成し、そして陰極層54を形成する。弁作用金属ワイヤー7と外部電極6を、陰極層54と接着層5を介してそれぞれ接続し、外装樹脂8を形成した構成となっていた。
弁作用金属2は、例えばタンタル微粉末の焼結体である。また、陰極層54は、カーボンペースト層59、銀ペースト層11から構成され、カーボンペースト層59は、粒状カーボン20で構成されていた。
固体電解質層として導電性高分子を用いる場合は、周知の化学重合法や電解重合法により薄膜状に形成される。従って、表面は比較的平滑になりやすいため、カーボンの粒子径が大きいとカーボンペースト層の表面における凹凸が多くなるので、固体電解質層との接触界面に隙間の割合が高くなり密着性が悪くなる。
したがって、一般に陰極層の抵抗成分として高い部位は、銀ペースト層とカーボンペースト層の接触界面の抵抗、カーボンペースト層自体の抵抗、カーボンペースト層と固体電解質層との接触界面の抵抗であるといわれている。
そこで、銀ペースト層とカーボンペースト層の接触界面の抵抗を下げるために、特許文献2には、固体電解コンデンサの陰極層を、カーボンペースト層上に平均粒径が0.05μm以下の金属粒子からなる金属層が積層された構造とした技術が開示されている。
特許文献3には、固体電解コンデンサの陰極層を、第1カーボンペースト層として粒径の小さいカーボン、第2カーボンペースト層として粒径の大きい燐片状のカーボン、第3カーボンペースト層として粒径の小さいカーボンを積層し、さらに銀ペースト層を積層した構造の技術が開示されている。
また、特許文献4には、固体電解コンデンサの陰極層を形成するカーボンペースト層に幅が1〜15μmの微細なクラックが入った構造の技術が開示されている。
さらに、特許文献5には、固体電解コンデンサの陰極層を形成するカーボンペースト層が2種類以上の異なる粒子径のカーボンを混合した技術が開示されている。異なる粒子径の粒状カーボンを混合させることで、粒子径の大きい粒状カーボンの隙間に、粒子径の小さいカーボンが入り込み、銀ペースト層とカーボンペースト層およびカーボンペースト層と固体電解質層との接触抵抗も下がり、かつ、カーボンペースト層自体の密度も上がるので抵抗を低減することができる。
特公平4−56445号公報 特開2004−304071号公報 特開2004−304063号公報 特開2004−87601号公報 特開2004−221224号公報
しかしながら、特許文献2では、銀ペースト層とカーボンペースト層の間の接触抵抗を低減させるために、銀ペースト層と接する面に金属層を設けた構造となっているが、カーボンペースト層と固体電解質層との接触抵抗は変わらず、またカーボンペースト層自体の抵抗も低減しないのであまり顕著な効果があるとは言えない。
特許文献3では、固体電解質層と接するカーボンペースト層に粒径の小さい粒状カーボンを一層入れた構造である。粒径が小さい粒状カーボンを敷き詰めているため固体電解質層の表面に対する接触部は増え抵抗は低減する。しかし、カーボン粒子は形状がそろっていない上に凹凸を有する構造であるため、カーボンペースト層の表面の凹凸部分の割合はあまり変わらない。従って、固体電解質層と接していない隙間の割合は高く抵抗を低減するために、それほど顕著な効果があるとは言えない。
また、特許文献2および特許文献3の構造は、接触部の抵抗を下げるためにカーボンペースト層が2層以上の層を積み重ねた構造になっている。このように層数が増える分、カーボンペースト層が厚くなるので陰極層も厚くなり固体電解コンデンサの製品形状は大きくなる。さらに、層数が増えるため工程も増え複雑になりコストアップになってしまう。
特許文献4の構造では、銀ペースト層との接触面積を上げるためにカーボンペースト層にクラックを形成している。しかし、粒状カーボンの粒子径を変えるだけでカーボンペースト層に均一な大きさのクラックを形成することは、形成時の雰囲気を正確にコントロールすることが必要で、かなり難しく、例えば、クラック内にバインダーの残渣が残り抵抗上昇の原因となることや、大きいクラックができてしまい、その部分が隙間となり抵抗が上昇してしまう等の問題が生じる可能性が高い。
そして、仮に均一なクラックが形成できたとしても、第1に、銀ペーストは樹脂分を含んでいるためクラック内部に銀ではなく樹脂が入り込んでしまい抵抗が上昇する。第2に、銀ペーストと接する面にだけ選択的にクラックが発生するわけではない。これらの問題から、クラック部分が空隙となりカーボンペースト層内部の密度を上げる事ができず抵抗も上昇し効果が小さいと言える。
特許文献5では、異なる粒子径ではあるが形状がそろっていない粒状カーボンを混合すると、均一に密度を上げるように充填してカーボンペースト層を形成することは難しく密度アップは容易ではない。また、構造として凹凸部を有する粒状カーボンを使用しているのでカーボンペースト層の表面の凹凸の大きさは小さくなる。しかし、凹凸部は必ずできるので、上下の層との接触界面における隙間の割合を減少させるには限界がある。そして、このカーボンペースト層の内部、および上下の層との接触界面の隙間から固体電解コンデンサの内部へ酸素が侵入しやすく、耐熱試験では熱による酸化劣化が起こりやすい等の問題が生じ、安定な特性および信頼性を得ることは困難である。
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、ESRを低減させ、かつ耐熱特性が良い固体電解コンデンサを提供することにある。
本発明は、前記課題の解決のため、固体電解コンデンサの構成を検討した結果なされたものである。
即ち、弁作用金属の焼結体に陽極酸化皮膜と固体電解質層を順次形成し、さらに導電性のカーボンペースト層と銀ペースト層からなる陰極層を積層してなる固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層のカーボン粒子の形状が繊維状であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記カーボンペースト層が、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブまたは、気相成長炭素材料からなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記カーボンペースト層が、2種類以上の形状の異なるカーボンの混合物であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記カーボンペースト層に真球状カーボンが含まれることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記カーボンペースト層に導電性高分子が含まれることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記のような構成とすることにより、本発明では、内部が緻密で表面の凹凸もほとんどないカーボンペースト層を形成することが可能となり、固体電解質層とカーボンペースト層および銀ペースト層とカーボンペースト層との接触部の隙間がなくなるので密着性が高まり接触抵抗を低減し、かつカーボンペースト層自体の抵抗を低減し、ESRを低減させることが可能となる。
これは、カーボンペースト層に使用している繊維状カーボンの構造に起因する。繊維状カーボンとは、3次元で部分的に繊維が絡み合う網目状構造を有しており、粒状カーボンとは異なり凹凸がない構造である。例えば、繊維状のカーボンのみを使用した場合は、相互の繊維状カーボン同士が重なり合って凝集するため、緻密で、かつ表面の凹凸がほとんどないカーボンペースト層を形成することができる。また、粒状のカーボンと繊維状カーボンを混合した場合は、繊維状カーボンの3次元の網目内部に粒状のカーボンが入り込み、また、粒状カーボン同士の隙間には繊維状カーボンが入り込むため、カーボンペースト層内部の隙間部分や表面の凹凸部分がほとんどなくなり、緻密で上下の層との密着性の良いカーボンペースト層を形成することが可能となる。これは、粒状カーボンの代わりに導電性高分子を使用した場合も同様のことが言える。そして、導電性高分子を使用した場合は、固体電解質層を形成している導電性高分子と同じ材料を含有することになるため、カーボンペースト層と固体電解質層の接触部の密着性をさらに向上させることができる。
そして、このようにカーボンペースト層自体の緻密性が向上し、かつ、カーボンペースト層の表面の凹凸がなくなることにより上下層との密着性が高まった結果、外部から内部への酸素の侵入を防止することが可能となり、熱による酸化劣化を防ぐことができるので耐熱性を向上することができる。
次に、本発明による固体電解コンデンサの実施の形態について具体的な例を挙げて説明する。
図1から図4は、本発明の実施の形態の固体電解コンデンサの断面図である。カーボンペースト層の構成以外は、図5の従来の固体電解コンデンサの構成と同様である。即ち、カーボンペースト層の構成以外は、材質等も公知のものが採用でき、製造方法についても特に制限はない。
図1は、本発明の第1の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図であり、カーボンペースト層9には、繊維状カーボン10を用いている。ここで、繊維状カーボンは、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブまたは気相成長炭素材料を用いても良い。
図2は、本発明の第2の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図であり、カーボンペースト層29は、繊維状カーボン10と粒状カーボン20を混合させている。ここで、体積比は繊維状カーボンと粒状カーボンの混合比が3対7が望ましい。繊維状カーボンの大きさは、混合させる粒状カーボンの大きさによって任意に選ぶことができる。粒状カーボンは、他の形状のカーボン(例えば、燐片状など)であっても同一の効果を得ることが出来る。
図3は、本発明の第3の実施の形態の固体電解コンデンサのを模式的に示す断面図であり、カーボンペースト層39は、繊維状カーボン10と真球状カーボン30を混合させている。ここで、体積比は繊維状カーボンと真球状カーボンの混合比は3対7が望ましい。
これらのカーボンペースト層に対して、2種類以上の形状の異なるカーボンを選んだ場合、配合比は任意に選ぶことも可能である。
図4は、本発明の第4の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図であり、カーボンペースト層49は、繊維状カーボン10と導電性高分子40を混合させている。ここで、体積比は繊維状カーボンと導電性高分子の混合比は7対3が望ましい。導電性高分子は、ポリピロール、チオフェンなど特定の材料に限定するものではないが、固体電解質層に使用したものと同じ材料を使用することが望ましい。
次に、具体的な実施例を挙げ、本発明の固体電解コンデンサについて、さらに詳しく説明する。
実施例1では、図1に示す構造の固体電解コンデンサを作製した。カーボンペースト層を構成する繊維状カーボン10として、カーボンナノファイバーを用いた。カーボンペースト層以外の構成部分については、従来の固体電解コンデンサと同様である。
図1に示すように、弁作用金属2は、縦3.5mm、横3.0mm、厚さ1.5mmのタンタル微粉末の焼結体を用いた。これに誘電体酸化皮膜層1を形成するために、リン酸水溶液中、80Vの電圧を印加して陽極酸化を施した。
次に、固体電解質層3を形成するために、誘電体酸化皮膜層1で被覆された弁作用金属2を酸化剤である20wt%のドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄メタノール溶液に10分間浸漬した。次いで、ピロールを50g/Lを混在させた溶液に10分間浸漬して室温で30分間保持してピロールの重合を行った。この酸化剤の充填、ピロールとの接触、重合を5回繰り返して、厚みが5〜10μm範囲の分布を持つ導電性ポリピロールからなる固体電解質層3を形成した。
その後、エタノールで洗浄し、乾燥後、直径約0.1μm、長手方向の長さが0.5μm以下の繊維状カーボン10およびバインダーを含有する分散液に10秒浸漬させた後、引き上げて加熱硬化することによってカーボンペースト層9を形成した。
そして、カーボンペースト層9の上に銀ペースト層11を塗布後、加熱硬化させることにより厚さ約10μmの陰極層4を形成した。接着層5を形成し、コンデンサ素子の陰極層外部電極6と接続した。
コンデンサ素子の陽極側は、予めタンタル焼結体から引き出された弁作用金属ワイヤー7を外部電極6に溶接した。さらに、外部をエポキシ樹脂で外装して外装樹脂8を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
実施例2では、図1に示す構造の固体電解コンデンサを実施例1と同様の方法で作製した。カーボンペースト層9を構成する繊維状カーボン10として、カーボンナノチューブを用いた。
まず、弁作用金属2に誘電体酸化皮膜層1および固体電解質層3を形成した。次いで、直径約0.01μm、長手方向の長さが0.1μm以下のカーボンナノチューブおよびバインダーを含有する分散液に10秒浸漬させた後、加熱乾燥させてカーボンペースト層9を形成した。そして、銀ペースト層11を塗布して陰極層4を形成し、外部電極6と接続し、外装樹脂8を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
実施例3では、図2に示す構造の固体電解コンデンサを実施例1と同様の方法で作製した。カーボンペースト層29は、繊維状カーボン10と粒状カーボン20を混合させて構成した。
まず、弁作用金属2に誘電体酸化皮膜層1および固体電解質層3を形成した。次いで、直径約0.1μm、長手方向の長さが0.5μm以下の繊維状カーボン10と平均粒子径が約0.1μm〜0.5μmの粒状カーボン20を混合した分散液に10秒間浸漬させた後、加熱乾燥させてカーボンペースト層29を形成した。ここで、分散液の体積比は、繊維状カーボンと粒状カーボンの混合比を3対7とした。そして、銀ペースト層11を塗布し陰極層24を形成し、外部電極6と接続し、外装樹脂8を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
実施例4では、図3に示す構造の固体電解コンデンサを実施例1と同様の方法で作製した。カーボンペースト層39は、繊維状カーボン10と真球状カーボン30を混合させて構成した。
まず、弁作用金属2に誘電体酸化皮膜層1および固体電解質層3を形成した。次いで、直径約0.1μm、長手方向の長さが0.5μm以下の繊維状カーボン10と平均粒子径が約0.1μm〜0.5μmの真球状のカーボン30を混合した分散液に10秒浸漬させた後、加熱乾燥させてカーボンペースト層39を形成した。ここで、分散液の体積比は、繊維状カーボンと真球状カーボンの混合比を3対7とした。そして、銀ペースト層11を塗布し陰極層34を形成し、外部電極6と接続し、外装樹脂8を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
実施例5では、図4に示す構造の固体電解コンデンサを実施例1と同様の方法で作製した。カーボンペースト層49は、繊維状カーボン10と導電性高分子40を混合させて構成した。
まず、弁作用金属2に誘電体酸化皮膜層1および固体電解質層3を形成した。次いで、直径約0.1μm、長手方向の長さが0.5μm以下の繊維状カーボン10とドデシルベンゼンスルホン酸をドーパントしたポリピロールを材料とする導電性高分子40を混合した分散液に10秒浸漬させた後、加熱乾燥させてカーボンペースト層49を形成した。ここで、分散液の体積比は、繊維状カーボンと導電性高分子の混合比を7対3とした。そして、銀ペースト層11を塗布し陰極層44を形成し、外部電極6と接続し外装樹脂8を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例)
比較例として、図5に示す構造の固体電解コンデンサを実施例1と同様の方法で作製した。カーボンペースト層59は、粒状カーボン20を用いた。
まず、弁作用金属2に誘電体酸化皮膜層1および固体電解質層3を形成した。次に、平均粒子径が約0.1μm〜0.5μmの粒状カーボン20およびバインダーを含有する分散液に10秒浸漬させた後、引き上げて加熱硬化することによってカーボンペースト層59を形成した。そして、銀ペースト層11を塗布し陰極層54を形成した。更に、外部電極6を接続し、外装樹脂8を形成して、比較例の固体電解コンデンサを作製した。
以下に、それぞれの固体電解コンデンサに対して、ESR特性および高温負荷試験を実施した試験前後でのESR特性を測定した結果について述べる。
試験は相対湿度5%RH以下、温度105℃の環境下で一定の電圧を2000時間印加した。
また、ESR特性は、比較例の固体電解コンデンサの値を1とし、その値に対する倍率で表した。そして、試験後のESRは、試験前のESRの値に対する倍率で表した。ESRは、周波数100kHzの試験信号周波数におけるインピーダンスを測定した。なお、サンプル数は各水準20個ずつとし、その平均を算出した。実施例1〜実施例4および比較例のそれぞれの固体電解コンデンサに対して、ESR特性を測定した結果を下記の表1にまとめた。
Figure 2008028137
表1より、比較例と実施例1〜実施例5のそれぞれの固体電解コンデンサは、比較例に対して初期ESR、試験後のESRともにかなり低減された。
実施例1〜実施例5は、カーボンペースト層に繊維状カーボンを含むことまたは、導電性高分子を含むことにより、固体電解質層とカーボンペースト層の密着性の向上と、カーボンペースト層と銀ペースト層との密着性の向上と、カーボンペースト層内部の充填率アップが実現でき、初期特性も良好で、かつ長時間においてもESRの上昇が抑えられ、良好な結果が得られたと考える。
実際、走査型電子顕微鏡により実施例1〜実施例5と比較例の固体電解コンデンサの破断面を観察した結果、比較例は粒状カーボンだけでカーボンペースト層を形成しているので、カーボンペースト層内部の隙間部が多く、固体電解質層や銀ペースト層との接触部の隙間も多くなっていた。また、固体電解コンデンサの角部に関しても、カーボンペースト層の厚みがかなり薄くなっていた。
これに対して、実施例1および実施例2は、繊維状カーボンが折り重なっているのでカーボンペースト層が緻密で隙間部分はほとんど見当たらない。また、実施例3および実施例4も粒状カーボンの隙間に、繊維状カーボンが入り込み、緻密なカーボンペースト層が形成されており、実施例5においても導電性高分子の隙間に繊維状カーボンが入込み緻密なカーボンペースト層が形成されていた。また、実施例1〜実施例5においては、固体電解質層および銀ペースト層とカーボンペースト層との接触部の隙間も認められず、固体電解コンデンサの角部に関しても、カーボンペースト層が均一に形成されていた。
本発明の第1の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図。 本発明の第3の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図。 本発明の第4の実施の形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図。 従来の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図。
符号の説明
1 誘電体酸化皮膜層
2 弁作用金属
3 固体電解質層
4,24,34,44,54 陰極層
5 接着層
6 外部電極
7 弁作用金属ワイヤー
8 外装樹脂
9,29,39,49,59 カーボンペースト層
10 繊維状カーボン
11 銀ペースト層
20 粒状カーボン
30 真球状カーボン
40 導電性高分子

Claims (5)

  1. 弁作用金属の焼結体に陽極酸化皮膜と固体電解質層を順次形成し、さらに導電性のカーボンペースト層と銀ペースト層からなる陰極層を積層してなる固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層のカーボン粒子の形状が繊維状であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記カーボンペースト層が、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブまたは気相成長炭素材料からなることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記カーボンペースト層が、2種類以上の形状の異なるカーボンの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記カーボンペースト層に真球状カーボンが含まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記カーボンペースト層に導電性高分子が含まれることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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