JP2008026127A - 分光ユニット、気象観測ライダーシステム - Google Patents

分光ユニット、気象観測ライダーシステム Download PDF

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壽一 長谷川
Kiyotaka Uchida
清孝 内田
Katsuji Imashiro
勝治 今城
Takao Kobayashi
喬郎 小林
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Abstract

【課題】ラマンライダーシステムの計測精度の向上を図ること。
【解決手段】本発明に係る分光ユニットは、対象光に基づいて回折光を生じさせる回折格子(32)と、相互間に間隙を設け、当該間隙を前記回折光の光路上に配置される2つのウェッジミラー(35,36)と、前記2つのウェッジミラーの前記間隙を通る通過光の光路上に配置される第1の干渉フィルタ(44,45)と、前記2つのウェッジミラーの少なくとも一方によって生じる反射光の光路上に配置される第2の干渉フィルタ(38,39)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、大気成分の反射・吸収・散乱等の光学的現象に応じた測定に用いる計測技術の改良に関する。
ライダー(LIDAR; Light Detection and Ranging)は、観測領域の大気中の短いパルスのレーザ光を照射し、その散乱光をライダー信号として測定し、解析することにより、大気の状態を観測する技術である。ライダー観測のためのレーザ光には、通例、Nd:YAGレーザが用いられる。レーザ光の照射による散乱の種類には、エアロゾル(浮遊粒子状物質)によるミー散乱、大気構成分子によるレイリー散乱やラマン散乱などがあり、これらを利用して大気温度やエアロゾルの空間分布、大気密度、大気成分の濃度分布などの観測要素を解析することができる。具体的には、かかる解析は、ライダー信号を表現した、いわゆるライダー方程式と呼ばれる式を解くことにより行われる(たとえば、特許文献1参照)。
ライダーにおける計測では、測定対象となる大気成分の反射・吸収・散乱等の光学的現象に応じた測定を行う必要がある。例えば、窒素分子、酸素分子などから構成される“空気”の回転ラマン散乱を利用した気温計測の場合には、少なくとも二つの近接した中心波長における狭帯域の応答信号を検知することにより、気温計測を実現することができる。こうした気温用ライダーの他、大気ガス物質(H2O,SOx,NOx,CH4等)の濃度を検出する目的のラマンライダーにおいても、このような固有の中心波長における狭帯域の応答信号を少なくとも一つ以上検知する必要がある。
従来のラマンライダーに関する技術では,光学系全体の効率や対象とする波長以外の光の遮断率が課題となっており、それを克服する手段として複数枚の高性能な干渉フィルタを多用する方法が用いられてきた。しかしながら、高性能な干渉フィルタは高コストであり、測定システム全体としてのコストも高かった。さらに、可視域のレーザを使用しているため目に対する安全性(アイセーフ性能)が低いため、レーザの出力が制限されることとなるため、このレーザ出力の低下に起因してライダー計測の精度が低下するという不都合があった。
国際公開番号 WO 03/073127 A1
そこで本発明は、近接した二つの中心波長の入射光を検出器に導くまでに、ラマン散乱光をより高い受信効率で導くと共に、ミー散乱やレイリー散乱光からのラマン散乱光のより高い遮断率を得ることにより、計測精度を向上させることを目的とする。
また、本発明は、ラマンライダーシステムの低コスト化を図ることを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる分光ユニットは、
対象光に基づいて回折光を生じさせる回折格子と、
相互間に間隙が設けられ、当該間隙を前記回折光の光路が通るように配置される2つのウェッジミラーと、
前記2つのウェッジミラーの前記間隙を通る通過光の光路上に配置される第1の干渉フィルタと、
前記2つのウェッジミラーの少なくとも一方によって生じる反射光の光路上に配置される第2の干渉フィルタと、
を備えることを特徴とする。
ここで、「ウェッジミラー(くさび型のミラー)」とは、入射光を反射する作用を有する部材(例えば板状のもの)であって、当該部材の端部が鋭角に形成されているものをいう。
上記構成では、2枚のウェッジミラーを相互間(各々の端部の相互間)に微小な間隙を設けつつ配置し、スリットのようにして用いることにより、空間的に近接している波長を高い遮断率で分光している。このようなウェッジミラーによる近接波長の高い遮断率と、回折格子による高い効率および干渉フィルタによる高い効率と遮断率を有効に活用し、計測精度の向上を図ることができる。また、比較的に安価な回折格子とウェッジミラーを活用することにより、より高価な干渉フィルタの使用枚数を従来よりも減らすことができるので、測定システムの簡素化、低コスト化を図ることができる。
好ましくは、前記2つのウェッジミラーは、互いの延長方向が斜めに交わるように配置される。より詳細には、前記2つのウェッジミラーは、両者の反射面が全体として前記回折光の入射方向に対して凹状となるように配置されることが好ましい。また、前記2つのウェッジミラーは、両者の反射面が全体として前記回折光の入射方向に対して凸状となるように配置されることも好ましい。
それにより、各ウェッジミラーにより生じる反射光の受光がより容易になる。
好ましくは、上記分光ユニットは、前記回折光の光路上であって前記回折格子と前記2つのウェッジミラーの相互間に配置され、前記回折光を前記2つのウェッジミラーの前記間隙付近に集光させる第1のレンズを更に備える。
それにより、分光精度(分解能)をより高めることができる。
好ましくは、上記分光ユニットは、前記対象光の光路上であって、前記対象光の入射位置と前記回折格子の相互間に配置され、前記対象光を平行光に変換する第2のレンズを更に備える。
それにより、対象光の光利用効率を高め、測定精度をより向上させることができる。
好ましくは、上記分光ユニットは、
前記通過光の光路上であって前記第1の干渉フィルタの後段に配置される第1の受光器と、
前記反射光の光路上であって前記第2の干渉フィルタの後段に配置される第2の受光器と、
を更に備える。
本発明の第2の態様にかかる気象観測ライダーシステムは、
パルスレーザ光を発生させ、観測対象である大気中に向けてこれを発射する送信ユニットと、
前記送信ユニットから発射されたレーザ光の前記大気による反射光を観測対象光として受信する受信ユニットと、
前記受信ユニットにより受信された前記観測対象光を分光して複数の信号光を生成し、当該複数の信号光をそれぞれ電気信号に変換する分光ユニットと、
前記送信ユニット、前記受信ユニット及び前記分光ユニットの動作を制御するとともに、前記分光ユニットから出力される前記電気信号に基づいて信号処理を行う制御/処理ユニットと、
を含み、
前記分光ユニットとして、上記の分光ユニットを用いることを特徴とする。
上記構成によれば、計測精度が高く、尚かつシステムが簡素で低コストなライダーシステムが得られる。
本発明によれば、ライダーシステムの計測精度の向上を図るとともに、測定システムの簡素化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、気象観測ライダーシステムの基本構成を示す概略図である。気象観測ライダーシステム100は、ライダー観測に適した単一のパルスレーザ光を発生させ、観測対象である大気中に向けてこれを発射する送信ユニット1と、その送信ユニット1から発射されたレーザ光の大気による反射光(散乱光)を応答信号(ライダー信号)として受信する受信ユニット2と、その受信ユニット2により受信された応答信号を各種のライダー観測に必要な応答信号(観測対象光)にそれぞれ分光して複数の信号光を生成し、各信号光をそれぞれ電気信号に変換する分光ユニット3と、これらの各ユニットを構成する機器を制御するとともに、分光ユニット3から出力される電気信号に基づいて観測領域の各観測要素についての解析処理を行う制御/処理ユニット5と、を含んで構成される。
送信ユニット1の中核をなすレーザ装置11は、QスイッチNd・YAGレーザを含んで構成される。レーザ装置11は、生成した高周波パルスのレーザ光の第三高調波成分(λ=355nm)を不図示の非線形光学素子により取り出して、適切な出力エネルギーを外部に出射する。
レーザ装置11から射出されるレーザ光は、ビームエクスパンダ14を介して適宜の径に調整された後、所定の位置から大気に向けて発射される。ビームエクスパンダ14を用いてビーム径を大きくすることにより、上空大気に射出されるビーム拡がりを低減させ、最終的に得られる集光効率を向上させることができる。
受信ユニット2は、大気に向けて発射されたレーザ光の反射光(後方散乱光)を集光する反射望遠鏡である。この反射望遠鏡により集光された観測光(応答信号)は、光ファイバーを介して分光ユニット3に誘導される。
分光ユニット3は、受信ユニット2から光ファイバー6を介して導入される応答信号をライダー観測に必要な信号にそれぞれ分光し、検出可能に構成されている。分光ユニット3の各光検出手段(不図示)によりそれぞれ検出された応答信号(電気信号)は、アナログ/デジタル器(A/D変換器)4によってデジタル信号に変換されて制御/処理ユニット5に送出され、解析処理される。これにより、大気温度、水蒸気量およびエアロゾルの分布等が得られることになる。
制御/処理ユニット5は、コンピュータ16を中心にして、ディスプレイ17、キーボード18およびプリンタ19などを備える。このコンピュータ16には入出力ポートが配設されており、コンピュータ16は、この入出力ポートを介して、各ユニットを構成する機器から送出される信号をそれぞれ受け取り、また、機器に対して信号をそれぞれ出力する。コンピュータ16の基本的な役割は、本実施形態の気象観測ライダーシステムに対する総括的な制御の下、分光ユニット3の各光検出手段からの応答信号に基づいて、大気の気温や水蒸気等の状態を解析することである。
図2は、分光ユニット3の構成を説明するための図である。受信ユニット2から光ファイバー6を介して誘導された観測光(対象光)は、上空大気からの後方散乱光である。かかる散乱光は、その光路上であって当該散乱光の入射位置(本例では光ファイバー6の一端部)と回折格子32との相互間に配置されるレンズ31に入射する。そして、この散乱光はレンズ31を通過することによって平行光に変換された後、回折格子32に入射する。この入射光は回折格子32により波長毎の光(回折光)として反射され、レンズ33を通ってウェッジミラー部34に導かれる。ウェッジミラー部34は、2つのウェッジミラー35、36から構成される。ここで、「ウェッジミラー」とは、入射光を反射する作用を有する楔状の部材(例えば板状のもの)であって、当該部材の端部が鋭角に形成されているものをいう。これらのウェッジミラー35、36は、互いの端部間に僅かな間隙(例えば、数百μm程度)が設けられており、この間隙が回折光の光路上に位置するように配置される。そして、これらのウェッジミラー35、36は、互いの延長方向が斜めに交わるように配置されている。ウェッジミラー部34の配置の詳細については更に後述する。
レンズ37、2つの干渉フィルタ38、39、レンズ40は、一方のウェッジミラー35で反射した光(反射光)の光路上にこの順で配置される。ウェッジミラー35からの反射光は、レンズ37を通ることにより平行光とされた後、2枚の干渉フィルタ38、39を透過し、更にレンズ40によって集光される。なお、干渉フィルタはその特性等によっては1枚だけ使用するように構成してもよい。レンズ40によって集光された光は検出器41によって受光され、その強度に応じた電気信号に変換される。検出器41から出力される電気信号(アナログ信号)は上述のA/D変換器4によってデジタル信号に変換され、コンピュータ16に転送される。また、他方のウェッジミラー36で反射した光(反射光)は、当該反射光の光路上に配置されたダンパー42によって吸収される。
レンズ43、2つの干渉フィルタ44、45、レンズ46は、2つのウェッジミラー35、36の相互間の間隙を通過した光(通過光)の光路上にこの順で配置される。この通過光は、レンズ43を通ることにより平行光となった後、2枚の干渉フィルタ44、45を透過し、更にレンズ46により集光される。なお、干渉フィルタはその特性等によっては1枚だけ使用するように構成してもよい。レンズ46によって集光された光は検出器47によって受光され、その強度に応じた電気信号に変換される。検出器47から出力される電気信号(アナログ信号)は上述のA/D変換器4によってデジタル信号に変換され、コンピュータ16に転送される。
図3は、回折格子32の詳細について説明するための図である。本実施形態では回折格子32として反射型ブレーズド回折格子を用いており、図3ではそれが模式的に示されている。光ファイバ4から出射し、回折格子32へ入射するするレーザ光(レーザビーム)の波長をλ0、レーザ光の入射角(すなわち、回折格子32の主面の垂線とレーザ光と交差角)θin、回折格子32の格子定数をN、とすると、レーザ光の入射角θinは次式のように表される。
Figure 2008026127

また、回折格子32によって生じる回折光の回折角θout(λ)は、回折次数をmとすると次式のように表される。
Figure 2008026127

よって、設計によりθout(λ0)の角度を定義する。例えば、+1次回折光を用いるとするとm=+1となるので、レーザ光の入射角θinを適宜設定することにより、θout(λ0)の値が求められる。この求められたθout(λ0)の値に基づき、+1次回折光の進行方向(光路)が分かるので、当該進行方向に対応してレンズ33及びウェッジミラー部34を配置する。
図4は、ウェッジミラー部34の配置の詳細について説明するための図である。図4では、ウェッジミラー35、36の相互間の間隙部分が拡大して示されている。まず、各ウェッジミラー35、36は、両者の反射面が全体として光の入射方向(図中では左上側)に対して凹状となる状態に配置される。より詳細には、図示のように各ウェッジミラー35、36の互いの延長方向がなす交差角度をφとすると、このφが概ね90°以上180°以下の範囲内で適宜設定される。本実施形態では、ウェッジミラー35とウェッジミラー36との交差角度をφ=135°に設定している。また、各ウェッジミラー35、36は、エッジ面(端部)35a、36aのそれぞれが光入射方向と向かい合わないように配置される。別言すれば、各ウェッジミラー35、36は、これらの上面(長辺側)35b、36bのそれぞれが光入射方向に向き合うように配置される。それにより、エッジ部分で不要な反射光(迷光)を生じないようにすることができる。また、各ウェッジミラー35、36は、相互間にある程度の隙間を設けて離間して配置される。より詳細には、波長λ0の光はウェッジミラー36によって反射され、それより短い波長λ-1の光が各ウェッジミラー35、36の相互間の隙間を通過し、更に短い波長λ-2の光はウェッジミラー35によって反射されるように、各ウェッジミラー35、36の配置状態が設定される。それにより、各ウェッジミラー35、36の相互間の隙間を通過した波長λ-1の光は、各レンズ43、46及び各干渉フィルタ44、45を通過し、検出器47によって検出される。ウェッジミラー35によって反射された波長λ-2の光は、各レンズ37、40及び各干渉フィルタ38、39を通過し、検出器41によって検出される。ウェッジミラー36によって反射された波長λ0の光はダンパー42に吸収される。各ウェッジミラー35、36の交差角度φは、これらの波長λ0の光および波長λ-2の光の反射効率が最大となるように配置されることが望ましい。また、ウェッジミラー35、36の相互間の隙間については、使用する光の波長(例えば本例では、波長λ0、波長λ-1、波長λ-2はそれぞれ354.67nm、354.10nm、353.10nm)や、回折格子32およびレンズ33の特性などに応じて適宜設定されるものであり、例えば数百μm程度の間隔が設けられる。これについて更に説明する。
図5は、ウェッジミラー35、36の相互間の間隔について詳細に説明するための図である。図5では、レンズ33への入射光とレンズ33からの出射光のスポット位置との関係が示されている。スポット位置に関する基本式は以下のように表される。なお、下記(3)式では、θoutが微小であるためtanθout≒θoutと近似している。
Figure 2008026127

ここで、fはレンズ33の焦点距離、dはスポット位置(像高)である。また、短波長側の回折光の波長をλ-1、λ-2、・・・、λ-n、長波長側の回折光の波長をλ1、λ2、・・・、λn、と表現する。このとき、中心波長λ0、短波長側の波長λ-1、長波長側の波長λ1、のそれぞれに対するスポット位置d(λ0)、d(λ-1)、d(λ1)は図示のように、レンズ33の光軸と直交する面(像面)において微小距離だけ離間する。本実施形態の気象観測ライダーシステム100では、中心波長λ0、短波長側波長λ-1の光を受信する。このとき、短波長側の光の受信スペクトル幅をΔλ-1とすると、ウェッジミラー35、36の相互間の間隔d1は次式によって表される。
Figure 2008026127

よって、この(4)式に基づいて、各ウェッジミラー35、36の相互間距離を設定することができる。このように、2枚のウェッジミラーを相互間に微小な間隙を設けつつ配置し、スリットのようにして用いることにより、空間的に近接している波長を高い遮断率で分光することが可能となる。
本実施形態の気象観測ライダーシステム100は以上のような構成を有している。次に、上記した分光ユニット3の他の構成例について説明する。以下に説明する分光ユニット3aを用いて本実施形態の気象観測ライダーシステム100を構成することもできる。
図6は、分光ユニットの他の構成例について説明する図である。図6に示す分光ユニット3aの基本的な構成は上述した図2に示した分光ユニット3と同様である。なお、上述した分光ユニット3と本例の分光ユニット3aとで共通している構成要素については同符号を付し、それらについての詳細な説明は省略する。本例の分光ユニット3aは、上述の分光ユニット3と比較して、ウェッジミラー部34に含まれる各ウェッジミラー35、36の配置状態が異なっている。また、このウェッジミラー部34の配置状態の変更に伴って、レンズ37、40、干渉フィルタ38、39及び検出器41からなる光学系の配置とダンパー42の配置とが入れ替わっている。
図7は、図6に示す分光ユニットにおけるウェッジミラー部34の配置状態について詳細に説明する図である。図7では、ウェッジミラー35、36の相互間の隙間部分が拡大して示されている。まず、本例では、各ウェッジミラー35、36は、両者の反射面が全体として回折光の入射方向(図中では左上側)に対して凸状となる状態に配置される。より詳細には、図示のように各ウェッジミラー35、36の互いの延長方向がなす交差角度をφとすると、このφが概ね90°以上180°以下の範囲内で適宜設定される。本実施形態では、ウェッジミラー35とウェッジミラー36との交差角度をφ=135°に設定している。すなわち、上述の図4に示した配置を反転した状態となっている。また、各ウェッジミラー35、36は、エッジ面35a及び36aのそれぞれが光入射方向と向かい合わないように配置される。別言すれば、各ウェッジミラー35、36は、これらの上面(長辺側)35b、36bのそれぞれが光入射方向に向き合うように配置される。別言すれば、上記図4に示した例では上面35b、36bのなす角度が90°〜180°となっていたが、本例では上面35b、36bのなす角度(φの対頂角)が180°〜270°の範囲となる。それにより、エッジ部分で不要な反射光(迷光)を生じないようにすることができる。また、各ウェッジミラー35、36は、相互間にある程度の隙間を設けて離間して配置される。当該隙間の設定方法については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する(図5参照)。本例においても、波長λ0の光はウェッジミラー36によって反射され、それより短い波長λ-1の光が各ウェッジミラー35、36の相互間の隙間を通過し、更に短い波長λ-2の光はウェッジミラー35によって反射されるように、各ウェッジミラー35、36の配置状態が設定される。各ウェッジミラー35、36の相互間の隙間を通過した波長λ-1の光は、各レンズ43、46及び各干渉フィルタ44、45を通過し、検出器47によって検出される。ウェッジミラー35によって反射された波長λ-2の光は、各レンズ37、40及び各干渉フィルタ38、39を通過し、検出器41によって検出される。ウェッジミラー36によって反射された波長λ0の光はダンパー42に吸収される。
以上のように本実施形態では、2枚のウェッジミラーを相互間に微小な間隙を設けつつ配置し、スリットのようにして用いることにより、空間的に近接している波長を高い遮断率で分光している。このようなウェッジミラーによる近接波長の高い遮断率と、回折格子による高い効率および干渉フィルタによる高い効率と遮断率を有効に活用し、計測精度の向上を図ることができる。また、比較的に安価な回折格子とウェッジミラーを活用することにより、より高価な干渉フィルタの使用枚数を従来よりも減らすことができるので、測定システムの簡素化、低コスト化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において更に種々変形して実施することが可能である。例えば、上述した実施形態では回折格子32として反射型ブレーズド回折格子を用いていたが、回折格子32として透過型の回折格子を用いてもよい。この場合には、図2等に示した光学系において、レーザ光の入射方向が図示の例と反対側に設定すればよいことは当業者にとって周知である。
また、回折格子32は必ずしもブレーズ型である必要はなく、他の形態であってもよい。また、各ウェッジミラー35、36の配置を傾けることにより、各ウェッジミラーによる反射光の進行方向を上下方向に制御してもよい。それにより、検出器に至る光学系の配置やダンパーの配置に自由度が増すので、分光ユニット全体の形状や構成を種々の要望に合わせてカスタマイズすることが容易となる。
また、上記実施形態では、光路中に1つの回折格子を配置していたが、2つ又はそれ以上の回折格子を適宜配置してもよい。それにより、更に分光効率を向上させることができる。
また、上記実施形態を通して説明した本発明の分光ユニットは、気象観測ライダーシステムに用いて好適なものであるが、これ以外にも光を利用する多様な技術分野において用いることが可能である。
気象観測ライダーシステムの基本構成を示す概略図である。 分光ユニットの構成を説明するための図である。 回折格子の詳細について説明するための図である。 ウェッジミラー部の配置の詳細について説明するための図である。 ウェッジミラーの相互間の間隔について詳細に説明するための図である。 分光ユニットの他の構成例について説明する図である。 図6に示す分光ユニットにおけるウェッジミラー部の配置状態について詳細に説明する図である。
符号の説明
1…送信ユニット
2…送信ユニット
3…分光ユニット
4…アナログ/デジタル器
5…制御/処理ユニット
6…光ファイバー
11…レーザ装置
12…シーダ
14…ビームエクスパンダ
16…コンピュータ
17…ディスプレイ
18…キーボード
19…プリンタ
31…レンズ
32…回折格子
33…レンズ
34…ウェッジミラー部
35、36…ウェッジミラー
35a、36a…エッジ面
35b、36b…上面
37、40、43、46…レンズ
38、39、44、45…干渉フィルタ
41、47…検出器
42…ダンパー
100…気象観測ライダーシステム

Claims (2)

  1. 対象光に基づいて回折光を生じさせる回折格子と、
    相互間に間隙が設けられ、当該間隙を前記回折光の光路が通るように配置される2つのウェッジミラーと、
    前記2つのウェッジミラーの前記間隙を通る通過光の光路上に配置される第1の干渉フィルタと、
    前記2つのウェッジミラーの少なくとも一方によって生じる反射光の光路上に配置される第2の干渉フィルタと、
    を備える、分光ユニット。
  2. パルスレーザ光を発生させ、観測対象である大気中に向けてこれを発射する送信ユニットと、
    前記送信ユニットから発射されたレーザ光の前記大気による反射光を観測対象光として受信する受信ユニットと、
    前記受信ユニットにより受信された前記観測対象光を分光して複数の信号光を生成し、当該複数の信号光をそれぞれ電気信号に変換する分光ユニットと、
    前記送信ユニット、前記受信ユニット及び前記分光ユニットの動作を制御するとともに、前記分光ユニットから出力される前記電気信号に基づいて信号処理を行う制御/処理ユニットと、
    を含み、
    前記分光ユニットとして、請求項1に記載の分光ユニットを用いることを特徴とする、気象観測ライダーシステム。
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