JP2008021622A - 差込プラグ及び差込プラグ付き電源コード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の栓刃11の少なくとも一つに電気的に接続され、所定の温度に達すると電気的に接続された負荷への通電を遮断し、且つ一旦遮断された通電を手動で復帰させるサーモスタット17と、栓刃11の負荷側及びサーモスタット17を収納する下ケース18bを備えたもので、栓刃11とコンセントの受刃(図示せず)との間の接触不良や、接触抵抗増大に伴いその部分で発熱すると、それが差込プラグ10本体に伝達され、内蔵されたサーモスタット17がその熱を検知して負荷への通電を遮断するので、異常発熱やそれによる火災を確実に防止することができる。また、一旦サーモスタット17が動作しても、それを手動で復帰させて再び使用することが出来るので、無駄な修理や、部品の交換が不要で使用勝手の良いものである。
【選択図】図2
Description
これを解決するために、一つの栓刃と、前記栓刃に接続される電源コードの導体との間に温度ヒューズを接続して、前記温度ヒューズが所定の温度に達すると、電源コードへの通電を遮断するようにした差込プラグがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
図8は、上記特許文献1に記載された従来の差込プラグの一部切欠き平面図である。
同図において、従来の差込プラグ1は、一対の栓刃2と、電源コード3の一方の導体4と一方の栓刃2との間に接続され所定の温度に達すると溶断して、同栓刃2から同導体4への通電を遮断する温度ヒューズ5とを備え、一対の栓刃2と、導体4と、温度ヒューズ5を金型(図示せず)内にインサートした状態でプラグ本体6を塩化ビニル樹脂などのプラスチック材料を用いて射出成形することにより、一体成形の差込プラグ1を得るようにしている。7は、導体4の芯線4aと栓刃2を接続するための圧着端子である。
温度ヒューズ5の溶断温度は、プラグ本体6の成形温度より高く、かつプラグ本体6の発火温度より低い温度に設定されている。
以上のように構成された従来の差込プラグの動作、作用は以下の通りである。
電源コード3が接続された電気機器(図示せず)の使用中に、栓刃2と図示しないコンセントの受刃との間の接触不良や接触抵抗増大などが原因で異常に高くなってくると、それにつれプラグ本体6内の温度が上昇し、それが温度ヒューズ5の設定温度に達すると、該温度ヒューズ5は、これを検知して直ちに溶断し、電源コード3の一方の導体4への通電を遮断するので、プラグ本体6内の温度は、温度ヒューズ5の設定温度を越えることがなく、火災などが発生するのを確実に防止することができる。
温度ヒューズ5の溶断は、プラグ本体6内の温度が高温になったときに起こるので、プラグ本体6自体も高温加熱を受けて変形したりあるいは栓刃2の周りでプラスチック層が黒色に変色したりしていることが多いので、電気機器の使用者は、プラグ本体6を目視観察することにより、差込プラグ1が既に安全に使用できない状態に至っていることが容易に判断できる。
また、プラグ本体6の熱変形を防止するために、プラグ本体6を耐熱性に優れた材料で形成しても良いが、それでは、差込プラグ1の製造コストが上昇し、また、温度ヒューズ5が動作、すなわち溶断しても、それが外部から判断できないため、機器が故障したと誤解され、無駄な点検や修理を行なうことになる。
さらに、差込プラグ1を組み立て式にして、温度ヒューズ5が交換できるようにすることも可能だが、温度ヒューズ5は、一般の交換容易な電流ヒューズと異なり、温度を感知して動作するものであるため、取り付け方によっては、温度をきちんと検知できず、肝心なときに動作しないようになる恐れがあるため、一般の使用者が温度ヒューズ5を交換するのは安全上好ましくない。すなわち、差込プラグ1を組み立て式にして、温度ヒューズ5が交換できるようにしても、結局専門家によって修理をする必要があるので、修理コストがやはりかさんでしまうという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、コンセント部分での異常発熱を防止して火災を確実に防止すると共に、コンセント部分で発熱し動作しても、容易に復帰させて何度も使用できる使用勝手の良い差込プラグ及び差込プラグ付き電源コードを提供することを目的とする。
また、本発明の差込プラグ付き電源コードは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の差込プラグを電源コードの一端に設けたもので、差込プラグの栓刃とコンセント側の受刃との間の接触不良や、接触抵抗増大による異常発熱に起因する火災などを確実に防止すると共に、サーモスタットが動作しても、差込プラグの修理や交換を必要としないメンテナンスの容易な差込プラグ付き電源コードを提供することが出来る。
第2の発明は、特に、第1の発明のサーモスタットで、ケース内に内蔵され負荷に電源を供給する導体の温度を検知するようにしたもので、コンセント部で発熱すると、その熱がケースに伝わり、内部の温度が上がるのでサーモスタットでその熱を検知できるが、さらに、サーモスタットで導体の温度を検知するようにすることで、栓刃とコンセントの受刃との間で発生した熱が、熱伝導性に優れた栓刃、導体を通ってサーモスタットに早く伝達されるので、その分温度検知が早く出来、より安全に通電を遮断することが出来る。
第3の発明は、特に、第1の発明のサーモスタットでケースの栓刃側内壁の温度を検知するようにしたもので、ケースの栓刃側の壁が、常にコンセントに対向し接触しているので、コンセント部分で発熱するとその熱がケースの栓刃側の壁に伝わるが、その熱がサーモスタットに直接伝わるようになり、熱検知が早く且つ精度良く行なわれるようになり、安全に通電を遮断することが出来る。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の差込プラグに外部の差込プラグの栓刃を受ける受刃を設けたもので、差込プラグが、分岐コンセントの機能を果たすと共に、それ自体にコンセントでの異常発熱を防止するサーモスタットが内蔵されているので、従前の温度ヒューズなどの安全装置が内蔵されていない差込プラグも接続できるようになるので、既に購入した電気機器も安心して使用することが出来る。
第5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の差込プラグを電源コードの一端に設けたもので、差込プラグの栓刃とコンセント側の受刃との間の接触不良や、接触抵抗増大による異常発熱に起因する火災などを確実に防止すると共に、サーモスタットが動作しても、差込プラグの修理や交換を必要としないメンテナンスの容易な差込プラグ付き電源コードを提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における差込プラグを接続した差込プラグ付き電源コードの斜視図、図2(a)は、同差込プラグの内部構成を示す平面図、(b)は、同差込プラグの栓刃の側面図、(c)は、同栓刃の正面図、図3は、同差込プラグのサーモスタット取り付け部の部分拡大断面図である。
図1〜3において、本実施の形態における差込プラグ10は、壁などに設けられたコンセント(図示せす)に差し込まれる一対の栓刃11と、電気機器(図示せず)などの負荷に電源を供給する電源コード12の導体13がネジ止めされる一対の端子部14と、一方の端子部14と一方の栓刃11とを電気的に接続する導体A15と、導体B16を介して他方の端子部14と他方の栓刃11との間に電気的に接続される手動復帰型のサーモスタット17を備え、栓刃11の負荷側(電源コード12側)と、端子部14と、導体A15と、導体B16と、サーモスタット17は、上ケース18aと下ケース18bから成るケース18に内蔵されている。
サーモスタット17は、図2、3に示すように、導体B16が接続される一対の端子1板7aと、端子板17aの一方に接続された固定端子(図示せず)と端子板17aの他方に接続された可動端子(図示せず)を収納するサーモスタットケース17bと、熱を検知しやすいように金属材料からなり円盤状のバイメタル17cを収納すると共に、サーモスタットケース17bの外周にかしめられて固定されるキャップ17dと、復帰ボタン17eから構成されている。
本実施の形態では、上ケース18aに、復帰ボタン17eの先端が貫通する開口18cが設けられている。
通常、サーモスタット17に内蔵されたバイメタル17cは、下方に凸に湾曲し、固定端子と可動端子は当接(導通)している。そして、周囲の温度上昇と共にキャップ17dの温度が上昇し、中のバイメタル17cの温度が所定の温度に達すると、バイメタル17cが上方に凸に反転動作し、その動作に連動して可動端子が固定端子より離れ、通電を遮断すると共に、復帰ボタン17eが開口18cより上方に突出するようになっている。そして、バイメタル17cの温度が低下した後復帰ボタン17eを下方に押すと、バイメタル17cが下方に凸に反転し、固定端子と可動端子が再び当接し、電気的に導通される。
また、本実施の形態では、図3に示すように、導体A15、導体B16のそれぞれの一部がサーモスタット17のキャップ17dと下ケース18bとの間に挟持され、キャップ17dで導体A15、導体B16の温度を直接検知できるようにしている。
以上のように構成された本実施の形態における差込プラグ10の動作、作用は以下の通りである。
差込プラグ10の栓刃2をコンセントに差し込んで、電気機器に電源コード12を介して電源を供給しているときに、栓刃11とコンセント側の受刃(図示せず)との間が接触不良になったり、栓刃11とコンセント側の受刃との間の接触抵抗が大きいと、その部分がジュール熱により発熱する。発熱した熱の一部は、コンセント全体を暖め、それが、コンセントに差し込まれた差込プラグ10のケース18に伝わり、ケース18内の雰囲気温度が上昇していく。また、熱の一部は、熱伝導の良い栓刃11を経て導体A15、導体B16に伝わり、同様にケース18内の雰囲気温度を上昇させると共に、キャップ17dで検知される。
以上のようにケース19内の雰囲気温度上昇に加え、サーモスタット17のキャップ17dに接触した導体A15、導体B16からの熱により、キャップ17dの温度が上昇し、その温度が所定温度(動作温度)に達するとサーモスタット17が動作して、導体B16への通電が遮断、すなわち電気機器への通電が遮断され、電流が流れなくなって、栓刃11とコンセント側の受刃との間での発熱が停止し、火災が発生するのを防止することができる。
通常コンセントやコンセントカバー(図示せず)は樹脂で形成されているため、コンセントで発生した熱が、ケース18に伝わり難い。したがって、サーモスタット17の動作温度を高めに設定すると、同サーモスタット17が動作する(通電を遮断する)前に、コンセントやコンセントカバーが溶融する恐れがある。逆に、サーモスタット17の動作温度を低めに設定すると、夏場の高い雰囲気温度に加え、使用する電気機器の負荷電流が一時的に増加したときに、コンセントでの温度が上がり、サーモスタット17が誤動作することがある。そこで、色々な使用条件を検討した結果、サーモスタット17の動作温度を70〜90℃に設定するのか望ましいことが分かった。なお、本実施の形態では、サーモスタット17の動作温度を80℃に設定している。
以上のように、本実施の形態によれば、差込プラグ10の栓刃11とコンセントの受刃との間の接触不良や、接触抵抗増大に伴いその部分で発熱したときに負荷への通電を遮断するので、異常発熱やそれによる火災を確実に防止することができる。また、一旦サーモスタット17が動作しても、温度が低下した後は、復帰ボタン17eを押して手動で復帰させることが出来るので、発熱の原因となったコンセントを交換した後、差込プラグ10を再び使用することが出来、使用勝手の良いものである。
また、サーモスタット17が動作したときに、復帰ボタン17eが突出するようになっているので、サーモスタット17が動作したことを外部から容易に判断できると共に、異常発熱の原因がコンセント側にあることが一目瞭然なので、電気機器が故障したと誤解されることが無い。
また、サーモスタット17で、ケース18内に内蔵され負荷に電源を供給する導体A15、導体B16の温度を検知するようにしているので、栓刃11とコンセントの受刃との間で発生した熱が、熱伝導性に優れた栓刃11、導体A15、導体B16を通ってサーモスタット17のキャップ17dに早く伝達されるので、その分温度検知が早く出来、より安全に通電を遮断することが出来る。
なお、上記実施の形態では、サーモスタット17のキャップ17dと下ケース18b間に導体A15、導体B16を配したが、図4に示すように、キャップ17dの底面を下ケース18bの栓刃11側の内壁、本実施の形態では、下ケース18bの底面に密着させて下ケース18bの内壁の温度を直接検知するようにしても良く、そうすれば、コンセント部分からケース18に伝達された熱をすばやく、精度良く検知できるようになり、安全に通電を遮断することが出来る。
また、上記実施の形態では、コンセントの受刃と差込プラグ10の栓刃11との間の接触抵抗による発熱をベースに説明したが、コンセントの受刃と差込プラグ10の栓刃11間の接触状態がまったく正常の場合であっても、使用する電気機器側に何らかの異常が発生し、過大電流が流れると、通常の定格電流が流れている場合に比べ、コンセントの受刃と差込プラグ10の栓刃11との間や、差込プラグ10のケース18内の各電気的接続部での発熱が急増し、ケース18内の雰囲気温度が上昇するので、サーモスタット17がそれを検知して、電気機器への通電を遮断するので、電気機器を保護することも出来る。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における差込プラグの全体斜視図、図6(a)は、同差込プラグの内部構成を示す平面図、(b)は、図6(a)のA−A断面図である。なお、上記実施の形態と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、差込プラグ10に電源コード12を取り付けた差込プラグ付き電源コードを例に説明したが、本実施の形態における差込プラグ20は、図5、6に示すように、コンセント(図示せず)に差し込まれる一対の栓刃11と、電気機器(図示せず)に接続された従来の電源コード3の先端に設けられた外部の差込プラグ21の栓刃21aを受ける受刃22と、一方の受刃22と一方の栓刃11とを電気的に接続する導体A15と、導体B16を介して他方の受刃22と他方の栓刃11との間に電気的に接続されるサーモスタット17を備え、上ケース18aに、外部の差込プラグ21の栓刃21aが挿通するスリット23を複数設けたものである。なお、サーモスタット17の構成、動作、作用は、上記第1の実施の形態と同一なのでその説明を割愛する。
本実施の形態における差込プラグ20は、以上のように構成されているので、分岐コンセントの機能を果たすと共に、それ自体にコンセントでの異常発熱を防止するサーモスタット17が内蔵されているので、従前の温度ヒューズなどの安全装置が内蔵されていない差込プラグも接続できるようになるので、既に購入した電気機器も安心して使用することが出来る。
なお、図7に示すように、外部の差込プラグ21の栓刃21aを受ける受刃22を有する上記差込プラグ20を、電気機器に接続された電源コード12に取り付けるようにしても良い。そうすれば、差込プラグ20をより一層使い勝手の良いものにすることが出来る。
11 栓刃
12 電源コード
13 導体
15 導体A(導体)
16 導体B(導体)
17 サーモスタット
18 ケース
18a 上ケース
18b 下ケース
22 受刃
Claims (5)
- 複数の栓刃と、前記栓刃の少なくとも一つに電気的に接続され、所定の温度に達すると電気的に接続された負荷への通電を遮断し、且つ一旦遮断された通電を手動で復帰させるサーモスタットと、前記栓刃の前記負荷側及び前記サーモスタットを収納するケースを備えた差込プラグ。
- サーモスタットで、ケース内に内蔵され負荷に電源を供給する導体の温度を検知するようにした請求項1に記載の差込プラグ。
- サーモスタットでケースの栓刃側内壁の温度を検知するようにした請求項1に記載の差込プラグ。
- 外部の差込プラグの栓刃を受ける受刃を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の差込プラグ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の差込プラグを一端に有する差込プラグ付き電源コード。
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JP2006220599A JP2008021622A (ja) | 2006-07-13 | 2006-07-13 | 差込プラグ及び差込プラグ付き電源コード |
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