JP2008019575A - 舗道の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地下鉄では地震によって停電した場合、完全に真っ暗になるため、避難ができないばかりか、それによる二次災害のおそれも多い。そこで、蓄光剤を含有する誘導用舗装板も知られている。誘導用舗装板では、既設の舗道に適用する場合、既設の硬質層を剥離しなければならず、手間と時間がかかる。また、蓄光顔料を含む樹脂を舗道に塗布する方式では、どうしても樹脂が人間の足その他の移動物によって削られ、長期間持続することがいない。特に何年又は何十年に一度の天災に対する備えでは、この長期間持続することが必須である。
【解決手段】既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に蓄光顔料と樹脂を塗布する方法。
【選択図】 図1
【解決手段】既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に蓄光顔料と樹脂を塗布する方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、舗道の処理方法に関するものである。
最近、地震対策について種々議論されている。中でも、地下鉄では地震によって停電した場合、完全に真っ暗になるため、避難ができないばかりか、それによる二次災害のおそれも多い。自家発電装置を準備しているところもあるが、そのような装置が大地震の時に正常に稼動するかどうか、はなはだ疑問である。
このような真っ暗な中で正しく避難できるように常夜灯のような誘導ライトも設けられているところもある。更に、特許文献1のように、蓄光剤を含有する誘導用舗装板も知られている。
特開2004−197518
また、特許文献2のように道路に蓄光顔料を含む樹脂を塗布する方法も知られている。
特開平08−325477
しかし、上記の誘導用舗装板では、既設の舗道に適用する場合、既設の硬質層を剥離しなければならず、手間と時間がかかる。また、その舗装板と既設舗装とがデザイン的に合わない場合には、非常に広範囲の舗装を改装しなければならず大きな費用となる。
また、特許文献2のような蓄光顔料を含む樹脂を舗道に塗布する方式では、どうしても樹脂が人間の足その他の移動物によって削られ、長期間持続することができない。特に何年又は何十年に一度の天災に対する備えでは、この長期間持続することが必須である。
以上のような現状に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明舗道の処理方法を完成したものであり、その特徴とするところは、既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に蓄光顔料と樹脂を塗布する点また、他の態様では、既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に樹脂を塗布した後、蓄光顔料含有樹脂成型体を溝部内に固着する点にある。
本発明でいう舗道とは、人間が歩く所であり、地下鉄のホーム、地下街の通路、トンネルの舗装路、ビルの床、ビルの種々の通路その他どのようなところでもよい。基本的には、停電時に避難する方向や場所が見えにくくなるようなところである。
ここで、蓄光顔料によって光らせる目的は、単に避難方向を示すだけの場合、床や通路をぼんやりとでも明るい場合、又はその両方が考えられる。これは、その場所によって決めればよい。例えば、比較的狭く、平坦で階段等もなく歩きやすいところでは、避難方向が分かるだけでもよい。即ち、矢印が見えているだけでもよい。しかし、地下街のように階段や柱、その他の障害物が多いような場所では、ある程度足元が明るい方がよい。
このようにその場所、その場所で決めればよい。
このようにその場所、その場所で決めればよい。
硬質舗道とは、硬質の素材で舗装されているところをいう。例えば、テラゾー平板を敷設したところ、天然又は模造の石を敷設したところ、コンクリート製のところ、樹脂モルタル製の路面等である。
研削とは、表面を削ることによって凹部にすることをいう。その研削の方法は特に限定せず、人手による方法、機械による方法等どのようなものでもよいが、ブラスト処理やカッターによる処理が好適である。
ブラスト処理とは、砂粒や小鉄粒等の硬質小粒を多数、高速で打ち付けることによって表面を研削する方法である。研削深さも自由に設定できる。通常は、1〜5mm程度が好適である。
ブラスト処理とは、砂粒や小鉄粒等の硬質小粒を多数、高速で打ち付けることによって表面を研削する方法である。研削深さも自由に設定できる。通常は、1〜5mm程度が好適である。
また、舗道の必要な部分についてブラスト処理するのであるが、その場合、型部材を載置してブラストするのがよい。ここでいう型部材とは、ステンシルのようなもので種々の形に打ち抜いたもの、単なるテープ状のもの、その他種々の形状のものが考えられる。材質としては、ブラストで破壊されない程度のものでよい。例えば、ポリオレフィンの低発泡体、ポリエチレンの2〜5倍発泡のものが好適である。
カッターとは、一般に道路カッターと呼ばれるもので、回転する回転刃を道路に押し付けて路面を所定厚みで切断するものである。よって、一定の幅の溝が形成される。この方法では、前記したブラストのような種々の形状にすることは困難であるが、他の方法に比べて安価である。また、簡単に実施できる。
蓄光顔料とは、光を受けて、そのエネルギーにより光が消えた後も一定時間可視光を発光するものをいう。特に最近研究が進み、種々のものが市販されている。例えば、特許第2543825号に記載の蓄光性蛍光体等がある。この蓄光顔料は、粉体でも粒体でもよい。
本発明では、この蓄光顔料と樹脂を塗布するのであるが、その方法は種々考えられる。その1つとして、蓄光顔料と樹脂を混合し、それを前記した溝部の全部又は一部に塗布する方法である。この方法は塗布が1回で済み作業的には簡単である。
この樹脂自体はどのようなものでもよく、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等どのようなものでもよい。基本的には、蓄光顔料が発する光を邪魔しないようにその他の顔料は入れない方がよいが、光を透過あるいは反射する粒子は入ってもよい。例えば、ガラス粒状物は光の透過あるいは反射のほかに通常の光の下では外観的に変化があって見栄え良く感ずるとか、表面に部分的にでも露出すれば滑り止め効果を発揮すると考えられる。
塗布厚みとしては、溝部の深さより薄くして、溝のトップから出ないようにする。
この樹脂自体はどのようなものでもよく、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等どのようなものでもよい。基本的には、蓄光顔料が発する光を邪魔しないようにその他の顔料は入れない方がよいが、光を透過あるいは反射する粒子は入ってもよい。例えば、ガラス粒状物は光の透過あるいは反射のほかに通常の光の下では外観的に変化があって見栄え良く感ずるとか、表面に部分的にでも露出すれば滑り止め効果を発揮すると考えられる。
塗布厚みとしては、溝部の深さより薄くして、溝のトップから出ないようにする。
小粒子の蓄光材料は液体中(硬化性バインダー)に分散した場合には、塗膜形成により著しく受光面積が広がり、蓄光に有利である(蓄光材料の粒径が1/100になれば表面積は1万倍、粒子数は100万倍)。
蓄光材は、発光色が緑、青、赤などで無機物、無機/有機複合物でもよい。
また、明るくするために、溝に塗布する前に溝の底部に白色の下地材を塗布してもよい。
更に、蓄光顔料と樹脂を塗布する他の方法としては次の方法も考えられる。
即ち、蓄光を含まない(含んでも構わない)接着剤(樹脂等)を溝に塗布し、その上に蓄光顔料粒子を散布し、更にその上から透明(少し色があってもよい)の樹脂を塗布又は噴霧する方法である。この方法では、蓄光顔料が表面(トップコートは除いて)にのみ薄い層状に存在するため非常に効率がよい。
即ち、蓄光を含まない(含んでも構わない)接着剤(樹脂等)を溝に塗布し、その上に蓄光顔料粒子を散布し、更にその上から透明(少し色があってもよい)の樹脂を塗布又は噴霧する方法である。この方法では、蓄光顔料が表面(トップコートは除いて)にのみ薄い層状に存在するため非常に効率がよい。
蓄光顔料と樹脂を塗布する方法としては、上記以外も考えられ、要するに溝部に樹脂と蓄光顔料を固着(適用)させれば、その順序や状態は問わない。
蓄光顔料と樹脂を塗布する方法以外に、蓄光顔料含有成型体を溝部内に固着してもよい。ここで蓄光顔料含有成型体とは、透明樹脂に蓄光顔料を混合して硬化したもの、又は透明又は不透明な樹脂の表面に蓄光顔料を固着したもの等である。
固着には、硬化性の樹脂を使用し、塗布後硬化前に成型体を固着する方法と、硬化性樹脂が硬化した後、成型体を接着剤で接着する方法とがあり、状況に応じて使い分ければよい。成型体固着後はトップコートしてもよいし、樹脂などを充填することもできる。
固着には、硬化性の樹脂を使用し、塗布後硬化前に成型体を固着する方法と、硬化性樹脂が硬化した後、成型体を接着剤で接着する方法とがあり、状況に応じて使い分ければよい。成型体固着後はトップコートしてもよいし、樹脂などを充填することもできる。
ここで、蓄光顔料の必要量について述べる。
まず、避難経路さえ分かればよい場合、即ちその部分が識別できればよいという場合は、その溝1m2当たり100g程度あればよいと思われる。しかし、これは蓄光顔料の性能や照射され蓄光顔料が受けた光の量等によって異なるため、一概には言えない。
まず、避難経路さえ分かればよい場合、即ちその部分が識別できればよいという場合は、その溝1m2当たり100g程度あればよいと思われる。しかし、これは蓄光顔料の性能や照射され蓄光顔料が受けた光の量等によって異なるため、一概には言えない。
また、足元全体をある程度明るくする場合には、上記の量よりも多くなることは間違いない。この場合には、その溝1m2当たりではなく、処理舗道1m2当りの量になる。例えば、路面1m2当たり300g程度必要であった。この程度あれば、階段の存在が分かった。
上記の蓄光顔料の量を調べた時に用いたものは、ZnS・Cu系のもので、8時間以上通常に地下街程度の明るさの蛍光灯の光を照射したもので行なった。
上記の蓄光顔料の量を調べた時に用いたものは、ZnS・Cu系のもので、8時間以上通常に地下街程度の明るさの蛍光灯の光を照射したもので行なった。
本発明方法には、次のような大きな利点がある。
(1) 既設の地下街や地下鉄ホーム等に簡単に施工できる。
(2) 蓄光顔料が凹部に塗布されているため、人間の靴やその他のもので削り取られることがほとんどない。よって、非常に長期間保持できる。
(3) 型部材を用いて種々の形状にブラストする方法では、簡単で分かりやすい塗装が可能となる。
(1) 既設の地下街や地下鉄ホーム等に簡単に施工できる。
(2) 蓄光顔料が凹部に塗布されているため、人間の靴やその他のもので削り取られることがほとんどない。よって、非常に長期間保持できる。
(3) 型部材を用いて種々の形状にブラストする方法では、簡単で分かりやすい塗装が可能となる。
以下好適な実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
図1は、テラゾー路面1に、発泡ポリエチレン製の型部材2(厚みが2mm)を載置したところを示す。この状態でサンドブラスト3し、型部材以外の部分を研削する(図2)。図3は、サンドブラストが終わり、型部材はそのまま置いたところを示す。
図4は、この研削によって生じた溝部4に樹脂(下地調整や接着剤として)5を塗布したところである。型部材で他の部分はカバーしているため、噴霧方式でも可能である。図5は、その樹脂5の上に蓄光顔料(ここでは粒体)6を散布したところを示す。
図6は、図5の状態で透明のトップコート樹脂7を塗布し、その後型部材を除去したところである。これで完成である。
この状態では、蓄光顔料等は溝4の中にあり、足その他で除去、摩滅することはほとんどない。
この状態では、蓄光顔料等は溝4の中にあり、足その他で除去、摩滅することはほとんどない。
1 テラゾー路面
2 型部材
3 サンドブラスト
4 溝部
5 樹脂
6 蓄光顔料
7 トップコート
2 型部材
3 サンドブラスト
4 溝部
5 樹脂
6 蓄光顔料
7 トップコート
Claims (6)
- 既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に蓄光顔料と樹脂を塗布することを特徴とする舗道の処理方法。
- 蓄光顔料と樹脂は、混合物として塗布するものである請求項1記載の舗道の処理方法。
- 蓄光顔料と樹脂の塗布は、最初に樹脂を塗布し、その上に蓄光顔料を散布し、更にその上からトップコートするものである請求項1記載の舗道の処理方法。
- 該研削は、ブラスト処理又はカッターによって設けたものである請求項1〜3記載の舗道の処理方法。
- 該ブラスト処理は、硬質舗道面に型部材を置いた後ブラスト処理することによって、単なる直線状や種々の形状に溝部を形成するものである請求項4記載の舗道の処理方法。
- 既設の硬質舗道を研削することによって溝部を設け、該溝部に樹脂を塗布した後、蓄光顔料含有樹脂成型体を溝部内に固着することを特徴とする舗道の処理方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9637869B1 (en) | 2012-06-01 | 2017-05-02 | Ronald A. Hutcheson | Method for facilitating detecting and tracking movement across an area |
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-
2006
- 2006-07-11 JP JP2006190495A patent/JP2008019575A/ja active Pending
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