JP2008017954A - 骨切りワイヤおよびそれに用いるワイヤガイドチューブ - Google Patents

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博之 塩田
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Abstract

【課題】切削性が向上し、切削粉が飛び散りにくい骨切りワイヤを提供する。
【解決手段】複数本の金属素線21、22を撚り合わせた心ストランド11と、その心ストランド11の外周に撚り合わされた複数本の側ストランド12、13とを備えた骨切りワイヤ10。複数本の側ストランド12、13は複数本の金属素線23、24を撚り合わせたものである。大径の側ストランド12と小径の側ストランド13とが交互に配列されている。側ストランド12、13は心ストランド11に対し、ラング撚りで、かつ撚り角が30度以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は骨切りワイヤ、とくに医療用の骨切りワイヤおよびその骨切りワイヤに用いるワイヤガイドチューブに関する。
特開2006−20824号公報 特開2002−282263号公報 登録実用新案第3018201号公報
特許文献1の段落[0003]には、皮膚や筋肉などの軟組織を切削するワイヤメスとして、「複数のワイヤ線を密に撚り合わせた撚り線状のワイヤメス」が開示されている。
特許文献2の段落[0014]は、骨形成的椎弓切除術用の骨切りワイヤとして「ステンレススチールのフィラメントをより合わせた縒り糸状」のものが開示されている。ただし素線の径や本数、撚り形状などの具体的な構成は明示されていない。また、その縒り糸状の骨切りワイヤの先端に球形の先端金具をカシメ加工すること、骨切りワイヤを案内するガイドパイプも開示されている。
特許文献3の段落[0009]には、鋸刃となるワイヤとして、「編線」があげられており、さらに「表面を粗くした単線」、「撚線」があげられている。ここでいう「編線」の意味は不明であり、撚り線についても具体的な構成は記載されていない。他方、径0.2mmのステンレススチールを7本撚り合わせ、得られたストランドを7本撚り合わせて構成した、7×7タイプの外径0.55mmの骨切りワイヤが実用化されている。
従来の7×7タイプの撚り線からなる骨切りワイヤは、切削性が不充分であり、とくに頸椎弓の手術のように、硬い骨を複雑な経路に沿って切断することが困難である。さらに骨切りワイヤは、骨の種類、個所に応じて種々の柔軟性や切削性のものを用意することが望ましいが、通常の撚り線では凹凸形状が定まっており、望ましい凹凸形状にすること、とくに長手方向に大きい凹凸を形成することができない。
本発明はこれらの従来品に比して、切削性および柔軟性が向上した骨切りワイヤを提供すること、とくに長手方向の凹凸形状を所望の形状にしやすく、とくに大きい凹凸形状とすることができる骨切りワイヤを提供することを技術課題としている。
また、前記従来のワイヤメスや骨切りワイヤ、あるいはダイヤモンド粉末を表面に固定した骨切りワイヤは、骨の切削粉やダイヤモンドの粉末が体内に飛散しやすいという問題がある。とくにダイヤモンドの場合、切削時に骨に引っ掛かるという問題もある。本発明は、骨やダイヤモンドなどの粉末が散らばりにくく、骨に引っ掛かりにくい骨切りワイヤを提供することを第3の技術課題としている。
さらに従来品のガイドパイプは金属製であり、硬く曲がりにくいため、挿入時に生体組織、とくに神経を傷つける可能性がある。本発明は安全に容易に挿入できるワイヤガイドチューブを提供することを第4の技術課題としている。
本発明の骨切りワイヤ(請求項1)は、複数本の金属素線を撚り合わせた心ストランドと、その心ストランドの外周に撚り合わされた複数本の側ストランドとを備えており、前記複数本の側ストランドのうち、少なくとも1本の側ストランドが、複数本の金属素線を撚り合わせたものであり、その金属素線を撚り合わせた側ストランドがラング撚りで、かつ撚り角が30度以上であることを特徴としている。
このような骨切りワイヤにおいては、前記複数本の側ストランドのうち、少なくとも1本の側ストランドの外径が隣接する側ストランドの外径と異なるものが好ましい(請求項2)。また、前記側ストランドのうち、少なくとも1本が単線であり、かつ、その外径が隣接する側ストランドの外径よりも小さいものが好ましい(請求項3)。さらに前記単線のうち、少なくとも1本が断面多角形であるものが好ましい(請求項4)。また、前記側ストランドの少なくとも一部の表面粗さがRaの0.1〜40μmであるものが好ましい(請求項5)。
本発明のワイヤガイドチューブ(請求項6)は、前記いずれかの骨切りワイヤをガイドするためのワイヤガイドチューブであって、先端部が手元部に比して柔軟であり、手元部の端部に骨切りワイヤの挿入口となるガイド部品が設けられていることを特徴としている。
このようなワイヤガイドチューブにおいては、先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲しているものが好ましい(請求項7)。その場合、前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられているものが好ましい(請求項8)。また、前記手元部に細線からなる補強層が設けられているワイヤガイドチューブが一層好ましい(請求項9)。
本発明の骨切りワイヤ・チューブセット(請求項10)は、前記いずれかの骨切りワイヤと、その骨切りワイヤをガイドする前記いずれかのワイヤガイドチューブとからなることを特徴としている。
本発明の骨切りワイヤ(請求項1)は、前記金属素線を撚り合わせた側ストランドがラング撚り(心ストランドに対する側ストランドの巻付け方向を、側ストランドの撚り方向をと同方向にする撚り方)で、かつ撚り角が30度以上であるので、側ストランドの金属素線が骨切りワイヤの中心線に対して大きい角度になる。そのため、骨に対して大きい切削力を発揮し、切削効率が高い。
このような骨切りワイヤにおいて、前記複数本の側ストランドのうち、少なくとも1本の側ストランドの外径が隣接する側ストランドの外径と異なる場合(請求項2)は、螺旋状の突条あるいは凹溝が形成されるので、切削効率が一層高い。すなわち1本の側ストランドの外径が隣接する側ストランドの外径より大きい場合は、螺旋状の突条が形成されることになる。そのため長手方向に見たとき、側ストランドの撚りピッチ毎に、側ストランドの段差分だけ突出することになる。したがって骨切りワイヤを骨に当てて往復させるとき、骨に当たっている部位のうち、突出部分が骨を強く切削するので、切削効率が高い。
他方、1本の側ストランドが隣接する側ストランドよりも径が小さい場合は、凹溝が螺旋状に形成されることになる。この場合も長さ方向にへこんでいる部位が撚りピッチごとに現れ、切削効率が高くなる。また、隣接する側ストランドとの径の差を選択することにより、突出あるいはへこみの段差を任意に設定することができ、径が異なる側ストランドの本数を選択することにより、突出ないしへこむ部位のピッチを自由に設定することができる。それにより施術者の細かな要望に応じた切削特性の骨切りワイヤを製造することができる。
前記側ストランドのうち、少なくとも1本が単線であり、かつ、その外径が隣接する側ストランドの外径よりも小さい場合(請求項3)は、単線の側ストランドにより、骨切りワイヤ全体の強度および剛性が高くなる。そのため、耐久性が高く、施術中に折損する事故が少ない。しかも単線のストランドの外径は撚り線の側ストランドよりも小径であるので、撚り線の側ストランドの切削の邪魔にならず、切削効率が低下しない。
前記単線のうち、少なくとも1本が断面多角形である場合(請求項4)は撚り角が大きいにも関わらず、撚りがほどけにくい。また単線の角部で骨を切削することもできる。さらに前記側ストランドの少なくとも一部の表面粗さがRaの0.1〜40μmである場合(請求項5)は、骨を効率よく切削することができる。
本発明のワイヤガイドチューブ(請求項6)は、先端部が柔軟であるので、骨に沿わせ易く、また、骨の近傍にある神経に接触しても、神経を傷つけることがないため、手技の安全性が向上する。また、手元部が先端部より硬いため、ガイド性が高く、また骨切りワイヤを挿入した場合でも形状保持性に優れている。また、手元部の剛性が高いため、操作性にも優れている。さらに手元部にガイド部品を設けているので、骨切りワイヤの挿入が容易である。
先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲しているワイヤガイドチューブは、体内の奥深い位置にある骨に対し、神経などを避けながら骨切りワイヤを容易に沿わすことができる(請求項7)。また、前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられている場合(請求項8)は、生体外からワイヤガイドチューブの屈曲ないし湾曲の向きが分かる。そのため、骨切りワイヤの挿入方向をコントロールしやすい。さらに手元部に細線からなる補強層が設けられているワイヤガイドチューブは、手元部のガイド性が高い(請求項9)。
本発明の骨切りワイヤ・チューブセット(請求項10)は、前述の骨切りワイヤとワイヤガイドチューブを組み合わせているので、両方の作用効果を奏することができる。
つぎに図面を参照しながら本発明の骨切りワイヤの実施の形態を説明する。図1は本発明の骨切りワイヤの一実施形態を示す断面図、図2はその骨切りワイヤの要部側面図、図3は本発明の骨切りワイヤの他の実施形態を示す断面図、図4はその骨切りワイヤの要部側面図、図5および図6はそれぞれ本発明の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図、図7は本発明のワイヤガイドチューブの一実施形態を示す側面図、図8aおよび図8bはそれぞれ図5のA-A線断面図およびB-B線断面図、図9は本発明のワイヤガイドチューブの他の実施形態を示す側面図、図10は図9のX-X線断面図、図11は本発明の骨切りワイヤをワイヤガイドチューブと共に使用して、骨の周囲へ骨切りワイヤを配置する方法を示す工程図、図12は比較例の骨切りワイヤの側面図、図13は本発明の骨切りワイヤの切削性を測定する装置の概略側面図、図14は切削試験の結果を示すグラフである。
図1に示す骨切りワイヤ10は、1本の心ストランド11と、その外周に撚り合わせた6本の側ストランド12、13とを備えている。心ストランド11および側ストランド12、13は、それぞれ複数本の金属素線を撚り合わせた撚り線としている。さらに側ストランド12、13としては、径が大きい大径の側ストランド12と、径が小さい小径の側ストランド13とを交互に配列している。ただし1〜2本の側ストランド12のみを大径としてもよく、1〜2本の側ストランド12のみを小径とすることもできる。それにより隣接する側ストランド12、13同士の径が異なっている。
この実施形態では、心ストランド11として、1本の細い金属素線21の周囲に6本の金属素線22を撚り合わせたストランドを用いている。側ストランド12、13についても、1本の金属素線23の周囲に6本の金属素線24を撚り合わせたものを用いている。すなわち、骨切りワイヤ10は、全体として、いわゆる7×7の撚り線としている。このように細い金属素線21、22を撚り合わせた心ストランド11は、可撓性ないし柔軟性が高い。また、細い金属素線23、24を撚り合わせた側スランド12、13についても、可撓性および柔軟性が高い。そのため、骨の周囲に掛け渡して骨を切る操作が容易である。
心ストランド11を構成する金属素線21、22および側ストランド12、13を構成する金属素線23、24は、強度が高く、可撓性を有するものが用いられ、とくに硬鋼線、ピアノ線、ステンレス線などがもちいられる。心ストランド11の全体の径は、0.1〜1mm程度、とくに0.2〜0.6mm程度が好ましい。そして心ストランド11を構成する金属素線21、22の径は、0.05〜0.1mm程度、とくに0.06〜0.08mm程度が好ましい。側ストランド12、13の撚り角(図2の符号θ)は心ストランド11に対し、30°以上であり、とくに30〜40°程度が好ましく、ラング撚りとしている。
他方、側ストランド12、13の径は、それぞれ心ストランド11の径とほぼ同一であるが、大径の側ストランド12の径は小径の側ストランド13の径より0.01〜0.1mm程度、好ましくは0.01〜0.05mm程度大きい。それにより骨切りワイヤ10には段差0.01〜0.1mm、好ましくは0.01〜0.05mmの凹凸が形成される。このような側ストランド12、13同士の径の差は、側ストランド12、13を構成する金属素線23、24として、異なる径のものを用いることにより得られる。
図2の骨切りワイヤ10では、側ストランド12、13の心ストランド11に対する撚り角θ(側ストランド13の金属素線24の中心線Cに対する角度)を30度以上としている。そのため、段差の傾斜角度が強く、切削効率が高い。なお、一般的な撚り線の場合、撚り角θは撚りがほどけにくいように、安息角の近辺である15〜25°程度である。しかし図2の骨切りワイヤ10は通常の撚り角よりも5〜15°大きくしている。このような側ストランド12、13の撚り角は、30°以上であればよいが、好ましくは35°以上である。それにより一層切削効率が高くなる。側ストランド12、13の撚り角θの上限は45°、好ましくは40°とする。撚りのピッチPは2〜6mm程度とするのが好ましい。
さらに図2の骨切りワイヤ10では、心ストランド11に対する側ストランド12、13の巻付け方向を、側ストランド12、13の撚り方向と同方向にするラング撚りを採用している。このため、金属素線24は、切削しようとする骨に対し、大きい角度で当たることになり、当たる力の軸方向の分力が大きくなり、横向きの分力が小さくなる。したがって切削効率が一層高くなる。
さらに図2の骨切りワイヤ10では、前記のように大径の側ストランド12と小径の側ストランド13を採用し、それらを交互に配列して心ストランド11の外周に撚り合わせている。そのため、図2に示すように、各ストランド12、13が螺旋状に配列されることにより、長手方向に凹凸が交互にできる。たとえば、図2の下端でみれば、大径の側ストランド12が現れている範囲Tが突出している部位で、小径の側ストランド13が現れている範囲Hがへこんでいる部位である。そしてこのように長手方向に段差Dの凹凸ができるため、たとえば骨切りワイヤ10の下端側を骨に当てて往復させると、凹凸が交互に骨に当たることになり、切削されることになる。そしてこの凹凸の段差Dは、金属素線が配列されることに基づく凹凸よりはるかに大きく、凹凸のピッチも大きい。
図2の骨切りワイヤ10では、大径の側ストランド12が下端から外れて小径の側ストランド13に代わるので、つぎの大径の側ストランド12が下端に来るまで段差の凹の範囲が連続する。そのため、切削効率が高い。さらにこの骨切りワイヤ10では、側ストランド12、13の表面全体にサンドブラストあるいはショットピーニングなどの表面を粗くする処理を施して、表面粗さをRaの0.1〜40μmとしている。それにより切削効率がさらに向上する。なお、側ストランド12、13を心線11に撚り合わせてた後、表面を粗くする処理を施してもよい。
図3および図4に示す骨切りワイヤ26、図1および図2の骨切りワイヤ10の小径の側ストランド13を単線の側ストランド27に置き換えたものである。すなわち、大径の撚り線の側ストランド12と小径の単線の側ストランド27は、交互に配列されており、この実施形態では3本ずつ採用している。単線の側ストランド27の材質は前述の金属素線21、22、23、24と同一のものを採用しうる。ただし他の材質のものを採用することもできる。単線の側ストランド27は、断面多角形、とくに三角形にすることにより、さらに切削効率が向上する。この場合、断面多角形の単線の側ストランド27を撚り方向と同方向あるいは逆方向に捻りながら螺旋巻きしてもよく、捻らずに螺旋巻きしてもよい。
このように構成される骨切りワイヤ26は、図1〜図2の骨切りワイヤ10より可撓性や柔軟性が低い半面、強度および剛性が高い。そのため、とくに硬い骨に対して用いても耐久性が高い。また、硬い骨の場合は、比較的径が大きいので、湾曲させた状態の曲率半径も大きい。そのため、可撓性が低いことは大きい問題にならない。また、切削性については、図1および図2の骨切りワイヤ10の場合でも、主として大径の側ストランド12が担っているので、この骨切りワイヤ26もほぼ同等の切削効率が得られる。なお、単線とすることにより、径を一層細くすることができ、その場合は長手方向の段差Dを一層大きくすることができる。
撚り線の側ストランド12をラング撚りとすること、および撚り角を30度以上、好ましくは35度以上にする点についても、図1〜2の骨切りワイヤ10と同様であり、同一の作用効果を奏する。また、撚り線の側ストランド12および単線の側ストランド27の表面粗さを粗くする処理を行うほうが好ましい点についても、図1〜2の骨切りワイヤ10と同様である。
前述のように構成される図1の骨切りワイヤ10および図3の骨切りワイヤ2は、骨に切れ目を入れたり切断したりするのに用い、その目的に合わせて長さを選択する。通常は600〜800mm程度である。以下の説明では図1の骨切りワイヤ10について説明するが、図3の骨切りワイヤ26についても同様である。
骨切りワイヤ10は、たとえば図5に示すように、骨30の周囲に掛け回し、プーリ31、32で操作しやすい方向に方向転換して、両端を交互に引き操作する。それにより骨30に骨切りワイヤ10の表面の凹凸が交互に当たり、鋸で引くようにして骨30に次第に食い込んでいく。それにより、骨30に所定の深さの切り込みを設けたり、切断したりすることができる。また、ダイヤモンド粒子を用いていないため、切削時の引っ掛かりがなく、ダイヤモンド粒子が体内に飛散しない。
つぎに図7〜10を参照して前述の骨切りワイヤ10、26を骨の近辺までガイドするワイヤガイドチューブの実施形態を説明する。図7に示すワイヤガイドチューブ35は、柔軟な先端部(ソフトチップ)36と、可撓性を有する手元部(本体)37と、その手元部37の端部に設けたガイド部品38とからなる。
先端部36は図8aに示すように、軟質の合成樹脂によって構成される柔軟な筒状の部材である。先端部を柔軟にするのは、生体内に挿入するときに生体を傷つけないようにするためである。合成樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、およびそれらのエラストマーが用いられる。とくにポリアミドエラストマーが柔軟性および強度が高いため好ましい。二重ないしそれ以上の多層構造にして、内面側にフッ素系樹脂などをの摺動抵抗が低い材料を用い、外面側にポリアミド(PA)などの柔軟性が高い材料を用いるようにしてもよい。先端部36の長さL1は、通常は0.5〜5mmであり、1mm程度が好ましい。
手元部37は図8bに示すように、内層チューブ39と、その周囲に設けた編組層40と、その編組層40を被覆する被覆層41とからなる。被覆層41は編組層40の隙間に充填されている。内層チューブ39はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロ(エチレン、プロピレン)・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの摺動抵抗が低く、耐摩耗性が高いフッ素系樹脂が好ましい。内層チューブ39の内面には骨切りワイヤの編組層が摺接するからである。手元部37は先端部に比べると剛性が高いが、ある程度可撓性を備えており、弾力性を有する。生体内に挿入するとき、骨の周囲で進行方向を変える場合があるためである。
編組層40は、金属素線42を編組した層である。金属素線42の材質は心ストランド11の金属素線21、22と同一のものでもよく、材質を変えてもよい。その金属素線42の径は、たとえば0.02〜0.3mm程度、より好ましくは、0.04〜0.06mm程度である。0.02mm未満とすると強度が弱くなり、0.3mmを超えると柔軟性が低くなり、編組加工しにくくなる。なお、強度が高い合成樹脂からなる樹脂素線を採用してもよい。
被覆層41は編組層40が生体組織に直接接触しないように保護するものであり、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PUR)などの合成樹脂が採用される。手元部37の長さは切断しようとする骨の位置、深さによって定めるが、通常は100〜300mm程度であり、200mm程度が好ましい。
このようなワイヤガイドチューブ35は、たとえば長尺状に形成した手元部37を適切な長さに切断し、その一端に先端部36を射出成形し、同時に、あるいは別個に他端にガイド部品38を射出成形することにより製造することができる。なお、3個の部品でそれぞれ別個に製造し、接合して一体にしてもよい。
上記のように構成されるワイヤガイドチューブ35は、中心の空洞43に骨切りワイヤを収容した状態で、またはワイヤガイドチューブ35のみで生体内に挿入することにより、骨切りワイヤの先端部が切断しようとする骨の近辺に来るようにする。その後はワイヤガイドチューブ35を生体から抜き取り、骨切りワイヤを骨の周囲に掛け回し、図5あるいは図6に示すように、骨切りワイヤを交互に引いて骨を切断したり、骨に切れ目を入れたりする。
図9に示すワイヤガイドチューブ44は、先端から20〜150mm程度の位置でL字状に屈曲した形態を備えている。屈曲部45は手元部37にあり、骨切りワイヤを通しやすくするため、いくらか丸くしている。ループ状に湾曲させてもよい(図11参照)。さらに図10に示すように、このワイヤガイドチューブ44のガイド部品38には、屈曲方向に向けて突起46が設けられている。それによりワイヤガイドチューブ44を生体内に挿入したとき、外部から屈曲方向が分かる。屈曲方向が分かる目印となるものであれば、突起46に代えてマークを付したり、凹部を形成してもよい。
つぎに図11を参照して身体の内部にある骨30の周囲に前述の骨切りワイヤ10、20、20a、24を掛け回す方法を説明する。始めに先端近辺で屈曲ないし湾曲したワイヤガイドチューブ47と、その内部に挿入するスタイレット(芯金)48とを準備する。そしてワイヤガイドチューブ47にスタイレット48を挿入すると、ワイヤガイドチューブ47の湾曲部49が真っ直ぐに延ばされる(図11の第1工程S1)。この状態でワイヤガイドチューブ47の先端を骨30の側面まで挿入する。
そしてスタイレット48を徐々に抜き取りながら、ワイヤガイドチューブ47を挿入していく。それによりワイヤガイドチューブ47の湾曲部49が次第にもとの湾曲形状に戻りながら、骨30の周囲に沿って進行する。したがってワイヤガイドチューブ47を、その先端近辺が骨30の周囲に半円状に巻くように配置することができる(第2工程S2)。
ついでワイヤガイドチューブ47をその状態のまま残して、スタイレット48をワイヤガイドチューブ47から抜き取る。ついでワイヤガイドチューブ47に前述の骨切りワイヤ10などを挿入する(第3工程S3)。骨切りワイヤ10は湾曲したワイヤガイドチューブ47にガイドされながら骨30を回り込んで進行する。そして骨切りワイヤ10の先端はワイヤガイドチューブ47の先端から突出させてもよい。
ついで骨切りワイヤ10をその状態に残して、ワイヤガイドチューブ47のみを抜き取ると、骨30の周囲に骨切りワイヤ10が掛け回された状態で残る(第4工程S4)。その後は図5などの方法で骨切りワイヤ10の両端を交互に引いて骨30に切り込みを入れたり、切断したりすることができる。
上記のように、先端近辺がループ状に湾曲しているワイヤガイドチューブ47と、進直なスタイレット48とを組み合わせ、スタイレット48をワイヤガイドチューブ47に挿入したり抜いたりすることにより、ワイヤガイドチューブ47の先端部の形状を遠隔操作で直線状からループ状に、あるいはループ状から直線状に変形させることができる。したがってワイヤガイドチューブ47を骨の周囲に沿って挿入していくことができ、骨の周囲の神経を傷つけない。
つぎに実施例および比較例を挙げて本発明の骨切りワイヤの効果を説明する。 [実施例1]それぞれ外径0.06〜0.08mmのSUS304製の断面円形の素線7本を撚り合わせて外径0.19mmの心ストランドおよび側ストランドとした。心ストランドの周囲に6本の側ストランドをラング撚りで、撚り角38度、ピッチ4.0mmで撚り合わせ、図1〜2に示す形態の実施例1の骨切りワイヤを製造した。骨切りワイヤの外径は0.57mmであった。
[実施例2]実施例1における外径0.19mmの側ストランド3本と、外径0.15mmの SUS304製の単線からなる側ストランド3本を交互に配置して全体で6本の側ストランドとしたほかは、実施例1と同様にして実施例2の骨切りワイヤとした。
[比較例1]それぞれ外径0.07mmのSUS304製の断面円形の素線7本を撚り合わせて心ストランドおよび側ストランドとした。心ストランドの周囲に6本の側ストランドを普通撚りで、撚り角25度、ピッチ4.0mmで撚り合わせ、図12に示す比較例1の骨切りワイヤとした。外径は0.64mmであった。
[切削度合い測定]
図13に示すように、厚さ9.5mmの市販の石膏ボード51に、一端に80gの錘52を取り付けた切削有効部の長さ200mmの実施例1、2および比較例1の骨切りワイヤを掛けて、他端を矢印J方向に引っ張り、ついで引く力を緩めることにより、錘61を上下に往復操作し、これを10回繰り返したときの石膏ボード51の切り込み深さDpを測定した。なお、矢印J方向に引っ張るときのみ切削し、戻り時は切削していなかった。
[測定結果]表1および図14に切削度合いの測定結果を示す。
Figure 2008017954
上記の実験より、実施例1、2の骨切りワイヤは比較例1に比して約1.3倍程度の切削深さとなり、切削度合いが高い。
本発明の骨切りワイヤの一実施形態を示す断面図である。 図1の骨切りワイヤの要部側面図である。 本発明の骨切りワイヤの他の実施形態を示す断面図である。 その骨切りワイヤの要部側面図である。 本発明の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図である。 本発明の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図である。 本発明の骨切りワイヤと共に用いるワイヤガイドチューブの一実施形態を示す側面図である。 図8aおよび図8bはそれぞれ図7のA-A線断面図およびB-B線断面図 本発明のワイヤガイドチューブの他の実施形態を示す側面図である。 図9のX-X線断面図である。 本発明の骨切りワイヤをワイヤガイドチューブと共に使用して、骨の周囲へ骨切りワイヤを配置する方法を示す工程図である。 比較例1の骨切りワイヤの側面図である。 本発明の骨切りワイヤの切削性を測定する装置の概略側面図である。 切削試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
10 骨切りワイヤ
11 心ストランド
12 大径の側ストランド
13 小径の側ストランド
14 先端部材
21、22 金属素線(心ストランド)
23、24 金属素線(側ストランド)
16 金属素線(側線)
θ 撚り角
P ピッチ
T 突出している部位
H へこんでいる部位
D 段差
C 中心線
17 金属素線
26 骨切りワイヤ
27 単線の側ストランド
30 骨
31、32 プーリ
33 頸骨
34 頸椎
35 ワイヤガイドチューブ
36 先端部(ソフトチップ)
37 手元部
38 ガイド部品
39 内層チューブ
40 編組層
41 被覆層
42 金属素線
43 空洞
44 ワイヤガイドチューブ
45 屈曲部
46 突起
47 ワイヤガイドチューブ
48 スタイレット
49 湾曲部
51 石膏ボード
52 錘

Claims (10)

  1. 複数本の金属素線を撚り合わせた心ストランドと、
    その心ストランドの外周に撚り合わされた複数本の側ストランドとを備えており、
    前記複数本の側ストランドのうち、少なくとも1本の側ストランドが、複数本の金属素線を撚り合わせたものであり、
    その金属素線を撚り合わせた側ストランドがラング撚りで、かつ撚り角が30度以上である骨切りワイヤ。
  2. 前記複数本の側ストランドのうち、少なくとも1本の側ストランドの外径が隣接する側ストランドの外径と異なる請求項1記載の骨切りワイヤ。
  3. 前記側ストランドのうち、少なくとも1本が単線であり、かつ、その外径が隣接する側ストランドの外径よりも小さい請求項1記載の骨切りワイヤ。
  4. 前記単線のうち、少なくとも1本が断面多角形である請求項3記載の骨切りワイヤ。
  5. 前記側ストランドの少なくとも一部の表面粗さがRaの0.1〜40μmである請求項1記載の骨切りワイヤ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の骨切りワイヤをガイドするためのワイヤガイドチューブであって、
    先端部が手元部に比して柔軟であり、手元部の端部に骨切りワイヤの挿入口となるガイド部品が設けられているワイヤガイドチューブ。
  7. 先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲している請求項6記載のワイヤガイドチューブ。
  8. 前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられている請求項7記載のワイヤガイドチューブ。
  9. 前記手元部に細線からなる補強層が設けられている請求項6記載のワイヤガイドチューブ。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の骨切りワイヤと、その骨切りワイヤをガイドする請求項6〜9のいずれかに記載のワイヤガイドチューブとからなる骨切りワイヤ・チューブセット。

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