JP2008017315A - 無線ブリッジ通信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各無線機は送信元ホストから送信先ホストへの接続要請があった時、送信元IPアドレス/MACアドレス/送信先IPアドレスを自己のローカルアドレステーブルに記録し、送信先ホストのステートを一旦「サーチ」として記録。送信元ホストが自己のLANに属する時はホストのステートを「ローカル」に設定し、属していない場合は「エアー」に設定する。送信先ホストにARPリクエストをブロードキャストし、送信先ホストからのARPレスポンスを受け、当該ホストのMACアドレスとステートを取得すると共に、当該MACアドレスの転送ルートに対する無線アドレスがあれば、取得したMACアドレスと保持時間と共に再記録。ARPリクエストに対して所定時間応答がない時、相手先ホストのステートを「サスペンド」に変更して所定の保持時間を付加してローカルテーブルに記録。
【選択図】図1
Description
ここで、例えば、あるローカルエリアネットワーク(以下、LANという)を複数の領域、例えば、工場や倉庫、又は、ある建物の特定の階にある管理部等に分割し、その分割された領域毎に有線対応端末装置(以下、ホストと呼ぶ)を配置した場合に、複数に分割されたネットの領域(以下、セグメントという)が回線で接続できないような場合、このセグメント間を無線機を中継器として接続可能な状態にすることが要請される。
このような形態をとることによって、分割した各領域(セグメント)に配置されているホスト間の距離が離れてしまったために有線での接続では通信が困難となってしまう場合であっても、ホスト間の通信を無線機によって容易に実行することができる。
また、上記のようにしてネットワークを複数の領域に分割した場合の無線機による通信にあっては、ユーザーの要求に応じて分割されたセグメント内外でホストを移動させて通信を行う状況も想定される。例えば、工場において製品を管理したり、商品を製造したりする場合には、ホストを台車に載せて移動させ、その上で異なる領域に属するホスト同士での通信が行われることもある。このような場合、ホストが接続されている領域ごと移動するため、有線で接続することによっての通信は困難ではあるが、無線機を用いた場合には支障なく通信を行うことができる。
また、TCP/IPによって構築されたデータの転送経路を指定するルータや、単なる中継機能を有しているブリッジは、通信プロトコルであるTCP/IPの下位層に位置するデータリンク層や物理層によって情報の転送が制御されるようになされている。
ローカルテーブルに記録される各ホストのアドレス情報と経路情報は、情報交換を行うホストの数が比較的少なく、かつ、ネット間で大きく変動しない場合は、LANを構築している管理者によって予め設定するスタティック方式がとられる。
また、ダイナミックな方式はデータを加工した特殊なパケットを流したりする必要があり、手続が比較的に面倒あると共に、一度取得したホストのアドレス情報や経路情報を常に保持することは、転送機器として負担になる。
1、又は2台以上の有線対応端末装置(ホスト)を構成要素とするローカルエリアネットワークを複数の領域(セグメント)に分割し、前記各セグメントに対して少なくも1台のローカルブリッジ(無線ブリッジ通信機)を接続し、前記複数の各セグメント間を前記無線ブリッジ通信機を介して相互に接続できるようにしたネットワークにおいて、
前記無線ブリッジ通信機は、ネットワーク内のホストから送信先のホストを指定して接続要請があったときは、接続要請をしている送信元ホストのIPアドレスとMACアドレス、及び、前記送信先ホストのIPアドレスを自己のローカルテーブルに記録し、以下のような手順が実行されるように構成されている。
(1)前記送信元ホストが自己のセグメントに属する時は、当該ホストのステートを「ローカル」に設定し、前記送信元ホストが前記無線ブリッジ通信機で接続された他のセグメントに属する場合は、当該ホストのステートを「エアー」に設定し、かつ目標とする送信先ホストのステートを一旦、「サーチ」に設定し、そのIPアドレスと共に所定の保持時間、前記ローカルテーブルに記録する。
(2)サーチ状態においては、前記無線ブリッジ通信機は前記送信先ホストに対するARPリクエストをブロードキャストとすることによって、送信先ホストからARPレスポンスが取得されたときは、送信先ホストのステートを「サーチ」から「ローカル」または「エアー」に変更し、MACアドレスと共に記録し、当該MACアドレスの転送ルートに無線ブリッジ通信機が介在しているときは当該無線ブリッジ通信機の無線アドレスも取得し、所定の保持時間と共にローカルテーブルに再記録する。
(3)前記(2)のARPリクエストに対して所定時間応答がないときは、目標とする相手先ホストのステートを「サスペンド」に変更して、サスペンド保持時間を付加してローカルテーブルに記録する。
このように、本願発明では、IPアドレス、サブネットマスク、無線周波数、ネット間を接続するブリッジ等の機器のアドレスを設定することによって、無手順で自立的に各ホストの交信経路を設定することができるという可能性を有するものである。
なお、上記において各ホストのステート(状態)を示す「ローカル(Local)」「エアー(Air)」「サスペンド(Suspend)」等は状態表示の一例を示したものであって、例えば「ローカル」を[LC]、「エアー」を[AR]、「サスペンド」を「SP」、「サーチ」を「SC」等のように他の状態表示記号や用語で記録しても良いことはいうまでもない。
また、各無線ブリッジ通信機が、すべて同一の端末経路情報を持つ必要がなく、無線通信装置にとって必要最低限な通信情報しか保持しないため、無線通信装置にとっては記憶容量が少なくて済むことになる。
即ち、第1有線接続セグメント101においては、ホスト11−1及びホスト11−4、さらに無線ブリッジ通信機として第1無線機21−1が接続されている。また、第2有線接続セグメント102においては上記とは異なるEthernet上にホスト11−2及び無線ブリッジ通信機として第2無線機21−2が接続されている。さらに、第3有線接続セグメント103においては、上記いずれの有線接続セグメントとも異なるEthernet上にホスト11−3及び無線ブリッジ通信機として第3無線機21−3が接続されている。
なお、2台の無線機21の間に介在するリピータ22(介在は2台でも良い)は、送受信された信号のやりとりのみを行う中継器の役割を果たす。
なお、同じ有線接続セグメント内の各ホスト11と無線機21は有線で接続され、無線機21(1〜3)同士、及び特定の無線機21とリピータ22間の通信は無線でやりとりされる。また、第1無線機21−1と第3無線機21−3の間はかなり離れているため、無線機21同士の間に1台のリピータ22を介して通信を行うようにしているが、介在するリピータの数は任意に設定することができる。
まず、無線アンテナ1は、各ホスト11(1〜4)から発信されたデータを外部に送信したり、他のホスト11が送信した外部からの信号を受信する。
ここで、無線アンテナ1が送受信する信号の周波数としては、例えばIEEE802.11a/b/g/等が利用され、14チャンネルが設定されることを想定している。
次に、無線通信部2は、CPU(Central Processing Unit )3の制御に応じて、所定のデータ通信方式により外部デバイスと通信を行うためのハードウェアを実装して構成される部位である。この無線通信部2が対応するデータ通信方式としては、種種の変調方式データを送出受信するものであり、対応するデータ通信方式の数は特に限定されるべきものでない。
また、RAM4(Random Access Memory)は、CPU3がプログラムに従った処理を実行するときの作業領域として使用されるもので、各種の演算処理結果などのデータが保持される。本実施の形態においては、このRAM4にMACアドレステーブルが記憶されることとなる。ROM(Read Only Memory)5は、CPU3が実行する各種プログラムのほか、CPU3が処理を実行するのに使用する各種設定情報などが記憶されている。
具体的には、まず、Ethernet上に接続されている各ホスト11から他の目標ホスト宛に信号が送信された場合、その信号はEthernetを通じてEthernetインターフェース部6に送信される。Ethernetインターフェース部6で処理可能な形式に変換された信号は、バス7を介して無線通信部2に送信される。無線通信部2では、受信した信号を最適なフォーマットに変換し、その後変換された信号は無線アンテナ1から他の無線機21宛に送信される。
一方、外部から入力された信号は、上記と逆のプロセスを辿ることとなる。即ち、他の目標ホスト11から送信された信号が、無線機21を経由して無線アンテナ1で受信されると、無線通信部2に伝達される。この無線通信部2でフォーマットされた信号は、バス7を介してEthernetインターフェース部6に送信され、さらにEthernetインターフェース部6で処理可能な形式に変換された信号はEthernetを介してホスト11に送信されることとなる。
MACアドレステーブル(a)〜(f)とは、各無線機21が内部に作成・保存して、一度取得したIPアドレスとMACアドレスの組み合わせを一時的に記憶し、次回以降はその保存したデータをもとに通信を効率良く行うことを目的としたものである。
このMACアドレステーブルにはEthernetに接続された各ホスト11のMACアドレス、IPアドレス、それらのホストに対するステート、無線アドレス、リピータアドレス、TTLなど、通信するためのデータに付属させるヘッダに関する情報が記載され、これらの情報に基づいて送信元ホスト11から目標となる送信先ホスト11に至る通信経路が保存・管理されることとなる。
なお、図3には本実施の形態である、主にホスト11−1とホスト11−3との間での通信を想定しているため、各無線機21のMACアドレステーブルにはホスト11−1及びホスト11−3についての情報しか記載していない。ただし、ホスト11−2についての情報も同様な手順で各無線機21に保存されることは言うまでもない。
また、IPアドレスとはネットワークに接続したホストを識別するために割り当てられている番号であり、よく知られているので詳細な説明を省略するが、ネット構築時に各端末装置であるホスト11や、無線機11等に異なるアドレス番号で付加されるものである。
本実施の形態においては、データ送信元ホストのMACアドレス、IPアドレス及び目標ホストのIPアドレスをもとに、データ送信先である目標ホストのMACアドレスを得ることを目的としている。さらに、各ホスト11に関するMACアドレス等の項目の情報が更新された場合には、その都度MACアドレステーブルの更新を行う。
まず、「SEARCH」とは、無線機21がプロミスカス受信(送信されてきたすべてのデータを取り込むこと)を行うことにより、送信元ホスト11が要求しているEthernet上のデータを取り込んで、送信先のホストを検索している状態であることを意味する。
即ち、まず目標ホスト11のアドレスがMACアドレステーブルに存在しない場合に、ステートを「SEARCH」としてMACアドレステーブルに登録し、送信先ホスト11の検索を行う。この検索結果により、送信先ホスト11のステートが、「SEARCH」から別のステートに変更される。
次に、「LOCAL」とは、上記「SEARCH」状態においてホストを検索した結果、宛先となるホスト11が送信元ホスト11と同じEthernet上の端末に接続された状態であることを意味する。
さらに、「AIR」とは、上記「SEARCH」状態において端末を検索した結果、目標ホスト11が送信元ホスト11と異なるEthernet上の端末に接続された状態であること、即ち本実施の形態においては目標となる送信先ホスト11が無線機を経由した端末に接続された状態であることを意味する。
例えば、本実施の形態に即して説明するなら、無線機21−1とホスト11−1は同じEthernet上に接続されており、ホスト11−1のMACアドレスが判明すれば、無線機21−1はホスト11−1についてのMACアドレステーブルのステートを「LOCAL」と登録する。一方無線機21−1とホスト11−3は異なるEthernet上に接続されているため、ホスト11−3のMACアドレスが判明すれば、無線機21−1はホスト11−3についてのMACアドレステーブルのステートを「AIR」と登録する。
最後に、「SUSPEND」とは、上記「SEARCH」状態において端末を検索した結果、目標ホスト11がみつからない場合の状態であることを意味する。この時、次に説明する「TTL」(Time to Live)となる時間を示し、「SUSPEND TTL」が設定され、この時間内では「SUSPEND」で登録されたホスト宛のデータは全て無視されることになる。
また、図3のMACアドレステーブルの右端に記載されている「TTL(Time To Live)」とは、各ホスト11についての情報がMACアドレステーブルに登録されている時間を意味する。即ち、通信の要求がないままあまりにも長い時間MACアドレステーブルにホスト11の情報を「LOCAL」「AIR」「SUSPEND」として登録し続けることは、通信経路に対して負荷が増えて通信が滞ってしまうということも考えられる。そのため、TTLを一定値に設定して、TTLの設定時間内に次の通信がなければ、MACアドレステーブルから各ホスト11についての登録されていた情報が破棄されるようにする。ただし、設定時間内に新たな通信要求があれば、TTLを再び初期値に戻すように設定されている。
本実施の形態では、通常のTTLの初期値を「120」として設定している。ここで、「通常のTTL」と記載したのは、他に「SUSPEND TTL」というもう一つのTTLも本実施の形態におけるMACアドレステーブルに登録される場合もあるからである。なお、通常のTTLとは異なり、「SUSPEND TTL」については初期値を「20」として設定するものとしている。
図5(a)に示す無線機フレームにはMACフレームが格納されており、無線機フレームのヘッダにはあて先無線アドレス及び送信元無線アドレスが格納されている。ここで、送信元無線アドレスとは送信元となる無線機21のアドレスであり、あて先無線アドレスとは送信元とは異なる他の無線機21又はリピータ22のアドレスを示している。
また、無線機21は、ブロードキャストによってあて先無線アドレスを送信する。本実施の形態では、各無線機21がARP_REQまたはARP_RESとして無線機フレームを送信する。(ARPはTCP/IP通信プロトコル群で使用されているAddress Resolution Protocor、REQは Requiest、RESはRespons)
次に、図5(b)は上記無線機フレームに格納されているMACフレームの内容を例示したものである。
MACフレームのヘッダにはあて先MACアドレス及び送信元MACアドレス、さらに、制御情報としては、例えばARPパケットが格納されている。ここで、送信元MACアドレスとは送信元となるホスト11のアドレスであり、あて先MACアドレスとは、データ通信の対象とされる目標の送信先ホスト11のアドレスのことである。
また、無線機21は、ブロードキャストであて先無線アドレスを送信する。一方、ARPパケットには、プロトコルの種類などの情報を示す制御情報、ARP_REQ又はARP_RESを示すコード、送信元MACアドレス、送信元IPアドレス、目標の送信先のMACアドレス、とIPアドレスが格納されている。なお、ホスト11からARP_REQまたはARP_RESではない単なるデータが送信された場合には、MACフレームにはARPパケットに代わりそのデータが格納されることとなる。
レピータは単なる信号の中継機であって、ブリッジ無線機として使用されている通信機も送受信機能を有しており、CPU3又はRAMを制御するプログラムを書き換えるだけでレピータとして使用できるようになる。
なお、この取得した情報は各ホスト11の記憶部にも、例えば、所定の時間保持(30分)されることによって、以降は再び相手先のMACアドレスを調べるプロトコルであるARP_REQを送信しなくても、相手にデータを送信することが可能とするものである。
なお、この利用態様についての説明は、図中において○印内に示す手順を示す番号に従って行う。
図1においてホスト11−3には既にMACアドレス(「CC:CC:CC:CC:CC」)が記載されているが、本実施の形態では、現段階ではまだホスト11−3のMACアドレスは判明していないものとする。
[手順1]
先ず、手順1として、ホスト11−1は自らが接続されているEthernet上にホスト11−3宛のデータを送信する。なお、ここでのデータについては、形式を問わないものとする。
ここで、第1無線機21−1はホスト11−1と同じセグメント内のEthernet上に接続されており、ホスト11−3宛のデータを最初に受信することになる。
具体的には、第1無線機21−1が受信したデータの中には、送信元であるホスト11−1のMACアドレス(「AA:AA:AA:AA:AA」)及びIPアドレス(「192.168.1.1」)、さらにあて先である目標ホスト11−3のIPアドレス「192.168.1.3」)が格納されているため、これらの情報に基づいて第1無線機21−1は図3(a)のMACテーブルの登録を行う。ただし、第1無線機21−1が受信したデータにはホスト11−3のMACアドレスが格納されていないため、ホスト11−3のMACアドレスは登録されない。
また、送信元ホスト11−1のMACアドレスが第1無線機21−1のMACアドレステーブルに登録されたことにより、ホスト11−1と第1無線機21−1は同じセグメント内の同じEthernet上に接続されていることが判明したため、第1無線機21−1はホスト11−1のステートを「LOCAL」としてMACアドレステーブルに登録する。一方、ホスト11−3に関してのMACアドレスは判明しておらず、現段階では第1無線機21−1とホスト11−3とは同じEthernet上に接続されているか無線機21を介して通信しなければならないのかわからないため、ステートについては「LOCAL」か「AIR」か判断できず、第1無線機21−2はステートを「SEARCH」としてMACアドレステーブルに登録する。
さらに、ホスト11−3のステートは「SEARCH」であり、第1無線機21−1からホスト11−3への経路が不明であるため、第1無線機21−1はMACアドレステーブルには、ホスト11−3に対する無線アドレス及びリピータアドレス情報は登録しない。
以上、手順(1)において第1無線機21−1内に登録されたMACアドレステーブルを図3(a)に示す。
なお、ホスト11−1からのデータはホスト11−4にも送信されるが、手順1のデータに対してホスト11−4のIPアドレスは要求されたIPアドレスと異なるため、最終的には応答しない。
続いて、第1無線機21−1がホスト11−1から送信されたデータを受信すると、手順2として第1無線機21−1は相手を特定しないブロードキャスト(Broadcast)方式で第1無線機21−1に接続されている無線アンテナ1からARP_REQを送信する。ここで、ARP_REQとはARP要求のことであって、このためにARP要求に応じた内容のARPパケットを格納したMACフレームを送信する。
ここで、ARP_REQとしては、MACフレームの先頭に、あて先無線アドレス、送信元無線アドレスをヘッダに格納した無線機フレームを想定している。
なお、この場合の送信元無線アドレスは第1無線機21−1の無線アドレスということになる。一方この時点ではあて先は特定されていないため、あて先無線アドレスについては不明である。
そして、ARPパケットには、プロトコルの種類などの情報を示す制御情報、ARP_REQを示すコード、送信元ホスト11−1のMACアドレス、送信元ホスト11−1のIPアドレス、目標ホスト11−3のIPアドレスが格納されている。ここで、目標ホスト11−3のMACアドレスについては、情報が無いままARPパケットの要求だけ格納されて送信される。
なお、本実施の形態では第1無線機21−1と第2無線機21−2は比較的近くに設置されているため、リピータ22を介在させずに無線同士でARP_REQの送受信をすることが可能である。一方、第1無線機21−1と第3無線機21−3はかなり離れて設置されているためARP_REQの送受信の際にはリピータ22を介在させている。
具体的には、第2無線機21−2が受信したARP_REQの中には、送信元ホスト11−1のMACアドレス(「AA:AA:AA:AA:AA」)及びIPアドレス(「192.168.1.1」)、さらに目標ホスト11−3のIPアドレス「192.168.1.3」)が格納されているため、第2無線機21−2はこれらの情報に基づいて図3(a)の場合と同様に図3(b)のMACテーブルの登録を行う。ただし、第2無線機21−2が受信したARP_REQにはホスト11−3のMACアドレスが格納されていないため、ホスト11−3のMACアドレスは登録しない。
また、ホスト11−1のMACアドレスが第2無線機21−2のMACアドレステーブルに登録されたことにより、ホスト11−1と第2無線機21−2は異なるセグメントに属していることが判明したため、第2無線機21−2はMACアドレステーブルについてホスト11−1のステートを「AIR」として登録する。一方、第2無線機21−2は、この段階ではホスト11−3が同じセグメントのEthernet上に接続された状態であるかどうかということが判断できないため、図3(b)のホスト11−3のステートを探索しているということを意味する「SEARCH」をMACアドレステーブルに登録する。
さらに、ホスト11−3のステートは「SEARCH」であり、第1無線機21−1からホスト11−3への経路が不明であるため、第2無線機21−2はホスト11−3の無線アドレス及びリピータアドレスは登録しない。
具体的には、第3無線機21−3が受信したARP_REQの中には、送信元ホスト11−1のMACアドレス(「AA:AA:AA:AA:AA」)及びIPアドレス(「192.168.1.1」)、さらに目標ホスト11−3のIPアドレス「192.168.1.3」)が格納されているため、これらの情報に基づいて図3(a)の場合と同様に図3(c)のMACテーブルの登録を行う。ただし、第3無線機21−3が受信したARP_REQにはホスト11−3のMACアドレスが格納されていないため、ホスト11−3のMACアドレスは登録しない。
また、ホスト11−1のMACアドレスが第3無線機21−3のMACアドレステーブルに登録されたことにより、ホスト11−1と第3無線機21−3は異なるセグメントに属していることが判明したため、第3無線機21−3はMACアドレステーブルについてホスト11−1のステートを「AIR」として登録する。一方、第3無線機21−3は、この段階ではホスト11−3を探索している状態であるため、第3無線機21−3はMACアドレステーブルについてホスト11−3のステートを「SEARCH」として登録する。
さらに、ホスト11−3のステートは「SEARCH」であり、第1無線機21−1からホスト11−3への経路が不明であるため、第3無線機21−3はホスト11−3の無線アドレス及びリピータアドレスは登録しない。
以上、手順(2)において第2無線機21−2及び第3無線機21−3内に登録されたMACアドレステーブルを図3(b)、(c)に示す。
手順3では、第2無線機21−2及び第3無線機21−3が第1無線機21−1から送信されたARP_REQを第2無線機21−2及び第3無線機21−3に付属されている無線アンテナ1で受信した後に、第2無線機21−2あるいは第3無線機21−3が接続されているEthernet上に、受信したARP_REQをそれぞれホスト11−2あるいはホスト11−3に向けて送信する。
ここで、第2無線機21−2がホスト11−2に向けて送信する無線機フレームとしてのARP_REQには、目標IPアドレスとしてホスト11−2のIPアドレスが格納されていないため、ホスト11−2はARP REQに応答せず、第2無線機21−2が送信するARP_REQにはホスト11−2に関するデータはない。
一方、第3無線機21−3がホスト11−3に向けて送信する無線機フレームとしてのARP_REQには、目標IPアドレスとしてホスト11−3のIPアドレスが格納されているため、第3無線機21−3が送信するARP_REQはホスト11−3に受信されることとなる。
なお、ホスト11−1を送信元として送信されたARP_REQをホスト11−3が受信したら、ホスト11−3はホスト11−1についてのMACアドレス、IPアドレスの情報を保存する。ただし、ホスト11−3は、第3無線機21−3とは異なり、MACアドレステーブルに記載されているステート、無線アドレス、リピータアドレス及びTTLについての情報は保存しない。
そして、ARP_REQを受信したホスト11−3は、自らが接続されているEthernet上にホスト11−1宛のARP_RESを送信する。このためにARP RESに応じた内容のARPパケットを格納した図5(b)のMACフレームを送信する。
即ちARP_RESには、ARP_REQについての情報が格納されているが、一方ではARP_REQについての情報は既に無線機21に登録が済んでいる状態である。よって、無線機21がARP_RESを受信した場合には、ARP_REQに格納されていなかった情報、あるいは受信したARP_REQから変更された情報についてのみ無線機21はMACアドレステーブルに登録し直せばよいということになる。
なお、この手続きは次の手順5においても同様である。
即ち、第2無線機21−2が接続されているEthernet上にホスト11−3が接続されていないということが判明したため、第2無線機21−2は送信先のホスト11−3についてMACアドレステーブルのステートを「SEARCH」から「SUSPEND」へと変更する。
また、これに伴い、第2無線機21−2は、ホスト11−3について新たにTTLを「SUSPEND TTL」として「20」に変更する。
なお、本実施の形態では、MACアドレステーブルに「SUSPEND」が登録された場合には、第2無線機21−2はこれ以降ホスト11−3宛のデータを送信しないこととする。
具体的には、第3無線機21−3が受信したARP_RESには、ARP_REQには格納されていなかったホスト11−3のMACアドレスが格納されている。そのため、第3無線機21−3は、手順2において未登録であったホスト11−3のMACアドレステーブルのMACアドレスの箇所を新たに「CC:CC:CC:CC:CC」と登録する。さらに、ホスト11−3のMACアドレスについての情報が得られたことにより、ホスト11−3は第3無線機21−3と同じセグメントに属しているということが判明したため、手順2において「SERCH」と登録されていたホスト11−3のMACアドレステーブルのステートの箇所を新たに「LOCAL」へと変更する。さらに、ステートが「LOCAL」へと変更されたことに伴い、第3無線機21−3は当該ホストのMACアドレステーブルのTTLを「120」と登録する。
一方ホスト11−1についての第3無線機21−3のMACアドレステーブルに関しては、TTLを「120」から新たに「×××」として変更しているが、この経緯については上記第2無線機21−2の場合と同様である。
第3無線機21−3に関しての手順2から手順4への変更点はTTLに関してのみである。
以上、手順(4)において第2無線機21−2及び第3無線機21−3内に登録されたMACアドレステーブルを図3(d)、(e)に示す。
さらに、ホスト11−3から送信されたARP_RESを第3無線機21−3が受信したら、今度はARP_REQを受信した時とは反対に、リピータ22を経由して第1無線機21−1宛にARP_RESを送信する。そして、第1無線機21−1がホスト11−3を送信元として送信されたARP_RESを受信したら、得られたデータに基づいてMACアドレステーブルの変更を行う。
即ち手順5としては、第1無線機21−1がARP_RESとしてARP_REQには格納されていなかった情報を受信すれば、第1無線機21−1は新たに受信した情報に基づいてMACアドレステーブルの情報を変更する。
具体的には、第1無線機21−1が受信したARP_RESには、ARP_REQには格納されていなかったホスト11−3のMACアドレス、第3無線機21−3の無線アドレス及びリピータ22のリピータアドレスが格納されている。そのため、第1無線機21−1は、手順2において未登録であったホスト11−3のMACアドレステーブルのMACアドレスの箇所を新たに「CC:CC:CC:CC:CC」へ、無線アドレスの箇所を新たに「003」へ、リピータアドレスの箇所を「004」へと変更する。
一方第1無線機21−1が保存しているホスト11−1についてのMACアドレステーブルに関しては、TTLが「120」から新たに「×××」に変更されているが、この経緯についても上記第2無線機21−2の場合と同様であり、ホスト11−1のステートが手順1から手順5に遷移する際に「LOCAL」のまま変化せず、120秒以内の一定時間が経過したという状態を示している。なお、第1無線機21−1に関しての手順5における手順1からの変更点はTTLに関してのみである。
以上、手順(5)において第1無線機21−1内に登録されたMACアドレステーブルを図3(f)に示す。
また、ARP_REQの送信元であるホスト11−1には目標ホスト11−3のIPアドレス及びMACアドレスが保存され、ARP_RESの送信元であるホスト11−3にもARP_REQの送信元ホスト11−1のIPアドレス及びMACアドレスが保存されることになり、これらの情報によってホスト11−1が再びARP_REQを送信することなしに、送信元ホスト11−1は目標ホスト11−3との間で直接データを送受信することが可能となる。
即ち、本実施の形態に即して説明するなら、最初に送信元ホスト11−1が送信先ホスト11−3のMACアドレスを調べるためにARP_REQを送信し、ホスト11−3からARP_RESが返信される。このARP_REQまたはARP_RESの送受信は無線機21を介して行われるが、無線機21には最終的に送信元ホスト11−1及び送信先(目標)ホスト11−3のIPアドレス、MACアドレス、さらに、他の無線機21の無線アドレスまたはリピータ22のリピータアドレスが保存されることになる。この手順により、無線機21は図3(f)に示すようなMACアドレステーブルを作成することができ、送信元ホスト11−1と目標ホスト11−3が同じEthernet上に接続されているのかどうかということ、さらに、異なる Ethernet上に接続されているとしたら、どの無線機やリピータを介して通信がやりとりされているのか、ということについての情報も得られることになる。
ここで、MACアドレステーブルにホストについてのTTLを設定して、一定時間だけ経路の情報を確保すること自体はこれまでも行われてきたことであるが、本実施の形態においては、TTLを「120(秒)」と短めに設定し、また目標ホストに対して通信要求があった時にARP_REQを送信するようにしている。このため、無線機21がいつまでもARP_REQを送信し続けたり、定期的にARP_REQを送信するといったような場合と比較して、余計なトラフィックを抑制することが可能となる。以上のことは、無線機21が移動することで、一度しか通信することが必要がない場合や、無線機21に対して一度しか通信の要求がなかったり、あるいは通信が複数回あったとしてもTTL=0となる前に目標ホスト11への通信要求が終了してしまう場合には特に有効である。
さらに、ホスト11ー3のステートが「SUSPEND」としてMACアドレステーブルに登録されているセグメントでは、目標となるホストが不明ということであるため、目標ホスト11−3へデータを送信しないこととなっている。
これらの情報及び設定状況により、本実施の形態では、通信経路全体へのトラフィックを抑制することが可能となる。
一般に、各ホスト11が他のホスト11についての情報を保存している期間(「TTL」)は例えば「30(分)」である一方で、各無線機21がMACアドレステーブルの情報を保存している期間(「TTL」)は「120(秒)」であるため、先に無線機21が持っているMACアドレステーブルのホスト11についてのTTL=0となると、無線機21はMACアドレステーブルに登録されたホスト11についての情報を破棄してしまう。
これによって、ホスト11−1からのARP_REQが無くても、目標ホストであるホスト11−3はホスト11−1からのデータを受信することが可能となる。つまり、送信元ホスト11−1から目標ホスト11−3に通信要求があった場合であっても、ホスト11の代わりに無線機21がARP_REQの送信元となり、必要に応じて通信経路を確保することができる。このような柔軟な設定によっても、本実施の形態では通信経路全体に対して余計なトラフィックを抑制することができる。
一方、本実施の形態においては、MACアドレステーブルは必要な場合にのみ通信を実行することによって作成され、各無線機21は目標ホスト11−3までの経路情報に関しては必要な情報だけを持つように設定されているため、全ての無線機21が同じMACアドレステーブルの情報を共有することは不要となる。また、MACアドレステーブルに保存されているホスト11についての情報が破棄されたとしても、上記のように無線機21自身が再びARP処理を実行することにより、経路情報を登録することが可能であるようにされている。さらに、ホスト11についての情報がMACアドレステーブルに「SUSPEND」として登録されている期間は、通信を遮断し、その後データを破棄するというようにされている。このように設定されることで、本実施の形態において、仮に無線機21に設けられているチャネル数が多いといった場合であっても、通信経路全体に対するトラフィックを従来よりも軽減することが可能となった
まず、無線機21がEthernet上に接続されているホスト11からEthernetを通して、あるいは他の無線機21から無線経由でデータを受信すると、一旦新規登録することとして、無線機21はMACアドレステーブルのステートを「SEARCH」として登録する。そして、無線機21がARP_REQを送信し、さらに送信先からARP_RESを受信したことによりホスト11が無線機21と同じEthernet上に接続されているということが判明した場合には、無線機21はMACアドレステーブルのステートを「SEARCH」から「LOCAL」に更新する。また、ステートを更新すると同時に、無線機21はTTLを新たに「120」に更新する。ここで、ステートを「LOCAL」に更新した後に、TTLとして設定した120秒以内に新たな通信がある場合はTTLの値が更新され、ない場合には「TTL=0」となると同時にMACアドレステーブルに登録されたホスト11についての情報は破棄されることになる。
一方、無線機21がARP_REQを送信したにもかかわらず、別に設定したタイムアウト時間経過しても送信先からARP_RESが返信されない場合には、無線機21はMACアドレステーブルのステートを「SUSPEND」に更新し、TTLにはあらためて「SUSPEND TTL」として「20」を設定する。MACアドレステーブルのステートに「SUSPEND」が登録されると、要求対象としての送信先ホスト11への経路が不明であることが判明したことになり、送信先であるホスト11に対しては、これ以降ARP_REQを送信しない。
ここで、ステートを「SUSPEND」に更新した後に、TTLに「SUSPEND TTL」を設定した20秒以内に新たな通信がない場合には、MACアドレステーブルに登録されたホスト11についての情報は破棄されることになる。
先ず、ステップS101において、無線機21は1秒経過したかどうかということを判別する。そして、肯定の判別結果が得られた場合、ステップS102へと処理を進め、MACアドレステーブルにおける、各登録ホストのTTL(通常のTTLまたはSUSPEND TTL)についてのデクリメントを行う。即ち、ステップS102において、ホストに対して通信が行われない場合には、MACアドレステーブルに登録されているTTLの値を減少させていくことにする。一方、ステップS101において、否定の判別結果が得られたのであれば、再度処理をステップS101に戻す。
続いて、ステップS103において、各登録ホストのTTLについてのデクリメントが実行された結果、TTL=0としてMACアドレステーブルに登録されることとなったホストが有るかどうかということを無線機21は判別し、肯定の判別結果が得られた場合には、処理をステップをS104へと進める。一方、ステップS103において、否定の判別結果が得られた場合には、この図に示す処理を一旦抜けて、再度ステップS101に戻るようにされる。
そして、ステートが「SEARCH」以外の「LOCAL」「AIR」「SUSPEND」のいずれかであって、TTLの設定時間内(TTL=0となるまで)に通信が無かった場合には、無線機21はステップS105において、選択した登録ホストをMACアドレステーブルから削除する。その後、無線機21は処理をステップS106へと進める。
そして、処理をステップS106へと進めた無線機21は、TTL=0となっているホストについての処理が終了したかどうかということについて判別する。ここで否定の判別結果が得られたのであれば、TTL=0となって登録されている他のホストが残っているということで、ステップS104の処理に戻るようにされ、肯定の判別結果が得られたのであれば、再度ステップS101に戻るようにされる。
なお、以下無線機21を主体として記述するが、実際には図2に示されるCPU3がプログラムに従って処理を実行する。
まず図8で、無線機21は最初のステップS201において、Ethernet上から、または無線経由で送信されてきた信号を受信する。そして次のステップS202において、上記信号に含まれているMACフレームの内容が、ARP_REQ、ARP_RESまたはデータの3種類のうちのいずれであるかを判別する。ここで、受信される信号がARP_REQ及びARP_RESの場合、MACフレームのペイロード部分には図5(b)に示すように、ARPパケットが格納される。なお、受信されるパケット信号がデータの場合、MACフレームのペイロード部分には、データのみが格納されることとなっている。
まず、MACフレームのARPパケットのコード部分にARP_REQを示す情報が格納されており、さらに制御情報部分に送信元種別情報としてホスト11から送信された信号であるという情報が格納されている場合、無線機21は、ステップS201において受信した信号がホスト11からのARP_REQであると判別し、処理をステップS203の処理1へと進める。
さらに、MACフレームのARPパケットのコード部分にARP_RESを示す情報が格納されている場合、無線機21は、ステップS201において受信した信号がホスト11からのARP_RESであると判断し、処理をステップS205の処理3へと進める。
そして、MACフレームにARPパケットではなくデータが格納されている場合、無線機21は、ステップS201において受信した信号がホスト11からのデータであると判断し、処理をステップS206の処理4へと進める。
まず、図9は処理1の手順を示しており、ステップS301において、無線機21は、先の図8のステップS201で受信したARPパケット内の送信元ホストの情報と目標ホストの情報を参照する。ここで、ネットワーク上に存在するホスト11のうちで、ARPによって目標ホストのMACアドレスを取得しようとするのが送信元ホスト、逆にARPによってMACアドレスを取得する対象となるのが目標ホストということになる。なお、送信元ホストの情報とは、ARPパケット内における送信元MACアドレス及び送信元IPアドレスのことであり、目標ホストの情報とは、ARPパケット内の目標MACアドレス及び目標IPアドレスのことである。
次のステップS302において、無線機21は受信したARPパケットの情報と無線機21が内部に保持しているMACアドレステーブルの情報とを比較する。このMACアドレステーブルを参照しながら、無線機21はステップS303においてARP_REQを送信した送信元ホストの情報がMACアドレステーブルに登録済みであるかどうかということを判別する。
また、無線機21は次のステップS305において、ARP_REQの送信元ホストから同じセグメントのEthernetを通ってARP_REQを受信したのか、それともARP_REQの送信元ホストから他の無線機21またはリピータ22を介してARP_REQを無線で受信したのかを判別する。つまり、無線機21がEthernetインターフェイス部6経由でARP_REQを受信した場合であれば、Ethernet経由の通信であると判断し、一方無線機21が無線通信部2経由でARP_REQを受信した場合であれば、無線経由の通信であると判別する。そして、無線機21がARP_REQの送信元ホストと同じEthernet上に接続されていると判別した場合には、処理をステップS305からステップS306に進めて登録内容の更新を行う。即ち無線機21は、ステップS304でMACアドレステーブルに「SEARCH」として登録していたARP_REQの送信元ホストのステートを「LOCAL」へと更新する。また、MACアドレステーブルのステートを更新するとともに、TTLについても初期化を行う。
その後、無線機21は、ステップS307でARP_REQの送信元ホストのステートをMACアドレステーブルに登録する作業が終了すれば、処理をステップS313に進める。
また、送信元ホストのステートが「SEARCH」または「SUSPEND」としてMACアドレステーブルに登録済であった場合、目標ホストのMACアドレス及び目標ホストまでの経路に関する情報は得られていないものの、送信元ホストのMACアドレス及び送信元ホストからの経路に関する情報は得られることになる。そのため、送信元ホストからの情報を得た無線機21は、次のステップS310において、ARP_REQの送信元ホストと無線機21が同じセグメントのEthernet上に接続されているのか、それともARP_REQの送信元ホストから他の無線機21またはリピータ22を介してARP_REQを無線で受信したのかを判別することになる。
ここで、処理1に示されるステップS310〜S312については、ステップS305〜S307と同様となることから、ここでの説明は省略する。
また、ステップS308で「SUSPEND」となっている場合は、特に処理を行わず終了する。
そして、否定の判別結果が得られたために、処理をステップS313からステップS314へと進めた無線機21は、目標ホストについての情報を登録する。ここでは、目標ホストに関してIPアドレスは分かっているがMACアドレスは分かっていないため、無線機21は、送信元ホストのIPアドレスと、ステートを「SEARCH」としてMACアドレステーブルに登録する。また、ステートをMACアドレステーブルに登録するという処理に伴い、無線機21はTTLを初期化する。その後、無線機21は処理をステップS316へと進める。
一方、肯定の判別結果が得られたために、処理をステップS313からステップS315へと進めた無線機21は、ステップS315でTTLを初期化した後、処理を316へと進める。
そしてステップS316において、無線機21は送信元ホストから受信したARP_REQを他の無線機21またはリピータ22に対して、ブロードキャスト方式で、またはEthernetを経由して転送する。
ここで、ステップS401〜S402については、図9に示したステップS301〜S302と同様であり、ステップS403〜S406については図9に示したステップS313〜S316と同様となることから、ここでの説明は省略する。ただし、処理2のステップS406においては、無線機21は他の無線機21から送信されてきたARP_REQを無線経由で受信している。そのため、受信したARP_REQを再びブロードキャストで他の無線機21へと送信することはなく、Ethernetに接続されているホストへと転送するだけとなる。
ステップS513において、無線機21は目標ホストについての情報がMACアドレステーブルに登録されているかどうかということを判別する。そして、否定の判別結果が得られたのであれば、無線機21は処理をステップS514へと進め、無線機21はARP処理を実行する。即ち、目標ホストについての情報がMACアドレステーブルに登録されていない場合には、無線機21自身がARP処理を実行して、目標ホストまでの経路についての情報を確保する必要がある。そして、無線機21がARP処理を実行したことにより、目標ホストについての情報が得られたら、それらの情報をMACアドレステーブルに登録する。
その後、ステップS515において、MACアドレステーブルを参照することにより経路情報を得た無線機21は、送信元ホストから受信したARP_RESを目標ホストへと転送する。
一方、目標ホストのステートが「SEARCH」としてMACアドレステーブルに登録されていた場合には、無線機21はステップS519において、目標ホストに受信したARP_RESを転送する。
さらに、目標ホストのステートが「SUSPEND」としてMACアドレステーブルに登録されていた場合には、無線機21はステップS520において受信したARP_RESを破棄する。
処理4については、ホストから送信される信号がARP_REQやARP_RESではなく単なるデータであるという点で処理1と異なっている。なお、本処理においては送信される信号がデータであり、ARP処理が実行されないため、S613では目標ホストではなく、「送信先ホスト」という名称になっている。
ただし、手順としての図9に示されるステップS301〜S312と図12に示したステップ601〜S612は同様であり、図11に示されるステップS513〜S515と図12に示したステップS613〜S615は同様であることから、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS616において、送信先ホストのステートが「SUSPEND」としてMACアドレステーブルに登録されていた場合には、データのあて先が不明であると判別し、ステップS622へと処理を進めた無線機21は受信したデータを破棄し、送信を行わない。その後、無線機21は処理を終了する。
一方、送信先ホストのステートが「無線」であると判別した無線機21は、処理をステップS620へと進め、受信したデータを目標ホストへと送信した後、処理をステップS621へと進める。
そして、最後のステップS621において、無線機21は新たな通信があったことにより、TTLを更新する。
また、MACアドレステーブル上に記録されているTTL(データの保持時間)は、LANを構築しているホストの数や、LANを分割する領域(セグメント)数、各ホストの移動状況等を勘案して最も通信効率の良い値に設定することが好ましい。
特に、SUSPEND TTLは通常のTTLに対して短く設定することによって、LANを構築しているホストが移動体等であって、特定のセグメントを頻繁に出入りするような場合、通信の復帰時間を早くするために有効となる。
また、各セグメント間を接続するための無線機(無線ブリッジ通信機)は固定して使用されるものでなくても、ある範囲内にある有線接続されたセグメント間を接続する通信機能を有していれば、所定の範囲で移動しながら使用することも考えられる。
21−1〜21−3 無線機
101 第1有線セグメント
102 第2有線セグメント
103 第3有線セグメント
Claims (7)
- 1台又は2台以上のホストを構成要素とするローカルエリアネットワークを複数のセグメントに分割し、前記各セグメントに対して少なくとも1台の無線ブリッジ通信機を接続し、前記複数の各セグメント間を前記無線ブリッジ通信機を介して相互に接続できるようにしたネットワークにおいて、
前記無線ブリッジ通信機は、ネットワーク内の送信元ホストから送信先のホストを指定して接続要請があったときは、接続要請をしている前記送信元ホストのIPアドレスとMACアドレス、及び、目標となる前記送信先ホストのIPアドレスを自己のローカルテーブルに記録し、以下の手順が実行されるようにしたことを特徴とする無線ブリッジ通信機。
(1)前記送信元ホストが自己のセグメントに属する時は、当該ホストのステートを「ローカル」に設定し、前記送信元ホストが前記無線ブリッジ通信機で接続された他のセグメントに属する場合は、当該ホストのステートを「エアー」に設定し、かつ目標とする送信先ホストのステートを、一旦、「サーチ」に設定し、前記ローカルテーブルに記録する。
(2)サーチの状態では、前記送信先ホストに対するARPリクエストをブロードキャストとすることによって、送信先ホストからARPレスポンスが取得されたときは、送信先ホストのステートを「サーチ」から「ローカル」または「エアー」に変更し、MACアドレスと共に記録し、当該MACアドレスの転送ルートに無線ブリッジ通信機が介在しているときは当該無線ブリッジ通信機の無線アドレスも取得し、所定の保持時間と共に前記ローカルテーブルに再記録する。
(3)前記(2)のARPリクエストに対して所定時間応答がないときは、目標とする相手先ホストのステートを「サスペンド」に変更して、サスペンド保持時間を付加してローカルテーブルに記録する。 - 上記セグメント間を接続する2台の無線ブリッジ通信機間に、レピータアドレスを付加したレピータを介在し、該レピータアドレスが経路情報として記録されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の無線ブリッジ通信機。
- 上記ローカルテーブルに記録された各ホストのアドレス情報、ステート情報、及び当該ホストに対する経路情報は、当該ホストの情報に付加されている保持時間の経過後に破棄されることを特徴とする請求項1に記載の無線ブリッジ通信機。
- 上記「サスペンド」となっているホストのサスペンド保持時間は、「ローカル」又は「エアー」となっているホストの保持時間より短くなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の無線ブリッジ通信機。
- 上記「サスペンド」に指定されたホストに対するサスペンド保持時間内では、当該ホストに対する通信が遮断されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の無線ブリッジ通信機。
- 上記レピータは前記無線ブリッジ機能を有する通信機によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の無線ブリッジ通信機。
- 上記ホストにはローカルエリアネットワークからで離脱する移動体が含まれていることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の無線ブリッジ通信機。
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