JP2008016381A - 電池用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】高出力条件下において用いられうる電池用電極において、粒子径の小さい活物質を導電材中に保持し、活物質層の導電性を改善し、電池の出力特性の向上に寄与しうる手段を提供する。
【解決手段】集電体2と、前記集電体の表面に形成された、活物質4および導電材を含む活物質層3と、を有する電池用電極1であって、前記導電材が、導電性材料を含み、微細孔を有する導電性構造体5であることを特徴とする、電池用電極によって、上記課題は解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極に関する。特に本発明は、リチウムイオン二次電池の出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、環境や燃費の観点から、ハイブリッド自動車や電気自動車、さらには燃料電池自動車が製造・販売され、新たな開発が続けられている。これらのいわゆる電動車両においては、放電・充電ができる電源装置の活用が不可欠である。この電源装置としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等が利用される。特に、リチウムイオン二次電池はそのエネルギー密度の高さや繰り返し充放電に対する耐久性の高さから、電動車両に好適と考えられ、各種の開発が鋭意進められている。
しかし、リチウムイオン二次電池、特に正極活物質の導電助剤として炭素粉末を用いたリチウムイオン二次電池においては、特に高電流密度(例えば10mA/cm以上)で十分な容量を引き出せておらず、その原因の一つとして電池の内部抵抗低減が不十分であるという問題があった。この問題に対しては導電助剤として金属微粉末を含む電極とする方法(例えば、特許文献1を参照)や、導電助剤を制御する方法(例えば、特許文献2を参照)が対策として考えられている。
特開平11−238527号公報 特開2004−207034号公報
しかしながら、従来技術によるリチウムイオン二次電池において考えられていた対策は、正極活物質の粒子径が導電助剤の粒子径に対して十分大きく(例えば活物質20μm、導電助剤1μm)、活物質の隙間に導電助剤が分散して良好な導電ネットワークを形成することが前提であった。
近年、活物質の比表面積を増大させるために活物質の粒子径を小さく(例えば1μm未満)する試みがなされているが、活物質と導電助剤の粒子径が近くなり、導電助剤のネットワークが形成されにくいという課題があった。粒子径1μm未満の活物質を用いようとした場合、導電助剤の粒系を比例して小さくすることが考えられるが導電助剤は炭素の粒子を用いており、粒子径を小さくするには限界がある(0.1μm程度)ため、導電ネットワークが十分に形成されず、その結果、電子伝導が不足する活物質粒子が発生し、全体としては表面積が増加しているにもかかわらず出力が出ないことが理由として考えられる。
そこで本発明は、高電流密度条件下で用いられるリチウムイオン二次電池の電池用電極において、微小な活物質粒子へも確実に電子を供給できる導電ネットワークを形成する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。そしてその際に、電極の活物質層において、粒子状の導電助剤だけでなく、様々な形状の導電性材料を導電材として用いることを試みた。その結果、導電性の多孔質シートを導電材として用いることで、微小な活物質粒子へも確実に電子を供給できる導電ネットワークが形成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質および導電材を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、前記導電材が、導電性材料を含み、微細孔を有する構造体であることを特徴とする、電池用電極である。
本発明の電池用電極の活物質層には、微細孔を有する導電性構造体が導電材として用いられている。これにより、導電性構造体の微細孔に活物質粒子が充填され、微小な活物質粒子に対しても確実に電子を供給できる導電ネットワークを形成することができ、大電流放電時の抵抗を低減することができる。従って、本発明の電極は、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみに制限されることはない。
(第1実施形態)
(構成)
本発明は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質および導電材を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、前記導電材が、導電性材料を含み、微細孔を有する導電性構造体であることを特徴とする、電池用電極である。
以下、本発明の電池用電極の構造について、図面を参照して説明する。なお、本発明においては、説明の都合上、図面が誇張されており、本発明の技術的範囲は、図面に掲示する形態に限定されない。また、図面以外の実施形態も採用されうる。
図1は、本発明の電池用電極の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示す形態の電池用電極1は、集電体2の一方の面に活物質層3が形成されてなる電極である。なお、後述するように、電池用電極の組成は主に、電極活物質、導電性構造体およびバインダである。
本発明の電池用電極(以下、単に「電極」とも称する)1は、図1に示すように、活物質層3において、活物質4およびバインダ(図示せず)が、導電性構造体5に存在する微細孔に充填されている点に特徴を有する。
図1に示す形態においては、微細孔を有する導電性構造体5が存在することにより、活物質の径を小さくした場合に、従来のような相対的に大きい粒子径の導電助剤を用いた場合に比べて、良好な導電性ネットワークが形成されうる。
本発明の電池用電極は、例えば、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「バイポーラ電池」とも称する)に採用されうる。その他の電池に採用されても、勿論よい。
以下、リチウムイオン二次電池に採用される場合を例に挙げて、本発明の電池用電極の構成について説明する。本発明の電池用電極は、活物質層において、活物質が充填された導電性構造体が存在する点に特徴を有する。集電体、活物質、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、その他必要に応じて添加される化合物の選択について、特に制限はない。使用用途に応じて、従来公知の知見を適宜参照することにより、選択すればよい。また、本発明の電池用電極は、正極および負極の双方に適用可能であるが、特に反応面などを考慮して、正極に適用すると、活物質として導電性の高い材料を用いることが多い負極に比べてより顕著な効果が得られる。正極に適用する場合には、集電体および活物質として、正極用の集電体および正極活物質として作用することが知られている化合物を採用すればよい。
[集電体]
集電体2は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
集電体2上には、活物質層3が形成される。活物質層3は、充放電反応の中心を担う活物質および導電材を含む層である。本発明の電極が正極として用いられる場合、活物質層は正極活物質を含む。一方、本発明の電極が負極として用いられる場合、活物質層は負極活物質を含む。
正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
活物質の平均粒子径は特に制限されない。ただし、この平均粒子径が小さくなればなるほど、電子伝導パスが分断されやすくなる。従って、活物質の平均粒子径が小さいほど、本発明の作用効果は顕著に発揮されうる。かような観点から、活物質の平均粒子径は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは3μm以下である。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。なお、本願において活物質の平均粒子径は、レーザ回折散乱法により測定された平均値を採用するものとする。
本発明の電極において、導電材は、導電性材料を含み、微細孔を有する導電性構造体である。
該導電構造体に用いられる導電性材料としては、高分子材料を主体とした材料、金属材料を主体とした材料、炭素材料を主体とした材料などを用いることができる。
導電性材料として高分子材料を主体とした材料を用いる場合、前記高分子材料としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンやこれらに由来する導電性高分子を用いた網状、繊維上、発泡体、あるいはこれらの集合体などの構造体が挙げられる。高分子材料を主体とした材料を用いた場合は、軽量であり、電解質や塩との反応がおきにくい利点がある。前記高分子材料は、前記導電性材料に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上含まれる。
金属材料を主体とした材料を用いる場合、金属材料としては、アルミニウム、金、銀などの各種金属を用いた発泡体やナノウィスカ集合体などの構造体が挙げられる。金属材料を主体とした材料を用いた場合は、高い導電性を確保できる利点がある。前記金属材料は、前記導電性材料に対して、好ましくは40質量%以上、より好ましくは70質量%以上含まれる。
炭素材料を主体とした材料を用いる場合、炭素材料としては、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、あるいはこれらの炭素原子の一部を他の原子で置換したいわゆるヘテロカーボンなどを用いた網状、繊維状、微細平板状などの各種微細構造体が挙げられる。炭素材料を主体とした材料を用いた場合は、金属より軽量で高分子より高い導電性を得られる。前記炭素材料は、前記導電性材料に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上含まれる。なお、導電性をもたらす材料は、ここに挙げられたものに限らず使用することが可能である。
前記導電性構造体は、その全体が導電性材料からなる構成をとってもよいし、内部の基材と表面の導電性材料からなる構成をとってもよい。内部の基材としては、例えば、ポリプロピレンなどの高分子材料が用いられうる。その表面に、例えば蒸着などの方法によって、導電性をもたらすアルミニウムなどの金属材料を配するなどの複合構造も用いることができ、軽量な導電性材料が作製されうる。これらの構成は、使用する導電性材料の種類、周囲の材料の種類、電池の大きさ、製造・使用環境等によって適宜選択される。
これらの導電性構造体は、集電体上にシート状に形成されうるが、それ自体が集電体の役割をはたすこともできる。好ましくは、前記導電性構造体は、集電体上に、5〜200μm、より好ましくは10〜50μmの厚さのシート状に形成される。
前記導電性構造体は、内部に活物質の粒子を充填できる微細孔を有する。前記微細孔の平均有効細孔径は、活物質の粒子径に応じて決定されうるが、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。ここで「平均有効細孔径」とは、3次元網目状の構造体では、その網目中の空間に球を想定したときの平均的な径を示し、繊維を束ねた状態の構造体では、平均的な繊維間の距離を示す。本願において導電性構造体の平均有効細孔径は、以下の方法で測定する。当該構造体を樹脂中に包埋し、これを研磨して顕微鏡等で観察し、画像解析によりほぼ球状の細孔の面積を測定する。ここで測定する細孔数は精度上多いほど良いが、一般に300個以上の細孔について測定を行えば良い。ここで求められる細孔面積は細孔の一部を通過する平面での断面であり、最大値ではないために、以下の三次元的な補正を行う。観測される細孔の面積から、細孔の直径分布を得て、細孔体積の累積分布において総細孔体積の50%を占める細孔径を平均細孔径とする。
また導電構造体の平均有効細孔径Aと活物質の平均粒子径Bの比A/Bは0.5以上20以下であることが望ましい。AおよびBはいずれも平均値であるため、A/Bが1未満の数値をとっても粒子は、強制的に押し込むことなどにより、導電構造体中に保持されることは可能である。しかし0.5未満だと多少導電構造体が変形しても活物質粒子が導電構造体中に入って保持されにくくなり、20を超えると導電構造体中の空間に活物質が保持されたうえで十分な接触をとりにくくなる。また、A/Bが1未満の場合については、導電構造体を形成する材料の種類によって好ましい値が異なる。すなわち、比較的変形しにくい炭素材料や金属材料では0.9以上、より好ましくは0.95以上が好適であり、例えば圧力をかけることによって変形しやすい高分子材料では0.8以上、より好ましくは0.9以上が好適である。また、A/Bは、より好ましくは20以下、さらに好ましくは、10以下である。
導電性構造体の空孔率(全体積中に占める空間の割合)は、好ましくは0.5〜0.99、より好ましくは0.7〜0.95である。導電性構造体の空孔率が0.99以下であれば、活物質層における導電ネットワークが形成されうる。導電性構造体の空孔率が0.5以上であれは、十分な量の活物質を担持することができ、高い出力特性が得られる。
活物質層3には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。バインダを用いることによって、導電性構造体中に担持された活物質が固着され、安定に保持されうる。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON(LiBETI)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層において用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層3に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。好ましくは、バインダの配合比は、活物質の量に対して5〜20質量%である。
(製造方法)
本発明の電池用電極の製造方法は特に制限されず、電池用電極の製造分野において従来公知の知見を適宜参照することにより、本発明の電極は製造されうる。以下、図1に示すように、導電材として導電性の材料でできた微細孔を有する構造体を有する電極1の製造方法を簡単に説明する。
電極1は、例えば、活物質を含む活物質スラリーを調製し、当該活物質スラリーを導電性構造体に含浸させ、集電体の表面に塗布することによって作製されうる。以下、かような製造方法を工程順に詳細に説明する。
本工程においては、所望の正極活物質、および必要に応じて他の成分(例えば、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合して、活物質スラリーを調製する。活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、正極を作製するにはスラリー中に正極活物質を添加し、負極を作製するにはスラリー中に負極活物質を添加すべきであることは当然である。
溶媒の種類や混合手段は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
続いて、活物質層3を形成するための集電体2を準備する。本工程において準備する集電体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、活物質4を充填するための導電性構造体5を準備する。本工程において準備する導電性構造体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。シート状の導電性構造体の調製方法は特に制限されず、従来公知の知見を適宜参照することにより調製されうる。
続いて、上記で調製した活物質スラリーを、導電性構造体に含浸させることによって、導電性構造体の中に活物質を保持させることができる。含浸させる方法としては、特に制限されないが、単純に混合するほかに、機械的に押し込む方法が採用されうる。機械的に押し込む方法としては、例えば、振動をかけて導電性構造体の空間中に活物質を入りやすくする、プレスなどで圧力をかけて導電性構造体の空間中に活物質を押し込むなどの方法がある。または、温度を変化させて導電性構造体を膨張させ、活物質を導電性構造体の空間中に入りやすくするなどの方法を用いてもよい。圧力をかけて押し込む場合、好ましくは、ロールプレスなどを用いて、0.2〜20MPaで加圧する。
導電性構造体の微細孔の充填率は、例えば、充填前後の重量を測定するなどの方法を用いて見積もることができる。活物質を機械的に押し込むことにより、より高い充填率が得られうる。活物質の充填率は、高いほど好ましいが、実質的に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
上記で準備した集電体2の表面に、活物質を含浸させた導電性構造体を塗布し、塗膜を形成する。その後、乾燥処理を施す。これにより、塗膜中の溶媒が除去され、活物質層となるべき塗膜が形成される。形成される塗膜の厚さは特に制限されないが、通常は5〜200μm程度である。
活物質を含浸させた導電性構造体を塗布するための塗布手段も特に限定されない。接着または圧着などの一般的に用いられている手段が採用されうる。例えば、電池用バインダなどを接着材として用いて接着することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態の電池用電極を用いて、電池を構成する。
すなわち、本発明の第2実施形態は、正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有するリチウムイオン二次電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が本発明の電極である、電池である。本発明の電極は、正極、負極、バイポーラ電極のいずれにも適用されうる。本発明の電極を、少なくとも1つの電極として含む電池は、本発明の技術的範囲に属する。ただし、好ましくは、電池を構成する電極の全てが本発明の電極である。かような構成を採用することにより、電池の耐久性を効果的に向上させうる。
本発明の電池は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)でありうる。図2は、バイポーラ電池である、本発明の電池を示す断面図である。以下、図2に示すバイポーラ電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図2に示す本実施形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、正極活物質層13と、負極活物質層15とが集電体11のそれぞれの面に形成されたバイポーラ電極を複数個有する。各バイポーラ電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および電解質層17が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図2に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層17が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層17にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。従って、電解質層17が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起きたりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装であるラミネートシート29の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、ラミネートシート29の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)の材質は、特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ25と負極タブ27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
本実施形態のバイポーラ電池10によれば、本発明の電極が集電体11の両面に形成されてなるバイポーラ電極が採用されている。このため、本実施形態のバイポーラ電池は出力特性に優れる。
ここで、上述したような本発明の作用効果は、高出力条件下において用いられる二次電池において特に顕著に発現しうる。従って、本発明の二次電池は、高出力条件下において用いられることが好ましい。具体的には、本発明の二次電池は、好ましくは20C以上、より好ましくは50C以上、さらに好ましくは100C以上の出力を必要とする条件下において用いられる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図3は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図3に示すように、組電池40は、上記の第2実施形態のバイポーラ電池が複数個接続されることにより構成される。具体的には、各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、組電池40を構成する個々のバイポーラ電池10が出力特性に優れることから、出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池10、または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、輸送機関を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる輸送機関としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車などの車両が挙げられる。
参考までに、図4に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は出力特性に優れ、長期間にわたって使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図5に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。なお、図5に示すリチウムイオン二次電池60においては、負極活物質層15が正極活物質層13よりも一回り小さいが、かような形態のみには制限されない。正極活物質層13と同じかまたは一回り大きい負極活物質層15もまた、用いられうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に示す形態のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
<正極の作製>
正極活物質として、湿式粉砕にて平均粒子径10μmのスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)を平均粒子径0.2μmになるまで粉砕した。このスピネル型マンガン酸リチウム(80質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散して、正極活物質スラリーを調製した。
一方、正極用の集電体として、アルミニウム箔(厚さ:20μm)を準備した。上記で調製した正極活物質スラリーを導電性構造体であるポリピロール多孔膜(平均有効細孔径0.5μm)に含浸させた上で、準備した集電体の一方の表面に重ね、5MPaで加圧し、乾燥することにより、30μm厚の活物質層を有する正極を形成した。
<負極の作製>
負極活物質であるグラファイト(平均粒子径:0.5μm)(90質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散して、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極用の集電体として、銅箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した負極活物質スラリーを塗布し、5MPaで加圧し、乾燥することにより、25μm厚の活物質層を有する負極を形成した。
<実施例2>
導電性構造体として、炭素繊維(平均有効細孔径0.5μm)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<実施例3>
導電性構造体として、カーボンナノファイバーを熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で固定した集合体(平均有効細孔径1μm)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<実施例4>
導電性構造体として、アルミナノウィスカ集合体(平均有効細孔径0.5μm)を用い、正極活物質スラリーを含浸させた上で平面上に5MPaで加圧成形したこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<実施例5>
バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を20質量部用いたこと以外は、上記の実施例4と同様の手法により、試験用セルを作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<比較例1>
正極活物質として、湿式粉砕にて平均粒子径10μmのスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)を平均粒子径0.2μmになるまで粉砕した。このスピネル型マンガン酸リチウム(80質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(平均粒子径0.4μm)(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散して、正極活物質スラリーを調製し、前記正極活物質スラリーを集電体の一方の表面に塗布し、乾燥させて正極を作製したこと以外は、実施例1と同様の手法により各電極を作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<比較例2>
スピネル型マンガン酸リチウムを70質量部、バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を20質量部用いたこと以外は、上記の比較例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。正極活物質層の厚さは30μmであった。
<試験用セルの作製>
試験用セルの正極および負極として用いるために、上記の各実施例および比較例で作製した正極および負極を、ポンチを用いてそれぞれ68mm角および70mm角に打ち抜いた。
さらに、セパレータとしてポリプロピレン微多孔膜(厚さ:25μm)を準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを準備した。
上記で得られた負極、セパレータ、および正極をこの順に積層し、セパレータに電解液を注入した。次いで、負極および正極にそれぞれ電流取り出し用端子(正極にはアルミニウム端子、負極にはニッケル端子)を接続し、電流取り出し用端子が外部に露出するように電池要素をアルミニウム製のラミネートフィルム中に入れ、ラミネートフィルムの開口部を減圧下で封止して、試験用セルを作製した。
<試験用セルの電池特性の評価>
上記の各実施例および比較例について試験用セルを作製し、初充電とガス抜きを実施した。それぞれの試験用セルを2.7Vまで定電流充電(CC)し、その後定電圧(CV)で、合計15時間充電した。次にラミネートを開封し、常温でガス抜きを行なった。ガス抜きは電池を容器中の平板上に置き、重しを上面に載せて容器内を減圧することにより行なった。
その後、作製した試験用セルについて、活物質理論容量から算出した50CA電流値により満充電から5秒間の放電を行い、5秒後の電位と電流値から抵抗値を算出し、出力の指標とした。比較例を1としたときの、各実施例で作製した試験用セルの比出力を、下記の表1に示す。
Figure 2008016381
各実施例と比較例との比較から、電極の活物質層において、微細孔を有する導電性構造体を導電材として用いることにより、活物質の粒子径が小さい場合でも活物質層の良好な導電性が維持され、電池の出力が向上しうることがわかる。特に、実施例4は、導電構造体を、導電性が非常に高いアルミニウムとしたため、出力の向上が大きく、微細な活物質粒子の表面が有効に用いられていると考えられる。さらに、実施例5と比較例1との比較から、本発明の電極は、多孔質の構造体自体に活物質保持機能があるため、従来の電極と比較してバインダの量を減らすことができることがわかる。
このように、本発明の電極は、従来、粒子径の小さい活物質を用いた場合に困難であった導電材と活物質との良好な導電ネットワークの形成を可能とし、その結果、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。
本発明の電池用電極の一実施形態(第1実施形態)を示す概略断面図である。 第2実施形態のバイポーラ電池の好ましい一実施形態を示す断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
1 電極、
2 集電体、
3 活物質層、
4 活物質、
5 導電性構造体、
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
11a、11b 最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池。

Claims (11)

  1. 集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質および導電材を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、
    前記導電材が、導電性材料を含み、微細孔を有する導電性構造体であることを特徴とする、電池用電極。
  2. 前記導電性構造体の全体が導電性材料からなる、請求項1に記載の電池用電極。
  3. 前記導電性構造体が、内部の基材と表面の導電性材料からなる、請求項1に記載の電池用電極。
  4. 前記導電性材料が高分子材料を主体とした材料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用電極。
  5. 前記導電性材料が金属材料を主体とした材料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用電極。
  6. 前記導電性材料が炭素材料を主体とした材料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用電極。
  7. 前記導電性構造体の平均有効細孔径と活物質の平均粒子径との比が0.5以上20以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池用電極。
  8. 前記導電性構造体の微細孔に活物質の粒子を機械的に押し込むことを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  9. 正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極または前記負極の少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
  10. 請求項9に記載のリチウムイオン二次電池を用いた組電池。
  11. 請求項10に記載のリチウムイオン二次電池、または請求項10に記載の組電池を搭載した車両。
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