JP2008016316A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムをドープ脱ドープ可能な材料を正極活物質又は負極活物質とする正極及び負極と、非水溶媒に電解質を分散して成る非水電解液とを備え、非水電解液に環状イミド塩を含み、正極活物質に4A族元素やハロゲンを含む非水電解質二次電池である。正極活物質にジルコニウムやフッ素を含む。負極活物質が炭素材料である。負極活物質が構成元素としてケイ素やスズを含む。環状イミド塩の含有量が0.01mol/l以上0.7mol/l以下である。非水電解液に、更に、六フッ化リン酸リチウムを含む。
【選択図】図1
Description
しかし、近年の電子技術の進歩に伴い、電子機器の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、電子機器用の二次電池を高エネルギー密度化することへの要求が強まり、そのためにニッケル・カドミウム電池や鉛電池等では放電電圧が低く、エネルギー密度を十分に高くすることが困難となっている。
しかしながら、現状の二次電池は、これらの特性を十分に満足するに至っていない。
上記非水電解液に、以下の化学式1に示す環状イミド塩を含み、
上記正極活物質に、4A族元素及び/又はハロゲンを含むことを特徴とする。
この二次電池は、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵及び放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。
また、この二次電池は、いわゆる円筒型であり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。
また、電池缶11の内部には、電解液が注入され、セパレータ23に含浸されるようになっている。
巻回電極体20は、巻回周面に対して垂直な一対の絶縁板12,13に挟持されるように配設されている。
電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料で構成されている。
熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。
ガスケット17は、例えば、絶縁材料の表面にアスファルトを塗布して構成できる。
巻回電極体20において、正極21には、アルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。
正極リード25は、安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は、電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。
また、正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵及び放出可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含めて構成されている。具体的には、この正極活物質層21Bに、4A族元素、ハロゲンのいずれか一方又は双方を含むことを特徴とする。
即ち、この非水電解質二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。
その際、電解液には環状イミド塩が含まれており、正極21には4A族元素やハロゲンが含まれているため、当該環状イミド塩が正極活物質層21B上で酸化分解され、一般に使用されるLiCoO2やLiNiO2、LiMn2O4よりもより緻密な被膜を形成する。
その結果、正極活物質表面の酸化力が一般に使用されるLiCoO2やLiNiO2、LiMn2O4よりも更に抑制され、充電時におけるセパレータの酸化が更に抑制されて、トリクル充電特性及び負荷特性が大幅に向上すると考えられる。
なお、正極への4A族元素やハロゲンの添加の有無にかかわらず、電解液に含める環状イミドの添加量を増やすと、負荷特性は低下するが、正極へ4A族元素やハロゲンを添加する場合は、添加していない場合に比べて相対的に負荷特性が向上するので、トリクル充電特性及び負荷特性の双方が向上することとなる。
上記ハロゲンとしては、例えば、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)などを適宜使用できるが、特に上記特性を向上させる観点からはFを用いることが好ましい。
また、リチウムを吸蔵及び放出可能な正極材料として、例えば、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbSe2)、酸化バナジウム(V2O2)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物を含んでいても構わない。更に、リチウム含有化合物、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、又はリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物を含んでいても構わない。
また、上記リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1−zCozO2(z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi(1−v−w)CovMnwO2(v+w<1))、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)などが挙げられる。
更に、上記リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)、リチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−uMnuPO4(u<1))などが挙げられる。
なお、上記上記リチウム含有化合物中の遷移金属は、その一部が他の金属元素、例えばAlやMg等に置換されたものであっても構わない。
負極集電体22Aは、例えば、銅(Cu)箔などの金属箔により構成されている。
また、負極活物質層22Bは、炭素材料、金属元素又は半金属元素、及びこれらの任意の組合せに係るものを含んで構成されている。
また、上記金属元素や上記半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成可能な金属元素又は半金属元素が挙げられる。
具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。
かかるSiやSnを用いる負極活物質としては、例えば、スズを第1の構成元素とし、スズに加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。第2、第3の構成元素を含むことにより、サイクル特性を向上させることができる。
また、第3の構成元素としては、例えば、ホウ素、炭素(C)、アルミニウム及びリン(P)から成る群より選ばれた少なくとも1種のものが挙げられる。
このような組成範囲であれば、高いエネルギー密度を得ることができるとともに、優れたサイクル特性を得ることができる。
また、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低い又は非晶質な構造を有していることが好ましい。
更に、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素又は半金属元素と結合していることが好ましい。
サイクル特性の低下はスズなどが凝集又は結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集又は結晶化を抑制することができる。
XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。
これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素又は半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。
即ち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素又は半金属元素と結合している。
XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。
波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、又はセラミック製の多孔質膜により構成されている。これら2種以上の多孔質膜を積層した構造であってもよい。
ここで、「非水電解質」とは、本明細書においては、電解質を非水媒体に分散乃至溶解したもの、及び固体電解質をいい、電解質をプロピレンカーボネートなどの非水溶媒に溶解した非水電解液の外、電解質をゲル状をなす非水分散媒(ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー)に溶解したもの、及びリチウムイオン伝導性を有する固体電解質をいうものとする。
なお、かかる非水電解質は、電解質を非水溶媒に溶解した非水電解液と、電解質をゲル状をなす非水分散媒に溶解したゲル状電解質と、固体電解質とに大別できる。
また、非水溶媒は、例えば、大気圧(1.01325×105Pa)において沸点が150℃より高い高沸点溶媒と、沸点が150℃以下である低沸点溶媒とに分けられるが、これらを混合して用いた方が高いイオン伝導性を得ることができるので好ましい。
これら溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
このときは、負極22における電解液の分解反応を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができる。
これら溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、この環状イミド塩は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記電解質は、この環状イミド塩のみにより構成するようにしてもよいが、他の1種又は2種以上のリチウム塩と混合して用いてもよい。
含有量が少ないとトリクル充電特性の向上効果が小さくなることがあり、含有量が多いと電解液の粘度が高くなり、イオン伝導性が低下してしまうことがある。
中でも、六フッ化リン酸リチウムを混合して用いるときは、より高い特性を得ることができるので好ましい。
まず、正極21は、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成して作製する。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電材と結着材とを混合して正極合剤を調製した後、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成できる。
また、負極22は、例えば、正極21と同様にして、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成して作製する。
正極21及び負極22を電池缶11の内部に収納した後、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。
その後、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15及び熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1,2に示した非水電解質二次電池が完成する。
図1,2に示すような円筒型の二次電池を作製した。
まず、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)と酸化ジルコニウムを混合し、空気中において890℃で5時間焼成してZr含有リチウム・コバルト複合酸化物(Zr含有LiCoO2)を得た。
得られたZr含有LiCoO2についてX線回折を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoO2のピークとよく一致していた。また、ICP分析を行ったところ、Zrが検出された。
続いて、このZr含有リチウム・コバルト複合酸化物を粉砕して平均粒子径が10μmの粉末状とし、正極活物質とした。
この正極合剤スラリーを厚み20μmの正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させた。
また、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、図3,図4のように正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼り、正極21を作製した。
続いて、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
負極22は、得られた負極活物質粉末94質量部と、導電材としてVGCF(ロンザ製 KS−15)1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン5質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極集電体22Aに塗布して負極活物質層22Bを形成することにより作製した。
続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を抵抗溶接機を用いて取り付けた。
その後、電池缶11の内部に電解液を減圧+加圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、表1に示すように、電解液の電解質塩は、それぞれの実施例において、以下の化学式4で表される環状イミド塩と、六フッ化リン酸リチウムとを濃度を変えて混合して用いた。
表1に示すように、環状イミド塩を含まず、六フッ化リン酸リチウムのみを含む正極活物質を用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表2に示すように、正極中のZr濃度を変化させた以外は、実施例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表2に示すように、正極中にZr及びFを含まない以外は、実施例2−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とフッ化コバルトを混合し、空気中において890℃で5時間焼成してF含有リチウム・コバルト複合酸化物(F含有LiCoO2)を得た。
得られたF含有LiCoO2についてX線回折を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoO2のピークとよく一致していた。また、ICP分析を行ったところ、Fが検出された。
続いて、このF含有リチウム・コバルト複合酸化物を粉砕して平均粒子径が10μmの粉末状とし、正極活物質とした。
正極以外は、実施例1−1と同様の操作を繰返して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、表3に示すように、電解液の電解質塩は、それぞれの実施例において、上記化学式4で表される環状イミド塩と、六フッ化リン酸リチウムとを濃度を変えて混合して用いた。
表3に示すように、環状イミド塩を含まず、六フッ化リン酸リチウムのみを含むF含有正極活物質を用いた以外は、実施例3−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表4に示すように、正極中のF濃度を変化させた以外は、実施例3−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表5に示すように、正極中にZr及びFを含まない以外は、実施例1−2〜1−7及び比較例2−1と同様の操作を繰返して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
正極活物質は、実施例1−1と同様の操作を繰返して得た。
負極活物質は、表6に示すように、メカノケミカル反応を利用して合成し、その組成を変化させて得た。
具体的には、第2の構成元素をコバルト、鉄、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、銀、インジウム、セリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、ケイ素又はビスマスと変化させ、第3の構成元素は炭素とした。得られた負極活物質粉末について組成分析を行った。
炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、他の元素の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。
続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmの正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させた。用いたその後、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成した。
その後、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
その後、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、表6に示すように、電解液の電解質塩は、上記化学式4で表される環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。
実施例3−1と同様な正極活物質を用いた以外は、表7に示すように、実施例5−1と同様な負極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
比較例1−1と同様な正極活物質を用いた以外は、表8に示すように、実施例5−1と同様な負極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表9に示すように、負極活物質について、第2の構成元素はコバルトとし、第3の構成元素をホウ素、アルミニウム又はリンと変化させた以外は、実施例5−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表10に示すように、負極活物質について、第2の構成元素はコバルトとし、第3の構成元素をホウ素、アルミニウム又はリンと変化させた以外は、実施例6−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表11に示すように、負極活物質について、第2の構成元素はコバルトとし、第3の構成元素をホウ素、アルミニウム又はリンと変化させた以外は、比較例3−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表12に示すように、負極活物質について、第2の構成元素をコバルト、第3の構成元素を炭素とし、炭素量を変化させた以外は、実施例5−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表13に示すように、負極活物質について、第2の構成元素をコバルト、第3の構成元素を炭素とし、炭素量を変化させた以外は、実施例6−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表14に示すように、負極活物質について、第2の構成元素をコバルト、第3の構成元素を炭素とし、炭素量を変化させた以外は、比較例3−1と同様な正極活物質及び非水電解質を用い、同様の操作を繰返すことにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
表15に示すように、負極活物質としてケイ素を用い、下記に示す電子ビーム蒸着法又は電子ビーム焼結法を用いて負極活物質層22Bを形成した以外は、実施例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
その際、評価に用いた電解液の溶媒は、4−フルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オン50%と、炭酸ジエチル50%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩には(化2)の環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。
算術平均粗さRaが0.5μm、厚みが35μmの電解銅箔よりなる負極集電体22Aにケイ素を電子ビーム蒸着法により堆積させて負極活物質層22Bを形成した後、これを加熱真空乾燥させて負極22を作製した。
平均粒径1μmのケイ素粉末90%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10%とを、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ、これを厚み18μmの電解銅箔よりなる負極集電体22Aに塗布し、乾燥させ加圧した後、真空雰囲気下において360℃で6時間熱処理することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。
なお、負極集電体22Aにケイ素をスパッタリング法によりSi堆積させる方法を用いてもかまわない。
表16に示すように、負極活物質としてケイ素を用い、上記電子ビーム蒸着法・焼結法を用いて負極活物質層22Bを形成した以外は、実施例3−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
その際、評価に用いた電解液の溶媒は、4−フルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オン50%と、炭酸ジエチル50%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩には(化2)の環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。
表17に示すように、負極活物質としてケイ素を用い、上記電子ビーム蒸着法・焼結法を用いて負極活物質層22Bを形成した以外は、比較例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
その際、評価に用いた電解液の溶媒は、4−フルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オン50%と、炭酸ジエチル50%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩には(化2)の環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。
表18に示すように、電解液に用いる環状イミド塩を以下の化学式5〜10で表されるイミド塩に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表19に示すように、電解液に用いる環状イミド塩を上記化学式5〜10で表されるイミド塩に変更した以外は、実施例3−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
表20に示すように、電解液に用いる環状イミド塩を上記化学式5〜10で表されるイミド塩に変更した以外は、比較例1−1と同様の操作を繰返して、本例の二次電池を作製した。
実施例及び比較例で作製した二次電池について、62℃及び72℃の環境下でトリクル充電特性を評価した。
トリクル充電は、62℃もしくは72℃環境下で充電終止電圧である4.2Vまで充電を行い、その後、同環境下で4.2V−CCCVの連続充電を行った。そして、電流遮断弁が作動するまでの時間を計測し、トリクル充電特性の寿命を判断した。それらの結果を表1〜20に示す。
表1、3、5〜8、15、16及び17に示すように、実施例及び比較例で作製した二次電池について、環状イミド(0mol/kg)、LiPF6(1.0mol/kg)の0.2C放電容量を100として、0.2、1、2、3C放電時の放電負荷特性の相対評価を行った。
また、表3〜5より、F含有正極と環状イミドを用いたものは、62℃、72℃トリクル充電においてともに特性が向上していることがわかる。
以上のことから、本発明の一例である、黒鉛を負極に用い、Z含有正極又はF含有正極を用い、環状イミドを電解質に用いた二次電池は、62℃、72℃ともにトリクル充電特性が向上することがわかった。
また、表1、3、5より、電解液中の環状イミド塩の添加量が増えると負荷特性は低下するが、正極にZrやFを添加するときは(表1,表3)、これらが無添加であるとき(表5)に比べて相対的に負荷特性が優れていることがわかる。なお、負荷特性を考慮するとイミド塩の濃度範囲は、0.01〜0.7mol/lであることが好ましい。
表15〜17より、本発明の一例である二次電池は、負極を黒鉛からSi系に変えても、黒鉛系と同様の効果が得られることがわかった。
表18〜20より、Z含有正極又はF含有正極と共存させて用いるイミド塩は、環状イミド塩であれば効果を有することがわかった。しかし、鎖状イミド塩については同様な効果を得られることができなかった。
以上のことから、電解液に(化1)で表される環状イミド塩を含むようにして、Zr含有正極活物質が正極に含まれていること、又は電解液に(化1)で表される環状イミド塩を含むようにして、フッ素含有正極活物質が正極に含まれていることで、トリクル充電特性が著しく向上させることが出来ることがわかった。
また、負荷特性を考慮するとイミド塩の濃度範囲は、0.01〜0.7mol/lが好ましいことがわかった。
例えば、上記実施例ではコイン型非水電解液二次電池を作製したが、外装部材に缶を用いた電池では、いわゆる円筒型、角型、ボタン型などの他の形状を有する電池についても同様に本発明を適用することができる。更に、二次電池に限らず一次電池についても適用可能である。
Claims (8)
- 上記4A族元素がジルコニウムであること特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 上記ハロゲンがフッ素であること特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池
- 上記負極活物質が炭素材料であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 上記負極活物質が構成元素としてケイ素及び/又はスズを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 上記環状イミド塩の含有量が0.01mol/l以上2mol/l以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 上記非水電解液に、更に、六フッ化リン酸リチウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006186456A JP2008016316A (ja) | 2006-07-06 | 2006-07-06 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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