JP2008010554A - 基板の処理装置および部品実装システム - Google Patents
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Abstract
【課題】多面取り基板の生産を合理的に進めることにより生産の無駄を無くす。
【解決手段】部品実装システムは、ディスペンサ2、第1実装装置3〜第3実装装置5、リフロー炉6および検査装置7を含み、複数のブロックを含む多面取り基板を順次搬送しながら各装置2〜7により所定の処理を施す。ディスペンサ2(制御装置2A)は、基板に含まれるブロックの数をカウントし、その合計カウント値が生産予定ブロック数に達すると、その基板を最終基板として生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ当該基板に塗布処理を施して第1実装装置31に搬出するとともに、その最終基板に対して生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ実装処理が施されるように最終基板情報を第1実装装置3(制御装置3A)に送信する。
【選択図】図1
【解決手段】部品実装システムは、ディスペンサ2、第1実装装置3〜第3実装装置5、リフロー炉6および検査装置7を含み、複数のブロックを含む多面取り基板を順次搬送しながら各装置2〜7により所定の処理を施す。ディスペンサ2(制御装置2A)は、基板に含まれるブロックの数をカウントし、その合計カウント値が生産予定ブロック数に達すると、その基板を最終基板として生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ当該基板に塗布処理を施して第1実装装置31に搬出するとともに、その最終基板に対して生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ実装処理が施されるように最終基板情報を第1実装装置3(制御装置3A)に送信する。
【選択図】図1
Description
本発明は、部品の実装装置や塗布液の塗布装置等の基板の処理装置、あるいは実装装置等を含む複数の処理装置からなる部品実装システムにおいて、いわゆる多面取り基板の生産に適したものに関するものである。
従来から、複数台の実装装置およびはんだ等の塗布装置をラインに組み込み、基板(PWB)を順次搬送しながら各装置により処理を施すことにより基板(PCB)を生産する部品実装システムが知られている。
この種の部品実装システムの基板の生産は、通常、基板単位で進められ、予めプログラムされた生産予定枚数に達すると生産を終了するようにシステム制御されるようになっている(例えば特許文献1)。
特開2003−69296号公報
近年、小型基板を効率的に生産するため、いわゆる多面取り基板の形態で基板の生産を行うケースが増えている。すなわち、同一回路をもつ複数のブロックを一枚の基板に含め、この基板を生産した後、最終的に各ブロックに分割して使用するというものである。
ところが、従来の部品実装システムでは、このような多面取り基板を生産する場合でも、通常の基板(一枚取り基板)と同様に基板単位で生産が進められており無駄があるという問題があった。つまり、4ブロックを含む多面取り基板の生産において、実際に必要なブロック数が「13」個の場合でも基板単位で生産が進められる結果、4枚の基板(16ブロック)が生産され、これによって3ブロックが余分に生産されてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであって、いわゆる多面取り基板の生産を合理的に進めることにより生産の無駄を無くすことを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、同一回路が形成された複数のブロックを含む多面取り基板に対して所定の処理を施す処理装置において、被処理基板に含まれる前記ブロックの数を順次計数する計数手段と、この計数手段による計数値が予め設定された生産予定ブロック数に達すると、そのブロック数に対応するブロック分だけ前記処理を行い当該基板の処理を終了するように動作制御を行う制御手段と、を備えるものである。
この装置によると、計数手段による計数値が予め設定された生産予定ブロック数に達すると、その基板については、生産予定ブロック数に対応する分だけ処理が行われ、未処理のブロックが残っている場合でも、そのブロックについては処理を行うことなく処理動作を終了する。そのため、生産予定ブロック数を超えて余分なブロックが生産されることが無くなる。
なお、多面取り基板には、通常、回路の欠損等、重大な欠陥を伴うブロックが存在すると、そのブロックの生産を禁止するために所定のマーク(処理の要否を特定するためのマーク)が付される。従って、上記装置は、多面取り基板に付されるマークであって、かつ各ブロックにおける前記処理の要否を特定するためのマークを認識可能な認識手段をさらに備え、前記計数手段が、前記認識手段による認識結果に基づき、被処理基板のブロックのうち処理不要なブロックを除いてブロックの数を計数するものであるのが好適である。
この装置によれば、処理不要なブロックを事前に計数対象から除くことができ、生産予定ブロック数との関係において、ブロック数の計数を正確に行うことが可能となる。
一方、本発明に係る部品実装システムは、基板に対して部品を実装する実装装置を少なくとも含む複数の処理装置を備え、同一回路が形成された複数のブロックを含む多面取り基板を順次搬送しながら各処理装置により所定の処理を施す部品実装システムにおいて、前記処理装置のうち最上流に位置する装置に搬入される基板に含まれる前記ブロックの数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値が予め設定された生産予定ブロック数に達すると、その基板については前記生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ部品の実装処理を行い処理を終了するように前記実装装置を制御する制御手段と、を備えているものである。
このシステムによると、計数手段による計数値が生産予定ブロック数に達すると、その基板については、生産予定ブロック数に対応する分だけ部品の実装処理が行われ、未処理のブロックが残っている場合でも、そのブロックについては処理を行うことなく下流側に搬出される。そのため、生産予定ブロック数を超える余分なブロックに部品が実装されることなく基板の生産が進められる。
なお、前記処理装置として、さらに基板の被実装部分に対して個別にはんだ等の塗布液を塗布可能な塗布装置を備えるものでは、前記制御手段は、前記計数手段による計数値が前記生産予定ブロック数に達すると、その基板については前記生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ塗布処理を行い当該基板の処理を終了するように前記塗布装置を制御する。
このシステムによると、上記の基板については、塗布処理においても、生産予定ブロック数に対応する分だけ塗布処理が行われ、未処理のブロックが残っている場合でも、そのブロックについては処理を行うことなく下流側に搬出される。すなわち、このシステムでは、生産予定ブロック数を超えるブロックがある場合には、そのブロックについては塗布液の塗布も部品の実装も行われることがない。
上記の各システムにおいては、前記最上流に位置する処理装置に、前記基板に付されるマークであって、かつ各ブロックの処理の要否を特定するためのマークを認識可能な認識手段を備え、前記計数手段が、前記認識手段による認識結果に基づき、被処理基板のブロックのうち処理不要なブロックを除いてブロックの数を計数するものであるのが好適である。
このシステムによると、処理不要なブロックを事前に計数対象から除くことができ、生産予定ブロック数との関係において、ブロック数を正確に計数することが可能となる。
なお、システム途中に破損や処理不良で基板がライン落ち等した場合には、計数手段による計数値に対して実際の生産済みブロック数が少なくなり、計数手段よる計数値の信頼性が損なわれる。そのため、上記計数手段は、生産終了済み基板に関する情報に基づき前記計数値を補正するものであるのが好適である。
このシステムによれば、基板がライン落ち等した場合等には、その分、余分にブロックの生産を行うように前記計数値の補正を行うことにより、ブロック数をより正確に計数することが可能となる。
この場合、具体的には、前記処理装置として、前記基板の各ブロックの処理の良否を検査する検査装置をさらに備え、前記計数手段が、前記検査装置により検出される不良ブロックの数を前記生産終了済み基板に関する情報として、この情報に基づき前記計数値を補正するようにしたものが考えられる。
本発明の処理装置および部品実装システムによると、いわゆる多面取り基板の生産に関し、生産予定ブロック数を超えてブロックが生産されることが無くなるため、無駄を無くして多面取り基板の生産を合理的に進めることができるようになる。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る部品実装システムを概略的に示している。このシステムは、その上流側からローダ1、ディスペンサ(塗布装置)2、第1実装装置3、第2実装装置4、第3実装装置5、リフロー炉6、検査装置7およびアンローダ8が直列に連結された構成となっている。そして、ローダ1から繰り出されるプリント基板(以下、単に基板という)を搬送しながら、各種塗布液の塗布処理、部品の実装処理、塗布液の硬化処理、および製品検査を順次基板に施してアンローダ8に払い出すように構成されている。
各装置1〜8は、それぞれ独自の制御装置1A〜8Aを備えた自律型の装置であって、各装置1〜8が各自の制御装置1A〜8Aにより個別に駆動制御されるようになっている。また、ディスペンサ2、実装装置3〜5および検査装置7はそれぞれLAN9に接続されており、このLAN9を介して互いに通信可能に接続されるとともに、当該システムを統括的に管理するホストコンピュータSに対して通信可能に接続されている。このホストコンピュータSには、基板の種類とその生産予定数等、生産計画に関するデータが格納されており、ディスペンサ2等はこのデータを参照して各処理を進める。
図2および図3は、ディスペンサ2の構成を概略的に示しており、図2は平面図で、図3は正面図でそれぞれディスペンサ2を示している。
これらの図に示すように、ディスペンサ2の基台11上にはコンベア12が配置されており、このコンベア12上を基板Pが搬送されて所定の作業位置で停止、位置決めされるようになっている。なお、コンベア12による基板Pの搬送方向は、当該システムにおける基板Pの搬送方向(各装置1〜8の配列方向)と同じであり、以下の説明では、この基板Pの搬送方向をX軸方向、水平面上でX軸と直交する方向をY軸方向、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることにする。
コンベア12の上方には、はんだペーストや接着剤等の各種塗布液を基板P上に塗布するためのヘッドユニット14が装備され、このヘッドユニット14が一定の領域内でX軸方向およびY軸方向にそれぞれ移動可能とされている。
すなわち、上記基台11上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール15と、Y軸サーボモータ17により回転駆動されるボールねじ軸16とが配設され、上記固定レール15上にヘッド支持部材18が配置されて、この支持部材18に設けられたナット部分19が上記ボールねじ軸16に螺合している。また、上記支持部材18には、X軸方向に延びるガイド部材20と、X軸サーボモータ22により駆動されるボールねじ軸21とが配設され、上記ガイド部材20にヘッドユニット14が移動可能に保持され、このヘッドユニット14に設けられたナット部分23が上記ボールねじ軸21に螺合している。そして、Y軸サーボモータ17の作動によりボールねじ軸16が回転して上記支持部材18がY軸方向に移動する一方で、X軸サーボモータ22の作動によりボールねじ軸21が回転して、ヘッドユニット14が支持部材18に対してX軸方向に移動するようになっている。
ヘッドユニット14には、塗布液を基板P上に塗布するための2つのディスペンスヘッド25A,25B(以下、ヘッド25A,25Bと略す)が搭載されるとともに、基板認識カメラ28が搭載されている。
各ヘッド25A,25Bは、互いにX軸方向に並んだ状態でヘッドユニット14に搭載されている。そして、ヘッドユニット14のフレームに対しZ方向(上下方向)の移動およびR軸(鉛直軸)回りの回転が可能とされ、Z軸サーボモータ26、およびR軸サーボモータ27によりそれぞれ駆動されるようになっている。
各ヘッド25A,25Bは、塗布液を収容したシリンジ34と、このシリンジ34に収容された塗布液を塗布するためのノズル30とをそれぞれ備えており、図外のエア圧供給手段により前記シリンジ34内にエア圧が供給されることにより、そのエア圧に応じた量の塗布液がノズル30先端に押し出されつつ基板P上に塗布されるように構成されている。
基板認識カメラ28は、例えばCCDエリアカメラからなり、基板Pに付される後記フィデューシャルマークM1やバットマークM3を撮像できるようにヘッドユニット14に対して下向き、つまり撮像方向が下向きになる状態で固定されている。
このディスペンサ2では、まず、ローダ1から搬送されてくる基板Pが上記作業位置に位置決め固定された後、ヘッドユニット14が移動して基板認識カメラ28により基板P上のマークM1等が撮像される。これにより基板Pの位置等、作業に必要な認識処理が行われる。その後、ヘッドユニット14の移動に伴い各ヘッド25A,25Bが順次、基板Pの被塗布部分に配置されながら所定量の塗布液が塗布されることにより基板Pに対する塗布液の塗布処理が進められる。
図4および図5は、第1実装装置3を概略的に示しており、図2は斜視図で、図3は正面図でそれぞれ第1実装装置3を示している。
これらの図に示すように、第1実装装置3の基台31上には基板PをX軸方向に搬送可能なコンベア32が配置されており、このコンベア32上を基板Pが搬送されて所定の作業位置で停止、位置決めされるようになっている。
コンベア32の両側には、実装用の部品を供給するための部品供給部34,35が設けられている。これらの部品供給部34,35のうち装置フロント側に位置する部品供給部34にはX軸方向に多数列のテープフィーダ34aが配置されている。各テープフィーダ34aには、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を収納、保持したテープがリールに巻回されて装着されており、このリールからフィーダ先端の部品取出部に前記テープを間欠的に繰り出しながら、後述するヘッドユニット36により部品をピックアップさせるように構成されている。
一方、装置リア側に位置する部品供給部35にはトレイフィーダ35aが配置されている。トレイフィーダ35aには、QFP、BGA等のパッケージ型電子部品、あるいは実装型コネクタ等の大型部品をマトリクス状に収納した複数のトレイTが上下複数段に収納されており、必要な部品を載せたトレイTをコンベア32側に引き出した状態でヘッドユニット36により部品をピックアップさせるように構成されている。
前記基台31の上方には、さらに部品実装用のヘッドユニット36が設けられている。
このヘッドユニット36は、部品供給部34,35から部品を吸着して基板P上に実装し得るように、一定の領域内でX軸方向およびY軸方向にそれぞれ移動可能とされている。
ヘッドユニット36を移動させるための機構は、ディスペンサ2のものと略共通している。すなわち、ヘッド支持部材41がY軸方向のレール37に移動可能に配置され、ヘッドユニット36がこの支持部材41に搭載されるとともにX軸方向のガイド部材44に沿って移動可能に支持されている。そして、Y軸サーボモータ39により駆動されるボールねじ軸(図示省略)に支持部材41が螺合装着され、これによって支持部材41のY軸方向の移動が行われる一方で、X軸サーボモータ45により駆動されるボールねじ軸43にヘッドユニット36が装着され、これによってヘッドユニット36のX軸方向の移動が行われるように構成されている。
前記ヘッドユニット36には、部品を吸着して基板Pに実装するための複数の実装用ヘッド50が搭載されており、当実施形態では、6本の軸状のヘッド50がX軸方向に一列に並べられた状態で搭載されている。
これらのヘッド50は、図外の昇降機構および回転機構に連結されることにより、ヘッドユニット36に対してそれぞれ上下方向(Z軸方向)および自軸回り(R軸方向)に駆動されるようになっている。そして、各ヘッド50の先端に、部品吸着用のノズル51が装着され、このノズル51に対して図外の負圧供給手段から負圧が供給されることにより部品の吸着が行われるようになっている。
ヘッドユニット36には、さらに基板P上に付されるフィデューシャルマークM1やバットマークM3等を撮像するための基板認識カメラ56が設けられている。このカメラ56は、ディスペンサ2のものと同様にCCDエリアセンサからなり、前記マークM1等を撮像できるようにヘッドユニット36に対して下向きになるように取付けられている。
一方、基台31上には、ヘッドユニット36の各ヘッド50により吸着された部品を認識するための部品認識カメラ47が設けられている。この部品認識カメラ47はCCDリニアセンサからなり、撮像方向が上向きになる状態で部品供給部34,35のコンベア2側方の位置に設けられている。これにより部品吸着後、ヘッドユニット36が部品認識カメラ47上を所定方向に通過すると、各ヘッド51による吸着部品が部品認識カメラ47により撮像されるようになっている。
このような第1実装装置3では、まず、ディスペンサ2から搬送されて来る基板Pが上記作業位置に位置決め固定された後、ヘッドユニット36が移動して部品認識カメラ47による基板P上のマークM1等の撮像が行われ、これにより基板Pの位置等、作業に必要な認識処理が行われる。その後、ヘッドユニット36が部品供給部34,35と基板Pとの間を往復移動しながら部品の実装が行われる。具体的には、ヘッドユニット36が部品供給部34、35の上方に移動し、各ヘッド50(ノズル51)によりテープフィーダ4a又はトレイフィーダ5aから部品の吸着が行われる。そして、ヘッドユニット36が部品認識カメラ47の上方を通過することにより各ヘッド50による吸着部品の位置ずれ等の画像認識が行われた後、各ヘッド50が順次、ヘッドユニット36の移動に伴い被実装部分に配置されながら部品の実装が行われる。こうしてヘッドユニット36が部品供給部34,35と基板Pとの間を移動しながら基板Pに対する部品の実装処理が進められる。
以上は、第1実装装置3の構成であるが、他の実装装置4,5も基本的に同様の構成を有している。
なお、詳細図を省略するが、リフロー炉6は、例えば基板搬送用のコンベアおよび熱風機等を有しており、部品実装後の基板Pに対して熱処理を施すことにより塗布液を硬化させて部品を基板P上に固定するように構成されている。また、検査装置7は、CCDエリアセンサからなる基板認識用カメラを搭載したヘッドユニットを有し、このヘッドユニットを、ディスペンサ2および第1実装装置3と略同様の機構により基板Pに対して相対的に移動させながら部品の実装部分を撮像し、その撮像結果から部品の実装位置ずれ等の所定項目の検査を行うように構成されている。
図7(a)は、上記の部品実装システムで生産される基板Pの一種である、いわゆる多面取り基板Pを示している。
多面取り基板Pは、同一回路が形成された複数のブロック(図示の例では6つのブロックB1〜B6)を含むもので、一枚の基板として塗布液の塗布処理や部品の実装処理を施した後、各ブロックB1〜B6をそれぞれ切り離して使用する構造となっている。
この図に示す基板Pには、基板Pの位置認識のための一対のフィデューシャルマークM1および基板Pを特定するための図外の識別情報等が形成され、また、各ブロックB1〜B6には、ディスペンサ2や実装装置3〜5による処理精度を高めるためのブロックフィデューシャルマークM2が個別に形成されている。さらに、回路に損傷がある等、重度の欠陥があるブロックB1〜B6には、当該ブロックを判別して部品実装等の処理を省略するためのバットマークM3が形成される。図示の例では、ブロックB1にバットマークM3が付されており、他のエリアE2〜E6には、便宜上、バットマークM3が形成される場合の配置を破線で示している。
上述した部品実装システムでは、このような多面取り基板Pの生産を無駄なく合理的に行うために、当該基板Pの生産に関しては、ブロック単位で生産を進めるようになっている。具体的には、このシステムのホストコンピュータSには、多面取り基板Pに関する生産計画データとして生産予定ブロック数が記憶されており、最上流に配置される処理装置であるディスペンサ2の制御装置2Aがブロック数をカウント(計数)し、その計数値(合計ブロック数)が生産予定ブロック数に到達するとディスペンサ2における塗布処理を終了するとともに、後述する最終基板情報を下流側の実装装置3〜5および検査装置7に送信するようになっている。すなわち、この実施形態は、ディスペンサ2の制御装置2Aが本発明に係る計数手段として機能し、また制御装置2Aおよび実装装置3〜5の各制御装置3A〜5Aが同制御手段として機能する。
なお、部品の実装不良等により不良ブロックが発生した場合には、制御装置2Aの上記計数値と生産済みブロック数との間に誤差が生じるため、これを回避するために、検査装置7の制御装置7Aは、各基板PのブロックB1〜B6の検査結果(本発明に係る生産終了済み基板に関する情報の一つ)をディスペンサ2(制御装置2A)に送信するようになっており、制御装置2Aは、これに応じて不足するブロック数を補うように合計ブロック数を補正するようになっている。
ここで、この部品実装システムにおける多面取り基板の生産について、ディスペンサ2における動作を中心に図6のフローチャートに基づいて説明する。
図6は、制御装置2Aの制御に基づくディスペンサ2の動作を示すフローチャートである。この図に示すように、多面取り基板Pの生産に際しては、まず生産準備として、制御装置2Aにおいて多面取り基板P(以下、必要な場合を除き単に基板Pという)に対応した生産プログラムの切換えが行われる(ステップS1)。
次いで、生産計画として登録されている生産予定ブロック数がホストコンピュータSからディスペンサ2の制御装置2A(以下、便宜上、単にディスペンサ2として説明する)に読み込まれて基板Pの生産が開始され、まず、ディスペンサ2からローダ1に基板Pの要求信号が送信され、これに応じてローダ1からディスペンサ2に基板Pが搬入され、前記作業位置に位置決めされる(ステップS3,S5)。
位置決めが完了すると、ディスペンサ2は、基板認識カメラ28によるマーク認識に基づき基板P上のバットマークM3の有無を調べ、バットマークM3が無い場合には、当該基板Pに含まれるブロック数(6個)をカウントする(ステップS9)。他方、バットマークM3が有る場合には、当該マークM3が付されたブロックを除く残りのブロックの数をカウントする(ステップS21)。なお、ディスペンサ2は、バットマークM3を検出した場合には、当該基板Pの識別情報とバットマークM3が付されたブロックB1〜B6の情報とを各実装装置3〜5および検査装置7に送信する。
次いで、ディスペンサ2は、検査装置7から送信される検査結果を参照し、必要に応じてブロックの上記カウント値(合計ブロック数)を修正する(ステップS11,S13)。この点については後に詳述する。
さらにディスペンサ2は、合計ブロック数が生産予定ブロック数に達したかを調べ(ステップS15)、達していない場合には、生産継続、つまり当該基板Pの全てのブロックB1〜B6(バットマークM3が付されているものは除く)に対して塗布処理を実施し(ステップS23)、処理後、当該基板Pを搬出するとともにローダ1に対して次の基板Pの要求信号を送信する。
一方、合計ブロック数が生産予定ブロック数に達した場合には(ステップS15でYES)、ディスペンサ2は、当該基板Pを最終基板として、当該基板Pに含まれるブロックB1〜B6のうち、生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ処理を行う(ステップS17)。詳しくは、ディスペンサ2は、合計ブロック数が生産予定ブロック数を超えているかを調べ、超えていない場合、つまり合計ブロック数と生産予定ブロック数とが同じ場合には、当該基板Pの全てのブロックB1〜B6に塗布処理を施す。これに対して、合計ブロック数が生産予定ブロック数を超えている場合には、ディスペンサ2は、生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ、つまり基板Pのブロック数(6個)からその過剰分を差し引いた残りのブロックに対してのみ塗布処理を施す。具体的に、例えば合計ブロック数が「502」で生産予定ブロック数が「500」の場合には、2ブロックが過剰となるので、この場合には、2ブロックを差し引いた4ブロックのみを処理対象として、例えば図7(b)に示すように予め定められた順序で割り付けた処理対象ブロック(斜線の部分以外の部分;図示の例ではブロックB1〜B4)にのみ塗布処理を施し、残りのブロックB5,B6には塗布処理を施すことなく当該基板Pの処理を終了する。
最終基板の処理が終了すると、ディスペンサ2は、基板Pを搬出するとともに、実装装置3〜5および検査装置7に対し、当該基板P(最終基板)の識別情報と、当該基板PのブロックB1〜B6のうち処理対象となるブロックを特定する情報、換言すればディスペンサ2において塗布処理が行われたブロック(図7(b)の例ではブロックB1〜B4)を特定する情報とを含む最終基板情報を送信し、これによって一連の多面取り基板Pに対する塗布処理を終了する(ステップS19)。
なお、以上はディスペンサ2による処理動作であるが、他の装置3〜7については次のようにして基板Pの生産が進められる。
第1実装装置3では、最終基板以外の基板Pについては、全てのブロックB1〜B6(バットマークM3が付されたブロックを除く)に対して部品の実装処理を実施し、次の第2実装装置4に基板Pを搬出する。そして、最終基板については、前記最終基板情報に基づき、前記ブロックB1〜B6のうち処理対象となるブロックについてのみ実装処理を実施して第2実装装置4に搬出する。こうして第2実装装置4、第3実装装置5、リフロー炉6および検査装置7に亘って基板Pを搬送しながら各装置4〜7においてそれぞれ所定の処理(部品の実装処理、リフロー処理、および検査処理)を実施して基板Pを下流側に搬出する。これにより他の各装置4〜7においても、最終基板以外の基板Pについては、全てのブロックB1〜B6に対して所定の処理を実施し、最終基板については、ブロックB1〜B6のうちディスペンサ2において処理対象とったブロックについてのみ処理が施されることとなる。但し、リフロー処理はリフロー炉6の構造上、最終基板Pについても基板全体に処理が施される。
なお、検査装置7は、基板認識カメラ28により部品の実装部分を撮像し、その撮像結果からブロックB1〜B6毎に部品の実装位置ずれ等の所定項目の検査を行うとともに、その検査結果を基板毎にディスペンサ2に逐次送信する。そして、ディスペンサ2では、この検査結果に基づき不良ブロックの数を検出し、前記合計ブロック数を修正する(図6のフローチャートのステップS11,13)。具体的には、合計ブロック数から不良ブロック数を減算する。つまり、不良ブロックが発生した場合には、ディスペンサ2によるブロックのカウント値(合計ブロック数)に比べて実質的な生産済みブロック数が少なくなるため、上記のように、検査装置7による検査結果をディスペンサ2にフィードバックし、不良ブロック数が発生した場合には合計ブロック数をその分だけ減算することにより生産予定ブロック数のカウントを正確に行うようになっている。
以上説明したように、この実施形態の部品実装システムでは、多面取り基板Pの生産を行う際には、最上流に位置するディスペンサ2によりブロック数をカウントしながら順次基板Pの処理を進め、その累計(合計ブロック数)が生産予定ブロック数に達すると、そのときの基板Pを最終基板として当該基板PのブロックB1〜B6のうち生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ処理を行い、未処理のブロックが残っている場合でも、そのブロックは処理対象から外して基板Pの生産を進めるように構成されているので、生産予定ブロック数を超える余分なブロックが生産されることがない。そのため、多面取り基板Pの生産を、無駄なく合理的に進めることができるという効果がある。
特に、この部品実装システムでは、検査装置7の検査結果をディスペンサ2にフィードバックし、不良ブロックが発生した場合には、ディスペンサ2のカウント値(合計カウント値)から不良ブロック数を減算することにより当該カウント値を修正するようにしているので、合計カウント値と生産済みブロック数(適正に生産されたブロック数)とに誤差が生じることがなく、予め設定された生産予定ブロック数だけ過不足無く生産を行うことができるという効果がある。
また、この部品実装システムでは、最終基板Pの生産に関し、上記のように最終基板の識別情報と処理対象ブロックB1〜B6を特定する情報とを含む最終基板情報をディスペンサ2から実装装置3〜5および検査装置7に送信するようにしているので、これらの装置3〜5,7において最終基板の処理対象ブロックB1〜B6を特定するための作業が無い。従って、実装装置3〜5や検査装置7における最終基板Pの処理を速やかに行うことができ、基板Pの効率的な生産に貢献し得るという効果もある。
なお、以上説明した部品実装システムは、本発明に係る部品実装システムの好ましい実施の形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、処理装置としてディスペンサ2、実装装置3〜5、リフロー炉6および検査装置7から構成される部品実装システムを構成しているが、部品実装システムの具体的な構成はこれに限られるものではない。例えば、複数の実装装置のみからなる部品実装システムにも本発明は適用可能であり、この場合には、最上流に位置する実装装置においてブロックの数をカウントするようにすればよい。また、図1に示す部品実装システムにおいてディスペンサ2に代えてスクリーン印刷装置を配備した部品実装システムについても本発明は適用可能である。この場合には、スクリーン印刷装置においてブロック数をカウントするようにすればよい。但し、スクリーン印刷装置は、基板全体に対して一体に印刷処理を進めるものであってブロック単位での印刷処理は基本的にできないため、このシステムの場合には、スクリーン印刷装置においてブロックの数のカウントを行い、最終基板における処理対象ブロックの特定は第1実装装置3において行うようにしてもよい。
実施形態では、生産終了済み基板に関する情報として基板Pの検査結果を検査装置7からディスペンサ2にフィードバックし、不良ブロックがある場合にはディスペンサ2のカウント値(合計ブロック数)を補正するようにしているが、さらに基板Pがライン落ちした場合には、その情報をディスペンサ2にフィードバックして合計ブロック数の補正を行うようにしてもよい。これによれば基板Pのライン落ちを考慮して正確にブロックの数をカウントすることができる。
1 ローダ
2 ディスペンサ
3 第1実装装置
4 第2実装装置
5 第3実装装置
6 リフロー炉
7 検査装置
8 アンローダ
1A〜8A 制御装置
S ホストコンピュータ
2 ディスペンサ
3 第1実装装置
4 第2実装装置
5 第3実装装置
6 リフロー炉
7 検査装置
8 アンローダ
1A〜8A 制御装置
S ホストコンピュータ
Claims (7)
- 同一回路が形成された複数のブロックを含む多面取り基板に対して所定の処理を施す処理装置において、
被処理基板に含まれる前記ブロックの数を計数する計数手段と、
この計数手段による計数値が予め設定された生産予定ブロック数に達すると、そのブロック数に対応するブロック分だけ前記処理を行い当該基板の処理を終了するように動作制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする処理装置。 - 請求項1に記載の処理装置において、
前記多面取り基板に付されるマークであって、かつ各ブロックにおける前記処理の要否を特定するためのマークを認識可能な認識手段をさらに備え、
前記計数手段は、前記認識手段による認識結果に基づき、被処理基板のブロックのうち処理不要なブロックを除いてブロックの数を計数することを特徴とする処理装置。 - 基板に対して部品を実装する実装装置を少なくとも含む複数の処理装置を備え、同一回路が形成された複数のブロックを含む多面取り基板を順次搬送しながら各処理装置により所定の処理を施す部品実装システムにおいて、
前記処理装置のうち最上流に位置する装置に搬入される基板に含まれる前記ブロックの数を計数する計数手段と、
この計数手段による計数値が予め設定された生産予定ブロック数に達すると、その基板については前記生産予定ブロック数に対応するブロック分だけ部品の実装処理を行い処理を終了するように前記実装装置を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする部品実装システム。 - 請求項3に記載の部品実装システムにおいて、
前記処理装置として、さらに基板の被実装部分に対して個別にはんだ等の塗布液を塗布可能な塗布装置を備え、
前記制御手段は、前記計数手段による計数値が前記生産予定ブロック数に達すると、その基板については前記生産予定ブロック数に対応するブロック分だけの塗布処理を行い当該基板の処理を終了するように前記塗布装置を制御することを特徴とする部品実装システム。 - 請求項3又は4に記載の部品実装システムにおいて、
前記最上流に位置する処理装置に、前記基板に付されるマークであって、かつ各ブロックの処理の要否を特定するためのマークを認識可能な認識手段を備え、
前記計数手段は、前記認識手段による認識結果に基づき、被処理基板のブロックのうち処理不要なブロックを除いてブロックの数を計数することを特徴とする部品実装システム。 - 請求項3乃至5の何れかに記載の部品実装システムにおいて、
前記計数手段は、生産終了済み基板に関する情報に基づき前記計数値を補正することを特徴とする部品実装システム。 - 請求項6に記載の部品実装システムにおいて、
前記処理装置として、前記基板の各ブロックの処理の良否を検査する検査装置をさらに備え、
前記計数手段は、前記検査装置により検出される不良ブロックの数を前記生産終了済み基板に関する情報として、この情報に基づき前記計数値を補正することを特徴とする部品実装システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006178134A JP2008010554A (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 基板の処理装置および部品実装システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006178134A JP2008010554A (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 基板の処理装置および部品実装システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008010554A true JP2008010554A (ja) | 2008-01-17 |
Family
ID=39068514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006178134A Pending JP2008010554A (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 基板の処理装置および部品実装システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008010554A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109479393A (zh) * | 2016-06-08 | 2019-03-15 | 诺信公司 | 用于将液体或粘性材料分配到基板上的***和方法 |
US10423128B2 (en) | 2012-05-14 | 2019-09-24 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Working apparatus for component or board and component mounting apparatus |
JP2021089951A (ja) * | 2019-12-04 | 2021-06-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 実装システムおよび実装方法 |
JP7407345B2 (ja) | 2019-12-04 | 2024-01-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 実装システムおよび部品装着装置 |
-
2006
- 2006-06-28 JP JP2006178134A patent/JP2008010554A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109479393A (zh) * | 2016-06-08 | 2019-03-15 | 诺信公司 | 用于将液体或粘性材料分配到基板上的***和方法 |
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