JP2008010524A - 銅張り積層板およびそれを用いた多層配線板 - Google Patents

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大吉 西岡
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Ryuichi Kamei
隆一 亀井
Masaya Katayama
昌也 片山
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Abstract

【課題】可動部における絶縁性フィルム同士の密着を防止し、屈曲性に優れた銅張り積層板および多層配線板を提供すること。
【解決手段】絶縁性フィルムおよび銅箔を有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの銅箔と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板。または、絶縁性フィルム、接着剤層および銅箔をこの順に有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの接着剤層と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅張り積層板および多層配線板に関する。
電子電気機器印刷回路基板に用いられる積層板の代表例として、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuits、以下FPCということがある)が挙げられる。FPCは、銅張り積層板(以下CCLということがある)、カバーレイフィルム(以下CLということがある)で構成される。CCLには、銅箔、ポリイミドベースフィルム、エポキシ系熱硬化型接着剤層の3種の層で構成される安価な3層タイプと、接着剤層を有しない2層タイプ、さらにはポリイミドベースフィルムと同質のポリイミド系接着剤を有した3層タイプ(以下擬似2層タイプという)がある。また、CLはCCLの銅配線を保護する目的で積層されるものであり、ポリイミドベースフィルム、エポキシ系熱硬化型接着剤層で構成される。柔軟性に富み、優れた屈曲性を有するFPC材料は、HDD、CD、DVD、各種電子機器のヒンジ部等、可動部分の基板として好適である。
近年、HDDのさらなる小型化に伴って、FPCは、家庭用VTRやゲーム機の画像記録部やデジタルカメラ、ポータブルオーディオ等携帯機器のデータ記録部、車載カーナビゲーション用のデータ記録部等さまざまなアプリケーションへの応用も進みつつある。また、近年の携帯電話や小型電子機器の高機能化に伴って、複数のFPCを層間接着シート(以下ボンディングシートという)やプリプレグを介して積層した多層配線板が用いられている。多層配線板に用いられるFPCは、絶縁性フィルムがボンディングシートもしくはプリプレグと十分に接着することが求められる。一方で、可動部分であるヒンジ部においては、ボンディングシートやプリプレグを使用せず、複数のFPCを接着させないことによって、屈曲時に銅箔上に蓄積される局所的な歪みを分散させるなどの工夫がなされている。近年、このようなFPCの多層化や銅配線の微細化に伴い、FPC材料の屈曲特性に対する要求は格段に厳しくなってきている。
これまでに、全ての電気絶縁性フィルムの両面に低温プラズマ処理が施された多層フレキシブル印刷配線板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。低温プラズマ処理により電気絶縁性フィルムの密着性を向上させるとともに、FPC同士の滑りを防止し、加工性に優れた多層配線板を提供しようとするものである。しかしながら、このような従来公知の多層配線板においては、ヒンジ部などの可動部においても絶縁性フィルム同士が密着し、屈曲性が不十分になるという課題があった。また、可動部において密着した絶縁性フィルムは、手作業で1枚ずつ剥がすことはできるものの、作業性が著しく劣るという課題があった。
また、複数枚の基板を重ね合わせてなるフレキシブルプリント基板であって、互いに接触する側の基板表面に0.5〜6.0μmの凹凸を形成したフレキシブルプリント基板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。基板同士の接触面積を小さくすることにより摩擦力を下げることはできるが、このような加工では屈曲性は十分ではなかった。
特開2004−39833号公報(請求項1) 特開2006−24584号公報(請求項1〜2)
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、可動部における絶縁性フィルム同士の密着を防止し、屈曲性に優れた銅張り積層板および多層配線板を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、絶縁性フィルム表面に形成した凹部の形状が屈曲性に影響することを見出した。すなわち本発明の第一の態様は、絶縁性フィルムおよび銅箔を有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの銅箔と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板である。また、本発明の別の態様は、絶縁性フィルム、接着剤層および銅箔をこの順に有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの接着剤層と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板である。
本発明により、屈曲性に優れた銅張り積層板を得ることができる。さらに、本発明の銅張り積層板を用いることにより、屈曲性に優れた多層配線板を得ることができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明におけるCCLは、3層タイプ、2層タイプ、擬似2層タイプのいずれであっても良い。本発明のCCLは、2層タイプの場合、絶縁性フィルムおよび銅箔を有するCCLであって、前記絶縁性フィルムの銅箔と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする。また、3層タイプまたは擬似2層タイプの場合、絶縁性フィルム、接着剤層および銅箔をこの順に有するCCLであって、前記絶縁性フィルムの接着剤層と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする。アスペクト比が100未満であると屈曲性の効果が得られない。より好ましくは、アスペクト比500以上であり、屈曲時の応力分散が効果的に発揮されるため、屈曲性がより向上する。ここでアスペクト比とは、凹部を真上から見たときの短尺側を幅とし、長尺側を長さとしたときの、幅に対する長さの比と定義する。凹部の幅および長さは、電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて測定することができる。また、本発明において一定方向とは、各凹部の長さ方向の線のなす角度が30°以下であることを意味する。このようなアスペクト比100以上の凹部を一定方向に形成することによって、屈曲時の銅箔にかかる応力を適度に分散させることができるため、屈曲性が向上する。
絶縁性フィルム表面に凹部を形成するためには、例えば、ニードル、ブラシ、サンドペーパーなどによる引掻き加工などの粗面化処理を施せばよい。また、これらの手法を用いて、凹部のアスペクト比を100以上とする方法としては、例えば引掻き加工時の絶縁性フィルムあるいはニードル、ブラシ、サンドペーパーなどの速度を調整する方法が挙げられる。なお、これらの粗面化処理に伴い切削屑が発生する場合には、切削屑の吸引や、水によるウエット洗浄などを行うことが好ましい。これらの粗面化処理は、切削屑による銅箔汚れや傷を防止する観点から、絶縁性フィルム単体に対して行うことが好ましい。
また、単位面積あたりに占める前記アスペクト比100以上の凹部の面積(以下、密度ということがある)が50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。ここで、単位面積あたりに占めるアスペクト比100以上の凹部の面積は、絶縁性フィルムの表面を真上方向から電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡によって写真を撮影し、その写真に写っている前記凹部の面積の合計を撮影範囲の面積で除したものに100を掛けて百分率としたものと定義する。ここで、撮影範囲は5mm角以上とする。単位面積あたりに占めるアスペクト比100以上の凹部の面積が50%以下であれば、ボンディングシートあるいはプリプレグとの接着性を高いレベルに保ちつつ、可動部における絶縁性フィルム同士の密着をより効率的に防止することができる。アスペクト比100以上の凹部の面積は、例えば引掻き加工回数や、引掻き加工時の絶縁性フィルム張力によって調整することができる。
また、前記アスペクト比100以上の凹部の深さは5μm以下であることが好ましい。より好ましくは、2μm以下である。凹部の深さは、電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて、凹部を断面方向から観察することによって測定することができる。凹部の深さが5μm以下であれば、特に12.5μm以下の薄い絶縁性フィルムを用いた場合であっても強度を保つことができる。アスペクト比100以上の凹部の深さは、例えば引掻き加工時の絶縁性フィルム張力によって調整することができる。
さらに、凹部の密度のバラツキも重要であり、粗面化処理の加工精度が高いほど安定した特性が期待できる。つまり、フィルムの短軸方向(TD)、長軸方向(MD)のあらゆる箇所を均一に加工することが好ましく、密度の標準偏差は、望ましくは2.5以下である。
粗面化処理を施すことによって、絶縁性フィルムの引張破断強度が低下する場合があるが、本発明においては、アスペクト比100以上の凹部の深さおよび密度を前述の好ましい範囲にすることにより、引張破断強度の低下を低減することができる。引張破断強度は、CCLの銅箔をエッチングにより完全に取り除いたものを10mm幅の短冊状に切り取り、チャック間距離30mmで挟んだ状態で180°方向へ50mm/分の一定速度で引張り、破断したときの荷重値を断面積で除した値である。ここで、絶縁性フィルムの粗面化処理後の引張破断強度を、粗面化処理前の引張破断強度で除したものに100を掛けて百分率としたものを保持率と定義する。絶縁破壊電圧など絶縁性フィルムとしての機能を保持する観点から、保持率は70%以上が好ましい。また、粗面化処理後の引張破断強度の絶対値としては、CCLとしての強度の観点から150MPa以上であることが好ましい。
また、本発明において、絶縁性フィルムの凹部が形成された表面の算術平均粗さ(Ra)は0.1μm以上であることが好ましい。0.1μm以上であれば、屈曲性の効果をより高めることができる。また、ボンディングシートの埋まり込み性の観点から、5.0μm未満であることが好ましい。
絶縁性フィルムの算術平均粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。本発明においては、絶縁性フィルムの表面凹凸を探針にて掃引して粗さ曲線を基準長さ100μmで抜き取り、この部分の平均線から各粗さ曲線上の点間の距離(偏差)の絶対値を合計し、基準長さで除した値をRaとする。
本発明に好ましく用いられる絶縁性フィルムとしては、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレートなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられる。これらのフィルム単独、もしくはこれらのフィルムから選ばれる複数のフィルムを積層して用いてもよい。絶縁性フィルムの厚みは9〜200μmが好ましい。
本発明に好ましく用いられる銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。銅箔の厚みは9〜35μmが好ましい。また、銅箔のラミネート面及びその反対面は必要に応じて、防錆処理、コブ付け処理、易接着処理等が施されていても構わない。
また、本発明のCCLの接着剤層を形成する接着剤組成物としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂や硬化剤などを含むものが挙げられる。さらに、アクリロニトリルなどのエラストマー成分や硬化促進剤を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を分子中に少なくとも2個以上含むものであれば特に限定されないが、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノールなどのジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタンなどの脂環式エポキシ樹脂、あるいはビフェノール型エポキシ樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂とそれらの臭素化誘導体などが挙げられる。
また、非ハロゲン難燃化を達成するためには、ハロゲンを含まないエポキシ樹脂、特に非臭素系エポキシ樹脂を選択することができ、例えば、分子内にリンを含有するエポキシ樹脂などを使用することができる。その種類としては特に限定されるものではないが、例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドやその誘導体と、1,4−ベンゾキノン、1,2−ベンゾキノン、トルキノン、1,4−ナフトキノンなどを反応させて得られる化合物に、エポキシ樹脂を反応させたリン含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などの公知のフェノール樹脂が挙げられる。例えば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノールなどのアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエンなどの環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基などのヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセンなどの骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロールなどの多官能性フェノールメラミン変性またはトリアジン変性フェノールなどの窒素含有フェノールからなる樹脂が挙げられる。
また、硬化剤は特に限定されるものではない。例えば、芳香族ポリアミンである3,3´5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、2,2´3,3´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4´−トリアミノジフェニルスルホンなどやフェノールノボラック樹脂、ジシアンジアミド、酸無水物などが挙げられる。
また、硬化促進剤としては、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体などの三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸などの有機酸、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
エラストマー成分としては、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(以下NBR−Cという)などが挙げられる。
さらに、上記成分以外に必要に応じて微粒子状の無機粒子を含有してもよい。無機粒子としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物などの金属水酸化物、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物が挙げられる。
さらに、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤、メラミンおよびその誘導体、シリコーン系化合物などの有機、無機成分を含有してもよい。
本発明のCCLの製造方法としては、例えば3層CCLの場合、前記の線状の凹部を有するように粗面化処理を施したポリイミドフィルムの片面に、接着剤を介して銅箔を加熱ラミネートすることなどによって得られる。2層CCLの製造方法としては、接着剤を使用しないで、粗面化処理を施したポリイミドフィルムにほぼ直接銅をメッキしたり(メッキ2層CCL)、銅箔にポリアミック酸を塗布乾燥しイミド化することで、ポリイミドフィルムを用いることなくポリイミド層を形成(キャスト2層CCL)した後に粗面化処理を施す方法を挙げることができる。
多層配線板は、本発明のCCLとCLを積層してなるFPCを、層間接着剤層を介して2層以上積層してなる。ここで、CLは、絶縁性フィルムと接着剤層を有する積層フィルムである。層間接着剤層は、各FPCの少なくとも1部に配されていればよく、ヒンジ部などの可動部分には層間接着剤を用いないことが一般的である。本発明の多層配線板は、本発明のCCLの回路形成面にCLをプレスラミネートにより張り合わせたものを複数枚用意し、層間接着剤シートを介して重ね合わせて、さらにプレスラミネートにより加熱、加圧一体化して得ることができる。
以下に、3層CCLを用いた実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前にCCLの作製方法及び特性評価方法について述べる。
A.CCLの作製方法
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、H−421)をトルエンに分散させ、サンドミル処理して水酸化アルミニウム分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)、リン含有エポキシ樹脂(東都化成(株)製、FX−289BEK、リン含有率2wt%)、エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、“エピコート”(登録商標)(Ep)834、エポキシ当量250)、硬化剤4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(住友化学(株)製、4,4’DDS)および硬化促進剤三フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ(株)製、BFMEA)をそれぞれ以下の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して26重量%の接着剤溶液を作製した。
<組成>
H−421 :11重量部
PNR−1H :26重量部
FX−289BEK :18重量部
Ep834 :21重量部
4,4’DDS :3重量部
BF3MEA :0.1重量部
片面を粗面化処理した12.5μm厚のポリイミドフィルム“カプトン”(登録商標)50ENの非処理面に、前記接着剤溶液をバーコーターで塗布し、硬化して、10μm厚の接着剤層を有する接着剤シートを作製した。得られた接着剤シートの接着剤面に1/3ozの電解銅箔(三井金属(株)製、3EC−HTE箔、12μm厚)の非光沢面を合わせるように、100℃、2.7MPaでラミネートした後、150℃、5時間の熱処理を行って、接着剤層の硬化度が90%以上であるCCLを作製した。
B.FPCの作製方法
厚さ12.5μmのポリイミドフィルムの片面に、接着剤を厚さ25μmに塗布した9H1−0000(東レ(株)製、商品名)に、前記Aに記載の方法で得られたCCLを温度160℃、圧力4MPa、45分間の条件でプレスしてFPCを作製した。
C.絶縁性フィルム表面の凹部の幅、長さ、深さ、密度の測定方法
粗面化処理を施したポリイミドフィルムをミクロトーム(モデルRM−S(株)日本ミクロトーム研究所製)で凍結切断し、清浄断面を得た。この断面の任意の箇所を、電子顕微鏡を用いて倍率1,000倍で観察し、凹部の幅および深さを測定した。ここで凹部の幅は任意の20箇所の平均値を、また深さは、任意の20箇所の最大値を求めた。
次に、粗面化処理を施したポリイミドフィルムの粗面化処理面の任意の箇所を、光学顕微鏡を用いて倍率5倍で観察し、凹部の長さを測定し、任意の20箇所の平均値を求めた。また、密度は、粗面化処理を施したポリイミドフィルムの粗面化処理面の任意の5mm角の範囲を、光学顕微鏡を用いて倍率5倍で撮影し、撮影範囲内の凹部の長さの和に前記で求めた幅の平均値を乗じて求めた面積を、撮影範囲の面積(25mm)で除した値に100を乗じて求めた。これを10箇所同じ要領で測定し、その平均値を密度とした。
Raは、原子間力顕微鏡を用いて絶縁性フィルムの表面凹凸を探針にて掃引し、粗さ曲線を基準長さ100μmで抜き取り、この部分の平均線から各粗さ曲線上の点間の距離(偏差)の絶対値を合計し基準長さで除した。
D.屈曲性評価方法
JIS−C6471(1995)8.2に準拠した方法で評価を行った。前記Bに記載の方法で得られたFPCを、張力4.9Nで毎分175回の割合で繰り返し折り曲げ、銅箔が断線するまでの回数を測定した。折り曲げの曲率半径(R)は、0.38mmおよび0.8mmの2水準とした。各FPCに対して5回の測定を行い、平均した値を耐折性の回数とした。
E.絶縁性フィルム同士の密着性
前記Aに記載の方法で得られた2枚のCCLのポリイミドフィルムの粗面化処理面同士を重ね合わせた状態で、4MPa、160℃、60分間熱圧着した後で、容易に剥がせるかどうかを評価した。熱圧着後のCCLの片側だけを持ち上げて剥がれた場合は○、剥がれなかった場合は×とした。
F.ボンディングシートとの接着力
前記Aに記載の方法で得られた2枚のCCLを、ポリイミドフィルムの粗面化処理面を対向させてボンディングシート(TFA−890EA、厚さ35μm、京セラケミカル社製、商品名)を挟み、4MPa、160℃で60分間熱圧着した後で、180°方向の接着力を評価した。評価方法はJIS−C6481(1995)8.1に準拠して行った。測定条件は、引き剥がし速度50mm/分、サンプル幅は5mmで行った。一般的に10N/cm以上あれば使用上問題ない。
G.引張破断強度及び保持率
前記Aに記載の方法で作製したCCLの銅箔をエッチングにより全て除去した後、TDが長軸になるように5mm幅にカットした。チャック間距離が30mmとなるように前記試料をセットした後、180°方向へ50mm/分の速度で破断するまで引っ張った。破断した時の荷重値を断面積で除した値を記録した。粗面化処理後の引張破断強度を、粗面化処理前の引張破断強度で除したものに100を掛けて百分率としたものを保持率とした。
実施例1
図1に絶縁性フィルムの粗面化処理方法の概略図を示す。図1において、ポリイミドフィルム巻き出し1から巻き出されたポリイミドフィルム4は、サンドペーパー(#180)を全面に貼り付けた駆動ロール2を通り、ポリイミドフィルム巻き取り3に巻き取られる。ポリイミドフィルムとしては、12.5μm厚の“カプトン”(登録商標)50EN(東レ・デュポン(株)製)を用いた。ポリイミドフィルムの張力は294N/m、速度は30m/分とした。また、駆動ロール2はポリイミドフィルム走行方向と逆方向に、回転数1000rpmで回転させた。このフィルム処理を1回行うことで粗面化を行った。得られた粗面化ポリイミドフィルムを用いて、上記AおよびBに記載の方法により、CCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
実施例2〜9
実施例1において、フィルム張力、フィルム処理回数、駆動ロール回転数を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にCCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
実施例10
実施例1において、サンドペーパー(#180)を全面に貼り付けた駆動ロールに代えて、直径0.2mmのSUS製毛を3000本/cmの密度で植毛したロール状ブラシを用い、フィルム張力を58.8N/m、速度を10m/分とした以外は実施例1と同様にCCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
比較例1
ポリイミドフィルムに粗面化処理を施さないでCCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
比較例2
12.5μm厚のポリイミドフィルム“カプトン”(登録商標)50EN(東レ・デュポン(株)製)の片面に、低温プラズマにより粗面化処理を施した。この低温プラズマ処理は、真空度0.2Torr、炭酸ガス流量1.0L/分、印加電圧4.5kV、周波数110kHzで30kWの電力を入力し、電極4本を円筒状に配置した低温プラズマ発生装置により低温プラズマを発生させ、電極から40mmの距離で上記ポリイミドフィルムを8m/分の速度で移動させて行った。これを用いて上記AおよびBに記載の方法により、CCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
比較例3
12.5μm厚のポリイミドフィルム“カプトン”(登録商標)50EN(東レ・デュポン(株)製)の片面に、ケイ砂粒子を用いて粗面化処理を行った。評価結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、フィルム張力、駆動ロール回転数を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にCCLおよびFPCを作製した。評価結果を表1に示す。
Figure 2008010524
絶縁性フィルムの粗面化処理方法の概略図
符号の説明
1 ポリイミドフィルム巻き出し
2 駆動ロール
3 ポリイミドフィルム巻き取り
4 ポリイミドフィルム

Claims (5)

  1. 絶縁性フィルムおよび銅箔を有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの銅箔と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板。
  2. 絶縁性フィルム、接着剤層および銅箔をこの順に有する銅張り積層板であって、前記絶縁性フィルムの接着剤層と接していない面に、アスペクト比100以上の凹部が一定方向に形成されていることを特徴とする銅張り積層板。
  3. 前記絶縁性フィルムのアスペクト比100以上の凹部が形成された面の、単位面積あたりに占める前記凹部の面積が50%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の銅張り積層板。
  4. 前記アスペクト比100以上の凹部の深さが5μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の銅張り積層板。
  5. 請求項1または2記載の銅張り積層板とカバーレイフィルムを積層してなるフレキシブルプリント配線板を、層間接着剤層を介して2層以上積層してなる多層配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107673587A (zh) * 2017-09-20 2018-02-09 嘉峪关市天宝热弯玻璃工艺有限责任公司 一种热弯玻璃大弯折度加工装置及其加工方法

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CN107673587B (zh) * 2017-09-20 2024-01-30 嘉峪关市天宝热弯玻璃工艺有限责任公司 一种热弯玻璃大弯折度加工装置

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