JP2008008604A - 冷媒配管構造及び空気調和装置 - Google Patents

冷媒配管構造及び空気調和装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁弁の自励振動を抑制する。
【解決手段】BSユニット(30A,30B)は、冷媒回路(R)の一部を構成する主管(3c)と、第1分岐管(3a)および第2分岐管(3b)とを備えている。各分岐管(3a,3b)には、電磁弁(31,32)が設けられている。主管(3c)には、共鳴周波数の異なる2つのヘルムホルツ共鳴器(33,34)が設けられている。これにより、各電磁弁(31,32)で発生する自励振動が2つの共鳴器(33,34)によって抑制される。共鳴器(33,34)は、30〜70Hzの振動周波数域で自励振動を抑制できるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒配管構造に関し、特に、制御弁を備えた冷媒配管構造における騒音防止対策に係るものである。
従来より、空調機等の冷媒回路には、冷媒流れを遮断する電磁弁や一方向のみの冷媒流れを許容する逆止弁等の各種制御弁が設けられている。例えば、特許文献1の空調機は、室外ユニットと複数の室内ユニットを備えている。そして、室外ユニットと各室内ユニットとのそれぞれの間には、中間BSユニットとしてのBSユニットが接続されている。
上記BSユニットは、複数の電磁弁等が設けられた冷媒配管構造を備えている。そして、このBSユニットは、電磁弁の切換により、室内ユニットで蒸発した冷媒が流入して室外ユニットの圧縮機へ向かって流出する状態と、室外ユニットの圧縮機から吐出された冷媒が流入して室内ユニットへ向かって流出する状態とに切り換わるように構成されている。これにより、室内ユニット毎に冷房と暖房とが個別に切り換わる。
特開平11−241844号公報
上述した空調機では、特に低負荷時に、電磁弁において冷媒圧力が低くなり、その弁体に設けられたスプリングの作用力との関係で弁体が自励振動を起こすという問題があった。そして、この自励振動により、騒音(チャタリング音)が発生するという問題があった。
以下で、上述のように弁体の自励振動が発生する原理について詳しく説明する。図17に示すように、電磁弁(SV)は、本体(101)と、弁体(102)と、バネ(103)と、電磁コイル(104)とを備えている。本体(101)には、冷媒の流通室(106)と弁体(102)の背部室(107)とを連通させる連通管(105)が設けられている。バネ(103)は、背部室(107)に設けられ、弁体(102)を流通室(106)側へ付勢している。電磁コイル(104)は、通電すると、電磁力が発生して弁体(102)を背部室(107)側へ引き上げるように構成されている。また、本体(101)の流通室(106)においては、通常、抵抗によって出口圧力が入口圧力よりも低くなる。
そして、図17の(X)に示すように、電磁弁(SV)が閉状態の場合、流通室(106)側の連通管(105)の開口が弁体(102)によって遮断されている。つまり、流通室(106)の圧力が背部室(107)へ作用しないため、弁体(102)はバネ(103)によってのみ流通室(106)側へ押し付けられている。ここで、電磁弁(SV)を開く場合、電磁コイル(104)が通電して弁体(102)が引き上げられ、連通管(105)が連通状態になる。そうすると、流通室(106)の出口側の低圧冷媒が連通管(105)を通って背部室(107)へ流れ込む。したがって、弁体(102)は、自己の重力とバネ(103)の付勢力と低圧冷媒の圧力とによって、流通室(106)側へ押し付けられる。一方、弁体(102)は、電磁コイル(104)の電磁力と流通室(106)の入口圧力とによって、背部室(107)側へ押し付けられる。
ここで、流通室(106)における入口圧力と出口圧力との圧力差が十分大きい場合、弁体(102)に対する背部室(107)側への押し付け力が流通室(106)側への押し付け力に打ち勝つ。これにより、弁体(102)が引き上げられた状態(開状態)で固定される(図17の(Y)参照)。一方、流通室(106)における入口圧力と出口圧力との圧力差が小さいと、弁体(102)に対する流通室(106)側への押し付け力が打ち勝ち、弁体(102)が流通室(106)側へ押し戻される(図17の(Z)参照)。そうすると、流通室(106)において、入口と出口とが遮断されると共に、連通管(105)が遮断されるため、入口圧力が上昇する。これにより、再び弁体(102)が背部室(107)側へ引き上げられる。そして、これらの動作を繰り返すことにより、弁体(102)が自励振動を起こす。
一方、図18に示すように、逆止弁(CV)は、弁体(201)と、該弁体(201)のガイド(202)と、流通路(204)の形成された弁座部(203)とを備えている。この弁体(201)は、冷媒が流れていない状態で、自重により下方に位置付けられて、管内部に設けられた弁座部(203)と当接するように配設されている。また、上記弁体(201)は、その自重と冷媒の流れによって受ける力との力関係によって上下動するように構成されている。すなわち、下から上への冷媒の流れによって受ける力が弁体(201)の重さよりも大きくなると、該弁体(201)は上方へ移動し、上記弁座部(203)との間に隙間を生じる(図18(Y)参照)一方、冷媒が流れていない場合や、上から下へ冷媒が流れる場合には、上記弁体(201)には下方向への力が作用して弁座部(203)に押し付けられる。
したがって、上記逆止弁(CV)では、弁体(201)を上方へ移動させる方向(下から上へ)に冷媒が流れた場合にのみ弁が開くことになる。このとき、上記弁体(201)を押し上げる力が弱い、すなわち冷媒の流速が低いと、該弁体(201)は自重との力関係によって微小な上下動を繰り返し、自励振動を生じる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電磁弁や逆止弁等の冷媒流れの制御弁が設けられた冷媒配管構造において、制御弁における自励振動の発生を防止することである。
第1の発明は、冷媒配管に冷媒流れを制御する制御弁(31)が設けられた冷媒配管構造を前提としている。そして、本発明は、上記制御弁(31)の自励振動を抑制する振動抑制手段(33)が設けられているものである。
上記の発明では、例えば、冷凍装置の冷媒回路の一部を構成し、電磁弁や逆止弁等の制御弁(31)が設けられた冷媒配管構造を対象としている。この種の冷媒配管構造において、制御弁(31)を流れる冷媒流量が少なくなると、制御弁(31)の弁体等に作用する冷媒圧力が低くなる。そうすると、冷媒圧力と弁体に設けられたスプリングのバネ力との関係により、弁体が自励振動を起こし、騒音(チャタリング音)が発生する。ところが、本発明では、弁体の自励振動が振動抑制手段(33)によって抑制される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記振動抑制手段が、上記制御弁(31)の近傍の冷媒配管に設けられたヘルムホルツ共鳴器(33)である。
上記の発明では、ヘルムホルツ共鳴器(33)において固有の共鳴周波数(固有振動数)が定まる。制御弁(31)において発生する自励振動は、ヘルムホルツ共鳴器(33)の共鳴周波数によって発揮される減衰効果により減衰(抑制)される。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記振動抑制手段が、互いに共鳴周波数が異なる複数のヘルムホルツ共鳴器(33,34)である。
上記の発明では、図8に示すように、各ヘルムホルツ共鳴器(33,34)の固有の共鳴周波数が互いに異なるため、それら共鳴周波数によって発揮される減衰効果の領域が広範となる。したがって、制御弁(31)において発生する自励振動の振動周波数域に対して広範に共鳴周波数による減衰作用が及ぶ。つまり、制御弁(31)の自励振動の振動周波数は、その制御弁(31)を流れる冷媒流量によって変化するが、その変化する領域(振動周波数域)に対して幅広く対応することができる。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記ヘルムホルツ共鳴器(35)は、容器(35a)の容積が制御弁(31)の冷媒流量に基づいて変化するように構成されているものである。
上記の発明では、制御弁(31)で発生する振動周波数が冷媒流量によって変化するが、その変化に応じてヘルムホルツ共鳴器(35)の共鳴周波数が変化する。つまり、ヘルムホルツ共鳴器(35)の容器(35a)の容積変化に伴ってその共鳴周波数が変化し、共鳴周波数が制御弁(31)における振動周波数の変化に追従する。したがって、共鳴周波数による減衰効果が効果的に発揮されるので、制御弁(31)の自励振動が確実に抑制される。
第5の発明は、上記第1から第4の発明において、上記制御弁は、電磁弁(SV)であり、上記振動抑制手段(33)は、30〜70Hzの振動周波数域の自励振動を抑制するように構成されているものとする。
上記の発明では、冷凍装置での実際の冷媒の流速に基づき、電磁弁(SV)で自励振動の発生しうる振動周波数域に合わせて上記振動抑制手段(33)を構成したため、該振動周波数域では電磁弁(SV)の自励振動が効果的に抑制される。すなわち、発明者らは、鋭意努力の結果、図4に示すように、実際の冷凍装置において電磁弁(SV)で自励振動の発生しうる振動周波数域を見出し、その振動周波数域に対して効果的に振動を抑制できるように振動抑制手段(33)を構成した。これにより、より効果的にかつ確実に自励振動を抑制することができる。
第6の発明は、上記制御弁は、逆止弁(CV)であり、上記振動特性手段(33)は、10〜70Hzの振動周波数域の自励振動を抑制するように構成されているものとする。
上記の発明では、冷凍装置での実際の冷媒の流速に基づき、逆止弁(CV)で自励振動の発生しうる振動周波数域に合わせて上記振動抑制手段(33)を構成したため、該振動周波数域では逆止弁(CV)の自励振動が効果的に抑制される。すなわち、発明者らは、鋭意努力の結果、図15に示すように、実際の冷凍装置において逆止弁(CV)で自励振動の発生しうる振動周波数域を見出し、その振動周波数域に対して効果的に振動を抑制できるように振動抑制手段(33)を構成した。これにより、より効果的にかつ確実に自励振動を抑制することができる。
第7の発明は、空気調和装置(10)を対象としている。そして、請求項1から5のいずれか一つの冷媒配管構造を有する冷媒回路(R)を備え、上記冷媒回路(R)は、制御弁(31)、熱源側熱交換器(23)及び複数の利用側熱交換器(41,41)を有し、該利用側熱交換器(41,41)が個別に冷暖房運転できるように上記制御弁(31)によって冷媒流れを切り換え可能に構成されているものとする。
このような構成では、複数の利用側熱交換器(41,41)が個別に冷暖房運転できるように、複数の利用側熱交換器(41,41)に対してそれぞれ制御弁(31)を設け、該制御弁(31)によって冷媒の流れを頻繁に切り換えるため、該制御弁(31)での自励振動に起因する騒音が発生しやすく、騒音が大きくなりやすい。そのため、上述のような構成に対して上記第1から第5の各発明のような振動抑制手段(33)を設けることで、自励振動を効果的に抑制して騒音を確実に低減することができる。
本発明によれば、制御弁(31)で発生する自励振動を抑制する振動抑制手段(33)を設けるようにしたため、制御弁(31)において自励振動に起因する騒音(チャタリング音)を防止することができる。
また、第2の発明によれば、振動抑制手段としてヘルムホルツ共鳴器(33)を用いるようにしたため、その共鳴周波数による減衰効果によって制御弁(31)の自励振動を抑制することができる。
さらに、第3の発明によれば、共鳴周波数の異なる複数のヘルムホルツ共鳴器(33,34)を設けるようにしたため、共鳴周波数による減衰効果の領域を広範とすることができる。したがって、制御弁(31)において流量により変化する振動周波数に対して広範に減衰させることができ、確実に騒音(チャタリング音)を防止することができる。
また、第4の発明によれば、ヘルムホルツ共鳴器(35)の容器(35a)の容積を制御弁(31)の冷媒流量に基づいて変化させるようにした。これにより、ヘルムホルツ共鳴器(35)の共鳴周波数を制御弁(31)における振動周波数の変化に追従させることができる。したがって、ヘルムホルツ共鳴器(35)の共鳴周波数を制御弁(31)の振動周波数に対して適したものとすることができ、制御弁(31)の自励振動を効果的かつ確実に抑制することができる。
また、第5の発明によれば、制御弁は電磁弁(SV)であり、振動抑制手段(33)は30〜70Hzの範囲の自励振動を抑制するように構成されているため、実際の冷凍装置において電磁弁で発生しうる振動周波数域の自励振動を効果的かつ確実に抑制することができる。
また、第6の発明によれば、制御弁は逆止弁(CV)であり、振動抑制手段(33)は10〜70Hzの範囲の自励振動を抑制するように構成されているため、実際の冷凍装置において逆止弁で発生しうる振動周波数域の自励振動を効果的かつ確実に抑制することができる。
さらに、第7の発明によれば、複数の利用側熱交換器(41,41)が個別に冷暖房運転可能なように冷媒の流れを切り換え可能に構成された空気調和装置(10)の冷媒回路(R)に対し、上記第1から第5のいずれか一つの冷媒配管構造を適用するようにしたため、大きな騒音が発生しやすい上記空気調和装置(10)で効果的かつ確実に騒音を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態1の空調機(10)は、ビル等に設けられ、各室内を冷暖房するものである。この空調機(10)は、室外ユニット(20)と、2台のBSユニット(30A,30B)と、2台の室内ユニット(40A,40B)とを備えている。そして、これら室外ユニット(20)等が冷媒配管である連絡配管で接続されて冷媒回路(R)を構成している。この冷媒回路(R)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
上記室外ユニット(20)は、本実施形態の熱源ユニットを構成している。室外ユニット(20)は、冷媒配管である、主管(2c)と第1分岐管(2d)と第2分岐管(2e)とを備えている。また、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)および2つの電磁弁(26,27)を備えている。
上記主管(2c)は、一端が室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である液配管(13)に接続され、他端が第1分岐管(2d)及び第2分岐管(2e)のそれぞれの一端に接続されている。第1分岐管(2d)の他端は、室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である高圧ガス配管(11)に接続されている。第2分岐管(2e)の他端は、室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である低圧ガス配管(12)に接続されている。
上記圧縮機(21)は、冷媒を圧縮するための流体機械であり、例えば高圧ドーム型のスクロール式圧縮機により構成されている。圧縮機(21)の吐出管(2a)は、第1分岐管(2d)の途中に接続され、吸入管(2b)は、第2分岐管(2e)の途中に接続されている。なお、吸入管(2b)には、アキュムレータ(22)が設けられている。
上記室外熱交換器(23)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、主管(2c)の途中に設けられている。室外膨張弁(24)は、電子膨張弁により構成され、主管(2c)における室外熱交換器(23)よりも液配管(13)側に設けられている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(25)が設けられている。そして、室外熱交換器(23)は、冷媒が室外ファン(25)によって取り込まれた空気と熱交換するように構成されている。
上記2つの電磁弁(26,27)は、第1電磁弁(26)および第2電磁弁(27)である。第1電磁弁(26)は、第1分岐管(2d)における吐出管(2a)の接続点よりも室外熱交換器(23)側に設けられている。第2電磁弁(27)は、第2分岐管(2e)における吸入管(2b)の接続点よりも室外熱交換器(23)側に設けられている。これら電磁弁(26,27)は、冷媒流れを許容および遮断する制御弁を構成している。
上記各室内ユニット(40A,40B)は、本実施形態の利用ユニットを構成している。各室内ユニット(40A,40B)は、連絡配管である中間配管(17)によって上記各BSユニット(30A,30B)に接続されている。つまり、第1室内ユニット(40A)および第1BSユニット(30A)が、第2室内ユニット(40B)および第2BSユニット(30B)がそれぞれ一対となって接続されている。一方、第1室内ユニット(40A)は、液配管(13)が接続されている。第2室内ユニット(40B)は、液配管(13)の途中から分岐した連絡配管である分岐液配管(16)が接続されている。
上記各室内ユニット(40A,40B)は、冷媒配管で互いに接続された室内熱交換器(41)と室内膨張弁(42)とを備えている。室内熱交換器(41)は、中間配管(17)に接続されている。第1室内ユニット(40A)の室内膨張弁(42)は液配管(13)に接続されている一方、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)は分岐液配管(16)に接続されている。室内熱交換器(41)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内膨張弁(42)は、電子膨張弁により構成されている。室内熱交換器(41)の近傍には、室内ファン(43)が設けられている。そして、室内熱交換器(41)は、冷媒が室内ファン(43)によって取り込まれた空気と熱交換するように構成されている。
上記各BSユニット(30A,30B)は、冷媒配管である、主管(3c)と第1分岐管(3a)と第2分岐管(3b)とを備えると共に、2つの電磁弁(31,32)を備えている。
上記主管(3c)は、一端が中間配管(17)に、他端が第1分岐管(3a)及び第2分岐管(3b)のそれぞれの一端に、接続されている。第1BSユニット(30A)において、第1分岐管(3a)の他端は高圧ガス配管(11)に接続され、第2分岐管(3b)の他端は低圧ガス配管(12)に接続されている。一方、第2BSユニット(30B)の第1分岐管(3a)の他端は、高圧ガス配管(11)の途中から分岐した連絡配管である分岐高圧ガス配管(14)に接続されている。第2BSユニット(30B)の第2分岐管(3b)の他端は、低圧ガス配管(12)の途中から分岐した連絡配管である分岐低圧ガス配管(15)に接続されている。なお、液配管(13)は第1BSユニット(30A)内を通過し、分岐液配管(16)は第2BSユニット(30B)内を通過している。
上記各電磁弁(31,32)は、第1電磁弁(31)が第1分岐管(3a)に設けられ、第2電磁弁(32)が第2分岐管(3b)にそれぞれ設けられている。これらの電磁弁(31,32)は、冷媒流れを許容または遮断する制御弁を構成している。そして、これらの電磁弁(31,32)は、開閉切換によって冷媒流れを切り換え、各室内ユニット(40A,40B)において冷暖房を切り換えるためのものである。また、各BSユニット(30A,30B)において、主管(3c)と2つの分岐管(3a,3b)と2つの電磁弁(31,32)とは、本発明に係る冷媒配管構造を構成している。
また、上記各BSユニット(30A,30B)には、本発明の特徴として、共鳴器(33,34)が2つずつ設けられている。これらの共鳴器(33,34)は、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の自励振動を抑制する振動抑制手段を構成している。各BSユニット(30A,30B)において、共鳴器(33,34)は、主管(3c)に設けられ、分岐管(3a,3b)側から順に第1共鳴器(33)および第2共鳴器(34)として配置されている。
図2に示すように、上記各共鳴器(33,34)は、いわゆるヘルムホルツ共鳴器である。各共鳴器(33,34)は、容器(33a,34a)とパイプ(33b,34b)によって構成されている。容器(33a,34a)は、直方体状に形成され、一定の容積を有している。パイプ(33b,34b)は、細長い直管に形成され、一端が容器(33a,34a)に接続され、他端が主管(3c)に接続されている。そして、第1共鳴器(33)の容器(33a)の容積V1は、第2共鳴器(34)の容器(34a)の容積V2より大きい。第1共鳴器(33)のパイプ(33b)の断面積S1および長さL1は、何れも、第2共鳴器(34)のパイプ(34b)の断面積S2および長さL2よりも大きい。
ここで、各電磁弁(31,32)において生じる自励振動の振動周波数Fは、冷媒流量と相関がある。具体的には、図3に示すように、冷媒流量が少なくなるに従って、電磁弁(31,32)の自励振動の振動周波数が指数関数的に増大する。また、冷媒流量が多くなるに従って振動周波数Fは低下するが、冷媒流量が一定値以上になると振動周波数は低下しなくなる。冷媒回路(R)では、冷媒流量が空調負荷に応じて変動する。つまり、空調負荷が大きいときは冷媒流量が増大し、空調負荷が小さいときは冷媒流量が低下する。したがって、想定される空調負荷の範囲から、冷媒流量の変動範囲が定まる。冷媒流量の変動範囲が定まると、それに応じて自励振動の発生領域、即ち振動周波数の領域(以下、振動周波数域という。)が定まることになる(図3参照)。
本発明者らは、鋭意努力の結果、上述のような構成の空調機(10)における電磁弁(31,32)の振動周波数域として以下のような範囲を見出した。図4に、流速を変化させた場合の電磁弁の自励振動の振動周波数の実測値を示す。なお、上記図4の実測値を得るために実験で用いた電磁弁は、パイロット式電磁弁であり、該電磁弁の設けられる管は3/8インチのサイズである。また、上記振動周波数は、図5の回路を用いて圧力センサ(51)の出力値から求めた。すなわち、電磁弁(SV)の入口側の圧力を圧力センサ(51)によって検出し、その圧力値を周波数分析装置(52)によって分析することで自励振動の振動周波数を求めた。一方、流速は、流量計(53)によって求めた。上記図5において、符号54は流量調整のための流量調整弁である。
ここで、実際に空調機(10)に使用される冷媒(R410A)の流速は、冷凍機油の戻り条件によって、水平方向に延びる横走り管で約3.5m/s以上、上下方向に延びる縦走り管で約6m/s以上であり、これよりも低い流速になると弁の自励振動が発生する。
上記図4から明らかなように、冷媒の流速が約6m/s以下の範囲は、自励振動の振動周波数の範囲、すなわち振動周波数域が30〜70Hzの間であり、この周波数域に合わせた共鳴器を設ければよい。
次に、上記振動周波数域に応じた共鳴器の設計方法及び消音量の算出について以下で説明する。
まず、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴振動数は、一般的に下式によって求められる。
Figure 2008008604
ここで、cは冷媒ガス中の音速であり、図6に示すように、圧力と温度との関係から求められる。なお、上記図6は、R410の場合のグラフである。また、Vは共鳴器の容器の容積であり、Gは下式によって求められる値である。
Figure 2008008604
上記(2)式において、aは共鳴器のパイプの内径、Lは該パイプの長さである。
上記(1)式で求められた共鳴振動数が上記振動周波数域に近くなるような共鳴器を設計することによって、各電磁弁(31,32)の自励振動を効果的に抑制することができる。具体的には、共鳴器の容積、パイプの長さ及びパイプの内径を変えることによって最適な共鳴器を得ることができる。
共鳴器の容積を変化させた場合の消音効果の一例を図7に示す。この図から、該共鳴器の容積を大きくすると、共鳴周波数が小さくなり、該共鳴周波数が消音対象周波数から離れた値になると消音効果が小さくなることが分かる。逆に、消音対象周波数に共鳴周波数を合わせるように上記共鳴器の容積を選ぶことで、消音効果が大きくなるため、上記自励振動の振動周波数域に近い共鳴周波数になるように共鳴器の容積を設計すればよい。
なお、上記図7において、主流管の内径は0.00792mであり、冷媒の音速cは190m/s、パイパ長さLは0.1m、パイプ内径は0.00792mであり、消音量Lωは下式を用いて求められる。
Figure 2008008604
ここで、Sはパイプの断面積であり、fは消音対象周波数、fは共鳴周波数である。
また、本実施形態において、第1共鳴器(33)および第2共鳴器(34)は、互いの共鳴周波数がラップして電磁弁(31,32)の振動周波数域に対応するように構成されている。ここで、第1共鳴器(33)の共鳴周波数f1と第2共鳴器(34)の共鳴周波数f2は、それぞれ次式により求められる。
f1=(340/2π)×(S1/V1/L1)1/2 ・・・(1)式
f2=(340/2π)×(S2/V2/L2)1/2 ・・・(2)式
つまり、第2共鳴器(34)の共鳴周波数f2は、第1共鳴器(33)の共鳴周波数f1より大きい。
図8に示すように、共鳴器(33,34)は、共鳴周波数f1(f2)と同じ振動周波数に対してその減衰効果が最も高く、振動周波数が共鳴周波数f1(f2)からずれていくに従ってその振動周波数の減衰効果が低くなる。つまり、1つの共鳴周波数によって発揮される減衰効果の領域は山型形状になる。ところが、本実施形態では、大きさの異なる2つの共鳴器(33,34)が設けられ、その各共鳴周波数による減衰効果の領域の一部が互いにラップするようにした。これにより、共鳴器が1つの場合に比べて、電磁弁(31,32)で発生する振動周波数域の殆どの振動周波数が減衰される。
−運転動作−
次に、上記空調機(10)の運転動作を図面に基づいて説明する。この空調機(10)では、2つの室内ユニット(40A,40B)の双方が冷房または暖房を行う運転と、一方が冷房を行い他方が暖房を行う運転とがある。
〈冷房運転〉
先ず、上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)の双方が冷房を行う場合について説明する。この冷房運転の場合、図1に示すように、室外ユニット(20)では、第1電磁弁(26)が開状態に、第2電磁弁(27)が閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態にそれぞれ設定される。各BSユニット(30A,30B)では、第1電磁弁(31)が閉状態に、第2電磁弁(32)が開状態にそれぞれ設定される。各室内ユニット(40A,40B)では、室内膨張弁(42)が適切な開度に設定される。
上記の状態において、圧縮機(21)を駆動すると、該圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が第1分岐管(2d)を通って室外熱交換器(23)へ流れる。室外熱交換器(23)では、冷媒が室外ファン(25)によって取り込まれた空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、主管(3c)を通って室外ユニット(20)外へ流れ、液配管(13)へ流入する。液配管(13)の冷媒は、一部が分岐液配管(16)へ流れて第2室内ユニット(40B)へ流入し、残りが第1室内ユニット(40A)へ流入する。
上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)では、冷媒が室内膨張弁(42)で減圧された後、室内熱交換器(41)へ流れる。室内熱交換器(41)では、冷媒が室内ファン(43)によって取り込まれた空気と熱交換して蒸発する。これにより、空気が冷却され、室内の冷房が行われる。そして、室内熱交換器(41)で蒸発したガス冷媒は、各室内ユニット(40A,40B)外へ流れ、中間配管(17)を通って各BSユニット(30A,30B)へ流入する。
上記第1BSユニット(30A)では、ガス冷媒が主管(3c)および第2分岐管(3b)を通ってユニット外へ流れ、低圧ガス配管(12)へ流入する。第2BSユニット(30B)では、ガス冷媒が主管(3c)および第2分岐管(3b)を通ってユニット外へ流れ、分岐低圧ガス配管(15)へ流入する。この分岐低圧ガス配管(15)のガス冷媒は、低圧ガス配管(12)へ流れる。低圧ガス配管(12)のガス冷媒は、室外ユニット(20)へ流入し、吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻り、この循環が繰り返される。
〈暖房運転〉
次に、上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)の双方が暖房を行う場合について説明する。この暖房運転の場合、図9に示すように、室外ユニット(20)では、第1電磁弁(26)が閉状態に、第2電磁弁(27)が開状態に、室外膨張弁(24)が適切な開度にそれぞれ設定される。各BSユニット(30A,30B)では、第1電磁弁(31)が開状態に、第2電磁弁(32)が閉状態にそれぞれ設定される。各室内ユニット(40A,40B)では、室内膨張弁(42)が全開状態に設定される。
上記の状態において、圧縮機(21)を駆動すると、該圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が室外ユニット(20)外へ流れ、高圧ガス配管(11)へ流入する。高圧ガス配管(11)の冷媒は、一部が分岐高圧ガス配管(14)から第2BSユニット(30B)へ流入し、残りが第1BSユニット(30A)へ流入する。各BSユニット(30A,30B)へ流入した冷媒は、第1分岐管(3a)および主管(3c)を流れた後、中間配管(17)を通って各室内ユニット(40A,40B)へ流入する。
上記各室内ユニット(40A,40B)では、冷媒が空気と熱交換して凝縮する。これにより、空気が加熱され、室内の暖房が行われる。第1室内ユニット(40A)で凝縮した冷媒は、液配管(13)へ流れる。第2室内ユニット(40B)で凝縮した冷媒は、分岐液配管(16)を通って液配管(13)へ流入する。液配管(13)の冷媒は、室外ユニット(20)へ流入し、主管(2c)を流れる。この主管(2c)の冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)へ流入する。室外熱交換器(23)では、冷媒が空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒は、第2分岐管(2e)および吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻り、この循環が繰り返される。
〈冷暖房運転〉
次に、一方の室内ユニット(40A,40B)で冷房を行い、他方の室内ユニット(40A,40B)で暖房を行う場合について説明する。先ず、上記冷房運転時に第2室内ユニット(40B)のみを暖房運転に切り換える場合について説明する。なお、ここでは、上記冷房運転と異なる点について説明する。
この冷暖房運転の場合、図10に示すように、上記冷房運転の状態において、第2BSユニット(30B)の第1電磁弁(31)が開状態に、第2電磁弁(32)が閉状態にそれぞれ切り換えられる。また、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)が全開状態に設定される。そうすると、圧縮機(21)から吐出された高圧のガス冷媒は、一部が第1分岐管(2d)へ、残りが高圧ガス配管(11)へそれぞれ流れる。高圧ガス配管(11)へ流れた冷媒は、分岐高圧ガス配管(14)を通って第2BSユニット(30B)の第1分岐管(3a)へ流入する。第1分岐管(3a)の冷媒は、主管(3c)および中間配管(17)を通り、第2室内ユニット(40B)の室内熱交換器(41)へ流れる。
上記第2室内ユニット(40B)の室内熱交換器(41)では、冷媒が空気と熱交換して凝縮する。これにより、空気が加熱され、室内の暖房が行われる。第2室内ユニット(40B)で凝縮した冷媒は、分岐液配管(16)を通って液配管(13)へ流入し、室外ユニット(20)からの冷媒と合流する。合流後の冷媒は、そのまま液配管(13)を流れ、第1室内ユニット(40A)で蒸発する。これにより、室内の冷房が行われる。
次に、上記暖房運転時に第2室内ユニット(40B)のみを冷房運転に切り換える場合について説明する。なお、ここでは、上記暖房運転と異なる点について説明する。
この冷暖房運転の場合、図11に示すように、上記暖房運転の状態において、第2BSユニット(30B)の第1電磁弁(31)が閉状態に、第2電磁弁(32)が開状態にそれぞれ切り換えられる。また、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)が適切な開度に設定される。そうすると、圧縮機(21)から高圧ガス配管(11)へ流れた冷媒の全量が第1BSユニット(30A)へ流入する。この第1BSユニット(30A)を流れた冷媒は、第1室内ユニット(40A)へ流れて凝縮する。これにより、第1室内ユニット(40A)で暖房が行われる。
上記第1室内ユニット(40A)で凝縮した冷媒は、液配管(13)へ流れる。液配管(13)の冷媒は、一部が分岐液配管(16)を通って第2室内ユニット(40B)へ流入し、残りが室外ユニット(20)へ流入する。第2室内ユニット(40B)では、冷媒が室内膨張弁(42)で減圧された後、室内熱交換器(41)で蒸発する。これにより、第2室内ユニット(40B)で冷房が行われる。第2室内ユニット(40B)で蒸発したガス冷媒は、中間配管(17)を通って第2BSユニット(30B)へ流入する。第2BSユニット(30B)を流れた冷媒は、分岐低圧ガス配管(15)を通って低圧ガス配管(12)へ流入する。低圧ガス配管(12)の冷媒は、室外ユニット(20)の第2分岐管(2e)へ流入し、室外熱交換器(23)からの冷媒と合流する。合流後の冷媒は、吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻る。
〈自励振動の抑制〉
上記運転中には、各BSユニット(30A,30B)の第2電磁弁(32)においてその冷媒流量に応じて自励振動が生じる。例えば、各室内ユニット(40A,40B)において冷房負荷が小さくなると、圧縮機(21)の運転周波数が減少されるか、各室内ユニット(40A,40B)の室内膨張弁(42)が絞られる。つまり、冷媒回路(R)において冷媒循環量が低下し、各BSユニット(30A,30B)の主管(3c)および第2分岐管(3b)の冷媒流量が低下する。そうすると、各BSユニット(30A,30B)の第2電磁弁(32)において自励振動の振動周波数が高くなり、騒音が発生する。ところが、この第2電磁弁(32)の振動周波数は、2つの共鳴器(33,34)の作用によって減衰する。したがって、第2電磁弁(32)の振動周波数が低下し、騒音が抑制される。
また、本実施形態では、共鳴周波数の異なる共鳴器(33,34)が2つ設けられているため、共鳴器が1つの時に比べて、減衰効果が及ぶ振動周波数の領域が広範となる。したがって、第2電磁弁(32)の振動周波数が冷房負荷に応じて変動しても、その振動周波数(自励振動)が確実に減衰し、騒音が抑制される。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、電磁弁(31,32)が設けられた冷媒配管にヘルムホルツ共鳴器(33,34)を設けたので、電磁弁(31,32)における自励振動(振動周波数)を減衰させることができる。そのため、電磁弁(31,32)の自励振動に起因する騒音を抑制することができる。
また、発明者らは、実験によって上記電磁弁(31,32)の自励振動の振動周波数域を見出したため、上記共鳴器(33,34)をその振動周波数域で自励振動を抑制できるような構成にすることで、該電磁弁(31,32)の自励振動を効果的にかつ確実に抑制することが可能となる。
さらに、共鳴周波数の異なる2つの共鳴器(33,34)を設けるようにしたため、共鳴周波数によって発揮される自励振動に対する減衰効果の領域を広げることができる。したがって、電磁弁(31,32)の振動周波数域のほぼ全域に減衰効果を及ぼすことができる。その結果、確実に電磁弁(31,32)の自励振動を減衰させることができ、確実に騒音を抑制することができる。
−実施形態1の変形例−
この変形例は、図12に示すように、上記実施形態1における共鳴器(33,34)の配置を変更したものである。具体的に、各BSユニット(30A,30B)において、第1共鳴器(33)および第2共鳴器(34)は、各分岐管(3a,3b)毎に設けられている。第1共鳴器(33)は、各電磁弁(31,32)より分岐高圧ガス配管(14)または分岐低圧ガス配管(15)側に設けられ、第2共鳴器(34)は各電磁弁(31,32)より主管(3c)側に設けられている。つまり、2つの共鳴器(33,34)は、電磁弁(31,32)の上下流に設けられている。
この場合も、第1共鳴器(33)による減衰効果の領域と第2共鳴器(34)による減衰効果の領域とを一部ラップさせる。その結果、各電磁弁(31,32)で発生する自励振動の振動周波数域に対して広範に減衰させることができる。したがって、各電磁弁(31,32)の自励振動による騒音を確実に抑制することができる。なお、本発明は、本変形例において、第1共鳴器(33)と第2共鳴器(34)の配置を入れ替えるようにしても、同様の効果を得ることができる。
《発明の実施形態2》
図13に示すように、本実施形態2の空調機(10)は、上記実施形態1における共鳴器(33,34)の構成を変更したものである。つまり、上記実施形態1では、共鳴周波数の異なる2つの共鳴器(33,34)を個別に設けたが、本実施形態2では、2種類の共鳴周波数を有する共鳴器(35)を設けるようにした。
具体的に、本実施形態の共鳴器(35)は、円筒状の容器(35a)と、2つのパイプ(35b)で構成されている。容器(35a)は、全体が円弧状に曲げられている。各パイプ(35b)は、細長い直管に形成され、容器(35a)の両端に接続されている。そして、各パイプ(35b)の開口端は主管(3c)に繋がっている。この2つのパイプ(35b)は、何れも長さLが同じで、横断面積Sが同じである。また、容器(35a)内には、可動仕切板(35c)が設けられている。この可動仕切板(35c)は、容器(35a)内を横断して、その内部空間を図13における左側空間と右側空間とに仕切るように設けられている。そして、可動仕切板(35c)は、容器(35a)内を左右方向(図13に示す矢印方向)に可動することにより、左側空間の容積(以下、左側容積V1という)と右側空間の容積(以下、右側容積V2という。)がそれぞれ変化するように構成されている。
この共鳴器(35)では、容器(35a)の左側空間および右側空間のそれぞれにおいて共鳴周波数が定まる。左側空間の共鳴周波数f1、右側空間の共鳴周波数f2は、それぞれ次式によって求められる。
f1=(340/2π)×(S/V1/L)1/2 ・・・(3)式
f2=(340/2π)×(S/V2/L)1/2 ・・・(4)式
上記容器(35a)内において、可動仕切板(35c)が左方向に可動すると、左側容積V1が減少し、その分右側容積V2が増大する。逆に、可動仕切板(35c)が右方向に可動すると、左側容積V1が増大し、その分右側容積V2が減少する。つまり、可動仕切板(35c)の可動により、共鳴周波数f1およびf2が変化する。
上記共鳴器(35)は、可動仕切板(35c)が各電磁弁(31,32)における流量に基づいて可動するように構成されている。具体的に、BSユニット(30A,30B)の主管(3c)には、共鳴器(35)よりも分岐管(3a,3b)側に冷媒流量を検出するための流量センサ(36)が設けられている。この流量センサ(36)の検出流量は、第1電磁弁(31)または第2電磁弁(32)における流量に相当する。なお、この流量センサ(36)は、主管(3c)における中間配管(17)側に設けてもよい。そして、共鳴器(35)の可動仕切板(35c)は、流量センサ(36)の検出流量に基づいて可動する。つまり、電磁弁(31,32)の振動周波数はその電磁弁(31,32)の流量に応じて定まるため(図3参照)、その振動周波数に対応して共鳴器(35)の共鳴周波数f1およびf2が変化する。したがって、共鳴周波数f1およびf2による減衰効果の領域を電磁弁(31,32)の振動周波数域に確実に対応させることができ、電磁弁(31,32)の自励振動を確実に減衰させることができる。その結果、自励振動に起因する騒音が抑制される。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。
−実施形態2の変形例−
この変形例は、図14に示すように、上記実施形態2における共鳴器(35)および流量センサ(36)の配置を変更したものである。
具体的に、各BSユニット(30A,30B)において、共鳴器(35)および流量センサ(36)は、各分岐管(3a,3b)毎に設けられている。つまり、共鳴器(35)は、各パイプ(35b)が電磁弁(31,32)の上下流の分岐管(3a,3b)に接続されて、電磁弁(31,32)を跨ぐように設けられている。また、流量センサ(36)は、分岐管(3a,3b)における共鳴器(35)よりも分岐高圧ガス配管(14)および分岐低圧ガス配管(15)側に設けられている。なお、この流量センサ(36)は、分岐管(3a,3b)における共鳴器(35)よりも主管(3c)側に設けてもよい。
この場合も、共鳴周波数f1およびf2によって発揮される減衰効果の領域を電磁弁(31,32)における振動周波数域に確実に対応させることができる。その結果、電磁弁(31,32)の自励振動を確実に減衰させることができ、騒音を確実に抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、本発明は、上述した共鳴器(33,34,35)を室外ユニット(20)の電磁弁(26,27)に対して設けるようにしてもよい。その場合、共鳴器(33,34,35)は、室外ユニット(20)において、第1分岐管(2d)および第2分岐管(2e)に設けられるか、または室外熱交換器(23)の出口側の主管(3c)に設けられる。
また、各実施形態では、空調機(10)の冷媒回路(R)に設けられる電磁弁(31,32)について適用したが、これに限らず、各種冷凍装置に設けられる電磁弁に対して適用することができる。
また、各実施形態では、電磁弁(31,32)の騒音防止対策について説明したが、これに限らず、本発明は、一方向の冷媒流れのみを許容する逆止弁の騒音対策についても同様に適用することができる。この場合、冷媒の流速が小さい状態で逆止弁が開く際に自励振動が発生するため、図15に示すように、10〜70Hzの振動周波数域で自励振動を抑制できるように共鳴器を構成するのが好ましい。この振動周波数域に合わせた共鳴器の設計方法は、上述の電磁弁の場合と同様である。ここで、上記図15の実測結果は、7/8インチの主管に設けられた、図18に示すようなバネ無しの逆止弁から得られた値である。具体的には、図16に示すような構成において、逆止弁(CV)の入口側(下側)の圧力を圧力センサ(61)で検出し、その圧力値に基づいて周波数分析装置により自励振動の振動周波数を求めている。冷媒の流速は流量計(63)によって検出している。上記図16において、符号(64)は流量調整用の流量調整弁である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷媒配管に冷媒流れを制御する制御弁が設けられた冷媒配管構造を備えた冷凍装置として有用である。
実施形態1に係る空調機の全体構成を示すと共に、冷房運転時の動作を示す冷媒回路図である。 実施形態1に係る共鳴器の構成および配置を示す図である。 電磁弁における流量と振動周波数との関係を模式的に示すグラフである。 電磁弁における流速と振動周波数との関係を実験値から求めたグラフである。 図4の実験における実験装置の概略構成を示す図である。 温度及び圧力と音速との関係を示すグラフである。 共鳴器の容積を変化させた場合の消音効果の一例を示す図である。 共鳴器による電磁弁の振動周波数域に対する減衰効果の領域を示す図である。 空調機の暖房運転時の動作を示す冷媒回路図である。 空調機の冷暖房運転時の動作を示す冷媒回路図である。 空調機の冷暖房運転時の動作を示す冷媒回路図である。 実施形態1の変形例に係る共鳴器の構成および配置を示す図である。 実施形態2に係る共鳴器の構成および配置を示す図である。 実施形態2の変形例に係る共鳴器の構成および配置を示す図である。 その他の実施形態に係る逆止弁の場合の図4相当図である。 図15の実験における実験装置の概略構成を示す図である。 電磁弁の動作を模式的に示す図である。 逆止弁の動作を模式的に示す図である。
符号の説明
10 空調機(空気調和装置)
31,SV 電磁弁(制御弁)
33,34 ヘルムホルツ共鳴器
35 ヘルムホルツ共鳴器
35a 容器
CV 逆止弁(制御弁)

Claims (7)

  1. 冷媒配管に冷媒流れを制御する制御弁(31)が設けられた冷媒配管構造であって、
    上記制御弁(31)の自励振動を抑制する振動抑制手段(33)が設けられている
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  2. 請求項1において、
    上記振動抑制手段は、上記制御弁(31)の近傍の冷媒配管に設けられたヘルムホルツ共鳴器(33)である
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  3. 請求項2において、
    上記振動抑制手段は、互いに共鳴周波数が異なる複数のヘルムホルツ共鳴器(33,34)である
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  4. 請求項2において、
    上記ヘルムホルツ共鳴器(35)は、容器(35a)の容積が制御弁(31)の冷媒流量に基づいて変化するように構成されている
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  5. 請求項1から4のいずれか一つにおいて、
    上記制御弁は、電磁弁(SV)であり、
    上記振動抑制手段(33)は、30〜70Hzの振動周波数域の自励振動を抑制するように構成されている
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  6. 請求項1から4のいずれか一つにおいて、
    上記制御弁は、逆止弁(CV)であり、
    上記振動抑制手段は(33)、10〜70Hzの振動周波数域の自励振動を抑制するように構成されている
    ことを特徴とする冷媒配管構造。
  7. 請求項1から5のいずれか一つの冷媒配管構造を有する冷媒回路(R)を備え、
    上記冷媒回路(R)は、制御弁(31)、熱源側熱交換器(23)及び複数の利用側熱交換器(41,41)を有し、該利用側熱交換器(41,41)が個別に冷暖房運転できるように上記制御弁(31)によって冷媒流れを切り換え可能に構成されている
    ことを特徴とする空気調和装置。
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