JP2008001277A - レール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法 - Google Patents

レール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的かつ経済的にレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法は、レール又は/及び該レールの周辺領域に液体を噴霧して、前記レールの周辺領域の温度を下げることにより、レール又は/及び該レールの周辺領域を冷却できる。そして、前記液体を微細霧とすることで気化しやすくなるため、レール又は/及び該レールの周辺領域を効果的に冷却できる。
【選択図】図1

Description

本発明はレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法に関する。より詳しくは、液体を噴霧するレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法に関する。
列車による人員や物品等の輸送において、列車運行上の安全性の維持は最も重要である。近年、都市部を中心に列車の輸送量が増大しており、それに伴う列車速度の高速化や運行ダイヤの過密化の傾向が顕著である。このため、安全性をいかに維持するかは社会的問題であり、列車運行上の安全性を維持するためには、路線の保線作業を確実に行なうことが特に重要な課題となっている。保線作業は、列車の運行ダイヤを乱さないために、運行ダイヤと連動しつつ効率よく行なう必要がある。
また、夏季等に気温が上昇することでレールが膨張したり歪みが生じたりすることも列車運行上の安全性に影響を与える。前記レールは主に鋼鉄等の金属類で作られている。金属類は熱膨張率が高いため、特にカーブ部、ポイント部では保線に気を配る必要がある。これに対応するため、レールの熱膨張を防止するよう、レール等に散水してレールや該レールの周辺領域を冷却する方法がある。例えば、特許文献1には、レールの温度等の各種条件に応じて散水を自動制御する軌道散水システムについて開示されている。
特開2001−88702号公報。
しかし、保線作業については、列車が運行しない時間に保線作業員が線路内に立ち入って作業をする必要があるが、夏季等の暑熱時には線路及びその周辺温度はしばしば70℃程度に達してしまう。かかる環境での保線作業は、前記保線作業員にとって強い熱ストレスを与えるだけでなく、場合によっては高温のため日中に保線作業を行うことが困難となる。
このように保線作業が困難となってしまう場合には、気温が下がり列車が運行しない深夜の時間帯に保線作業を行ったりすることになる。この場合、保線作業は深夜の数時間に限られてしまい、線路の保線作業を効率よく行うことはできない。そのため、日中の暑熱時であっても保線作業を行うことができる環境を作り出すことが重要となる。
また、レールの熱膨張等による歪みを防止することに対して、前記散水による方法では、レール等に多量の水を噴射するためレールや枕木等を劣化させてしまい、また多量の水が必要となるため経済的でない。そのため、効率のよい方法でレールやレールの周辺領域を冷却し、レールの熱膨張を防止することが重要となる。
そこで、本発明は、保線作業員の作業環境の負荷等を軽減するとともに、列車運行上の安全性の維持等にも寄与するために、効率的かつ経済的にレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を提供することを主目的とする。
まず、本発明は、レール又は/及び該レールの周辺領域に液体を噴霧することで、前記レールの周辺領域の温度を下げて前記レール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を提供する。前記液体を微細霧とすることでレール又は/及び該レールの周辺領域を効果的に冷却できる。次に、本発明は、液体をノズルから噴霧して、前記ノズルの後方に配置された送風部により霧状の液体を前方に送るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を提供する。ノズルと送風部とを備えることにより、液体の微細霧を効果的に形成できるとともに、該微細霧を遠方にまで飛ばすことができる。
なお、本発明において、「レールに液体を噴霧すること」とは、レールにむけて液体を噴霧することをいう。また、「レールの周辺領域に液体を噴霧すること」とは、レールの周辺にむけて液体を噴霧することをいう。そして、本発明では、レールに直接液体を噴霧することと、レールの周辺にむけて液体を噴霧することの両方が含まれる。
本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法は、液体を噴霧することにより少量の液体で広域を冷却できる。そして、前記液体を微細霧にすることで、素早く気化することや、該液体の空中の浮遊時間が長くなること等から、前記レール又は/及び該レールの周辺領域を効果的に冷却できる。また、レールの一箇所に集中して多量の液体が付着しないため、列車の車輪が滑りやすくならず、レールの劣化等も防止できる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面に示された実施形態は本発明の好適な実施形態を例示したものであり、これにより本発明が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を説明するための概念図であり、図2は、本発明に用いる噴霧器を複数使用した場合の一例を説明するための概念図である。
図1と図2に示された符号1は、液体を噴霧する噴霧器である。該噴霧器1は、ノズル11と、送風部12と、給水管13とを備えている。そして、該給水管13はノズル11に繋がっている。また、前記噴霧器1はタイヤ14,14と脚15によって支持されている。なお、前記噴霧器1は保守作業が行われる線路2の近傍に設置されている。線路2は、レール21,21と、枕木22と、道床23とから構成されている。
前記噴霧器1において、給水管13からノズル11に液体を供給して、該ノズル11から液体の微細霧mが噴霧される。そして、前記ノズル11の後方に位置する送風部12により前方(矢印W;図1参照)に風を送ることで、微細霧mがレール21の周辺領域aに向かって拡散される(図1参照)。特に、送風部12により風を送られることで前記微細霧mをより遠方に飛ばすことができる。
同じ量の液体でも微細霧mにすることで、前記液体の表面積は増大するため蒸発しやすくなる。微細霧mにすることで素早く多量の蒸発潜熱を奪うことができ、大きな冷却作用を得ることができる。即ち、微細霧mは前記周辺領域a内に長時間浮遊するため、微細霧mの前記冷却作用により周辺領域aに冷気の塊が形成される。そして、該冷気の塊が前方にも送り出されることで、その移動した空間も冷却できる。従って、前記微細霧mがレール21の周辺領域aに浮遊する間に該周辺領域aの温度を効果的に下げることができる。これによって、レール21やその周辺領域aを効果的に冷却できる。
一方、液状のまま散布する場合等には前記冷気の塊は生じにくい。従って、本発明の冷却方法によれば、前記液状のまま散布する場合に比べて高い冷却効果が得られる。更に、液状のまま散布する場合に比べて少量の液体でよいため経済性にも優れている。
また、微細霧mは広域に拡散するとともに蒸発しやすいことから、多量の液体がレール21の一箇所に集中して付着することもなく、列車の車輪の空転等の原因にもならない。そして、前記微細霧mがレール21上に付着しても、素早く気化することでレール21を効果的に冷却する。そのため、多量の水分等がレール21に付着することによる鉄イオン等の溶出もないためレール21が腐食されることもない。これらの点からも、本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法は、列車運行上の安全性の維持に大きく寄与する。
本発明で使用される液体は噴霧可能な物質であればよく、その成分等は限定されない。その物質の気化効率やコスト等を考慮して適宜選択できる。例えば、液体として上水等を使用することは経済性や人畜無害である点等で望ましい。更に、噴霧周辺の状況が許し、所要の水質改善処理が行えれば中水を用いることは節水の観点からも望ましい。そして、本発明では、必要に応じて、液体に適宜添加剤を加えてもよい。なお、添加する物質は、噴霧する際にノズル11の目詰まり等を防止する観点から液状であることが望ましいが、前記液体に対する溶解性が高い固体状の添加物でもよい。
加えて、本発明に係る方法は、レールの設置場所についても限定されない。前記のように液体を微細霧mとすることで素早く気化するため、例えば、周辺に乗降客がいる駅付近に設置されたレール等であっても使用できる。
更に、本発明に係る方法は、列車事故等が起きた線路2であっても使用できる。特に、夏季の暑熱時等に事故が起きた場合であっても、噴霧器1により線路2と周辺領域aを冷却することで保線作業員が速やかに復旧作業に着手できるため有効である。その際、必要に応じて、脱臭剤、殺菌・除菌剤、又は忌避剤等を混合した液体を噴霧することができる。これにより、事故現場となった線路2周辺の異臭の発生や衛生状態の悪化等も防止できる。
本発明において、液体を噴霧する手段は特に限定されないが、好適には、ノズル11を備えた噴霧器1によって噴霧されることが望ましい。ノズル11を備えた噴霧器1を用いることは、液体の微細霧mの所望の噴霧範囲や平均粒径を、噴霧器1やレール21の設置場所等に応じて、適宜、ノズル11の種類や構造を選択したり調整したりできる点で望ましい。
そして、本発明では、噴霧器1のノズル11の種類について特に限定するものではなく、例えば、一流体ノズルや二流体ノズルであってもよい。そして、図示はしないが、一流体ノズルを用いた場合には、前記給水管13に液体圧送ポンプ(液体加圧ポンプ)を繋げればよい。また、二流体ノズルの場合には、例えば、水道水の送水圧で送液できるが、液体圧送ポンプ(液体加圧ポンプ)を繋げてもよい。従って、二流体ノズルの場合には、必ずしも前記給水管13に前記液体圧送ポンプ(液体加圧ポンプ)を繋げる必要はないが、圧縮空気をノズル11に供給するためのコンプレッサ等を別途繋げることもできる。
そして、本発明では、ノズルから噴霧される場合のスプレーパターン等についても特に限定されない。例えば、微細霧mが、フラット状(扇形状)やフルコーン状(円形前面状)やホロコーン状(円環状)等であってもよい。レール21の設置場所や所望の噴霧量等を考慮して適宜ノズル11の形状や種類を選択できる。
前記液体の微細霧mの平均粒径は、液体の種類や、保線作業を行う線路2内の外気温度等を考慮して適宜設計できる。例えば、外気温度が高い場合であれば微細霧mの平均粒径を大きくしてもよいし、それほど外気温度が高くない場合には、素早く確実に気化させるため平均粒径を小さくすればよい。
本発明において、液体の微細霧mの平均粒径については特に限定されないが、好適には、レーザ法によって測定する代表粒径(ザウタミーン径;SMD)であれば、50μm以下であることが望ましい。特に、前記代表粒径が20μm以下であれば、保守作業員等が噴霧器1から2.0〜3.0m程度離れた場所で作業していても、顔面や衣服等に水滴としてはほとんど付着せず、装着している眼鏡等の視界も遮らないため、作業上快適かつ安全である。
そして、本発明において、ノズル11から噴霧する液体の噴霧量や液圧等については限定されず、液体の微細霧mの前記代表粒径をどの程度の大きさにするか等に応じて、適宜、好適な液圧や送液量を決定することができる。例えば、微細霧mの粒径をより小さくしたければ、一流体ノズルでは液圧をより高く噴霧量をより少なくすればよいし、二流体ノズルの場合には空気圧をより高く噴霧量をより少なくすればよい。
また、本発明では、ノズル11だけでなく送風部12も備えた噴霧器1を用いることでより遠方に微細霧mを飛ばすことができる。即ち、微細霧mにより形成された前記冷気の塊を前方に飛ばすことができる。更に、ノズル11から噴霧された微細霧mが送風部12により作られた風により気化が促進される。これにより液体の噴霧効果を更に高めることができる。また、線路2内で作業をする保線作業員の熱ストレスも緩和できるため作業効率を更に向上させることができる。
更に、本発明では、送風部12による送風手段について限定されない。即ち、本発明に係る送風部12は風を送ることができればよく、その送風方法や性能等について限定されないが、好適には、直進性と誘引性に優れた誘引ファンであることが望ましい。かかる性能を備えたファンを用いることで、所望の場所に前記の冷気の塊を効率よく送り届けることができるため、冷却効率を更に向上させることができる。なお、本発明で用いるファンの種類についても限定されず、例えば、多翼ファンや軸流ファンや斜流ファンや横流れファン等を用いてもよい。
そして、本発明では、送風部12から送られる風速について限定されない。レール21とその周辺領域aの気温や、保線作業員の作業内容等を考慮して、好適な風速になるように設計できる。即ち、作業に支障がない風速でありながら、保線作業員が冷涼な風と感じる風速となるように設定すればよい。
また、本発明では、噴霧器1の設置方法については限定されず、地面に直接設置しても良いし、保持台等を用いて支持しても良いが、好適には、タイヤ14を有する保持台を用いることが望ましい。これにより、容易に噴霧器1を移動させることができる。なお、図示はしないが、噴霧器1に発動発電機等の動力源やポンプ等も備えることで移動式の冷却装置とすることができる。
そして、本発明では、前記噴霧器1のノズル11の設置高さHについて限定されない。例えば、保線作業員が作業を行う場所の道床23の高さが高い場合には前記設置高さHを高くすればよい。また、前記設置高さHを高くすれば、液体が高所から噴霧されるため噴霧範囲が広くなる。一方、前記設置高さHを低くすれば、液体を高い位置までポンプ等で送液する必要がないため、給水管13内部の負荷は少なくてよい。即ち、前記噴霧器1等への負担を軽減できる。これらの点を考慮して、設置環境等に応じて適宜ノズル11の設置高さHを設定することができる。
更に、本発明では、液体の噴霧角度についても限定されない。地面と略水平方向である矢印W方向に噴霧しても良いし(図1参照)、必要に応じて上方向や下方向に噴霧しても良い。例えば、上方向に噴霧する場合には保線作業員の上方から微細霧mが降り注ぐようにできる。あるいは、前記ノズル11を上下方向に可動であるように設計してもよい。あるいは、噴霧器1のノズル11が四周に回転できるように設計してもよく、好適には、一定時間で四周を噴霧するように自ら回転できるよう設計することが望ましい(矢印R;図2参照)。これにより、1台の噴霧器1で多方向に噴霧することができる。
前記線路2がホームやコンコースの下に敷設されている場合には、列車がホームに頻繁に停車するため列車のモーターの熱がホーム下に蓄積したり、列車の車輪とレール21との間に摩擦熱が発生したりするため、線路2とその周辺領域aの温度は高くなりやすい。そのため、前記ホームやコンコース周辺で保線作業を行う場合には保線作業員は特に強い熱ストレスを感じやすく、その熱により線路21も熱膨張しやすくなる。従って、噴霧器1により前記ホームや前記コンコース下を冷却することは列車運行上の安全性の維持において特に効果的である。
また、本発明によれば、レール21の形状についても限定されない。例えば、底面が平らな平底レールは勿論、路面電車の軌道等に使用されている溝型レールや段付きレール等であってもよい。そして、レール21のレール幅等についても限定されない。更に、列車の脱線防止や脱線時のレールからの車輪の離脱防止のため、前記レール21の内側にガードレール等が敷設されていてもよい。また、レール21や枕木22や道床23の素材等についても限定されない。例えば、前記枕木22や道床23等は、木製であってもよいし、金属製であってもよいし、コンクリート製であってもよい。従って、モノレール等のコンクリート製の車両走行路であっても本発明に係る冷却方法は使用できる。
なお、本発明によれば、分岐器が設けられた線路2でも使用することができる。液体は微細霧mとなるため分岐器等へ多量には付着しないため、電気機器を有するレールポイントを故障させることもない。更に、レールポイントの分岐の種類について限定されない。例えば、片開き分岐や両開き分岐や振り分け分岐等であってもよい。従って、保線作業員がレールポイント周辺で作業をする場合でも、噴霧器1によりレール21とその周辺領域aを冷却できる。
本発明では、複数の噴霧器1を所定の設置間隔Lでレール21に沿って設置することができる(図2参照)。なお、本発明では、所定の設置間隔Lについて特に限定されないが、好適には、L=10〜60m間隔でレール21沿いに設けることが望ましい。この設置間隔Lは、レール21の敷設場所の気温やレール21の敷設経路や経済性等を考慮して、好適な設置間隔Lを決定することができる。また、本発明では、必ずしも設置間隔Lが等間隔であることに限定されない。例えば、線路のカーブの箇所や直線の箇所等に応じて適宜設置間隔Lを変えて設置してもよい。
また、線路2として併設されているレール21,21の両側にそれぞれ噴霧器1を設けてもよい。そして、本発明では、複数の噴霧器1をどのように設置するかについては限定されないが、好適には、噴霧器1を千鳥状に配置することが望ましい(図2参照)。これによって互いの噴霧範囲が重複しないため、より効率的に冷却できる。
そして、本発明では、それぞれの噴霧器1の噴霧方向(矢印W;図1等参照)についても限定されない。好適には、線路2内に設けられた1本のレール21に沿って設置された各噴霧器1の噴霧方向(矢印W;図2参照)と、もう1本のレール21に沿って設置された各噴霧器1の噴霧方向(矢印W;図2参照)とが互いに対向するように、前記噴霧器1を設置することが望ましい。このように設置することで、保線作業員等の作業中に自然風の風向が変化した場合でも、噴霧器1を移動させたり回転させたりせずに所望の周辺領域a等に液体を噴霧し続けることができるため、噴霧器1を使用する際の操作管理等が簡便となる。
なお、図示はしないが、別途貯水タンク等の水源を設置し、該水源から給水管13を介して複数の噴霧器1に液体を供給するようにも設計できる。また、本発明では、前記給水管13以外の各種ケーブル類等も噴霧器1に接続することができる。これにより、複数の噴霧器1について、噴霧方向や噴霧時間や噴霧量等を一元管理する制御システムを構築することもできる。
ここで、本発明に係る冷却方法の効果を確かめることを目的に実験を行った。12個のノズルと、送風機と、を備えた噴霧装置を用いて水道水を屋外で噴霧し、その周辺の温度冷却効果を測定した。
<ノズルと送風機>
本実施例では表1に示すノズルと送風機とを用いた。そして、前記送風機の送風口前に、12個の前記ノズルを環状に配置した噴霧装置を用いて、水道水を噴霧した。
<実験手法>
遮蔽物等のない屋外(天候晴れ、気温29.8℃、湿度63%)において地面から1.5mの高さに前記噴霧装置を設置し、圧力送液ポンプを用いて送水圧9.8MPaとなるように12個の前記ノズルから水道水を噴霧するとともに、前記送風機により送風を行なった。
<測定項目>
まず、噴霧した水道水がどこまで飛散したかを目視で検証し、次いで、各地点の風速、広がり幅(左右幅)、温度降下について測定した。その測定結果を表2に示す。そして、各測定地点の温度降下値を記入した風速分布図を図3に示す。
<水滴付着試験>
また、レール等への水滴の付着の可能性を検討するために、銅製の棒(擬似レール)を設置して、水滴の付着の有無について目視で検証する水滴付着試験も行なった。
<考察>
まず、噴霧範囲について検討した。その結果、水道水を噴霧することで縦50m、左右幅10mの広域に水道水を噴霧することができた(図3等参照)。特に、直進性と誘引性に優れている誘引ファンを用いることで、左右幅の広がりを少なくし、より遠方にまで水道水を噴霧できることが示唆された。
次に、各地点の風速と冷却温度効果について検討した。なお、屋外での実験のため自然風の影響を受けること等から各地点の風速と広がり幅については多少のばらつきがあったが、概ね図3に示すような風速分布となった。その結果、前記噴霧装置の前記ノズル噴射口から40m離れた地点であっても、温度を1.3℃下げることができたとともに、風速0.3m/sの風も観測された(表2、図3参照)。そして、前記ノズル噴射口から3m離れた地点では、温度を3.2℃下げることができたともに、風速5.0m/sの風も観測された(表2、図3参照)。
そして、前記水滴付着試験では、いずれの測定地点においても水滴の付着は認められなかった。この結果より、本発明に係る冷却方法をレール等の周辺で行なった場合であって、保線作業員の衣服や眼鏡等への水滴の付着がおこらないことが示唆された。
以上より、本発明に係る冷却方法では、微細ノズルで噴霧することで微細な水の粒子を噴霧するとともに、到達距離の長い誘引ファンで前記水の粒子をより前方へ搬送できることで、形成された冷気の塊が気流に乗って遠くに流れるとともに噴霧された水は素早く気化させることができることが示唆された。従って、液体である水道水をノズルから噴霧して、送風部により前方に送ることで、外気を効果的に冷却できることが示された。
本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法は、列車運行上の安全性の維持等に利用できる。
本発明に係るレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法を説明するための概念図である。 本発明に用いる噴霧器を複数使用する場合の一例を説明するための概念図である。 水道水を噴霧した場合の各測定地点の温度降下値を記入した風速分布図である。
符号の説明
1 噴霧器
2 線路
11 ノズル
12 送風部
13 給水管
14 脚
15 タイヤ

Claims (2)

  1. レール又は/及び該レールの周辺領域に液体を噴霧することで、
    前記レールの周辺領域の温度を下げることにより前記レール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法。
  2. 前記液体は、ノズルにより噴霧され、前記ノズルの後方に配置された送風部により前方に送られることを特徴とする請求項1記載のレール又は/及び該レールの周辺領域を冷却する方法。
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