JP2008000131A - 被検水棲生物の生理状態を評価する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、被検水棲生物に対して、網羅的遺伝子発現解析を行い、生理状態に関与する水棲生物の遺伝子の特定を行った。その結果、生理状態に関与するメダカ遺伝子群を同定し、本遺伝子群の発現確認を行うことで被検生物の生理状態を確認できることを見出した。
【選択図】なし
Description
OECD Guidelines for Testing of Chemicals, "Fish, acute toxicity test" Vol. 203, 1-9, 1992 USEPA, EPA/600/4-90-027F, "Methods for measuring the acute toxicity of effluents and receiving waters to freshwater and marine organisms, 4th ed.", (1993) 改正化学物質審査規制法(厚生労働省、経済産業省、環境省、日本、平成16年2月)
〔1〕 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検水棲生物の生理状態を評価する方法。
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物の生理状態が良好であるか否かを評価する工程
〔2〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
〔3〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
〔4〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
〔5〕 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検水棲生物が、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適しているか否かを評価する方法。
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物が、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適しているか否かを評価する工程
〔6〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
〔7〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
〔8〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
〔9〕 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検飼育条件が、生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適しているか否かを評価する方法。
(a)被検飼育条件下で飼育された被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適しているか否かを評価する工程
〔10〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
〔11〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
〔12〕 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
〔13〕 請求項9〜12のいずれかに記載の方法により、生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していると評価された被検飼育条件により、水棲生物を育成する方法。
〔14〕 生物学的試験における標準状態の指標生物として用いることの出来る、請求項13によって育成された水棲生物。
〔15〕 配列番号:112〜138に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群を、ネガティブコントロールとして使用するものである請求項1〜12のいずれかに記載の被検水棲生物の生理状態、指標生物の生理状態、又は被検水棲生物・指標生物の飼育条件の評価方法。
〔16〕 配列番号:1〜138のいずれかに記載の核酸配列に対応する一つまたは複数のプローブからなる、核酸マイクロアレイ。
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物の生理状態が良好であるか否かを評価する工程
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物が、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適しているか否かを評価する工程
(a)被検飼育条件下で飼育された被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適しているか否かを評価する工程
(1)マーカー遺伝子に対応するaRNAまたはcDNAを合成する段階;
(2)aRNAまたはcDNAをマーカー遺伝子に関するプローブとハイブリダイズさせる段階;および
(3)プローブとハイブリダイズしたaRNAまたはcDNAを検出して、そのmRNA量を定量する段階。
〔実施例1〕メダカの生理状態に対する飼料の影響の確認
異なる飼料による飼育が、メダカの生理状態にどのような影響を与えるかを検討した。具体的には、与える飼料以外の条件を同一にした環境下でメダカの飼育を行い、メダカの生存率およびメダカの各遺伝子の発現量を比較した。
まず、下記に記載のメダカの生育方法によりメダカの飼育を行い、各飼料を与えた場合の生存率の比較を行った。
生態毒性試験には、通常、じゅん化後2ヶ月齢から6ヶ月齢までの成熟メダカを研究に使用する。メダカ標準株(NIES株)を国立環境研究所(日本)から入手し、産業技術総合研究所(日本)で産卵させ、得られたF1世代をメダカの生育法の検討に用いた。予備実験の結果より、オス・メス間の遺伝子発現には大きな差があることが明らかとなったため(実験結果示さず)、オス・メスを別々に検討した。飼育に用いる水槽はガラス製又は化学的に不活性な材質(例:フッ素樹脂製)でできた45-60cm水槽を用いた。飼育の際には、水温24±1℃、明16時間、暗8時間の光周期を維持し、溶存酸素濃度が80%を下回らないようにエアレーションを行い、飼料を一日二回給餌した。飼料としては、「孵化24時間以内のアルテミア(Artemia) 製品名:ブラインシュリンプ(日清マリンテック、日本)」、「製品名:おとひめ(日清丸紅飼料、日本)」、「製品名:テトラミン(ドイツテトラ社、ドイツ)」、または「製品名:メダカのエサ(イトスイ、日本)」を用いた。
次に、DNAマイクロアレイ解析により、上記の育成方法により異なる飼料を与え飼育した各メダカの遺伝子発現状態を確認した。マイクロアレイ解析は以下の各工程により行った。
メダカTotal RNAの抽出には、RNeasy Lipid Tissue Midi Kit(QIAGEN)を使用した。手順の概略は以下のとおりである。すなわち、メダカ凍結個体(体長約3 cm)を乳鉢中で液体窒素を加えながら粉砕し、粉末の半量を5 mLのQIAzol Lysis Reagentに加え、速やかに強く攪拌し、室温で5分間置いた。1 mLのクロロフォルムを加えて15秒ほど攪拌した後、室温で2〜3分間置き、遠心で上清を分離した。この上清に70%エタノール3 mLを加えてよく混合させ、全量をRNeasy Midi Spin Columnに通した。4mL Buffer RW1、2.5 mL Buffer RPEでカラムを洗浄し、最終的には300 μLのRNase-free waterでRNAを溶出させた。
Eberwineらの方法(Eberwine, et al., PNAS 89:3010(1992))に準じて、メダカから抽出したTotal RNAよりビオチン標識化cRNAを得た。すなわち、Total RNA 10ugよりT7-oligo(dT)をプライマーとし逆転写反応によりmRNA由来のcDNAを調製した。その後、T7 RNAポリメラーゼによりIn Vitro Transcription反応を行い、cRNAを調製した。In Vitro Transcription反応の際に基質としてビオチン化シトシン、ビオチン化ウラシルを加えることで、cRNAにビオチンを取り込ませ標識を行った。cRNAは加水分解により50〜200塩基の断片化を行った。
DNAマイクロアレイの作製はNimbleGen Systems社(米国)のマスクレス光合成DNAマイクロアレイ作製技術(Maskless Array Synthesizer Technology, 以下MAS)を用いた。本技術はSingh-Gassonらにより開発されたマイクロアレイ作製技術(Singh-Gasson, et al., Nat. Biotech. 17: 974 (1999))であり、UV光をDigital Light Processor(Texas Instrument社製)で選択的に制御することで異なる塩基配列のオリゴヌクレオチドをスライドグラス上に合成することができる。スライドグラス上に数十万単位の配列の異なるオリゴヌクレオチドを合成することで、網羅的に遺伝子発現を検出するためのDNAマイクロアレイの作製が可能である。
メダカEST配列搭載マイクロアレイ上のプローブと断片化したビオチン標識cRNAのハイブリダイゼーションは以下の条件で行った。断片化したビオチン標識cRNA 10ugを含む40%フォルムアミド溶液をマイクロアレイと接触させ42℃、14〜16時間インキュベーションした。その後、スライドガラスを洗浄し、ストレプトアビジンーCy3を室温で25分間反応させ、マイクロアレイ上のプローブに結合した断片化したビオチン標識cRNAにさらにCy3を結合させた。
ハイブリダイゼーション後のマイクロアレイは、DNAマイクロアレイスキャナー GenePix 4000B (Axon Instruments社製)にて、マイクロアレイ上のCy3による蛍光強度を測定し、数値化処理を行った。各ESTの遺伝子発現強度は、1ESTあたり7種類のプローブの蛍光強度の平均値とした。
次に、低溶存酸素処理が、メダカの生理状態にどのような影響を与えるかを検討した。具体的には、溶存酸素濃度以外の条件を同一にした環境下でメダカの飼育を行い、メダカの生存率およびメダカの各遺伝子の発現量を比較した。
生態毒性試験中の対照区と同一の環境(対照区)は半止水式(毎日全換水)で行った。3Lガラスビーカーに試験用水を2Lずつ加え、1ビーカーあたり7尾ずつ飼育した。用いたメダカはアルテミアでじゅん化させ、試験に使用する24時間前から給餌を止めておき、試験期間中も飼料は与えなかった。試験期間中はエアレーションを行い、毎日一回水換えを行った。この状態の場合、96時間の試験中全期間において飽和溶存酸素濃度であったことを確認した。
96時間の試験終了後、オス・メス5尾ずつ液体窒素で凍結し、そのまま保存した。
以上の結果より、溶存酸素濃度はメダカの生存率に大きな影響を与え、メダカの健康状態を維持するための重要な要因の一つであることが明らかとなった。
実施例1および実施例2において、メダカの各遺伝子の発現状況がメダカの生存率および生育状態に相関を示すことが明らかとなった。メダカの生存率および生育状態が悪化した際に、大きく発現量が変化した遺伝子の同定を行った。
2種類の異なる飼育環境間で特定遺伝子の発現量を比較する場合、一遺伝子当り7種類あるプローブから蛍光強度の平均値をそれぞれの飼育環境の遺伝子の発現量から算出し、この平均値の有意差をt検定により確認した。t検定より、有意確率が0.1%以下のものを2種類の飼育環境間で遺伝子発現が変化したと判定した(有意水準0.1%)。この有意確率が0.1%以下の遺伝子群から、実際の蛍光強度の数値が1/4倍以下、若しくは1/2倍以下に変化している遺伝子を大きく発現量が変化した遺伝子として同定した。
飼育水のpHがヒメダカの生理状態に与える影響を検討した。具体的には、飼育水のpH(酸性条件、及びアルカリ条件)以外の条件を同一にした環境下でメダカの飼育を行い、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現の変化を確認した。
試験には(独)国立環境研究所より譲渡され、継代飼育して得られた孵化後約5ヶ月齢のヒメダカ雌雄を用いた。5Lの活性炭ろ過水のpHを適宜調製した後、ヒメダカ雌雄9尾ずつを投入して96時間の試験を行った。pHコントローラー(Biott DT-1023)を用いてpHが一定となるように、酸性条件には0.1N塩酸を、アルカリ条件には0.1M水酸化ナトリウムを適宜添加した。pHのモニタリングにはHORIBA Navi D-55を併用した。試験期間中の塩濃度を希釈するために約100-150ml/hの速度で換水を行った。エアレーションを行い、水温24±1℃、明16時間・暗8時間の光周期を維持し、試験開始の24時間以降の給餌を停止して試験を行った。
以上の結果より、飼育水のpHはメダカの生存率に大きな影響を与え、メダカの健康状態を維持するための重要な要因の一つであることが明らかとなった。
飼育水の溶存酸素濃度は、低溶存酸素条件・高溶存酸素条件のどちらの場合においても、ヒメダカの生理状態に影響を与える事が報告されている(Lushchak VI, et al., Comp Biochem Physiol B Biochem Mol Biol. 144: 283 (2006), Epub 2006 Jun 5)。また、高溶存酸素条件下では、酸化ストレスにより遺伝子発現に変化が起きる事が報告されている(Olsvik PA, et al., J Exp Biol. 209: 2893 (2006))。そこで、実施例2に示した低溶存酸素の影響の確認に加え、メダカの生理状態に対する高溶存酸素の影響を確認した。具体的には、溶存酸素濃度以外の条件を同一にした環境下でメダカの飼育を行い、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現の変化を比較した。
試験には(独)国立環境研究所より譲渡され、継代飼育して得られた孵化後約4ヶ月齢のヒメダカ雌雄を用いた。5Lの活性炭ろ過水を酸素ボンベからのバブリングを一晩行った後、ヒメダカ雌雄9尾ずつを投入して96時間の試験を行った。試験期間中は酸素ボンベからのバブリングを継続し、毎日一回行う水換えの際にも酸素ボンベからのバブリングを一晩行った活性炭ろ過水を用いた。更に、水温24±1℃、明16時間・暗8時間の光周期を維持し、試験開始の24時間以降の給餌を停止して試験を行った。
A:(メダカオス)生態毒性試験中の対照区と同一の環境での飼育/低溶存酸素濃度での飼育
B:(メダカメス)生態毒性試験中の対照区と同一の環境での飼育/低溶存酸素濃度での飼育
C:(メダカオス)アルテミアで飼育/おとひめで飼育
D:(メダカメス)アルテミアで飼育/おとひめで飼育
E:(メダカオス)アルテミアで飼育/テトラミンで飼育
F:(メダカメス)アルテミアで飼育/テトラミンで飼育
G:(メダカオス)アルテミアで飼育/メダカのエサで飼育
H:(メダカメス)アルテミアで飼育/メダカのエサで飼育
表2の「−」は、該遺伝子の発現量が、ヒメダカの生理状態により影響を受けず、ある範囲内で一定であった事を示している。また、横軸の「発現レベル」とは、各試験条件における、該遺伝子の発現強度の平均を表している。
「▽▽▽」:正常対照区と比較して25%未満に遺伝子発現レベルが減少
「▽▽」:正常対照区と比較して25%以上50%未満で遺伝子発現レベルが減少
「▽」:正常対照区と比較して50%以上100%未満で遺伝子発現レベルが減少
「△△△」:正常対照区と比較して400%以上で遺伝子発現レベルが上昇
「△△」:正常対照区と比較して200%以上400%未満で遺伝子発現レベルが上昇
「△」:正常対照区と比較して100%以上200%未満で遺伝子発現レベルが上昇
Claims (16)
- 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検水棲生物の生理状態を評価する方法。
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物の生理状態が良好であるか否かを評価する工程 - 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、被検水棲生物の生理状態が良好でないものと評価する、請求項1に記載の方法。
- 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検水棲生物が、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適しているか否かを評価する方法。
(a)被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検水棲生物が、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適しているか否かを評価する工程 - 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、生物学的試験における標準状態の指標生物、または生物学的試験中の対照区となる指標生物として適していないと評価する、請求項5に記載の方法。
- 以下の(a)〜(c)の工程を含む、被検飼育条件が、生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適しているか否かを評価する方法。
(a)被検飼育条件下で飼育された被検水棲生物由来の生物学的試料において、生理状態に関与する水棲生物遺伝子の発現レベルを決定する工程
(b)被検水棲生物由来の生物学的試料における該遺伝子の発現レベルと、該遺伝子の正常対照発現レベルを比較する工程
(c)(b)における発現レベルの比較結果により、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適しているか否かを評価する工程 - 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜23に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:1〜93に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも低下した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
- 生理状態に関与する水棲生物遺伝子が配列番号:93〜111に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群であって、被検水棲生物における該遺伝子群の発現レベルが正常対照発現レベルよりも上昇した場合に、被検飼育条件が生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していないと評価する、請求項9に記載の方法。
- 請求項9〜12のいずれかに記載の方法により、生物学的試験における標準状態の指標生物を飼育するための条件として適していると評価された被検飼育条件により、水棲生物を育成する方法。
- 生物学的試験における標準状態の指標生物として用いることの出来る、請求項13によって育成された水棲生物。
- 配列番号:112〜138に記載の塩基配列から選択される少なくとも1つ以上の塩基配列からなる遺伝子群を、ネガティブコントロールとして使用するものである請求項1〜12のいずれかに記載の被検水棲生物の生理状態、指標生物の生理状態、又は被検水棲生物・指標生物の飼育条件の評価方法。
- 配列番号:1〜138のいずれかに記載の核酸配列に対応する一つまたは複数のプローブからなる、核酸マイクロアレイ。
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