JP2007537140A - 糖尿病における血中グルコースレベルを制御するテトラペプチド - Google Patents

糖尿病における血中グルコースレベルを制御するテトラペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は医薬の分野に関し、そして糖尿病を処置および予防する、グルコースレベルを制御することのできる物質として適用することができる。グルコースレベルを制御することのできる、生物学的に活性な、一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NHの新規テトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンを提案し、そして有効量の一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NHのテトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンを含む薬理物質を提案する。糖尿病の予防および/または処置の方法であって、活性ペプチド薬剤として有効量のLys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチドを含む薬理物質を、0.1〜30g/kg(体重)の用量で、少なくとも1日1回、治療効果を得るために必要な期間、患者に投与することを含む方法を提案する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は医薬の分野に関し、そして糖尿病処置のための、グルコース濃度を制御する物質として適用することができる。
この物質の最も近い類似適応症のうち、1型糖尿病の処置に使用される既知のインシュリン製剤が存在する。選択された製剤は、組み換えまたは遺伝的に修飾された、速効型のヒトインシュリン製剤:Actrapid、Humulin R、Insuman R、Biosulin R、および遅効型のヒトインシュリン製剤:Protophane、Humulin N、Insuman−BasalおよびBiosulin Nならびに速効および遅効のヒトインシュリンアナログである。HumalogおよびNovorapid製剤は、超速効型の製剤であり、それらは、速効型のインシュリンと比較して、素早く発現する効果および、ピーク効果のわずかに短い期間について顕著である;それらは食後グルコースレベル低下率のさらなる低下に有効である。
それでもなお、インシュリン治療は、何らかの合併症、例えばアレルギー反応、低血糖状態、インシュリン抵抗性およびインシュリン後脂肪異栄養症へと導き得る補充治療である。2型糖尿病医療はまた、NovonormまたはRepaglinidおよびStarlixのような速効型製剤の、治療への導入のために変化した。伝統的には、Glibenclamideグループ、Glipizide、Gliklazideグループ、GlikvidonおよびAmaril(Glimepirid)のようなスルホニルウレアが使用され、これは、遅効型製剤であり、そしてこのグループの他の製剤と比較して顕著な利点を有する。Diabeton MRおよびGlibenese抑制剤は、遅効型の製剤である。糖尿病を有する患者はしばしば、いわゆるスルホニル尿素に対する2次抵抗性を示すことに注意すべきであり、これは残留インシュリン分泌の上昇によって引き起こされる。スルホニル尿素は顕著な副作用:消化不良性障害、アレルギー反応、骨髄機能抑圧、肝臓および腎臓に対する毒性効果、低血糖を有する。
また、メトホルミン(Glucophage、Siofor等)のようなビグアナイド類、Glitazoneまたはインシュリン抵抗性改善薬:ActosおよびAvandia、ならびにα−グルコシダーゼ阻害剤:AcarboseおよびMeglitolが使用される。これらの経口製剤はインシュリンに対する組織感受性を増加させ、そして炭水化物代謝に対する明確な正常化効果を発揮する。それにもかかわらず、それらの適用は、低い効果または副作用のために制限され得る(Balabolkin M. I. , Diabetology. -M. : Meditzina, 2000.-672 p.: Register of Pharmaceutical Substances of Russia. Edition 10. -RLS-2003, Moscow.-2003.-1438 pp.)。
インシュリンのものと同様の生物学的活性を示す既知のデカペプチドインシュリンフラグメントが存在する(ロシア特許第2078769号、Peptide Fragment, possessing biological insulin similar activity 、国際特許分類(ICI)A61 K 38/28、1997)。
ペプチドp277(ヒト熱ショックタンパク質(hsp60)アナログのエピトープ(ロシア特許第2159250号、Peptide p277 analogues and pharmacological substances on its basis for treatment and diagnostics of diabetes mellitus、国際特許分類(ICI)A61 K 39/00、38/00、2000)が知られている。
それにもかかわらず、上記特許に記載の生物学的活性は、これらのペプチドのインシュリン様効果を示し、そして1型糖尿病処置用ペプチド物質を開発するために使用され得る。
特許(EP第1268518号、Insulin potentiating peptides、国際特許分類(ICI)C07K5/10; A61K38/07 ;A61K38/08、2001)に記載のインシュリン増強小ペプチドが知られており、これは糖尿病予防および/または処置用医薬製剤および方法の原型であった。これらの小ペプチドは、糖尿病処置に使用され得るペプチド薬剤として使用することができる。
本ペプチド化合物が構造的的類似性を有さないテトラペプチドであることに注意するべきである。
本発明は、2型および1型糖尿病を有する患者において、グルコースレベルを制御する、ペプチド様の生物学的に活性な新規化合物を得ることを意図する。
本発明は、配列1の一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NH[配列番号:1]の新規テトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミドを記載する。
テトラペプチドは、溶液中において、伝統的なペプチド合成法によって得られる(Yakubke Kh. - D., Eshkeit Kh. Amino acids, peptides, proteins:ドイツ語からの翻訳-Mir, Moscow.-1985 - 456 pp.)。
本発明は生物学的活性を示す、すなわち、グルコースレベルを制御する、配列1の一般式、Lys−Glu−Asp−Trp−NH[配列番号:1]のテトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミドを記載する。
Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチドの血中グルコースレベルのに対する制御効果は、アロキサン糖尿病において実験的に示された。アロキサン糖尿病は膵臓β細胞の傷害と関係し、インシュリン欠乏および糖新生活性化のための顕著な高血糖を伴うと考えられる。
テトラペプチドLys−Glu−Asp−Trp−NHは無毒であることが実験的に証明された。
本発明の医薬物質は、その活性ペプチド薬剤として、有効量の配列番号1の一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NH[配列番号:1]のテトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチルトリプトファンアミドを含み、そして糖尿病の症例においてグルコースレベルを制御する。
本明細書における“医薬物質”との記載は、有効量の一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NHのテトラペプチドを含む任意の薬剤形態の使用を意味し、これは糖尿病の症例において血中グルコースレベルを制御する物質としての医薬において、その予防的および/または治療的使用を見出すことができる。
本明細書における“治療上有効量”との記載は、その活性および毒性の量的指標に従って、ならびに利用可能な特定の知識に関して、この薬剤形態において有効であるべきであるような活性ペプチドの量の使用を意味する。
本発明に適合する医薬組成物を得るためには、有効成分として本発明のテトラペプチドを、医薬担体と、薬剤学において許容される配合方法に従って混合する。
担体は、体への導入、例えば非経腸投与または経口投与に望ましい、物質の薬剤形態に依存して、様々な形態を有し得る。
経口投与に望ましい投与形態の薬剤組成物を製造するために、全ての既知の医薬成分を使用することができる。
非経腸投与用担体には、通常滅菌水が含まれるが、安定性または滅菌維持のための手段として他の成分を使用することができる。
本発明は、医薬物質が好ましくは、非経腸投与用または経口投与用に処方されるべきであることを前提としている。
本発明はまた、糖尿病の予防および/または処置法であって、ペプチド薬剤として有効量のテトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHを含む薬理物質を、0.1〜30g/kg(体重)の用量で、少なくとも1日1回、治療効果を得るために必要な期間に渡り、患者に投与することを含む方法に関する。
糖尿病の予防および/または処置法は、薬理物質の患者への予防的もしくは処置的非経腸もしくは経口投与からなる。
本発明のテトラペプチドは、0.1〜30μg/kg(体重)の用量で導入されるとき、活性であるが、より低い/高い用量は、処置される病理学的過程の特徴および重症度に依存して許容される。
本発明の技術的成果は、インシュリン分泌増加によるグルコースレベルの制御およびインシュリンに対する組織感受性の増加である。
本出願の対象技術成果を得る可能性は、信頼の置ける実験と当該技術分野において確立されている方法によって得られた臨床データによって肯定される。
本発明を表によって説明する。
表1は、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの、アロキサン糖尿病を有するラットの血中グルコースレベルに対する効果を示す(処置)。
表2は、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの、アロキサン糖尿病を有するラットの血中グルコースレベルに対する効果を示す。(予防および処置)。
表3は、異なる用量のテトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの、アロキサン糖尿病を有するラットの血中グルコースレベルに対する効果を示す。
表4は、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの、アロキサン糖尿病を有するラットの血中インシュリンレベルに対する効果を示す。
表5は、アロキサン糖尿病を有するラットにおける、グルコース耐性試験の結果を示す(テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHコース終了後44日目)。
表6は、アロキサン糖尿病を有するラットの血中グルコースレベルに対するインシュリンの効果を示す(テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHコース終了後28日目)。
表7は、本試験における糖尿病を有する患者分布を示す。
表8は、インシュリンで処置された1型および2型糖尿病を有する患者に対する、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの非経腸投与の効果を示す。
本発明はテトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NH合成の例によって(実施例1)、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NH生物学的活性の例によって(実施例2、3、4、5、6、7)、そして、その薬理学的特徴を示し、そして予防および/または処置効果を得る可能性を確認する、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NH臨床適用の結果の例によって(実施例8)説明される。
実施例1 Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチドの合成
1.製品名:リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミド
2.構造式:
Figure 2007537140
3.イオン対なしでの分子式:C2637
4.イオン対なしでの分子量:575,62。
5.イオン対:なし。
6.外見:白色無定形粉末、無臭。
7.合成方法:ペプチドを、下記スキームにより、溶液中で、伝統的な合成方法によって得る:
Figure 2007537140
Z −ベンジルオキシカルボニル基;
BOC −tert.ブチルオキシカルボニル基;
OSu −N−オキシスクシンイミドエステル;
OBzl −ベンジルエステル;
DCC −N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド;
HOBT −N−オキシベンゾトリアゾール。
N,N’−ジメチルホルムアミドを溶媒として使用した。アスパラギン酸を加えるとき、トリエチルアミンの塩化によるα−COOH基の保護を適用した。BOC保護基をトリフルオロ酢酸(TFA)溶液で、そしてZ保護基を酵素的加水分解で除去した。生成物を順相カラムでの分取クロマトグラフィー(シリカゲル)の方法によって抽出し、精製した。
最終産物の特徴:
・アミノ酸分析
Figure 2007537140
・ペプチド含有量97.48%(HPLCによる、220nm);
・薄層クロマトグラフィー(TLC)−単一、R=0.64(プレート、PTSX−P−V−UV Sorbfil、シリカゲルSTX−1VE 8−12μm、アセトニトリル:水、3:1);
・水分含有量:7%;
・0.01%溶液のpH:4.05;
・UV−スペクトル:280nmで最高点−トリプトファンインドール環;
・旋光度:[α] 23:−26.53°(c=1.0;HO)、“Polamat A”、Carl Zeiss Jena
合成例:
1.BOC−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(I)、N−tert.ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテート。
4.34g(0.0100mol)のN−tert.ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミン酸N−オキシスクシンイミドエステル(BOC−Glu(OBzl)−OSu)を、20mlのジメチルホルムアミドに溶解し、そして1.72ml(0.0125mol)のトリエチルアミンおよび2.80g(0.0125mol)のβ−ベンジルアスパルテートを加える。混合物を24時間、室温にて撹拌する。その後、生成物を0.5N硫酸溶液(150ml)で沈殿させ、酢酸エチル(3×30ml)で抽出し、0.5N硫酸溶液(2×20ml)、水、5%重炭酸ナトリウム溶液(1×20ml)、水、0.5N硫酸溶液(2×20ml)、水で、洗浄する。生成物を無水NaSOで乾燥させる。酢酸エチルを濾過し、そして真空下で40°にて除去し、残さを真空下でPで乾燥させる。5.68g(約100%)の油状物を得る。R=0.42(ベンゼン−アセトン 2:1、Sorbfilプレート、シリカゲル−8〜12μm、UVおよび塩素/ベンジジンによって展開)。
2.TFA・H−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(II)、(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸トリフルオロアセテート。
5.68g(約0.01mol)のN−tert.ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテート(I)を、20mlのジクロロメタン−トリフルオロ酢酸混合物(3:1)に溶解する。2時間後、溶媒を真空下で、40℃にて除去する。除去をジクロロメタン(2×10ml)のさらなる分割量の添加により繰り返す。残さを真空下で、NaOHで乾燥させる。5.80g(約100%)の油状物を得る。R=0.63(n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水、15:10:3:12)。
3.Z−Lys(Z)−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(III)、N,Nε−ジベンジルオキシカルボニルリシル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテート。
5.65g(0.01mol)の(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテートトリフルオロアセテート(II)を10mlのジメチルホルムアミドに溶解し、2.80ml(0.02mol)のトリエチルアミンおよび6.64g(0.013mol)のN,Nε−ジベンジルオキシカルボニルリシンN−オキシスクシンイミドエステルを加える。反応混合物を24時間、室温にて撹拌する。
生成物を0.5n硫酸溶液(150ml)で沈殿させ、酢酸エチル(3×30ml)により抽出し、0.5n硫酸溶液(2×20ml)、水、5%重炭酸ナトリウム溶液(1×20ml)、水、0.5n硫酸溶液(2×20ml)、水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。酢酸エチルを濾過し、そして真空下で40°にて除去する。残さを酢酸エチル/ヘキサン系で再結晶化させる。生成物を濾過し、真空下でPで乾燥させる。収率は6.04g(72%)である。融点(Tml)は142℃である。R=0.60(ベンゼン−アセトン、1:1)。
4.Z−Lys(Z)−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−Pro−OBzl(IV)、1024,15 N,Nε−ジベンジルオキシカルボニルリシル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルチル−トリプトファンアミド。
1.8g(7.2μmol)のトリプトファンアミド塩酸塩(HCl・H−Trp−NH)を15mlのテトラヒドロフランに懸濁し、そして1.0ml(7.2mmol)のトリエチルアミンを、撹拌しながら加える。5分後、4.0g(4.8mmol)のN,Nε−ジベンジルオキシカルボニルリシル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルテート(III)および0.8g(5.8mmol)のN−オキシベンゾトリアゾールを加える。混合物を0℃へと冷却する。その後、0℃へと冷却された1.2g(5.8mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液を、5mlのテトラヒドロフラン中に加える。混合物をこの温度で、2時間撹拌し、そして一晩室温にて混合させる。反応混合物を氷冷水(150ml)へと注ぎ、残さを粉砕し、濾取する。残さを酢酸エチル(200ml)中に懸濁させ、そして生じたゲルを連続的に、1NのHSO水溶液(2×100ml)、5%NaHCO(2×100ml)、水(2×100ml)中の1NのHSO(2×100ml)、飽和NaCl溶液で洗浄する。溶媒を真空下で除去し、そして生成物を2回、イソプロピルアルコール中で結晶化する。収率は4.9g(95%)であり、R=0.67(ベンゼン−アセトン、2:1)である。
5.H−Lys−Glu−Asp−Trp−NH(V)、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミド、575,62
4.7gのN,Nε−ジカルボベンゼンオキシリシル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパルチル−トリプトファンアミド(IV)をメタノール/水(5:1)系中で、Pd/C触媒で水素化する。脱保護反応の完了をベンゼン/アセトン(2:1)およびアセトニトリル/水(1:3)系中におけるTLC法によって観察する。反応が完了したとき、触媒を濾取し、濾液を真空下で除去し、そして残さを水/メタノール系において再結晶する。生成物を真空下でKOHで乾燥させる。収率は2.6g(90%)である。R=0.64(アセトニトリル/水、1:1)。
精製のために、2.6mgの生成物を5mlのアセトニトリル−水混合物(1:3)に溶解し、そして“Sigma”シリカゲル、230〜400バッグ(40〜63μ)を有する21×4.5cmカラムにのせる。アセトニトリル−水(1:3)系による溶出。1gのクロマトグラフ的に均一な物質を得た。
6.最終生成物の分析。
・ペプチド含有量をNucleosilカラムC18、4.6×250mmでのHPLCによって明確にする。A:0.1%TFA;B:MeCN;グラジエント30分でB0→30%。流速は1ml/分である。220nmで検出、190〜600nmで走査、サンプル体積は20μlである。ペプチド含有量97.48%。
・アミノ酸分析をAAA“T−339”テスター、Pragueで行う。
Figure 2007537140
・TLC:単一、R=0.64(アセトニトリル/水、3:1、Sorbfilプレート、8〜12μmシリカゲル、塩素/ベンジジンおよびUVによって現像)。
・水分含有量:7%(重量測定法において、乾燥による質量減少によると、100℃にて−20mg)。
・0.01%溶液のpH:4.05(電位差滴定)
・旋光度:[α] 23:−26.53°(c=1.0 HO)、“Polamat A”、Carl Zeiss Jena。
・UVスペクトル:280nmでピーク−トリプトファンのインドール環、“Beckman DU 650”、0.001%水溶液。
実施例2. テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの、ラットにおけるアロキサン糖尿病の経過に対する効果(処置法)
平均体重375±35gを有する21匹の白雑種雄ラットで試験を行った。血中のグルコース濃度の測定の後、全動物をランダムに2つのグループへと分けた。次いで、全動物に、1mlのアロキサン溶液(“Spofa”)を35mg/kgの用量で、単回静脈内投与した。15日目に、対照動物は1日1回、0.3mlの0.9%NaCl溶液を腹腔内投与され、メイングループのラットはLys−Glu−Asp−Trp−NHを、ラットあたり3μg(0.3mlの0.9%NaCl溶液中)の用量で、11日間投与された。
表1は試験の結果を示し、これはLys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチド投与が全試験を通じて38.4%(30〜47.7%)の動物において、血中グルコースレベルの確かな減少に貢献したことを示す。Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチド関連グルコースレベル減少は、メイングループにおける死亡率の減少と相関した。対照グループの動物において、調査の終わりには(アロキサン投与後84日目)、死亡率が70%であったが、Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチドを投与されたラットでは36.4%であった。したがって、Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチド投与はアロキサン糖尿病動物において2倍の死亡率減少を可能とした。
実施例3. ラットにおけるアロキサン糖尿病の経過に対するLys−Glu−Asp−Trp−NHの効果(予防および処置法)
平均体重375±35gを有する15匹の白雑種雄ラットで試験を行った。動物をランダムに2つのグループに分けた。対照動物は1日1回、0.3mlの0.9%NaCl溶液を静脈内投与されるが、一方、メイングループ動物はLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを、ラットあたり3μg(0.3mlの0.9%NaCl溶液中)の用量で7日間投与された。その後、全動物を1mlのアロキサン溶液(“Spofa”)の35mg/kgの用量での単回静脈内投与に付した。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを、アロキサンの投与後、3日間投与した。その後、対照ラットを8日目から28日目まで(全部で11日)、同じ用量での2回目のLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドコースに付した。
試験の結果を表2に示す。第1に、Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの健康動物への投与は、血中グルコースレベルの減少を導かなかったことを言及すべきである。対照動物は、アロキサン投与後の全試験期間の間、開始レベルと比較して1.9〜4.9倍の血中グルコース濃度の上昇を伴う糖尿病の発症を示した。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの1コースに付されたラットは、対照と比較して、22〜30%の血中グルコースレベルの減少を示した。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの2回目のコース後、これらの動物は全試験期間(28、33、40日目)において血中グルコースレベルの完全な正常化を示したが、一方で対照グループの動物において、血中グルコースレベルは、それぞれ、2;4.2;3.8倍増加であった。
Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドで処置された8匹中2匹のみが糖尿病の重症な形態であると報告したが、一方で対照グループにおいては7匹中5匹であり、すなわち、対照グループにおいてこの指標は2.9倍高いことに注意するべきである。
試験の終了時(アロキサン投与後40日目)、57.1%の対照動物と75%のLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチド処置動物が生存していた。
試験の結果は、Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドは死亡率の減少を伴うアロキサン糖尿病ラットにおけるグルコースレベルの正常化に貢献することを示す。
実施例4. 異なる用量でのLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの、ラットにおけるアロキサン糖尿病の経過に対する効果
平均体重375±35gを有する23匹の白雑種雄ラットで試験を行った。全動物を1mlのアロキサン溶液(“Spofa”)の35μg/kgの用量での単回静脈内投与に付した。
次いで、動物をランダムに3つのグループに分けた。対照動物は0.3mlの0.9%NaCl溶液を、1日1回腹腔内投与された。第2および第3グループのラットはテトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHを、ラットあたり1μg(0.1mlの0.9%NaCl溶液中)、および10μg(1.0mlの0.9%NaCl溶液中)の用量で、7日間投与された。
表3はこの試験の結果を示す。テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの1μgの用量でのラットへの投与は、テトラペプチドコースの終了後1日目および4日目で、対照と比較して、それぞれ、17.3および12.3%、血中グルコースレベルにおける顕著な増加に貢献した。テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHの10μgの用量におけるラットへの投与は、1、4、7、17日目で、それぞれ、30;23.8;26;12.7%のグルコースレベルのより顕著な減少さえ導いた。これらのデータは、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NH用量の増加が、動物の血中グルコースレベルに対して顕著に影響することを示す。
実施例5. テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHのアロキサン糖尿病ラットの血中グルコースレベルに対する効果
平均体重375±35gを有する18匹の白雑種雄ラットで試験を行った。血中グルコースレベルの測定の後、全動物をランダムに2つのグループへと分けた。次いで、全動物を、1mlのアロキサン溶液(“Spofa”)の35mg/kgの用量で、単回静脈内注射に付した。15日後、対照動物は1日1回、0.3mlの0.9%NaCl溶液を腹腔内投与され、メイングループのラットはテトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHを、ラットあたり3μg(0.3mlの0.9%NaCl溶液中)の用量で、11日間投与された。
試験の結果を表4において示し、これはアロキサン投与後15日目に動物は糖尿病を示したことを示す。テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHを投与されたラットにおいて、血中のインシュリン含有量は、該物質が投与された後8日の間、対照グループのラットにおけるよりも3.9倍高かった。試験の間に行われた全ての下記測定は、ラットの血中インシュリンの量を示す(13〜18%)が、対照動物の血中にはインシュリンが全くなかった。実験終了時(アロキサン投与後70日目)、62.5%の対照動物が生存し、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHを投与された動物では70%が生存した。
この試験の結果の分析は、テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHのアロキサン糖尿病を有するラットへの投与がインシュリン血中レベルの維持に貢献し、これはインシュリン産生細胞構造および機能の部分的修復に由来し得ることが示された。
実施例6. テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NHのアロキサン糖尿病ラットにおける糖曲線の指標に対する効果(処置法)
以前の試験に参加した13匹の雄ラットで試験を行った(処置法−テトラペプチド、Lys−Glu−Asp−Trp−NH投与の終了後44日)。同じ体重を有する7匹の健康ラットが別グループを構成した。全動物が、それらの血中グルコース濃度を測定した後、1mlの2%グルコース溶液を静脈内投与された。
表5は試験の結果を示し、これは健康ラットにおいて、グルコース投与後、その濃度は、開始レベル(100%)と比較して、5分後−203.9%、30分−156.3%、60分−124.6%、120分−114.5%であったことを示す。対照動物において、同じ指標は、それぞれ、129.8;127.5;123.5;121.1%であった。これらのデータは、アロキサン障害後の膵臓機能の強い抑制を示す。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを投与されたラットにおける同じ指標は、142.9;97.3;95.6;77.9%であった。この試験の結果はLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドがアロキサン糖尿病を有するラットにおいて膵臓機能を刺激することができることを示す。
実施例7. Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチド投与後のアロキサン糖尿病ラットにおける血中グルコースレベルに対するインシュリン作用
以前の試験に参加した13匹の雄ラットで試験を行った(処置法−Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチド投与の終了後28日目)。類似の体重を有する8匹の健康ラットが別グループを構成した。全動物が、インシュリン(0.3単位)を静脈内投与され、そしてそれらの血中グルコース濃度をその後測定した。
試験の結果を表6に示す。健康な動物は、グルコースレベルの強い生理的低下を示したが、一方で対照動物(アロキサン糖尿病を有する)において、この指標が2.8倍低かった。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドで処置したアロキサン糖尿病動物は、対照グループと比較して、インシュリン投与後に、グルコースレベルの顕著な、2倍近い減少を示した。これらのデータはLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドのインシュリンに対する組織感受性を大いに維持する能力を示す。
Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの特徴は、試験の間、糖尿病処置の場合における血中グルコースレベルを制御する物質として、予防的および治療的適用に推薦することができることを示した。
下記本発明のテトラペプチドの臨床試験の結果はその薬理学的特徴を示し、そして発明の実施の可能性を確認する。
実施例8. Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを、糖尿病を有する患者において適用することの効果
16〜83歳の36名の患者において調査を行った(男7名、女29名)。23名の患者は1型糖尿病と、13名の患者は2型糖尿病と診断された。疾患期間は1年〜30年で異なった。32名の患者がインシュリンを投与されていた。糖尿病を有する患者の大部分が無報酬(deconpensated)で入院していた。これらの患者における空腹時での血中グルコースレベルは9.5〜27μm/lで;糖化ヘモグロビンは7.8〜12.7%で変動した。全患者は固定食(rigid diet)を処方された。全患者を、年齢、性別、疾患の期間およびステージに関して、ランダムに2つのグループに分けた(表7)。標準の処置法と並行して、16名の患者にLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを、10μgの用量で(1mlの0.9%NaCl溶液中)、筋肉内、1日1回で10日間で処方した。2型糖尿病を有する4名の患者に、標準の処置コースと共に、Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを、100μgの用量で(錠剤1個)、1日2回、食前、10日間で処方した。対照グループの患者は、1mlの0.9%のNaCl溶液をプラセボとして、同じスキームに従って投与された。
Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチド効果の試験結果を表8に示す。8名の患者において(インシュリンで処置された16名の内)、Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドコースはインシュリン1日量の、平均8単位の減少をもたらし、これは補償を達成できる。
6名の患者について、インシュリン用量は変化しないままであり、そして補償が記録された。2名のみの患者について、補償を得るために、インシュリン用量を増加した:1番目の患者は4単位;2番目の患者は14単位。同時に、対照グループにおいて(16名のインシュリン投与患者)、2名のみの患者について、インシュリン用量は変化しないままであり、14名の患者について、補償を得るために、インシュリン用量を4〜8単位増加させた。
Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを錠剤で毎日投与されている、2型糖尿病(1名の患者)および1型糖尿病(3名の患者)を有するメイングループの患者において、インシュリン用量は25単位減少し、そして経口抗糖尿病薬で処置されている患者において、完全補償を達成し、そして製剤用量は事実上2倍減少した。
したがって、糖尿病を有する患者におけるLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドの適用は、インシュリンに対する組織感受性を上昇させ、そしてある程度膵臓機能の修復に貢献する。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドのより高い効果が記録された(これはメイングループの患者の50%でインシュリン用量が減少したが、対照グループにおいて、患者はこの結果を示さなかったことにより証明される)ことに注意するべきである。
上記の確認のため、病歴記録から3例の抜粋を挙げる。
病歴記録1番からの抜粋
患者K、69歳、グループ2障害。患者は17年間糖尿病を有する。l986年から彼女は抗糖尿病薬を錠剤で投与され、1996年からこれらの薬剤がインシュリンで置き換えられた。患者の検査は、末期糖尿病合併症を示した。
診断:2型糖尿病、インシュリンに対する2次抵抗性、糖尿病性網膜症、多発性神経障害、糖尿病性腎症、症候性高血圧。
処置入院時:血中グルコースレベル−10μmol/l、食後2時間−14μmol/l。血液臨床検査−正常、尿タンパク−0.66g/lまで、ECG−左心室肥大。インシュリン1日量−82単位。
治療:食事、ビタミンB群、berlition、Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチド含有非経腸形態の医薬組成物を、10μg、筋肉内、10日間。
18日目に退院:空腹時の血中グルコースレベル−5.9μmol/l。インシュリン1日量−56単位(開始レベルと比較して26単位の減少)。凝血指標に顕著な改善がある。
病歴記録2番からの抜粋
患者M、40歳、グループ2障害。彼は13年間糖尿病を有し、疾患発症直後からインシュリン処置された。
診断:1型糖尿病、中度、糖尿病性網膜症、多発性神経障害、脳症。
処置入院時:空腹時血中グルコースレベル−17.8μm/l。臨床血液および尿検査−正常。インシュリン1日量−40単位。
治療:食事、ビタミンB群、Lys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチド含有非経腸形態の医薬組成物を、10μg、筋肉内、10日間。
15日目に退院:空腹時血中グルコースレベル3.4μmol/l。インシュリン1日量−32単位(開始レベルと比較して8単位の減少)。
病歴記録3番からの抜粋
患者L、83歳。彼女は25年間糖尿病を有し、異なる抗糖尿病ピルで処置された。徹底的な食事制限に従い、最近の患者の状態は満足のいくものである。
診断:2型糖尿病、糖尿病網膜症。
処置入院時:空腹時血中グルコースレベル−11μmol/l。臨床血液および尿検査−正常。1日2錠のdiabetonを摂取する。患者が錠剤の抗糖尿病製剤に抵抗性を示したので、彼女はインシュリン投与を勧められた。しかし、患者はインシュリン処置を拒否し、これが彼女がLys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドを含む経口形態の医薬組成物を、100μg(1錠)、1日2回、食前、10日間、2錠のdiabeton錠剤の摂取と共に処方された理由である。2日目における空腹時グルコースレベルは、6μmol/lであった。そこで、diabetonの用量を2倍減少させた。Lys−Glu−Asp−Trp−NH、テトラペプチドでの処置コースの終了後、血中グルコースレベルは正常の範囲内のままであった。患者の現在の状態は満足のいくものである。
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Claims (9)

  1. 一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NH[配列番号:1]のテトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミド。
  2. グルコースレベル制御の生物学的活性を示す、配列1の一般式Lys−Glu−Asp−Trp−NH[配列番号:1]のテトラペプチド、リシル−グルタミル−アスパルチル−トリプトファンアミド。
  3. グルコースレベルを制御することができ;活性ペプチド薬剤および薬学的に許容される担体を含み、その活性成分として有効量のテトラペプチドLys−Glu−Asp−Trp−NHを含むことを特徴とする、ペプチド様医薬物質組成物。
  4. 前記物質が経口投与に好適な形態で存在する、請求項3に記載の物質。
  5. 前記物質が非経腸投与に好適な形態で存在する、請求項3に記載の物質。
  6. 糖尿病の予防および/または処置法であって、活性ペプチド薬剤として有効量のLys−Glu−Asp−Trp−NHテトラペプチドを含む薬理物質を、0.1〜30μg/kg(体重)の用量で、少なくとも1日1回、治療効果を得るために必要な期間、患者に投与することからなる方法。
  7. 薬理物質が非経腸投与を意図されている、請求項6に記載の方法。
  8. 薬理物質が経口投与を意図されている、請求項6に記載の方法。
  9. 請求項3〜5に記載の薬理物質が、0.1〜30μg/kg(体重)の用量で投与されるとき活性である、請求項7に記載の方法。

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