JP2007533091A - 基板に機能材料をパターン形成する方法 - Google Patents

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Abstract

基板200上に機能材料をパターン形成する方法は、(a)基板の少なくとも1つの主要面に機能材料の層225を付着させる段階と、(b)機能材料の層に、機能材料225が不溶である溶媒中に可溶な保護材料の層230を付着させる段階と、(c)基板上の明確に画定された領域における保護材料の層230および機能材料の層225の両領域を除去する段階と、(d)残っている露出した保護材料230を、前記溶媒中に溶解させることによって基板200から除去する段階とを含む。

Description

本発明は、基板に機能材料をパターン形成する方法に関するものである。本発明は、特に、ポリマー発光ダイオード(PLED)デバイス等の電子デバイスへの用途を有する。しかし、本発明はまた、他の電子デバイスや生化学センサにも適用可能である。
PLEDデバイスは、この15年ほどの間に知られてきている。このデバイスでは、有機材料の1つ又は複数の層が、2つの電極、すなわちアノードとカソードとの間に挟まれている。このデバイスに電界を印加すると、電子がカソードからデバイスに注入され、一般に正孔と呼ばれる正電荷がアノード接点からデバイスに注入される。これらの正電荷と負電荷とが、エレクトロルミネセント有機層において再結合し、可視光又は近赤外光の光子を生成する。生成される光子のエネルギーは、その内部で光子が生成されるエレクトロルミネセント有機層の化学的構造及び電子的特性に依存する。
従って、PLEDが発する光の色は、有機エレクトロルミネセント材料を注意深く選択することによって制御できる。更に、色変更材料を用いて、PLEDのエレクトロルミネセント層から発せられる光の色を変えること、又はデバイス上にカラー・フィルタを付加して、デバイスから発せられる光の色を制限することもできる。
PLED表示装置は、ポケットベル、携帯電話、又は頭部装着型表示装置等の、小型で携帯用の電子デバイスにおいて重要な役割を果たすことが予測されているが、こうしたPLED表示装置は、より大型の表示装置、例えば、ラップトップ・コンピュータやテレビ画面に実用可能な代替物として考えられてもいる。PLEDは、様々な周囲の光環境で(周囲の光がほとんど、又は全くない状態から明るい状態まで)、表示装置内で使用すべき十分な光を生成することが可能である。PLEDデバイスは、比較的安価に製造できる。PLEDは、標準のCMOS(相補型金属酸化物半導体)と適合した極めて低い活動化電圧(3.5V)を有し、発光層が非常に薄い(約100nm)場合には、応答時間が速く、且つ非常に大きな輝度を有する。PLEDの輝度は、デバイスを通過する電流に対応して即時に生じる。更に、PLEDは、それらの発光がほぼランバート面(Lambertian)的であり、従って、非常に広い視野角が得られるという更なる利点を有する。
PLEDは、「上面」から見られる(すなわち、光が基板から最も離れた接点から発せられる)ように設計すること(この設計は「上面発光(top emitting)」と呼ばれる)も、又は「底面」から(すなわち透明基板から)見られるように設計する(本明細書では「底面発光(bottom emitting)」と呼ぶ)こともできる。視る者と有機発光材料との間の構造は、発せられた光が透過できるほど十分に透明でなければならない。多くの応用例において、例えば、基板材料が透明でない場合、及び/又は、表示装置が、能動(アクティブ)マトリクスをアドレス指定するための不透明なシリコン駆動チップ上に直接構築されている場合、「上面発光」PLEDを形成することが有利である。
有機エレクトロルミネセント材料を基とした表示装置は、通常、2次元の画素マトリクス(行列)から構成され、それぞれがPLEDを含む。このような表示装置は、一般に、画素マトリクスを制御するためのアドレス回路を含む。能動マトリクスPLEDでは、標準の半導体製造技術を用いて、行及び列の構造が基板内に形成される。この場合、基板は、離散した電極の配列(アレイ)を有し、各電極は、マトリクスの各点に対応する。
これに対して、受動マトリックス・アドレス式PLED表示装置では、単一の基板上に多数のPLEDが形成され、群を成して配置され、それによって規則的な格子パターンを形成している。格子の列を形成するいくつかのPLED群は、共通のアノード線又はカソード線を共有することができる。所与の群内にある個々のPLEDは、それらのアノード線とカソード線とが同時に活動化された場合に光を発する。
有機エレクトロルミネセント材料を基とした表示装置は、単色とすることができる。すなわち、各画素が同じ色の光を発するようにできる。このような単色表示装置の有機エレクトロルミネセント薄膜は、通常、厚さの制御された均質なポリマー膜を得るために、スピン・コーティング法によって形成される。
或いは、有機エレクトロルミネセント材料を基にした表示装置の様々な画素は、様々な異なる色の光を発することもできる。少なくとも1つの赤色サブ画素と、少なくとも1つの緑色サブ画素と、少なくとも1つの青色サブ画素とを含む画素の配列からフルカラー表示装置が形成される。どの特定の画素におけるサブ画素も、様々な組合せで活動化させて、全てのカラー・スペクトルを生成することができる。
フルカラーPLED表示装置の開発において相当な進歩が成し遂げられてきているものの、更なる課題が残されている。フルカラーPLED表示装置を製造する手法の1つが、隣接するPLEDサブ画素が赤色、緑色、及び青色光を発する、画素化自己発光式表示装置を作製することである。この手法では、カラー・フィルタ又は色変更材料による吸収により光が失われることがないので、原則として、最も効率の良い表示装置構造が得られる。しかし、この手法で克服すべき主な障害の1つに、赤色、緑色、及び青色ポリマーに対する溶媒の相溶性の問題がある。表示装置の用途に現在使用されている発光ポリマーは、一般に、芳香族性の非極性溶媒の同じ限定範囲において可溶であり、こうした溶媒には、それだけに限られるものではないが、トルエン、キシレン、クロロホルム、及びテトラヒドロフランが含まれる。従って、溶液から前記ポリマー材料の第1の層を被着(deposit)させ、後述する様々な工程を用いてパターン形成した後に、続けて共通の溶媒から第2のポリマー層をどんなに被着させても、先に被着させたポリマー膜が完全に除去されるか、又は2つのポリマーが混ざり合うことになる。どちらの筋書きも、完全なデバイス不良、又は色汚染や色調整の制御不良をもたらすため、望ましくない。こうしたポリマー同士の混合は、2つのポリマーに共通の溶媒を使用しなくても生じることがある。従って、被着工程、及び/又はパターン形成工程の間の発光ポリマー同士の直接接触は、回避しなければならない。
有機発光材料に関する更なる問題に、これらの材料が非常に損傷を受けやすく、プラズマ・エッチング又はUV放射等の処理工程に直接露出させると必ず、深刻な損傷を生じてしまうことがある。工程によって誘起された損傷は、デバイス寿命を短縮し、デバイスの光ルミネセンス効率及び量子効率を低減させ、結果として、一般にデバイス性能が許容可能でないものになる。
上述の問題を克服するために、様々な技術及び工程が開発されてきている。以下の節では、様々な技術及び工程について更に詳細に論じ、また、そうした技術や工程によって、高解像度、高効率、且つ信頼性の高い小型寸法のポリマー発光表示装置を実現することの限界に注目する。
溶媒の相溶性問題を克服し、且つ、被着工程中の、赤色、緑色、及び青色ポリマーの混合を防止する技術の1つとして、インクジェット印刷が出現してきた。インクジェット印刷では、所与のポリマー溶液の小滴を、予めパターン形成された画素構造が既に存在する基板上に分注(dispense)する。それぞれのポリマー溶液の容量は、各画素が精密に充填され、この工程中、ポリマーが溢れたり混ざり合ったりしないように、非常に正確に制御される。インクジェット技術は、PLED表示装置の製造において広く応用されていることが判明しており、現在、フルカラーPLED表示装置の効率の良い製造方法であると考えられている。しかし、インクジェット技術は、現在、30マイクロメートルよりも大きい画素寸法を有する表示装置にしか適用できない。インクジェット印刷技術によって実現できる最小の画素寸法は、再現可能に分注できる最小の溶滴寸法に極めてよく対応する。書込み時に分注できる最小溶滴寸法は、約25〜30マイクロメートルである。従って、10マイクロメートルのピッチで表示装置を作製することは、1滴の溶滴が自動的に3つの画素を覆うことになるので、不可能である。このような小型寸法でのインクジェット印刷に関する他の問題に、溶滴の容量制御、ポリマー溶滴の配置精度、及びインクジェット印刷ノズルの位置決め精度の問題がある。
フルカラーPLED表示装置を作製する代替手法は、白色発光ポリマーを、各PLEDサブ画素上に正確に整列させたカラー・フィルタと共に使用することである。これらのカラー・フィルタは、特定の離散的な波長を透過して、特定のサブ画素ごとに赤色、緑色、又は青色光を生成する。この手法の欠点は、カラー・フィルタが、最初に発せられた光のかなりの割合を吸収してしまい、従って、非常に非効率的である点である。
より効率の良い技術としては、単色のPLED配列を、個々のサブ画素に正確に整列させた色変換材料と共に使用することである。色変換材料の作動原理は、それらの材料が、より高いエネルギー(低い波長光)の光子を吸収し、蛍光又は燐光によって、より低いエネルギー(より高波長)の光子を発するというものである(米国特許第5294870号参照)。この手法には、赤色染料が青色光を効率良く吸収できないため、青色光が赤色画素に色滲みするという潜在的な欠点がある。この手法に伴うもう1つの問題には、4〜5マイクロメートルの寸法にパターン形成できる効率の良い色変換材料が、本発明者らの知る限りでは、容易に入手できないという問題がある。
リソグラフィ法に基づいてポリマー発光材料をパターン形成する工程は、確かにフルカラー・ポリマー表示装置を実現する1つの方法となり得る。文献では、D.G.Lidzeyらによる刊行物、Synthetic Metals 82(1996年)に、以下の工程からなる標準のフォトリソグラフィ法を使用したポリマー発光ダイオードのパターン形成工程が記載されている。すなわち、基板上にポリマー薄膜をスピン・コーティングし、次いで、このポリマー層上にフォトレジスト層をスピン・コーティングする。次いで、このフォトレジストを、シャドウ・マスクを介して露光し現像し、その後、露光済みのフォトレジストを洗い流す。次いで露光済みのフォトレジストを洗い流した所にカソード金属を蒸着させて、発光ポリマーとの接点とする。次いで、残りのフォトレジストを、アセトンに溶解させる。
Lidzeyらによって記載されたこの工程は、フォトリソグラフィ法を用いたカソード金属のパターン形成を説明している。この工程は、単色の表示装置の画素を画定(define)するのに使用できるが、この工程では、処理中の発光ポリマーの汚染を回避する方法が説明されておらず、また、ポリマー同士の混合が回避されていないので、フルカラー表示装置に応用するには適していない。
金属カソードをパターン形成する異なる手法が、Kimらによって提案された(Science、第288巻、2000年5月5日)。この工程は、冷間溶接法を用いて有機発光ダイオードのカソードをパターン形成することを説明している。この工程では、Si等の硬質材料から構成された金属被覆スタンプを、このスタンプの被覆に使用したものと同じコンタクト層で被覆された有機デバイス層からなる、パターン形成されていない膜に押圧させる。十分に高い圧力が加えられると、スタンプ側の金属層と、膜との間で密接な金属接合が形成され、その結果冷間溶接結合が得られる。スタンプと膜とを分離するときに、金属カソードは画然と分断されて、明確に画定されたパターン形成電極が形成される。
この工程は、単色の表示装置を製造するのには適用可能であるが、この工程では、カソードをパターン形成することしかできず、発光材料をパターン形成することはできないので、フルカラーRGB表示装置の製造には向かない。この工程のもう1つの欠点は、この工程が、カルシウム、マグネシウム等のような材料でできた、透明で反応性が高く、仕事関数の小さい薄膜カソードを必要とする上面発光能動マトリックス表示装置ではあまりうまく作用しないことである。これらの材料は極めて反応性が良く、境界面において、冷間溶接法の効果を妨げる酸化物又は窒化物を形成するので、冷間溶接法には向かない。
近年、レーザアブレーション(除去法)を用いて材料をパターン形成する異なる方法が開発されてきている。この技術では、192nm〜332nmの波長範囲のエキシマ・レーザ放射を使用して、基板の材料を選択的にアブレート(除去)する。この技術の考えられる応用例に関する様々な刊行物があり、本発明に最も関連するものについて、本明細書で更に詳細に論じる。
Noachら(Appl.Phys.Lett.69(24)、1996年)は、発光共役ポリマーから作製された発光ダイオード配列の微細製造に関して報告した。この工程は、193nmのエキシマ・レーザ発光を用いた直接的な光アブレーションに基づいている。この論文に記載の工程は、以下の工程を含む。1)エキシマ・レーザを用いて、酸化インジウム錫(ITO)で覆われたガラス基板をパターン形成する。2)パターン形成された基板に発光ポリマーをスピン・コーティングする。3)カソード接点(アルミニウム)を蒸着させる。4)エキシマ・レーザ放射によって、元のITO線の方向に直交して配置された棒格子を介して、アルミニウムと、ポリマー層の一部分との両方をアブレートする。この工程でもやはり、単色の表示装置の製造は可能であるが、スピン・コーティングによって第2のポリマーを被着させると、既にパターン形成した画素を溶解又は損傷してしまう虞があるので、フルカラー表示装置の製造は可能でない。
エキシマ・レーザによるパターン形成によってフルカラー表示装置を得る別の工程が、国際公開WO99/03157号に記載されている。この工程は、基本的に以下の段階を含む。
I.第1の1つ(又は複数)の有機発光材料を、好ましくは透明な正孔搬送層で覆われた基板上に被着させる。
II.前記第1の有機層上に、電子注入材料(MgAg)を被着させる。
III.基板の望ましくない領域から、電子注入材料と、第1の有機発光材料との両方をレーザによって選択的にアブレートして、第1の色の光を発する画素を得る。
IV.前記基板上に、第2の1つ(又は複数)の発光材料を被着させる。
V.前記第2の有機層上に電子注入材料(MgAg)を被着させる。
VI.基板の望ましくない領域から、電子注入材料と、第1の有機発光材料との両方をレーザによって選択的にアブレートして、第1の色の光を発する画素を保持すると共に、第2の色の光を発する画素を形成する。
VII.上述と同じ工程段階を繰り返して、第3の色の光を発する画素を得る。
上記の工程は、有機材料を固体の状態から蒸着又は被着させる場合には、確かに実行可能である。しかし、ほとんどの共役ポリマー、例えば、ポリフェニリレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン等の溶液処理された有機発光材料では、この工程は作用しなくなる。有機発光表示装置の分野で現在使用されている共役ポリマーのほとんどは、非極性芳香族溶媒に可溶である。このことは、被着された第1の有機層が、上記の工程の段階IVにおいて洗い流されるか、又は汚染され得ることを意味する。これは、不明確なデバイス特性をもたらし、完全なデバイス不良を極めて生じやすい。
エキシマ放射を用いて材料をパターン形成する別の応用例が、欧州特許第0480703号に記載されている。この文献では、基板上に金属をパターン形成する工程が説明されている。この目的のために、1つ又は複数の金属膜を同じ基板上に被着させ、それらの金属膜の少なくとも1つはUVを良く吸収するものとする。その結果得られる構造体を、十分なパワーを有するUVレーザで走査して、第1の層と、適用可能である場合には第2の層とを、レーザ光線の走査パターンによって決まったパターンに基板からアブレートする。基板がポリマーの場合、金属がアブレートされた基板部分が非常に粗くなることが報告されている。
このような損傷は、有機発光ダイオード及びポリマー・エレクトロニクスの分野に使用される、電気光学的に活性ないずれの材料にも許容できない。どんな損傷も、有機材料の特性を不明確に変えてしまい、寿命と性能との両面において望ましくない結果をもたらすことになる。同様の問題が、国際公開WO98/53510号においても報告された。この文献では、カソードは、レーザ・アブレーションを用いて予めパターン形成されていたが、この場合、パターン形成を完了するには、下にある有機層をレーザ・アブレーションほどには破壊しない第2の方法が必要であった。
パターンを基板上に転写する非常に一般的な手法が、米国特許第5505320号に記載されている。第1の材料でできた第1の層を基板上に被着させ、第1の層とは異なる材料でできた第2の層を続けて被着させる。次いで、第2の層の上面に、ドライ・イメージング・ポリマー組成物でできた層を被着させ、エキシマ・レーザを用いて、このドライ・イメージング・ポリマー組成物にパターンを形成する。その後、第1の層をエッチング阻止層として働かせて、第2の層の露出した部分をエッチングする。残ったドライ・イメージング・ポリマー材料を、画定された領域からアブレートして、第2の材料層を露出させる。この後、第1の層の残った露出領域をエッチングして、基板を露出させる。
上述の文献は、基板上に被着された金属層中にパターンをいかに転写して、電子回路間の相互接続を得ることができるかを説明している。しかし、この工程は、発光ダイオードのような電気光学的に活性な有機材料のパターン形成工程には使用できない。この文献では、赤色、緑色、及び青色発光材料に対する溶媒の相溶性問題、言い換えれば、第2のポリマーを溶液から被着させる場合、先に被着させた発光ポリマーをいかにして洗い流されないように保証できるかという問題をどのように克服するかについては言及されていない。また、この文献からは、有機発光ポリマーを被着させた後に、材料1と材料2とをいかにして除去するかが明白でない。
上記で概説した工程と非常に類似した工程が、米国特許第5196376号に記載されている。この特許では、対応するモノマーを真空中で蒸着させ、それらのモノマーを、金属層上に実質的にポリマーとして被着させることによって、ポリマーの薄層を金属層上に被着させている。次いで、レーザを用いて前記ポリマーを除去することによって、前記ポリマー層をパターン形成して、その下にある金属層の選択された領域を露出させ、この金属の露出領域を、ポリマー薄層によって画定されたパターンに従って選択的にエッチングして金属層をパターン形成する。この工程もまた、発光ポリマーを溶解させる溶媒の相溶性問題をどのように克服するかについての手掛かりを示してはいないので、有機発光ポリマーのパターン形成には適用可能でない。また、この特許からは、発光ポリマーに損傷を与えずに、パターンを形成するために使用したポリマー層と、金属層とをいかにして除去できるかが明らかでない。提案されたプラズマ・エッチング工程では、発光ポリマーを回復不可能に損傷させてしまうことになるであろう。
上記の議論では、フルカラー表示装置の製造における既存の問題に注目している。スピン・コーティングによって、溶液から発光ポリマーの均質な単一のコーティングを付着させ、様々な技術を用いてそのコーティングをパターン形成して、高解像度の単色デバイスを作製し、次いで、カラー・フィルタ又は色変更材料を用いて光を変換することができるが、その結果光損失が生じることになる。或いは、個々のポリマー色要素を例えばインクジェット印刷によって選択的に被着させることができるが、その場合、大量生産にとってはコストがかかり、且つ、測定可能でない(less scalable)ため、この工程は30μm未満の画素寸法には向かない。
本発明によれば、請求項1に記載の、基板上に機能材料をパターン形成する方法と、請求項23に記載のデバイスと、請求項24から27までに記載の光電子デバイスとが提供される。本発明の好ましい、又は任意選択による特徴が、従属請求項に定義されている。
本発明は、有機発光ポリマーの汎用的なパターン形成工程を提供する。本発明は、機能材料の層を保護することが可能な、少なくとも1つの犠牲層、好ましくは有機層を使用する。前記犠牲保護層を形成する材料は、第1に、機能材料、例えば有機エレクトロルミネセント材料にどんな回復不可能な損傷も引き起こさない溶媒系に可溶でなければならない。また、この材料は、その下にある機能材料を、損傷を与え得るすべての溶媒又は工程段階からも保護しなければならない。
本発明の特定の種(species)は、カラーPLED表示装置をパターン形成し且つ製造する方法を提供する。好ましくは、本発明は、赤色、緑色、及び青色のサブ画素を有し、どの組合せでも活動化させて、可視光又は近赤外光スペクトルにおける任意の色を生成できる、フルカラーPLED表示装置の製造方法に関するものである。この工程を使用すると、赤色、緑色、及び青色光を発するサブ画素が隣接した、自己発光式の画素化表示装置を製造できる。異なる発光材料のそれぞれのパターン形成は、本明細書にて詳述する工程で行われる。基板上に有機エレクトロルミネセント材料の第1の層を被着させる。次いで、この有機エレクトロルミネセント材料の第1の層上に、第2の材料、好ましくはポリ・ビニルアルコール(PVA)等の水溶性有機材料の層を被着させる。この第2の材料層は、有機エレクトロルミネセント材料の溶媒系とは相溶性のない溶媒系に可溶でなければならず、且つ、エレクトロルミネセント材料の機能性にどんな有意な損傷も与えてはならない。前記第2の有機層の厚さは、1μm未満でなければならない。
本発明者らは、有機エレクトロルミネセント材料上に、例えばPVA等の水性ポリマーを被着させ、その後に、有機エレクトロルミネセント材料の光ルミネセント・スペクトルにどんな有意な変化も引き起こさずにそこからその水性ポリマーを除去できることを示すことに成功した。また、カソードを被着させる前に水に暴露させたポリマー膜から製造したエレクトロルミネセント・デバイスの性能は、例えば熱工程を用いて、その機能ポリマー膜から、吸収された水分を注意深く除去すると、標準のデバイスの性能に匹敵した。
好ましい方法の後続の段階では、エレクトロルミネセント材料の第1の層と有機材料(PVA)の第2の層との明確に画定された両領域をアブレートして、基板の明確に画定されたある領域を露出させる。前記両層のアブレーションは、前記両層を、それだけに限られるものではないが、好ましくは322nmの波長を有する、少なくとも1ショット/ドーズ(dose)のエキシマ・レーザ放射で露光することによって実施できる。このアブレーション工程の間、その下にある基板の機能性を損なわないように注意しなければならない。場合によっては、明確に画定された領域からエレクトロルミネセント材料の層を全て完全には除去せずに、前記明確に画定された領域の基板上にエレクトロルミネセント材料の極く薄い層を残すことが有利となり得る。
次の段階は、例えばスピン・コーティング法によって、基板上にエレクトロルミネセント有機材料の第2の層を被着させることである。この被着により、基板の明確に画定された露出領域、並びに第2の有機層(PVA)の上側表面を覆う、有機エレクトロルミネセント材料の保護膜が得られる。充填可能な最小の画素寸法は、画素の縦横比に依存することになるが、最適なパラメータでは、この工程によって、1μm程度の小開口の充填が可能となる。この工程を用いて充填できる画素寸法に上限はない。
続いて、この基板上に、例えばスピン・コーティング法によって、好ましくはPVA等の水溶性有機材料の第4の層を被着させる。この層は、その下にあるエレクトロルミネセント材料を潜在的な損傷環境から保護し、且つ、この有機エレクトロルミネセント材料の後続のレーザ放射への露出を最小限に抑えるように、第2のエレクトロルミネセント有機材料を覆う。機能材料のレーザ・アブレーション工程の間に生じ得る損傷は、画素領域内のエレクトロルミネセント・ポリマー膜の光酸化又は光退色によって起こり得る。第2のPVA層の更なる利点は、この層が、その下にある有機エレクトロルミネセント材料を後続の工程段階の間に生じ得るどんなデブリからも保護することである。
この工程の最終段階は、基板から犠牲有機層(PVA)を除去することである。この除去は、リフト・オフ(lift off)工程を用いて行うことが可能であり、ここでは、第1のPVA層を溶解させ、次いで、基板の後続層を全てリフト・オフすることによって、基板上に第1及び第2のエレクトロルミネセント材料だけを残す。しかし、有機エレクトロルミネセント材料は、基板上のどんな層も含めて基板の全領域を覆う薄い保護膜を形成する傾向がある。第2のPLED膜の共形性(conformity)、及び画素の側壁もまた前記第2のPLED膜によって覆われているという事実のため、保護材料(PVA)の第1の層を溶解可能な溶媒が、PVAの第1の層中に浸透することができない。リフト・オフ法を作用させるためには、第2のエレクトロルミネセント材料の保護膜を穿刺するか、又は基板の明確に画定された領域から除去して、第2の保護有機材料(PVA)に対する溶媒が、この層中に浸透して溶解できるようにしなければならない。この除去工程は、第2のエレクトロルミネセント材料の明確に画定された領域をアブレートし除去することによって実現できる。前記アブレーション工程の後、基板を、有機材料(PVA)の第2の層を溶解可能な溶媒に露出させると、後続の層全てのリフト・オフ工程が実現される。この工程により、基板上に第1及び第2のエレクトロルミネセント材料の領域が残る。
上記で概説した工程段階を繰り返して、使用する有機エレクトロルミネセント材料の発光特性を変えることによって、極小の画素寸法を有する、非常に高い解像度のフルカラー表示装置を製造することができる。原則として、同じ工程を応用して、様々な基板上に様々な画素寸法の表示装置を製造できる。
本発明の方法は、簡単且つ経済的である。更に、この方法を使用すると、様々な標準の材料及び標準の処理装置を用いてカラーPLED表示装置を製造することができる。
特定の実施例では、本発明を使用して、赤色、緑色、及び青色サブ画素を含む画素を有する、高解像度フルカラーPLED表示装置を製造できる。より好ましくは、このデバイスは、極く小さな画素寸法及び高輝度を有し、「上面」発光表示装置でも「底面」発光表示装置でも可能である。
本発明の方法によって、エレクトロルミネセント有機材料をパターン形成して、自己発光画素からなるフルカラー表示装置を製造することが可能となる。各画素は、いくつかのサブ画素を含み、隣接する各サブ画素は、異なる色の光、例えば、赤色、緑色、及び青色の光を発してフルカラー表示を成す。
特定の具体例では、本発明は、基板上に有機エレクトロルミネセント画素をパターン形成する方法に関するものである。この基板は、画素領域が陥凹するように構造化される。この基板は、予め有機層で被覆しておく。この有機層は、第1に、底部電極からデバイスへの電荷注入を促進し、第2に、エレクトロルミネセント有機材料及び犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒に概ね不溶である。この有機層は、好ましくはポリエチレンジオキシチオフェン(Pedot)を含み、場合によっては、エポキシシラン等の1つ又は複数の更に他の物質を含み得るものであり、180℃で15分間熱処理することによって概ね不溶となる。
画素の画定方法は、以下の工程を含む。
1)基板上にエレクトロルミネセント材料の第1の層を被着させる。
2)前記第1の有機エレクトロルミネセント層上に第2の犠牲有機層を被着させる。この犠牲有機材料は、少なくとも、第1に、有機エレクトロルミネセント材料を溶解させるのに使用する溶媒に概ね不溶であるという要件と、第2に、前記犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒は、有機エレクトロルミネセント材料又は基板上に存在する電荷注入層を損傷又は溶解させてはならないという要件とを満たさなければならない。
3)基板上の明確に画定された領域(画素領域)内の犠牲有機層および有機エレクトロルミネセント材料の第1の層をアブレートして、基板上に、有機エレクトロルミネセント材料の第2の層を配置/パターン形成する領域を画定する。
4)基板上に有機エレクトロルミネセント材料の第2の層を被着させて、前記明確に画定された領域において前記第2のエレクトロルミネセント材料が基板と直接接触するように被着させる。
5)基板上に第2の犠牲有機層を被着させる。この第2の犠牲有機材料は、少なくとも、犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒が、どの有機エレクトロルミネセント材料又は基板上の電荷注入層も損傷又は溶解させないという要件を満たさなければならない。
6)第2のエレクトロルミネセント材料および第2の犠牲有機層の明確に画定された両領域を、例えばエキシマ・レーザを用いてアブレートして、第1の犠牲有機層を溶解可能な適当な溶媒が、第1の犠牲有機層まで入ることができるようにする。
7)第1の犠牲有機層を、どのエレクトロルミネセント材料又は基板上の注入層も損傷させない溶媒中で溶解させ、基板に第1及び第2の有機エレクトロルミネセント材料の薄膜の明確に画定された領域を残す。
この実施例の好ましい種類では、この方法は、以下の更なる段階を含む。
8)基板上に犠牲有機層を被着させる。この犠牲有機材料は、少なくとも、第1に、有機エレクトロルミネセント材料を溶解させるのに使用する溶媒に概ね不溶であるという要件と、第2に、犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒は、有機エレクトロルミネセント材料を損傷又は溶解させないという要件とを満たさなければならない。
9)基板の明確に画定された領域内の犠牲有機層、および有機エレクトロルミネセント材料の第1の層をアブレートして、基板上に、第3の有機エレクトロルミネセント材料を配置/パターン形成すべき領域を画定する。
10)基板上に第3の有機エレクトロルミネセント材料を被着させる。前記明確に画定された領域において前記第3の有機エレクトロルミネセント材料が基板と直接接触するように被着させる。
11)基板上に第2の犠牲有機層を被着させる。この第2の犠牲有機材料は、少なくとも、犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒が、どの有機エレクトロルミネセント材料又は基板上の電荷注入層も損傷又は溶解させないという要件を満たさなければならない。
12)第3のエレクトロルミネセント材料の明確に画定された領域を、例えばエキシマ・レーザを用いてアブレートして、溶媒が第1の犠牲有機層まで入ることができるようにする。
13)第1の犠牲有機層を、どのエレクトロルミネセント材料又は基板上の注入層も損傷させない溶媒中で溶解させ、基板に第1、第2、及び第3の有機エレクトロルミネセント材料の薄膜の明確に画定された領域を残す。
エレクトロルミネセント材料の第3の画素を画定するために実施した段階(8)〜(13)は、第2のエレクトロルミネセント材料をパターン形成するために使用した段階(2)〜(7)の繰り返しであることが明白である。この方法は、基板上の、有機エレクトロルミネセント材料の前記第1、第2、及び第3の層上に、頂部電極及び/又は主封入層を被着させる段階を更に含むことができる。
更に、特定の用途では、上述の工程は、1つの基板上にパターン形成することが求められる任意の数の機能材料に適用できることが明白である。
次に、添付の図面を参照して、本発明を単なる例によって以下で詳細に説明する。
図1は、透明又は不透明にできる構造化された基板200と、カソード又はアノードにできるパターン形成された底部電極210と、第1の有機層220とを含むデバイスを示す。前記層220は、底部電極210からデバイスへの電荷注入を促進し、この層は、以下で説明するエレクトロルミネセント有機材料及び犠牲有機材料を溶解させるのに使用する溶媒系に概ね不溶性でなければならない。
底部電極210がアノードの場合、層220は、電荷注入層、すなわち正孔搬送層、例えばPedot−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸塩)であり、底部電極がカソードの場合、電子搬送層である。第2の有機層225は、機能材料、例えば有機エレクトロルミネセント材料を含む。機能材料225を溶解させるために使用する溶媒は、層220の機能性を損なってはならない。続いて、例えばどの機能材料(すなわちエレクトロルミネセント材料)を溶解させるのにも使用する溶媒系に不溶なポリビニルアルコールの第3の有機層230を被着させる。前記犠牲有機層230の被着は、機能材料225又は220に、回復不可能などんな損傷も引き起こしてはならない。
底部電極の各要素が、マトリクスの1つのサブ画素を表す。電極210は、それだけに限られるものではないが、リソグラフィ、特にフォトリソグラフィ技術、レーザ・アブレーション、及び被着中のマスキングを含めた、当技術分野で周知の任意の方法によってパターン形成できる。サブ画素分離部245が、基板上のサブ画素電極同士の間に存在し、被覆工程中に有機発光材料同士が混合することを回避する助けとなっている。
図2に示すように、犠牲有機層230および機能材料層225の明確に画定された両領域をレーザ・アブレーション法によって除去して、第2の機能材料のサブ画素247のための空間を画定する。次の段階において、第2の機能材料、例えば、第2の原色光を発するサブ画素を設けるための機能材料を基板上に被着させ、図2に示すように、サブ画素247を充填すると共に、構造全体を覆う保護薄膜250を形成する。
後続の工程段階において、この第2の機能材料を保護するために、好ましくは層230に使用したものと同じ材料の第2の犠牲有機層255で基板を被覆することができる。次の段階において、少なくとも犠牲有機層255および保護膜250の明確に画定された両領域を、画素分離部が配置された位置でアブレートする。理想的には、犠牲有機層230は、この工程の間もアブレートされるべきである。この様子を図3に示す。
図4に示すように、この工程の次の段階は、犠牲層230及び255を適当な溶媒中で溶解させることである。この溶解によって、犠牲層230と255との間に存在していた機能材料の保護層250が除去(リフト・オフ)され、その結果、基板上には機能材料225及び247のサブ画素が残ることになる。
基板上に第3のサブ画素をパターン形成する工程段階は、図1〜4に示した工程段階の繰り返しである。基板を、犠牲有機層230で再度被覆し、犠牲有機層230および機能材料層225の明確に画定された両領域を、レーザ・アブレーション法によって除去して、第3の機能材料のサブ画素249のための空間を画定する。次いで、基板上に第3の機能材料249を被着させ、別の犠牲有機層260を被着させて、後続の工程段階において第3の機能材料249を保護する。犠牲有機層260は、それだけに限られるものではないが、層230及び255に使用したものと同じ材料でよい。上述の工程段階を図5に示す。
次の段階において、保護膜249および犠牲層260の明確に画定された両領域を、サブ画素分離部の位置でアブレートする。理想的には、犠牲有機層230は、この工程の間もアブレートされるべきである。これらの段階を図6に示す。
最終段階において、犠牲層230及び260を適当な溶媒中で溶解させると、犠牲層230と260との間に挟まれた機能材料の保護膜249がリフト・オフされることになる。図7に示すように、基板には、3つの異なるエレクトロルミネセント材料225、247、及び249が、3つのサブ画素の配列として残る。
PLEDは、当技術分野における周知の任意の方法によって製造できる。有機材料の諸層は、蒸着、スピン・コーティング、自己集合、又はその他の適当な任意の膜形成技術によって形成できる。有機層の厚さは、いくつかの単分子層から約500nmまでの間で変動可能である。好ましい実施例では、有機層は、スピン・キャスティング法によって形成される。
図8に示したPLEDは一例として示したものであり、任意の種類のものを使用できる。例えば、PLEDは、アノードに隣接した正孔注入層と、この正孔注入層に隣接した少なくとも第2の正孔搬送層とを含むこともできる。正孔注入層と正孔搬送層とは、別々に被着させることができる。
PLEDは、電子注入層、および少なくとも1つの電子搬送層を含むこともでき、又は、PLEDは頂部電極に隣接した追加の層を更に含むこともできる。当業者にはその他のPLED構造が明らかであろう。
基板は、ガラス、シリコン、プラスチック、石英、及びサファイヤを含めた当技術分野で周知の任意の材料から作製することができる。PLED表示装置がシリコン・チップ上に形成される場合、チップは、好ましくは駆動電子部品と、サブ画素電極の1つとを含み、それらのサブ画素電極は、それらの間にサブ画素分離部と呼ばれる絶縁壁構造を有することによって分離される。サブ画素分離部はまた、活動化されたサブ画素が発する光を、表示装置基板に平行ではなく、垂直に上方に案内する働きもする。
頂部電極は、全てのサブ画素に共通にしてもよい。
アノードは、大きな仕事関数を有する金属、金属酸化物、及びそれらの混合物を含む1つの層を有することができる。好ましくは、アノードには、金、プラチナ、ニッケル、クロム等の仕事関数の大きい金属の群、或いは、導電性若しくは半電導性の金属酸化物、或いは、酸化インジウム亜鉛錫、酸化インジウム亜鉛、二酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化ニッケル、又は酸化インジウム錫等の混合金属酸化物の群から選択された材料が含まれる。一実施例では、アノードは、アノードと第1の正孔注入/正孔搬送層との間に誘電材料の薄層(0.1〜2nm)を更に含む。
かかる誘電材料の例には、それだけに限られるものではないが、フッ化リチウム、フッ化セシウム、酸化シリコン、及び二酸化シリコンが含まれる。別の実施例では、アノードは、正孔注入/正孔搬送層に隣接した導電性の有機材料の薄層を含む。この導電性有機材料には、それだけに限られるものではないが、ポリアニリン、Pedot−PSS、及びそれらの導電性又は半電導性塩が含まれる。
図8で使用されているような半透明のカソード300は、1つ又は複数の金属若しくは金属酸化物の単一の層を含み、それらの少なくとも1つは小さな仕事関数を有する。この金属には、それだけに限られるものではないが、リチウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、サマリウム、セシウム、及びそれらの混合物が含まれる。デバイス製造には、封入層310及び320を更に使用することができる。層310は、極く薄い、理想的にはピンホールのない酸化シリコン又は窒化シリコンの膜を含んでもよい。層320は、ガラスの薄層を含んでもよい。一実施例では、カソードは、電子注入/電子搬送層に隣接した誘電材料の層を更に含み、この誘電材料には、それだけに限られるものではないが、フッ化リチウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、及び塩化セシウムが含まれる。上述した本発明の特定の実施例は、光電子表示装置の製造方法であるが、本発明は、他の電子的用途等のいくつかの異なる分野、更には、タンパク質等のいくつかの異なる生化学試薬を基板上にパターン形成する生医学的デバイスの製造においても応用できる。
本明細書では、動詞「含む(to comprise)」は、「からなる(to consist of)又は含む(include)」の意味を有する。
本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。 本発明の方法に従って光電子デバイスを製造する連続した段階の1つを示す概略断面図。

Claims (27)

  1. 基板上に機能材料をパターン形成する方法において、該方法が、
    (a)前記基板の少なくとも1つの主要面に機能材料の層を付着させる段階と、
    (b)前記機能材料の層に、前記機能材料が不溶である溶媒に可溶な保護材料の層を付着させる段階と、
    (c)前記基板の明確に画定された領域における、前記保護材料の層および前記機能材料の層の両領域を除去する段階と、
    (d)残っている露出した前記保護材料を、前記溶媒に溶解させることによって前記基板から除去する段階とを含む、機能材料をパターン形成する方法。
  2. 段階(c)において、前記機能材料の層および前記保護材料の層を、レーザ・アブレーションによって前記明確に画定された領域から除去する、請求項1に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  3. 段階(c)の後に、前記基板上の少なくとも前記明確に画定された領域に第2の機能材料を被着させ、
    前記第2の機能材料に、前記第2の機能材料が不溶である溶媒に可溶な保護材料の更なる層を付着させ、
    前記明確に画定された領域の縁部上にある前記材料の領域を除去し、且つ、
    段階(d)の後に、前記保護材料の層の残部、および前記明確に画定された領域以外の前記第2の機能材料を除去する、請求項1又は請求項2に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  4. 前記明確に画定された領域の前記縁部上にある前記材料の領域を、レーザ・アブレーションによって除去する、請求項3に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  5. 段階(d)の後に、前記保護材料の層の前記残部、および前記明確に画定された領域以外の前記第2の機能材料を、リフト・オフ法を用いて除去する、請求項3又は請求項4に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  6. 前記基板に更なる機能材料をパターン形成する更なる段階を含み、該更なる段階が、前記更なる機能材料に対して請求項3に記載された段階を繰り返すことを含む、請求項3、請求項4、又は請求項5に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  7. 段階(c)において、前記機能材料の層を、前記基板上の前記明確に画定された領域から完全には除去しない、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  8. 前記基板がガラスを含む、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  9. 前記基板がシリコンを含む、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  10. 前記基板がプラスチック材料を含む、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  11. 前記基板が電荷注入層を含む、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  12. 前記電荷注入層をパターン形成する、請求項11に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  13. 前記基板の前記少なくとも1つの主要面を構造化する、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  14. 前記基板の前記少なくとも1つの主要面が、無機材料、有機材料、又は金属材料とすることのできる、***した壁構造を含む、請求項13に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  15. 前記保護材料が有機材料を含む、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  16. 前記保護材料が水溶性ポリマーを含む、請求項15に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  17. 前記保護材料が、ポリビニルアルコール、ポリメチルエーテル、ポリメチルアクリルアミド、ドープされたポリチオフェン、ポリエチレングリコール、及びドープされたポリアニリンから選択される、請求項16に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  18. 前記保護材料が、アルコールに可溶なポリマーを含む、請求項15に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  19. 前記保護材料が、ジメチルホルムアミド若しくはアセトニトリル等の極性溶媒に可溶なポリマー、又はそれらに類似したポリマーを含む、請求項15に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  20. 前記保護材料が、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル又はポリエチレンオキシドから選択される、請求項19に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  21. 前記保護材料が無機材料を含む、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  22. 前記保護材料が、シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコンから選択される、請求項19に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  23. 前記機能材料を、スピン・コーティング、蒸着、スパッタリング、及び印刷から選択された方法によって被着させる、請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  24. 前記保護材料を、スピン・コーティング、溶射、蒸着、印刷、及びスパッタリングから選択された方法によって被着させる、請求項1から請求項23までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  25. 前記機能材料が、電気光学的に活性な有機材料を含む、請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  26. 前記機能材料が、生化学的又は生物学的試薬を含む、請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法。
  27. 請求項1から請求項26までのいずれか1項に記載された機能材料をパターン形成する方法によって作製された光電子デバイス。
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