(詳細な説明)
1実施態様では、本発明は、構造式1で表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはエステルを開示しており、ここで、種々の部分は、上で定義したとおりである。
別の実施態様では、R1は、NR9R10であり、そしてR9は、Hであり、R10は、HまたはR14であり、ここで、R14は、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アリール−アルキル、アルケニル、アルキニルまたはヘテロアリール−アルキルである。
別の実施態様では、R14は、以下からなる群から選択される:
別の実施態様では、R2は、以下の部分からなる群から選択される:
さらなる実施態様では、R3は、以下からなる群から選択される:
ここで、R
31は、OHまたはO−アルキルである;そして
R
32は、H、C(O)CH
3、C(O)OtBuまたはC(O)N(H)tBuである。
追加実施態様では、R3は、以下の部分からなる群から選択される:
さらに別の実施態様では、Gは、NHである。
さらなる実施態様では、Yは、以下の部分から選択される:
ここで、uは、0〜1の数である;
そしてR
19は、H、アルキル、フェニルまたはベンジルから選択される。
さらなる追加実施態様では、T1およびT2は、同一であっても異なっていてもよく、このT1およびT2の各々は、別個に、以下からなる群から選択される:
なおさらなる実施態様では、上記部分
さらなる実施態様では、上記部分
さらなる実施態様では、上記部分
さらなる追加実施態様では、R1は、NHR14であり、ここで、R14は、以下からなる群から選択される:
また、ここで、Y
30は、以下からなる群から選択される:
また、ここで、Y
30は、以下からなる群から選択される:
ならびに、Y
12は、H、CO
2H、CO
2Me、OMe、F、Cl、Br、NH
2、N(H)S(O
2)CH
3、N(H)C(O)CH
3、NO
2、NMe
2、S(O
2)NH
2、CF
3、Me、OH、OCF
3およびC(O)NH
2からなる群から選択され、
Y
33は、以下からなる群から選択される:
本発明のさらに別の実施態様は、表1および後に表2で示した化合物を開示する。また、表2では、本発明のいくつかの化合物の生物活性(Ki*値として)も示されている。
上でおよび本開示全体を通じて使用される以下の用語は、特に明記しない限り、以下の意味を有することが理解できるはずである。
「患者」としては、ヒトと他の哺乳動物との両方が挙げられる。
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
「アルキル」とは、脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約1個〜約20個の炭素原子を含有する。好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約12個の炭素原子を含有する。さらに好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約6個の炭素原子を含有する。分枝とは、直鎖状のアルキル鎖に、1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルキル」とは、その鎖内に、約1個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、この鎖は、直鎖または分枝であり得る。「置換アルキル」との用語は、このアルキル基が、1個以上の置換基(これらは、同一であっても異なっていてもよい)で置換され得、各置換基が、別個に、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)2、−N(アルキル)2、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群から選択されることを意味する。適当なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約2個〜約15個の炭素原子を有する。好ましいアルケニル基は、その鎖の中に、約2個〜約12個の炭素原子を有し、さらに好ましくは、その鎖の中に、約2個〜約6個の炭素原子を有する。分枝とは、直鎖アルケニルに1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合していることを意味する。「低級アルケニル」とは、その鎖の中に約2個〜約6個の炭素原子を有することを意味し、この鎖は、直鎖または分枝であり得る。「置換アルケニル」との用語は、アルケニル基が1個以上の置換基で置換され得ることを意味し、これらの置換基は、同一であっても異なっていてもよく、各置換基は、別個に、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群より選択される。適当なアルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約2個〜約15個の炭素原子を含有する。好ましいアルキニル基は、その鎖の中に、約2個〜約12個の炭素原子を有する;さらに好ましくは、その鎖の中に、約2個〜約4個の炭素原子を有する。分枝とは、直鎖状のアルキニル鎖に、1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルキニル」とは、その鎖内に、約2個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、この鎖は、直鎖または分枝であり得る。適当なアルキニル基の非限定的な例には、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチリルが挙げられる。「置換アルキニル」との用語は、このアルキニル基が、1個以上の置換基(これらは、同一であっても異なっていてもよい)で置換され得ることを意味し、各置換基は、別個に、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
「アリール」とは、芳香族の一環式または多環式の環系を意味し、これは、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6個〜約10個の炭素原子を含有する。このアリール基は、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換でき、これらの置換基は、同一であっても異なっていてもよく、そして本明細書中で定義したとおりである。適当なアリール基の非限定的な例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、芳香族の一環式または多環式の環系を意味し、これは、約5個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含有し、ここで、その環原子の1個以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはその組合せである。好ましいヘテロアリールは、約5個〜約6個の環原子を含有する。この「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一であっても異なっていてもよく、そして本明細書中で定義したとおりである。このヘテロアリール根本名称の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子が存在していることを意味している。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化できる。適当なヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含めて)、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシンドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。「ヘテロアリール」との用語はまた、部分的に飽和したヘテロアリール部分(例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなど)をいう。
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適当なアラルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフテニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
「アルキルアリール」とは、アルキル−アリール基を意味し、ここで、このアルキルおよびアリールは、先に記述したとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含有する。適当なアルキルアリール基の非限定的な例には、トリルがある。その親部分への結合は、アリールを介する。
「シクロアルキル」とは、非芳香族の一環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約5個〜約7個の環原子を含有する。このシクロアルキルは、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一であっても異なっていてもよく、上で定義したとおりである。適当な一環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適当な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどだけでなく、部分飽和種(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)が挙げられる。
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素および臭素が好ましい。
「環系置換基」とは、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換える。環系置換基は、同一であっても異なっていてもよく、各々は、別個に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH2、−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH(アルキル)、Y1Y2N−、Y1Y2N−アルキル−、Y1Y2NC(O)−、Y1Y2NSO2−および−SO2NY1Y2からなる群から選択され、ここで、Y1およびY2は、同一であっても異なっていてもよく、そして別個に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群から選択される。「環系置換基」はまた、環系上の2個の隣接炭素原子(各炭素上で1個のH)にある2個の利用可能な水素を同時に置き換える単一部分を意味し得る。このような部分の例には、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH3)2−などがあり、これらは、例えば、以下のような部分:
「ヘテロシクリル」とは、非芳香族の一環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含み、ここで、その環系内の原子の1個以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはその組合せである。この環系には、隣接した酸素原子および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクリル環は、約5個〜約6個の環原子を含有する。そのヘテロシクリル根本名称の前のアザ、オキサまたはチアとの接頭語とは、環原子として、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子またはイオウ原子それぞれが存在していることを意味する。ヘテロシクリル中の任意の−NHは、保護されて存在し得る(例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基など);このような保護はまた、本発明の一部であると見なされる。このヘテロシクリルは、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換でき、この置換基は、同一であっても異なっていてもよく、上で定義したとおりである。このヘテロシクリルの窒素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化できる。適当な一環式ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。
本発明のヘテロ原子含有環系において、N、OまたはSに隣接した炭素原子には、水酸基が存在しないだけでなく、別のヘテロ原子に隣接した炭素には、NまたはS基が存在しないことに注目すべきである。それゆえ、例えば、以下の環では、2番および5番の炭素に直接結合した−OHは、存在しない:
は、本発明の特定の実施態様において、等価物であると見なされることにも注目すべきである。
「アルキニルアルキル」とは、そのアルキニルおよびアルキルが先に記述したとおりであるアルキニル−アルキル基を意味する。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニル基および低級アルキル基を含有する。その親部分への結合は、アルキルを介している。適当なアルキニルアルキルの非限定的な例には、プロパルギルメチルが挙げられる。
「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、このヘテロアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適当なヘテロアラルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
「ヒドロキシアルキル」とは、HO−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含有する。適当なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
「アシル」とは、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、これらの種々の基は、先に記述したとおりである。その親部分への結合は、カルボニルを介している。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。適当なアシル基の非限定的な例には、ホルミル、アセチルおよびプロパノールが挙げられる。
「アロイル」とは、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。その親部分への結合は、カルボニルを介している。適当な基の非限定的な例には、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
「アリールオキシ」とは、アリール−O−基であり、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。適当なアリールオキシ基の非限定的な例には、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル−O−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアラルキルオキシ基の非限定的な例には、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアルキルチオ基の非限定的な例には、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
「アリールチオ」とは、アリール−S−基を意味し、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。適当なアルキルチオ基の非限定的な例には、フエニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
「アラルキルチオ」とは、アラルキル−S−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアラルキルチオ基の非限定的な例には、ベンジルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−CO−基を意味する。適当なアルコキシカルボニル基の非限定的な例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール−O−C(O)−基を意味する。適当なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適当なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例には、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O2)−基を意味する。好ましい基には、そのアルキル基が低級アルキルであるものがある。その親部分への結合は、スルホニルを介している。
「アリールスルホニル」とは、アリール−S(O2)−基を意味する。その親部分への結合は、スルホニルを介している。
「置換した」との用語とは、指定原子上の1個以上の水素が指示された群からの選択物で置き換えられているが、但し、既存状況下での指定原子の通常の原子価を超えず、その置換は、安定な化合物を生じることを意味する。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈であることを意味する。
「1個(1つ)以上」または「少なくとも1個(1つ)」との用語は、置換基、化合物、組み合わせ薬剤などの数を示すとき、少なくとも1個(1つ)、かつ状況に依存して存在するかまたは加えられる、化学的および物理的に許容できる置換基、化合物、組み合わせ薬剤などの最大数までをいう。このような技術および知見は、当業者の技能の範囲内で、周知である。
「必要に応じて置換した」との用語は、特定の基、ラジカルまたは部分での必要に応じた置換を意味する。
ある化合物についての「単離した」または「単離形態」との用語は、合成プロセスまたは天然源またはそれらの組合せから単離した後の上記化合物の物理的状態を意味する。ある化合物についての「精製した」または「精製形態」との用語は、本明細書中で記述したまたは当業者に周知の精製プロセス後に、本明細書中で記述したまたは当業者に周知の標準的な分析技術により性質決定可能である程度に十分な純度で得られた上記化合物の物理的状態を意味する。
本明細書中の教本、図式、実施例および表における満たされていない原子価を有するヘテロ原子は、それらの原子価を満たす水素原子を有すると想定されることもまた、留意すべきである。
ある化合物中の官能基が「保護」と呼ばれるとき、このことは、この化合物は、この化合物を反応にかけたときのその保護部位での望ましくない副反応を防止するための、改変形態であることを意味する。適当な保護基は、当業者に知られているだけでなく、標準的な教本(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New York.)により認識される。
任意の変数(例えば、アリール、複素環、R2など)が、任意の成分または式1において、1回より多く現れるとき、各出現例でのその定義は、いずれの他の出現例でのその定義とも独立である。
本明細書中で使用する「組成物」との用語は、特定量で特定の成分を含有する生成物だけでなく、特定量の特定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含すると解釈される。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で考慮される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝プロセスまたは化学プロセスにより化学変換を受けて、式1の化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible.Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で本明細書に対する参考として援用されている。
「溶媒和物」とは、1種またはそれ以上の溶媒分子と本発明の化合物との物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種またはそれ以上の溶媒分子を結晶性固体の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適当な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がH2Oである溶媒和物である。
「有効量」または「治療有効量」とは、CDKを阻害するのに有効な(そしてそれにより、所望の治療効果、改善効果、阻害効果または予防効果を生じる)本発明の化合物の量を説明することを意味する。
式1の化合物は、本発明の範囲内である塩を形成する。本明細書中での式1の化合物の言及は、他に指示がなければ、その塩の言及を含むことが理解される。「塩」との用語は、本明細書中で使用するとき、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩だけでなく、無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩を意味する。それに加えて、式1の化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール(これらに限定されないが))または酸性部分(例えば、カルボン酸(これに限定されないが))の両方を含有するとき、双性イオン(「内部塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用する場合、「塩」との用語に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に受容可能な)塩が好ましいものの、他の塩もまた、有用である。式1の化合物の塩は、例えば、この塩が沈殿する媒体または水性媒体中にて、式1の化合物を、一定量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させ、続いて凍結乾燥することにより、形成され得る。
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(これはまた、トシレートとしても知られている)などが挙げられる。さらに、塩基性薬学的化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適当と一般に考えられている酸は、例えば、P.Stahlら、Camille G.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1) 1〜19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.ウェブサイト上)で論述されている。これらの開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を有する塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、ならびにアミノ酸を有する塩(例えば、アルギニン、リシンなど))が挙げられる。塩基性窒素含有基は、以下のような因子で四級化され得る:低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化メチル、臭化メチルおよびヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチルおよびヨウ化エチル、ならびに塩化ブチル、臭化ブチルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリルおよび塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリルおよび臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリルおよびヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)など。
このような酸塩および塩基塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であると意図され、全ての酸塩および塩基塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形態と等価であると考えられる。
本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルには、以下の群が挙げられる:(1)そのヒドロキシ基のエステル化により得られるカルボン酸エステルであって、ここで、このエステル分類のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、以下から選択される:直鎖または分枝鎖アルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、フェニルであって、これは、必要に応じて、例えば、ハロゲン、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシまたはアミノで置換されている);(2)スルホン酸エステル(例えば、アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル));(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)モノ−、ジ−またはトリリン酸エステル。これらのリン酸エステルは、例えば、C1〜20アルコールまたはそれらの反応性誘導体により、または2,3−ジ(C6〜24)アシルグリセロールにより、さらにエステル化され得る。
式1の化合物、それらの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性形態(例えば、アミドまたはイミノエーテル)で存在し得る。このような互変異性形態の全ては、本明細書中では、本発明の一部であると企図される。
本発明の化合物(これらの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグだけでなく、これらのプロドラッグの塩および溶媒和物も含めて)の、幾何異性体、光学異性体などを含む全ての立体異性体(例えば、種々の置換基上の非対称炭素が原因で存在し得るもの)は、鏡像異性体(これは、非対称炭素なしで存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態を含めて、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)と同様に、本発明の範囲内であると企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含み得ないか、例えば、ラセミ体として混合され得るか、他の全ての立体異性体または他の選択した立体異性体とともにあり得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるSまたはR立体配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグにも、同様に適用すると意図される。
式Iの化合物、および式Iの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの多型形態は、本発明に含まれると意図される。
本明細書中で述べた治療用途に対する式1の化合物の有用性は、例えば、すぐ次の段落で説明するように、各化合物単独に適用できるか、または式1の1種またはそれ以上の化合物の組み合わせに適用できることが理解できるはずである。同じ理解はまた、このような化合物を含有する薬学的組成物およびこのような化合物が関与する処置方法に当てはまる。
本発明に従った化合物は、薬理学的特性を有し得る;特に、式1の化合物は、HCVプロテアーゼのインヒビターであり、各化合物単独、または式1の1種またはそれ以上の化合物は、式1内で選択された1種またはそれ以上の化合物と組み合わせることができる。これらの化合物は、例えば、HCV、HIV、(AIDS、後天性免疫不全症候群)のような疾患、および関連した障害を処置するのに有用であるだけでなく、C型肝炎ウイルス(HCV)の活性の調節、HCVの予防、C型肝炎の1つ以上の症状を改善するのに有用であり得る。
式1の化合物は、HCVプロテアーゼに関連した障害を処置する医薬の製造に使用され得、例えば、この方法は、式1の化合物と薬学的に受容可能な担体とを密接に接触させる工程を包含する。
別の実施態様では、本発明は、活性成分としての本発明の化合物を含有する薬学的組成物を提供する。これらの薬学的組成物は、一般に、さらに、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体希釈剤、賦形剤または担体(これらは、本明細書中では、集合的に、担体物質と呼ばれる)を含有する。それらのHCV阻害活性のために、このような薬学的組成物は、C型肝炎および関連した障害を処置する際に有用性がある。
さらに別の実施態様では、本発明は、活性成分として本発明の化合物を含有する薬学的組成物を調製する方法を開示している。本発明の薬学的組成物および方法では、それらの活性成分は、典型的には、目的の投与形態(すなわち、経口錠剤、カプセル(固体充填、半固体充填または液体充填のいずれか)、構成用の粉剤、経口ゲル、エリキシル剤、分散性顆粒、シロップ剤、坐剤など)に関して適当に選択され通常の薬務と矛盾しない適当な担体物質と混合して、投与される。例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与には、その活性薬剤成分は、任意の経口で非毒性の薬学的に受容可能な不活性担体(例えば、ラクトース、デンプン、ショ糖、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、滑石、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)など)と混ぜ合わされ得る。さらに、望ましいかもしくは必要なとき、この混合物には、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤もまた、取り込まれ得る。粉剤および錠剤は、約5〜約95%の本発明の組成物から構成され得る。
適当な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム(例えば、アカシア)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびワックスが挙げられる。これらの剤形で使用することが言及され得る滑沢剤のうちには、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、グアーガムなどが挙げられる。
適当な場合、甘味料および香味料および防腐剤もまた含有され得る。上記用語の一部(すなわち、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤など)は、以下でさらに詳細に述べる。
さらに、本発明の組成物は、治療効果(すなわち、HCV阻害活性など)を最適化するために、これらの成分または活性成分の任意の1種またはそれ以上を制御して放出する徐放形態で、処方され得る。徐放に適当な剤形には、層状錠剤(これは、崩壊速度を変えた層を含む)または徐放高分子マトリックス(これらは、活性成分で含浸され、そして錠剤形態に成形されている)またはカプセル(これらは、このような含浸またはカプセル化された多孔質マトリックスを含む)が挙げられる。
液体形態調製物には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一例としては、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得、また、経口の溶液、懸濁液および乳濁液用に、甘味料および乳白剤の添加が言及され得る。液体形態調製物には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
吸入に適当なエアロゾル製剤には、溶液および粉末形態固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能な担体(例えば、不活性圧縮気体(例えば、窒素))と組み合わせられ得る。
坐剤を調製するためには、低溶融性ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)が、まず、溶融され、その活性成分は、攪拌または類似の混合により、その中で均一に分散される。溶融した均一混合物は、次いで、好都合な大きさにした鋳型に鋳込まれ、冷却され、それにより、固化する。
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に転化するように意図された固体形態調製物も含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、この目的のために当該技術分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
本発明の化合物はまた、経口的、静脈内、鼻内または皮下的に投与され得る。
本発明の化合物はまた、単位剤形である調製物を含有し得る。このような剤形では、この調製物は、適切な量(例えば、所望の目的を達成する有効量)の活性成分を含有する適切なサイズの単位用量に細分される。
調製物の単位用量における本発明の活性組成物の量は、一般に、特定の用途に従って、約1.0ミリグラム〜約1、000ミリグラム、好ましくは、約1.0〜約950ミリグラム、さらに好ましくは、約1.0〜約500ミリグラム、典型的には、約1〜約250ミリグラムで、変動し得るか、または調節され得る。使用される実際の投薬量は、患者の年齢、性別、体重および処置される状態の重症度に依存して、変えられ得る。このような技術は、当業者に周知である。
一般に、これらの活性成分を含有するヒト経口剤形は、1日1回または2回投与され得る。この投与の量および頻度は、担当医の判断に従って、調節される。経口投与に一般に推奨される毎日投薬レジメンは、単一用量または分割用量で、約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラムの範囲であり得る。
いくつかの有用な用語が、以下に記述される:
カプセル−活性成分を含む組成物を保持または含有するためにメチルセルロース、ポリビニルアルコールまたは変性ゼラチンもしくはデンプンで作られた特別な容器または囲壁をいう。硬質殻カプセルは、典型的には、比較的な高いゲル強度の骨および豚皮ゼラチンのブレンドから作られる。カプセルそれ自体は、少量の染料、不透明化剤、可塑化剤および防腐剤を含有し得る。
錠剤−適当な希釈剤と共に活性成分を含有する加圧または成型固形剤形をいう。錠剤は、混合物の圧縮、または顆粒化(これは、湿潤顆粒化、乾燥顆粒化により得られる)または圧縮(compaction)により、調製できる。
経口ゲル−親水性半固形マトリックスに分散または可溶化された活性成分をいう。
構成用の粉剤は、活性成分および適当な希釈剤(これは、水またはジュースに懸濁され得る)を含有する粉末ブレンドをいう。
希釈液−通常、その組成物または剤形の主要部分を構成する物質をいう。適当な希釈剤には、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);デンプン(これらは、コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモに由来する);およびセルロース(例えば、微結晶性セルロース)が挙げられる。この組成物中の希釈剤の量は、その全組成の約10〜約90重量%、好ましくは、約25〜約75重量%、さらに好ましくは、約30〜約60重量%、さらにより好ましくは、約12〜約60重量%の範囲であり得る。
崩壊剤−この組成物に加えられて分解(崩壊)および医薬の放出を助ける物質を意味する。適当な崩壊剤には、デンプン;「冷水溶解性」修飾デンプン(カルボキシメチルデンプンナトリウム);天然および合成ゴム(例えば、イナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガカントおよびアガー);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);微結晶セルロースおよび架橋した微結晶セルロース(ナトリウムクロスカルメロース);アルギン酸塩(例えば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム);粘土(例えば、ベントナイト);および発泡性混合物が挙げられる。この組成物中の崩壊剤の量は、その組成物の約2〜約15重量%、さらに好ましくは、約4〜約10重量%の範囲であり得る。
結合剤−顆粒を形成することにより、粉末を結合または「接着」してそれらを粘着性にし、それにより、その処方中の「接着剤」として働く物質を意味する。結合剤は、この希釈剤または充填剤で既に利用できる粘着強度を加える。適当な結合剤には、糖(例えば、スクロース);デンプン(コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモに由来する);天然ゴム(例えば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント);海藻の誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸アンモニウムカルシウム);セルロース材料(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリビニルピロリドン;および無機物(例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム)が挙げられる。この組成物中の結合剤の量は、その組成物の約2〜約20重量%、さらに好ましくは、約3〜約10重量%、さらにより好ましくは、約3〜約6重量%の範囲であり得る。
滑沢剤−摩擦または摩耗を少なくすることにより錠剤、顆粒などを圧縮した後に鋳型またはダイから離型できるようにするために剤形に加えられる物質をいう。適当な滑沢剤には、金属ステアリン酸塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ワックス;および水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd,l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、通常、それらと錠剤プレス部品との間で、顆粒の表面に存在しなければならないので、圧縮前の最後の段階で、加えられる。この組成物中の滑沢剤の量は、その組成物の約0.2重量%〜約5重量%、好ましくは、約0.5重量%〜約2重量%、さらに好ましくは、約0.3重量%〜約1.5重量%の範囲であり得る。
グライダント(Glident)−ケーキングを防止して顆粒の流れ特性を向上させ、その結果、流れを滑らかで均一にする物質。適当なグライダントには、二酸化ケイ素およびタルクが挙げられる。この組成物中のグライダントの量は、その全組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは、約0.5重量%〜約2重量%の範囲であり得る。
着色剤−この組成物または剤形に色を与える賦形剤。このような賦形剤には、食品等級染料、および適当な吸着剤(例えば、粘土または酸化アルミニウム)に吸着された食品等級染料を挙げることができる。この着色剤の量は、この組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは、約0.1〜約1%で変動し得る。
バイオアベイラビリティー−標準または対照と比較した、活性薬物成分または治療部分が投与した剤形から全身循環に吸収される速度および程度をいう。
錠剤を調製する従来の方法は、公知である。このような方法には、乾燥方法(例えば、直接圧縮および圧縮(compaction)により生じる顆粒の圧縮)または湿潤方法または他の特別な手順が挙げられる。他の投与形態(例えば、カプセル剤、坐剤など)を製造する従来の方法もまた、周知である。
本発明の別の実施態様は、例えば、C型肝炎などのような疾患を処置するために上で開示された本発明の化合物または薬学的組成物を使用することを開示する。この方法は、このような疾患を罹ってこのような処置を必要としている患者に、本発明の化合物または薬学的組成物の治療有効量を投与する工程を包含する。
さらに別の実施態様では、本発明の化合物は、ヒトにおいて、単独療法様式または併用療法(例えば、二重併用、三重併用など)様式(例えば、抗ウイルス剤および/または免疫調節剤と組み合わせて)で、HCVを処置するのに使用され得る。このような抗ウイルス剤および/または免疫調節剤の例には、リバビリン(Schering−Plough Corporation,Madison,New Jersey製)およびレボビリンTM(ICN Pharmaceuticals,Costa Mesa,California製)、VP 50406TM(Viropharma,Incorporated,Exton,Pennsylvania製)、ISIS 14803TM(ISIS Pharmaceuticals,Carlsbad,California製)、HeptazymeTM(Ribozyme Pharmaceuticals,Boulder,Colorado製)、VX 497TM(Vertex Pharmaceuticals,Cambridge,Massachusetts製),ThymosinTM(SciClone Pharmaceutical,San Mateo,California製)、MaxamineTM(Maxim Pharmaceuticals,San Diego,California製)、ミコフェノール酸モフェチル(Hoffman−LaRoche,Nutley,New Jersey製)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、PEG−インターフェロンα結合体)などが挙げられる。「PEG−インターフェロンα結合体」は、PEG分子に共有結合したインターフェロンα結合体分子である。例証的なPEG−インターフェロンα結合体には、(例えば、PegasysTMの商品名で販売されているような)ペグ化インターフェロンα−2aの形態のインターフェロンα−2a(RoferonTM、Hoffman La−Roche,Nutley,New Jersey製)、(例えば、PEG−IntronTMの商品名で販売されているような)ペグ化インターフェロンα−2bの形態のインターフェロンα−2b(IntronTM、Schering−Plough Corporation製)、インターフェロンα−2c(Berofor AlphaTM、Boehringer Ingelheim,Ingelheim,Germany製)またはコンセンサスインターフェロン(これは、天然に生じるインターフェロンα類のコンセンサス配列の決定により、規定される)(InfergenTM、Amgen,Thousand Oaks,California製)が挙げられる。
先に述べたように、本発明は、本発明の化合物の互変異性体、回転異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体および他の立体異性体も包含する。それゆえ、当業者が理解するように、本発明の化合物のいくつかは、適当な異性体形態で存在し得る。このようなバリエーションは、本発明の範囲内であることが企図される。
本発明の別の実施態様は、本明細書中で開示された化合物を製造する方法を開示している。これらの化合物は、当該技術分野で公知のいくつかの技術により、調製され得る。例証的な手順は、以下の反応スキームで概説される。この例証は、添付の請求の範囲で規定された本発明の範囲を限定するとは解釈されるべきではない。代替的な機械的経路および類似の構造は、当業者に明らかである。
以下の例証的なスキームは、少数の代表的な本発明の化合物の調製を記述しているものの、天然アミノ酸および非天然アミノ酸の両方のいずれかの適切な置換が、このような置換に基づく所望の化合物の形成をもたらすことが、理解されるべきである。このようなバリエーションは、本発明の範囲内であることが企図される。
(略語)
以下のスキーム、調製および実施例の記述で使用される略語は、以下である:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1’−(アゾジカルボニル(Azodicarbobyl))ジピペラジン
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
PyBrOP:ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DCM:ジクロロメタン
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ
Phg:フェニルグリシン
Chg:シクロヘキシルグリシン
Bn:ベンジル
Bzl:ベンジル
Et:エチル
Ph:フェニル
iBoc:イソブトキシカルボニル
iPr:イソプロピル
tBuまたはBut:第三級ブチル
Boc:第三級ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cp:シクロペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DMAP:4−N,N−ジメチルアミノピリジン
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ヘキサフルオロホスフェート
PCC:クロロクロム酸ピリジニウム
KHMDS:カリウムヘキサメチルジシラジドまたはカリウムビス(トリメチルシリルアミド)
NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)
LiHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジドまたはリチウムビス(トリメチルシリルアミド)
10% Pd/C:炭素上10%パラジウム(重量基準)。
TG:チオグリセロール
(標的化合物の調製のための一般的なスキーム)
本発明の化合物を、以下に記載される一般的なスキーム(方法A〜E)を用いて合成した。
(方法A)
酸性条件下での1.01のN−Boc官能基の脱保護により、塩酸塩1.02を得、これを続いてペプチドカップリング法の下でN−Boc−tert−ロイシンとカップリングして1.03を得た。N−Boc脱保護、その後の適切なイソシアネートでの処理によって、尿素1.05を得た。そのメチルエステルの加水分解によって、酸1.06を得た。酸1.06と適切なP1−P’一級アミド部分とのペプチドカップリングによって、ヒドロキシルアミド1.07を得た。酸化(Moffatt酸化または関連したプロセス−T.T.Tidwell,Synthesis,1990,857を参照)、またはDess−Martin Periodinane−J.Org.Chem.,(1983)48,4155)により、標的化合物1.08を生じた。
(方法B)
酸1.06と適切なP
1−P’二級アミド部分とのペプチドカップリングによって、ヒドロキシルアミド1.09を得た。酸化(MoffattまたはDess−Martin’s)により、標的化合物1.10を生じた。
(方法C)
別のバリエーションでは、N−Boc−P2−P
3−酸1.17と適切なP
1−P’アミド部分とのペプチドカップリングによって、ヒドロキシルアミド1.11を得た。酸化(MoffattまたはDess−Martin Periodinane)により、ケトアミド1.12を生じた。N−Boc官能性の脱保護によって、塩酸塩1.13を得た。適切なイソシアネート(またはイソシアネート等価物)での処理により、標的化合物1.14を生じた。
(方法D)
さらに別のバリエーションでは、塩酸塩1.13を4−ニトロフェニルクロロホルメートとの反応によって、4−ニトロフェニルカルバメート1.15に変換した。その後の最適なアミン(またはアミンの塩酸塩)での処理によって、標的化合物1.14を得た。
(方法E)
さらに別のバリエーションでは、ジペプチド塩酸塩1.03を上記のように4−ニトロフェニルカルバメートに変換した。最適なアミン(またはアミンの塩酸塩)での処理によって、尿素誘導体1.05を得た。方法A/Bに記載されるような加水分解およびさらなる仕上げにより、標的化合物1.14を得た。
(P1−P’部分の調製)
(中間体10.11および10.12の調製)
(工程1)
N
2下、無水THF(400mL)中にて、ケチミン10.01(50g、187.1mmol)の撹拌溶液を、−78℃まで冷却し、そしてK−
tBuO(220mL、1.15当量)の1M THF溶液で処理した。その反応混合物を0℃まで温め、1時間撹拌し、そしてブロモメチルシクロブタン(28mL、249mmol)で処理した。この反応混合物を、室温で、48時間撹拌し、そして真空中で濃縮した。その残渣をEt
2O(300mL)に溶解し、そしてHCl水溶液(2M、300mL)で処理した。得られた溶液を、室温で、5時間撹拌し、そしてEt
2O(1L)で抽出した。水層をNaOH(50%水溶液)でpH約12〜14に塩基性にし、そしてCH
2Cl
2(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO
4)、濾過し、そして濃縮して、無色油状物として、純粋なアミン(10.02、18g)を得た。
(工程2)
アミン10.02(18g、105.2mmol)のCH
2Cl
2(350mL)溶液を、0℃で、二炭酸ジ−第三級ブチル(23g、105.4mmol)で処理し、そして室温で、12時間撹拌した。反応が完結した後(TLC)、その反応混合物を真空中で濃縮し、その残渣をTHF/H
2O(200ml、1:1)に溶解し、LiOH・H
2O(6.5g、158.5mmol)で処理し、そして室温で、3時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そして塩基性水層をEt
2Oで抽出した。この水層を濃HClでpH約1〜2まで酸性化し、そしてCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO
4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色の粘稠な油状物として、10.03を得、これを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
(工程3)
酸10.03(15.0g、62mmol)のCH
2Cl
2(250mL)溶液を、BOP試薬(41.1g、93mmol)、N−メチルモルホリン(27mL)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(9.07g、93mmol)で処理し、そして室温で、一晩撹拌した。その反応混合物を1N HCl水溶液(250mL)で希釈し、層分離し、そして水層をCH
2Cl
2(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン 2:3)で精製して、無色固形物として、アミド10.04(15.0g)を得た。
(工程4)
アミド10.04(15g、52.1mmol)の無水THF(200mL)溶液を、0℃で、LiAlH
4の溶液(1M、93mL、93mmol)で滴下処理した。その反応混合物を、室温で、1時間撹拌し、0℃で、KHSO
4の溶液(10%水溶液)で慎重にクエンチし、そして0.5時間撹拌した。この反応混合物をHCl水溶液(1M、150mL)で希釈し、そしてCH
2Cl
2(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、HCl水溶液(1M)、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(MgSO
4)。この混合物を濾過し、そして真空中で濃縮して、粘稠な無色油状物(14g)として、10.05を得た。
(工程5)
アルデヒド10.05(14g、61.6mmol)のCH
2Cl
2(50mL)溶液をEt
3N(10.73mL、74.4mmol)およびアセトンシアノヒドリン(10.86g、127.57mmol)で処理し、そして室温で、24時間撹拌した。その反応混合物を真空中で濃縮し、HCl水溶液(1M、200mL)で希釈し、そしてCH
2Cl
2(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、H
2O、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン 1:4)で精製して、無色液体として、10.06(10.3g)を得た。
(工程6)
HCl
*で飽和させたメタノール(HClガスを0℃でCH
3OH(700ml)を通して泡立たせることによって調製した)を、シアノヒドリン10.06で処理し、そして24時間にわたって、還流状態まで加熱した。その反応物を真空中で濃縮して、10.07を得、これを、精製することなく、次の工程で使用した。
*代替的に、無水メタノールにAcClを添加することによって調製した6M HClもまた、使用され得る。
(工程7)
アミン塩酸塩10.07のCH
2Cl
2(200mL)溶液を、−78℃で、Et
3N(45.0mL、315mmol)およびBoc
2O(45.7g、209mmol)で処理した。次いで、その反応混合物を、室温で、一晩撹拌し、HCl(2M、200mL)で希釈し、そしてCH
2Cl
2に抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:4)で精製して、ヒドロキシエステル10.08を得た。
(工程8)
メチルエステル10.08(3g、10.5mmol)のTHF/H
2O(1:1)溶液をLiOH・H
2O(645mg、15.75mmol)で処理し、そして室温で、2時間撹拌した。その反応混合物をHCl水溶液(1M、15mL)で酸性化し、そして真空中で濃縮した。その残渣を真空乾燥して、定量できる収量で、10.09を得た。
(工程9)
酸10.09(上で得た)のCH
2Cl
2(50mL)およびDMF(25mL)溶液を、NH
4Cl(2.94g、55.5mmol)、EDCl(3.15g、16.5mmol)、HOOBt(2.69g、16.5mmol)およびNMM(4.4g、44mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、3日間撹拌した。真空下にて溶媒を除去し、その残渣をHCl水溶液(250mL)で希釈し、そしてCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をNaHCO
3飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮して、10.10を得、これを、以下の工程で、そのまま使用した。(あるいは、10.10は、0℃で、CH
3OH(50mL)中で、0.5時間にわたって、10.06(4.5g、17.7mmol)とH
2O
2水溶液(10mL)、LiOH・H
2O(820mg、20.8mmol)とを反応させることにより、直接得ることもできる)。
(工程10)
先の工程で得た10.10の溶液を4N HCl(ジオキサン中)に溶解し、そして室温で、2時間撹拌した。その反応混合物を真空中で濃縮して、固形物として、中間体10.11を得、これを、さらに精製することなく、使用した。
(工程11)
適切な試薬を用いて、上記工程9、10の手順を実質的に使用して、化合物10.09から所望の中間体10.12を得た。
(中間体11.01の調製)
(工程1)
4−ペンチン−1−オール11.02の溶液(4.15g;Aldrich)にDess−Martinペルヨージナン(30.25g;Aldrich)を加え、そして得られた混合物を45分間撹拌した後、(第三級ブトキシカルボニルメチレン)トリフェニルホスホラン(26.75g;Aldrich)を加えた。得られた暗色反応物を一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、亜硫酸ナトリウム水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、水、ブラインで洗浄し、そして乾燥した。減圧下にて揮発性物質を除去し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、溶離液として、ヘキサン中の1% EtOAcを使用する)で精製して、所望化合物11.03(3.92g)を得た。一部の不純な画分もまた得られたが、この時点では、無視した。
(工程2)
n−プロパノール(20mL;Aldrich)中のアルケン11.03(1.9g)、n−プロパノール(40mL)中のカルバミン酸ベンジル(4.95g;Aldrich)、水(79ml)中のNaOH(1.29g)、次亜塩素酸第三級ブチル(3.7ml)、n−プロパノール(37.5ml)中の(DHQ)2PHAL(0.423g;Aldrich))、オスミウム酸カリウム:脱水(potassium osmate:dehydrate)(0.1544g;Aldrich)、ならびにAngew.Chem.Int.Ed.Engl(1998)、35、(23/24)、pp.2813−7に示された手順を用いて、粗生成物を得、これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、EtOAc:ヘキサン(1:5)を使用する)で精製して、白色固形物として、所望のアミノアルコール11.04(1.37g、37%)を得た。
(工程3)
エステル11.04(0.700g)にジオキサン中の4M HCl(20ml;Aldrich)を加え、そして得られた混合物を、室温で、一晩放置した。減圧下にて揮発性物質を除去して、白色固形物として、酸11.05(0.621g)を得た。
(工程4)
カルボン酸11.05(2.00g)およびアリルアミン(0.616ml)のジクロロメタン(20ml)溶液に、室温で、BOP試薬(3.65g;Sigma)を加え、続いて、トリエチルアミン(3.45m1)を加え、そして得られた混合物を一晩撹拌した。この反応混合物をEtOAcと10% HCl水溶液との間で分配した。有機相を分離し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、水で洗浄し、乾燥した(硫酸マグネシウム)。その粗反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、溶離液として、(EtOAc:ヘキサン;70:30)を使用する)で精製して、粘稠な黄色油状物として、所望のアミド11.01(1.73g)を得た。
(中間体12.03および12.04の調製)
(工程1)
化合物12.01を、本質的に中間体10.11の工程3〜8に記載した手順を用いて、所望の物質12.02に変換した。
(工程2)
化合物12.02を、本質的に中間体10.11の工程9、10に記載した手順を用いて、所望の中間体12.03に変換した。
(工程3)
化合物12.02を、本質的に中間体10.12の工程11に記載した手順を用いて、所望の中間体12.04に変換した。
(中間体13.01の調製)
(工程1)
0℃〜5℃で、1−ニトロブタン、13.02(16.5g、0.16mol)およびH
2O中のグリオキシル酸(28.1g、0.305mol)およびMeOH(122mL)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(93mL、0.667mol)を2時間にわたり滴下した。この溶液を室温に温め、一晩攪拌し、濃縮し乾燥させて油状物を得た。次いで、この油状物を、H
2Oに溶解させ、10% HClでpH=1に酸性化し、その後EtOAcで抽出した。合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し乾燥させて生成物13.03(28.1g、99%収率)を得た。
(工程2)
酢酸(1.25L)中の化合物13.03(240g、1.35mol)の攪拌溶液に、10% Pd/C(37g)を添加した。得られた溶液を59psiで3時間水素化し、次いで、60psiで一晩水素化した。次いで、酢酸をエバポレートし、トルエンとともに3回共沸し、次いで、MeOHおよびエーテルで粉砕した。次いで、この溶液を濾過し、トルエンとともに2回共沸して、灰白色固形物(131g、0.891mol、66%)として、13.04を得た。
(工程3)
0℃で、ジオキサン(10mL)およびH
2O(5mL)中のアミノ酸13.04(2.0g、13.6mmol)の攪拌溶液に、1N NaOH溶液(4.3mL、14.0mmol)を添加した。得られた溶液を10分間攪拌し、その後、ジ−t−ブチルジカーボネート(0.110g、14.0mmol)を添加し、0℃で15分間攪拌した。次いで、この溶液を室温に温め、45分間攪拌し、冷蔵庫で一晩保ち、濃縮し乾燥させて粗製物を得た。EtOAc(100mL)および氷中のこの粗製物の溶液に、KHSO
4(3.36g)およびH
2O(32mL)を添加し、4〜6分間攪拌した。次いで、有機層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し乾燥させて透明なゴム状物(gum)(3.0g、89%収率)として、生成物13.05を得た。
(工程4)
化合物13.05を、本質的に中間体10.12の工程11に記載した手順を用いて、所望の中間体13.01に変換した。
(中間体14.01の調製)
(工程1)
化合物14.02を、本質的に中間体13.01の工程1〜3に記載した手順を用いて、所望の物質14.03に変換した。
(工程2)
化合物14.03を、本質的に中間体10.12の工程11に記載した手順を用いて、所望の中間体14.01に変換した。
(中間体15.01の調製)
(工程1)
0℃で、ジエチルエーテル(25mL)中の亜硝酸銀(9g、58.5mmol)の懸濁液に、ジエチルエーテル(25mL)中の4−ヨード−1,1,1−トリフルオロブタン15.02(10g、42.0mmol)の溶液を滴下漏斗(addition funnel)を通じてゆっくりと添加した(約15分間)。得られた混合物を0℃で激しく攪拌し、室温に温めた。50時間後、固形物質をセライトパッドを通して濾過して除いた。得られたジエチルエーテル溶液を真空中で濃縮して、無色の油状物として、15.03を得、これをさらに精製せずに使用した。
(工程2)
化合物15.03を、本質的に中間体13.01の工程1〜3に記載した手順を用いて、所望の物質15.04に変換した。
(工程3)
化合物15.04を、本質的に中間体10.12の工程11に記載した手順を用いて、所望の中間体15.01に変換した。
(中間体16.01の調製)
酸16.02(Winkler,D.;Burger,K,Synthesis,1996,1419)を、上記(中間体10.12の調製)のように処理して、所望の中間体16.01を得る。
(P2/P3−P2部分の調製)
(中間体20.01の調製)
アミノエステル20.01を、Boc基をメタノールHClとBoc保護アミノ酸との反応によって切断することを除いて、R.ZhangおよびJ.S.Madalengoitia(J.Org.Chem.1999,64,330)の方法に従って調製した。
(注:報告された合成のバリエーションにおいて、スルホニウムイリドを、対応するホスホニウムイリドに置き換えた)。
(中間体20.04の調製)
(工程1)
市販のアミノ酸Boc−Chg−OH、20.02(Senn chemicals、6.64g、24.1mmol)およびアミン塩酸塩20.01(4.5g、22mmol)のCH
2Cl
2(100mL)溶液を、0℃で、BOP試薬で処理し、そして室温で、15時間撹拌した。その反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、1M HCl水溶液で希釈し、そしてEtOAc(3×200mL)に抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/Hex 3:7)にかけて、無色固形物として、20.03(6.0g)を得た。
(工程2)
メチルエステル20.03(4.0g、9.79mmol)のTHF/H
2O(1:1)溶液をLiOH・H
2O(401mg、9.79mmol)で処理し、そして室温で、3時間撹拌した。その反応混合物をHCl水溶液で酸性化し、そして真空中で濃縮して、必要な中間体である遊離酸20.04を得た。
(中間体20.07の調製)
(工程1)
Boc−tert−Leu 20.05(Fluka、5.0g、21.6mmol)の無水CH
2Cl
2/DMF(50mL、1:1)溶液を0℃まで冷却し、そしてアミン塩20.01(5.3g、25.7mmol)、NMM(6.5g、64.8mmol)およびBOP試薬(11.6g、25.7mmol)で処理した。その反応物を、室温で、24時間撹拌し、HCl水溶液(1M)で希釈し、そしてCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をHCl(水溶液、1M)、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO
2、アセトン/ヘキサン 1:5)により精製して、無色固形物として、20.06を得た。
(工程2)
メチルエステル20.06の溶液(4.0g、10.46mmol)をジオキサン中の4M HClに溶解し、そして室温で、3時間撹拌した。その反応混合物を真空中で濃縮して、アミン塩酸塩20.07を得、これを、精製することなく使用した。
(中間体21.01の調製)
(工程1)
室温で、アセトニトリル(100mL)中のN−Boc−3,4−デヒドロプロリン21.02(5.0g、23.5mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(7.5g、34.4mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.40g、3.33mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(5.0mL、35.6mmol)を添加した。得られた溶液をこの温度で18時間攪拌した後、真空中で濃縮した。暗褐色の残渣を、10%〜25% EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、淡黄色の油状物(5.29g、84%)として、生成物21.03を得た。
(工程2)
室温で、クロロホルム(120mL)中のデヒドロプロリン誘導体21.03(10.1g、37.4mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(1.60g、7.02mmol)の攪拌溶液に、50%水酸化ナトリウム水溶液(120g)を添加した。この温度で24時間激しく攪拌した後、この暗色混合物をCH
2Cl
2(200mL)およびジエチルエーテル(600mL)で希釈した。層を分離した後、この水溶液をCH
2Cl
2/Et
2O(1:2、3×600mL)で抽出した。この有機溶液を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を5%〜20% EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、灰白色固形物として、9.34g(71%)の21.04を得た。
(工程3)
CH
2Cl
2(25mL)およびCF
3CO
2H(50mL)中の21.04(9.34g、26.5mmol)の溶液を、室温で4.5時間攪拌した後、これを真空中で濃縮して、褐色の残渣21.05を得、これをさらに精製せずに工程4で使用した。
(工程4)
濃塩酸(4.5mL)を、メタノール(70mL)中の工程3由来の残渣21.05の溶液に添加し、得られた混合物を油浴中で65℃に温めた。18時間後、この混合物を真空中で濃縮して、褐色の油状物21.01を得、これをさらに精製せずに使用した。
(中間体22.01の調製)
(工程1)
ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム(トルエン中の0.5M溶液のうちの158ml;79mmol)を、無水テトラヒドロフラン(130ml)中のシクロプロピルトリフェニルホスホニウムブロミド(33.12g、86.4mmol)の攪拌懸濁液に添加し、得られた橙色混合物を窒素雰囲気下で、室温で1時間の間攪拌した後、THF(8ml)中のアルデヒド22.02(9.68g、42.2mmol)を添加した。次いで、この反応物を窒素雰囲気下で、2時間の間還流した。冷却後、メタノール、ジエチルエーテルおよびRochelles塩を添加した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の反応生成物を、EtOAc−ヘキサン(1:99)〜EtOAc−ヘキサン(5:95)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色の油状物として、アルケン22.03(8.47g)を得た。
(工程2)
室温で14.2mlの塩化アセチルを冷メタノールに滴下し、得られた溶液を200mlに希釈することによって、MeOH/MeOAc中の1M HClの溶液を調製した。
カルバメート22.03(9.49g;37.5mmol)をメタノール(12ml)に溶解させ、氷浴中で冷却しながらMeOH/MeOAc(150ml)中の1M HClに添加した。得られた混合物をこの温度で1時間維持し、次いで、氷浴を取り外し、室温で一晩攪拌し続けた。揮発性物質を減圧下で除去して黄色の油状物を得、これを精製せずに次の工程で使用した。
この黄色の油状物をTHF(30ml)およびMeOH(20ml)の混合物に溶解させ、この溶液がpH=9〜10になるまでトリエチルアミン(15ml;108mmol)で処理した。氷浴中に置いた後、この混合物をN−Boc−Gly−OSu(11.22g;41mmol)で処理した。氷浴を取り外し、反応物を室温で1時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン中のメタノール(1%〜3%)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望のアミド22.04(9.09g)を得た。
(工程3)
アルコール22.04(9.09g、33.6mmol)を、アセトン(118.5ml)に溶解させ、2,2−ジメトキシプロパン(37.4ml、304mmol)およびBF
3:Et
2O(0.32ml、2.6mmol)で処理し、得られた混合物を室温で5.5時間の間攪拌した。この反応溶液を数滴のトリエチルアミンで処理し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を、ヘキサン中の5%〜25% EtOAcを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,O−アセタール22.05(8.85g)を得た。
(工程4)
カルバメート22.05(8.81g、28.4mmol)をアセトニトリル(45ml)に溶解させ、この溶液を窒素雰囲気下で−40℃に冷却した。ピリジン(6.9ml、85.3mmol)、その後ニトロシウムテトラフルオロボレート(nitrosium tetrafluoroborate)(6.63g、56.8mmol)を添加し、得られた反応混合物を、TLCが出発物質が残っていないことを示すまで(約2.25時間)0℃以下に維持した。ピロリジン(20ml、240mmol)を添加し、冷却浴を取り外し、攪拌を室温で1時間続け、次いで、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を素早くシリカゲルのパッドを通過させて、黄色の油状物を得た。
この黄色の油状物を無水ベンゼン(220ml)に溶解させ、酢酸パラジウム(0.317g、1.41mmol)を添加した後、得られた混合物を窒素雰囲気下で1.5時間の間加熱して還流した。冷却後、揮発性物質を減圧下で除去し、暗色の残渣を、EtOAc−ヘキサン(1:4)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、I)トランス−ピロリジノン22.06(1.94g)、その後ii)シス−ピロリジノン22.07(1.97g)を得た。
(工程5)
新たに調製したMeOAc/MeOH中の1M HCl(10ml、上記のとおり)を、N,O−アセタール22.06に添加し、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、溶離液としてジクロロメタン中の0%〜4% MeOHを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアルコール22.08(1.42g、黄色の油状物)を得た。
(工程6)
無水テトラヒドロフラン(55ml)中のラクタム22.08(1.29g、8.44mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(2.40g、63.2mmol)を添加し、得られた混合物を8時間還流した。冷却後、水、その後15% NaOH水溶液を添加し、得られた混合物をセライトを通して濾過し、固体をTHFおよびMeOHで完全に洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン中に再溶解させ、乾燥し、減圧下で濃縮して、ピロリジンを得、これを精製せずに使用した。
Hunigs塩基(4.5ml、25.8mmol)を、無水ジクロロメタン(50ml)中のN−Boc−L−tert−Leu−OH(1.76g、7.6mmol)、粗製のピロリジンおよびHATU(2.89g、7.6mmol)の混合物に、窒素雰囲気下、−60℃で添加した。得られた反応物を一晩ゆっくりと室温にした。EtOAcを添加し、この黄色の溶液を希HCl水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc:ヘキサン(1:3)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアミド22.09(2.00g)を得た。
(工程7)
アルコール22.09(2.00g、5.67mmol)をアセトン(116ml)に溶解させ、氷浴中で10分間冷却した。次いで、この溶液を、冷却したJones試薬(14.2ml、約2mmol/ml)に添加し、得られた混合物を5℃で0.5時間攪拌し、冷却浴を取り外した。この反応物を室温でさらに2時間攪拌した後、硫酸ナトリウム(28.54g)、EtOAc(100ml)中のセライト(15g)を添加した。1分後、イソプロパノール(15ml)を添加し、次いで、さらに10分間攪拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、褐色の油状物を得、これをEtOAcに溶解させた。この溶液を水、3%クエン酸水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、白色固形物として、所望のカルボン酸22.01(1.64g)を得た。
(中間体23.01の調製)
(工程1)
無水塩化メチレン(35mL)中のエステル23.02(6.0g)およびモレキュラーシーブ(5.2g)の混合物に、ピロリジン(5.7mL、66.36mmol)を添加した。得られた褐色のスラリーをN
2下で室温にて24時間攪拌し、濾過し、無水CH
3CNで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して、所望の生成物23.03を得た。
(工程2)
CH
3CN(35mL)中の上記工程からの生成物23.03の溶液に、無水K
2CO
3、塩化メタリル(2.77g、30.5mmol)、NaI(1.07g、6.7mmol)を添加した。得られたスラリーをN
2下で周囲温度にて24時間攪拌した。50mLの氷冷水を添加し、その後、2N KHSO
4溶液をpHが1になるまで添加した。EtOAc(100mL)を添加し、この混合物を0.75時間攪拌した。合わせた有機層を回収し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、エバポレートして所望の生成物23.04を得た。
(工程3)
上記工程からの生成物23.04(2.7g、8.16mmol)をジオキサン(20mL)に溶解させ、新たに調製した1N LiOH(9mL)で処理した。この反応混合物をN
2下で周囲温度にて20時間攪拌した。この反応混合物をEtOAc中に入れ、H
2Oで洗浄した。合わせた水相を0℃に冷却し、1N HClを用いてpH1.65に酸性化した。この混濁した混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して所望の酸23.05(3.40g)を得た。
(工程4)
CH
2Cl
2(55mL)中のNaBH(OAc)
3(3.93g、18.5mmol)の懸濁液に、無水CH
2Cl
2(20mL)および酢酸(2mL)中の上記工程からの生成物23.05の溶液を添加した。このスラリーを周囲温度で20時間攪拌した。氷冷水(100mL)をこのスラリーに添加し、0.5時間攪拌した。有機層を分離し、濾過し、乾燥させ、エバポレートして所望の生成物23.06を得た。
(工程5)
MeOH(40mL)中の上記工程からの生成物23.06(1.9g)の溶液を、過剰のCH
2N
2/Et
2O溶液で処理し、一晩攪拌した。この反応混合物を、濃縮して乾燥させて粗製の残渣を得た。この残渣をシリカゲル上でEtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するクロマトグラフフィーにかけ、1.07gの純粋な所望の生成物23.07を得た。
(工程6)
無水CH
2Cl
2(40mL)中の上記工程からの生成物23.07(1.36g)の溶液を、BF
3.Me
2O(0.7mL)で処理した。この反応混合物を周囲温度で20時間攪拌し、飽和NaHCO
3(30mL)でクエンチし、0.5時間攪拌した。有機層を分離し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して粗製残渣を得た。この残渣をシリカゲル上でEtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するクロマトグラフィーにかけ、0.88gの所望の化合物23.08を得た。
(工程7)
MeOH(30mL)中の上記工程からの生成物23.08(0.92g)の溶液に、10% Pd/C(0.16g)を室温で添加し、1気圧の圧力下で周囲温度にて水素化した。この反応混合物を4時間攪拌し、濃縮して乾燥させて所望の化合物23.01を得た。
(P3部分の調製)
(中間体50.01の調製)
(工程1)
MeOH(150mL)中の50.02(15g)の溶液に、濃HCl(3〜4mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。この反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣をジエチルエーテル(250mL)に入れ、冷飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して、メチルエステル50.03(12.98g)を得、これをさらに精製せずに進めた。
(工程2)
上記からのメチルエステル50.03を、塩化メチレン(100mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で−78℃に冷却した。DIBAL(塩化メチレン中の1.0M溶液、200mL)を2時間の期間にわたって滴下した。この反応混合物を16時間にわたって室温に温めた。この反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(5〜8mL)を滴下した。10%酒石酸カリウムナトリウム水溶液(200mL)を攪拌しながらゆっくりと添加した。塩化メチレン(100mL)で希釈し、有機層(いくらかの白色沈殿物とともに)を分離した。この有機層を1N HCl(250mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して透明な油状物として、アルコール50.04(11.00g)を得た。
(工程3)
上記からのアルコール50.04を塩化メチレン(400mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。PCC(22.2g)を分けて添加し、この反応混合物を16時間にわたってゆっくりと室温に温めた。この反応混合物をジエチルエーテル(500mL)で希釈し、セライトパッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をジエチルエーテル(500mL)に入れた。これをシリカゲルのパッドに通し、濾液を濃縮してアルデヒド50.05を得、これをさらに精製せずに進めた。
(工程4)
本質的にChakrabortyら(Tetrahedron,1995,51(33),9179−90)の方法を使用して、上記からのアルデヒド50.05を所望の物質50.01に変換した。
(調製実施例100)
(表Iの式100の化合物の調製)
(I部:式100−1のアミンの調製)
市販のN−t−BOC−L−シクロヘキシルグリシノール100−2(OmegaChem、Canada)(15g、62mmol)のDCM(170mL)およびピリジン(17mL)中の0℃溶液に、塩化メタンスルホニル(5.3mL、68mmol、1.1当量)を滴下した。添加後、その反応物を室温まで温め、そして18時間撹拌した。この反応物をEtOAcで希釈し、そして氷冷水120mLに次いでブライン(100mL)で2回洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、20.9gの粗油状物100−3を得た。
(工程2)
100−3(粗製物3.4g)のDMF(7mL)室温溶液にNaN
3(9.62g)を加え、その反応物を65℃まで温めた。5時間後、反応物を冷却し、そしてEtOAc(100mL)および氷冷水(100mL)で希釈した。抽出後、有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粘稠な油状物にした。その残渣をHPFC(これは、40+Mカラムおよびヘキサン中の2%〜8% EtOACを使用する)で精製した。精製により、1.06gのアジド100−4が得られた。
(工程3)
アジド100−4(1.06g)のMeOH(35mL)室温溶液に、N
2雰囲気下にて、Pd/C(10%)100mgを加えた。反応物をH
2ガスでフラッシュし、そして室温で、18時間撹拌し、次いで、セライトのパッドで濾過し、そして濃縮して、粘稠な油状物(0.85g)として、100−1を得た。
(II部:式100−5のアミンの調製)
市販(Sigma−Aldrich)の3,4−ジエトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン100−6(15mmol、2.5g)のEtOH(50mL)中の0℃溶液に、Me
2NH(10mmol、5mL、THF中で2.0Mイオン)を滴下した。反応物を室温まで徐々に温めた。2時間後、反応物を濃縮し、そしてHPFC(これは、25+Mカラムおよびヘキサン中の20%〜60% EtOACを使用する)で精製した。精製により、1.95gの生成物100−7が得られた。
(工程2)
アミン100−1(250mg、1.48mmol)のEtOH(5mL)室温溶液に、シクロブテンジオン100−7(1.2当量、190mg)およびDIPEA(0.1mL)を加えた。反応物を、室温で、1時間撹拌し、次いで、一晩還流した。18時間後、白色沈殿物が形成された。この反応を停止して、冷却した。この白色沈殿物を濾過して除き、そしてEtOAcでリンスし、N
2流下にて乾燥して、445mgの所望生成物100−8を得た。
(工程3)
アミン100−8(228mg、0.67mmol)のDMF(10mL)中の0℃溶液に、Cs
2CO
3(1.5当量、1mmol、325mg)を加え、続いて、MeI(1.8当量、1.2mmol、0.075mL)を加えた。反応物を、室温で、一晩撹拌し、次いで、EtOAcおよび水で希釈した。水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。HPFC(これは、ヘキサン中の80% EtOAcを使用する)で精製すると、200mgの所望の100−9が得られた。
(工程4)
アミン100−9(30mg、0.1mmol)に、ジオキサン中の4.0N HCl(3mL)を加えた。出発物質が検出されなくなるまで、反応物を、室温で撹拌した。1時間後、反応物を真空下にて濃縮して、淡黄色固形物として、アミン塩100−5を得た。
(III部:式100−10のイソシアネートの調製)
−20℃の、アミン100−11(10g、72mmol)(これは、R.ZhangおよびJ.S.Madalengoitia(J.Org.Chem.1999,64,330)の方法に従って調製した)のDCM(200mL)溶液に、HATU(1.05当量、28.8g)、Boc−L−TertLeucine100−12(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin、USA、1.1当量、79.2mmol、18.3g)およびDIPEA(0.2mol、40mL)を加えた。反応物を24時間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈し、そしてNaHCO
3で洗浄した。有機層を、クエン酸で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮した。その残渣100−13(72mmol)を、0℃で、アセトン(1.2L)に溶解した。次いで、5当量のJones試薬(138mL、360mmol、三酸化クロム91gを濃H
2SO
4(70mL)に溶解することにより調製し、そして300mLまで希釈した)を加えた。45分後、TLCより、出発物質は検出されなかった。イソプロパノール(40mL)およびEtOAc(500mL)を加えた。その緑色溶液をセライトパッドに通して濾過して除き、その濾液を乾燥状態まで濃縮した。その残渣を10%炭酸ナトリウムで希釈し、そしてEt
2Oで抽出した。次いで、水層を、HCl 3.0Nで、Ph=2まで酸性化し、そしてEtOAcで抽出した(3回 200mL)。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮して、21.55gの中間体100−14を得た。
(工程2)
100−14(10.4g、28mmol)のDCM(300mL)中の−20℃溶液に、HATU(1.05当量、29.4mmol、11.2g)、アミン塩12.03(1.0当量、28mmol、5.48g、中間体の調製、P1−P’部分の調製で記載されているように調製した)を加えた。−20℃で10分後、DIPEA(3.6当量、100mmol、17.4mL)を加えた。反応物を、この温度で、16時間撹拌した。16時間後、この反応物をEtOAcで希釈し、そしてNaHCO
3、クエン酸(10%w/w)およびブラインで連続的に洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮して、14gの中間体100−15を得た。
(工程3)
EtOAc(12mL)中の粗100−15(1.06g、1.73mmol theor.)およびEDCl(4当量、6.92mmol、1.33g)の混合物に、室温で、Et
3N(3当量、5.2mmol、0.72mL)を加える。添加後、DMSO(4.5mL)をゆっくりと充填した。これに続いて、20℃と30℃との間の温度で、メタンスルホン酸(3.6当量、6.22mmol、0.4mL)を加えた。その反応物を1時間攪拌した。1時間後、TLCにより、反応が完結したことが示される。0℃で、EtOAc(12mL)および氷水(2mL)の冷却混合物を加えた。2分後、その二相混合物を沈降させ、そして層分離した。上部の有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮した。その残渣をHPFC(25+M、ヘキサン中の15%〜60%(EtOAc))で精製した。精製により、ケトアミド(0.6g)が得られた。ケトアミド(0.6g)の室温溶液に、ジオキサン中の4.0N HCl溶液25mLを加えた。反応物を、室温で、1時間撹拌して、反応の完結を観察し、次いで、約5mLまで濃縮し、そしてヘプタンおよびエーテル(各10mL)で希釈した。得られた白色沈殿物を濾過して除き、そしてN
2流下にて乾燥して、HCl塩として、0.49g(収率81%)のアミンを得た。アミン塩(50mg、0.1mmol)のCH
2Cl
2(7mL)中の0℃溶液に、NaHCO
3飽和水溶液(7mL)およびホスゲン(0.053mL、1.1当量、0.11mmol)を加えた。直ちに、急速な撹拌を再開し、その氷冷反応混合物を、高速で、30分間撹拌した。次いで、有機相(下層)を分離し、MgSO
4で乾燥し、そして冷却浴を使って、真空下にて、半分の容量まで濃縮した。次いで、イソシアネート100−10をシリンダーに注ぎ、CH
2Cl
2で15mLまで希釈し、そして次の工程(IV部)で、新たに使用した。
(IV部:表Iの式100の化合物の調製)
一般方法Cに従う:アミン100−5(33mg、0.1mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中の0℃溶液に、イソシアネート100−10(1当量、0.1mmol)を加え、次いで、DIPEA(0.4mmol、0.07mL)を加えた。その反応物を、室温で、2時間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈し、そして飽和NH
4Clおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。残渣をプレート(これは、EtOAc中の5% MeOHを使う)で精製して、9mgの式100の生成物を得た(収率10%);LCMS:(712.2:M+1)。
先に記述した一般的な手順に従って、式100−5の中間体を使用して、表1で記述したHCVインヒビター110、113および133を調製した。
(調製実施例106)
(表Iの式106の化合物の調製)
(I部:式106−1のアミンの調製)
工程1において、市販のN−t−BOC−L−シクロヘキシルグリシノール100−2を対応する市販のN−t−BOC−L−第三級ブチルグリシノールで置き換えることにより、調製実施例100で概説した手順に従って、アミン106−1を調製した。
(II部:式106−2のアミン塩の調製)
工程2において、式100−1のアミンを前記式106−1のアミンで置き換えることにより、調製実施例100で概説した手順に従って、アミン106−2を調製した。
(III部:式106の化合物の調製)
アミン100−5をアミン塩106−2で置き換えることにより、調製実施例100のIV部で概説した手順に従って、式106の化合物を調製した。
前記一般手順に従って、式106−1の中間体を使用して、表1で記述したHCVインヒビター115、121、135、147および148を調製した。
(調製実施例104)
(表Iの式104の化合物の調製)
(I部:式104−3のアミンの調製)
市販のスクアリン酸ジエチル104−1(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin,USA、1g、5.88mmol)のTHF(20mL)溶液に、−78℃で、30秒間にわたって、t−BuLi(5.93mmol、3.5mL)を加えた。50分後、その反応物にt−BuLi(0.5当量)を加え、そして撹拌を、−40℃で、60分間継続した。次いで、−40℃で、TFAA(1mL、7.06mmol)を滴下した。10分後、10% NH
4Cl(水溶液)(10mL)を加えた。得られた溶液を室温まで温め、そしてEt
2O(50mL)/5% NaHCO
3(水溶液)混合物(80mL)に注いだ。水層をエーテルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥した。乾燥状態まで濃縮した後、その残渣をHPFC(溶離液としてヘキサン中の5〜20% EtOAcを使う、25+Mカラム)で精製して、0.874gの生成物104−2を得た。
(工程2)
式104−3の中間体を調製する手順は、工程2において、式100.7の化合物を式104−2の化合物で置き換えることにより、調製実施例100のアミン100−1を調製するのに使用したものと類似している。それに加えて、式104−3のアミンHCl塩を調製する手順は、調製実施例100の工程4においてアミン100−9を調製するのに使用したものと類似している。
(II部:式104−4の中間体の調製)
室温溶液(10g)に
式20.03の中間体の室温溶液(これは、式20.04の中間体(5.4g)の調製の工程1において、調製した)に、ジオキサン中の4.0N HCl溶液50mLを加えた。反応物を、室温で、18時間撹拌し、次いで、約20mLまで濃縮し、そしてヘプタンおよびエーテル(各100mL)で希釈した。得られた白色スラリーを濾過して除いて、白色粉末(3.32g)として、所望アミンのHCl塩を得た。このアミン塩(3g)を、NaHCO
3飽和水溶液(50mL)、DCM(50mL)およびホスゲン(2当量、16.8mmol、8.9mL)の0℃溶液に加えた。直ちに、急速な撹拌を始め、その氷冷反応混合物を、高速で、1時間撹拌した。1時間後、有機相(下相)を分離し、次いで、無水MgSO
4で乾燥し、そして真空下にて、約20mLまで濃縮した。イソシアネートを34mL(DCM)まで希釈し、そして0.25M溶液として使用した。
(III部:式104−6の中間体の調製)
(工程1)
アミン塩104−3(1.15g、4mmol)のDCM(20mL)中の0℃溶液に、イソシアネート104−4(1.1当量、17.6mL)を加え、続いて、DIPEA(4当量、16mmol、2.8mL)を加えた。反応物を室温まで温め、そして1時間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈し、HCl 1.0N(50mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣をHPFC(25+M、ヘキサン中の15〜60% EtOAc)で精製して、式104−5の中間体(2.31g、3.85mmol.収率96%)を得た。
(工程2)
0℃の、DMF(50mL)中の式104−5の中間体(2.31mg、3.85mmol)に、CsCO
3(1.5当量、5.8mmol、1.9g)を加え、続いて、MeI(1.8当量、7mmol、0.5mL)を加えた。反応物を、室温で、2時間撹拌し、そのとき、MSにより、所望物質が示され、出発物質は残っていなかった。反応物をEtOAcおよび水で希釈した。水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。HPFC(40+M、15%〜60% EtOAc)で精製すると、2.32g(98%)のN−メチル中間体が得られた。このN−メチル中間体(2.3g、3.7mmol)のジオキサン(30mL)中の0℃溶液に、3当量のLiOH(1.0N溶液、11.1mL)を加えた。2時間後、TLCにより、出発物質は示されなかった。反応物をEt
2O(100mL)で希釈し、そして1.0N HCl(10mL)を加えた。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、そして濾過した。濾液を濃縮して、淡黄色固形物(2g、収率90%)として、式104−6の中間体を得た。
(IV部:式104−7の中間体の調製)
酸104.6(0.02mmol、0.013g)のDCM(3mL)中の−20℃溶液に、HATU(1.1当量、0.023mmol、9mg)、アミン13.01(中間体13.01の調製の工程4から得た、1.0当量、0.02mmol、5mg)を加え、続いて、DIPEA(0.02mL)を加えた。
反応物を、−20℃で、18時間撹拌し、次いで、EtOAc(10mL)で希釈し、HCl 1.0N(5mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣を分取プレート(これは、100% EtOAcを使う)で精製して、10mgのヒドロキシアミド104.7(収率65%)を得た。
(V部:式104の化合物の調製)
104.7(10mg、0.13mmol)のDCM(3mL)中の室温溶液に、Dess−Martin試薬(30mg)を加えた。1時間後、MS分析により、所望物質が示され、出発物質は残っていなかった。反応物をEtOAcで希釈し、そして室温で、NaHCO
3飽和水溶液およびNa
2S
2O
3の1/1(5mL)混合物と共に、5分間撹拌した。相分離し、有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣を分取プレート(これは、溶出液として、ヘキサン中の90% EtOAcを使用する)で精製した。精製により、4mgの式104の化合物が得られた。
(調製実施例112)
(表Iの式112の化合物の調製)
III部において、式106−2のアミンを式104.3のアミンで置き換えることにより、調製実施例106に従って、式112の化合物を調製した。それに加えて、前記一般手順に従って、式104−3の中間体を使用して、表2で記述したHCVインヒビター103、107、109、111、114、117、119、123、128、137、140および145を調製した。それに加えて、調製実施例104の式104−のアミンと同じ様式で、工程1において、t−BuLiを、塩化シクロプロピル(clopropyl)マグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、MeLi、塩化エチルマグネシウムのような(これらに限定されないが)他の試薬で置き換えることにより、式101−1、116−1、129−1および132−1のアミンを調製し、それぞれ、式101−1、116−1、129−1および132−1の中間体を調製した。
前記一般手順に従って、式101−1、116−1、129−1および132−1の中間体を使用して、表2で記述したHCVインヒビター101、105、116、118、120、122、124、125、129、130、131、132、134、136、143、144および146を調製した。示されたKi
*の範囲:範囲A:Ki
*≦75nM;範囲B:Ki
*>75nM。
本発明は、新規のHCVプロテアーゼインヒビターに関する。この有用性は、HCV NS2/NS4aセリンプロテアーゼを阻害するそれらの能力において明らかにされ得る。このような実証のための一般的手順は、以下のインビトロアッセイによって示される。
(HCVプロテアーゼ阻害活性についてのアッセイ)
分光光度アッセイ:HCVセリンプロテアーゼについての分光光度アッセイは、R.Zhangら、Analytical Biochemistry,270(1999)268−275(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される手順に従うことによって、本発明の化合物において実施され得る。色素生産性のエステル基質のタンパク質分解に基づくこのアッセイは、HCV NS3プロテアーゼ活性の継続的なモニタリングに適している。この基質は、NS5A−NS5B接合配列(Ac−DTEDVVX(Nva)、ここでX=AまたはP)のP側に由来し、この配列のC末端のカルボキシル基は、4種の異なる発色団アルコール(3−ニトロフェノールまたは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン、または4−フェニルアゾフェノール)のうちの1種によってエステル化される。これらの新規の分光光度的な(spectrophotometric)エステル基質の合成、特徴付け、およびハイスループットスクリーニングへの適用、ならびにHCV NS3プロテアーゼインヒビターの詳細な反応速度評価は、以下に示される。
(材料および方法)
材料:アッセイに関連する緩衝液のための化学的試薬は、Sigma Chemical Company(St.Louis,Missouri)から得られる。ペプチド合成のための試薬を、Aldrich Chemicals,Novabiochem(San Diego,California)、Applied Biosystems(Foster City,California)およびPerseptive Biosystems(Framingham,Massachusetts)から得た。ペプチドは、手動または自動ABIモデル431A合成機(Applied Biosystemsによる)で合成される。UV/VIS SpectrometerモデルLAMBDA 12を、Perkin Elmer(Norwalk,Connecticut)から入手し、そして96ウェルUVプレートをCorning(Corning,New York)から入手した。予熱ブロック(prewarming block)は、USA Scientific(Ocala,Florida)から入手され得、そして96ウェルプレートボルテクサー(vortexer)は、Labline Instruments(Melrose Park,Illinois)から得られる。モノクロメーターを備えるSpectramax Plusマイクロタイタープレートリーダーは、Molecular Devices(Sunnyvale,California)から入手される。
酵素の調製:組換えへテロダイマーのHCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)は、以前に公開された手順(D.L.Saliら、Biochemistry,37(1998)3392−3401)を使用して調製される。タンパク質濃度は、アミノ酸分析によって予め定量化された組換えHCVプロテアーゼ標準を使用する、Biorad色素法によって決定される。アッセイを開始する前に、酵素保存用緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム(pH8.0)、300mMのNaCl、10%のグリセロール、0.05%のラウリルマルトシドおよび10mMのDTT)は、Biorad Bio−Spin P−6 prepacked columnを利用してアッセイ緩衝液(25mMのMOPS(pH6.5)、300mMのNaCl、10%のグリセロール、0.05%のラウリルマルトシド、5μMのEDTAおよび5μMのDTT)に交換される。
基質の合成および精製:上記基質の合成は、R.Zhangら、(前述に同じ)に報告される通りに行われ、そして標準的なプロトコル(K.Barlosら、Int.J.Pept.Protein Res,37(1991),513−520)を使用して、Fmoc−Nva−OHを2−クロロトリチルクロリド樹脂に固定することによって開始される。その後、このペプチドは、Fmoc化学を使用して、手動または自動ABIモデル431ペプチド合成機のいずれかで構築される。Nアセチル化されて、完全に保護されたペプチドフラグメントは、30分間のジクロロメタン(DCM)中の10%の酢酸(HOAc)および10%のトリフルオロエタノール(TFE)、または10分間のDCM中の2%のトリフルオロ酢酸(TFA)のいずれかによって、この樹脂から切断される。この合わせた濾液とDCM洗浄液は、共沸的(azeotropically)にエバポレート(またはNa2CO3水溶液によって繰り返し抽出され)されて、切断に使用された酸を除去される。このDCM相は、Na2SO4で乾燥され、そしてエバポレートされる。
上記エステル基質は、標準的な酸−アルコールカップリング手順(K.Holmberら、Acta Chem.Scand.,B33(1979)410−412)を使用して構築される。ペプチドフラグメントは、10モル当量の発色団および触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した無水ピリジン(30〜60mg/ml)に溶解される。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3当量)が、添加されてカップリング反応が開始される。生成物の形成は、HPLCによってモニタリングされ、そして室温にて12〜72時間の反応後に完了されることが見出され得る。ピリジン溶媒は、真空下でエバポレートされ、そしてトルエンとの共沸性のエバポレーションによってさらに除去される。このペプチドエステルは、DCM中の95%のTFAによって2時間脱保護され、そして無水エチルエーテルによって3回抽出されて、過剰な発色団が除去される。この脱保護された基質は、30%〜60%のアセトニトリル勾配(6カラム容量を使用する)によるC3カラムまたはC8カラムにおける逆相HPLCによって精製される。HPLC精製後の全体の収率は、約20〜30%であり得る。この分子量は、エレクトロスプレーイオン化質量分析によって確認され得る。この基質は、乾燥下で乾燥粉末形態で保存される。
基質および生成物のスペクトル:基質および対応する発色団生成物のスペクトルは、pH6.5のアッセイ緩衝液において得られる。吸光率は、複数の希釈液を使用して、1−cmキュベットにおける最適なオフピーク波長(3−NpおよびHMCに対しては340nm、PAPに対しては370nmおよび4−Npに対しては400nm)において決定される。この最適なオフピーク波長は、基質と生成物との間の吸光度において、最大の分画差((生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長として定義される。
プロテアーゼアッセイ:HCVプロテアーゼアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレート中の200μlの反応ミックスを使用して30℃にて実施される。アッセイ緩衝液の条件(25mMのMOPS(pH6.5)、300mMのNaCl、10%のグリセロール、0.05%のラウリルマルトシド、5μMのEDTAおよび5μMのDTT)は、NS3/NS4Aヘテロダイマーに対して最適化される(D.L.Saliら、前述に同じ)。代表的には、緩衝液、基質およびインヒビターの150μl混合物を、ウェル中に入れ(DMSO≦4% v/vの最終濃度)、そして30℃にて約3分間、プレインキュベートされ得る。次いでアッセイ緩衝液中の50μlの予熱されたプロテアーゼ(12nM、30℃)が使用されて、反応が開始される(最終容量200μl)。このプレートは、モノクロメーターを備えたSpectromax Plusマイクロタイタープレートリーダーを使用して適切な波長(3−NpおよびHMCに対しては340nm、PAPに対しては370nmおよび4−Npに対しては400nm)における吸光度の変化についてこのアッセイの期間(60分間)にわたってモニタリングされる(許容可能な結果は、カットオフフィルターを利用するプレートリーダーによって得られ得る)。Nvaと発色団との間のエステル結合の、タンパク質分解性の切断は、非酵素的加水分解についてのコントロールとしての酵素無しのブランクに対して、適切な波長でモニタリングされる。基質の反応速度パラメータの評価は、30倍の基質濃度範囲(約6〜200μM)にわたって実施される。初速度は、線形回帰を使用して決定され、そして速度定数は、非線形回帰分析(Mac Curve Fit 1.1,K.Raner)を使用して、そのデータをミハエリス−メンテンの式にフィットさせることによって得られる。代謝回転数(kcat)は、この酵素が完全に活性であると仮定して計算される。
インヒビターおよび不活性化因子の評価:競合インヒビターAc−D−(D−Gla)−L−I−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHについての阻害定数(Ki)は、競合阻害反応速度に対して再構成したミハエリス−メンテンの式:vo/vi=1+[I]o/(Ki(1+[S]o/Km))に従って、vo/vi 対 インヒビターの濃度([I]o)をプロットすることによって、酵素および基質の固定された濃度において実験的に決定される。ここでvoは、阻害されていない初速度であり、viは、任意の所与のインヒビター濃度([I]o)のインヒビターの存在下での初速度であり、そして[S]oは、使用された基質濃度である。得られたデータは、線形回帰を使用してフィットされ、そして得られた傾き(1/Ki(1+[S]o/Km))が使用されて、Ki値が計算される。本発明の化合物のいくつかについての得られたKi *値(ナノモル)を、以下の表3で示す。
本発明は、上記に示される特定の実施形態と組み合わせて記載されてきたが、それらの多くの代替物、改変および他の変更は、当業者にとって明らかである。全てのこのような代替物、改変および変更は、本発明の精神および範囲内に含まれることが意図される。