多くのタイプの流体分注装置が存在する。
例えば、現在広く使用されている流体分注装置の1つのタイプは、流体を分注するために、流体に物理的に接触して流体を確実に移送する機械的手段に直接依拠する容積移送式フィラである。容積移送式フィラはしばしばピストンおよびシリンダ構成を使用し、ピストンの後方移動は入口を通じて流体をシリンダの中に引き込み、ピストンの前方移動は出口を通じて流体を排出する。別法として、ロータリポンプを使用して流体を移送することもできる。容積移送式ポンプは比較的高速で動作することができ、1分間当り600個ものボトルを充てんし、約±0.5%の精度レベルを達成することができる。
容積移送式フィラの欠点は、動作中に流体が可動部品と接触することである。可動部品が摩耗すると、粒子物質が流体に混入して粒子汚染を引き起こす。これがひどくなると、粒子汚染は分注された流体製品を使用不可能にしてしまう。
容積移送式フィラの別の欠点には、その濡れた可動部分を洗浄し滅菌する際の難点が含まれる。容積移送式ポンプでは、ピストンおよびシリンダなどのパッド間のクリティカルな許容差により、効果的な現場洗浄が妨げられる。したがって使用者は、洗浄と滅菌のために装置を分解しなければならない。この過程は時間がかかるのみならず、再組立中、機械工によって取り扱われるときにパッドの生物的汚染を引き起こすことがある。
別のタイプの流体分注装置としては、動作中概して、比較的一定の圧力の下に維持された流体リザーバに依拠する時間/圧力フィラがある。流体は、圧縮可能な管路を通じてリザーバから分注される。流体の流れは、排出管路を絞って潰すピンチタイプのバルブによって遮断される。所定体積の流体が、排出管路を所定の時間だけ開いてから管路を閉じることによって分注される。流体リザーバ内の圧力が一定に維持されている場合には、サイクルが繰り返される度ごとに等量の流体が分注されるはずである。しかしながら、時間/圧力フィラは実際にはしばしば理論的動作のようには働かないことが観察されている。
別のタイプの流体分注装置としては、容積流体分注装置がある。米国特許第5090594号明細書に示すような容積分注装置は、軽量カップまたはフィルチューブ内の所定量の流体を測定し、続いてこれを入れ物の中に分注する。容積フィラは、容積移送フィラよりも遅いが、正確であり、微生物や粒子による汚染の問題を回避する。しかし、時間/圧力フィラのような容積フィラは比較的一定の圧力に依存する。浄化フィルタの使用によって発生する可能性のあるものなど圧力の不規則性は、不正確な充てんに通じる可能性がある。
別のタイプの流体分注装置が、1996年1月2日にKeyes他に発行された米国特許第5480063号明細書に記載されている。Keyes他は、分注中の流体と接触する可動部品を持たない装置を記載している。この装置は、流体リザーバとこれに連絡状態で連結されたフィルチューブとを含む。フィルチューブは流体リザーバと共に閉回路を形成する。動作状態では、流体はリザーバからフィルチューブへ移される。フィルチューブ内の流体レベルが所定の高さに達すると、流体の移動は終り、流体はフィルチューブから容器に分注される。
Keyes他の流体分注装置は、他の流体分注装置では見られない利点を提供し、したがって最近は著しい技術的および商業的関心の分野となっている。とにかく、現在の実施形態は良い結果をもたらすが、これらの実施形態を改良することができる。特に、流体レベルを監視するために使用される現在の手段、すなわち光学センサは、流体の光学的性質によって影響され、流体メニスカスの上昇と降下に応じてセンサを動かす機械集合体の上にある。内壁表面を被覆する傾向のある粘性流体のレベルは、精密に決定することが困難になる可能性がある。さらに、前記の機械的集合体(例えばステップモータを含む)の使用はある一定の滅菌応用例には許容できないレベルで粒子を生成する可能性がある。
本発明は、例えば測定された容積(または個別の適量)の薬剤流体、特に粘性の薬剤流体を1つの容器(または複数の容器)の中に精密かつ堅実に分注するのにうまく適した流体分注装置を提供する。本発明による装置は、その正確さ(すなわち、装置は容積移送式ポンプシステムに匹敵する正確さに到達することができる)、操作の容易さ(例えば、装置は機械的較正を必要としない)、薬剤用クリーンルームにおける使用における安定性(すなわち、装置には粒子を発散させる可動部品が少ない)、およびメンテナンスが容易であること(一回使用使い捨て流体分注カートリッジの使用を参照されたい)を特徴とする。
一般に、流体分注装置は、収集、分注、および中の流体の精密な電子測定を可能にする使い捨ての構成部分が中に取り付けられるハードウェア構成部分を備えている。
このハードウェア構成部分は、本質的にすべての「固定された」機械的および電子的手段(例えば、配管、回路、配線、エネルギー源、ポンプ、支持構造、マニホルド、バルブ、供給用またはその他の補足流体リザーバ、論理チップ、およびその他の副構成部分)を備え、これらによって、流体を使い捨て構成部分の中に持ち込み、そこから分注することが可能になる。ハードウェア構成部分は、本発明のさまざまな実施形態におけるその全体的な構成およびその副構成部分の集合状態において大きく変えることができるが、使い捨て構成部分に対する「操作」の基本的機能性は全く同じままである。一般的には、ハードウェア構成部分をひとまとめに形成する機械的および電子的手段は、丈夫な外部ハウジングまたはキャビネットの中に一般に固定配置状態で収納される。
使い捨て構成部分(すなわち、「流体分注カートリッジ」)、つまり本発明の重要な構成部分は本質的に、統合されたフィルチューブ組立体を有する柔軟な流体リザーバである。これは、流体分注操作を完了したときは構成部分を捨てる(すなわち、ある一定の環境規制物質を分注した後に法律によって要求されることがあるように)、またはリサイクルする(例えば規制されない物質を分注した後)ことができるという意味では、「一回使用」である。一回使用流体分注カートリッジは、レベル検知手段が組み込まれていることを特徴とし、このレベル検知手段によって、最終的にはガラス瓶またはその他の収集入れ物の中に分注された流体の体積に対応する重要な尺度である、カートリッジ内の流体レベルを、静電容量またはその他の電子的プロファイルの関数として連続的に決定することができる。
レベル検知手段のある一定の使用可能部品が、流体分注カートリッジの固定された統合部品として組み込まれている。しかし、レベル検知手段を全体としてハードウェア構成部分の一部にすることができる、すなわち流体分注操作中またはその直前にのみカートリッジに接触させるようにすることも考えられる。
一実施形態では、一回使用流体分注カートリッジ5は、(a)膨張収縮して内圧を調整できる柔軟な流体リザーバ12であって、上部開口部38と、柔軟な流体リザーバの中に流体を導き入れるための流体入口14と、前記の柔軟な流体リザーバ12から流体を放出するための流体出口24とを備えている柔軟な流体リザーバと、(b)一端部において前記上部開口部38に連結され、他端部において前記流体出口24に連結されて、前記流体リザーバ12と共にループを形成するフィルチューブ組立体100であって、(i)前記の柔軟な流体リザーバ12からフィルチューブ組立体100へ放出される流体の流れを制御するために前記ループの中にフィルバルブを備えるのに適した第1区域130と、(ii)前記フィルチューブ組立体100から所定体積の流体を分注するための排出弁を備えるのに適した第2区域128を有するドレン管路126とを含む、フィルチューブ組立体100と、(c)電流が一方の端子から他方の端子へ流れることができるように、エネルギー源に接続可能な少なくとも2個の導電性端子110および112とを備えている。
流体分注装置の操作は、概して言えば、流体リザーバ12に分注用流体を入れることによって始まる。これは、流体入口14を流体リザーバ12の中に「開く」かまたは接近できるようにして果たされる。この時点で流体リザーバ12の流体出口端部24におけるフィルバルブ30は「閉じられている」。リザーバに入れた後、流体をリザーバの中に導き入れる手段は「閉じられる」。
次のステップは、リザーバ12からフィルチューブ組立体100に流体を入れることである。これは、ドレンバルブ28を「閉じたまま」、フィルバルブ30を操作することによって果たされる。流体がフィルチューブ組立体100を次第に満たすとき、そのレベルが連続的に静電容量センサによって監視され、そのデータは電子制御システムによって処理される。ある一定の静電容量に達すると、適当な電子信号(またはプロンプト)が発信(またはトリガー)されて、直ちに(または終局的に)フィルバルブ24の「閉鎖」を実施する。
次いで流体はフィルチューブ組立体100からガラス瓶またはその他の容器に分注される。これは、排出管の中に設けられたドレンバルブ12を「開く」ことによって果たされ、フィルチューブ組立体の流体内容物を実質的に空にする。フィルチューブ組立体の内部寸法、流体の静電容量特性および流体の粘性、および/またはその他の性質は事前にわかっているので、フィルチューブ組立体から排出される流体の量は、妥当な精度で予め決定することができる。
本発明では、流体がすべてフィルチューブ組立体から排出される必要はない。フィルチューブ組立体を、特に所定の体積の流体を保留するように構成することができる。流体保留容積は予めわかっているので、これを制御機構の中で計算に入れることができ、したがって精度を低く甘んじさせることはない。
柔軟な流体リザーバ12の「撓み性」は、予期する内圧、分注される流体の流動学的性質、フィルチューブ組立体の構成と内部容積などによって影響される、さまざまな用途によって変わる可能性がある。流体の化学的性質は、柔軟な流体リザーバを作るために使用できる材料のタイプに影響する傾向があり、例えばある一定の流体は曲げ難い丈夫な材料の使用を必要とすることもある。
本発明は薬剤流体の分注に限定されるものではないが、流体リザーバの代表的な全内部容積は目下、約1.5リットルから約10リットルまでの範囲にあることが期待されている。この容積で、供給入口、上部開口部、および流体出口の寸法は次のようになる。供給入口の直径は約0.25インチ〜約0.75インチ(約0.635cm〜約1.90cm)、上部開口部の直径は約0.125インチ〜約0.75インチ(約0.3175cm〜約1.90cm)、および流体出口の直径は約0.125インチ〜約0.75インチ(約0.3175cm〜約1.90cm)にすることができる。さらに大きな容積については、特に粘性のある流体を含む場合には、これらの直径は実質的にもっと大きくなる。
流体分注カートリッジはおそらく捨てられるであろうから、この消耗構成部分における材料は低廉あると想定することによって利点が得られる。これに関して、バルブおよび複雑および/または精巧な電子構成部分などの比較的コストのかかる副構成部分はおそらく、消耗品の一部ではなく、ハードウェア構成部分の永続的な備品であることを理解されたい。
上述のドレンバルブとフィルバルブに関して、これらはおそらく、ただし必ずしも必要ではないが、流体分注装置のハードウェア構成部分の中に取り付けられたか配置されたさまざまなピンチタイプをなす。流体分注カートリッジが取り付けられると、そのフィルチューブの特定領域がこのバルブと統合され(例えば中にクリップされ)、こうしてこれらの領域の機能性を発揮することができる。ピンチバルブは(この観点から)、これらがチューブの切断およびバルブ要素の対合(これらは一般に高い技術的熟練程度を必要とする仕事である)を全く必要としない、という点で有利であると理解することができる。むしろ、チューブの特定の領域は十分に「はさむことができる」ので、ピンチバルブを領域の上で締め付けて潰し、チューブの内腔を遮断することが十分にできる。この方式では、バルブは必ずしも使い捨て要素の一部である必要はない。流れ制御バルブなどと共に係合(さもなければ準備)するために適したフィルチューブ組立体の一定の予定区域を与えるための別の手段および取組み方が知られており、実施することができる。
静電容量の検出を可能にする電子回路も、経済に目を向けて構成することが可能である。したがって、例えば消耗流体分注カートリッジは複数の端子と、多分リード線と電線とを含み、これらを、使い捨てではないハードウェア組立体の一部である制御機構のための専用の適切なソケットの中に差し込み、および/またはこれらのソケットに接続することができる。
電子端子が、流体分注カートリッジの所望の領域に永続的に取り付けるかまたは付着させることができる一対の狭い一般的には銅製である金属条片(strip)を含むことは好ましい。一般的な構成では、これらの条片はチューブ40の外側に互いに対向して取り付けられ、フィルチューブ組立体の「視領域」の全作業長にわたっている。静電容量の検出は、2つの金属条片間の空間にわたってパルス電流を連続的に通すことによって果たされる。空気を満たした空のチューブの静電容量と液体が満たされたものの静電容量との間には有意な差があるので、液体容積が管内を上下するとき、液体容積を連続的に監視することができる。「パルス」電流の使用は、時間にわたる測定の感度と連続性を改善するとともに、ならびに関連する場合には銅製電極の比較的低い電気容量と急速な放電に適応する。ある一定の事例では、温度も、これは静電容量に対して影響を有するので測定する必要がある。
フィルチューブ組立体の外側表面に銅製条片を配置することに対して代替案がある。例えば銅製条片を次のように取り付けることができる。すなわち、銅製条片の1つをチューブの外側に(例えばチューブの底部分に向けて)取り付け、第2の条片を、壁に接触せずに懸垂したフィルチューブ組立体の内側に配置する。このバージョンは、チューブの側壁に強く「べったりくっつく」傾向のある粘性の高い流体に特に適している。内側に取り付けられた端子とフィルチューブ組立体の中に入れられた流体との間の望ましからぬ化学的相互作用を防止するために、内側に取り付けられた端子を化学的に無反応性高分子材料で被覆するか、さもなければ何か別の適切な防壁によって保護または隔離することが好ましい。
測定感度は、金属条片が使用される場合には、これらの金属条片の相対的な幅を変えることによって制御することができる。例えば、(ある一定の応用例に関する)感度の望ましい度合いは、等しくない条片、すなわち一方の幅が他方の幅より広い一対の条片を使用することによって得ることができる。
フィルチューブ組立体の他に、静電容量センサを使用して流体リザーバの流体レベルを監視することも有利である。これは、フィルチューブ組立体に静電容量センサを使用することとは独立して、またはより好ましくはこれと組み合わせて行うことができる。
導電性端子それ自体では、流体分注装置を操作可能にするには十分ではない。導電性端子は配線または連接されるか、さもなければエネルギー源と電子制御機構の両方に接続される必要があり、この両方を単一の副構成部分の中に統合することができる。エネルギー源は本質的に両端子を通じて電流を駆動し、また電子制御機構は、例えば電位差計または類似の電子センサを中に組み込むことによって、前記電流の静電容量を測定し、これに基づいて、例えばフィルバルブおよび/または排出弁を選択的に開放および/または閉鎖することによって、流体の流れを制御する。
各図に示された本発明の実施形態はすべて、リザーバ当り単一のフィルチューブ組立体の使用を伴っている。しかし実際には、リザーバ当りいくつかのフィルチューブ組立体を使用することがさらに有利となり得る。このような追加のフィルチューブ組立体の基本的構成と機能は、本質的に上述のものと同じである。
流体分注装置の操作では、ある一定の最低容積および最高容積を決定するのではなく、チューブの中の容積を連続的に決定するように、フィルチューブ組立体の静電容量を連続的に測定する。静電容量センサは液体を連続的に測定するので、比例制御ではなく、いわゆるシステムのための「比例積分微分」(PID)制御を使用して、分注の精度と繰返し性を向上させることができる。
静電容量システムの較正は、試行錯誤を必要としないので、光学的システムよりも単純である。内腔またはフィルチューブがほぼ一定であると仮定して、液体の高さすなわちセンサ出力と容積分注との間の線形関係を適用する。したがって、較正には関係において3点を測定することだけが必要で、制御論理デバイスはアルゴリズムに従って動作することができる。
本発明をさまざまな構成で実施することが可能である。図解の目的で、このような実施形態のいくつかを図に示す。
まず図2に注目する。基本的な実施形態による流体分注装置は全体的に番号10で示されている。流体分注装置10は、流体供給管路16によって流体源18に連結されたフィルポート14(すなわち流体入口)を有する柔軟な流体リザーバ12を含む。滅菌または浄化フィルタ17が流体供給管路16の中に配置されている。流体リザーバ12は、操作中に膨張収縮する可とう性のバッグ状囲いである。流体供給管路16は、ソレノイド21によって活動化可能な供給バルブ20を含む。
柔軟な流体リザーバ12の中の流体レベルを所定のレベルに維持するために、光学的流体レベルセンサ22が測定チューブ23に沿って配置される。(望むならば、光学的流体レベルセンサ22と測定チューブを導電性静電容量ベースのセンサと取り替えることができる。)測定チューブ23の一端部は柔軟な流体リザーバ12の下部分に連結されているが、反対側の端部は柔軟な流体リザーバ12の上部分に連結されている。動作中は、測定チューブ23内の流体レベルは上下して柔軟な流体リザーバ12における流体レベルに合致する。流体レベルセンサ22は測定チューブ23の外側の周りを機敏に動き、その垂直位置が柔軟な流体リザーバの中の流体レベルを決定する。
プログラム式制御装置(図示せず)が、流体レベルセンサ22とソレノイド21に機能的に接続されている。柔軟な流体リザーバ12の中の流体レベルがセンサ22のレベルの下に降下すると、プログラム式制御装置は供給バルブ20を開いて、柔軟な流体リザーバ12の中により多くの流体を導入する。こうして、柔軟な流体リザーバ12における流体レベルを一定にするか、さもなければ調整することができる。望むならば、複数のセンサ22を使用して上限と下限を定義することができる。
流体リザーバ12は、フィルチューブ組立体100の下端部に連結されたドレンポート24(すなわち流体出口)を含む。フィルチューブ組立体100の他の端部は、柔軟な流体リザーバ12の上部分における上部開口部38に連結されている。こうして、フィルチューブ組立体100は柔軟な流体リザーバ12と共に1つのループを形成する。フィルバルブ30が、流体リザーバ12からフィルチューブ組立体100への流体の流れを制御するために、ループの中に配置されている。フィルバルブ30は、プログラム式制御装置に接続されたソレノイド31によって制御される。
フィルチューブ組立体100から容器の中へ流体を分注するために、ドレン管路26がフィルチューブ組立体100の中に備えられている。ドレン管路26は、前記の流体分注を制御するためにドレンバルブ28を含む。ドレンバルブ28は、プログラム式制御装置によって活動化可能なソレノイド29によって制御される。
本発明の別の実施形態を図3に示す。この実施形態は、流体リザーバ12は曲げることができず、むしろ剛体の囲いを備えている点で、第1実施形態とは異なっている。可とう性のブラダー25が流体リザーバ12の内部と導通している。可とう性のブラダー25は、流体リザーバ12内の圧力を調整する働きをする。
図4は本発明の別の実施形態を示す。図4に示す実施形態は容積フィラとして構成され、図1に示す実施形態に類似している。しかし図4に示す実施形態は、柔軟な流体リザーバ12を囲むハウジング40を含む。ハウジング40を例えば長手方向に延びる2つの半部材として作り、流体リザーバ12の容易な挿入およびハウジング40からの流体リザーバ12の容易な除去を可能にする。
ハウジング40は、単純に柔軟な流体リザーバ12用の閉じ込め容器として役立ち、またはそれ自体加圧されてもよい。図4に示すようにハウジング40を閉じ込め容器として使用する場合には、ハウジング40の中に小さな開口部を設けて、ハウジング40内の圧力がハウジング外側の圧力と等しくなることを可能にし、これによって流体リザーバ12の精密な膨張と収縮とに適応する。代替案として、ハウジング40を多孔質の材料で作ることができる。
ある一定の応用例および/または流体については、柔軟な流体リザーバにかかる圧力は、装置の他の場所にかかる圧力と同じにはならない。ハウジング40が加圧または減圧される場合には、ハウジング40と流体リザーバとの間で、フィルポート14において、側部チューブ23の周りにおいて、通気口38において、およびドレンポート24において気密シールを使用しなければならない。
加圧は、例えば加圧ガス(例えば窒素)の供給源52を流体分注装置に連結して、このガスがハウジング50と流体分注装置12との間の空間に導入されるようにして、果たすことができる。ハウジング40とリザーバ12の両方を同時に加圧することができる。ハウジング40または流体リザーバ12が加圧された場合、浄化フィルタ17はフィルタにわたる圧力低下によって生じるエラーを防ぐために除去されることが好ましい。
本発明を、本発明の精神と本質的な特性から逸脱することなく、本明細書に述べた方法以外の特定の方法によっても実施することができる。したがって、ここに挙げた実施形態は例示説明のためであって、限定するものではなく、添付の特許請求の範囲における意味および同等の範囲に入る変更はすべて本発明に包含されると考えるべきである。