JP2007522706A - オーディオ信号処理システム - Google Patents

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Abstract

デジタルオーディオ信号入力(1)と、デジタルオーディオ信号プロセッサ(2、DSP)と、デジタルオーディオ信号出力(3)とを有するサウンド再生システムであって、デジタル信号プロセッサ(2、DSP)は、ハイパス周波数(f)を有するハイパス(HP)フィルタ(21)と、ハイパスフィルタによりフィルタされた信号の増幅器(22)と、増幅器で増幅された後の信号をフィルタして出力信号を供給する、ローパス周波数(f′)を有するローパス(LP)フィルタ(23)とを有し、デジタルプロセッサは、ハイパス周波数またはローパス周波数を確立する確立器(24、25)と、ハイパスフィルタのハイパス周波数とローパスフィルタのローパス周波数を互いにマッチさせるマッチ器(26)とを有する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、サウンド再生の分野に関し、特に、デジタルオーディオ信号処理の分野に関する。
本発明は、デジタルオーディオ信号入力、デジタルオーディオ信号プロセッサ、及びデジタルオーディオ信号出力を有するサウンド再生システムに関する。
また、本発明は、入来オーディオ信号を処理してオーディオ出力信号を出力するオーディオ信号プロセッサに関する。特に、本発明はデジタル信号プロセッサ(DSP)回路またはプログラムに関する。
また、本発明は、デジタルオーディオ信号の処理方法にも関する。
ラウドスピーカ電話システム等のサウンド再生システムは、ラウドスピーカと呼ばれることが多い出力トランスデューサとオーディオ信号入力とを含む。ラウドスピーカは、オーディオ入力信号に応答して、所望の音圧波を表すオーディオ入力信号を発生する。
リスナーが知覚するサウンドの明瞭性は、特にノイズの多い環境においては非常に重要である。明瞭性を向上する最も簡単な方法は、平均SPL(音圧レベル)を上げること、すなわち、ボリュームを高くすることである。しかし、必ずしもボリュームを上げたからといって、常にサウンドがより明瞭になるわけではない。また、出力が大きすぎると、ラウドスピーカへの負荷が過大になり、明瞭性がさらに悪くなってしまう。
サウンドの明瞭性を高める試みが多数なされてきた。
米国特許出願第2002/0015503号では、周波数帯域ごとに個別にゲインファクタを制限することによる明瞭性の向上が提案されている。
米国特許第6,011,853号は、ノイズの周波数スペクトルを測定し、スピーチ信号を特定周波数でノイズの効果と等しくするシステムが記載されている。
しかし、既存のシステム及び方法は、複雑な計算とそのための複雑な回路(ハードウェア)を必要とするか、プログラム(ソフトウェア)を使用する場合には、複雑なプログラムを必要とする非常に複雑なものであるか、または、提供する利点が限定されたものである。
上記の参照文献にもかかわらず、本技術分野においては、明瞭性を向上できるようにシステムと方法を改良する必要がまだある。
本発明の目的の1つは、明瞭性を向上したサウンド再生システム及び方法を提供することである。
このため、本発明によるサウンド再生システムは、デジタル信号プロセッサを有し、デジタル信号プロセッサは、ハイパス周波数を有するハイパスフィルタと、ハイパスフィルタによりフィルタされた信号の増幅器と、増幅器で増幅された後の信号をフィルタして出力信号を供給する、ローパス周波数を有するローパスフィルタとを有し、デジタルプロセッサは、ハイパス周波数またはローパス周波数を確立する確立器と、ハイパスフィルタのハイパス周波数とローパスフィルタのローパス周波数を互いにマッチさせるマッチ器とを有する。
本発明によるシステムは、以下の洞察に基づく:
1. 入来信号は(増幅器により)増幅され、ラウドネスが大きくなる。しかし、
2. 入来信号が大きくなると、最大デジタル信号より高い信号が生じ、そのような場合、その信号はデジタル的にクリップされることが多く、信号が歪んでしまう。
3. 増幅前に信号から低周波を除去すると、残りの信号は平均的により高いゲインファクタで増幅することができる。これは、増幅の前に置かれたHPフィルタにより実行される。低周波数は、明瞭度に関する限り、重要性は比較的高くない。低周波数は信号の振幅が大きく、低周波数を除去すると信号の非常に振幅が低くなり、増幅の余地が生まれる。すなわち、残りの信号をより大きく増幅できる。特にスピーチの振幅の大部分は、低周波数を含んでおり、低周波数を減衰することにより、余地がかなり大きくなる(すなわち、クリッピングレベルにならずに増幅できる)。
4. 単に低周波数を削除して、出力を大きくしても明瞭度は高くなるが、常に明瞭度が顕著に上がるわけではない。ハイパスフィルタの使用により、信号は高周波数トーンを比較的高い割合で含んでおり、知覚的に深い鋭い信号となり、オーディオ信号が変色し、明瞭度が落ちている。さらにまた、増幅により上音が生じているかも知れない。増幅後にローパス(LP)フィルタがバランスを回復し、また、増幅器により生じた上音を除去または少なくとも低減し、より自然なサウンドにし、信号の変色を少なくとも部分的に減らし、明瞭度を高くする。
5. 本発明によるシステムでは、カットオフ周波数をマッチングする。すなわち、確立されたHPカットオフ周波数とLPカットオフ周波数の間には関係がある。ここで、ローパス周波数及び/またはハイパス周波数の値は、反対方向でマッチングされる。つまり、HPカットオフ周波数が下げられ、LPカットオフ周波数が上げられる。及び、その逆である。言い換えると、HPフィルタのカットオフ動作と、LPフィルタのカットオフ動作はマッチングされ、一方の動作が大きいときは他方の動作も大きい。一方の動作が小さければ、他方も小さい。HP及びLPフィルタは、このように、スピーチ及びサウンド処理において結合した要素として使用され、無関係のパラメータを有する要素ではない。ハイパスフィルタのカットオフ動作は、オーディオ信号を変色させ、LPフィルタのカットオフ動作は、この効果に対処するようにマッチされる。本システムは、HPカットオフ周波数またはLPカットオフ周波数のいずれかを確立し、LPまたはHPカットオフ周波数を確立された周波数にマッチングさせる手段を有する。
幾つかの好ましい実施形態がある:
実施形態において、本システムは、バックグラウンドノイズレベルを測定するセンサを有し、測定されたノイズレベルを入力とし、ハイパスカットオフ周波数を出力とする要素を有し、ハイパスカットオフ周波数はバックグラウンドノイズレベルが大きくなれば大きくなり、ローパスカットオフ周波数はハイパスカットオフ周波数が高くなれば低くなる。LPカットオフ周波数のこの低下は、単一のLPフィルタのカットオフ周波数をHPカットオフ周波数の関数として変化(低下)させることにより実行される。または、代替的に、システムが一組の異なるLPフィルタを有し、HPカットオフ周波数に応じて、信号を、増幅後にそのLPフィルタの1つに送る。より複雑なLPフィルタを用いて、2つ以上の変数を有する、すなわち、LPカットオフ周波数だけでなく、より多くのパラメータを変更する場合に、後者の実施形態は特に有用である。この選択は、信号が、HPカットオフ周波数に応じて異なるLPフィルタと等価な異なるデジタル計算を施されるルックアップテーブルで実行してもよい。これは2つの段階で実行できる。第1の段階では、ノイズレベルを判断し、これによりHPカットオフ周波数の変更をトリガーし、次にHPカットオフ周波数からLPカットオフ周波数を選択する。
好ましくは、本システム及び/またはプログラムは、増幅段の平均増幅率に応じて、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を確立する手段を有する。平均増幅率は、信号の平均ゲインに対する尺度であり、発せられたサウンド信号のラウドネスレベルの尺度でもある。有利にも、放射信号の平均ラウドネスレベルが大きくなるとともにハイパスフィルタのハイパスカットオフ周波数が高くなり、また、ローパスフィルタのカットオフ周波数がマッチされている、すなわち、HPカットオフ周波数が変化するとともにステップ状に減少する。増幅レベルが非常に高いと(システムが、音が大きくノイズが多い環境で使用されている場合におこる)、比較的大きいアンバランスをサウンドに生じさせるHPフィルタのフィルタリング動作の必要性がおおきくなり、また、増幅レベルが大きいと、信号の歪みが比較的大きくなる。増幅後の信号の望ましくない不自然な上音は大きなエネルギーを有している。これによりサウンドが粗くなる。発明者が気づいたところによると、サウンドの粗さにより、時々、あるいは頻繁にリスナーは特に携帯電話においてラウドスピーカを耳から遠ざける。ラウドスピーカを耳から少し遠ざけることとは別に、信号対ノイズ比が大幅に低下する。その理由は、信号が減り、ノイズが増えるからであり、サウンドが粗く聞こえるという事実だけでも、メッセージの明瞭度が下がったことを意味する。声のメッセージの場合、声の粗さは、話者がリスナーに伝えたいメッセージの不可欠な一部分であることが多く、メッセージの言葉よりも重要であることもある。このように、言葉が理解できるかどうかだけよりも広い観点から見た場合、明瞭な「自然な」声が転送されることは、メッセージの明瞭度にとって重要である。増幅レベルが低い場合、「粗いサウンド」効果、すなわち、信号の変色は非常に聞き取りづらい。まとめると、増幅レベルが高いと、信号に比較的大きなアンバランスがあり(高周波により多くのエネルギーがあり)、また、高周波における増幅の比較的大きな部分は、増幅による人工的アーティファクトによるものである。高周波を除去することにより(全部または部分的に)、アンバランスとアーティファクトがなくなり、より自然なサウンドになる。一方、増幅レベルが比較的低い場合、高周波の信号振幅のほとんどが自然に生じたものであり、人工的アーティファクトによる部分は少ない。そこで、カットオフ周波数を比較的高い周波数に設定することが好ましい。増幅率に応じてハイパスフィルタのカットオフ周波数を確立し、同時にローパスフィルタのカットオフ周波数をマッチングすることにより、サウンド再生の改善が可能である。ある程度、この実施形態は、ノイズセンサを有する最初に述べた実施形態と同様の効果を奏することを意図したものであるが、マッチングされたHP及びLPフィルタのカットオフ動作をカップリングするのではなく、マッチングされたLPとHPフィルタのカットオフ動作は増幅レベルにカップリングされる。通常、バックグラウンドノイズレベルが高い場合に、より高い増幅レベルが使用され(ユーザはノイズの多い環境においてボリュームを上げる)、そのため、或る意味でユーザがノイズセンサの役割を果たす。システムの一部としてノイズセンサを使用することにより、技術的な観点からは好ましいが、システムのコストと複雑さが大きくなる。
実施形態において、本システムは、入来信号のサンプル周波数fsを測定/確立し、LPフィルタの最大カットオフ周波数をfs/2に設定する手段を有する。fs/2より大きい信号は元の信号の成分ではなく、上音(overtone)によるものである。このようにサンプル周波数fsは実際にLPフィルタの最大カットオフ周波数を決定する。それゆえ、これらの実施形態において、カットオフ周波数はfs/2の上限を有する。サンプル周波数fsは入来信号の帯域により決定される。例えば、インターネットオーディオビデオの場合、帯域はむしろ狭いことが多い。また、オーディオシステム自体のパワーが低い場合、非常に大きな帯域幅を有しても使い道がない。そこで、好ましい実施形態において、システムは信号のサンプル周波数を確立する手段を有する。サンプル周波数は、入来信号から確立されてもよいし、オーディオシステムのパワー制限の関数として確立してもよい(例えば、システムが異なる物理的増幅器につながっている場合、パワー制限が適用される)。fsの値が高いとき、例えば44kHzの場合、これはローパスフィルタのカットオフ動作には大きな影響はもたないが、fsの値が低い時(例えば、8kHz、11.025kHz、16kHz、22.05kHzの場合、fs/2はそれぞれ4kHz、5.5kHz、8kHz、11kHz)にはこの限りではない。しかし、この制限はサウンドに「色づけ」してしまう。その理由は、fs/2より高い周波数はなく、実際に受信された元の信号はすでに「変色」されているからである。好ましい実施形態におけるシステムは、変色に対抗するために確立されたサンプル周波数fsに応じてHPカットオフ周波数を決定する手段を有する。再度、これはいろいろややり方がある。HPカットオフ周波数のこの増加は、単一のHPフィルタのカットオフ周波数をLPカットオフ周波数の関数として変化(増加)させることにより実行される。または、代替的に、システムが一組の異なるHPフィルタを有し、カットオフ周波数に応じて、信号を、増幅後にそのHPフィルタの1つに送る。より複雑なフィルタを用いて、2つ以上の変数を有する、すなわち、カットオフ周波数だけでなく、より多くのパラメータを変更する場合に、後者の実施形態は特に有用である。この選択は、信号が、LPカットオフ周波数に応じて異なるHPフィルタと等価な異なるデジタル計算を施されるルックアップテーブルで実行してもよい。
最も好ましい実施形態において、システムは、好ましい実施形態の両方を結合する。すなわち、一方でサンプル周波数fsを確立しfs値に基づいてHPカットオフ周波数を決定し、他方で、ノイズレベルを測定し、HPカットオフフィルタ値を決定し、次にLPカットオフ周波数を決定する。
好ましくは、ハイパス周波数は300Hzと2kHzの間にあり、ローパス周波数は2kHzとfs/2の間にある。ここでfsはサンプル周波数である。
好ましくは、増幅器は閾値より小さい信号強度を有する信号を増幅しないように構成される。
閾値(一定の最小振幅)より低い信号はおそらくノイズである。このような信号を増幅しないことにより、明瞭度が改善される。ノイズが減るからである。さらに、静寂とスピーチの間の違いがよりよく区別でき、明瞭度が高くなる。ユーザが閾値を設定する必要がある場合(例えば、電話を数回かけるとき)、閾値は最初または実行時に設定される。信号ノイズはGSMプロバイダまたは相手側ユーザが使用しているGSM装置に依存するからである。
ハイパスフィルタは1次または2次のフィルタである、すなわち、比較的なだらかな傾きのフィルタである。入来信号の低周波数成分のエネルギーの大部分を除去して増幅余地を残すことは有利である。しかし、傾きが比較的急なフィルタ(ステップフィルタはこのようなフィルタの最も極端な例である)は、低周波成分を多く除去し過ぎるので、声の調子が不自然になる。好ましくは、本システムは、ユーザが次数及び/またはカットオフ周波数を変更できる手段を有する。2次ハイパスフィルタを使用することにより、スピーチの明瞭度はよくなり、信号のラウドネスもよくなる。一方、1次ハイパスフィルタを使用すると、元の信号をより自然なサウンドのままにできる。
好ましい実施形態において、本システムは、ハイパス(HP)フィルタを有し、その次にAGC、その次にリミッタ/クリッパ、その次にローパス(LP)フィルタを有する。この実施形態は、信号のラウドネスが最も重要である状況で好ましい。リミッタがオーディオ信号中のピークをスキャンし、クリッピング量を限定するために減衰が必要である場合、そのピークの回りのオーディオ部分を減衰させる。一方、非常に大きな信号はクリッピングさせる。
別の好ましい実施形態において、システムは、自動音量レベラを有し、その前または好ましくはその後ろにハイパス(HP)フィルタを有し、レベルをそろえた信号を供給し、それに続いてゲイン、クリッパ、そしてローパス(LP)フィルタを有する。この実施形態は、計算負荷を少なくしたいときに好ましい。
(ハード)クリッピングは、閾値信号強度を超える信号をすべて与えられた閾値信号強度まで減らす単純な動作である。すなわち最大信号強度が設定される。このような実施形態の利点は、簡単なシステムを使用できることであり、不利な点は、信号の歪みが大きくなることである。閾値信号を越える信号の詳細は全て失われるからである。
全ての実施形態において、HPカットオフ周波数とLPカットオフ周波数はカップリングされる。これが本発明のコアであり、HPフィルタとLPフィルタの動作がマッチングされ、一方のフィルタの適用による変色が、他方のフィルタの機能により少なくとも部分的に補償される。しばしば、「リーディングフィルタ」はHPフィルタである。すなわち、HPフィルタのカットオフ周波数がパラメータに基づいて確立され、LPフィルタのカットオフ周波数はそれに従う。入来信号のサンプル周波数が小さい実施形態の場合、「リーディングフィルタ」はLPフィルタであってもよい。
好ましい実施形態において、本システムはバックグラウンドノイズレベルを測定する、マイクロホン等の測定システムを有する。
好ましくは、1つ以上のパラメータについて、測定されたノイズレベルへの依存性は非線形である。
本発明のコンセプトにおいて、「クリッパ」、「圧縮器」、「増幅器」、「フィルタ」、「コンバータ」、「比較器」等は、広く理解すべきであり、例えば、いかなるハードウェア(クリッパ、圧縮機、増幅器等)、説明したクリッピング、圧縮、増幅等の機能を実行するように設計されたいかなる回路や副回路、本発明によるクリッピング、圧縮、フィルタリング等の動作を実行するように設計またはプログラムされたソフトウェア(コンピュータプログラム、サブプログラム、1組のコンピュータプログラム、またはプログラムコード)、そのように動作するハードウェア及びソフトウェアのいかなる組み合わせも含み、以下に与える実施形態例に限定されることはない。1つのプログラムが幾つかの機能を併せ持ってもよい。
本発明は、コンピュータで実行されたとき、本発明による方法を実行するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムにも化体することができる。また、コンピュータで実行されたとき、本発明による方法を実行する、コンピュータ読み取り可能媒体に格納されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品にも化体することができる。また、本発明の特徴的な動作を実行する、本発明によるシステムで使用されるプログラムコード手段を有するプログラム製品にも化体することができる。
本発明の上記その他の態様を、添付した図面を参照して、例によりより詳しく説明する。
以下、本発明の好ましい実施形態を示した、添付した図面を参照して、本発明をより詳しく説明する。しかし、本発明は、多数の異なる形式で実施でき、ここに開示した実施形態だけに限定されると解釈してはならない。図面にわたって同じ数字は同じ要素を示す。
図1は、サウンド再生システムを示す概略図である。このシステムは、例えば、自動車で使用されるハンヅフリーのラウドスピーカセルラー無線電話である。ハンドフリーの携帯電話として実施したとき、遠端(far end)、すなわち遠隔者(distant party)から受け取られるスピーチ信号は、セルラー基地局(図示せず)から送信され、携帯電話のトランシーバ(図示せず)で受信され、入来する遠端信号入力1に入力波形Wとして送られる。この例において、システム(この場合、電話システム)と遠端との間の伝送はデジタル形式であると仮定する。元の信号がアナログ形式の場合、システムはアナログ・デジタルコンバータを有し、デジタル遠端信号を生成して入力1に送る。
図1に示したように、波形はDSP(デジタルサウンドプロセッサ)2の入力端子1またはDSP2に接続された入力端子にデジタルフォーマットで入力され。DSP2は、デジタル出力3に接続されているか、デジタル出力3を有している。デジタル信号は、デジタル・アナログコンバータ4に入力され、アナログフォーマットに変換され、アンプ5で増幅され、ラウドスピーカ6により使用される。遠隔者のスピーチを表す音圧波W1がラウドスピーカ5により発生される。したがって、無線電話ユーザには、遠隔者のスピーチを表す音圧波形が聞こえる。
しかし、リスナーにはラウドスピーカにより発生されたサウンドが聴こえるだけではなく、他のサウンドも聞こえる。これにより、ラウドスピーカにより発生されたサウンドが理解しづらくなる、すなわち、明瞭性が低下する。
ボリュームを上げることにより、最初に明らかに明瞭性を上げることができる。しかし、ラウドスピーカの最大出力レベルには限界があり、単にボリュームを上げるだけではノイズが大きくなり、必ずしも信号の明瞭性が上がらないことが多い。
明瞭性を高めるため、本発明によるシステムと方法においては、幾つかの協働的手段が用いられる。
図2は、本発明によるシステムで使用するDSP(デジタルサウンドプロセッサ)の概略を示す。このDSPは、ハイパス(HP)フィルタ21を有し、そのカットオフ周波数は、好ましくは例えば300Hzと2kHzの間、または500Hzと1500Hzの間であり、より好ましくは800Hzと1200Hzの間である。ハイパスフィルタは、カットオフ周波数fより低い周波数成分を除去または減衰する。
HPフィルタにより信号エネルギーの大部分は除去される。これにより、(デジタルクリッピング、すなわち最大値よりも値が高くなる問題にぶつかる前に)残りの信号をアンプ22でより大きく増幅することが可能となる。しかし、HPフィルタは、低周波に対して高周波を増やしてサウンドを鋭くする。増幅後にローパスフィルタ(LP)23を適用して、少なくとも部分的にサウンドの「自然さ」を回復する。本発明によるシステムでは、HPフィルタ及びLPフィルタのカットオフ周波数fとf′をマッチングする。これはHPフィルタとLPフィルタ感の矢印で示した。本システムは、周波数fとf′のいずれか一方を確立(establish)し、これらの周波数の一方が確立している時には、他方を確立する手段を有する。
本発明によるシステムにおいて、カットオフ周波数とそれによるHPフィルタ及びLPフィルタの機能はマッチングされる。すなわち、相互相関が取られる。このために説明したように、本システムは、HPフィルタのカットオフ周波数fまたはLPフィルタのカットオフ周波数f′を確立する確立器(establisher)24、25を有し、LPフィルタまたはHPフィルタのカットオフ周波数を確立されたHPフィルタまたはLPフィルタのカットオフ周波数とマッチングさせるためのマッチ器26とを有する。全ての実施形態において、HPカットオフ周波数とLPカットオフ周波数はカップリングされる。これが本発明のコアであり、HPフィルタとLPフィルタの動作がマッチングされ、一方のフィルタの適用による変色が、他方のフィルタの機能により少なくとも部分的に補償される。「マッチング」とは、fとf′の間に関係があること、すなわち、f=F(f)またはf′=F′(f)であることである。しばしば、「リーディングフィルタ」はHPフィルタである。すなわち、HPフィルタのカットオフ周波数が測定または決定されたパラメータに基づいて確立され、LPフィルタのカットオフ周波数はそれに従う。入来信号のサンプル周波数が小さい実施形態の場合、「リーディングフィルタ」はLPフィルタであってもよい。
図3は、ハイパスフィルタを示す概略図であり、そのハイパスフィルタ周波数はfである。このフィルタ周波数fが、環境ノイズレベル、ラインノイズレベル、ユーザが設定したパラメータ、または増幅等のパラメータPによる影響を受ける。確立器はこれらのパラメータに応じてHPカットオフ周波数を確立する。この影響は周波数fに向かう、Pとfの間の横向き矢印により示される。本システムは、ローパスフィルタ23のローパスフィルタ周波数f′をHPフィルタ周波数fにマッチさせるマッチ器を有する。本発明における「マッチング」は、fをf′と等しくする、またはその逆を意味すると解釈してはならない。そうではなくて、fとf′の値の間に関係がある、すなわち、f′=F(f)であることを意味する。ここでFは関数である。この関係は固定された関係であってもよい。すなわち、関数Fは固定された関数であってもよい。関数はさらに別のパラメータによって変わってもよい。これは、図3において、文字P′と、この文字と関数Fの間の矢印により模式的に示されている。パラメータは、例えば、環境ノイズレベルN、ラインノイズレベル、またはHPフィルタとLPフィルタの間のアンプの増幅度(ゲイン)である。このような場合、fとf′の関係は、f′=F(f,P′)と表される。
図4は、図3に示したスキーム(scheme)の変形例である。この実施形態では、幾つかのLPフィルタが使用され、確立されたHPカットオフ周波数fと、場合によっては追加的パラメータP′とに応じて、アンプ22による増幅後にマッチ器を用いて信号がLPフィルタの1つに送られる。各フィルタのカットオフ周波数はf′である。これは、図4において、HPフィルタと1つのLPフィルタとを結ぶ矢印、及びカットオフ周波数がLPフィルタごとに異なることにより模式的に示されている。
このような実施形態は、単一のLPフィルタを使用する実施形態より複雑であるが、後者の実施形態は、2つ以上の変数を有するより複雑なLPフィルタを使用する場合、すなわち、LPカットオフ周波数だけでなくより多くのパラメータ(例えばフィルタの次数)が変化する場合に有用である。この選択は、信号が、確立されたHPカットオフ周波数に応じて異なるLPフィルタと等価な異なるデジタル計算を施されるルックアップテーブルで実行してもよい。これは2つの段階で実行できる。第1の段階では、ノイズレベルを判断し、これによりHPカットオフ周波数の変更をトリガーし、次にHPカットオフ周波数からLPカットオフ周波数を選択する。選択は追加的パラメータに依存してもよい。
図5は、LPフィルタ周波数がサンプル周波数fsの関数として確立され、HPフィルタカットオフは確立されたLPフィルタカットオフ周波数fの関数であり、すなわちf′=F(f)であり、マッチ器26が周波数f′をマッチングする、すなわち、fを確立された周波数f′に基づいて計算する実施形態を示す概略図である。一部の実施形態において、関数FはパラメータP′(例えばノイズレベル)に依存する。
図6は、図5に示した実施形態の変形例である。この実施形態では、幾つかのHPフィルタが使用され、確立されたLPカットオフ周波数fと、場合によっては追加的パラメータP′とに応じて、アンプ22による増幅後に信号がHPフィルタの1つに送られる。各フィルタのカットオフ周波数はfである。これは、図6において、LPフィルタと1つのHPフィルタとを結ぶ矢印、及びカットオフ周波数がHPフィルタごとに異なることにより模式的に示されている。
しかし、このような実施形態は、単一のHPフィルタを用いる実施形態よりも複雑である。より複雑なHPフィルタを用いて、2つ以上の変数を有する、すなわち、HPカットオフ周波数だけでなく、例えばフィルタの次数等のより多くのパラメータを変更する場合に、後者の実施形態は特に有用である。この選択は、信号が、確立されたLPカットオフ周波数に応じて異なるHPフィルタと等価な異なるデジタル計算を施されるルックアップテーブルで実行してもよい。これは2つの段階で実行できる。第1の段階では、サンプル周波数fsを判断し、これによりLPカットオフ周波数の変更をトリガーし、次にLPカットオフ周波数からHPカットオフ周波数を選択する。選択は追加的パラメータに依存してもよい。
図7は、LPカットオフ周波数f′とHPカットオフ周波数fの間の関係を示すグラフである。HP(f)とLP(f)カットオフ周波数グラフの間に特定のパラメータ値(例えばノイズ)の垂直線を引き、対応する曲線値(両向き矢印で示した)を読むことにより関係が分かる。模式的に示したように、グラフは連続的であってもよく(f′1(P)LP及びf1(P)HP)、または、いくつかの異なるLPまたはHPフィルタを使用した場合のように、ステップ状であってもよい(f′2(P)LP及びf2(P)HP)。曲線自体はパラメータP及び/またはP′(例えば測定ノイズレベルN、ラインノイズレベル、選択された増幅レベル(ユーザに設定された場合)、同じ周波数fsに依存する。
増幅はアンプ22(図2参照)によりなされる。
アンプ22は圧縮アンプであることが好ましい。圧縮アンプは、信号を増幅するが平均サウンドレベルを平均化するアンプである。すなわち、振幅が小さいサウンドはサウンドレベルが高いサウンドより大きく増幅され、信号の振幅範囲を狭くするものである。これには幾つかのやり方がある。例えば、クリッパ/リミッタ構成、クリッパ/圧縮器、またはAVL(自動電圧レベラ)及び後続のゲイン及びクリッパ等である。いくつかの異なる方法を使用できるが、その中には、増幅と圧縮を実行するためのルックアップテーブルの使用も含む。振幅範囲、特にその範囲の上限は、製造者により設定されてもよいし、例えばラウドネス設定器(ユーザがラウドネスを設定するノブ)によりユーザが設定してもよい。単純な信号の線形増幅(すなわち、すべてのサウンドレベルで増幅ファクタが一定)と比較して、特に、環境ノイズが高くて、静かなボイスパートがバックグラウンドノイズで覆われてしまう場合に、圧縮増幅によりサウンドの明瞭度が高くなる。言葉をより容易に区別できるようになり、サウンドの明瞭度が高くなる。
しかし、サウンドの非線形増幅により上音(元の周波数の2倍、3倍等の周波数の高周波成分)が入り、サウンドが粗くなり、サウンドが歪む。リスナーはこの歪みを喜ばず、実際にボーカルメッセージの広い意味での明瞭度を低下させる。多くの場合、話された言葉の粗さはボーカルメッセージの重要一面だからである。クリッピングは上音を生じさせて信号をより一層歪ませるが、この効果は、クリッピングをしなくても生じる。
広義の明瞭度は、このように言葉にだけ関係するものではなく、話者がリスナーに伝えようとしているメッセージにも関係する。サウンドの粗さ、特に平均増幅率が高い場合、皆が怒っているように聞こえ、話者が伝達しようとしている感情的な細やかさが大きく失われてしまう。
図2に示した本発明のシステムにあるように、圧縮アンプの後にローパスフィルタを適用することにより、声の粗さ感を減らし、話された言葉の元の感情的内容を少なくともある程度は回復し、すなわち、より自然なサウンドにすることができる。
なお、ほとんどの西洋言語においては、言葉のピッチは言葉の感情的インパクトに影響し、言葉の意味それ自体には影響しない。しかし、言葉のピッチがより大きな役割を果たし、言葉のピッチによりまったく同一の言葉がまったく異なる意味となるような言語もある。そのような言語を(除外できずに)使用する場合、ローパスフィルタの使用はより有利となる。本発明は、自動音声認識システムと合わせて、またはその中で使用する場合、特に有利であり、話された言葉のピッチがその言葉の意味に影響する言語では特に有利である。話された言葉すなわち声に関して上で説明したことは、サウンド再生システムを音楽の再生に使用する場合にも同様に適用できる。また、音楽の場合、音楽の聞こえ方はもちろん人が音を聞き取れるかどうかに依存するが、サウンドの粗さも非常に重要である。このように、本発明は、電話システムのように声のメッセージがリレーされるシステムにおいて非常に重要であるが、このようなシステムに制限されずに、音楽を再生するシステムも同様に本発明の利益を享受するであろう。
レベリングまたは圧縮動作は、入来信号のHPフィルタの前に実行されるか、またはHPフィルタリングされてから実行されてもよい。増幅自体は(すなわちゲイン)はHPフィルタリングの後に行われる。クリッピングは、ゲインの後、またはゲインと共に行われる。クリッパを使用する場合、ローパスフィルタはそのクリッパの後に置く。
上で説明したように、HPカットオフ周波数とLPカットオフ周波数の間の関係は、固定されているか、幾つかのパラメータにより決まる。
増幅段及び/またはクリッピング段は、信号の変色にもつながり、本システムのより複雑な実施形態においては、HP周波数とLP周波数をマッチングするマッチ器は、HPフィルタとLPフィルタ間の要素(例えば、アンプ及び/またはクリッパ)の少なくとも1つのパラメータの入力を有し、HPカットオフ周波数とLPカットオフ周波数の間の関係は前記パラメータに依存する。すなわち、f′=F(f,P)またはf=F′(f′,P′)であり、ここでPとP′は中間要素等のパラメータである。例えば、クリッパ及び/またはレベリングアンプにより生じる非線形性は、より高い上音を生じ、そのような要素の存在または有効性に依存するので、LPフィルタのLPフィルタカットオフ機能は大きくなる。
図8は、本発明によるシステムで使用可能なハイパスフィルタの2つの例を示す図である。
図の左側は1次フィルタであり、右側は2次フィルタである。図示したハイパスフィルタは、約1kHzのカットオフ周波数fを有する。(1オクターブあたり5−15dBの比較的おだやかな傾きを有する)1次または2次のハイパスフィルタが好ましい。低周波数成分を取り除き過ぎると、非常に不自然に聞こえる声(または不自然な音の音楽)となる。それゆえ、ハイパスフィルタの次数は2に限定されていることが好ましい。こうすることにより、必要な計算パワーも減らすことができる。ユーザがハイパスフィルタを1次と2次の間で変更できるか、システムが入来信号に応じて自動的に切り換えるメカニズムを有することが好ましい。2次のHPフィルタを使用すると、(狭義の、すなわち言葉のみの)スピーチの明瞭度及び/または信号のラウドネスが高くなり、1次のHPフィルタは元の信号の自然なサウンドをよりよく保存する。
HPフィルタは、例えば、以下のフォーマットにより係数を表1に載せた4次フィルタにより構成されていてもよい。
Figure 2007522706
表1−図3に示したHPフィルタのフィルタ係数
Figure 2007522706
低周波数は声の特定のサウンドに主に貢献し、スピーチの明瞭度にはあまり貢献しない。この特性は、本発明の一態様を形成する。
低周波数を減衰することにより、信号振幅は大幅に低下し、スピーチの明瞭度に貢献する比較的より多くの周波数を含む残余信号を増幅する余地ができる。
スピーチ信号を後で増幅する場合、それを圧縮及びクリッピングする場合であっても、スピーチの明瞭度はHPフィルタを使用しない場合よりよくなる。その理由は:
−信号がスピーチの明瞭度に貢献するより多くの周波数を含んでおり、
−低周波数はあまり強くクリッピングされず、その結果スピーチの明瞭度を損なう(クリッピングによる)高調波が少ない。
しかし、低周波数を取り除き過ぎると、非常に不自然な声になってしまう。それゆえ、HPフィルタは、例えばバターワース(1次IIR)フィルタ等の1次だけであることが好ましい。これにより、計算パワーが少なくて済むという利点がある。
図9は、本発明の一実施形態によるシステムの詳細を示す図である。
DSPは、HPフィルタ(例えば、図8に示したフィルタ。この例では、例えば、カットオフ周波数が例えば50Hzないし2kHzであるバターワース1次または2次フィルタ)を有し、その後にAGC、その後にリミッタ/クリッパ、その後にカットオフ周波数が2kHzとfs/2の間にあるローパスフィルタが続く。
この例では、全てのオーディオストリームはモノラルである。サンプルレート周波数は、例えば、次の1つである:8kHz、11.025kHz、16kHz、22.05kHz、32kHz、44.1kHz、または48kHz。
入来信号のサンプル周波数が例えば8kHzと非常に低い場合、LPフィルタのカットオフ周波数はfs/2、すなわち4kHzに設定され、HPカットオフ周波数は例えば400Hzに設定される。サンプル周波数が16kHzの場合、HPカットオフ周波数は200Hzに設定される。以下同様である。そして、サンプル周波数fsがLPカットオフ周波数を確立し、HPカットオフ周波数がLPカットオフ周波数にマッチングされる。
実施形態では、AGC(自動利得制御)はブロックベースで機能する、すなわち、ゲインファクタはブロックごとにのみ変化する。このように、計算パワーは最小に抑えられる。
ゲインは次のように計算される:まず、入力信号の移動RMS(2乗平均平方根)値を計算する。このRMS値は、信号波形の最近の「履歴」に基づく平準化された平均である。次に、到来する信号ピークを予測するために、ルックアヘッド時間を用いてピーク値を計算する。
RMS値とピーク値を用いてクレストファクタを計算する。いわゆる「デピーク」ファクタを用いて、アルゴリズムがピーク状の信号をクリップすることが以下に困難であるかを特定する(値が高いほどクリッピングがより多くなる)。その後、ゲインを計算し、ユーザが設定できる最大許容ゲインと比較して、2つのうち小さい方を選択する。ここには示していないが、最大許容ゲイン設定は、ハイパスフィルタの入力であり、カットオフ周波数は最大許容ゲイン設定の関数である(または、より一般的には、フィルタの1つ以上の特徴は、カットオフ周波数の値とは別に、例えば、1次から2次への切り換えを追加的に、または代替的に含む)。
最大許容ゲイン設定は、ハイパスフィルタの入力であり、カットオフ周波数は最大許容ゲイン設定の関数である(または、より一般的には、フィルタの1つ以上の特徴は、カットオフ周波数の値とは別に、例えば、1次から2次への切り換えを追加的に、または代替的に含む)。
図9は、本発明の1つのタイプの実施形態であり、図10は別のタイプの実施形態を示す。
基本的に、これらの実施形態は幾つかの要素またはステップを含む。
1.AVL(自動ボリュームレベラ):AVLは信号依存処理ブロックであり、入来信号のボリュームをおおよそ一定のレベルに保つ。
2.(1次)HP(ハイパス)フィルタ:このフィルタは、低周波数の一部を取り除き、増幅の余地を作る。
3.ゲイン:信号のSPL(音圧レベル)を大きくする、すなわち信号を増幅する。
4.好ましい実施形態ではクリッパ、簡単なシステムが好ましい場合にはハードクリッパ:信号は一定の振幅でクリップされ、(D/A変換後の)アナログアンプの線形動作を確保する。クリッピングレベルより大きい信号を単純にクリップするハードクリッパではなく、ソフトクリッパを使用することもできる。ソフトクリッパは、クリッピングレベルより大きい信号をクリップするが、クリッピングレベルに近いレベルの信号を減衰させる。ソフトクリッパを使用すると、信号の動的振る舞いがある程度回復し、明瞭度が高くなる。
5.LP(ローパスフィルタ):フィルタは、中間範囲周波数と高周波の間のバランスを回復または少なくとも向上する。バランスが悪いとサウンドが不自然になり、信号が粗く聞こえる。このLPフィルタにより処理されたサウンドはより聴きやすいものとなる。HPとLPフィルタのカットオフ周波数はマッチングされる。
この例では、入力はスピーチ入力であるが、入力はいかなるサウンド信号であってもよいことをことわっておく。
一例のAVLの振る舞いも図11に示した。
左側のグラフは、3つの入力信号の振幅のステップ変化を示す。右側のグラフは、AVLゲインが振幅変化が大きいほど速く大きくなることを示す。これは、明瞭度をさらに向上する好ましい実施形態である。
図12は、図10に示した装置と同様の装置例を示し、例えばマイクロホン等のバックグラウンドノイズを測定するセンサ(測定システム)130が使用されている。本装置は、HPフィルタのカットオフ周波数を確立する確立器131を有する。図示はしなかったが、ゲイン等の他のパラメータ、クリッピング、AVLの設定が、測定ノイズレベルに応じてなされることを付記する。
ノイズ測定により、好ましい簡単な実施形態において、全体的なノイズSを表す単一データか、または異なるノイズ帯域Sf1、Sf2、Sf3のノイズ形状を求める。ノイズ帯域ごとにノイズ形状を測定する場合、平均またはトータルノイズを、例えば、Sav=ΣSfiを計算するか、またはdB(A)スケールによる重みづけをして、例えば、Sav=Σwfiで計算する。ここで、wはdB(A)スケールの重み係数である。ノイズレベルは振幅測定により測定される。
HPカットオフ周波数は測定ノイズに適応させる。ノイズレベルが高ければ高いほど、カットオフ周波数も大きくなる。適応的な実施形態の場合、カットオフ周波数は、非適応的実施形態よりも広い範囲に有利にある。HPカットオフ周波数fは、有利にも、50Hz(ほとんどノイズがない状態)から高ノイズレベルの場合には一般的には2kHzの間にある。
HPフィルタカットオフ周波数は、このように、環境ノイズの料により更新され、一般的には、例えば50Hz(環境ノイズがない場合)から2kHz(環境ノイズが大きい場合)にある。ノイズが大きい環境ではより低い周波数が取り除かれ、後で信号を増幅する余地を大きくする。スピーチの明瞭度に貢献する周波数を取り除かないように、最大は2kHzであることが推奨される。フィルタ係数は実行時に計算される。
カットオフ周波数のノイズレベルとの関係は、好ましくは以下のように設定される:fcut−off=f+Δf(S)、ここでfは低ノイズ限度(例えば、50、100、または300Hz)であり、Δfはノイズレベルの線形(Sに比例する、iは1より大きい)関数より高い。
マッチ器26は、LPカットオフ周波数を確立されたHPカットオフ周波数にマッチさせる。すなわちf′はf′=F(f)である。
ノイズがない場合、カットオフ周波数は高い限度、例えばf/2に設定される。
ノイズが最大の場合、カットオフ周波数は低い方の限度、例えば、2kHzに設定される。
図12は、マッチングそのものは与えられたレベルと、サンプル周波数fsに依存することを模式的に示す。好ましい実施形態において、マッチ器は、2つの方法で動作する。すなわち、サンプル周波数と測定ノイズに応じて、LPカットオフ周波数は、HPカットオフ周波数にマッチされ、または逆である。
これらの実施形態において、使用するアルゴリズムは、環境ノイズの料により駆動されて、適応的に動作するように設計される。この結果、システムユーザが、環境ノイズに関する状態が変化しても、GSMボリュームレベルを制御しなくても、システムを使用できるようなユーザフレンドリーなシステムとなる。
適応的処理モードで使用する場合、処理ブロックのパラメータは、環境ノイズによる入来サンプルに適応する。アルゴリズムは、環境ノイズにパラメータを適応させる。ノイズ量は、別のマイクロホンにより測定されるか、または(単一マイクロホンアプリケーションの場合)システム(GSM)マイクロホンを用いて推定される。
環境ノイズのボリュームが減った場合、パラメータは好ましくは非常に早く適応され、入来信号の自然さや暖かみが回復される。
「環境ノイズがない」という言葉は、完全な静寂を意味するのではなく、ファンノイズやバックグラウンド音楽等の規則的なノイズがないということを意味する。典型的な環境では、バックグラウンドノイズは一般的には50dB(A)である。「環境ノイズが大きい」という言葉は、列車や地下鉄が通過するノイズや、ダンスクラブの中のノイズを指している。これらのノイズは、100dB(A)まで測定することができる。
ノイズは、環境ノイズのスペクトル強度上方を測定し、ノイズ量を表す単一値を計算することにより測定できる。
カットオフ周波数と測定ノイズ間(より一般的には、カットオフ周波数が依存するいかなるパラメータ)の関係は、必ずしも線形ではない。
リニアインターポレーションを用いたテストにより、「中庸の」環境ノイズの場合、アルゴリズムの効果が大きすぎることが分かった。
例えば、2次または3次のインターポレーションを用いると、その効果は同じ環境ノイズの場合でもリニアインターポレーションよりも小さかった。環境ノイズが大きい場合、効果量は同じである。
好ましい実施形態では、本システムは、HPフィルタのカットオフ周波数に加えて、測定バックグラウンドノイズレベルに応じた追加的パラメータを適応させるアダプタを有する。このようなパラメータは、例えば、ハイパスフィルタの次数である。
本発明を簡潔に説明すると、以下の通りである:
デジタルオーディオ信号入力(1)と、デジタルオーディオ信号プロセッサ(2、DSP)と、デジタルオーディオ信号出力(3)とを有するサウンド再生システムであって、デジタル信号プロセッサ(2、DSP)は、ハイパス周波数(f)を有するハイパス(HP)フィルタ(21)と、ハイパスフィルタによりフィルタされた信号の増幅器(22)と、増幅器で増幅された後の信号をフィルタして出力信号を供給する、ローパス周波数(f′)を有するローパス(LP)フィルタ(23)とを有し、デジタルプロセッサは、ハイパス周波数またはローパス周波数を確立する確立器(24、25)と、ハイパスフィルタのハイパス周波数とローパスフィルタのローパス周波数を互いにマッチさせるマッチ器(26)とを有することを特徴とするプロセッサ。
HP及びLPカットオフ周波数のマッチングにより、知覚されるスピーチに対するこれらのフィルタの効果がマッチする。特に、これがなければ聞き取れるサウンドの鋭さが低下する。
本発明はいろいろなシステムで使用することができる。本発明は、特に、ハンドフリー携帯電話で有用である。しかし、本発明はすべてのサウンド再生システムに適用可能であり、特に、電圧供給が制限され及び/またはラウドスピーカが小さいシステム上のサウンド再生システムに適している。可能性のあるアプリケーションとしては、以下の物がある:
−ハンドセット(携帯電話、DECT等);
−ポータブルDVDプレーヤ等のポータブルシステム;
−PDA;
−自動車キット;
−テレビ;コンピュータ;
−ウェブ端末;
−留守番電話等。
当業者には言うまでもなく、本発明は、上で図示して説明したものに限定されない。本発明は、全ての新規な特徴のそれぞれ、及びその組み合わせにある。請求項中の参照数字は保護範囲を限定するものではない。「有する」という動詞を用いたが、請求項に記載された要素以外の要素の存在を排除するものではない。要素に付された「1つの」、「一」という用語を使用したが、その要素が複数あることを排除するものではない。
本発明を特定の実施形態に関して説明した。これらの実施形態は、本発明を例示するものであり、限定するものと解してはならない。本発明は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実施することができる。他の実施形態も請求項の範囲に入る。
本発明のコンセプト内でさらに多数の変形が可能である。
ラウドスピーカとDSPを含むシステムを示す概略図である。 本発明によるDSPを示す概略図である。 LPフィルタ周波数のHPフィルタ周波数へのマッチングを示す概略図である。 LPフィルタ周波数のHPフィルタ周波数とのマッチングの別の方法を示す概略図である。 HPフィルタ周波数のLPフィルタ周波数とののマッチングを示す概略図である。 HPフィルタ周波数のLPフィルタ周波数とのマッチングの別の方法を示す概略図である。 LPフィルタ周波数とHPフィルタ周波数のマッチングをグラフィカルに示す図である。 本発明で使用する2つのハイパスフィルタの実施例を示す図である。 本発明による一タイプの実施形態を示す図である。 別のタイプの実施形態を示す図である。 AVLの振る舞いを示す図である。 測定されたノイズレベルに応じてパラメータを適応させる好ましい実施形態を示す図である。

Claims (16)

  1. デジタルオーディオ信号入力と、デジタルオーディオ信号プロセッサと、デジタルオーディオ信号出力とを有するサウンド再生システムであって、
    デジタル信号プロセッサは、ハイパス周波数を有するハイパスフィルタと、ハイパスフィルタによりフィルタされた信号の増幅器と、増幅器で増幅された後の信号をフィルタして出力信号を供給する、ローパス周波数を有するローパスフィルタとを有し、
    デジタルプロセッサは、ハイパス周波数またはローパス周波数を確立する確立器と、ハイパスフィルタのハイパス周波数とローパスフィルタのローパス周波数を互いにマッチさせるマッチ器とを有することを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のサウンド再生システムであって、
    該システムは、バックグラウンドノイズレベルを測定するセンサを有し、測定されたノイズレベルを入力とし、ハイパスカットオフ周波数を出力とする要素を有し、ハイパスカットオフ周波数はバックグラウンドノイズレベルが大きくなれば大きくなり、ローパスカットオフ周波数はハイパスカットオフ周波数が高くなれば低くなることを特徴とするシステム。
  3. 請求項2に記載のサウンド再生システムであって、
    カットオフ周波数が可変の単一のローパスフィルタを有することを特徴とするシステム。
  4. 請求項2に記載のサウンド再生システムであって、
    異なるローパスカットオフ周波数を有する一組のローパスフィルタを有し、マッチ器は、ハイパスカットオフ周波数に応じて、増幅後に信号をローパスフィルタの1つに送ることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1または2に記載のサウンド再生システムであって、
    確立器は、増幅段の平均増幅率に応じて、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を確立するように構成されていることを特徴とするシステム。
  6. 請求項1または2に記載のサウンド再生システムであって、
    確立器はローパスフィルタのカットオフ周波数をfs/2に設定するように構成され、ここでfsはサンプル周波数であり、マッチ器はハイパスフィルタ周波数fをローパスフィルタ周波数f′にマッチさせることを特徴とするシステム。
  7. 請求項6に記載のサウンド再生システムであって、
    カットオフ周波数が可変の単一のハイパスフィルタを有することを特徴とするシステム。
  8. 請求項6に記載のサウンド再生システムであって、
    異なるハイパスカットオフ周波数を有する一組のハイパスフィルタを有し、マッチ器は、ローパスカットオフ周波数に応じて、増幅前に信号をハイパスフィルタの1つに送ることを特徴とするシステム。
  9. 請求項1に記載のサウンド再生システムであって、
    ハイパスカットオフ周波数は300Hzと2kHzの間の周波数であることを特徴とするシステム。
  10. 請求項1に記載のサウンド再生システムであって、
    ローパスカットオフ周波数は2kHzとfs/2より上にあり、ここでfsはサンプル周波数であることを特徴とするシステム。
  11. デジタルオーディオ信号プロセッサであって、
    ハイパス周波数を有するハイパスフィルタと、ハイパスフィルタによりフィルタされた信号の増幅器と、増幅器で増幅された後の信号をフィルタして出力信号を供給する、ローパス周波数を有するローパスフィルタとを有し、
    デジタルプロセッサは、ハイパス周波数またはローパス周波数を確立する確立器と、ハイパスフィルタのハイパス周波数とローパスフィルタのローパス周波数を互いにマッチさせるマッチ器とを有することを特徴とするプロセッサ。
  12. ハイパスカットオフ周波数fより低い周波数成分は増幅前に除去され、増幅後にローパス周波数より高い周波数が除去される、デジタルサウンド信号の処理方法であって、
    ハイパスカットオフ周波数とローパスカットオフ周波数の値がマッチングされることを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、
    ハイパスカットオフ周波数は300Hzと2kHzの間にあることを特徴とする方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、
    ノイズレベルを測定し、測定したノイズレベルに応じてハイパスカットオフ周波数fを決定することを特徴とする方法。
  15. コンピュータで実行された時、請求項11ないし14いずれか一項に記載の方法を実行するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
  16. 請求項11ないし14いずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータ読み取り可能媒体に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
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