JP2007517608A - 支持構造装置及び方法 - Google Patents

Abstract

人工椎骨関節（１００）は上位の椎骨と下位の椎骨との間に介挿される。人工椎骨関節は上位の椎骨の端板に係合するようになった第１の表面と、第１の前方の関節運動表面（１２２）と、第１の表面から延び、端板の部分に係合するようになった支持タブ（１１１）とを有する頭側の関節素子を有する。端板のこの部分は第１の表面から端板の後縁へ延びる。関節は更に下位の椎骨の端板に係合するようになった第２の表面を有する尾側の関節素子と、頭側の関節素子と尾側の関節素子との間に介挿するようになったスペーサ素子とを有する。

Description

本発明の実施の形態は一般に脊椎手術を達成するための装置及び方法に関し、特に、ある実施の形態においては、椎間板空間内に後方から配置することができる脊椎関節形成装置に関する。後方からの接近による天然の脊椎関節の椎間板及び関節突起の両方の機能の全体の脊椎関節形成交換での使用を含む、本発明の種々の履行が想定される。

この出願は「後方腰部関節形成」という名称の２００４年１月９日に出願された米国仮特許出願第６０／５３４，９６０号からの優先権を主張する。以下の出願はまた上述の仮特許出願に対する優先権を主張し、本出願に関連する。これらの出願は参照としてここに組み込む。
「脊椎関節形成装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「二重関節運動脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「スプリット型脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「相互接続脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「モバイル軸受脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「中央関節運動脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願；
「後方脊椎装置及び方法」という名称の２００５年１月７日に出願された米国特許出願。

当業界で既知のように、人間の解剖学的構造においては、脊椎は引っ張り及び圧縮荷重を受けることができる実質上可撓性の柱であり、曲げ運動を許容し、肋骨、筋肉及び靭帯取り付け箇所を提供する。一般に、脊椎は３つの区分：即ち、頚部、胸部及び腰部の脊椎に分割される。図１は健康な人間の脊柱の腰部脊椎１及び仙骨区域３を概略的に示す。脊椎の区分は椎骨と呼ばれる個々の骨で構成され、椎骨はそれらの間に位置する椎間板により分離される。

図２は２つの隣接する椎骨７、９間に位置する健全な椎間板５を備えた腰部脊椎区分の右側の一部を示す。任意の与えられた関節においては、頂部の椎骨は上位の椎骨と呼ぶことができ、底部の椎骨は下位の椎骨と呼ぶことができる。各椎骨は重量を支持する主要な領域であるほぼ円筒状の本体７ａ、９ａと、３つの骨突起、例えば７ｂ、７ｃ、７ｄ（そのうちの２つを図２に示す）と、を有する。すべての突起を図示した図７Ａに示すように、突起７ｂ、７ｃ、７ｄは円周方向で離間した位置において椎骨本体７から外方に延びる。数ある機能の中でも、突起は筋肉及び靭帯取り付けのための領域を提供する。隣接した椎骨は関節突起素子７ｅ（図２）を介して相対的に移動することができ、これらの素子は椎骨の円筒状本体から延び、脊椎の運動を案内するように屈曲している間に他方上で一方が摺動するようになっている。隣接する椎骨に関連する、上方及び下方の関節突起素子により各々画定される２つの関節突起素子が存在する。健全な椎間板は図３に示す。図３に示すように、椎間板は４つの区域：即ち、髄核１１、推移帯１３、内側の線維環区域１５及び外側の線維環１７を有する。一般に、内側の線維環区域１５及び外側の線維環区域１７はその上方及び下方で椎骨本体に強固に取り付けられた繊維性の軟骨質の材料の層で構成される。髄核１１は典型的には本来、より水和性である。

これらの椎間板はショックアブゾーバ及び関節として機能する。椎間板は脊柱に作用することのある圧縮及び引っ張り荷重を吸収するように設計され、同時に、特に脊椎の曲げ（撓み）中、隣接する椎骨本体が互いに関して限られた量だけ移動するのを許容する。従って、椎間板は常に筋力及び（又は）重力の圧力下にあり、一般に「磨耗及び破断」の兆候を示すための腰部脊椎の第１の部分となる。

関節突起関節の退化も一般的である。その理由は、関節突起が脊椎と一緒にほぼ常に運動するからである。実際に、関節突起関節の退化及び椎間板の退化はしばしば一緒に生じる。一般に、脊椎の変化した力学から由来して、一方が主要な問題となり、他方が二次的な問題となることがあるが、手術的なオプションを考えることにより、関節突起関節の退化及び椎間板の退化の双方が典型的に生じていた。例えば、関節突起関節及び（又は）椎間板の変化した力学は脊椎の狭窄、退化的な脊椎すべり症及び退化的な脊柱変形を生じさせることがある。

これらの状態を処理するための１つの手術手順は前方及び（又は）後方の双方において遂行されてきた脊椎関節固定（即ち脊椎融着）である。後方手順は本来の場所での融着、後方横方向の器具による融着、大後頭孔腰部体内融着（「ＴＬＩＦ」）及び後方腰部体内融着（「ＰＬＩＦ」）である。そのレベルでのいかなる運動をも排除するように脊椎セグメントを頑丈に融着すると、当面の徴候を緩和できるが、ある患者にとっては、運動を残しておくほうが有利な場合がある。また、退化した椎間板又は関節突起関節をそれぞれ人工の椎間板又は人工の関節突起関節と手術的に交換することが知られている。しかし、既知の装置又は方法はいずれも本開示の実施の形態の利点を提供しない。

従って、上述のことから、既知の移植片及び手術技術の欠陥及び欠点を回避する改善された脊椎関節形成の要求がある。

１つの実施の形態においては、人工椎骨関節は上位の椎骨と下位の椎骨との間に介挿される。人口椎骨関節は上位の椎骨のエンドプレート即ち端板に係合するようになった第１の表面を備えた頭側の関節素子と、第１の前方の関節運動表面と、第１の表面から延び、端板の一部に係合するようになった支持タブとを有する。端板の一部は第１の表面から端板の後縁へ延びる。関節は更に下位の椎骨の端板に係合するようになった第２の表面を備えた尾側の関節素子と、頭側の関節素子と尾側の関節素子との間に介挿されるようになったスペーサ素子とを有する。

第２の実施の形態においては、上位及び下位の椎骨間に人工脊椎装置を移植する方法は上位及び下位の椎骨間の椎間板空間へアクセスするために第１の露出部を生じさせる工程と、第１の露出部を通して人工脊椎装置の少なくとも一部を挿入する工程とを有する。方法は更に人工脊椎装置の頭側の素子を上位の椎骨の下位の端板に係合させる工程と、頭側の素子から後方へ延びるように支持タブを位置決めする工程と、支持タブを下位の端板の少なくとも一部に係合させる工程とを有する。下位の端板のその部分は頭側の素子から端板の後縁へ延びる。方法は更に人工脊椎装置の尾側の素子を下位の椎骨の上位の端板に係合させる工程を有する。

第３の実施の形態においては、人工脊椎関節は上位の椎骨と下位の椎骨との間のカップリングの一部を生じさせる。関節は前方の関節交換素子と、前方の関節交換素子に結合され、上位及び下位の椎骨のほぼ円筒状の本体の一方又は双方を越えて前方の関節交換素子から後方に延びるブリッジとを有する。関節は更にブリッジに結合された後方の関節交換素子と、前方の関節交換素子に結合され、上位の椎骨のほぼ円筒状の本体の後方表面に係合する支持タブとを有する。

開示する実施の形態は腰部脊椎、後方外傷性の椎間板起因の関節突起の痛み又は脊椎すべり症の退化的な変化に対して及び（又は）腰部の脊椎の複数のレベルでの運動を維持するか又は融着を発生させるために有用となることができる。

付加的な及び代替の特徴、利点、使用及び実施の形態は以下の説明、添付図面及び特許請求の範囲に記載されるか又はそれらから明らかとなろう。

図面は椎間板又は椎間板と少なくとも１つの対応する関節突起関節との組合せと交換するようになった人工椎骨間関節の種々の実施の形態を示す。本開示の原理に係る人工椎骨間関節の種々の実施の形態は、特に例えば腰部脊椎の退化的な変化、後方外傷性の椎間板起因の関節突起の痛み又は脊椎すべり症を含む関節交換をそれ自体招くようないかなる問題をも処理し及び（又は）腰部脊椎の複数のレベルでの運動を維持するために使用することができる。

図４−７は人工椎骨間関節の第１の代表的な実施の形態を示す。図４及び５に示すように、各関節はスペーサ即ち板（ディスク）１９と保持部分２１とを各々備えた２つの関節形成半部分を有する。保持部分２１は第１の保持部分２１ａと第２の保持部分２１ｂとを有する。図４に示す例においては、第１の保持部分２１ａは第２の保持部分２１ｂの上位（上方）にあり、板１９はこれらの間に位置する。この代表的な実施の形態に係る人工椎骨間関節は第１の保持部分及び第２の保持部分の各々に対して２つの半部分を有するが、人工椎骨間関節が単一の第１の保持部分、単一の第２の保持部分及び単一のスペーサを有するような代わりの実施の形態を履行することができることを理解すべきである。また、不等寸法の半部分又は３つ以上の素子でそれぞれ構成された第１の保持部分、第２の保持部分及び（又は）板を有する関節形成物を用いて、代わりの実施の形態も実行できることを理解すべきである。

更に、図４に示すように、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂは２つの隣接する椎骨間に位置する。一層詳細には、第１の保持部分は２つの隣接する椎骨のうちの上方の椎骨の下位表面に沿って位置することができ、第２の保持部分は２つの隣接する椎骨のうちの下方の椎骨の上位表面の上方に位置することができる。しかし、当業者なら、第１の保持部分及び第２の保持部分はこのような配列に限定されず、異なる方位に指向できるか及び（又は）図示のものとは異なって形状づけできることを理解すべきである。

椎骨の残っている端板に接触する関節形成物の保持部分２１ａ、２１ｂの表面は、骨の成長（内植）及びその間の強固な接続を促進させるように、ビード材料で被覆できるか又はプラズマスプレーを施すことができる。特に、骨の成長を促進させるための表面はチタン／カルシウム／リン酸塩のダブルコーティング、メッシュ表面又は任意の他の有効な表面仕上げを伴うコバルト／クロム／モリブデン合金とすることができる。代わりに又は加えて、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）のような接着剤又はセメントを使用して、移植片のすべて又は一部を端板の一方又は両方に固定することができる。

後に詳細に説明するが、ある実施の形態では約３００度である外側の環区域１７（例えば図４、７Ｂ参照）のかなりの部分は端板の下位部分上に保持することができ、保持部分をそのそれぞれの椎骨に強固に取り付けるために骨の成長が生じるまで下方の保持部分を適所に保持するストッパとして作用する（図４は保持される外側の環１７の一部のみを示す）。これとは逆に、従来の前方関節形成においては、典型的には、外側の環区域１７の約２７０度が除去される。更に、茎スクリューはまた以下に説明する他の実施の形態に関連して一層詳細に説明するような即時固定のために使用することができる。

この開示の種々の実施の形態においては、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂはその間に板１９を保持するように構成される。例えば、２つの凸状の表面１９ａを備えた板１９の場合、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂの各々は、その中で板１９を保持できる空間を画定する凹状の表面２１ｃを有することができる。例えば、図４に示す代表的な実施の形態においては、板１９の上方の凸状表面１９ａは第１の保持部分２１ａの凹状表面２１ｃにより画定されるくぼみ内に嵌合し、板１９の下方の凸状表面１９ｂは第２の保持部分２１ｂの凹状表面２１ｃにより画定されるくぼみ内に嵌合する。

図５は両方の関節形成半部分を適所に備えた代表的な組立てられた人工椎骨間関節の前方図を示し、図６は図５に示す組立てられた人工椎骨間関節の側面図を示す。図５、６に示すように、板１９は第１の保持部分２１ａと第２の保持部分２１ｂとの間に保持される。板１９は第１の保持部分２１ａと第２の保持部分２１ｂとの間に保持できるが、板１９は第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂの対応する表面２１ａにより画定される空間内で摺動できることを理解すべきである。このようにして、隣接する椎骨間の限られた運動が提供される。

図４、５、６に示す代表的な実施の形態においては、板１９は第１の保持部分２１ａと第２の保持部分２１ｂとの間に挿入される別個の素子である。しかし、後に説明するが、スペーサ即ち板１９は第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂの一方又は双方と一体的に形成できるか又はこれらに組み込むことができることを理解すべきである。

開示の代表的な実施の形態においては、図４、６、７Ａ、７Ｂに明示するように、人工椎骨間関節の各保持部分は第１の人工関節突起素子２３ａと、第２の人工関節突起素子２３ｂとを有する。図７Ａ、７Ｂに示すように、第１の人工関節突起素子２３ａは面２５ａを有し、対応する第２の人工関節突起素子２３ｂは、他方の椎骨に関する各椎骨の運動性を保持し、案内しながら、隣接する椎骨を安定化させるために面２５ａが面２５ｂに対応的に嵌合するように形状づけられた面２５ｂを有する。各セットの上方及び下方の保持部分２１ａ、２１ｂは一緒になって関節突起関節を画定する一対の関節突起素子２３ａ、２３ｂを有することができる。この実施の形態に従った関節突起との全体の関節交換に対して、左右の関節形成物は、後方から見た場合に、２つの隣接する関節突起関節を画定する。

人工関節突起関節を設けたと否とに拘わらず、関節形成物の左右の半部分に関連するそれぞれの上方及び下方の保持部分は互いに完全に独立することができる。すなわち、図７Ａに示すように、例えば、各半部分に関連する第１の保持部分２１ａは互いに接触しない。図７Ｂに示す第２の保持部分２１ｂに関しても同じことが言える。しかし、当業者なら、人工関節突起関節を含む開示の実施の形態においても、各半部分の第１の保持部分２１ａの少なくとも一部及び（又は）各半部分の第２の保持部分２１ｂの少なくとも一部は、図１７−１８の説明に関連して一層詳細に説明するように、互いに直接接触できるか及び（又は）互いに接続できることを理解すべきである。

更に、開示の種々の実施の形態においては、板１９、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂは各隣接する表面間でほぼ横断方向における上述の摺動運動を提供しながら、圧縮及び引っ張り力を伝達する接続を容易にする任意の適当な材料で作ることができる。例えば、第１の実施の形態においては、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂは典型的には、ステンレス鋼、チタン及びコバルトクロムのような手術用移植片に適した任意の金属又は金属合金から、又は炭素繊維のような複合材料から、又はポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）のようなプラスチック材料から、又は他の適当な材料から作ることができる。板は高分子量ポリエチレン又はＰＥＥＫのようなプラスチックから、又はセラミック、金属及び、これらに限定されないが、炭素繊維、ゴムのような天然又は合成繊維から、又は他の適当な材料から作ることができる。一般に、表面の摺動特性を維持する補助を行うため、表面は円滑な表面を提供するように研磨できるか及び（又は）コーティングできる。例えば、表面を金属で作った場合は、金属表面は研磨した金属とすることができる。

図８−１４は人工椎骨間関節の第２の実施の形態を示す。第１の実施の形態とは異なる特徴のみをここで詳細に説明する。第２の代表的な実施の形態においては、例えば茎スクリュー２７のような固定素子を設けて、対応する椎骨に対する第１の保持部分２１ａ及び（又は）第２の保持部分２１ｂの各々間の一層の固定及び即時の接続を提供する。更に、この実施の形態は保持部分の一方、ここでは下方の保持部分２１ｂと一体化された板１９を示す。板１９はその保持部分と同じ材料から一体的に形成することができるが、また、類似又は非類似の材料から別個に形成され、一体のユニットを形成するようにそれに恒久的に接続することができる。この実施の形態においては、板１９及び保持部分はすべて金属から形成することができる。

図１５、１６は人工椎骨間関節の第３の実施の形態を示す。第３の代表的な実施の形態においては、例えば張力バンド３１のような付加的な固定素子を設けて、第１の保持部分２１ａを第２の保持部分２１ｂに固定することにより、隣接する椎骨間の運動性を制限する後方の靭帯の機能を補足するか又はその機能を代替する。図１５−１６に示すように、後方の張力バンド３１は、対応する茎スクリュー２７又は他の便利な取り付け地点のまわりにバンドを巻き付けることにより、設けることができる。

図１７、１８は人工椎骨間関節の第４の実施の形態を示す。図１７、１８に示す代表的な実施の形態においては、人工椎骨間関節は人工関節突起関節を除いて上述のすべての特徴を有することができる。この実施の形態においては、天然の関節突起関節を残す。ある実施の形態では、靭帯のような張力バンドもまたそのまま残すことができる。更に、この実施の形態は、第１の保持部分２１ａ及び第２の保持部分２１ｂの配置を維持する補助を行う、それぞれの上方及び下方の保持部分間の前方中心線接続の特定の例を含む。

図１７、１８は、第２の保持部分２１ｂ上に設けられた対応する嵌合部分により補い合うロック及びキー形式のパターンを備えた第１の保持部分２１ａを提供することが可能であることを示す。一層詳細には、第１の保持部分２１ａの半部分はＵ字状の部分３５ａを備えた外側境界を有し、一方、対応する第１の保持部分２１ａの他方の半部分はＵ字状の部分３５ａ内へ嵌合する突出部分３５ｂを備えた外側境界を有する。その結果、第１の保持部分２１ａの各半部分は所定の位置に維持することができる。しかし、上方又は下方の保持部分は、移植を容易にするか及び（又は）ほぼ安定した対称的な形状で関節を提供及び（又は）保持する補助を行うような任意の態様で、例えばその中心線前方部分の近傍において、体内空間内で一緒に嵌合することができるか及び（又は）接続することができる。図１８に示すような下位の端板上に残った環１７により提供される内向きの力のために、下方の保持部分間にこのような接続を設けることがむしろ重要となる。それぞれの下方の保持部分間の中心線接続は中心線３７の方へ保持部分を移動させる傾向を有する外側の環の力に抵抗する。

種々の代表的な実施の形態に示すように、第１及び（又は）第２の保持部分の、互いに関する部分の位置を維持するためにロック及びキーのように一緒に嵌合できる部位を除いては、人工椎骨間関節の各半部分は椎骨の中心線３７のまわりでほぼ対称的になることができる。

重ねて言うが、これらの代表的な実施の形態は単なる例示であって、本発明のすべての可能なデザイン、履行、修正及び使用を排斥する意図のものではない。更に、開示の１つの実施の形態に関連して説明した特徴は、明白に上述していない場合でさえ、他の実施の形態に関連して使用することができる。

当業者なら上述の説明から容易に明白となるはずであるが、人工関節を移植するために使用できる適当な手術手順の簡単な説明を以下に行う。一般に、上述のように、人工椎骨間関節は既知のＴＬＩＦ又はＰＬＩＦ手順と類似の後方大後頭孔接近法を使用して体内に移植することができる。この接近法によれば、中心線切開のような切開を患者の背中に対して行うことができ、冒された椎間板及びまわりの組織の一部又は全部を、孔を介して除去することができる。関節突起関節のいずれが交換されるかに応じて、天然の関節突起関節は人工関節突起関節のための余地を作るように切り取ることができる。次いで、人工椎骨間関節の半部分を、それぞれ左右の大後頭孔開口を通して部片ごとに挿入することができる。すなわち、上方及び下方の保持部分（関節突起素子を有する場合も有さない場合も）及び別個に提供される場合は人工板も含む人工椎骨間関節の部片は孔を通して嵌入され、適当な椎骨間空間内に配置される。人工関節の部片は完全に別個とすることができ、または、それらのうちの２又はそれ以上は、孔を通しての挿入前に、布又は当業界で既知の他の材料により一緒に結束するか又は梱包することができる。天然の椎間板の外側の環の少なくとも一部を保持できるような場合は、人工椎骨間関節の各側の下方の保持部分は、これらが環の対応する部分に当接するように、挿入される。中心線前方接続が提供される場合、保持部材の左右の半部分は一緒に嵌合され、外側の環により適所に保持される。このように、環の残りの部分は手順前にあった場所と実質上同じ場所をとることができる。

更に、天然の椎間板の環を完全に除去しなければならないか又は不十分な環が残っているような場合は、例えば、人工椎骨間関節の部片が適所に残ることを保証するように茎スクリューを実行するような開示の実施の形態を使用することができる。当業者なら、後方手順の利点が制限されるが、人工関節は前方接近法又は前方及び後方の組合せ接近法を介して移植できることを理解すべきである。例えば、人工椎骨間関節の部片のいくつかは前方接近法で挿入することができ、残りは後方から挿入できる。前方及び後方から配置された部分は図１７、１８に示す実施の形態と同様に一緒に嵌合することができる。

ここで図１９を参照すると、この実施の形態においては、人工椎骨間関節１００は椎骨７、９間に挿入できる２つの関節形成半部分１０２、１０４を有することができる。関節形成半部分１０２は頭側の前方関節素子１０６と、頭側の後方関節素子１０８と、前方素子１０６と後方素子１０８との間を延びる頭側のブリッジ１１０とを有することができる。関節形成半部分１０２はまた頭側の前方間接素子１０６から延びる支持タブ１１１を有することができる。関節形成半部分１０２は更に尾側の前方関節素子１１２と、尾側の後方関節素子１１４と、前方素子１１２と後方素子１１４との間を延びる尾側のブリッジ１１６とを有することができる。頭側の前方関節素子１０６は骨接触表面１０６ａを有することができ、尾側の前方関節素子１１２は骨接触表面１１２ａを有することができる。関節形成半部分１０４は、構造上及び機能上、関節形成半部分１０２と実質上同様とすることができ、それ故、更なる詳細は説明しない。

ある実施の形態においては、「頭側」及び「尾側」という用語は実施の形態の素子の位置を説明するために使用される。当業界では、頭側は典型的には頭に向かう位置を説明するために使用され、尾側は尾又は足に向かう位置を説明するために使用されるが、ここで使用するように、頭側及び尾側は単に図示の実施の形態の素子の相対位置のための修飾語句として使用される。例えば、頭側の素子は図示の関節の片側に位置することができ、尾側の素子は関節の反対側に位置することができる。図示の実施の形態を説明するために頭側又は尾側と呼んだ素子は患者の解剖学的構造に関する装置の方位又は方法の適用の方位を限定する意図のものではなく、また、任意の装置又は方法に対する特許請求の範囲を制限する意図のものではない。

この実施の形態においては、頭側のブリッジ１１０は出て行く神経根のための出口門戸及び人工孔を生じさせるためのジョグ（突起又は凹所）１１７を有することができる。ブリッジ１１０、１１６のいずれか、特に尾側のブリッジ１１６は天然の茎を補足又は代替できる「極上の」即ち人工の茎とすることができる。また、この実施の形態においては、尾側の前方関節素子１１２は湾曲した突出部１１８を有することができ、尾側の後方関節素子１１４は後方の突出部１２０を有することができる。頭側の前方関節素子１０６は湾曲した突出部１１８を受け入れるように形状づけられた前方のソケット１２２を有することができる。湾曲した突出部１１８のための曲率半径は高度に拘束されたボール及びソケット形式の係合を生じさせるように前方のソケット１２２のための曲率半径と緊密に調和できる。代わりの実施の形態においては、湾曲した突出部の半径に関してソケットのための曲率半径を増大させることにより、湾曲した突出部はソケット内で移動することができる。前方のソケット１２２は湾曲した突出部１１８の回転中心１２３のまわりで関節運動できる。

頭側の後方関節素子１０８は後方の突出部１２０と係合するように形状づけられた後方のソケット１２４を有することができる。後方の突出部１２０のための曲率半径は後方のソケット１２４のための曲率半径よりも小さくすることができ、それによって、後方の関節素子１０８、１１４間の運動を許容し、結合を制限する。後方のソケット１２４及び後方の突出部１２０のための曲率半径は関節形成半部分１０２のための共通の回転中心から出発することができる。この実施の形態においては、後方のソケット１２４のための曲率半径は比較的大きく、結果としての関節は緩く拘束される。代わりの実施の形態においては、厳格な曲率半径を有する頭側の後方素子と適合する尾側の後方素子の後方の突出部のための厳格な曲率半径は高度に拘束された後方の関節を生じさせることができる。

前方の素子１０６、１１２及びブリッジ素子１１０、１１６の寸法及び形状は後方の手術接近法の制約により制限されることがある。例えば、前方の素子１０６、１１２は、後方の手術用露出部、カンビンの(Kambin’s)三角形及び他の神経性素子を通して依然として取り付けたまま、負荷を分散させ、陥没を減少させるために椎骨の最大の端板領域を覆うように形状づけることができる。最大の表面被覆を達成するため、前方の素子１０６、１１２の材料はそれぞれ湾曲した突出部１１８及び前方のソケット１２２から前方に延びることができる。ブリッジ素子１１０、１１６の幅はまたカンビンの三角形を通過し、神経性素子と共存するように最小化される。

関節形成半部分１０２は更に椎骨７、９への取り付けのための構造を有する。しかし、代わりの実施の形態においては、固定構造は省略することができることを理解すべきである。関節形成半分部分１０２は尾側の後方関節素子１１４に取り付けられるか又はこれと一体的に形成された接続素子１３４を有することができる。この実施の形態では、接続素子１３４はスクリュー１３６のような骨ファスナーを受け入れるようになった開口である。接続素子１３４の方位は、スクリューが茎を通って画定される中心軸線から傾斜した即ち斜めに離れた経路を進むように、スクリュー１３６が茎外的に挿入されるのを許容する。茎外固定は茎を通ってほぼ後方／前方に画定された中心軸線を通る経路を通らないように向けた茎内への任意の固定とすることができる。この実施の形態においては、スクリューは茎の横壁を通過し、強靭な皮質固定を達成することができる。すべての実施の形態において、スクリューは関節、柔らかな組織及び神経性構造と干渉しないようにくぼみを有することができる。代わりの実施の形態においては、例えば図１４に示すように、後方の素子１１４から延びる接続素子は、スクリューが茎を通る中心軸線にほぼ沿った経路を進むように、スクリューが茎内的に挿入されるのを許容するように方位決めできる。更に別の代わりの実施の形態においては、後方の接続素子はほぼ円筒状の本体部分９ａに接続できる。他の代わりの実施の形態においては、接続素子は関節形成半部分の種々の素子から種々の角度で種々の方向に延びることができることを理解すべきである。例えば、接続素子は、頭側の前方関節素子からではなく、頭側のブリッジから延びることができる。別の代わりの実施の形態においては、支持タブはスクリューのような骨ファスナーを受け入れるようになった開口のような接続素子を有することができる。この接続素子の方位は、スクリューが円筒状の椎骨本体７ａに固定されるのを許容することができる。

図１９に示すように、関節形成半部分１０２の頭側の素子１０６、１０８、１１０、１１１は一体的に形成される。基準寸法の（モジュール化した）代わりの実施の形態においては、これらの素子は互いに着脱自在に結合できることを理解すべきである。例えば、頭側の前方関節素子はブリッジとは別個に設置できる。前方の素子を適所に配置した後、例えばネジ接続、ボルト接続又はラッチ接続のような当業界で既知の任意の締結機構により、ブリッジを前方の素子に取り付けることができる。次いで、同様の締結機構により、関節形成半部分の頭側の部分を完成させるために、基準寸法の頭側の後方素子をブリッジに取り付けることができる。

関節形成半部分１０２、１０４はコバルト／クロム合金、チタン合金、ニッケル／チタン合金及び（又は）ステンレス鋼合金のような金属を含む任意の適当な生物学的適合性の材料で形成することができる。酸化アルミニウム即ちアルミナ、酸化ジルコニウム即ちジルコニア、粒状ダイアモンドのコンパクティング物及び（又は）熱分解炭素のようなセラミック材料も適している。ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、炭素で補強したＰＥＥＫ又はポリエーテルケトンケトン（ＰＥＫＫ）のようなポリアリルエーテルケトン（ＰＡＥＫ）族の任意のもの；ポリスルフォン；ポリエーテルアミド；ポリイミド；超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）；及び（又は）交差結合ＵＨＭＥＰＥを含むポリマー材料も使用することができる。関節形成半部分１０２、１０４を構成する種々の素子は異なる材料で形成することができ、従って、金属上の金属、セラミック上の金属、ポリマー上の金属、セラミック上のセラミック、ポリマー上のセラミック又はポリマー上のポリマーという構成を許容する。

支持タブ１１１を含む関節形成半部分１０２、１０４の骨接触表面は移植された補綴物の固定を向上させる特徴又はコーティングを有することができる。例えば、表面は化学エッチング、ビードブラスティング、研磨、研削、セレーション即ち刻み目付け及び（又は）ダイアモンド切削のようなものにより粗面化できる。関節形成半部分１０２、１０４の骨接触表面の全部又は一部はまた、骨の成長及び固定を促進させるために、ヒドロキシアパタイト（ＨＡ）、３リン酸カルシウム（ＴＣＰ）及び（又は）炭酸カルシウムのような生物学的適合性で骨伝導性の材料で被覆することができる。代わりに、形質転換成長因子（ＴＧＦ）ベータ超科からのタンパク質又はＢＭＰ２やＢＭＰ７の如き骨形態発生タンパク質のような骨誘起コーティングを使用することができる。他の適当な構造はスパイク、***部及び（又は）他の表面組織を含むことができる。

人工椎骨間関節１００は以下に述べるように椎骨７、９間に設置できる。関節形成半部分１０２に関して設置を説明するが、関節形成半部分１０４は同様の態様で設置できることを理解されたい。一般に、上述のように、人工椎骨間関節１００は既知のＴＬＩＦ又はＰＬＩＦ手順に類似する後方大後頭孔接近法を使用して体内に移植することができる。ＰＬＩＦ接近法は一般に一層中間的で、椎骨間空間にアクセスするために横断する根及び硬膜の一層の引き出しに依存する。これらの構造間の空間はカンビスの三角形として知られる。ＴＬＩＦ接近法は典型的には一層傾斜的で、出て行く根の一層少ない引き出しで済みかつ横断する構造の一層少ない引き出しを伴う一層少ない硬膜外出血で済む。また、出て行く神経根の位置の上方及びカンビンの三角形の外部で、遠方横方向の接近法を使用して椎骨間空間にアクセスすることができる。ある例においては、関節突起を切除することなく、遠方横方向接近法を介して椎骨間空間にアクセスすることができる。更に、腰筋を通しての直接横方向接近法が知られている。この接近法は後方の神経性素子を完全に回避する。本発明の実施の形態はこれらの普通の接近法の任意のものを利用できることを予期する。少なくとも１つのこのような接近法によれば、中心線切開のような切開が患者の背中に施され、冒された椎間板及び周りの組織の一部又は全部は孔を通して除去することができる。椎骨９の上位の端板表面は、尾側の前方骨接触表面１１２ａのプロフィールに適合するように、椎骨９の上位の端板表面上の応力分布を正常化するように及び（又は）骨成長前に初期の固定を提供するように、ミリング加工、やすり加工又は他の方法で切除することができる。椎骨９の端板の準備は平坦化した表面又はポケットや溝のような表面輪郭又は骨接触表面１１２ａ上の対応する構造に適合できる他の輪郭を生じさせることができる。椎骨７の下位の端板は、出て行く神経根及び背側の根神経節により許される程度まで、頭側の前方関節素子１０６を受け入れるように同様に準備することができる。いずれの関節突起関節が交換されるか否かに応じて、椎骨７、９の天然の関節突起関節は後方の素子１０８、１１４のための余地を作るようにトリミングできる。

次いで、それぞれ左右の大後頭孔開口を通して、人工椎骨間関節１００の半部分１０２、１０４を部片ごとに挿入できる。すなわち、頭側及び尾側の前方関節素子１０６、１１２を含む人工椎骨間関節１００の部片はそれぞれ孔を通して取り付けられ、ほぼ円筒状の本体７ａ、９ａ間の適当な椎間板空間内に配置される。人工関節１００の部片は完全に分離することができるか、または、それらのうちの２又はそれ以上は、孔を通して挿入される前に、布又は当業界で既知の材料により一緒に結束又は梱包できる。天然の椎間板の外側の環の少なくとも一部を保持できるような場合は、人工椎骨間関節の各側の尾側の前方関節素子は、これらが環の対応する部分に当接するように、挿入される。

前方のソケット１２２は湾曲した突出部１１８と関節運動係合するように配置することができる。ソケット１２２及び突出部１１８により形成される関節の回転中心１２３は椎骨７、９間の椎間板空間を通って横方向に延びる中心軸線１２６の後方に位置することができる。ブリッジ１１０、１１６は前方の関節素子１０６、１１２から後方に及び椎間板空間から後方に延びることができる。後方の素子１０８、１１４は天然の関節突起の機能を代替又は補足するために椎間板空間の後方に位置する。スクリュー１３６は接続素子１３４を通して茎のような隣接する骨内に挿入することができる。

支持タブ１１１は椎骨７特に下位の端板７ｆの後方部分の陥没を阻止するように椎骨７のほぼ円筒状の本体部分７ａの後方表面に係合できる。支持タブ１１１は端板７ｆに接する接触表面１０６ａの僅かな繰り返しの運動からでさえ由来することのある端板７ｆの陥没を阻止又は制限することができる。支持タブ１１１により提供される付加的な表面領域は椎骨７の一層大きな表面積にわたって力を分散させることができ、従って、後方の陥没パターンを減少させることができる。支持タブは神経性構造を避け、強靭な骨上での目標の坦持支持を更に提供するように形状づけることができる。タブ１１１は本体部分７ａの天然の輪郭を追従でき、従って、骨接触表面１０６ａに対して９０度以外の角度を形成することができる。

設置されたとき、頭側の前方関節素子１０６及び尾側の前方関節素子１１２により生じる前方のボール及びソケット形式の関節は比較的安定し、自動的にセンタリングできる。
頭側の後方関節素子１０８及び尾側の後方関節素子１１４によっても生じる前方の関節及び後方の関節の双方は、関節形成半部分１０２がせん断力特に前方／後方の力に抵抗するのを許容する。尾側の前方関節素子１１２に関する頭側の前方関節素子１０６の運動は後方のソケット１２４内での後方の突出部１２０の変位により制限され得る。例えば、尾側の前方関節素子１１２に関する頭側の前方関節素子１０６の横方向の並進運動は後方の関節により制限され得る。円筒状の本体７ａ、９ａにより画定される長手軸線のまわりでの回転運動は後方の関節内での拘束及び２つの関節形成半部分１０２、１０４によって提供される組合せの拘束の双方により制限され得る。更に、後方の関節はいかなる実際の横方向の曲げの自由度をも制限する可能性がある。

純粋な運動の自由は関節形成半部分１０２、１０４の前方の関節を通って画定される軸線のまわりでの曲げ／伸び運動に制限され得る。しかし、ある条件の下では、関節１００はこれらのデザインの制約に打ち勝ち、限られた横方向の運動、回転方向の運動及び結合された運動を許容することができる。例えば、前方の関節素子１０６、１１２は互いに接続解除でき、限られた「離昇」を体験することができ、それによって付加的な自由度及び厳格な曲げ／伸び運動を越えた結合運動を許容する。前方の関節の自動センタリング特性は、離昇が生じた後に、再接続及び整合を助長することができる。前方の関節素子１０６、１１２の限られた接続解除は後方の関節内での拘束度により達成することができる。例えば、後方の関節内での比較的緩い拘束は一層大きな量の離昇を許容する。しかし、後方の関節内でのある度合いの拘束は前方の関節の再接続及び整合を助長するのに有用になることがある。

一般に、同じ又は同様の曲率半径を有する各素子により厳格に拘束される簡単で前方に位置するボール及びソケット関節は、せん断力に抵抗し、並進運動を制限しながら、曲げ／伸び、横方向の曲げ及び捩り運動を許容する。付加的な高度に拘束されたボール及びソケット関節を後方の素子に追加することにより、捩りのような付加的な自由度を制限することができる。付加的な関節は運動の自由度を更に制限できる。前方又は後方の関節が接続解除又は無関節運動を許される場合は、付加的な自由度は上述のように許容できる。ボール及びソケット素子間の間隙の形状を変えても、付加的な自由度を許容する。

前方及び後方の関節の頑丈で許容度の大きな構造はまた関節形成半部分１０２、１０４の配置における不整合及び僅かな不正確さを許容する。例えば、前方の関節素子１０６、１１２の自動整合ボール及びソケット構造は素子間のある量の不整合を黙認する。従って、素子１０６、１１２のための挿入軌道は僅かに不整合であってもよい。後方の突出部１２０及び後方のソケット１２４の相互作用はまた関節形成半部分１０２、１０４間の平行についての不整合及び前後方向での不整合を許すことができる。

ここで図２０を参照すると、この実施の形態においては、人工椎骨間関節２００は椎骨７、９間に挿入できる２つの関節形成半部分２０２、２０４を有することができる。人工椎骨間関節２００は、説明する差異を除き、人工椎骨間関節１００と実質上類似の構造、設置及び運動を伴うことができる。関節形成半部分２０２は頭側の前方関節素子２０６と、頭側の前方関節素子２０６から延びる支持タブ２０８とを有することができる。骨スクリュー２１０のような接続素子は支持タブを通って延びることができる。関節形成半部分２０２は更に尾側の前方関節素子２１２と、尾側の後方素子２１４と、前方素子２１２と後方素子２１４との間を延びる尾側のブリッジ２１６とを有することができる。頭側の前方関節素子２０６は骨接触表面２０６ａを有することができ、尾側の前方関節素子２１２は骨接触表面２１２ａを有することができる。

椎骨７、９間での人工椎骨間関節２００の設置は、次の差異を除いて、人工椎骨間関節１００について上述したように遂行できる。完全な又は部分的なラミネクトミー即ち椎弓切除は椎骨７上で遂行することができる。支持タブ２０８は椎骨７特に下位の端板７ｆの後方部分の陥没を阻止するために椎骨７のほぼ円筒状の本体部分７ａの天然の又は切除された後方表面に係合できる。支持タブ２０８により提供される付加的な表面領域は椎骨７の一層大きな表面積にわたって力を分散させることができ、従って、後方の陥没パターンは関節２００の使用過程中に減少させるか又は排除することができる。支持タブ２０８は本体部分７ａの高さ２２０の半分以上延びることができる。代わりの実施の形態においては、支持タブは全体の高さ２２０を含む任意の所望の高さを跨ぐことができる。支持タブは強靭な骨上で目標の坦持支持を更に提供するために神経性構造を避けるように形状づけすることができる。タブ２０８は本体部分７ａの天然の又は切除された輪郭を追従することができ、従って、骨接触表面１０６ａに対して９０度以外の角度を形成することができる。タブ２０８は接続素子により本体部分７ａに取り付けることができ、この実施の形態では、タブ２０８を通して椎骨７内へ骨スクリュー２１０を挿入する工程を有する。代わりの実施の形態においては、タブを椎骨に取り付けるために複数のスクリューを使用することができる。この実施の形態においては、頭側の後方関節素子は省略されるが、代わりの実施の形態においては、後方の関節の拘束を提供するために、素子１０８と同様の頭側の前方関節素子を含むことができる。

ここで図２１を参照すると、この実施の形態においては、人工椎骨間関節２５０は２つの端板組立体２５４、２５６間に介挿されたスペーサ２５２を有することができる。２００２年１月９日に出願された「椎骨間補綴関節」という名称の米国特許出願番号第１０／０４２，５８９号及び２００４年１月７日に出願された「可動性軸受関節運動板」という名称の米国特許出願番号第１０／７５２，８６０号は、参照としてここに組み込むが、椎骨間関節２５０と同様の椎骨間関節を開示している。しかし、椎骨間関節２５０は椎骨７における陥没パターンの形成を減少又は阻止するために１又はそれ以上の付加的な支持タブ２５８を有することができる。この実施の形態においては、端板組立体２５４は外部の表面２６０と、上位の保持部分２６２とを有することができる。この実施の形態においては、スペーサ２５２は、下位の外部表面２６４を有することのできる端板組立体２５６と一体的に形成することができる。保持部分２６２は、スペーサ１０２の形状に適合し、そのスペーサ内での円滑な関節運動を許容するくぼみとすることができる。

この実施の形態においては、関節２５０は前方接近法を使用して椎骨本体７、９間に設置することができる。スペーサ２５２は上位の保持部分２６２と関節運動接触するように配置することができる。この実施の形態においては、外部の表面２６０は後縁の陥没を阻止するように端板７ｆの後縁まで延びなくてもよく、支持タブ２５８は外部の表面２６０と端板７ｆの後縁との間の端板７ｆの部分に係合できる。支持タブ２５８は更に椎骨７の陥没を阻止するように椎骨７のほぼ円筒状の本体部分７ａの後方表面に係合できる。支持タブ（単数又は複数）２５８により提供される付加的な表面領域は椎骨７の一層大きな表面積にわたって力を分散させることができ、従って、後方陥没を減少させることができる。支持タブは神経性構造を避けて強靭な骨上に目標の坦持支持を更に提供するように形状づけることができる。タブ２５８は本体部分７ａの天然の輪郭を追従でき、従って、骨接触表面２６０に対して９０度以外の角度を形成することができる。代わりの実施の形態においては、１又はそれ以上の支持タブは、椎骨７上で力を分散させ、陥没を減少させるように、下位の外部表面から延びることができる。しかし、下位の外部表面から延びた支持タブは神経性構造に対して衝突を招くことがある。従って、タブが上位の素子上にあり下位の素子から排除されるような非対称的な態様で支持タブを適用することにより、神経根を保護することができる。

ここで図２２を参照すると、人工椎骨間関節は、支持タブ２７２、２７４が比較的直線状にでき、端板７ｆのみと係合して、ほぼ円筒状の本体部分７ａの後方表面に係合するような角度又は湾曲を排除するようにした点を除いて、端板組立体２５４と実質上類似となることができる端板組立体２７０を有することができる。

ここで図２３を参照すると、脊椎移植片は融着すなわち固定ケージ３００とすることができ、上位の表面３１０及び下位の表面３１２を有することができる。脊椎移植片は、支持タブ３１４の付加を除いて参照としてここに組み込む、２００２年１１月１日に出願された「横方向に膨張できるケージ」という名称の米国特許第６，７２３，１２６号明細書に開示された移植片と実質上類似のものとすることができる。支持タブ３１４は椎骨の端板７ｆに係合するように上位の表面３１０から後方に延びることができる。支持タブ３１４は端板７ｆに接する上位の表面３１０の僅かな繰り返し運動によってさえ生じることのある端板７ｆの陥没を阻止又は制限できる。支持タブは融着や椎間板交換物の運動保持を促進させるためのケージを有する任意の脊椎移植片と一緒に使用できることを理解されたい。

ここで図２４を参照すると、この実施の形態においては、人工椎骨間関節の一方の関節形成半部分４０２は椎骨７、９間に挿入することができる。第２の関節形成半部分（図示せず）は、上述の実施の形態と同様、反対の横方向側で挿入できることを理解されたい。関節形成半部分４０２は頭側の前方関節素子４０６と、頭側の後方関節素子４０８と、前方素子４０６と後方素子４０８との間を延びる頭側のブリッジ４１０とを有することができる。関節形成半部分４０２は更に尾側の前方関節素子４１２と、尾側の後方関節素子４１４と、前方素子４１２と後方素子４１４との間を延びる尾側のブリッジ４１６とを有することができる。頭側の前方関節素子４０６は骨接触表面４０６ａを有することができ、尾側の前方関節素子４１２は骨接触表面４１２ａを有することができる。

また、この実施の形態においては、尾側の前方関節素子４１２は湾曲した突出部４１８を有することができ、尾側の後方関節素子４１４は後方のポケット４２０を有することができる。頭側の前方関節素子４０６は湾曲した突出部４１８を受け入れるように形状づけられた前方のソケット４２２を有することができる。

頭側の後方関節素子４０８は後方のソケット４２０と係合するように形状づけられた後方の突出部４２４を有することができる。この実施の形態においては、後方の突出部は緩い拘束を形成するようにソケット４２０内で回転又は並進運動できる球の一部とすることができる。

関節形成半部分４０２は更に椎骨７、９に取り付けるようになった構造を有することができる。しかし、代わりの実施の形態においては、固定構造を省略できることを理解されたい。関節形成半部分４０２は頭側の前方関節素子４０６から頭側へ延びる接続素子４３０を有することができる。この実施の形態における接続素子４３０はスクリュー４３２のような骨ファスナーを受け入れるようになった開口を備えたタブである。接続素子４３０の方位が円筒状の椎骨本体７ａへのスクリュー４３２の取り付けを許容する。代わりの実施の形態においては、頭側の接続素子は、例えば図１４に示すような椎骨７の茎へ接続することができる。関節形成半部分４０２は更に尾側の前方関節素子４１２に取り付けられるか又はこれと一体的に形成された接続素子４３４を有することができる。この実施の形態における接続素子４３４はスクリュー４３６のような骨ファスナーを受け入れるようになった開口を備えたタブである。接続素子４３４の方位が円筒状の椎骨本体９ａへのスクリュー４３６の取り付けを許容する。接続素子４３０、４３４はまた支持タブとして機能することができ、力を分散させ、陥没を減少させるための付加的な表面領域を提供する。

関節形成半部分４０２は更に頭側の前方関節素子４０６から延びる頭側のキール４４０と、尾側の前方関節素子４１２から延び、尾側のブリッジ４１６の下側にある尾側のキール４４２とを有することができる。キール４４０は、関節形成半部分４０２が椎骨本体７ａの下位の端板に係合するのを許容でき、キール４２２は、関節形成半部分４０２が椎骨本体９ａの上位の端板及び椎骨９の茎の上位の面に係合するのを許容できる。本体７ａの下位の端板はキール４４０を受け入れるようにミリング加工されるか又は他の方法で準備することができることを理解されたい。同様に、本体９ａの上位の端板及び椎骨９の茎はキール４４２を受け入れるためのチャンネルを形成するようにミリング加工されるか、チゼル加工されるか又は他の方法で準備することができる。キールは骨への接続を補助することができ、関節形成半部分４０２の運動を所望の自由度に制限することができる。キールは角度づけられた又は半円筒状の横断面を有することができる。任意の与えられた素子について、２以上のキールを使用することができることを理解されたい。

関節形成半部分４０２は関節形成半部分１０２と同様に設置することができ、前方の関節内で同様の運動を行うことができる。この実施の形態においては、ボール形状の後方の突出部４２４は、捩りを制限しながら撓み／伸びを許容するように細長くなったソケット４２０内に位置することができる。頭側の素子４０８上の突出部４２４の位置決めは、外科医がソケット４２０を見ながら簡単に行うことができ、後方の関節を組立てる外科医の能力を改善することができる。

以上、いくつかの代表的な実施の形態のみを詳細に説明したが、当業者にとっては、この開示の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、代表的な実施の形態内で多数の修正が可能であることを容易に認識できよう。従って、すべてのこのような修正及び変更は特許請求の範囲で規定されるような本発明の範囲内に含まれるものとする。また、当業者なら、このような修正及び等価の構成又は方法が本開示の精神及び範囲から逸脱しないこと、及び、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更、代替及び変形を行うことができることを認識できよう。「水平」、「垂直」、「頂部」、「上方」、「下方」、「底部」、「左」及び「右」のようなすべての空間的な用語は単なる説明のものであって、開示の範囲内で変えることができることを理解されたい。特許請求の範囲において、手段及び機能に関する条項は列挙した機能を遂行するものとしてここで述べた構造、及び構造上の等価物のみならず等価の構造をもカバーするものである。

健康な人間の脊柱の腰部脊椎及び仙骨区域の概略側立面図である。 ２つの椎骨間に位置する健全な椎間板を伴う図１に示す腰部椎骨の右側の一部を示す詳細な斜視図である。 椎間板の主要な部分を示す図２に示す椎間板の頂部斜視図である。 開示の原理に従って構成された人工椎骨間関節の第１の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の分解側立面図である。 開示の第１の実施の形態に従って構成された組立てた人工椎骨間関節の左半分及び右半分の上位、板及び下位部分を示す腰部脊椎の一部の前方立面図である。 図５に示す人工椎骨間関節の右半分の側立面図である。 図４に示す人工椎骨間関節の上位部分を示す腰部脊椎の一部の横断方向の下から見た図である。 図４に示す人工椎骨間関節の下位部分を示す腰部脊椎の一部の横断方向の上から見た図である。 移植を補助するために茎スクリューを使用するような人工椎骨間関節の上位部分の第２の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の横断方向の下から見た図である。 移植を補助するために茎スクリューを使用するような人工椎骨間関節の下位部分の第２の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の横断方向の上から見た図である。 茎スクリューの１つが見える状態での、図８に示す人工椎骨間関節の上位部分を示す腰部脊椎の一部の側面図である。 茎スクリューの１つが見える状態での、図９に示す人工椎骨間関節の下位及び一体の椎間板部分を示す腰部脊椎の一部の側面図である。 ２つの茎スクリューが見える状態での、図８に示す人工椎骨間関節の上位部分を示す腰部脊椎の一部の後面図である。 ２つの茎スクリューが見える状態での、図９に示す人工椎骨間関節の下位部分を示す腰部脊椎の一部の後面図である。 組立てた位置での茎スクリューを備えた第２の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の側立面図である。 張力バンドを使用するような人工椎骨間関節の下位、板及び上位の部分の第３の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の後面図である。 組立てた位置において張力バンドを使用するような第３の実施の形態を示す腰部脊椎の一部の側立面図である。 関節突起関節を交換していないような、開示の原理に従って構成された人工椎骨間関節の第４の実施の形態の上位部分を示す腰部脊椎の一部の横断方向の下から見た図である。 人工椎骨間関節の第４の実施の形態の下位部分を示す腰部脊椎の一部の横断方向の上から見た図である。 本開示の別の実施の形態の分解部品斜視図である。 本開示の別の実施の形態の分解部品斜視図である。 本開示の別の実施の形態の分解部品斜視図である。 本開示の別の実施の形態の分解部品斜視図である。 本開示の別の実施の形態の断面図である。 本開示の別の実施の形態の組立てた状態の図である。

Claims (24)

1. 上位の椎骨と下位の椎骨との間に介挿するための人工椎骨関節において、
   上位の椎骨の端板に係合するようになった第１の表面と、第１の前方の関節運動表面と、上記第１の表面から延び、当該第１の表面から端板の後縁へ延びる端板の部分に係合するようになった支持タブとを有する頭側の関節素子と；
   下位の椎骨の端板に係合するようになった第２の表面を有する尾側の関節素子と；
   上記頭側の関節素子と上記尾側の関節素子との間に介挿するようになったスペーサ素子と；
   を有することを特徴とする人工椎骨関節。
2. 上記支持タブが更に上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後方の表面に係合するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
3. 上記支持タブを上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後方の表面に結合するようになったファスナーを更に有することを特徴とする請求項２に記載の人工椎骨関節。
4. 上記ファスナーが骨スクリューであることを特徴とする請求項３に記載の人工椎骨関節。
5. 上記支持タブが上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後方の表面の高さの半分以上に沿って延びることを特徴とする請求項２に記載の人工椎骨関節。
6. 上記支持タブが上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の天然の輪郭を追従するように湾曲することを特徴とする請求項２に記載の人工椎骨関節。
7. 上記第１の表面が別個の左半部分及び右半部分を有し、左側の支持タブが上記左半部分から延び、同左半部分と端板の後縁との間の端板の部分に係合するようになっており、右側の支持タブが上記右半部分から延び、同右半部分と端板の後縁との間の端板の部分に係合するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
8. 上記左及び右半部分が、後方の露出部を介して、上位及び下位の椎骨間の椎間板空間内へ挿入されるようになっていることを特徴とする請求項７に記載の人工椎骨関節。
9. 上記スペーサ素子が上記尾側の関節素子と一体的に形成されることを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
10. 上記スペーサが上位及び下位の椎骨間の椎間板空間を通って延びる中央横方向軸線の後方に位置する回転中心を有するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
11. 上記人工椎骨関節が後方の露出部を介して移植されるようになっていることを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
12. 上記支持タブが上記第１の表面と端板の後縁との間の端板の部分にのみ係合することを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
13. 上記尾側の関節素子が更に上記第２の表面から延び、当該第２の表面から下位の椎骨の端板の後縁へ延びるような下位の椎骨の端板の部分に係合するようになった第２の支持タブを有することを特徴とする請求項１に記載の人工椎骨関節。
14. 上位の椎骨と下位の椎骨との間のカップリングの一部を生じさせるための人工脊椎関節において、
    前方の関節交換素子と；
    上記前方の関節交換素子に結合され、上位及び下位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の一方又は双方を越えて当該前方の関節交換素子から後方へ延びるブリッジと；
    上記ブリッジに結合された後方の関節交換素子と；
    上記前方の関節交換素子に結合され、上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後表面に係合する支持タブと；
    を有することを特徴とする人工脊椎関節。
15. 上記支持タブを上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分に締結するためのファスナーを更に有することを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
16. 上記ファスナーが骨スクリューであることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
17. 上記ファスナーが複数の骨スクリューを含むことを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
18. 上記支持タブが上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後表面の輪郭を追従するようになっていることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
19. 上記支持タブと上記前方の関節交換素子との間の角度が９０度よりも大きいことを特徴とする請求項１８に記載の人工脊椎関節。
20. 上記支持タブが上記前方の関節交換素子に剛直に結合されることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
21. 上記支持タブの表面が骨伝導性の材料で被覆されることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
22. 上記支持タブの表面が骨の成長を促進させるように粗面化されることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
23. 上記ブリッジが人工茎の少なくとも一部であることを特徴とする請求項１４に記載の人工脊椎関節。
24. 上位の椎骨と下位の椎骨との間のカップリングの一部を生じさせるための装置において、
    上位及び下位の椎骨間の椎骨間空間で関節運動する第１の手段と；
    上記第１の手段に結合するようになっており、上位及び下位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の一方又は双方を越えて当該第１の手段から後方へ延びるようになった第２の手段と；
    椎骨間空間の後方で関節運動するようになっており、上記第２の手段に結合された第３の手段と；
    上記第１の手段に結合され、上位の椎骨のほぼ円筒状の本体部分の後表面に係合するようになった第４の手段と；
    を有することを特徴とする装置。

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