JP2007513146A - 液体系プロセスによるアジスロマイシンマルチパーティキュレート剤形 - Google Patents

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Abstract

最小限の量のアジスロマイシンエステルを有するアジスロマイシンマルチパーティキュレートを形成するための液体系プロセスを開示する。

Description

本発明の背景
マルチパーティキュレートは、その全体が意図する治療に有効な薬物の用量になる非常に多数の粒子を含むよく知られている剤形である。経口的に服用した場合、それらマルチパーティキュレートは一般に胃腸管中で自由に分散し、吸収を最大にし、また副作用を最少にする。例えばMultiparticulate Oral Drug Delivery (Marcel Dekker, 1994)およびParmaceutical Pelletization Technology (Marcel Dekker, 1989)を参照されたい。
アジスロマイシンは、エリスロマイシンAから誘導される広域抗菌化合物である薬物9a−アザ−9a−メチル−9−デオキソ−9a−ホモエリスロマイシンAの一般名である。したがってアジスロマイシンおよび或る種の誘導体は抗生物質として役立つ。
アジスロマイシンの経口投与は痙攣、下痢、悪心、および嘔吐などの不都合な副作用の発現の原因となる恐れのあることはよく知られている。このような副作用は、低用量よりも高用量においてより大きい。マルチパーティキュレートは、比較的副作用が少なく、より多量の経口投与を可能にするアジスロマイシンの周知の改良された剤形である。本願の所有者が所有する米国特許第6,068,859号を参照されたい。アジスロマイシンのこのようなマルチパーティキュレートは、この比較的多量の薬物を比較的長期間にわたって制御された速度で送達することができるのでこの薬物の単回投与用に特に適している。
本発明者等は、アジスロマイシンを含有するマルチパーティキュレートを形成するために用いられる或る種のプロセスおよびこのようなマルチパーティキュレート中での或る種の賦形剤の使用がこれらマルチパーティキュレートを形成するプロセス中および後にアジスロマイシンの分解の原因となる恐れがあることを発見した。この分解は、マルチパーティキュレートの形成に用いた担体または賦形剤の成分とアジスロマイシンの化学反応により起こり、その結果アジスロマイシンエステルの形成を引き起こす。
米国特許第6,068,859号は、押出/球状化、湿式顆粒化、噴霧乾燥、および噴霧塗布を含めたアジスロマイシンマルチパーティキュレートを形成するための液体系幾つかのプロセスを開示している。しかしながら、これらのプロセス中に多分生ずるであろうアジスロマイシンエステルの形成をいかに避けるかに関しては何の教示または示唆もなく、またアジスロマイシンエステル濃度が最小限のマルチパーティキュレートを形成するための適切な賦形剤および加工条件を選択するために用意されているガイドラインもない。
したがって必要なのは、アジスロマイシンエステルの形成を劇的に低減させるようにその賦形剤およびプロセス条件を選択し、結果としてマルチパーティキュレート剤形中の薬物のはるかに高い純度をもたらす液体系プロセスである。
本発明は、アジスロマイシンと薬学的に許容できる担体とを含むマルチパーティキュレートを形成するための或る種の液体系プロセスを提供することによってこのようなニーズを満たす。これらのプロセスは、最小濃度のアジスロマイシンエステルを有し、アジスロマイシンの制御放出を行うのに適したマルチパーティキュレートの形成をもたらす。これらのマルチパーティキュレートは、アジスロマイシンの剤形に、またアジスロマイシン療法の必要な患者の治療に用いることができる。
一態様において本発明は、(a)アジスロマイシン、薬学的に許容できる担体、および約150℃未満の沸点を有する液体を含む混合物を形成するステップと、(b)(i)この混合物を霧化すること、および(ii)この混合物でシードコアをコーティングすることから選択されるプロセスによりステップ(a)の混合物から粒子を形成するステップと、(c)ステップ(b)の粒子から液体のかなりの部分を除去して、下記式
[A]≦0.4/(1−x)
(ただし[A]はアジスロマイシン1 g当たりのmeqで表される担体上の酸/エステル置換の濃度であり、xは組成物中の結晶性のアジスロマイシンの重量分率である)を満たすマルチパーティキュレートを形成するステップとを含む、マルチパーティキュレートを形成するための液体系プロセスを提供する。
本発明はまた、本発明のプロセスにより製造されたアジスロマイシン含有マルチパーティキュレートを含む薬学的に有効な量の医薬組成物を患者に投与することによってアジスロマイシンによる治療を必要とする患者の治療方法を提供する。投与されるアジスロマイシンの量は、治療される疾患または状態の重症度ならびに患者の背格好および年齢などの要因を勘案して当業界でよく知られている原則に従って必然的に変わることになる。一般にその薬物は、有効用量が受け取られるように投与されるべきであり、その有効用量はアジスロマイシンについてすでに分かっている投与の安全かつ効能のある範囲から決められる。
本発明は、比較的大量のアジスロマイシンを単回投与療法で患者に投与するのに特に役立つ。このマルチパーティキュレート剤形中に含有されるアジスロマイシンの量は、好ましくは少なくとも250 mgAであり、また7 gAもの多量であることもできる(「mgA」および「gA」は、それぞれその剤形中の活性アジスロマイシンのミリグラムおよびグラムを意味する)。この剤形中に含有される量は、好ましくは約1.5から約4 gA、より好ましくは約1.5から約3 gA、最も好ましくは1.8から2.2 gA である。小さな背格好の患者、例えば体重が約30 kg以下の小児の場合、このマルチパーティキュレート剤形をその患者の体重に応じて秤量することができ、一態様ではこの剤形は患者の体重1 kg当たり約30から約90 mgA、好ましくは約45から約75 mgA、より好ましくは約60 mgAを含有する。
本発明のプロセスにより形成されるマルチパーティキュレートは、使用環境へ導入された後にアジスロマイシンの即時、持続、または制御された放出が行われるように設計される。本明細書中で用いる「使用環境」は、哺乳動物、特にヒトのGI管のin vivo環境または試験溶液のin vitro環境のいずれであってもよい。試験溶液の例には、(1)酵素の存在しない胃液をシミュレートする0.1 N HCl、(2)アジスロマイシンの過度の酸分解を避ける胃液をシミュレートする0.01 N HCl、および(3)共に酵素の存在しない腸液をシミュレートするKOHを用いてpH 6.8に調整した50 mM KH2PO4またはNaOHを用いてpH 6.8に調整した50 mM Na3PO4、を含む37℃の水溶液が挙げられる。本発明者等はまた幾種類かの調合については、NaOHを用いてpH 6.0に調整した100 mM Na2HPO4を含むin vitro試験溶液が、溶解特性に基づいて様々な調合間の差異を認めるための識別手段を提供することを見出した。このような溶液中でのin vitro溶解試験が、in vivo性能および生物学的利用能のすぐれた指標を提供すると結論した。in vitro試験および試験溶液のさらに詳細については本明細書中で記述する。
加工条件の選択、担体、およびこれらの相互関係に関する詳細なガイドラインについては、次に発明を実施するための最良の形態の中で述べる。また本発明によれば、より速い速度でエステル形成を示す賦形剤は望ましくなく、より遅い速度でエステル形成を示す賦形剤が望ましいという一般的なガイドラインに従って実務家が情報に基づく選択を行うことを可能にするために賦形剤に対する反応速度を計算することができる。
好ましい態様の詳細な説明
本発明によればアジスロマイシンエステルの形成は複数の方法、すなわち(1)高結晶化度を有するアジスロマイシンを使用することにより、(2)担体を、この薬物とのエステル形成速度がきわめて低い特定の種類の材料から選択することにより、(3)本質的に高いを有する担体を選択する場合は、或る種の加工パラメータを選択することにより、また(4)低い酸/エステルの置換度を有する液体を使用することにより劇的に抑制することができることが分かった。
アジスロマイシンエステル形成の許容できるレベルは、マルチパーティキュレートの形成から始まり、投薬まで続く期間中、最初にマルチパーティキュレート中に存在したアジスロマイシンの総重量に対するアジスロマイシンエステルの重量を表す約1重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.2重量%未満、また最も好ましくは約0.1重量%未満のアジスロマイシンエステル形成をもたらすレベルである。
アジスロマイシンとのエステル形成速度が本質的に低い賦形剤の種類は、概していえば化学置換基として酸および/またはエステル置換基を全く含有しないかまたはそれが比較的少ない薬学的に許容できる賦形剤として記述することができる。本明細書中での「酸および/またはエステル置換基」に関するすべての言及は、(i)カルボン酸、スルホン酸、およびリン酸置換基、またはそれぞれ(ii)カルボン酸エステル、スルホニルエステル、またはリン酸エステル置換基を意味するものである。
逆にいえばアジスロマイシンとのエステル形成速度が本質的により高い賦形剤の種類は、比較的多数の酸および/またはエステル置換基を含有する薬学的に許容できる賦形剤として一般に記述することができ、或る範囲内でこの種類の賦形剤に対する加工条件を使用して許容レベルにエステル形成速度を抑えることができる。
一態様ではマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの少なくとも約95%が結晶性であり、かつ担体上の酸およびエステル置換基の濃度がアジスロマイシン1 g当たり約3.5 meq未満である。第二の態様ではマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの少なくとも約90%が結晶性であり、かつ担体上の酸およびエステル置換基の濃度がアジスロマイシン1 g当たり約2 meq未満である。第三の態様ではマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの少なくとも約80%が結晶性であり、かつ担体上の酸およびエステル置換基の濃度がアジスロマイシン1 g当たり約1 meq未満である。
アジスロマイシンエステルは、投与前を除き、マルチパーティキュレート形成プロセスの間、最終剤形の製造に必要な他の加工ステップの間、または製造後の保管の間に形成される。アジスロマイシン剤形は投与に先立って2年はおろかもっと長く貯蔵される可能性があるので、貯蔵された剤形中のアジスロマイシンエステルの濃度が投与前の上記値を超えないことが好ましい。
本発明のプロセスにより形成される組成物は「マルチパーティキュレート」を含む。用語「マルチパーティキュレート」は、その全体が意図する治療に有効なアジスロマイシンの用量になる非常に多数の粒子を含む剤形を包含するものとする。これら粒子は、一般に約40から約3000 μm、好ましくは約50から約1000 μm、また最も好ましくは約100から約300 μmの平均直径である。マルチパーティキュレートは、剤形の状態の粒子の質量を簡単に秤量して患者の体重に適合させることにより、それらが治療を必要とする個々の患者の体重に応じてこの剤形を秤量して使用するのに適しているので好ましい。これらは、経口的に容易に摂取することが可能なスラリーに調合することができるサッシェなどの簡単な剤形の中に大量の薬物を組み込むことを可能にするのでさらに有利である。マルチパーティキュレートはまた、特に経口的に摂取した場合、(1)胃腸(GI)管における分散作用が改善されること、(2)GI管通過時間がより一様であること、および(3)患者間および患者内変動が少ないことを含めて他の剤形を凌ぐ非常に多くの治療上の利点を有する。
マルチパーティキュレートは任意の形状および肌理を有することができるが、滑らかな表面の感触を有する球形であることが好ましい。これらの物理的特性は、すぐれた流動性、改善された「舌ざわり」、嚥下し易さ、および必要に応じて均質なコーティングのし易さにつながる。
好ましくはアジスロマイシンは、そのマルチパーティキュレートの総重量の約5重量%から約90重量%、より好ましくは約10重量%から約80重量%、さらに一層好ましくはそのマルチパーティキュレートの総重量の約30重量%から約60重量%を占める。
本発明で用いる用語「約」とは、規定値±その規定値の10%を意味する。
液体系プロセス
その広い意味では本発明のアジスロマイシンマルチパーティキュレートを形成するのに有用なこの液体系プロセスは、(a)アジスロマイシン、薬学的に許容できる担体、および液体を含む混合物を形成するステップ、(b)ステップ(a)の混合物から粒子を形成するステップ、および(c)ステップ(b)の粒子から液体のかなりの部分を除去してマルチパーティキュレートを形成するステップを含む。好ましくはステップ(b)は、(i)混合物を霧化すること、および(ii)混合物でシードコアをコーティングすることから選択される方法により行われる。
本発明のプロセスではアジスロマイシン、担体、および液体を含む混合物が形成される。この液状混合物は、アジスロマイシンと担体の両方を液体に溶解した溶液、液体に溶解した担体の溶液に溶かしたアジスロマイシンの懸濁液、液体に溶解したアジスロマイシンの溶液に溶かした担体の懸濁液、アジスロマイシンと担体の両方を液体に溶かした懸濁液、あるいはこれらの状態またはこのような状態の中間の任意の状態の組合せを含むことができる。
その結晶形態が水和結晶形の場合、プロセス液に十分な水を加えてこの結晶性薬物からの水の減損を防止し、それによってアジスロマイシンをその元の結晶形態に保つことが好ましい。この結晶形態が、特に好ましい二水化物である場合、水の濃度はその選択された液体中の水溶解度の30から100%であるべきである。
好ましくはこの液体は、結晶状態のまま残るアジスロマイシンの量が最大になるように選択される。一般にはアジスロマイシンは、結晶形態のとき、溶解またはアモルファス形態のときよりも低反応性である。結晶性アジスロマイシンではアジスロマイシン分子が、低熱力学エネルギー状態にある剛性三次元構造に閉じ込められる。したがって、例えばこの結晶構造からアジスロマイシン分子を取り出して担体と反応させるには、かなりの量のエネルギーを要することになる。さらに結晶力が、結晶構造中のアジスロマイシン分子の易動度を低減させる。その結果、結晶性アジスロマイシンではアモルファスまたは溶解アジスロマイシンを含有する混合物と比較した場合、担体上の酸およびエステル置換基とアジスロマイシンの反応速度は著しく低下する。
アジスロマイシンマルチパーティキュレートを形成するためにこれら液体系プロセスに使用される液体は、アジスロマイシンエステルの形成が約1重量%未満であるようにアジスロマイシンと十分に非反応性であるべきであり、かつ薬学的に許容できるものであるべきである。下記でさらに述べるようにアジスロマイシンが或る材料と反応してアジスロマイシンエステルを形成する可能性を推定する便利な方法は、その材料の酸およびエステル置換基の濃度を確かめることである。したがって液体との反応によるアジスロマイシンエステルの形成を防ぐには、その液体の酸およびエステル置換基の濃度が液体1 g当たり約0.1 meq未満であることが好ましい。用語「液体」は、その材料が室温で約300 cp未満の粘度を有する流体であることを指すその従来の意味で用いられる。マルチパーティキュレートから除去しやすいので一般には揮発性の液体が好ましい。「揮発性」液体とは、その材料が周囲圧力において約150℃未満の沸点を有することを意味するが、より高い沸点を有する少量の液体が液体の混合物中に含まれてもよく、それらでもやはり許容しうる結果を達成することができる。
液体系プロセスを使用したマルチパーティキュレートの形成に適する液体の例には、水と、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノールの様々な異性体、およびブタノールの様々な異性体と、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトンと、炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、および鉱油と、エーテル類、例えばメチルtert−ブチルエーテル、エチルエーテル、およびエチレングリコールモノエチルエーテルと、クロロカーボン類、例えばクロロホルム、二塩化メチレン、および二塩化エチレンと、テトラヒドロフランと、ジメチルスルホキシドと、N−メチルピロリジノンと、N,N−ジメチルアセトアミドと、アセトニトリルと、これらの混合物が挙げられる。
本発明の一実施形態ではこの選択される液体は、アジスロマイシンの溶解度が比較的低いものである。液体中のアジスロマイシンの溶解度は、好ましくは周囲温度で測定される。この液体中で低溶解度のアジスロマイシンは、その組成物中に存在するアモルファスアジスロマイシンの量を制限する傾向がある。アモルファスアジスロマイシンは結晶性アジスロマイシンよりも反応性であり、それはアモルファスアジスロマイシンを最少にし、その結果としてアジスロマイシンエステルの形成を最少にする。好ましくは液体中の結晶性アジスロマイシン(二水和物など)の溶解度は約10 mg/mL未満である。マルチパーティキュレートを形成するために用いた液体系プロセスにもよるが、液体中のアジスロマイシンのこのような低溶解度は、その組成物中のアモルファスアジスロマイシンの量が約20重量%未満になることを保証するはずである。より好ましくは液体中のアジスロマイシンの溶解度は、約5 mg/mL未満であり、また最も好ましくは約1 mg/mL未満である。アジスロマイシンはきわめて親水性の化合物であるため、比較的疎水性の傾向のある液体中では低い溶解度を有する。アジスロマイシンが比較的低い溶解度を有する好適な液体の例には、炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、鉱油などと、疎水性エーテル類、例えばメチルtert−ブチルエーテルとが挙げられる。結晶性アジスロマイシンをこのような液体と混ぜ合わせた場合、その液体に溶けたアジスロマイシンの懸濁液を形成することになる。
アジスロマイシンはきわめて親水性であるが、水中でのアジスロマイシンの溶解度は高度にpH依存性であり、溶解度はpHを増加すると低下する。pH 6.9の蒸留水中の結晶性アジスロマイシン二水和物の溶解度は1.1 mg/mLであることが報告されている。したがって液体系プロセスにとって好ましい液体は、pH 7またはそれ以上の水である。水中に少量の塩基を溶解することによって、またはpHを正確に制御することになる緩衝液を調製することによって高pHを有する水を生成することができる。
pHを上昇させるために水に加えることができる塩基の例には、水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化コリン、および水酸化カリウムと、重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、および重炭酸アンモニウムと、炭酸塩、例えば炭酸アンモニウムおよび炭酸ナトリウムと、リン酸塩、例えばリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムと、ホウ酸塩、例えばホウ酸ナトリウムと、アミン類、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルグルカミン、グルコサミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、およびトリエチルアミンと、タンパク質類、例えばゼラチンと、アミノ酸類、例えばリシン、アルギニン、グアニン、グリシン、およびアデニンが挙げられる。
特に有用な緩衝液は、リン酸緩衝塩類(PBS)溶液であり、これは20 mM Na2HPO4、466 mM KH2PO4、87 mM NaCl、および0.2 mM KClを含むpH 7に調整した水溶液である。このような塩基性の緩衝された水とアルコールなどの溶剤との混合物もまた用いることができる。
アジスロマイシン、担体、および液体を含む混合物がいったん形成されたらすぐにこれを粒子に成形する。好ましくはこの粒子は(i)この混合物を霧化すること、および(ii)この混合物でシードコアをコーティングすることから選択される方法によって形成される。
一実施形態ではこの粒子は、混合物の小さな液滴を形成するように適切なノズルを用いてこの混合物を霧化することによって形成され、それを液体蒸発用の強力な推進力が存在する乾燥チャンバ中に噴霧して固形物、一般には球形粒子を生成する。一般にこの液体蒸発用の強力な推進力は、その粒子の温度で、その液体の蒸気圧よりもかなり低く乾燥チャンバ内の液体の分圧を保つことによって与えられる。これは、(1)部分真空(例えば0.01から0.5気圧)に乾燥チャンバ内の圧力を保つこと、(2)液滴を温めた乾燥ガスと混ぜること、または(3)(1)と(2)の両方によって達成される。噴霧乾燥工程および噴霧乾燥設備についてはPerry’s Chemical Engineers’ Handbook, p.20−54〜20−57 (6th Ed. 1984)中に全般的に記載されている。
例えば、3から15重量%の結晶性アジスロマイシン、3から15重量%のヒドロキシプロピルセルロースなどの担体、およびpHが7を超える平衡水(balance water)を含む懸濁液を形成する。次いで二流体ノズルを用いてこの溶液を霧化して噴霧乾燥チャンバ中に入れることができる。150℃から250℃の入口温度を有する乾燥ガスを、その乾燥ガスの出口温度40℃から80℃で用いることができ、その結果マルチパーティキュレートが形成される。次いでこのマルチパーティキュレートを集め、当業界でよく知られている手順を用いて、例えば棚型乾燥機および高周波乾燥機の使用によりさらに乾燥することができる。このプロセスの間ずっと、上記で概略を述べたように結晶性二水和物のような結晶性水和物中の水和のいかなる水の減損も防ぐように用心すべきである。
別の実施形態ではこの粒子は、シードコア上にこの液状混合物を塗布することによって形成される。このシードコアは、デンプン、微晶質セルロース、糖、またはワックスなどの任意の適切な材料から、融解凝固または噴霧凝固、押出/球状化、顆粒化、噴霧乾燥などの任意の周知の方法により作製することができる。
この液状混合物は、パンコーター(例えば東京(日本)のFreund Corp.から入手できるHi-Coater、リバプール(U.K.)のManestyから入手できるAccela-Cota)、流動層コーティング装置(例えばラムゼー(ニュージャージー)のGlatt Air Technologiesから、またブベンドルフ(スイス)のNiro Pharma Systemsから入手できるウルスター(Wurster)コーティング装置またはトップスプレイヤ(top sprayer))、および回転式造粒機(例えばFreund Corp.から入手できるCF-Granulator)などの製薬技術で周知のコーティング設備を用いてこのようなシードコア上に噴霧することができる。
例えば微晶質セルロースまたは糖のシードコアは、流動層コーティング装置を用いて5から15重量%のアジスロマイシン、2から5重量%の担体、および7を超えるpHを有する93重量%の平衡水を含む懸濁液を塗布することができる。この塗布工程の間、その条件は液状混合物がシードコア上に薄い塗膜を形成するように選択される。この塗膜を形成している間に液体の一部はその塗膜から除去され、その結果シードコア上にアジスロマイシンと担体を含む固体の塗膜を形成することになる。続く乾燥工程を用いて、塗布のステップ後にマルチパーティキュレートから残りの液体を除去することができる。所望の量のアジスロマイシンを含有するマルチパーティキュレートをもたらすのに十分な塗料溶液がシードコアに塗布される。
粒子がいったん形成されたらすぐ、一般には乾燥のステップで液体の一部を除去することによってマルチパーティキュレートを形成する。好ましくは液体の少なくとも80%がその粒子から除去され、より好ましくは液体の少なくとも90%、また最も好ましくは少なくとも95%がこの乾燥のステップの間にその粒子から除去される。乾燥用の好適な手段には、棚型乾燥機、高周波乾燥機、流動床乾燥機、回転式乾燥機、および噴霧乾燥機が挙げられ、これらはすべて製薬技術でよく知られている。
この乾燥のステップの間に用いられる温度および湿度は、アジスロマイシンエステルの形成を最小限にし、かつ結晶性アジスロマイシンの水和の水の減損を防ぐように選択すべきである。一般には乾燥温度は、アジスロマイシンエステルの形成を最小限にするために約50℃を超えるべきではない。同時にその相対湿度は、水和の水の減損を避けるように十分高く保つべきである。
必要な湿度の水準は、結晶状態にある水の活性と同等か、またはそれより高い水準である。これは実験的に、例えば動的蒸気収着装置を用いて決めることができる。この試験では結晶性アジスロマイシンの試料をチャンバ内に置き、一定の温度と相対湿度で平衡させる。次いで試料の重量を記録する。次いでチャンバ内の雰囲気の相対湿度が低下するにつれてその試料の重量を監視する。チャンバ内の相対湿度が結晶状態にある水の活性に相当する水準未満に低下する場合には、水和の水が失われるので試料は重量を減らし始めることになる。したがってアジスロマイシンの結晶状態を保つには、その湿度の水準をアジスロマイシンが重量を減らし始める相対湿度か、またはそれ以上に保つべきである。同様の試験を用いてアジスロマイシンの結晶性溶媒和化合物の形態を保つのに必要な溶媒蒸気の適切な量を求めることができる。
より高い、例えば50℃を超える乾燥温度を使用しなければならない場合、乾燥温度が高いほどアジスロマイシンエステルが生じる割合を増すので酸/エステル置換基の幾分低い濃度を有する担体が好ましい。
アジスロマイシン
本発明のマルチパーティキュレートはアジスロマイシンを含む。好ましくはこのアジスロマイシンは、マルチパーティキュレートの総重量の約5重量%から約90重量%、より好ましくは約10重量%から約80重量%、またさらに一層好ましくはマルチパーティキュレートの総重量の約30重量%から約60重量%を占める。
本明細書中で用いる「アジスロマイシン」とは、アジスロマイシンのすべての多形体、同形体、仮晶、包接化合物、塩、溶媒和化合物、および水和物、ならびに無水アジスロマイシンを含めたアジスロマイシンのすべてのアモルファスおよび結晶形態を意味する。治療上の量の見地からの、または特許請求の範囲中の放出速度の点でのアジスロマイシンに関する言及は、活性アジスロマイシン、すなわち分子量が749 g/molの非塩、非水和アザリド(azalide)分子に関するものである。
好ましくは本発明のアジスロマイシンは、米国特許第6,268,489号に開示されているアジスロマイシン二水和物である。
本発明のほかの実施形態ではアジスロマイシンは、非二水和アジスロマイシン、非二水和アジスロマイシンの混合物、またはアジスロマイシン二水和物と非二水和アジスロマイシンの混合物を含む。好適な非二水和アジスロマイシンの例には、ほかの結晶形B、D、E、F、G、H、J、M、N、O、P、Q、およびRが挙げられるが、これらには限定されない。
アジスロマイシンはまた、アジスロマイシンの水和物および/または溶媒和化合物であるファミリーIおよびファミリーIIの同形体として生ずる。キャビティ中の溶媒分子は、特定の条件下で溶媒と水の間でやりとりする傾向がある。したがってその同形体の溶媒/水含量は、ある程度変わる可能性がある。
アジスロマイシンB形、すなわちアジスロマイシンの吸湿性水和物は米国特許第4,474,768号に開示されている。
アジスロマイシンD、E、F、G、H、J、M、N、O、P、Q、およびR形は、本願の所有者が所有する2003年8月28日公開の米国特許公開第20030162730号に開示されている。
B、F、G、H、J、M、N、O、およびP形は、ファミリーIアジスロマイシンに属し、セル寸法がa=16.3±0.3Å、b=16.2±0.3Å、c=18.4±0.3Å、およびβ=109±2°の単斜晶系P21空間群を有する。
アジスロマイシンF形は、単結晶構造の式C38H72N2O12・H2O・0.5C2H5OHのアジスロマイシンエタノール溶媒和化合物であり、アジスロマイシン一水和物のヘミエタノール溶媒和化合物である。F形はさらに、粉末試料中に重量単位で2〜5重量%の水と1〜4重量%のエタノールを含有することを特徴とする。F形の単結晶は、2個のアジスロマイシン分子、2個の水分子、および1個のエタノール分子を含有する不斉単位を有する単斜晶系空間群P21の状態で一水和物/ヘミエタノール付加物として結晶化する。それはすべてのファミリーIのアジスロマイシン結晶形に関して同形である。その理論上の水およびエタノールの含量は、それぞれ2.3および2.9重量%である。
アジスロマイシンG形は、単結晶構造の式C38H72N2O12・1.5H2Oを有し、アジスロマイシンセスキ水和物である。G形はさらに、粉末試料中に重量単位で2.5〜6重量%の水と<1重量%の有機溶媒または有機溶媒群を含有することを特徴とする。G形の単結晶構造は、1個の不斉単位につき2個のアジスロマイシン分子と3個の水分子からなり、これは理論上3.5重量%の水含量を有するセスキ水和物に該当する。G形の粉末試料の水含量は、約2.5から約6重量%の範囲にわたる。全残留有機溶媒は、結晶化に使用された該当する溶媒の1重量%未満である。
アジスロマイシンH形は、式C38H72N2O12・H2O・0.5C3H8O2を有し、アジスロマイシン一水和物のヘミ−1,2−プロパンジオール溶媒和化合物である。H形は、アジスロマイシン遊離塩基の一水和物/ヘミ−プロピレングリコール溶媒和化合物である。
アジスロマイシンJ形は、単結晶構造の式C38H72N2O12・H2O・0.5C3H7OHを有し、アジスロマイシン一水和物のヘミ−n−プロパノール溶媒和化合物である。J形はさらに、粉末試料中に重量単位で2〜5重量%の水と1〜5重量%のn−プロパノールを含有することを特徴とする。計算上の溶媒の含量は、n−プロパノール約3.8重量%および水2.3重量%である。
アジスロマイシンM形は、式C38H72N2O12・H2O・0.5C3H7OHを有し、アジスロマイシン一水和物のヘミ−イソプロパノール溶媒和化合物である。M形はさらに、粉末試料中に重量単位で2〜5重量%の水と1〜4重量%の2−プロパノールを含有することを特徴とする。M形の単結晶構造は、一水和物/ヘミ−イソプロパノール付加物であるはずである。
アジスロマイシンN形は、ファミリーIの同形体の混合物である。この混合物は、様々な割合のF、G、J、M、および他の同形体と、様々な量の水および有機溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、プロピレングリコール、アセトン、アセトニトリル、ブタノール、ペンタノールなどとを含有することができる。その水の重量パーセントは1〜5.3重量%の範囲であることができ、また有機溶媒の全重量パーセントは2〜5重量%(ただし各溶媒が0.5〜4重量%を占める)であることができる。
アジスロマイシンO形は、式C38H72N2O12・0.5H2O・0.5C4H9OHを有し、単結晶構造データによればアジスロマイシン遊離塩基のヘミ水和物のヘミ−n−ブタノール溶媒和化合物である。
アジスロマイシンP形は、式C38H72N2O12・H2O・0.5C5H12Oを有し、アジスロマイシン一水和物のヘミ−n−ペンタノール溶媒和化合物である。
Q形は、ファミリーIおよびIIとまったく異なり、式C38H72N2O12・H2O・0.5C4H8Oを有し、アジスロマイシン一水和物のヘミ−テトラヒドロフラン(THF)溶媒和化合物である。これは水を約4重量%とTHFを約4.5重量%含有する。
D、E、およびR形は、ファミリーIIアジスロマイシンに属し、セル寸法がa=8.9±0.4Å、b=12.3±0.5Å、およびc=45.8±0.5Åの斜方晶系P21 2121空間群を含有する。
アジスロマイシンD形は、単結晶構造の式C38H72N2O12・H2O・C6H12を有し、アジスロマイシン一水和物のモノシクロヘキサン溶媒和化合物である。D形はさらに、粉末試料中に重量単位で2〜6重量%の水と3〜12重量%のシクロヘキサンを含有することを特徴とする。単結晶データからD形の計算上の水およびシクロヘキサンの含量は、それぞれ2.1重量%および9.9重量%である。
アジスロマイシンE形は、式C38H72N2O12・H2O・C4H8Oを有し、単結晶解析によりアジスロマイシン一水和物のモノ−THF溶媒和化合物である。
アジスロマイシンR形は、式C38H72N2O12・H2O・C5H12Oを有し、アジスロマイシン一水和物のモノ−メチルtert−ブチルエーテル溶媒和化合物である。R形は、理論上2.1重量%の水含量および理論上10.3重量%のメチルtert−ブチルエーテル含量を有する。
非二水和アジスロマイシンの他の例には、これらには限定されないがアジスロマイシンのエタノール溶媒和化合物またはアジスロマイシンのイソプロパノール溶媒和化合物が挙げられる。アジスロマイシンのこのようなエタノールおよびイソプロパノール溶媒和化合物の例は、米国特許第6,365,574号および第6,245,903号、ならびに2003年8月28日公開の米国特許出願公開第20030162730号に開示されている。
非二水和アジスロマイシンの別の例には、これらには限定されないが2001年11月29日公開の米国特許出願公開第20010047089号および2002年8月15日公開の第20020111318号、ならびに国際出願公開第WO01/00640号、第WO01/49697号、第WO02/10181号、および第WO02/42315号に開示されているアジスロマイシン一水和物が挙げられる。
非二水和アジスロマイシンの更なる例には、これらには限定されないが2003年7月24日公開の米国特許出願公開第20030139583号および米国特許第6,528,492号に開示されている無水アジスロマイシンが挙げられる。
好適なアジスロマイシン塩の例には、これらには限定されないが米国特許第4,474,768号に開示されているアジスロマイシン塩が挙げられる。
好ましくは、そのマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの少なくとも70%が結晶性である。マルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの結晶化度は、マルチパーティキュレート中の結晶性アジスロマイシンの量が少なくとも約80%であることを意味する「ほぼ結晶性」、マルチパーティキュレート中の結晶性アジスロマイシンの量が少なくとも約90%であることを意味する「ほとんど完全な結晶性」、またはマルチパーティキュレート中の結晶性アジスロマイシンの量が少なくとも約95%であることを意味する「本質的に結晶性」であることができる。
マルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの結晶化度は、粉末X線回折(PXRD)解析を用いて求められる。手順の例としてPXRD解析は、Bruker AXS D8 Advance回折装置上で行うことができる。この解析では約500 mgの試料をルーサイト試料カップに詰め、試料面をガラス製顕微鏡スライドを用いて平らにして試料カップの上端と同じ水準の堅く滑らかな試料面を形成した。試料を30 rpmの速度でψ平面内を回転させて結晶配向効果をできるだけ少なくする。X線源(S/B KCuα、λ=1.54Å)は、電圧45 kVおよび電流40 mAで動作する。各試料に対するデータを、連続検出走査モードにおいて12秒/ステップの走査速度および0.02°/ステップのステップサイズで20から60分間にわたって採集する。回折図を10°から16°の2θ範囲にわたって採集する。
試験試料の結晶化度は、下記の較正標準と比較することにより求められる。この較正標準は、アジスロマイシン20重量%/担体80重量%およびアジスロマイシン80重量%/担体20重量%の物理的混合物からなる。各物理的混合物をタービュラ(Turbula)ミキサで15分間混和する。測定装置のソフトウェアを用いて、回折図の曲線の下側の面積を、線形基準線を用いて10°から16°の2θ範囲にわたって積分する。この積分範囲は、担体に関連したピークを除外する一方で、できるだけ多くのアジスロマイシン固有のピークを含む。さらに約10°の2θにおけるアジスロマイシン固有の大きなピークは、その積分領域の走査間変動が大きいために削除する。結晶性アジスロマイシンのパーセント対回折図の曲線の下側の面積の線形較正標準曲線をこの較正標準から作成する。次いでこの試験試料の結晶化度を、これらの較正結果とその試験試料の曲線の下側の面積とを用いて求める。結果はアジスロマイシン結晶化度の平均パーセント(結晶質量による)として記録される。
結晶性アジスロマイシンは、アモルファス形態よりも化学的かつ物理的に安定であるので好ましい。この化学的安定性は、結晶形態ではアジスロマイシン分子が低い熱力学的エネルギー状態にある剛性三次元構造に閉じ込められることから生じる。したがって、例えば担体と反応させるためにアジスロマイシン分子をこの構造から取り出すには、かなりの量のエネルギーを受けることになる。さらに結晶力が結晶構造中でのアジスロマイシン分子の易動度を低減させる。この結果、アモルファスアジスロマイシンを含有する調合と比較した場合、結晶性アジスロマイシンでは担体上の酸およびエステル置換基とアジスロマイシンの反応速度はかなり低下する。
アジスロマイシンエステルの形成
アジスロマイシンエステルは、アジスロマイシンの水酸置換基の直接エステル化またはエステル転移反応のいずれかにより形成することができる。直接エステル化とは、カルボン酸部分を有する賦形剤をアジスロマイシンの水酸置換基と反応させてアジスロマイシンエステルを形成することが可能なことを意味する。エステル転移反応とは、エステル置換基を有する賦形剤がその水酸基と反応し、例えばその担体のカルボン酸をアジスロマイシンに運び、さらにアジスロマイシンエステルを生ずることができることを意味する。意図するアジスロマイシンエステルの合成は、そのエステルが一般にそのデソサミン環の2′炭素(C2′)と結合した水酸基で生ずることを示しているが、そのクラジノース環上の4″炭素(C4″)と結合した水酸基あるいはそのマクロライド環上のC6、C11、またはC12炭素と結合した水酸基でのエステル化もまたアジスロマイシン調合物中で起こる可能性もある。C16からC22脂肪酸グリセリルトリエステルとアジスロマイシンのエステル転移反応の例を下記に示す。
Figure 2007513146
アジスロマイシンの単一分子上での2個以上のエステルの形成も可能だが、一般にこのような反応ではその賦形剤上の1個の酸または1個のエステル置換基は、それぞれアジスロマイシンの1個の分子と反応することができる。或る賦形剤がアジスロマイシンと反応してアジスロマイシンエステルを形成する潜在能力を評価する一つの便利な方法は、その組成物中のアジスロマイシン1グラム当たりの担体上の酸またはエステル置換基のモル数または当量数である。例えば或る賦形剤が組成物中のアジスロマイシン1グラム当たり0.13ミリ当量(meq)の酸またはエステル置換基を有し、かつそれらの酸またはエステル置換基のすべてがアジスロマイシンと反応して一置換アジスロマイシンエステルを形成するならば、0.13 meqのアジスロマイシンエステルを生ずることになる。アジスロマイシンの分子量は749 g/molであるので、これは組成物中に最初に存在したアジスロマイシン各1グラムにつきアジスロマイシン0.1 gがその組成物中でアジスロマイシンエステルに転化することになることを意味する。したがってマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンエステルの濃度は1重量%であることになる。しかしながら組成物中の酸およびエステル置換基がことごとく反応してアジスロマイシンエステルを形成することはありそうもない。下記に言及するようにマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの結晶化度が大きいほどその賦形剤上の酸およびエステル置換基の濃度は高く、なおさら許容しうる量のアジスロマイシンエステルを含む組成物をもたらす可能性がある。
所与の賦形剤に対する重量%/日で表したアジスロマイシンエステル形成速度Reは、式
Re=Cesters÷t (I)
により零次反応モデルを用いて予測することができる。式中、Cestersは形成されるアジスロマイシンエステルの濃度(重量%)であり、tは温度T(℃)における日数で表したアジスロマイシンとその賦形剤の間の接触時間である。
様々なアジスロマイシンエステルが、そのアジスロマイシンとその賦形剤の反応によって形成される可能性がある。別段の指示がない限りCestersは、すべてのアジスロマイシンエステルが混ざった濃度を指す。
賦形剤とのアジスロマイシンエステル形成の反応速度を求めるための一つの手順は次のとおりである。賦形剤をその融点を超える或る一定温度まで加熱し、その融解した賦形剤に等重量のアジスロマイシンを加えることにより融解賦形剤中に溶けたアジスロマイシンの懸濁液または溶液を形成する。次いでこの融解混合物の試料を定期的に抜き取り、下記の手順を用いてアジスロマイシンエステルの形成を解析する。次いで上記の式(I)を用いてエステル形成の速度を求めることができる。
別法では、この賦形剤とアジスロマイシンをその賦形剤の溶融温度未満の温度でブレンドし、そのブレンド物を都合のよい温度、例えば50℃で保管することができる。下記のようにこのブレンド物の試料を定期的に抜き取り、アジスロマイシンエステルの形成を解析することができる。次いで上記の式(I)を用いてエステル形成の速度を求めることができる。
当業界でよく知られている複数の方法を用いてマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンエステルの濃度を求めることができる。典型的な方法は、高性能液体クロマトグラフィ/質量分析計(LC/MS)による分析である。この方法ではアジスロマイシンとアジスロマイシンエステルを、メタノールまたはイソプロピルアルコールなどの適切な溶媒を用いてマルチパーティキュレートから抽出する。次いでこの抽出溶媒を0.45 μmナイロンシリンジフィルターで濾過して溶媒中に存在する粒子を除去することができる。次いで抽出溶媒中に存在する様々な種を、当業界でよく知られている手順を用いて高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)により分離することができる。質量分析計を用いて種を検出し、内部または外部どちらかのアジスロマイシン対照を基準にして質量分析計のピーク面積からアジスロマイシンおよびアジスロマイシンエステルの濃度を計算する。そのアジスロマイシンエステルの信頼できる標準が合成されている場合は、好ましくはそのアジスロマイシンエステルに対する外部基準を使用することができる。次いでこのアジスロマイシンエステルの値を試料中の全アジスロマイシンの百分率として記録する。
本発明のプロセスにより調製される組成物は、周囲温度および湿度において、またはICHの指針のもとで25℃、相対湿度(RH)60%において2年間貯蔵後の全アジスロマイシンエステルが約1重量%未満である。本発明の好ましい実施形態は、このような貯蔵後のアジスロマイシンエステルが約0.5重量%未満であり、より好ましくは約0.2重量%未満であり、また最も好ましくは約0.1重量%未満である。
加速貯蔵試験は、International Conference on Harmonization(ICH)の指針に従って行うことができる。周囲温度における2年間のシミュレーションを、これらの指針のもとで30℃/相対湿度(RH)60%において1年間貯蔵した試料のエステル形成を測定することによって行う。より速いシミュレーションは、試料を40℃/75%RHにおいて6ヶ月間貯蔵することによって行うことができる。
全アジスロマイシンエステル含量約1重量%未満という条件を満足させるには、全アジスロマイシンエステル形成速度が、
Re≦3.6×107・e-7070(T+273)
(ただしTは℃で表される温度である)であるべきである。
好ましい全アジスロマイシンエステル含量約0.5重量%未満という条件を満足させるには、全アジスロマイシンエステル形成速度は、
Re≦1.8×107・e-7070(T+273)
であるべきである。
より好ましい全アジスロマイシンエステル含量約0.2重量%未満という条件を満足させるには、全アジスロマイシンエステル形成速度は、
Re≦7.2×106・e-7070(T+273)
であるべきである。
最も好ましい全アジスロマイシンエステル含量約0.1重量%未満という条件を満足させるには、全アジスロマイシンエステル形成速度は、
Re≦3.6×106・e-7070(T+273)
であるべきである。
アジスロマイシンが或る賦形剤と反応してアジスロマイシンエステルを形成する潜在能力を評価する一つの便利な方法は、その賦形剤の酸/エステルの置換度を確かめることである。これは、それぞれの賦形剤分子上の酸およびエステル置換基の数をそれぞれの賦形剤分子の分子量で除し、それぞれの賦形剤分子1グラム当たりの酸およびエステル置換基の数を得ることによって求めることができる。多くの好適な賦形剤は実際には幾つかの特定の分子の種類の混合物であるので、多数の置換基および分子量の平均値をこれらの計算に用いることができる。次いで、この組成物中のアジスロマイシン1グラム当たりの酸およびエステル置換基の濃度は、この数に組成物中の賦形剤の質量を乗じ、組成物中のアジスロマイシンの質量で除することによって求めることができる。例えばグリセリルモノステアラート、CH3(CH2)16COOCH2CHOHCH2OHは、358.6 g/molの分子量と1モル当たり1個のエステル置換基を有する。したがって賦形剤1グラム当たりのエステル置換基濃度は1 eq÷358.6 g、すなわち賦形剤1 g当たり0.0028 eqまたは賦形剤1 g当たり2.8 meqである。アジスロマイシン30重量%とグリセリルモノステアラート70重量%を含有するマルチパーティキュレートを形成する場合、アジスロマイシン1グラム当たりのエステル置換基濃度は、
2.8 meq/g×70/30=6.5 meq/gアジスロマイシン
となるはずである。上記と同様の計算を用いて任意の賦形剤候補上の酸およびエステル置換基の濃度を計算することができる。
しかしながらほとんどの場合、その賦形剤候補は純粋な形では入手できず、幾種類かの主要な分子と、酸またはエステルのこともある少量の不純物または分解生成物との混合物を構成している可能性がある。これに加えて多くの賦形剤候補は、広範な成分を含有する可能性のある天然の産物であるか、または天然の産物から誘導され、たとえ不可能ではないとしても上記の計算がきわめて困難になる。これらの理由で本発明者等は、このような材料上の酸/エステルの置換度を、その賦形剤の鹸化数すなわち鹸化価を用いることによって多くの場合最も簡単に推定することができることを見出した。鹸化数は、材料1グラム中に存在するいかなる酸またはエステル置換基をも中和または加水分解するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。鹸化数の測定値は多くの市販の賦形剤の特徴を記述する標準的な方法であり、その製造業者はそれら賦形剤の鹸化数を提供することが多い。鹸化数は、その賦形剤自体の上に存在する酸およびエステル置換基だけでなく、その賦形剤中に不純物または分解生成物が原因で存在するそのようないかなる置換基の明細も明らかにするはずである。したがって鹸化数は、その賦形剤中の酸/エステルの置換度のより正確な尺度を提供することが多いはずである。
候補の賦形剤の鹸化数を求めるための一手順は次のとおりである。まず1リットルの95%エタノールに水酸化カリウム5から10 gを加え、その混合物を還流冷却器中で約1時間沸騰させることにより水酸化カリウム溶液を調製する。次にエタノールを蒸留し、15.5℃未満に冷却する。蒸留したエタノールをこの温度未満に保ちながらこのエタノール中に水酸化カリウム40 gを溶解し、アルカリ試薬を形成する。次いで還流冷却器を備えたフラスコに賦形剤試料4から5 gを加える。次いでアルカリ試薬試料50 mLをこのフラスコに加え、鹸化が完了するまで一般には約1時間、この混合物を還流条件下で沸騰させる。次いでこの溶液を冷却し、フェノールフタレイン溶液1 mL(95%エタノール中1%)を混合物に加え、そのピンク色がちょうど消えるまで混合物を0.5 N HClで滴定する。次に材料1グラム当たりの水酸化カリウムのミリグラムで表される鹸化数を次式から計算する。
鹸化数=[28.05×(B−S)]÷試料重量
式中、Bはブランク試料(賦形剤を含有しない試料)を滴定するのに必要なHClのmL数であり、Sはこの試料を滴定するのに必要なHClのmL数である。材料の鹸化数を求めるためのこのような方法の更なる詳細については、Welcher著、Standard Methods of Chemical Analysis (1975)中に述べられている。American Society for Testing and Materials (ASTM)もまた、ASTM D1387-89、D94-00、およびD558-95など、様々な材料の鹸化数を求めるための数種類の試験法を確立している。これらの方法もまた、可能性のある賦形剤についてその鹸化数を求めるのにも適している。
一部の賦形剤については、そのマルチパーティキュレートを形成するために使用される加工条件(例えば高温)がその賦形剤の化学構造の変化を引き起こすことがあり、場合によっては例えば酸化により酸および/またはエステル置換基の形成につながる。したがって賦形剤の鹸化数は、その賦形剤をマルチパーティキュレート形成用の予想される加工条件に曝した後に測定するべきである。このやり方でアジスロマイシンエステルの形成を引き起こす可能性のある賦形剤由来の潜在的な分解生成物の明細を明らかにすることができる。
賦形剤上の酸およびエステルの置換度は、下記のようにその鹸化数から計算することができる。鹸化数を水酸化カリウムの分子量56.11 g/molで除することにより、その賦形剤1グラム中に存在するいかなる酸またはエステル置換基をも中和または加水分解するのに必要な水酸化カリウムのミリモル数が得られる。1モルの水酸化カリウムは1当量の酸またはエステル置換基を中和することになるので、その鹸化数を水酸化カリウムの分子量で除することにより賦形剤1グラム中に存在する酸またはエステル置換基のミリ当量数(meq)がまた得られる。
例えば、製造業者が指定しているように鹸化数165を有するグリセリルモノステアラートを得ることができる。したがって賦形剤1グラム当たりの酸/エステルの置換度すなわちその酸/エステル濃度は、
165 meq/g÷56.11=2.9 meq/g賦形剤
である。
アジスロマイシン30重量%およびグリセリルモノステアラート70重量%を有する組成の上記試料を用いた場合、アジスロマイシン1グラム当たりの形成されるエステルの理論濃度は、そのアジスロマイシンがすべて反応したとすれば、
2.9 meq/g×70/30=6.8 meq/g
であるはずである。
マルチパーティキュレートが2種類以上の賦形剤を含む場合は、全賦形剤中の酸およびエステル基の総濃度を用いてそのマルチパーティキュレート中のアジスロマイシン1グラム当たりの酸/エステルの置換度を求めるべきである。例えば、賦形剤Aがその組成物中に存在するアジスロマイシン1 g当たり3.5 meqの酸/エステル置換基濃度[A]を有し、賦形剤Bがアジスロマイシン1 g当たり0.5 meqの[A]を有し、かつ両方がその組成物中に賦形剤総量の50重量%の量で存在する場合、それら賦形剤の混合物はアジスロマイシン1 g当たり(3.5+0.5)÷2すなわち2.0 meqの有効[A]を有する。このやり方でずっと高い酸/エステルの置換度を有する幾つかの賦形剤を組成物中で用いることができる。
本発明で有用な担体および賦形剤は、それらのアジスロマイシンエステルを形成する傾向に関して4つの概括的カテゴリー(1)非反応性、(2)低反応性、(3)中反応性、および(4)高反応性に分類することができる。
非反応性の担体および賦形剤は一般に酸またはエステル置換基を持たず、また酸またはエステルを含有する不純物を含まない。一般に非反応性材料は、アジスロマイシン1 g当たり0.0001 meq未満の酸/エステル濃度を有することになる。大部分の材料が少量の不純物を含有するので非反応性の担体および賦形剤はきわめて稀である。したがって非反応性の担体および賦形剤は高度に精製しなければならない。さらに、賦形剤中に他の元素が存在すると酸またはエステル不純物の原因となる可能性があるので、非反応性の担体および賦形剤は炭化水素であることが多い。非反応性の担体および賦形剤のアジスロマイシンエステル形成速度は本質的にゼロであり、賦形剤とアジスロマイシンの反応速度を求めるための前述の条件下ではアジスロマイシンエステルは何も生じない。非反応性の担体および賦形剤の例には、高度に精製した炭化水素、すなわち合成ワックス、ミクロクリスタリンワックス、およびパラフィンワックスが挙げられる。
低反応性の担体および賦形剤もまた酸またはエステル置換基を持たず、酸またはエステル置換基を含有する少量の不純物または分解生成物を含有することが多い。一般に低反応性の担体および賦形剤は、賦形剤1 g当たり約0.1 meq未満の酸/エステル濃度を有する。一般に低反応性の担体および賦形剤は、100℃で測定した場合に1日当たり約0.005重量%未満のアジスロマイシンエステル形成速度を有することになる。低反応性の担体および賦形剤の例には、長鎖アルコール類、例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、およびポリエチレングリコールと、ポロキサマー類(エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー)と、エーテル類、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルと、エーテル置換セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびエチルセルロースと、糖類、例えばグルコース、スクロース、キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールと、塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、およびリン酸カリウムとが挙げられる。
中反応性の担体および賦形剤は酸またはエステル置換基を含有することが多いが、その賦形剤の分子量と比べると比較的少ない。一般に中反応性の担体および賦形剤は、賦形剤1 g当たり約0.1から約3.5 meqの酸/エステル濃度を有する。例には、長鎖脂肪酸エステル、例えばグリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、グリセリルパルミトステアラート、ポリエトキシル化したひまし油誘導体、グリセリルジベヘナート、ならびにモノ−、ジ−、およびトリベヘナート、グリセリルトリステアラート、グリセリルトリパルミタート、および硬化植物油の混合物を含めたモノ−、ジ−、およびトリアルキルグリセリド類の混合物と、グリコール化(glycolized)脂肪酸エステル類、例えばポリエチレングリコールステアラート、およびポリエチレングリコールジステアラートと、ポリソルベート類と、ワックス類、例えばカルナウバ蝋、白および黄蝋とが挙げられる。
高反応性の担体および賦形剤は、通常数個の酸またはエステル置換基か、あるいは低分子量を有する。一般に高反応性の担体および賦形剤は、賦形剤1 g当たり約3.5 meqを超える酸/エステル濃度を有し、かつ100℃において1日当たり約40重量%を超えるアジスロマイシンエステル形成速度を有する。例には、カルボン酸類、例えばステアリン酸、アルギン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、およびマレイン酸と、短ないし中鎖脂肪酸エステル類、例えばパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、レシチン、トリアセチン、およびセバシン酸ジブチルと、エステル置換セルロース誘導体、例えば酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)と、酸またはエステルで官能性を持たせたポリメタクリル酸エステル類およびアクリル酸エステル類が挙げられる。上記で列挙した高分子担体および賦形剤の反応性は、そのポリマー上の任意の酸およびエステル置換基の置換度によって決まることになることに注目されたい。例えば信越(日本)は数品種のHPMCASを製造している。HPMCAS−HFグレードは賦形剤1 g当たり酢酸およびコハク酸置換基約3.2 meqを含有し、一方HPMCAS−MFグレードは賦形剤1 g当たり約8.3 meqを含有する。したがってこれらのポリマーの一部は中反応性を有する可能性がある。
一般に高反応性の担体および賦形剤(例えば約3.5 meq/gを超える)上の酸/エステル濃度は非常に高いので、これらの賦形剤が調合物中で直接アジスロマイシンと接触するならばその組成物の加工または貯蔵中に許容できない高濃度のアジスロマイシンエステルを形成する。したがってこのような高反応性の担体および賦形剤は、マルチパーティキュレート中に使用される担体または賦形剤上の酸およびエステル基の総量が低くなるように、より低い反応性を有する担体または賦形剤と好ましくは組み合わせて用いられるのみである。
本発明者等は、約1重量%未満の許容できる濃度のアジスロマイシンエステルを有するマルチパーティキュレートを得るには、そのマルチパーティキュレート中のアジスロマイシンの結晶化度と、その担体および任意選択の賦形剤上の酸およびエステル置換基の濃度との間にはトレードオフの関係があることを見出した。概して言えばその組成物中のアジスロマイシンの結晶化度が高いほど、許容しうる量のアジスロマイシンエステルを有するマルチパーティキュレートを得るための担体および任意選択の賦形剤上の酸/エステルの置換度は高い可能性がある。
アジスロマイシンの結晶化度と、その担体および任意選択の賦形剤上の酸/エステルの置換度との間のトレードオフの関係は、数式
[A]≦0.04/(1−x) (II)
により定量化することができる。式中、[A]はアジスロマイシン1 g当たりのmeqで表される担体および任意選択の賦形剤上の酸/エステル置換濃度であり、xは結晶性である組成物中のアジスロマイシンの重量分率である。好ましくはアジスロマイシンおよび担体/賦形剤は、式
[A]≦0.02/(1−x) (III)
を満たすはずである。
より好ましくはアジスロマイシンおよび担体/賦形剤は、式
[A]≦0.008/(1−x) (IV)
を満たすはずである。
最も好ましくはアジスロマイシンおよび担体/賦形剤は、式
[A]≦0.004/(1−x) (V)
を満たすはずである。
担体
このマルチパーティキュレートは、薬学的に許容できる担体を含む。「薬学的に許容できる」とは、その担体が組成物中のその他の成分と共存でき、かつその受容者に有害であってはならないことを意味する。担体は、マルチパーティキュレート用の基質として働くか、またはマルチパーティキュレートからアジスロマイシンの放出速度に影響を及ぼすように働くか、またはその両方である。担体は、そのマルチパーティキュレートの総質量を基準にして一般にはマルチパーティキュレートの約10重量%から約95重量%、好ましくはマルチパーティキュレートの約20重量%から約90重量%、またより好ましくはマルチパーティキュレートの約40重量%から約70重量%を占めることになる。担体は、約40℃の温度で好ましくは固体である。本発明者等は、その担体が固体でない場合には、特に高温、例えば40℃で貯蔵した場合に徐々にその組成物の物理的特性が変化する可能性があることを見出した。したがって担体は約50℃、より好ましくは約60℃の温度で固体であることが好ましい。
本発明のマルチパーティキュレートに用いるのに適した担体の例には、ワックス類、例えば合成ワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバ蝋、および蜜蝋と、グリセリド類、例えばグリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、グリセリルパルミトステアラート、ポリエトキシル化したひまし油誘導体、硬化植物油、グリセリルモノ−、ジ−、またはトリベヘナート、グリセリルトリステアラート、グリセリルトリパルミタートと、長鎖アルコール類、例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、およびポリエチレングリコールと、これらの混合物が挙げられる。
任意選択の賦形剤
このマルチパーティキュレートは、マルチパーティキュレートの形成を助けるために、マルチパーティキュレートからのアジスロマイシンの放出速度に影響を及ぼすように、または当業界で知られている他の目的のために任意選択で賦形剤を含むことができる。
このマルチパーティキュレートは、任意選択で溶解エンハンサーを含むことができる。溶解エンハンサーは、担体からの薬物の溶解の速度を増す。一般には溶解エンハンサーは両親媒性化合物であり、また一般にその担体よりも親水性である。溶解エンハンサーは、一般にそのマルチパーティキュレートの総質量の約0.1重量%から約30重量%を占めるはずである。一般にその組成物からのアジスロマイシンの放出速度は、存在する溶解エンハンサーの量の増加とともに増加する。このような薬品は、一般に高い水溶解度を有し、組成物中で他の賦形剤の可溶化を促進することができる界面活性剤または湿潤剤であることが多い。典型的な溶解エンハンサーには、アルコール類、例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、およびポリエチレングリコールと、界面活性剤、例えばポロクサマー(ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、およびポロクサマー407など)、ドキュセート塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油誘導体、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、およびソルビタンモノエステルと、糖類、例えばグルコース、スクロース、キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールと、塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、およびリン酸カリウムと、アミノ酸類、例えばアラニンおよびグリシンと、これらの混合物が挙げられる。好ましくは溶解エンハンサーは少なくとも1種類の界面活性剤であり、また最も好ましくは溶解エンハンサーは少なくとも1種類のプロクサマーである。
どんな特定の理論または機構とも結び付けたいとは思わないが、マルチパーティキュレート中に存在する溶解エンハンサーは、その水性の使用環境がマルチパーティキュレートに浸透する速度に影響を及ぼし、それによってアジスロマイシンが放出される速度に影響を及ぼすと思われる。さらにこのような薬品は、担体自体の水溶解を助けることによって、多くの場合ミセル中で担体を可溶化することによってアジスロマイシン放出速度を高めることができる。アジスロマイシンマルチパーティキュレート用の溶解エンハンサーと適切な賦形剤の選択との更なる詳細については、本願の譲受人に譲渡された2003年12月4日出願の米国特許出願第60/527319号(「Controlled Release Multiparticulates Formed with Dissolution Enhancers」、代理人整理番号PC25016)に開示されている。
アジスロマイシンからの放出を妨げるまたは遅らせる薬品もまた担体に含めることができる。このような溶解抑制剤は一般に疎水性である。溶解抑制剤の例には、ミクロクリスタリンワックスおよびパラフィンワックスなどの炭水化物ワックス類と、約20,000ダルトンを超える分子量を有するポリエチレングリコールとが挙げられる。
マルチパーティキュレートの放出特性を調節するために、または加工を改善するために他の賦形剤を加えることができ、一般にそのマルチパーティキュレートの総質量を基準にしてマルチパーティキュレートの0から50重量%を占めることになる。例えば、水溶液中のアジスロマイシンの溶解度はpHの増加とともに低下するので、アジスロマイシンが水性の使用環境中に放出される速度を低下させるために塩基をその組成物中に含めてもよい。組成物中に含めることができる塩基の例には、ジおよびトリ塩基性リン酸ナトリウム、ジおよびトリ塩基性リン酸カルシウム、モノ−、ジ−、およびトリエタノールアミン、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水化物、ならびに当業界知られている様々な水和および無水形態を含めた他の酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、およびクエン酸塩が挙げられる。
さらに他の賦形剤をマルチパーティキュレート上の静電荷を減らすために加えることができ、このような帯電防止剤の例にはタルクおよび二酸化ケイ素が挙げられる。
香味料、着色料、および他の賦形剤もまた、それらの通常の目的に対してそれらの通常の量で加えてもよい。
一実施形態ではマルチパーティキュレートは、そのマルチパーティキュレートの総質量を基準にしてアジスロマイシンを約20から約75重量%、担体を約25から約80重量%、溶解エンハンサーを約0.1から約30重量%含む。
より好ましい実施形態ではマルチパーティキュレートは、アジスロマイシンを約35から約55重量%、ワックス類、例えば合成ワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバ蝋、および蜜蝋と、グリセリド類、例えばグリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、グリセリルパルミトステアラート、ポリエトキシル化したひまし油誘導体、硬化植物油、グリセリルモノ−、ジ−、またはトリベヘナート、グリセリルトリステアラート、グリセリルトリパルミタート、およびこれらの混合物とから選択される賦形剤を約40から約65重量%、界面活性剤類、例えばプロクソマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、およびソルビタンモノエステルと、アルコール類、例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、およびポリエチレングリコールと、糖類、例えばグルコース、スクロース、キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールと、塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、およびリン酸カリウムと、アミノ酸類、例えばアラニンおよびグリシンと、これらの混合物とから選択される溶解エンハンサーを約0.1から約15重量%含む。
別の実施形態では本発明の方法によって製造されるマルチパーティキュレートは、(a)アジスロマイシン、(b)炭素原子16個以上の少なくとも1種類のアルキラート置換基を有するグリセリド担体、および(c)ポリクサマーを含む。このマルチパーティキュレート中の薬物の少なくとも約70重量%が結晶性である。これらの特定の担体賦形剤の選択によって広範囲の放出速度にわたりアジスロマイシンの放出速度の正確な制御が可能になる。グリセリド担体とプロクサマー溶解エンハンサーの相対量の小さな変化が、薬物の放出速度の大きな変化を引き起こす。これは、薬物、グリセリド、およびプロクサマーの適正な比率を選択することによってそのマルチパーティキュレートからの薬物の放出速度を正確に制御することを可能にする。これらの基質材料は、そのマルチパーティキュレートからほぼすべての薬物を放出するという更なる利点を有する。このようなマルチパーティキュレートは、本願の譲受人に譲渡された2003年12月4日出願の米国特許出願第60/527329号(「Multiparticulate Crystalline Drug Compositions Having Controlled Release Profiles」、代理人整理番号PC25020)により完全に開示されている。
一態様においてマルチパーティキュレートは、非崩壊性基質の形態である。「非崩壊性基質」とは、そのマルチパーティキュレートを水性の使用環境に導入した後、その担体の少なくとも一部分が溶解または崩壊しないことを意味する。このような場合、アジスロマイシン、および任意選択で担体または場合によっては賦形剤の一部分、例えば溶解エンハンサーは、溶解によりそのマルチパーティキュレートから放出される。担体の少なくとも一部分は溶解または崩壊せず、使用環境がin vivoである場合は排出され、また使用環境がin vitroである場合は試験溶液中に懸濁した状態のままである。この態様において担体は水性の使用環境中で低溶解度を有することが好ましい。好ましくは水性の使用環境中の担体の溶解度は、約1 mg/mL未満、より好ましくは約0.1 mg/mL未満、また最も好ましくは約0.01 mg/mL未満である。好適な低溶解度担体の例には、ワックス類、例えば合成ワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバ蝋、および蜜蝋と、グリセリド類、例えばグリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、グリセリルパルミトステアラート、グリセリルモノ−、ジ−、またはトリベヘナート、グリセリルトリステアラート、グリセリルトリパルミタート、およびこれらの混合物とが挙げられる。
制御放出
本発明の方法により製造されるアジスロマイシンマルチパーティキュレートは、薬物の即時、持続、または制御放出に適しているが、これは使用環境に導入された後のアジスロマイシンの制御放出に特にうってつけである。このマルチパーティキュレートは、副作用を改善するように十分ゆっくりした速度でアジスロマイシンの放出を行うことができるので好都合である。このマルチパーティキュレートはまた、十二指腸に対して遠位のGI管の部分で大部分のアジスロマイシンを放出することができる。下記において治療上の量の見地からのまたは放出速度で点での「アジスロマイシン」に対する言及は、活性アジスロマイシン、すなわち分子量749 g/molを有する非塩、非水和マクロライド分子に対するものである。
一態様では本発明の方法により形成される組成物は、本願の譲受人に譲渡された米国特許第6,068,859号中で述べられている放出プロフィールに従ってアジスロマイシンを放出する。
別の態様では本発明の方法により形成される組成物は、37℃においてpH 6.0のNa2HPO4緩衝液900 mLを含む攪拌した緩衝試験媒体に、この組成物を含有する剤形を投与した後、下記の速度、すなわち(i)この緩衝試験媒体に投与後0.25時間ではその剤形中のアジスロマイシンの約15から約55重量%、しかしせいぜい1.1 gA、(ii)0.5時間ではその剤形中のアジスロマイシンの約30から約75重量%、しかしせいぜい1.5gA、好ましくはせいぜい1.3 gA、(iii)1時間ではその剤形中のアジスロマイシンの約50重量%を超える速度で試験媒体にアジスロマイシンを放出する。さらに本発明の組成物を含有する剤形は、絶食状態の患者に対して、投与から少なくとも2時間のうちに少なくとも0.5 μg/mLの最大アジスロマイシン血液濃度と、投与の96時間以内に少なくとも10 μg・時間/mLのアジスロマイシン血液濃度対時間の曲線の下側の面積とを達成するアジスロマイシン放出プロフィールを示す。
マルチパーティキュレートは、1種類または複数種類の薬学的に許容できる材料と混合またはブレンドして適切な剤形を形成することができる。適切な剤形には、錠剤、カプセル、サッシェ、構成用の経口散剤などが挙げられる。
マルチパーティキュレートはまた、アルカリ化剤と共に投与して副作用の発生を低減することができる。本明細書中で用いる用語「アルカリ化剤」とは、構成懸濁液中または患者に経口投与した後の患者の胃中のpHを上げることになる1種類または複数種類の薬学的に許容できる賦形剤を意味する。アルカリ化剤には、例えば制酸剤ならびに薬学的に許容できる(1)有機および無機塩基、(2)強有機および無機酸の塩、(3)弱有機および無機酸の塩、および(4)緩衝液が挙げられる。アルカリ化剤の例には、これらには限定されないがアルミニウム塩、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウムと、マグネシウム塩、例えば炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびステアリン酸マグネシウムと、カルシウム塩、例えば炭酸カルシウムと、重炭酸塩、例えば重炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウムと、リン酸塩、例えば一塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム(TSP)、二塩基性リン酸カリウム、および三塩基性リン酸カリウムと、金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウム、および水酸化マグネシウムと、金属酸化物、例えば酸化マグネシウムと、N−メチルグルカミンと、アルギン酸およびそれらの塩と、アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)と、これらの組合せが挙げられる。好ましくはアルカリ化剤は、TRIS、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、二塩基性リン酸ナトリウム、TSP、二塩基性リン酸カリウム、三塩基性リン酸カリウム、またはこれらの組合せである。より好ましくはアルカリ化剤は、TSPと水酸化マグネシウムの組合せである。アルカリ化剤は、本願の譲受人に譲渡された2003年12月4日出願の米国特許出願第60/527084号(「Azithromycin Dosage Forms with Reduced Side Effects」、代理人整理番号PC25240)中に、より完全に開示されている。
本発明の方法によって製造されるマルチパーティキュレートは、薬物の結晶性および/またはマルチパーティキュレートの安定性を向上させるために後処理してもよい。一実施形態ではマルチパーティキュレートはアジスロマイシンと担体を含み、この担体が融点Tm℃を有し、このマルチパーティキュレートを形成した後に(i)最低約35℃かつ約(Tm℃−10℃)未満の温度にマルチパーティキュレートを加熱するステップ、および(ii)このマルチパーティキュレートを易動性向上剤(mobility-enhancing agent)に曝すステップの少なくとも一方により処理する。この後処理のステップは、そのマルチパーティキュレート中の薬物の結晶化度の増大と、一般にはそのマルチパーティキュレートの化学的安定性、物理的安定性、および溶解安定性のうち少なくとも一つの改良とをもたらす。後処理の方法は、本願の譲受人に譲渡された2003年12月4日出願の米国特許出願第60/527245号(「Multiparticulate Compositions with Improved Stability」、代理人整理番号PC11900)中に、より完全に開示されている。
さらに補足説明を加えることなしに当業界の通常の技術者は、前述の記述を用いて本発明をその最大限度まで利用することができると思われる。したがって下記の特定の実施形態は単に例示的なものと解釈されるべきであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業界の通常の技術者ならば、下記実施例の条件およびプロセスの周知の変形例を使用することができることを理解するはずである。
実施例1
マルチパーティキュレートを、次の手順を用いて噴霧乾燥工程により作製した。まず担体1 g当たり3.2 meqの酸およびエステル置換基の濃度を有するHFグレードの担体である酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越から入手したHPMCAS-HF)50 gとNH4OH 4 gを蒸留水455 gに加えてpHが8を超える溶液を形成した。この溶液に>99%の結晶化度を有するアジスロマイシン二水和物の結晶50 gを加え、HPMCAS-HFと高pH水の溶液に溶かしたアジスロマイシン二水和物の懸濁液を形成した。この懸濁液を1時間攪拌した。得られた懸濁液は、8.94重量%のHPMCAS-HF、8.94重量%のアジスロマイシン二水和物、0.72重量%のNH4OH、および81.40重量%の水からなる。この懸濁液の組成を表1にまとめた。これを、懸濁したアジスロマイシン二水和物の結晶の沈降を防止するために懸濁液を連続的に攪拌し、それを蠕動ポンプを用いて1 mmの空隙を有するNiro二流体霧化ノズルへ公称速度40 g/分で直接供給することにより、表2に示す条件を用いて噴霧乾燥した。流量193 g/分および圧力40 psigの窒素を用いてこの溶液を霧化してNiro PSD-1噴霧乾燥チャンバに入れた。200℃の乾燥窒素を流量1700 g/分でチャンバに導入した。乾燥ガスおよび蒸発水は温度62℃で乾燥器から出た。得られたアジスロマイシン含有マルチパーティキュレートを、サイクロンを用いて回収した。分析の結果は、このマルチパーティキュレートが26 μmの平均粒径を有することを示した。このマルチパーティキュレートは、約50重量%のアジスロマイシン二水和物および50重量%のHPMCAS-HFを含んでいた。担体上の酸およびエステル置換基の濃度は、アジスロマイシン1 g当たり3.2 meqと計算された。
実施例2
表1および2に示す例外を除いて実施例1と同様に35 μmの平均粒径を有する噴霧乾燥マルチパーティキュレートを形成した。実施例2のマルチパーティキュレートは、36.7重量%のアジスロマイシン二水和物および63.3重量%のHPMCAS-HFを含んでいた。担体上の酸およびエステル置換基の濃度は、アジスロマイシン1 g当たり5.5 meqと計算された。
Figure 2007513146
Figure 2007513146
実施例1および2のマルチパーティキュレートからのアジスロマイシンの放出速度を次の手順を用いて求めた。このマルチパーティキュレートの試料750 mgを、50 rpmで回転するテフロン(登録商標)コーティングした攪拌棒を備えたUSP 2型ディゾット(dissoette)フラスコ中に入れた。実施例1については、フラスコは37.0±0.5℃に保った胃緩衝液をシミュレートした0.1 N HCl(pH 2)750 mLを含有した。実施例2については、フラスコは37.0±0.5℃に保った胃緩衝液をシミュレートした0.01 N HCl(pH 2)750 mLを含有した。マルチパーティキュレートは、フラスコに加える前にこの模擬胃緩衝液10 mLで予備湿潤した。次に、フラスコにマルチパーティキュレートを加えた後、実施例1については5、10、15、30、45、60、および120分経過時に、また実施例2については5、15、30、および60分経過時にフラスコ中の流体の試料3 mLを収集した。これら試料を0.45 μmシリンジフィルターを用いて濾過してからHPLC(Hewlett Packard 1100、Waters Symmetry C8カラム、1.0 mL/分のアセトニトリル:メタノール:25 mM KH2PO4緩衝液(45:30:25)、吸光度はダイオードアレー分光光度計を用いて210 nmで測定)により分析した。
Figure 2007513146
次いで実施例2のマルチパーティキュレートをアジスロマイシンエステルが存在するかどうかLCMSにより分析した。1mL当たりアジスロマイシン1.25 mgの濃度でイソプロピルアルコールを用いて抽出することにより試料を調製し、音波処理した。次いでこの試料溶液を0.45 μmナイロンシリンジフィルターにより濾過した。次いでこの試料溶液をHewlett Packard HP1100液体クロマトグラフ上でHypersil BDS C18 4.6×250 mm(5 μm)HPLCカラムを用いたHPLCにより分析した。 試料の溶離に使用した移動相は、イソプロピルアルコールおよび25 mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH約7)の勾配、すなわち初期条件はイソプロピルアルコール/酢酸アンモニウム50/50(v/v)、次いでイソプロピルアルコールの割合を30分かけて100%まで増加し、さらに100%で15分間保った。流量は0.80 mL/分であった。注入体積75 mLおよびカラム温度43℃を使用した。
検出にはFinnigan LCG Classic質量分析計を用いた。ASPCI源は、選択イオンモニタリング法を陽イオンモードで用いた。アジスロマイシンエステルが存在するかどうかの計算を外部アジスロマイシン標準に基づいてMSピーク面積から行い、アジスロマイシンエステルが全く存在しないことを明らかにした。
実施例3
マルチパーティキュレートを次の手順を用いて噴霧塗布法により作製した。まず実質上酸およびエステル置換基を含有しない低反応性担体、ヒドロキシプロピルセルロース(デラウェア州ウィルミントンのAqualon, Inc.から入手したKLUCEL EF)30 gを蒸留水800 g中に溶解した。次いでこの溶液に、結晶化度>99%を有する結晶性アジスロマイシン二水和物119.6 gを加えた。得られた塗料溶液のpHは9であり、その溶液中に溶解したアジスロマイシン二水和物の量が1 mg/mL未満であったことを示した。
次いでこの塗料溶液を、ウルスターカラムを備えたGlatt GPGC-1流動層塗布装置中で微晶質セルロースのシードコア500 g上に噴霧した。このシードコアは公称直径170 μmを有する。この塗料を、入口温度52℃から55℃に加熱した流動化窒素38から42 ft3/分でシードコアを流動化することにより塗布した。この塗布溶液を、二流体ノズルおよび2バールの霧化空気圧を用いて流量8から12 g/分でコア上に噴霧した。塗布の90分後、塗料は最初のコア重量の19.2重量%に達した。したがってコアは、塗布されたコア1 g当たりアジスロマイシン12.8 mgAを含有した。
これらの噴霧塗布したマルチパーティキュレートからのアジスロマイシンの放出速度を次の手順を用いて求めた。マルチパーティキュレートの試料1000 mgを、50 rpmで回転するテフロン(登録商標)コーティングした攪拌棒を備えたUSP 2型ディソットフラスコ中に入れた。このフラスコはpH 6.8のリン酸緩衝液750 mLを含有した。マルチパーティキュレートは、フラスコに加える前にこのリン酸緩衝液10 mLで予備湿潤した。次に、フラスコにマルチパーティキュレートを加えた後、5、10、15、30、60、および120分経過時にフラスコ中の流体の試料3 mLを収集した。この試料溶液を0.45 mナイロンシリンジフィルターにより濾過してからHPLC(Hewlett Packard 1100、Waters Symmetry C8カラム、1.0 mL/分のアセトニトリル:メタノール:25 mM KH2PO4緩衝液(45:30:25)、吸光度はダイオードアレー分光光度計を用いて210 nmで測定)により分析した。
Figure 2007513146
前述の明細書中で使用した用語および表現は、限定ではなく説明の用語として本明細書中で使用され、また示し記述された特徴の均等物またはその部分を除外するこのような用語および表現の使用には何の意図もなく、本発明の範囲は別添の特許請求の範囲によってのみ規定され限定されることを確認する。

Claims (18)

  1. マルチパーティキュレートを形成するための液体系方法であって、
    (a)アジスロマイシン、薬学的に許容できる担体、および約150℃未満の沸点を有する液体を含む混合物を形成するステップと、
    (b)(i)前記混合物を霧化すること、および(ii)前記混合物をシードコアに塗布することから選択される方法により、ステップ(a)の前記混合物から粒子を形成するステップと、
    (c)ステップ(b)の前記粒子から前記液体のかなりの部分を除去して、式
    [A]≦0.04/(1−x)
    (ただし[A]はアジスロマイシン1 g当たりのmeqで表される担体上の酸/エステルの置換濃度であり、xは前記マルチパーティキュレート中の結晶性のアジスロマイシンの重量分率である)を満たす前記マルチパーティキュレートを形成するステップと
    を含む前記方法。
  2. 下記式:
    [A]≦0.004/(1−x)
    を満たす、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)とステップ(c)が実質的に同時に起こる、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(a)、(b)、および(c)の少なくとも一つのステップ中に水が加えられる、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(c)の間、その結晶状態にあるアジスロマイシンの水の活性より大きいかまたは等しい湿度水準を維持することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(b)および(c)が噴霧乾燥により行われる、請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(b)が前記混合物をシードコアに塗布することにより行われ、かつステップ(c)が前記塗布したシードコアを乾燥することにより行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記液体が0.1 meq/g未満の酸およびエステル置換基濃度を有し、水、アルコール、エーテル、ケトン、炭化水素、クロロカーボン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記液体が水であり、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、アミン、タンパク質、アミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される塩基を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記アジスロマイシンが前記液体中で約10 mg/mL未満の溶解度を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記マルチパーティキュレートが、前記アジスロマイシンを約20から約75重量%、前記担体を約25から約80重量%、および溶解エンハンサーを約0.1から約30重量%含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記マルチパーティキュレートが、前記アジスロマイシンを約45から約55重量%および前記担体を約45から約55重量%含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記担体がワックス、グリセリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記担体が、合成ワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバ蝋、蜜蝋、グリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、グリセリルパルミトステアラート、ポリエトキシル化したひまし油誘導体、硬化植物油、グリセリルモノ−、ジ−、またはトリベヘナート、グリセリルトリステアラート、グリセリルトリパルミタート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記溶解エンハンサーが、界面活性剤、アルコール、糖類、塩類、アミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記溶解エンハンサーがプロクサマーである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記担体がグリセリルモノ−、ジ−、またはトリベヘナートの混合物である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記アジスロマイシンが実質上結晶性二水和物の形態である、請求項17に記載の方法。
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