JP2007510149A - アッセイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液サンプルにおける免疫原に対する抗体の量または存在を決定する方法に関係し、これは少なくとも次の工程を含む方法である:該サンプルにおいて血漿抗体もしくはその一部ならびにリンパ球抗体もしくはその一部の量または存在を検出し、該血漿抗体および該リンパ球抗体は一緒のアッセイで検出されるか、別個のアッセイで検出され、それらを合わせた量または存在の決定が、該免疫原に対する抗体の量または存在を決定する工程。ハイスループット・スクリーニング、血液バンクサンプルのスクリーニングおよび診断における本方法の使用方法も提供する。

Description

本発明は、抗体検出の分野のもので、特に抗原投与(感染またはワクチン接種など)に対する応答で産生された、血液サンプル内の抗体検出に関係し、同一の血液サンプル中におけるリンパ球および血漿の抗体がともに存在することを決定することを含む簡単な方法による。好ましくは、血漿およびリンパ球の抗体が単一のアッセイで同時に評価される。
サンプル中の抗体レベルを検出するために使用できるいくつかの技術、例えばELISAテ
ストがある。最も一般的には、ELISAは、血清学的アッセイとして用いられるが、抗原ま
たは抗体の免疫化学的特性を研究するのにも用いられる。また、ELISAは、しばしば、例
えば細胞培養による抗体産生を調べるために免疫応答の評価および特性決定、ハイブリドーマ技術などにおいても応用し得ることが見出されている。
ELISAアッセイは、簡単に使用でき、感度が良く、比較的迅速であるが、サンプル中の
標的となる分泌された抗体の存在を、単に測定することしかできない。すなわち、抗原に応答して進行中の抗体合成と、過去の感染または受動的移入などによりすでに存在している抗体との区別ができない。リンパ球から分泌された抗体のみが検出できる。分泌されないリンパ球の抗体は、この技術では検出されない。
ELISA法に加えて、ELISPOT(酵素結合免疫スポット(enzyme-linked immunospot))アッセイが利用されている。これはたとえば、Czerkinskyらによる「ELISAおよびその他の
固相免疫分析法」D.M. KemenyおよびS.J. Challacombe編, 1988, 10章, 217-239において、概説されている。ELISA法を基礎とするこのような技術は、一つ以上の標的抗原に対し
て抗体を分泌するリンパ球の計数を可能とする。基本的には、ELISPOTは、ELISA法の変法である。この方法に従って、標的抗原でコートされ、特別に改変されたELISAウェル中で
リンパ球を培養し、さらに、標準ELISA試薬を、分泌細胞付近で着色沈殿(スポット)を
生じる酵素−基質複合体と置換することによって、抗体分泌細胞(ASC)が明らかにされ
るであろう。その後、スポットを計数し、抗体産生細胞の数の測定がなされる。タンパク質合成の阻害剤は、培養培地中に含まれていてもよく、これにより、検出されたスポットが、インビトロでのインキュベーション期間中でのde novo抗体合成によるものであるこ
とを確認することができる。
ELISPOT技術は、体液性免疫応答の動力学の研究に極めて有用であることが明らかにさ
れ、免疫処置された被検者の末梢循環中に、一過性で現れる自然発生的なASCの検出に用
いられてきた。しかし、その一方で、この方法のある特徴により、臨床診断場面におけるその利用は制約を受ける。第一に、各サンプルについて、個々のスポットを計数することが必要とされると、時間がかかり、面倒になることがあるので、臨床診断検査室で起きるような多数のサンプルの分析には、必ずしも適していない。第二に、各サンプル中の抗体分泌細胞のみが計数される。すなわち、一般的にいってこれには、たとえば数mlといった大きなサンプル容量を必要とする。ELISPOTプレートは、高価でもあり、このアッセイ
は、容易には自動化できない。
ごく最近、進行している抗体産生を検出するアッセイが開発された。WO96/26443(これは、参照により本明細書中に取り込まれる。)は、そのようなアッセイを記載している。このアッセイでは、リンパ球を単離した後に培養し、その培養期間中に産生され、リンパ球から分泌された抗体のレベルが決定される。それゆえ、この技術は、インキュベーションの間に分泌された抗体の測定をするために、試験サンプルであるリンパ球の約37℃での
インキュベーションを必ず必要とする。その平均的なインキュベーション時間は2〜5時間であり、このことは、アッセイを行うスピードに対し重大な制約となっていることを示している。インキュベーションはまた、検査をする場所で、適切な装置の設置が必要とされるため、インキュベーションを行って直ちにアッセイ手順が行われるであろう。このことは、一般には、サンプルを被検者から採取した後すぐに、リンパ球のアッセイが実施されることが必要とされることを意味している。なぜなら、たとえば凍結などによるサンプルの保管は、細胞の生命力の減少を招くため許容できないからである。精製した細胞は、好ましくは0℃の氷上、なるべく4℃で保管しても、比較的短期間、生育力を維持することができるだけである。
WO 00/77525(これは、参照により本明細書中に取り込まれる。)は、さらなる抗体ア
ッセイを記載している。このアッセイは、リンパ球に含有される分泌前の抗体を特異的に検出するように設計されている。このアッセイにおいてサンプル中のリンパ球は、細胞溶解され、この細胞溶解によって該リンパ球から抗体が放出され、検出される。該アッセイはリンパ球破壊が、"新規に合成された抗体"を、免疫診断目的のためにその検出が可能となるほど充分な量を生成することができるという知見に基づいている。この方法では都合上、リンパ球が細胞溶解前のサンプルから精製される。
それゆえWO 00/77525に記載されたアッセイは、インビトロまたはインビボで分泌され
た抗体を検出する標準的な抗体検出アッセイの場合と同様に、サンプルが、検出目的のために充分量の抗体が合成されるようにインビトロでインキュベートされることを要しない。
したがって、該アッセイは、感染または免疫化処置によって抗原が入ってまもなく、リンパ球が、抗原投与(challenge)に応答して急速に抗体を産生するときに、時宜よく急性
の感染を検出する場合に特に有用である。
しかしながら、WO 00/77525に記載された方法は、抗体生産が活発に起きている、すな
わち抗原投与後の短い期間において、感染を検出することができるだけである。この「ウィンドウ」は、細胞が検出できるレベルの抗体を産生している期間の窓期に相当する。抗原投与後、これに対応してBリンパ細胞は、抗体を合成することと***を開始する。この
期間の間、通常は感染から通常3〜10日、該リンパ球は急速に問題の抗体を産生し、これ
らの細胞内のその抗体レベルが高くなる。しかしながらこれらの細胞は短寿命であり、結果的に感染してから2週間ほどして、リンパ球により産生される、問題の抗体量は著しく低下する。
感染から2週間経過するまでに、溶解させたリンパ球内に存在する問題の抗体は、低レベルに戻る。このことは例えばWO00/77525において開示されたインフルエンザの研究において示されている。したがって、この方法は急性感染の検出には極めて有用であるが、進行しているか、または過去の感染を検出するものではなく、感染または免疫化といった抗原投与の後の比較的短い期間の枠において使用できるのみである。
患者からのサンプルにおいて、迅速かつ正確な感染の検出を可能とする手法が求められていること、ならび感染の初期検出には著しい利点があることは認識されるであろう。
急性感染の検出を可能とする技術(例えばWO 00/77525)ならびに過去または進行中の感染
の検出を可能とする技術があるけれども、ある一個人が生涯のある時点で、例えば感染、具体的には急性の、進行中の(慢性の)または過去の感染といった、特定の抗原に曝されたかどうかという問題に対して迅速に回答を与えることができる、単一のテストは存在しない。
それゆえ抗原負荷が起こったかどうかを、その抗原負荷の時点についての知識を要求せずに、同定することができることは極めて価値のあるものである。そうした同じテストは、
また抗原に曝された時点(例えば慢性および急性の感染いずれの感染についても)を考慮しないサンプル分析にも用いられ得る。目下のところ、これらの諸要求に取り組むテストは一つもない。
そのようなテストは、供給源の生体の感染状況に関する情報が要求されるハイスループット・スクリーニングにおいて特別の有用性がある。例えば、血液バンクは、輸血に使用される血液の安全性を決定するため、迅速かつ正確なテストを求めている。このことは、輸血レシピエントの血液に入り込んで来る、血液に起因する感染性疾患(例えばHIVおよ
び肝炎)が頻発している世界地域では極めて重要である。
HIV感染検出および輸血を介するHIV伝染のリスク管理に関する現行の方法は、ある地域では適切である。例えば南アフリカでは、血液安全性政策(Blood Safety Policy)が実
施され、感染リスクの高い個人は、各自の意向によりアンケート調査、ドナー教育、一対一の面接の便宜を選べる。これらの便宜提供と自己排除とは、人口集団のうちのこのグループにおける血液伝播を著しく低減させることを助けた。これは、一般集団におけるHIV/AIDS蔓延の上昇と対照的である。
血液提供者と見込まれる人々の間において、高いHIV血清有病率(seroprevalence)は
、「感染に関し、免疫的に沈黙した空白期間("immunosilent"window infectivity)」でのHIV伝播の危険を上昇させる。1994年、南アフリカで、この空白期間(window period)の間におけるこのリスクは、100,000の提供当り、2.2件の感染であると見積もられた(Sitas Fら S. Afr. Med. J. 1994; 84: 142-144)。この免疫的に沈黙した空白期間において
、公知の市販されているアッセイを用いてはHIV感染を検出することができない。
構造的なリスク管理プログラムの実施は、血液製剤のレシピエントに対し、標準的な数学モデルにより推定されるように、そうしたリスクを100,000の提供において約1件まで
と低減させた。観察されたリスクは、およそ4倍も低かったが、このことは輸血により伝播する疾患の診断を困難なものにする諸因子によるものかも知れない。
現在のところ、HIVテストがいくつかある。例えばHIVI p24 抗原テストを導入することは、免疫的に沈黙した空白期間を短縮させる先進国での研究により示された。このp24ア
ッセイは、感染後15〜18日での感染を検出する(図1)。
より鋭敏なテストとして、各献血者において血漿由来のウイルス核酸を検出することが感染のこの空白期間をさらに減少させるために最も有効な方策であると考えられている。これは核酸試験(NAT)により可能であるが、この技術は、汚染、訓練、検査室スペース、
品質保証、とりわけコストといった普及上の諸問題を抱えている。裕福な諸国でもこれらの要因は、いくつかのセンターにNATを導入することに制約となった(Busch M. P.: Chapter 2; Blood Safety in the New Millennium; Stramer SL Ed; AABB, 2001)。核酸試験は、感染後7〜10日ごろの感染を検出する(図1)。
血漿のIgG検出もまたHIVの診断のために利用されるが、感染して2週間の間の産生およ
び分泌の強烈な期間に引き続く蓄積の結果として、20〜24日まではIgGは、血漿中に従来
のアッセイによって検出するレベルに現れない(図1)。
よって感染直後の7〜10日の期間がある。その間は市販されているテストを用いて、と
りわけ大多数のサンプルについて日常ベースで使用されるのに適したテストを用いて、目下のところHIV感染を検出することができない(図1)。
さらに、これらの様々なアッセイが依存する免疫上の事象のタイムスケールがいろいろ
異なるために、感染を確実に検出するためには、平行して多重アッセイが実施されることが必要とされるであろう。例えば図1からは、単純にp24テストを実施して得られた否定的な結果は、疾患のある病期における感染の存在を排除するだけであろうと言うことが窺われる。同様に核酸テストが極めて早期(すなわち、感染後7〜10日経過の前)に実施されて
も、感染を検出しないであろう。感染したことを特定される日はいうまでもなく、現実にその者が感染しているかどうかも知ることができないためにこれらのテストは重大な欠陥を呈するのである。
上記のタイムスケールは、HIV感染、抗体産生および検出に関係する。他の抗原刺激の
場合、このタイミングは変動する。もっともとりわけ慢性の感染については本質的に並行するサイクルが予想される。
しかしながら以下のことが認識されるであろう。根底にある免疫過程の結果として、暴露免疫原に対する抗体が血漿において検出できるレベルまで蓄積することは、リンパ球における抗体生産よりも必然的に遅れるであろう。ならびに免疫原誘発による他のマーカー類の産生も検出が可能となるには異なるタイムスケールとなる可能性がある。それとして、抗原刺激以降の時間経過に応じて、様々なアッセイが適切であろう。
本発明はこれらの欠陥に取り組むものであり、その後の段階において感染が検出される可能性を排除することなく、感染後のできるだけ早い時点で感染を同定することができる単一のテストを提供する。
驚くべきことに、哺乳動物が感染したかどうかを、具体的には感染後、およそ3〜7日よりいずれの時点で単一のテストで決定するために利用できることが今や見出されたのである。このテストにおいて、抗体アッセイは、血漿(すなわち抗体が分泌された)および単一の血液サンプルから得られるリンパ球の双方において抗体の存在を決定するために実施される。
アッセイはサンプルの血漿部分およびリンパ球部分の両方を使用して実施され、関係するリンパ球の抗体または血漿の抗体のいずれか、あるいは両方の抗体の存在が陽性の結果を与える。それゆえHIVに関し、上記の「免疫的に沈黙した空白期間(immunosilent'window)」により規定される時間的な期間は、他の公知の技術よりも本発明技術を使用することで、より短くなる。ならびにリンパ球における抗体が分泌され、リンパ球にはもはや検出されないのであれば、抗体を検出する能力は低下しない。かくしてこの方法は、感染後、20日未満、例えば15日未満、または10日、具体的には3もしくは7〜10日、検出を可能とする。
とりわけ有意義であるのは、リンパ球および血漿の抗体からの結果を合わせることにより、リンパ球および/または血漿の抗体が低レベルである感染後の期間が、他の抗体のタ
イプ(例えば、感染して3週間頃)の寄与により、補償され、増強されるかも知れない。
このことは、抗体レベルが検出の限界にあり、2種の抗体の組み合わせが検出できるシグ
ナルを形成できるときには特に有利である。
したがってサンプルについて関係する部分が組み合わされ、一緒にアッセイされるような方法は、本明細書で後に述べるように特に好ましい。これによって感染後、数日という早期(そこでは圧倒的に新規に合成された抗体が検出される)から感染後、数週間(優勢で
ある抗体は血漿抗体である)にわたり分析が行われ、これらの血漿抗体レベルが減少する(感染原因菌が、生体から根絶される場合では、生産後、およそ12〜15月である)までであ
る。
抗原暴露が残る(例えばHIVまたは肝炎に感染)慢性の感染の場合、アッセイは、継続
して実施できる。よってリンパ球抗体または血漿抗体のいずれかを感染後、いずれの時点、例えば3〜7日に検出することは可能である。
それゆえ一つの局面として、本発明は血液サンプル中の免疫原に対する抗体の量または存在を決定する方法を提供し、これは少なくとも次の工程を含む:
血液サンプル(血漿およびリンパ球を含む)を入手すること;および
該サンプルにおける血漿抗体またはその一部、およびリンパ球抗体またはその一部についての量または存在を検出すること、
ここでその血漿およびリンパ球の抗体は、一緒に検出されるか、あるいは別個のアッセイで検出され、ならびにそれらを合わせた量または存在の定量は、該免疫原に対する抗体の量または存在を決定する。
あるいは最初に記載した工程はなくともよく、その検出工程は一個人から得た血液サンプルについて実施してもよい。
本明細書で言う「検出する」および「量または存在を決定する」なる表現は、抗体産生レベルの定量的および定性的評価のいずれも包含する。このことは、半定量的または定性的な評価のみならず、サンプルに産生された抗体量の絶対値、ならびに指標、割合、パーセンテージまたは抗体産生レベルについての同様の指標を得るという意味においてである。
用語「の存在を決定する」には、陰性の結果(抗体がないことを示す)もまた、患者の免疫応答を評価する際に価値があるという状況も含んでいる。
「合わせた」量または存在とは、得られた結果(たとえば数字の形または定性的な形態であるなら)の結合を表す。
最も好ましくは、複数の抗体が一緒に検出され、それらの合わせた量または存在は、標的抗体(単一の測定として評価される)についてのアッセイの読み出された情報である。本明細書で「標的」抗体は、アッセイの対象となり、特異的抗原(少なくとも免疫原の一
エピトープを含む)を認識する抗体を言及するものである。
本明細書でいう「免疫原」とは、免疫システムに対する刺激(challenge)において存
在する実体物であるが、好ましくはタンパク性の物質である。その免疫原に対する抗体は、特異的に該免疫原またはその免疫原の一部におけるエピトープを認識するものである。
本明細書での「血液サンプル」は、分析に好都合な供給源から、便利な手段で入手されるような血液サンプルである。特に好ましくは血液サンプルが末梢の、手足、ヒトの場合では腕の静脈からの血液サンプルである。そのような血液サンプルは、後に述べるように全血のサンプルでなくともよく、少なくとも一つの成分、たとえば赤血球細胞が除かれる血液からなる。
本明細書でいう「血漿」とは、血液の液状部分に該当し、実質的に細胞成分を欠いている。血漿は公知の調製技術によって得てもよく、たとえば血液沈降後の液状部分または細胞成分についての遠心分離後の上清を集めることによる。
重要であることは、血漿は実質的にリンパ球を含まないことである。ここでいう「実質的に」とは、汚染成分が高レベルに存在しないことで、例えば90〜95%汚染がないことを
いう。
方法に関連して本明細書でいう「リンパ球」は、抗体を産生するリンパ球、すなわちB
細胞に関する。しかしながらその方法は、Tリンパ球の存在で実施されてもよく、単離リ
ンパ球の調製について言及している方法は、B細胞およびTリンパ球の両方を含む細胞集団の調製を表している。しかし、該アッセイは、実質的に精製B細胞の集団について行われ
ることが特に好ましい。
「リンパ球抗体」とは、サンプルが採取されたとき、リンパ球中にある抗体を意味し、および/またはリンパ球が評価されるまでに分泌されない抗体である。そのような抗体は
、抗原の刺激に応答してインビボで作成され、サンプルを除いた後も、W096/26443に記載された方法のように該リンパ球がインキュベートされるならば、リンパ球内で引き続き作成され続けるであろう。サンプルの除去とテスト実施との間の時間において低レベルの分泌が起こることが理解されるであろう。したがって分析の時点で、これらの抗体は、リンパ球内にあってもよく、なくてもよい。たとえばインビトロの処理の間に分泌されてもよい。リンパ球からその破壊により遊離される抗体は、「新規に合成された抗体」である。
本明細書で使用される「新規に合成された抗体」とは、抗原に対し活性のある抗体(す
なわち免疫原に対応する抗原を認識し、かつ結合することができる)であり、このものは
、進行中の免疫応答の一部として、インビボで免疫原の存在に応答してリンパ球細胞によりその中で産生され、または合成される。したがってその抗体は、インビボで免疫原の提示が引き金となって免疫応答が進行する間、リンパ球によって合成される。すなわちリンパ球含有サンプルが被検動物から取り出される前およびその時点で合成される。この用語は、「リンパ球抗体」と同義である。
「血漿抗体」とは、抗原に対し活性な抗体(すなわち、免疫原に相当する抗原を認識し、結合することができるもの)をいう。この抗体は、インビボの免疫原の提示に応答して、進行中の免疫応答の一部としてリンパ細胞によりまたはリンパ細胞内で産生または合成される。次いでその個体のリンパ球から血液中に分泌され、これによりサンプルの血漿中のみに存在することとなる。したがって、この抗体は、インビボで免疫原の提示により引き起こされる免疫応答の経過の間に、リンパ球により合成され、その後に血液中に分泌される。この抗体分泌は、サンプルを動物から取り出す前または取り出す時に合成される。
それゆえ血漿抗体は、「リンパ球抗体」および上記の新規に合成された抗体とは相違している。この相違は検出されるところに関してであり、いったん分泌されれば「リンパ球抗体」は血漿抗体になることは明らかであるが、これらの抗体は化学的にも構造的にも同一である。この定義は、単にサンプルが採取される時点で、その中での抗体分布の「寸描」を反映するだけである。
しかしながら分泌の前に、リンパ球抗体集団の少なくとも一部は、翻訳後修飾を受けないかも知れないし、および/または成熟の形態(後記)にないかも知れない。したがって これらの抗体は、化学的にも構造的にも分泌された抗体(そのため血漿抗体である)と相違しているであろう。
本明細書で、「抗体またはその一部」として言及しているものは、抗原に対し活性である(すなわち、免疫原を認識し、結合できる)抗体またはその一部であるものをいう。リンパ球抗体の場合、このものは、サンプルを採取する際にいまだ細胞から分泌されていない抗体であるか、あるいはすでに抗原に対して能力を発揮しえるけれども、たとえば最終の成熟の形態にはない、そうした抗体実体をいう。
前述したように、そのようなリンパ球抗体及びその一部は、それゆえ一般にはアッセイおよび/または採取に先行して、2時間で産生される抗体に相当するであろう(もし、細胞が適切な条件下で保持されているならば、このことは、細胞が破壊される前にインビボ
でのみ、または、少なくとも一部はインビトロで生じてもよい。)ただし、分泌経路の時間経過は変化するであろう。
抗体が細胞内で急速に産生されているが(たとえば1〜2分以内、ただし、分泌はむしろゆっくりである)、抗体を構成するフリーの鎖、あるいはグリコシル化されていないもしくは部分的にグリコシル化されている抗体または抗体の鎖はリンパ球内に存在し、破壊の際に放出されるかもしれない。適切な場合には、これらの"部分"は、新たに合成される抗体の存在またはその量の測定に、検出されまたは含まれていてもよい。もっともこのことは、これらが上述したように抗原に対し活性であればのことである。リンパ球から放出される抗体またはその部分は、新たに合成される抗体、またはリンパ球抗体を含む。
血漿抗体またはその一部には、抗原に対し活性(上記のように)を保持する部分も含まれるが、それは分泌される形態のものに対応しておらず、たとえばタンパク質分解酵素による分解を通じて部分的に分解を受けたものである。
本明細書でいう「アッセイ」は、サンプル中にある抗体の量または存在を定量するための適切な技術をいう。この目的のための適切なアッセイは、後記する。
本発明により現在および以前の感染を早期に正確かつ迅速に検出することは、多様な応用において、とりわけこの情報がサンプルの生体もしくは供給源の生体としての有用性を決定するために用いられる応用においては、極めて有用である。このため、たとえば動物の血液を、その動物が輸出、輸入、旅、消費、繁殖などに向いているかを決定するために調べてもよい。具体的にはAphthovirus(口蹄病の原因となる病原体)といったような抗
原暴露に対する抗体を調べることによる。
したがって分析されるサンプルは、採血できるあらゆる動物からである。その動物は哺乳類動物であり、あるいは実験室用の動物または農業用の動物が望ましい。好ましくは、その動物は、魚、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、キジ、ネズミ、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、ブタ、ウマ、ロバおよびヒトからなるリストから選択される。本発明は、とくに好ましくヒトからのサンプルを試験することに向けられる。
アッセイには、比較的少量の血液を用いるだけでよい。リンパ球抗体は50μLという少
量の血液からのリンパ球溶解物において検出され得る。それゆえに好都合には、10mL未
満の血液サンプルが必要とされる。本発明の方法には1mL未満より少量が好適に用いられる。
しかしながら100〜500μL、または100〜200μLの少量のサンプルが用いられることが好ましい。
本発明の方法により検出用抗体が向けられる抗原または免疫原は、細菌抗原およびウイルス抗原の両方を含む。例示により限定するものではないが、臨床的に重要な抗原としては、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)およびエプスタイン−バーウイルス(Epstein-Barr virus, EBV)、肺結核(tuberculosis)、梅毒(Treponema pallidium)、クラミ
ジア (Chlamydia trachomatis)と同様、単純疱疹ウイルス(Herpes Simplex virus),
サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus), ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および肝炎ウイルス(Hepatitis virus)のすべてが挙げられる。しかしながら、一般には、感染また
は予防接種などによる抗原刺激(challenge)の結果として生じるいかなる免疫原も、明
らかな抗体応答を導き出して、本発明の方法により検出することができる。
慢性的感染により、リンパ球内の標的抗体が検出可能なレベルとなり、これらの抗体が血漿中にその後分泌される場合、これらの抗体のアッセイはまた、本発明の方法により行うことができる。したがって、たとえば、従来のELISA法を使用して検出できる任意の免
疫原に対する抗体が、本発明の方法により検出されるであろう。
このような抗原に対する抗体の検出は、たとえば、血液スクリーニング目的のためまたは感染を確定しおよび/またはモニターするために患者が感染しているか否かを迅速に確定するのに使用することができる。したがって、本発明はさらに、免疫原、好ましくは細菌またはウイルスによる、ヒトまたは非ヒト動物または該動物の一部の感染を診断し、またはモニターするために本発明の方法の利用が拡張される。該免疫原、好ましくは前記の細菌またはウイルスによる感染の存在または程度は、適切な対照サンプルおよび/または参照サンプルと照合することにより、決定される。
そのテストは特別にハイスループット分析に好適であるけれども、イエス:ノーの回答が必要とされるいかなる状況、たとえば病院、診療所、検査室または医師の手術において用いられてもよい。しかしながらより一般的には、複数のサンプル(たとえば10より多い
、具体的には100より多い、または1000サンプル)の同定試験が想定されており、たとえば血液バンクで実施されることであろうが、とりわけHIVおよび肝炎のような血液に起因す
る感染性疾患(輸血レシピエントの血液に入り込んで来る)が頻発している世界地域では特にそうである。
血液バンクは、血液が輸血に使用できるかどうかに対する速やかな回答を求めている;
その感染を特定の段階または感染後の時期に分類する必要はない。もし血液提供者が感染していることがわかれば、詳細な診断が別個に実施することができる。血液バンクは、血液が使用できるか否かを知る必要があるだけである。それゆえ好ましい態様では、本発明の方法は、多数のサンプルを同時にまたは順次スクリーニングすることに適用される。特に好ましくは、そのスクリーニングが自動化され、たとえばハイスループットのスクリーニングが実施される。特に好ましい態様において抗体の量または存在を決定する方法が、移植または個体間の輸血のために、あるサンプルが適しているかを決定するために使用される。特に、例えば該サンプルが一人又はそれ以上の個人から得られた血液ストックのアリコートであり、血液バンクにより保管されている場合である。
HIV感染の検出について略述した状況は、多種多様な疾患、感染および免疫化の単なる
一例にすぎず、その検出は、感染検出において本発明の適用により利点が得られるであろうことは認識される。
このアッセイは多くの有利なことがらを与え、スクリーニング方法においてはある個体がかつてまたは目下感染しているかどうかの質問に対し、迅速な回答を提供するために、特別に有用である。この質問に対する陽性の回答は、陽性であるとの診断を与えることになり、たとえばその個人、ドナーを血液提供から排除することとなる。引き続いて行われる解析は、その感染が急性である(つまり抗体がリンパ球の内部にあるか)か、または過去の感染(つまり、抗体は血漿中にある)であるかを決定するために実施されることも可能である。
リンパ球抗体の検出は、何らかの手段により好適に実施されよう。たとえばW096/26443の方法を使用することで、感染への暴露または免疫化(immunisation)によって誘発されるインビボの刺激のあとで、インビトロで抗体の活発な産生および分泌を測定してもよい。
リンパ球抗体の検出は、代替的にまた最も好都合に実施できる。これは血液サンプルのリンパ球を、たとえばWO 00/77525に記載されたように破壊することによる(詳細は後記
する)。リンパ球抗体を調製し分析する適切な方法が、WO 00/77525の実施例に開示され
ている。かくして好ましい態様において、本発明は、血液サンプル中の免疫原に対する抗
体の量または存在を決定する方法を提供する。該方法は、少なくとも以下の工程が含まれる:
血液サンプル(血漿およびリンパ球を含む)を入手すること;
前記血液サンプルのリンパ球を破壊すること、これにより該リンパ球に結合していた抗体又はその一部を遊離させること;および
リンパ球から遊離してきた該リンパ球抗体またはその一部の量又は存在、ならびに血漿抗体の量および存在を検出すること;
この場合、血漿およびリンパ球抗体は一緒に検出されるか、あるいは別個のアッセイで検出される。それらを合わせた量または存在は、免疫原に対する抗体の量又は存在を決定するものである。
あるいは最初に記載した工程はなくともよく、その検出工程は一個人から得た血液サンプルについて実施してもよい。
本明細書で言及するリンパ球は、患者から採血された全血サンプル中、ならびに本発明に供される血液サンプルに存在するリンパ球である。該方法の間に行われる様々な処理および調製は、血液サンプルの他の成分からリンパ球を部分的にまたは全部分離することを含む。したがってリンパ球の破壊工程は必ずしも血液サンプルに実施される必要はなく、その血液サンプルに由来するリンパ球調製物に実施してもよい。したがって該血液サンプルのリンパ球に言及することは、その血液サンプルから全部または一部分だけ精製されたかどうかに関係なく、全血サンプル中に存在するか、存在したリンパ球を言及することとなる。
好ましい態様において、単一のウェルでのアッセイが実施される。換言すると血漿抗体およびリンパ球抗体の検出工程が、単一のサンプルについて行われる。上記のようにこのことには、単一のサンプルにある血漿抗体およびリンパ球抗体の両方のアッセイにより、これらの抗体のうち一つまたは両方のレベルが検出の閾値にある場合に、抗体レベルを検出できるレベルまで上昇させ得る利点がある。
この態様において、検出工程が行われるサンプルは、溶解させたリンパ球および血漿の両方を含有する。結果として、単一のアッセイはサンプル中に血漿抗体またはリンパ球抗体のいずれが存在するかを決定するであろう。これら2つの抗体のタイプは、ともに検出抗原または検出抗体に結合すると言う事実を考慮すると、本アッセイにおいてこれら2つ
のタイプの抗体間になんら区別はなされない。
そのような単一ウェルのアッセイが実施できるということは、これまで想定されなかった。血漿およびリンパ球溶解物の存在は、たとえば検出の閾値を下回るレベルで存在する抗体を希釈することにより、得られる結果に好ましくない影響を有すると考えられてきた。しかしながら、感度を著しく失うことなく2成分混合物において血漿抗体および/また
はリンパ球抗体を検出することが可能であることが本発明者により見出された。
単一のサンプル、すなわちリンパ球抗体および血漿抗体を含有する血液サンプルは、大して精製されていないサンプルから実質的に精製されたリンパ球および血漿部分まで変化する様々な形態をとるかも知れない。本明細書でいうこの「部分(portions)」は、リンパ球または血漿を含む全血のフラクションである。これらの部分は、さらに他の血液成分を含んでいてもよい。
かくしてアッセイが行われる前に本発明の方法に使用される「血液サンプル」を形成するように、一またはそれ以上の血液サンプル成分が除去された全血サンプルについて、検出工程が実施されてもよい。例えば好ましい態様において赤血球細胞は、全血サンプルから標準的技術、たとえば遠心分離または親和力に基づく除去によって除かれてもよい。
さらに非B細胞といった成分をまた除去してもよい。簡便にはそうしたサンプルは、特
定成分の積極的な選別によって得ることができる。たとえば密度勾配遠心分離の後で、アッセイ用にB細胞含有部分(つまりバッフィコート(buffy coat))および血漿を含む部
分を回収してもよい。
代替または追加として、当業界で知られた技術を用いることによって、全血の残った部分から、血漿およびリンパ球部分を一緒にまたは別個に、全面的にまたは部分的に精製してもよい。もしそれらが全血から別々に精製されるのであれば、単一ウェルアッセイを実施するときは、それらは再結合される。換言すると、単一ウェルアッセイを実施するに先立ってそれらは一緒に混合される。
したがって好ましい面では、一個体から分離された全血サンプルで出発して、血漿含有サンプルもしくは部分が分離され、ならびに別個にリンパ球含有サンプルもしくは部分が分離される。そのようなサンプルもしくは部分は、全血サンプルの2つのアリコートから出発して形成されてもよく、あるいは単一のアリコート(この場合、そのアリコートは2つの別々の部分、たとえば沈降もしくは遠心分離後に上清と細胞ペレットに分離される)から形成されてもよい。該単一アリコートから2つの単離が引き続き行われる。単一ウェルアッセイの場合、形成されたリンパ球含有サンプルもしくは部分および血漿含有サンプルもしくは部分は、分析のために再結合される。
血漿含有-およびリンパ球含有-サンプルもしくは部分の再結合がなされるアッセイでは、分析のためにそれらのアリコートは、1: 1体積比で再結合されることが好ましい。しかしながら様々な組み合わせであっても問題はなく、血漿:リンパ球のサンプルもしくは部
分について、例えば1:0.4から1:4の範囲での任意の結合が、都合よく用いられる。相対的にリンパ球抗体のレベルが低いことを考慮すれば、リンパ球サンプルもしくは部分の体積がより高くなるような偏りが望ましい。具体的には1:1〜1:4となる血漿:リンパ球のサン
プルもしくは部分である。上記の比は、全血(これよりリンパ球が溶解される)において現れる近似的濃度で使用されるサンプルもしくは部分に存在する抗体に依存する。
必要であれば検出に使用されるアッセイの感度ならびに存在する抗体の量に応じて、サンプルもしくは部分の希釈を行ってもよい。例えば各1μLの血液について1:1比を実現するには、その1μLにある血漿と、もとの血液サンプル1μLに見られるリンパ球の数を用いて形成された細胞溶解物とを再結合させてもよい。かくして全血、1μLからの1:1比の混合物に存在するリンパ球および血漿の抗体量は、全血1μL中に存在する抗体量とほぼ
同じである。分析用サンプルの調製中は、上記の比が維持されるように血漿含有サンプル、リンパ球含有サンプルまたは細胞溶解物の希釈はおおよそ調整することができる。
リンパ球は、業界で公知の標準的技術(たとえば、ろ過方法、または吸収材料やリンパ球調製キットを使用する技術)を使用して調製できる。したがってたとえば、さまざまな全血調製物を都合よく用いてリンパ球を得てもよい。たとえば、ヘパリン化血液、EDTA添加-血液などの臨床検査室で常套的に調製したものからでもよい。
好ましくは前記リンパ球を、たとえば、標準的なリンパ球分離手段、具体的にはLymphoprep (Nycomed Pharma AS, オスロ,ノルウェー)を用いるか、免疫磁性分離(イムノマグ
ネティックセパレーション(IMS))、または同様の固相系分離システム、または他のよく
知られた技術を用いて分離する。IMSまたは同様の分離技術を用いる場合には、固体相、
たとえば特定の白血球の組に特異的な抗体をコートした磁性ビーズを使用して、有用なリンパ球を選択的に分離してもよい。B細胞の分離には、抗CD19抗体を利用することが望ま
しい。分離したリンパ球を使用する場合、使用する前にこの細胞を標準的な洗浄方法で洗
浄してもよい。
血漿は、簡便な任意の手段によって調製してもよい。たとえば全血サンプルの遠心分離(たとえば1000×g、5分間)、あるいは単に全血を静置して細胞成分を沈降物を形成させるようにする。
血漿-およびリンパ球含有サンプルは、その成分について濃縮してもよく、あるいは実
質的に精製してもよい。本明細書で「実質的に精製された」サンプルとは、他の成分が相対的に少ない程度で存在しており、具体的にはサンプルの全容量もしくは全重量の <20%
、好ましくは <10%または <5%しか構成していないようなサンプルのことである。したが
って例えば、細胞性の残渣(おそらくリンパ球およびその内容物を含む)による血漿の何らかの汚染が予想され、問題とならない。同様にリンパ球調製物は、何らかの他の細胞および/または血漿成分を含んでいてもよい。もっともこれらの汚染は、最少、たとえば <1%とすることが望ましい。
単一ウェルアッセイ用に血漿およびリンパ球部分が別々に形成され、再結合させるときは、全面的または部分的に精製したリンパ球を、該サンプルからの血漿部分に添加する前または後に破壊してもよい。
一緒にした抗体の分析で、もしサンプルが陽性結果を与えるのであれば、別々にあるリンパ球および血漿のフラクションを再検討することにより、免疫応答の開始または段階に関するさらなる情報が形成されるかも知れない。
単一ウェルアッセイの代替法として、リンパ球抗体および血漿抗体のアッセイを2つのアッセイで別個に行ってもよく、それらのアッセイで得られた情報をいっしょにしてもよい。そのようなアッセイは同時に実施することが好ましい。この場合、血漿およびリンパ球のサンプルは、単一ウェルアッセイのために前記したように調製してもよく、再結合させることなく本明細書に記載した任意の手段により別個にテストするのみである。そうした場合、血漿およびリンパ球のサンプルは、実質的にそれぞれリンパ球または血漿抗体の汚染がない(他の抗体形態量に対してたとえば <20%, 好ましくは <10 または 5%)。しか
し、そのアッセイは単一ウェルのフォーマットを用いて行うことが望ましい。
リンパ球を"破壊すること"により、合成されたいずれの抗体を含む細胞内容物が細胞膜および内部の膜構造の領域内から放出され、したがって、それらは任意の好適な生化学的または化学的アッセイにより検出されることを意味する。免疫グロブリンは、小胞体およびゴルジ複合体を通る経路の間に合成され、分泌されることが知られている。したがって、必然的に、破壊は、これらの内部構造からの放出を必要とする。よってリンパ球の破壊は、公知の細胞破壊方法によって、遊離した抗体がその相補的なエピトープに結合する能力を損なうことなく、有効に外側の膜構造および内部膜構造を破壊することができる。具体的には、物理的破壊手段を用いた細胞の溶解により、あるいは、細胞破壊性の緩衝液または溶液を用いることにより達成し得る。
破壊は、たとえば界面活性剤、カオトロピック試薬、破壊性の緩衝液、たとえば、EDTAを含むものを使用する化学的手段、あるいはたとえば音波処理、またはせん断応力の発生を通じた物理的破壊といった代わりの破壊方法の使用により達成できる。しかしながら、好ましくは破壊性緩衝液が、一般に最も簡単で最も都合のよい技術であるために用いられる。たとえば、本明細書の実施例で述べるように、すなわち、界面活性剤たとえばTween20 および/または NP-40を含む緩衝液を用いることが好ましい。好ましくはTweenが最終濃度0.01〜0.1%、特に好ましくは約0.05%で使用され、および/またはNP-40が最終濃度、0.1〜1%、特に好ましくは約0.5%で使用される。適切な破壊性緩衝液を使用して、放出された
抗体を安定化、たとえばpHまたは分解をコントロールしてもよい。したがって、たとえ
ばプロテアーゼ阻害剤を含有する緩衝液を必要に応じて使用してもよい。破壊性緩衝液とのインキュベーションが、破壊を最大化する適当な時間、たとえば室温で、3〜15分間、
具体的には5分間ほどで実施される。
代わりの破壊方法としては、たとえば凍結/解凍サイクルの使用、または液体窒素の使用すらも挙げられる。これにより放出された抗体が後の工程で使用される溶液中に有する溶解物を生じる。検出するために充分な量の新規に合成された抗体を、サンプル中に得るために、可能な限り多くのリンパ球細胞を破壊し、抗体を放出させることが望ましいということが認識されるだろう。その上、好ましいことにこの破壊手段は、この目的に適しており、少なくとも40%または50%、より好ましくは少なくとも60%、70%または80%、さらに好ましくは少なくとも90%または95%のサンプル中のリンパ球を破壊する。このリンパ球の破壊の後、サンプルの抗体含有量を、後記する、標的抗体の検出が可能な適切な技術で評価する。
リンパ球および血漿の抗体の検出は、免疫応答を引き起こす問題の免疫原(またはそのエピトープ)に結合するこれらの抗体の同定を可能とする方法であれば、いかなる方法によるものであってもよい。したがって、標的抗体の存在を反映するシグナルを生じるいかなる検出技術であっても使用することができる。具体的には、酵素結合アッセイを用いてもよい。酵素結合アッセイでは、可溶性または不溶性の生成物が、基質から製造されてもよく、その量を評価することができる。
好適には、リンパ球および血漿の抗体が、固相結合アッセイの手段、たとえば、ELISA
により検出されるであろう。その方法では、これらの抗体は、アッセイで使用される抗原に結合するが、その使用される抗原は、まず第一に免疫応答を刺激する免疫原と異なっていてもよい。したがって、アッセイで使用される抗原と、インビボで抗体の産生を刺激したもしくは刺激している免疫原との両方が、検出すべき抗体に結合し、全く同一のまたは非常に類似したエピトープのために検出されるであろうが、他方で、抗原および免疫原は、完全に同一でなくてもよい。したがって、本発明の方法で使用される抗原は、たとえば、感染した個体由来の関連する免疫原すべてのまたは一部を含む材料であってもよく、あるいは同一または類似の材料由来の精製された部分であってもよい。一方、抗原は、同様に、たとえば、天然抗原に関して付加部位または欠失部位を有するように、化学的合成または組換え発現によって合成的に調製することができる。したがって、適切なエピトープのみを発現する分子、または融合タンパク質を用いてもよい。
検出工程を達成するのに好都合であるためには、サンプルを、適切な結合パートナーを担持して検出する抗体または抗体群を固定化する固体相に接触させてもよい。ここでいう「結合パートナー」とは、一緒になって結合のペアを形成し、ならびに選択的かつ特異的に互いに結合しあう2つのパートナーの片割れであり、たとえばリガンドとレセプター、または抗原と抗体である。利便性からこの結合パートナーは、抗原(免疫原又はその一部)または抗原群(すなわち1以上の)であり、抗体または抗体群またはそれらの部分によって認識され、検出される。
さらに代替として、標的抗体の抗原ではない、異なる結合パートナーも使用でき、たとえばプロテインA、プロテインGまたは検出する抗体を認識し結合する抗体などが挙げられる。後者の場合には、高度に特異的な結合は必要でない。なぜならば、この態様のアッセイ方法には、検出される抗体にその後、特異的に結合する抗原により特異性が導入されるからである。この抗原は、特異的に前記抗体と結合し、検出される。このように、すべての態様において、特定の抗原抗体複合体が創出される。このような複合体の存在、好ましくは固体支持体に固定化された複合体の存在は、本発明の方法の検出工程で確かめられ
る。
従って、本発明の方法の検出工程は、好ましい特徴として、抗体:抗原複合体の形成による抗体群またはそれらの部分の検出を含み、前記抗原(好ましくは抗体でない)が、免疫原または少なくとも免疫原のエピトープを含むそれらの部分からなるか、それらを含むことを特徴とする。
特に好ましい面では、血漿抗体またはリンパ球抗体、あるいはそれらの一部の量または存在を検出する工程は、以下を含む。
そのサンプルの血漿含有部分およびそのサンプルのリンパ球含有部分と、1以上の抗原
、好ましくは固相に担持された抗原とを接触させる。その際、該抗原は検出される抗体または抗体群により認識される。
あるいは検出される標的の抗体または抗体群を認識する1以上の抗体が、それらの部分
と接触させてもよい。すでに述べたように、サンプルのそうした部分は、単一のサンプルに存在してもよく、それらの分析は、同じ固相支持体に結合させることにより同時に行われてもよい。代わりにその部分は、分離された別々のものであり、これらの部分において抗体は別々のアッセイで検出される。
本明細書に記載されるこの方法および他の方法において、結合する抗体の量は、対照および/または参照(reference)サンプルとの比較により決定されてもよい。適当な対照または参照サンプルは、ネガティブコントロールまたはポジティブコントロールであってもよく、たとえばブランク、標準サンプルまたはスパイクサンプル(spiked sample)であ
る。
前記固体相を用いる場合には、公知のいかなる支持体またはマトリックスでもよく、固定化、分離などのために一般に現在広く用いられ、または提案されたものでもよい。これらは、粒子、シート、ゲル、フィルター、膜、またはマイクロタイター・ストリップ、チューブまたはプレートなどの形状をとってもよく、便宜上、重合体材料でできていてもよい。しかしながら、操作の容易さと簡単さから、標準的なマイクロタイタープレートおよびマイクロタイターウェルが都合よく用いられ、標準的なELISAプレートが好ましい。
また、前記固体相を、ある範囲の異なる抗原群範囲に対し特異的な抗体を検出できるように改変してもよい。したがって、たとえば、適切な固体相材料、たとえば、ニトロセルロースまたはそのようなもののディスクまたは細片などに、異なる抗原群をコートし、いかなる接触抗原も含まないマイクロタイターウェルまたは他の適切な容器に同時に添加してもよい。その後、抗体結合の検出方法を用いて、異なる抗原群間を識別できる。かくして本発明は、多数の固体相の使用に拡張される。各固体相は、異なる標的抗体により認識されるか、あるいは異なる標的抗体を認識する、異なる抗原もしくは抗体を担持している。
好都合なことに、サンドイッチ型のアッセイを用いる場合には、前記固体相は、検出されるべき抗体または抗体群またはそれらの部分(標的抗体群)に認識される、1以上の抗原群(固体相抗原群)を担持している。あるいは、固体相は、1以上の抗体群(固体相抗体群)を担持してもよい。それらの抗体群は検出されるべき抗体または抗体群またはそれらの部分(標的抗体群)を認識する。本発明の方法に従って好適に検出を可能とするために、好適には、前述したように前記固体支持体が抗体群または抗原群のいずれを担持しているかどうかに依存して、前記固体相上に固定化された標的抗体群によって認識される1以上の抗原群を、前記固体相と接触させるか、あるいは、代わりに、前記固体相上に固定化された標的抗体群を認識する1以上の抗体群を、前記固体相と接触させる。その時、固
体支持体と結合した状態になったこれらの抗原群または抗体群を、後述するようにして、適切に標識し、検出できるようにすることができる。
ある臨床的な状態または症候群と一致する適切な抗原を各々にコートしたディスクのセットを、疑わしい因子のいずれが疾病を引き起こしているかを同定するために用いることができる。前記ディスクを、その後、独立したウェル内でそれぞれ処理することになる。これは、特に材料−節約的な手順であり、したがって、同一の小容量血液を使用して、試験を様々な異なる抗原群(同じ感染性の因子からの、あるいは各患者における臨床的な症候群または症状に関連した異なる因子群からのいずれか)の同時試験として、行なうことができるためである。代わりのアプローチは、多重のウェルに、破壊したリンパ球および血漿を含む複数サンプル(multiple samples)を使用することである。各々はそれぞれに異なる結合パートナー、たとえば抗原群または抗体群をコーティングされ、それに応じて試験を進めることである。
前記結合パートナーを結合させるための技術、たとえば、抗原を前記固体相に結合させる技術もまた、非常によく知られ、広く文献に記述されている。多くの標準的な抗原コーティング手順は、たとえば、「ELISAおよび他の固相免疫アッセイ、理論面と実践面」(ELISA and other solid phase Immunoassays、Theoretical and Practical Aspects ),1988年,ed D.M.Kemeny & S.J. Challacomb ,John Wiley & Sonsに記載されている。もし望
むのであれば、プレートを洗浄し、ブロックしてもよく、その上で標準的な技術を使用してもよい。したがって、たとえば、標準的なマイクロタイタープレート、具体的にはELISAプレートを、結合パートナーを含む適切な緩衝液、たとえば0.01〜150μg/mlの濃度のタンパク質を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で、4℃で一晩インキュベートすることによって、結合パートナーを単にコートしてもよく、次に、適切なブロッキング媒体(一般的に中性の緩衝液、たとえば、ブロッキングタンパク質、たとえば、子ウシ血清または乾燥ミルクからのタンパク質を含むPBS)を使用してブロッキングし、たとえば37℃で1〜5時間インキュベートしてもよい。ブロッキング溶液を除去した後、前記プレートは使用
する準備が整ったことになる。
都合よく本発明の方法を実施するために必要な前記の材料および手段を、キットの形態で提供してもよい。そのキットは具体的には検出工程のために結合パートナーでコーティングした固体支持体、破壊用緩衝液、およびリンパ球分離のために適当な結合パートナーを担持する固体支持体を含む。該固体支持体が提供される場合、あらかじめ結合パートナーをコーティングし、適切にブロックして供給されてもよい。
その後、前記抗体とその抗原との結合が検出される。その検出工程は、シグナルの読み取りの見地から、溶液中で行なうことが好都合である。しかしながら、溶液中では読み取られない不溶性の生成物またはシグナルを生成してもよい。読み取り可能なシグナルを生成する限り、抗体結合を検出する公知手段の何れもを使用することができる。たとえば、蛍光、化学発光、比色定量法または検出可能なシグナルを生成する酵素反応が挙げられる。固体相を使用しない場合、標的抗体は他のいくつかの鋭敏な血清学的方法、たとえば、光散乱(たとえば、比濁分析法)および共鳴手順などにより検出してもよい。好都合には、イムノアッセイを検出の手段として用いてもよく、酵素免疫吸着測定法(ELISA)が好
ましい。たとえば、Abbott PRISM ELISA (Abbott Laboratories, Chicago, USA)、またはOrtho ELISA (Ortho Clinical Diagnostics, New Jersey, USA)である。
しかしながら、ELISA以外の試験手順も、抗体検出のための本発明の範囲内であること
が意図される。コートしたディスクまたはガラスプレートを用いる技術、たとえば、破壊したリンパ球および/または血漿の懸濁液で満たしたものを用いた技術が適しているだろ
う。抗体を検出するための公知のいかなる標準的技術、たとえば、不溶性または可溶性の
生成物を生ずる技術をも、本発明の方法、定量分析または定性(たとえば、イエス/ノー)型の試験のいずれかに使用するために採用することができる。
イムノアッセイ技術、特にELISAの技術は公知技術であり、文献に記載されている(た
とえば、ELISA and other solid phase Immunoassays、Theoretical and Practical Aspects ,1988年, ed. D.M.Kemeny & S.J.Challacomb ,John Wiley & Sonsを参照)。
破壊したリンパ球サンプルを接触させ、次いで酵素−抗体複合体を添加してもよく、たとえば、ELISA検出法において添加してもよい。そして、固体相上の抗原と結合した抗体
と結合させる。同様に、もし検出するための前記抗体を、結合パートナーを介して、たとえば、異種の抗体群に対する抗体によって、前記固体相に非特異的に結合させる場合には、酵素−抗原複合体を添加してもよく、これらは固定化した検出されるべき抗体に特異的に結合する。その後、酵素基質を、検出可能なシグナルを発生させるために添加する。本発明においては、可溶性基質が好適に使用され、溶液中で検出可能なシグナルを生じる。これは、多数のサンプルの操作および処理を容易にし、簡単にし、抗体生成の評価を可能にするために有利である。前述したことであるが、完全な定量は必ずしも必要ではなく、もし所望するのであれば、定性的または半定量的な結果を得ることができるだろう。便宜のために、前記基質を選択することで分光測光的に検出できるシグナルを得てもよく、このシグナルは、吸光度を読み取ること、たとえば、標準的なELISAプレートリーダーを用
いることによって容易に読み取られる。実際に、標準的なELISA試薬を用いてもよく、こ
れは本発明のアッセイを、臨床検査室で常套的に行われる既存の方法および技術と共用できるようにする利点を有する。しかしながら、他の検出/シグナル生成システムを用いてもよく、蛍光、化学発光などで検出可能なシグナルを得ることができる。
免疫−酵素的増幅方法をも用いてシグナルを増大し、感度を増加させることができる。たとえば、アビジン−ビオチン法、たとえば、Sigmaから入手できるエキストラビジンシ
ステムなどを使用してもよい。ビオチン化した2次抗体を、ペルオキシダーゼ アビジン
複合体と組み合わせてELISA試薬として使用する。アビジン1分子は、ビオチン数分子と
結合する能力があるため、アビジン−ビオチン-ペルオキシダーゼ複合体の使用は、ペル
オキシダーゼ分子について表面濃度を増加させ、この方法によりなお一層よい感度を与える。
本発明のアッセイ方法が確かに機能していることを保証するために、適切な対照を含めることができ、抗体の存在またはその量を決定するために使用してもよい。たとえば、記録されたシグナルが、突発的で非特異的に(局外的立場で)活性化されたリンパ球によるものではないことを確かめるために、ネガティブコントロール抗原を用いる。この抗原は、調べている疾患または感染の原因にもっともなりそうにない感染性の因子、たとえば破傷風菌毒素から抗原だろう。このような局外立場の活性化リンパ球の数は、いずれにしてもすべての状況において本発明の方法を使用する陽性の試験結果のために要求されるよりもはるかに少ないだろう。本発明の意図はこの点を考慮している。
リンパ球抗体がリンパ球の破壊の後に検出される本発明の一つの利益は、インキュベートするいかなる段階または特別なアッセイ条件も不要なことである。したがって好ましくは該サンプル中のリンパ球は、本発明方法の前に、換言すると全血サンプルまたは派生する調製物を集めた後で、抗体を産生させる、および/または分泌させるような条件下でイ
ンキュベートされない。産生させる、および/または分泌させるような条件は、例えば インキュベーション >4℃、具体的には20〜39℃、たとえば約37℃で >5秒、たとえば30 秒
間から10 分間まで、またはそれ以上である。
インキュベーションの段階がないことは、サンプリング後にサンプルが、細胞の破壊ま
たは溶解をもたらすために処置されてもよく、また、この溶解物を、その後、アッセイ段階が実施される時期まで、たとえば凍結または冷却することにより保存することができるということを意味する。
あるいは、前述のように、細胞を破壊する前に、たとえば、ある成分が除かれた全血、半精製(たとえばバッフィコート)または精製した調製物などのサンプルを、たとえば(サンプルに応じて適切に)凍結または冷却することにより、たとえば数時間または数日まで、たとえば、4時間を越える、具体的には6時間から1、2、3もしくは4日間までの、ある期間保存することができる。具体的には、精製したリンパ球の調製物は、サンプルを、細胞を破壊する処理がされる前に、必要に応じてまたは所望により、たとえば、数時間または数日といったある期間凍結することにより、あるいは、数時間冷却することにより保管し得る。したがって、たとえば、精製されたリンパ球は、細胞を破壊または溶解する処理をする前に、数時間、たとえば、4〜6時間まで、>0℃ ≦ 4℃(たとえば4℃で)で保
管し得る。血漿も同様に保管できる。
しかしながら、驚くべきことにたとえば全血調製物などのいくつかのサンプルは、細胞に有害な影響を与えたり、試験の結果に干渉することなく、より長期間、冷却下で保存することができることが見出された。たとえば、抗体を検出する試験の実施に有害な影響を与えることなく、リンパ球を精製する手順が始められる前に、全血サンプルが、冷却下(たとえば、4℃で)少なくとも6日間保管することができ、また所望により、そのサンプルは室温(18〜25℃)で少なくとも6時間、断続的に保持することができることが見出された。このことは、ルーチンのまたは補足的な血漿/血清の検査手順より得られる結果が未決定である間、血液サンプルを検査室の中で留め置いたり、冷却下で保管する際に特に有用である。保管の間、リンパ球の物理的保全性が維持されることを意味し、したがって、(所望により)保管された血液から引き続きリンパ球の精製をすることができ、検出される抗体を有意に減少させることなく、リンパ球を破壊することができるからである。
試料を入手して長期間保存するのであれば、その標準的な方法はリンパ球を分離し、それらを破壊し、凍結することによってリンパ球溶解物と血漿とを別々に保存することである。これに代わる新しい方法は全血を凍結することである。この方法は凍結する間、リンパ球の状態を完全に保全するための溶液、たとえばDMSOを含む溶液を加えることにより行なわれる。実施例の記載では、クエン酸塩と20%DMSOを含有する緩衝液を等量、凍結する前の全血に添加している。DMSOは凍結処置の間に細胞が溶解するのを防ぎ、それらは解凍すれば通常の試料として取り扱うことができる。このような好ましい態様においては、収集した試料は最終濃度として5〜15%、好ましくは7.5〜12.5%、たとえば10%のDMSOを含有する溶液中で凍結させる。DMSOはポリエチレングリコールで任意に補充してもよく、この場合、DMSO濃度を、たとえば3〜7%、または5%と低下させることができる。
よって好ましい一態様においてはリンパ球を破壊する前に、たとえば血液試料を特に約4℃(たとえば1〜6℃)もしくはそれ未満の温度下で保存すると、数日間、具体的には約6日間まで、またはそれ以上保存することができる。この場合、たとえば4〜6時間の
断続する間に、その冷却環境から試料を取り出すことさえできる。たとえば室温下で、分析結果に悪影響を与えることなく、保存期間中に2回以上、取り出せる。これは特に血液試料を冷却の下において保存する際、短時間室温下において試料を作業台に放置することが避けられない場合に有用である。驚くことに、細胞の生存活力は、本発明のアッセイ方法により得られる好ましい結果に干渉したり、または妨げたりするほどに充分、影響を受けることはないことが十分にないことが分かっている。さらに好ましい態様において、精製したリンパ球調製物を用いた場合、これらの試料(および/または血漿)は4℃未満で
保存(たとえば>0で4℃まで、たとえば数日間またはそれ以上)、または4℃以上で保存(6時間まで)することができる。
分析に使用される種々の試料が保存される可能性があるなら、本発明の方法は、検査室の高価な自動化装置(例、ELISA機器)が一度に相当数の試料を用いて最も効率的に処理
する場合に、特に大規模の診断検査所に向くこととなる。このことは別種のテストにおける化学的な血清試料の分析のために設定される手順に類似した方式で、多くの異なる場所で試料を入手しても良く、分析のために中央の診断検査所に郵送または送り届けてもよい。
本発明の好ましい態様において、単一ウェルのアッセイが用いられ、この場合全血は2分され、それぞれから血漿試料とリンパ球試料が調製される。あるいは全血の一アリコートからリンパ球含有部分と血清含有試料血漿試料とが分離される。その後、リンパ球は破壊され、試料を一緒にして抗体レベルが評価される。
かくして特に好ましい態様において、本発明は血液試料中にある免疫原に対する抗体の量または存在を測定する方法を提供し、この方法は少なくとも以下のステップからなる方法を提供する。
全血試料を入手する;
前記試料の一アリコートから血漿を単離する;
前記試料の一アリコートからリンパ球を単離する;
前記の血漿とリンパ球を結合する;
前記リンパ球を破壊して、前記リンパ球に結合している抗体またはその一部を遊離させる(このステップは結合の前に行ってもよい);
単一の分析により、前記のリンパ球から遊離させたリンパ球抗体もしくはその一部の量または存在、および血漿抗体の量または存在を検出する;
上記ステップ中において、前記血漿およびリンパ球の抗体の合わせた量および存在は、抗免疫原抗体の量または存在を決定する。
特に好ましくは前記リンパ球が、固形支持体(ビーズのような、たとえば磁性ビーズ)上の結合パートナーを介して該支持体とアフィニティ結合することにより単離される。該結合パートナーは、特異的に前記リンパ球上のその結合パートナーと結合し、たとえばリンパ球の相補的な分子と結合する抗CD19を担持した固形支持体が挙げられる。界面活性剤(より好ましくはNP-40および/またはTween20)を用いる破壊が行なわれることが特に望ましい。特に好ましくは標的抗体の検出は、固相上において、標的の抗体を1またはそれ以上の抗原と接触させることにより達成される。前記全血試料および/または前記血漿、またはそれらから分離されたリンパ球は、分析の前に凍結することが好ましい。さらに好ましくは、本発明の方法を多数の試料について、たとえば多数の人からの試料を用いて実施することである。
本発明については以下の限定を意図しない実施例においてさらに詳細に述べられ、図1
はHIV感染において検出できる事象を示している。
[実施例]
方法
クエン酸塩ストック溶液の調製(10×クエン酸塩)
7gのクエン酸三ナトリウム無水物および 2.5 gのクエン酸を蒸留水90 mlに溶解する。
最終容量を100 mlにする。この溶液は2〜5℃で保存する。
プラズマキュート(PlasmAcute)緩衝液の調製
リン酸緩衝化生理食塩水(PBS) 、pH 7.2±0.5
Tween20、100μLをPBS1リットルに添加し充分混合する。この混合物90mL当り、10mLのクエン酸塩ストック溶液を添加する。この溶液は使用しないときは冷所に保管する。
ミルク粉を加えたプラズマキュート緩衝液の調製
10 gの脱脂ミルク粉 (Clover Elite Fat Free)を100 mlの プラズマキュート緩衝液に
添加して充分に混合する。泡は使用する前までに静置して落ち着かせる。「脱脂ミルク」は、一般に脂肪が1%未満である。この試薬は使用の都度、新たに調製し、使用しないときは冷蔵する。
破壊緩衝液、10×100mlの調製
ストック溶液 10×緩衝液、100ml
5M NaCl 30mL
1M Tris 10mL
100% NP-40 5mL
Tween 20 0.5mL
蒸留水 54.5mL
磁性ビーズの調製
処理すべき患者サンプル(EDTA 血液)の数がカウントされる。エッペンドルフチューブ
に、1mLのプラズマキュート 緩衝液を加える。磁性ビーズ(マウスモノクローナル抗CD19
抗体を共有結合させて担持するOne-Lambda Fluorobeads)の必要な容積が算出される:サ
ンプル当り10μL +5μL割増。磁性ビーズの計算された容積(サンプル当り10μL +5μL割増)のストック溶液を上記エッペンドルフチューブに添加する。
溶液を穏やかに撹拌し、チューブを磁気スタンド(magnetic stand)に置く。該チューブから、スタンドに置いている間に液状物を除く。次いでチューブをスタンドから取り出し、当初添加したストック溶液の容量と同じ容量のプラズマキュート 緩衝液を加える。
リンパ球の分離
処理される患者サンプルに 対応するエッペンドルフチューブにラベルを付す。プラズ
マキュート緩衝液、635μLをそのチューブに添加する。前記の通り調製した磁性ビーズ懸濁液、10μLを加える。350μLの固まっていない血液を、ラベルのついた対応チューブに
加えて穏やかに撹拌する。そのチューブを毎秒1回で5分間、各端をひっくり返して穏やかに回転させる。該チューブを磁気スタンドに5分間(それより多くは不可)置く。磁気スタンドに静置したチューブから液体(WASH1)をゆっくり吸引し、廃棄する。該チュー
ブを磁気スタンドから除く。
1400μLのプラズマキュート緩衝液を加えて、磁気スタンドに3分間置き、洗浄工程を
さらに3回反復する。最終的にビーズを175μLのプラズマキュート緩衝液に懸濁する。
細胞溶解
18μLの10×破壊緩衝液を175μLの細胞懸濁液に添加する。混合液をピペットによる吸
入と吐出により完全に混合し、5分間、室温に静置する。10%粉ミルクを有する175μLの
プラズマキュート緩衝液を添加する。
血漿の調製
血漿を全血液サンプルから遠心分離 (1000 g, 5分間)により調製し、ならびに血漿を回収する。
抗体の検出
これは、細胞溶解物および血漿について、一緒に混合し、あるいは平行して行なった。400μLのサンプルをAbbott PRISM ELISA 系 (Abbott Laboratories, Chicago, USA)に適
用する。あるいは代わりにMUREX社のマイクロタイター、 HIV ELISA-HIV 1/2 Group 0 を分析に使用してもよい。
自動化による方法
本発明の方法は都合に良く自動化に向いており、分析のために リンパ球の細胞溶解物
を調製するために、バイオロボット(BioRobot) M48を使用するプロトコルというものを記載する。
一般概要
前記プロトコルを行なう前に、使用者は血液サンプル (処置する各サンプル400μL)、
プラスチック器具および 試薬類(プラスチック試薬容器中にある)をロボットの適正な位
置に置かねばならない。開始するとロボットは、サンプルを等張緩衝液1の等量で希釈す
る。次いで希釈した該サンプルに、CD19ビーズを加え、5分間撹拌してインキュベートし
、細胞をそのビーズに結合させる。磁気分離が行なわれ、ビーズ/細胞複合体は保持され、液体を廃棄する。該ビーズ/細胞複合体は、2回、緩衝液1で洗浄され、最終的に緩衝液2に懸濁される。その後細胞膜が破壊され、細胞内抗体が放出される。緩衝液2は、細胞核を無傷のまま残すために、粘度の上昇が回避される(そうでなければ技術上の課題となる)。プロトコルの最終段階は緩衝液3による細胞溶解物の希釈であり、これは保存安定性
および後続する応用との適合性を増すために行なわれる。
定義
ブロック(Block):バイオロボットM48は、6チャンネルのピペッティング・ヘッドを有
しており、このため同時に6サンプルを処理できる。そうした6サンプルのセットに直接、関わる作業面の全***置をブロックと称する。一ブロックは7個の各サンプル用ウェルを有する廃棄可能なアッセイトレイ、6個の専用サンプル位置(これらはプラズマキュートプロトコルでは室温でもよいので使用されない。)、加熱ブロック上の6個位置(一列)および溶出ブロック(温度制御)上の6個位置(一列)からなる。
試薬容器: 使用者が稼動のために試薬を満たすプラスチック製のトレイ。バイオロボットM48は、7個の小試薬容器および4個の大試薬容器を有する。
緩衝液 1 : 好ましくは PBS/クエン酸塩/Tween
緩衝液 2 : 好ましくは1×破壊緩衝液
緩衝液 3: 好ましくは PBS/クエン酸塩/Tween/粉ミルク
磁気分離 : 一般に、これは磁性ビーズおよびこれに結合する物質が磁石に引きつけられ
、該ビーズが当初に懸濁していた液相は除かれる操作をいう。バイオロボットM48では、
液相、ビーズおよび細胞 の混合物が吸引され、次にピペッティングチップに磁石を適用
してビーズおよびCD19+細胞を保持し、その他はすべて無用とすることにより行なわれる

洗浄工程: ビーズを洗浄緩衝液中に再懸濁し、磁気分離を行なう。
プロローグ-ファイル(Prologue-file): これはバイオロボット M48プロトコルの一部であり、各工程が選択されたブロック全部について実施されてから、次の工程に進むようになっている。このプロローグ-ファイルは通常、サンプルの処理が開始される前に、試薬
をアッセイトレイおよび他のブロック位置に分注するために使用される。
ブロック-ファイル(Block-file):これはバイオロボットM48プロトコルの一部であり、
あらゆる工程が1つのブロックについて実施されてから次の選択されたブロックに進むようになっている。このブロック-ファイルは通常、サンプルの処理のために使用される。
エピローグ-ファイル(Epilogue-file):これはバイオロボット M48プロトコルの一部で
あり、各工程が選択されたブロック全部について実施されてから、次の工程に進むようになっている。このエピローグ-ファイルは通常、サンプルの処理後に、希釈、加熱ブロッ
クおよび溶出ブロックの温度のリセット、ステッパーモーターを元の位置に戻すことのような操作を適正に行なうために使用される。
プロトコルの記載
プロローグ-ファイル
P2:小試薬容器1のビーズを沈降しないようにして再懸濁させ、ビーズの均一な分布を確
実にする。
P2:小試薬容器1からビーズを吸引する
P2:100μLのビーズが使用されるアッセイトレイ全部のウェル1に小試薬容器1のビーズ
を懸濁させる。
P3:900μLの緩衝液1を大試薬容器1から、使用されるアッセイトレイ全部のウェル2およびウェル3の各々に移す。
P4:400μLの緩衝液1を大試薬容器2から、加熱ブロック上の使用されるすべての列の各チ
ューブに移す。
P5:180μLの緩衝液2を小試薬容器2から、溶出ブロック上の使用されるすべての列の各チ
ューブに移す。
ブロック-ファイル
B2:ウェル0のビーズを再懸濁し、加熱ブロックへ移す。
B3: 血液/緩衝液1/ビーズを混合しながら5分間加熱ブロックでインキュベートする。
B4: 血液/緩衝液1/ビーズを吸引し、ビーズをチップに磁気的に保持して、液体を廃棄す
る。
B5: ビーズ/細胞をウェル2の緩衝液1中に再懸濁する。
B5 : 緩衝液1/ビーズ/細胞を吸引し、ビーズをチップに磁気的に保持して、液体を廃棄する。
B6: ビーズ/細胞をウェル3の緩衝液1に再懸濁する。
B6: 緩衝液 1/ビーズ/細胞を吸引し、ビーズをチップに磁気的に保持して、液体を廃棄する。
B7: ビーズ/細胞を溶出ブロック上のチューブにある緩衝液2、180μLに再懸濁し、細胞膜を溶解する。
エピローグ-ファイル
E2: 小試薬容器3から520μLの緩衝液3を、溶出ブロックで使用される全ての列にあるチューブ各々に移す。
E2: 溶出ブロックの温度を保管のために8℃まで低下させる。
全血の処理前凍結
全血細胞の凍結の影響を決定した。使用した凍結混合液は、クエン酸塩を含有し(実施
例1参照)、20% DMSOを有するか、または有しないプラズマキュート緩衝液であった。その凍結混合液を全血に等容量添加した。つぎに混合物を凍結し保存した(-20℃または-70℃で)。サンプルを2〜8℃で解凍し、新鮮な全血のように処置した(NB 50% 細胞/単位体積)。
保存温度当り4全血「複製(replicate)」を一晩、適切な温度下で保存し、等容量のすべてのサンプルは、B細胞を再生させるため標準方法によって処理した(実施例1参照)。再生したB-細胞を顕微鏡的に血液計算器を用いて計数し、結果を4つの「複製」の平均とし
て表した。かくしてB-細胞を再生させるために、新鮮なサンプルまたはDMSO存在下で凍結したサンプルでは、処理上、有意の差異はない。
Figure 2007510149
B-細胞溶解物および血漿の混合
アッセイに及ぼすリンパ球溶解物および血漿の再結合の効果を検討した。すべてのサンプルは、Abbott prismシステムで分析した。示されたデータは、2個の複製および6サンプルの結果である。平均値が与えられる。ネガティブ用の血漿およびリンパ球溶解物が実施例1に記載されたように調製され、再結合された。あるいは再結合のバックグラウンドレ
ベルへの影響を調べるために下記に示すように緩衝液と結合した。
300μL血漿 + 100μL 2× 破壊緩衝液 0.34 sig/cov
300μL血漿 + 100μL破壊緩衝液 0.35 sig/cov
300μL血漿 + 100μL相同溶解物 0.4 sig/cov
400μL血漿だけ 0.38 sig/cov
sig/covは、ELISAで生じるシグナルであってカットオフ値で除する結果、1よりも大きいsig/covは陽性の結果として、 1未満のsig/covは陰性の結果として扱われる。カット
オフ値は実験ごとに統計的に決められるが、ネガティブコントロールのサンプルの分析により生じたシグナルに基づいている。
溶解物または破壊緩衝液のいずれかの存在に起因するネガティブ血漿サンプルの値に変化はなかった。サンプルの再結合も、陽性サンプルで検討した。一人の患者からの血漿およびリンパ球溶解物における抗体レベルを最初、個別に決定し、次いで様々な比率で再結合した後に決定した。
HIV陽性サンプル 血漿 =24. 5 sig/cov
同一患者からのB-細胞溶解物 =0.42 sig/cov
2つの複製が試験され、その平均値が下記に示される。
陽性血漿 + 相同溶解物
400μL 400μL =10 sig/cov
400μL 0 =24.5 sig/cov
300μL 100μL =19 sig/cov
2OOμL 200μL =11 sig/cov
lOOμL 300μL =7 sig/cov
0 400μL =0.42 sig/cov
シグナルの減少は陽性サンプルに緩衝液を添加する希釈効果だけによるものであることが見られる。つまり溶解物と血漿を再結合することによるアッセイによって生じたシグナルに何ら阻害はない。
Abbott prismシステムで使用するのに好適である上記の実用的な変更は、以下のとおりである。
400μL血漿 + 400μL溶解物; 混合→PRISM ELISA に最小400μL
250μL血漿 + 250μL溶解物; 混合→PRISM ELISA に最小400μL
NB アッセイで100μLだけ試験する
図1は、HIV感染における検出可能な事象を示す。

Claims (39)

  1. 血液サンプル中の免疫原に対する抗体の量または存在を決定する方法であり、少なくとも次の工程を含む方法:
    該サンプルにおいて血漿抗体もしくはその一部ならびにリンパ球抗体もしくはその一部の量または存在を検出し、該血漿抗体および該リンパ球抗体は一緒のアッセイで検出されるか、別個のアッセイで検出され、それらを合わせた量または存在の決定が、該免疫原に対する抗体の量または存在を決定する工程。
  2. 前記血液サンプルのリンパ球が破壊され、これにより該リンパ球に結合していた抗体もしくはその一部が放出され、リンパ球から放出されたリンパ球抗体もしくはその一部の量または存在、ならびに血漿抗体の量または存在が検出されることを特徴とする、請求項1
    に記載の方法。
  3. さらに次の工程:
    前記血液サンプルから血漿含有サンプルを単離すること;ならびに
    前記血液サンプルからリンパ球含有サンプルを単離すること
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記の全血サンプルが、リンパ球含有サンプルおよび血漿含有サンプルを調製するために2つの部分に分割されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 単一の全血アリコートが、リンパ球含有サンプルおよび血漿含有サンプルを調製するために使用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記リンパ球含有サンプルおよび/または血漿含有サンプルが精製された調製物である
    、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記リンパ球含有サンプルおよび血漿含有サンプルがリンパ球を破壊する前に再結合される、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記リンパ球含有サンプルおよび血漿含有サンプルがリンパ球を破壊する後で検出する工程の前に再結合される、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  9. 前記血漿含有サンプルおよびリンパ球含有サンプルの比が1:0.4〜1:1の間、好ましく
    は1:1である、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記血漿抗体およびリンパ球抗体が単一のアッセイで検出される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記血漿抗体およびリンパ球抗体が別々のアッセイで検出される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  12. 前記血液サンプルが、哺乳動物、好ましくはヒトの血液サンプルである、請求項1〜11
    のいずれかに記載の方法。
  13. 前記血液サンプルが1mL未満である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記血液サンプルから赤血球が除かれることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記
    載の方法。
  15. 前記血液サンプルから非Bリンパ球が除かれることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記免疫原が感染またはワクチン接種に起因することを特徴とする請求項1〜15のいず
    れかに記載の方法。
  17. 前記免疫原が細菌性またはウイルス性の抗原であり、好ましくは単純疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、肝炎ウイルス、エプスタイン−バー
    ウイルス、口蹄病ウイルス、トキソプラズマ,結核、梅毒およびクラミジアからなる群からの抗原であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記リンパ球が、化学的な破壊緩衝液(好ましくは界面活性剤を含有)または物理的破壊手段を用いて破壊されることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記抗体もしくはその一部は、その抗体もしくは一部を認識する1つまたはそれ以上の
    抗原または抗体と好ましくは固相上で接触させることによって検出される、請求項1〜18
    のいずれかに記載の方法。
  20. 放出された抗体が固相結合アッセイの手段によって検出される、請求項1〜19のいずれ
    かに記載の方法。
  21. 前記固相が、検出される抗体もしくはその一部(標的抗体)によって認識される1つま
    たはそれ以上の抗原(固相抗原)を担持している、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記固相が、検出される抗体もしくはその一部(標的抗体)によって認識される1つま
    たはそれ以上の抗体(固相抗体)を担持している、請求項19または20に記載の方法。
  23. 前記検出工程が、免疫アッセイ、好ましくはELISAによって行われる、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記固相に固定化された標的抗体によって認識される1つまたはそれ以上の抗原が、そ
    の固相と接触させられる、請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記固相に固定化された標的抗体によって認識される1つまたはそれ以上の抗体が、そ
    の固相と接触させられる、請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
  26. 前記検出工程が溶液中で行われることを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の方
    法。
  27. 可溶性基質が検出工程に使用され、分光測光学的に検出され得るシグナルを生じる、請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
  28. ネガティブコントロールが使用される、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 複数の固相が使用され、その各々が相異なる標的抗体を認識する異なる抗原または抗体を担持する、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記方法に使用される血液サンプルおよび/またはリンパ球含有サンプルおよび/または血漿含有サンプルが、リンパ球が破壊される前において4℃以下の温度で保存されること
    を特徴とする、請求項1〜29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記方法に使用される血液サンプルが全血から得られ、該全血はリンパ球が破壊される前に、5〜15%DMSOとともに凍結されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  32. 前記サンプル中のリンパ球が、前記方法に先行して抗体の産生および/または分泌をも
    たらす条件下でインキュベートされないことを特徴とする、請求項1〜31のいずれかに記
    載の方法。
  33. 複数のサンプルが同時にまたは順番に分析される、請求項1〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 免疫原に感染した動物、好ましくはHIV感染患者を同定するために使用される、請求項
    1〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記免疫原、好ましくはHIVによる該動物の感染が、該動物から血液サンプルが採取さ
    れる10日未満で起きる、請求項34に記載の方法。
  36. ハイスループットのスクリーニングにおける、請求項1〜35のいずれかに記載の方法の使用。
  37. 前記スクリーニングが、血液バンクのサンプルについてである、請求項36に記載の使用。
  38. 個体間の移植または輸血に対するサンプルの適合性を決定するための請求項1〜37のいずれかに記載の方法または使用。
  39. 免疫原、好ましくは細菌もしくはウイルスによりヒトまたは非ヒト動物もしくはその動物の一部の感染を診断しまたはモニタリングするため、ならびに該免疫原、好ましくは細菌もしくはウイルスによる感染の存在または程度を適切なコントロールおよび/または対
    照サンプルと対比することによって決定するために、請求項1〜35のいずれかに記載の方
    法あるいは請求項36または37に記載の方法の使用。
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