JP2007506016A - アルフベン波を発生させる方法および装置 - Google Patents

アルフベン波を発生させる方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007506016A
JP2007506016A JP2006525567A JP2006525567A JP2007506016A JP 2007506016 A JP2007506016 A JP 2007506016A JP 2006525567 A JP2006525567 A JP 2006525567A JP 2006525567 A JP2006525567 A JP 2006525567A JP 2007506016 A JP2007506016 A JP 2007506016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
alfven
primary
wave
ionizable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006525567A
Other languages
English (en)
Inventor
グラスザウアー,アンドレアス
ヘットマー,マンフレッド
フリッシュアウフ,ノーベルト
バートウッシュ,トビアス
Original Assignee
カサル テクノロジエントビックルング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトゥング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カサル テクノロジエントビックルング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトゥング filed Critical カサル テクノロジエントビックルング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトゥング
Publication of JP2007506016A publication Critical patent/JP2007506016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03HPRODUCING A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03H1/00Using plasma to produce a reactive propulsive thrust
    • F03H1/0081Electromagnetic plasma thrusters
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/08Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means
    • G21K1/093Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means by magnetic means
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/08Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/54Plasma accelerators

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、磁場を透過するイオン化可能な材料が供給されるアルフベン波発生方法および装置に関する。アルフベン波により材料を搬送することができるこのような方法または装置を作成するために、前記磁場は、前記磁場内のイオン化可能な材料中にアルフベン波を発生させるように、1次磁場に対し反対方向に極性を持つ少なくとも1つの振動する2次磁場により周期的に変形する1次磁場からなる。アルフベン波は、磁場を透過する材料の密度と磁場の強度とに依存した速度で伝播する。この磁場の強度は、磁場内の材料の運動エネルギーよりも大きいため、アルフベン波によって材料は搬送される。
【選択図】図2

Description

本発明は、生成されつつあるイオン化可能な材料によって、磁場を通過するアルフベン波を発生させる方法に関する。
また、本発明は、イオン化可能な材料を生成する装置を有し、さらに、1次磁場を発生させる少なくとも1つの装置と2次磁場を発生させるコイルとで形成される磁気ノズルと、イオン化可能な前記材料を前記両磁場に誘導するチャネルと、電源供給装置とを有するアルフベン波を発生させる装置に関する。
結局本発明は、上述のようなアルフベン波発生装置を用いたヴィークル用動力装置に関する。
アルフベン波は、磁気流体波であり、スウェーデンの物理学者ハンネス・アルヴェーン(Hannes Olof Gosta Alfven)の名にちなんで命名され、また、これに対して、アルヴェーンは、1970年にノーベル物理学賞を受賞している。アルフベン波は、導電性液体または磁化プラズマ中の低周波であり、磁場の強度変化または形状変化により生じる。アルフベン波は、いわゆるアルフベン速度と呼ばれる有限速度で伝播する。さらに、アルフベン波は、磁場における擾乱の伝播波である。真空中では、アルフベン波は、真空中での光の速度で伝播する。磁場が、イオン化可能な材料、例えばプラズマと相互作用する場合は、アルフベン速度は、誘電体媒質の質量密度または電荷密度に左右される。このアルフベン波は、材料と磁場との相互作用によって、質量を輸送することができ、従って、エネルギーやインパルスの輸送を行うこともできる。このような質量輸送には、いわゆるアルフベン制限が関与し、そこでは、磁場の強さは、輸送される材料の運動エネルギーよりも大きくなければならない。アルフベン波による材料輸送作用は、最初に、分光学的手段によって異種の星の大気から検証され、後年、室内実験によって検証された。
アルフベン波は、宇宙空間のプラズマ中に普遍的に存在し、磁場と、磁場中を流れる電流との相互作用から生じる。典型的に、アルフベン波は、恒星大気といった磁化された導電性媒質中において低周波で発生する。この波は、電磁エネルギーを輸送するだけではなく、プラズマ電流の変化やそれと関連する磁場のトポロジーの変化に関する情報も含む。1942年に、ハンネス・アルヴェーンが、この電磁伝送の原理を提案して以来、2つの概念が研究者の関心を捉えてきた。すなわち、密度と磁場強度とが変動する圧縮波の概念と、磁場の方向のみが変化するS波の概念とである。アルフベンS波の動力学は、このアルフベン波がオーロラ光の発生に関与すると考えられるため、地球の極地域に関しては特に関心が持たれている。詳細については、文献「The physics of Alfven Waves」(Neil F. Cramer, Wiley Publishing 2001年, ISBN: 3-527-40293-4)、および「Aktive Sterne」(Klauss G. Strassmeier, Springer Verlag 1997年, ISBN: 3-211-83005)を参照されたい。
これまでのところ、アルフベン波は、核融合炉での利用に関する方法についてのみ用いられてきた。例としては、米国特許第4,661,304号で、核融合炉において超共鳴サイクロトロン周波数を発生させるための、共鳴コイル機構を活用したアルフベン波の発生について開示されている。また、核融合炉において高温を達成するために、環状に配置した複数のコイルに基づいた類似の設計が、ロシアの特許明細書SU1,485,436号に記載されている。これまでの出願では、エネルギーは、アルフベン波によって輸送されている。アルフベン波による質量輸送の直接的な利用は、この事例では生じていない(H. Alfven, 「Spacecraft Propulsion: New Method」(Science、176巻、167−168ページ、1972年4月14日号)も参照されたい)。
ヴィークル、特に宇宙船の推進力に関するアルフベン波の利用は、今のところ提案されていない。2種類の原理が、現在、ヴィークル、特に宇宙船に対して電気的反動推進力として用いられているが、その実用性は、大量の外部エネルギー源を使用するために、比較的大きな出力を必要とすることから限界がある。化学推進システムの燃料に含まれるエネルギーは、電気推進システムの場合の外部エネルギー源から供給しなければならない。さらに、電磁推進システムは、電気エネルギー貯蔵媒質が高質量であるにもかかわらず使用されている。電気推進システムの場合、さまざまな方法で励起されるガス中のイオン成分は、電界によって加速される。その放出ビームの断面積を乗算して加速経路を定義する電極間の物理的距離のために、許容エネルギーポテンシャル差で低スラスト密度のみが可能であり、これが効率を左右する。この場合、正に帯電したイオンのみが放出され、その後、このイオンは、静電ポテンシャルを防ぐために、動力装置の下流で外部の電子源によって中性化され、これらは、イオン動力装置と呼ばれる。
磁気推進システムの場合、対照的に、ホットウォールを備えた静電ノズルとしてのみ磁場を使用される。この磁場に拘束される粒子は、そのラーモア周波数に基づき互いに相互作用する。また、磁場強度のグレーディングの結果の下降勾配により、同様に、結合力も徐々に弱くなり、その結果としてn次の衝突後に、粒子は結合から放れて磁場に非弾性的に散乱し、熱力学的圧力によってノズルの形状をした磁場の外方向に押出される。
一般に、磁場から膨張するプラズマは、アークによって熱励起される。純粋なアーク動力装置との違いは、主として、プラズマ温度がノズル壁の熱負荷容量によっては制限されないことである。概ね静的な磁場力とプラズマとの付加的相互作用の重要性は、この場合においては2次的である。磁場で熱励起されたプラズマの動力学のために、プラズマ動力装置は、電磁プラズマ力学比例システムまたはMPD動力装置とも呼ばれる。従来のMPD動力装置は、さらに2種類のグループに分けることができる。具体的には、自己誘導フィールド動力装置および外部誘導フィールド動力装置である。自己誘導フィールド動力装置の場合、磁気ノズルの磁場は、アークの高放電電流によって誘導される。つまり、磁気はあるが、コイルは存在しない。外部誘導フィールド動力装置の場合、コイルにより生成される磁気ノズルの磁場が、実際は、外部磁場によって形成されるので、全放電電流が加熱に用いられる。
磁気プラズマ動力装置は、例えば、米国特許第6,334,302-B1号によって知られ、またその発明の名称であるVASIMR(Variable Specific Impulse Magnetoplasma Rocket)として知られている。この場合、プラズマ発生装置を用いて、プラズマを少なくとも2つの磁気トロイダルコイルに通し、この磁場で熱励起する。無線周波数の磁場振動が、磁場振動を使用したある型の磁気ボトル内で、プラズマを加熱する。強度が可変である磁場の形状は、基本的には不変のままであり、それが、磁場をエネルギー輸送に用い、材料輸送に用いない理由である。この動力装置を用いて、従来の電磁プラズマ力学推進システムの場合よりも高い効率を実現することが可能である。
米国特許第4,412,967A号には、アルフベン波の原理を用いた粒子加速器が記載されている。このような粒子線は、穴あけ工具や兵器として使用可能である。
本発明は、アルフベン波発生方法および発生装置を提供する目的に基づくものであり、それを用いて質量を輸送する。その目標は、この方法および装置を、ヴィークル、特に宇宙船用の動力装置として利用可能にすることである。
方法に関して、本発明の目的は、磁場が、1次磁場に対して逆極性の少なくとも1つの振動する2次磁場によって周期的に変形される1次磁場を含み、その結果として、アルフベン波が、イオン化可能でその磁場内の材料中で形成され、このアルフベン波が、磁場を通過する材料の質量密度および磁場強度に依存する速度で伝播し、その磁場強度は、磁場内の材料の運動エネルギーよりも大きいために、質量が、アルフベン波によって輸送されるようにすることで実現される。本発明による方法は、アルフベン波を、質量の輸送に初めて利用するものである。このようにして生成された材料ビームにより、ヴィークル、特に人工衛星などの宇宙船の推進システムを、例えば、反応原理を用いて生成することが可能になる。しかし、他の一連の応用もまた可能であり、その一部を以下に簡単に述べる。
アルフベン波によって質量輸送を可能にするために、具体的な前提条件を満足する必要があるが、それは、さらに以下で説明する。アルフベン波は、1次磁場の磁場形状の周期的な変化によって生じる。この1次磁場の周期的な形状変化は、逆極性の周期的に変動する少なくとも1つの第2の磁場によって引き起こされる。この第2の磁場を、以下の記述では2次磁場と呼び、それは、2次コイルによって生成される。この振動する2次磁場は、2次コイルに振動信号を与えることで生成される。2次コイルに対する駆動信号の周波数と形状は、応用の種類や用いられる磁場コイルに固有の性質に依存する。基本的には、2次磁場の振動周波数が相対的に高いと、質量の輸送に磁場の全ての変形経路を使用することはできないために、動作経路が短くなる領域に入り込む。磁場の重畳によって、2次コイルに対して反対側で外方向に押出される1次磁場の磁力線が発生し、その結果、漏斗状の1次磁場が形成される。この磁場漏斗により、磁場に囲まれる体積が削減される。イオン化可能な磁場内の材料は、このために圧縮され、この磁場から押出される。磁場と相互作用するこの材料は、一方においては、放出質量に分けられ、ごく僅かな部分はローレンツ粒子となる。このローレンツ粒子は、比較的高い磁束密度の領域に位置し、磁力線に拘束される。対照的に、残りの粒子は、磁力線には拘束されず、このため準自由粒子と呼ぶことができる。この準自由粒子は、ローレンツ粒子上で散乱する。このため、ローレンツ粒子によって生じ、囲い込まれた材料に作用する力は、壁力と呼ぶこともできる。付加的な電磁プラズマ力学動力装置とは対照的に、磁気壁力はノズルの機能を果たすばかりではなく、その動力学に基づいて、放出質量の圧縮にも関与する。アルフベン波による質量輸送をとにかく可能にするためには、磁場強度が、相互作用する粒子の運動エネルギーよりも大きくなければならない、いわゆるアルフベン制限を考慮に入れなければならない。この条件が満たされなければ、アルフベン波を用いて質量を輸送することはできない。プラズマ空間における変数は、この条件に対して解析されなければならない。もし、粒子の運動エネルギーが磁場よりも大きければ、粒子はその磁場には拘束されず、したがって磁場に追随できない。しかしながら、アルフベン制限が定義するように、上記の条件に従って粒子が磁場に拘束される場合には、粒子は、磁場によって輸送される。これに関する数学的原理の詳細は、以下で説明する。
磁場は、アルフベン波の伝播速度、いわゆるアルフベン速度で変形される。この場合、2つの選択肢の間で区別がなされる。
本発明の一特徴によれば、アルフベン速度は、磁場内にある材料の音速以下である。これは、囲い込まれた媒質が弾性圧縮の場合を意味する。この弾性圧縮の場合、避けられない摩擦損失以外には、媒質の加熱はまったく起こらず、その代わり、周囲圧力に対して、内部で機械的過剰圧力が生ずる。アルフベン速度が、磁場内にある材料の音速以下である場合、運動インパルスの大部分は、弾性的に伝達される。このように放出質量が弾性的に加速される場合は、輸送される媒質の出口温度では内部の音速を超えることはないので、著しく高い出口速度を実現することは不可能である。この方法の利用は、主に導電性液体での作業に対して実現可能である。それは、可能な限り小さい割合のイオンを伴うこのような液体に関連する高密度の材料では、いかなる場合も、高いアルフベン速度が生じることはないからである。
アルフベン波が伝播するアルフベン速度が、磁場内の材料の音速よりも大きければ、この材料は、非弾性的に圧縮され、従って加熱される。弾性的に輸送可能なインパルスの大きさは、個別の弾性係数に左右され、また、これと関連して、音速に左右される。アルフベン波とローレンツ粒子とにより輸送されるインパルスの非弾性成分は、非干渉性の内部運動、すなわち熱に変換される。このようにして熱励起された材料は、より高い温度であると考えられるばかりではなく、より高い音速も有し、その速度で、磁気ノズルの漏斗状磁場から膨張する。従って、外部の加熱機構を用いることなく、磁気ノズルの形状を持つ磁場力によって直接加熱される。非弾性圧縮の場合は、圧縮時間と、加熱により生じる放射に起因するエネルギー損失との比が重要である。最適化されたシステムでは、動作経路およびアルフベン速度に依存するアルフベン波の伝播時間は、伝播する間にパルスで供給されるよりも少ないエネルギーが放射されるように適合させる必要がある。放出質量の非弾性圧縮による熱励起は、高真空中での用途に使用することができる。それは、その目的のために高いアルフベン速度を実現するには、低い質量密度が必要だからである。短い加速距離にもかかわらず、この場合、高いアルフベン速度によって、大きなインパルスを与えることができる。
本発明の一特徴によれば、1次磁場は原則的に一定である。これは、1次磁場を生成すために1つのコイルに原則的に一定の電源を与えることにより実現できるため、回路の複雑度は低い。この一定の磁場は、永久磁石によっても同じように発生させることができる。
いわゆる1次コイルと呼ばれるコイルを用いて1次磁場を発生させる場合に、1次磁場が周期的にオフ状態に切り替えられると、1次コイルの電気抵抗によって生じる熱を減少させることができる。この場合、オフに切り替わる周波数と時間は、オフに切り替わっている位相においては、確実に熱エネルギーが散逸できるように、適切に選択しなければならない。
1次磁場がオフに切り替わっている間に、2次磁場がそのまま維持されているのは好ましくなく、1次磁場がオフに切り替わっている間は、2次磁場も同様にオフに切り替えるのが好ましい。1次磁場および2次磁場を発生させるコイル用の電源供給装置に接続された適切な制御装置によって、1次磁場をオフに切り替え、必要に応じて、同様に2次磁場もオフに切り替えられる。
本発明にかかるさらなる特徴によれば、磁気ノズルの効果を高めるために、磁場は、軸方向および/または半径方向に集束される。様々な方法が集束、例えば、磁気的方法、または、その他の磁場発生用コイルの特定の配置及び機械的構成のために使用されることができる。
2次磁場がオン状態の間に、1次磁場の変形を促すために、1次磁場の強度を変動させることができる。この場合、1次磁場の変動は、ごく僅かである。この1次磁場の一時的な減少または増加によって、相互に変形した両磁場の形状に作用し、これにより最適化される。
本発明の更なる特徴は、アルフベン波の位相遅延である。例えば、2次コイルがオンの状態の間に、電圧の立ち上がりを遅延させることによって実現可能なこの位相遅延を用いて、1次磁場の変形位相の期間を長くすることができる。このようにアルフベン波を操作することは、アルフベン速度が速すぎる場合に有効である。その例としては、本発明にかかる方法に流体力学を応用する際に、このように磁場の変形を遅らせることが効果的な場合がある。これによって、音場の変動または効率の最適化を実現することが可能になる。あるいは、プラズマ源の存在下でこの方法を用いると、例えば、圧縮温度が高すぎるために、黒体輻射に由来する損失が効率を過度に制限する場合、アルフベン速度を低下させると好都合な場合がある。
アルフベン波が、反応原理に基づいてスラストを発生させる場合は、このアルフベン波発生方法を用いて、ヴィークル、特に宇宙船を推進させることができる。この場合、容器内のガスのイオン化を実行する好適なイオン化機構が、プラズマ源として使用される。アルフベン波は、プラズマ源から流入する媒質の体積を、その媒質が漏斗状の磁場から外に膨張するよりも速く、振動しながら減少させる。磁場の短いパルス幅の間に与えられる大きなインパルスによりプラズマは加熱され、このため、より高い音速、ひいては高いプラズマの膨張速度が得られる。また、アルフベン波を用いて、他の機構によって既に加速されているプラズマビームに、さらに加速を加えることができる。このような動力装置への応用は、衛星の姿勢制御から宇宙飛行用のロケットの推進システムにまで至り、さらに多くの応用がある。本発明の方法は、好適な任意のイオン源やプラズマ源に応用することができるので、放電路を持たず、従って、腐食しやすい電極を持たない任意の好適な無線周波数電源を使用することも可能である。この結果、寿命の長い、腐食しない電磁推進システムが得られる。
また、アルフベン波は、例えば、衛星を動作不能にさせるために、軍事分野で用いることができる高運動エネルギーを持つ粒子線を発生させることも、同様に可能である。この場合、この高エネルギーを持つ粒子線は、1次磁場が作動している間に、2次コイルへ単一パルスを与えることによって効果的に発生する。
これまでに述べたように、アルフベン波は、加速された質量にさらに式という形で、再度加速させることができる。その例としては、このようにして加速された材料を、さらに加速しながら、この装置をアーク動力装置と組合せてもよい。
また、磁場内の材料内でフォノンを発生させ、または増幅し、および/または、磁場内の材料によって、周囲の媒質内でフォノンを発生させ、または増幅することも可能である。フォノンは、アルフベン波の作用によって、磁場が取り囲む材料内での音場を作用させることで増幅される。既に他の機構によって励起されている材料が、さらにインパルスを受けることを意図した応用は、例えば、化学的燃焼や化学的加熱の場合には、フォノンの増幅を使用する分野として挙げられる。
さらに、磁場内の材料を圧縮することが可能であり、従って、その材料を熱励起することも可能であり、また、その熱励起によって電磁放射を発生させ、または増幅することも可能である。
さらに、本方法は、リソグラフィの用途に、イオン化可能な材料を、大きな侵入深さで表面に向けることによって、表面処理や表面塗装に使用することも可能である。さらに、本方法を用いて、半導体材料にドーピングするために粒子を加速することも可能である。原理上は、前述の方法に基づいて動作するプリンタを構成することも可能であり、この場合、印刷物に塗布すべき物質は、本方法によって加速される。
本方法により、海水を、より迅速に、かつ効率的に脱塩することも可能である。それは、塩のイオンが、磁気ノズル内の磁力線の外部に蓄積し、容易に消散させることができるためである。
さらに、本方法を用いて、宇宙船の周囲の電位を中性化することも可能である。
さらに、変動磁場は、α粒子およびβ粒子に対する良好な保護をもたらす。それは、磁場が、このような粒子に対して良好なブレーキ電位を示すためである。従って、例えば、太陽風の場合に生じるような高エネルギーのプラズマ分布に対して、本方法に基づいて推進する宇宙船を、保護することができる。このことは、変動磁場が付加的な放射線保護ももたらすために、宇宙飛行は、もはや、太陽の活動周期や太陽風の発生に大きく左右される必要がないことを意味する。
上述の応用は、ほんの一部の選択肢を示すに過ぎない。
本発明の目的は、先に述べたようなアルフベン波発生装置によっても実現でき、この装置では、少なくとも1つの2次コイルは、1次磁場を発生させる装置に対して逆極性であり、振動電気信号を与えられ、その結果、1次磁場が2次磁場によって周期的に変形され、また、アルフベン波は、イオン化可能な磁場内の材料中に形成され、このアルフベン波が、アルフベン速度で伝播し、磁場内の材料の運動エネルギーよりも大きな磁場強度を有し、そのため、質量がアルフベン波によって輸送される。このように、主な設計上の特徴は、2つの異なった極性を持つ磁場コイルであり、それを用いて磁場、そしてアルフベン波が変形される。既に述べたように、アルフベン制限が満たされているので、このアルフベン波は質量の輸送に適する。
1次磁場を発生させる装置は、コイル、あるいは永久磁石によって形成してもよい。
磁場を形成するコイルは、液冷式に効果的に設計されている。液冷により、高い動作温度が引き下げられ、その結果、機械的強度を増加させることができる。
コイルの電気抵抗は、超電導コイルを用いることで、より一層改善され、低下する。
イオン化可能な材料を生成する装置は、イオン化可能なガスを含む容器と、このイオン化可能なガスを磁場に案内するためのインジェクタ装置とで形成することができる。このようなプラズマ発生装置は、宇宙船の推進システムとして、宇宙で利用するのに特に適する。
イオン化可能な材料を生成する装置が、導電性液体の供給源によって形成される場合は、アルフベン波を用いて、磁場内のこの液体を圧縮することができる。自由イオンを含む流体質量としてこの液体を使用する実施例の変形形態は、流体力学推進システムとしての利用、例えば、潜水艦などの船舶に特に適する。この場合の利点は、任意の可動部を有する推進システムを用いることなく、水を動かすことができるという点である。塩水は、比較的良好な電気伝導率を持つために理想的な媒質である。アルフベン波は、自由イオンのみに直接作用するが、全体としては、放出方向のほんのわずかな流れが、残留粒子が散乱する結果生じる。それでも、さらにこの変形の応用もある。この場合、高質量密度の結果生じるのは、非常に低いアルフベン速度に過ぎず、そのため、この動作領域を、放出質量の弾性加速に利用することができる。その例として、この装置は、位置の特定が困難な潜水艦用の特に静粛な推進システムとして、あるいは流体力学ポンプとして使用することができる。このようなポンプは、それ自体全く可動部を持たず、特に厳格な安全性要件に制約される場合の液体の輸送には、このような変形形態を使用することができる。例えば、このようなポンプは、バイオリアクタ内の液体の輸送に使用することができる。また、回転運動を、ベアリングを介して容器に伝達する必要がないので、漏れという安全上のリスクが低下し、同時に、ベアリングの定期交換のために通常負担するコスト要因も避けることができる。さらに、バイオマスを損傷する可能性がある機械的な可動部も全くない。
本発明の他の特徴によれば、生成されたアルフベン波の位相を遅延させ装置が提供される。このような位相遅延により、アルフベン速度を低下させることができ、それは、場合によっては有利に働く。
さらに、磁場を集束させる装置を提供することができる。このような装置は、磁気コイルを適切に配置することによって、磁気形態をとってもよいし、また機械的形態をとってもよい。
この集束装置は、1次コイルと、必要に応じて、例えば、FFAG(固定磁場強収束:Fixed Field Alternating Gradient)型コアをベースにした、さまざまな材料からなる磁気コアを備えた2次コイルとで形成してもよい。
コイルからの比較的強い磁場に対して敏感なアセンブリ、特に電子アセンブリを保護するために、磁気遮蔽が効果的に備えられる。これには、従来の透磁性遮蔽材料を用いてもよい。
磁気遮蔽が、アルフベン波の出口方向に対して反対の磁場側に配置される遮蔽板を含む場合は、磁場をさらに集束させることになる。
磁場の変形は、コイル用の電源供給装置に接続された制御装置によって制御される。このような制御回路は、コイル用の供給ユニットに対する適切なインタフェースを備えたマイクロプロセッサによって形成してもよい。
この場合、この制御装置は、コンピュータで形成してもよく、その場合、変形実施形態としては、マイクロコントローラからスタートし、マイクロコンピュータを経由してコンピュータユニットに至る形態が可能である。
本発明の目的は、上述したような装置を有するヴィークル用動力装置によっても実現することができる。この装置が、プラズマ発生装置によってイオン化可能な材料を生成するように設計され、反応原理に基づいてアルフベン波を用いてスラストを発生させると、ヴィークル、特にロケットや衛星などの宇宙船に適した動力装置を作成することができる。イオン化されたガスを用いた動作に好ましい動作領域は、放出質量が非弾性的に圧縮される領域である。アルフベン波は、あらゆる任意のプラズマ源から流入する媒質が囲まれた体積を、この媒質が膨張して漏斗状の磁場から出るよりも早く減少させる。短いパルス幅の間に与えられる大きなインパルスによって、プラズマは加熱され、そのため、プラズマの高い音速、したがって高い膨張速度が得られる。この場合、任意の好適なイオン化機構をプラズマ源として使用することができ、その場合、このために消費されるパワーは、ガスのイオン化に限定することができる。1次加速機構に対する熱シンクは、アルフベン波がカルノー原理に基づいて発生させる。いずれにせよ、他の機構によって既に加速されたプラズマビームは、アルフベン波の効果によって、さらに加速することもできる。主な利点は、高い出口速度を実現する能力であり、そのためにアルフベン波に基づいたこのようなプラズマ動力装置は、宇宙船の推進に特に適している。この場合、この動力装置は、衛星の姿勢制御に用いることができ、それによって、内部の燃料供給によって通常は制限される最新衛星の寿命を、このような質量流の少ない動力装置によって伸ばすことができる。また、軌道および姿勢制御システムには、重力異常や太陽風等を補償する必要がある。
同じように、このような動力装置は、衛星を目的の位置に移動する衛星の推進用の、いわゆるキックブースタ(kick booster)として使用することができる。このような、比較的燃料消費量が少ない動力装置によって、全体の質量を低減でき、あるいは最大積載量を増加させることもできる。最大積載量を増加させる能力によって、例えば、より多くのトランスポンダを衛星に収容でき、その結果、多大な省エネの可能性をもたらし、あるいは逆に、より大きなトランスポンダ容量を使用することも可能になる。
このような出口速度が高く、質量流の少ない動力装置によって、特に科学的な惑星間放射に適した、長い加速相を可能にし、さらに、航行時間を短縮できる。
例えば、プラズマ風洞内において、惑星大気の薄い上層部への高速再突入体の相互作用のシミュレーションへの、実験的応用もまた可能である。このような多種多様な研究は、アルフベン波に基づく機構を変動させる能力によって拡張することができる。
本発明の他の特徴に従って、イオン化可能な材料の生成装置を、導電性液体を供給する装置で形成すれば、この動力装置は、水中のヴィークル、例えば、潜水艦の推進システムとして使用することができる。
また、イオン化可能な材料の生成装置を、アーク動力装置で形成すれば、このアーク動力装置によって既に加速されている材料を、アフターバーナー原理に基づいて、さらに加速することができる。
他の用途、例えば、可動部が全くない武器、またはポンプのような、高運動エネルギーのプラズマビームを生成することも同様に可能である。
本発明について、以下、添付した図面を参照により詳細に説明する。また、この添付図面は、概略図および例示的な実施形態を示すものである。
図1に、アルフベン波を発生させる装置の磁気ノズル1の断面を示す。この装置には、1次磁場を発生させるための1次コイル2が設けられている。少なくとも1つの2次コイル3は、1次コイル2と平行に配置され、また、1次コイル2とは逆の極性であり、さらに振動電気信号が供給される。この結果、磁場が発生し、その磁場は周期的に変化する。1次コイル2の位置で終端するチューブ4が、コイル2および3の中を貫く。電子アセンブリや他のコンポーネントをコイル2、3の磁場から保護する遮蔽板5が、傍にあり、2次コイル3と平行に、また1次コイルとは反対側に位置する。中心にあるチューブ4には、例えば、放電に基づくイオン化機構が含まれる。また、イオン化可能な材料がチューブ4を通って磁場に入る。自由イオンを含む液体もまた、プラズマ源の代わりに用いることができる。既に詳しく述べたように、1次磁場は、永久磁石で形成しても良い。
図2aおよび2bに、動作機構をより分かりやすく示す。この図は、2次コイル3が異なったスイッチング状態の場合の磁気ノズル1を示す。図2aでは、2次コイル3はオフ状態であり、1次コイルが磁場を生成し、その磁場は、遮蔽板5のために、チューブ4の開口部の方向に漏斗状のプロファイルを有する。このチューブ4を通過する材料は、チューブ4の開口部で、この漏斗状のプロファイルに従って進む。
図2bに示すように、2次コイル3のスイッチをオンにすると、1次コイル2の磁場は変形し、磁力線が、チューブ4の出口で圧縮され、それに対応して、アルフベン波が輸送する材料も圧縮される。
この結果、イオン化した材料の振動流を生じる。アルフベン波による質量輸送は、アルフベン限界が考慮された場合には可能である。このため、磁場強度は、相互作用する粒子の運動エネルギーよりも大きくなければならない。このように、アルフベン限界は、アルフベン波が質量を輸送できるかどうかを決定する。
さらに、アルフベン波が放出質量を圧縮できるかどうかを左右する重要な因子が有効断面積である。この限界値は、一般には、重要ではないものとされている。閉じ込められた媒質の圧縮率は、その閉じ込められた媒質の音速の関数としてアルフベン速度に依存する。
図3a〜3dに、2次コイルを駆動するさまざまな形状の電流を示す。これらの形状は、それぞれの用途に適合できるものである。実際には、図3aに示すような信号形状は、立ち上がりフランク(rising flank)の傾きを効果的に減少させ、必要に応じて立ち下がりフランク(falling flank)の傾きも減少させることが分かっている。この結果、2次コイル3を駆動する台形プロファイルの電流を効率的に生じる。これにより、電圧ピークを低下させることが可能になる。さらに、正弦波交流電流を用いて2次コイル3を駆動することもできる。また、非対称な駆動信号を用いて、改善を図ることも可能である。
アルフベン波を発生させる本方法、およびアルフベン波を発生させるこのような装置を用いて、推進システム、または高運動エネルギーを持つプラズマビームの発生源を効率よく用いることが可能な放出速度と効率とを得ることができることは、シミュレーションにより示されている。このように、アルフベン波による質量輸送の利用に基づいた推進システムは、特に宇宙飛行の分野では効果的である。
図4は、本発明に基づくプラズマ動力装置であって、既に説明した磁気ノズル1、1次コイル2、および1次コイル2とは逆極性であり、かつ振動電気信号が供給される少なくとも1つの2次コイル3を備えるプラズマ動力装置のブロック図である。チューブ4は、コイル2および3の中を貫き、1次コイル2の部分で終端する。遮蔽板5は、2次コイル3と平行に傍にあり、コイル2および3が作る磁場から電子アセンブリを保護する。この遮蔽板5は、2次コイル3が作る2次磁場の磁力線が、1次コイル2に対して反対方向に延伸しないようにする。イオン化可能な材料を生成する装置8は、この例では、燃料タンク9からの燃料をイオン化チャンバ11に供給する燃料タンク9および制御バルブ10によって構成される。放出質量は、燃料タンク9から、制御バルブ10を通って、イオン化チャンバ11に進む。このイオン化した燃料は、プラズマとしてチューブ4を通って、1次コイル2が作る1次磁場により形成される磁気ノズル1に流れ込む。2次コイル3が作り、かつ振動形状で与えられる2次磁場との相互作用の結果、2次磁場とは逆の極性のために周期的に変形する1次磁場が生じる。その結果、磁気ノズル1は、この過程の際に生じるアルフベン波の影響により、振動形状で圧縮され、このため、加速機構が作り出される。この加速機構は、遮蔽板5があることにより助長される。それは、2次磁場が1次コイル2とは反対方向に伝播しないためである。イオン化可能な材料を生成する装置8として図示したプラズマ源は、1つの可能な案を示しているに過ぎない。原理上は、このシステムには、イオン化可能な材料を生成する他の装置8を組み込むこともできる。コイル2、3あるいは他の構成部品には、適切な電源が電源供給装置6により供給される。また、電源供給装置6ばかりではなく、コイル2、3、およびイオン化可能な材料を作り出す装置8の他の構成部品にも接続されている制御装置7を用いて、個々の構成部品を制御する。この制御装置7は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、あるいはマイクロコントローラで構成しても良い。
図5は、本発明による、アルフベン波を発生させる装置の別の実施形態を示すブロック図であり、この図では、イオン化可能な材料を生成する装置8は、イオン化可能な液体を流し込むことができる注入チャネル12を備える。この注入チャネル12を通って流れ込む液体のスループット質量が、制御バルブ13によって調節されてチューブ4に入る。陰極としての極性を持つ電極14が、チューブ4の中央に配置され、また、陽極形態をとる電極15が、放電路を形成するために、電極14を中心とした同心円状に配置される。また、電極14、15は、電源装置6に接続される。スループット質量は、注入チャネル12を通って、制御バルブ13を介し、磁気ノズル1内のチューブ4に流入する。この磁気ノズル1は、発生したアルフベン波の影響によって振動状に圧縮され、その結果、加速機構が生じる。磁気ノズル1への流入段階でのイオン密度は、電極14および15の間に形成される放電路により増加することができる。個々の構成部品も、それぞれ対応する方法で、制御装置7によって制御することができる。このような磁気流体力学的な変形を用いて、例えば、潜水艦の推進システムを構成しても良いし、流体力学ポンプを構成しても良い。この場合も同様に、遮蔽板は、2次コイル3と平行して効果的に配置され、磁場から電子アセンブリを保護し、磁力線が、1次コイル2とは反対方向に延伸しないようにする。磁気遮蔽が、この遮蔽板5によって完全には確保されない場合であっても、このようにして電気遮蔽は常に設けられる。
以下、図6〜9を参照しながら一実施例を説明し、求めた測定値をシミュレーション値と比較する。
以下の文章において、MOAの加速機構に関する数値シミュレーションにおける最も重要な数学的原理を簡単にまとめる。
アルフベン波の位相速度は、ハンネス・アルヴェーン方程式に従って、アルフベン波が通過する媒質の電荷密度または質量密度の一方から計算することができる。今回は、動力装置のスループット質量との関係から、質量密度での形式の方が好ましい。
VAlfven = c/sqrt(1+((μ0.c2.phi)/B2)) (1.1)
ここで、
c = 真空での光の速度
μ = 磁場定数
phi = 質量密度
B = 磁束密度
である。
この場合、質量密度phiは、この機構がパルス方式で動作するということを考慮する必要があり、従って、次の式が成り立つ。
phi = (M/f).(1/vol) (1.2)
M = 毎秒あたりの質量流
f = 磁場の振動周波数
vol = 磁気ノズルの体積
従って、振動クロックサイクルあたりの質量もまた、質量と体積との関係に重要な因子である。
しかし、磁場の形状が変化する場合は、技術的要因もまた考慮しなければならない。2次コイル3の信号応答時間およびカットオフ周波数が、2次磁場の形成に必要な時間間隔を左右する。1次磁場の形状が変化する速度は、実際のアルフベン速度VAlfven未満の可能性がある。また、1次磁場の磁場形状には2次コイルによる擾乱の伝播速度が重要であるため、時定数tauも考慮に入れなければならない。この時定数tauは、次の関係により与えられる。
tau = L/R (2.1)
ここで、
L = コイルのインダクタンス
R = 抵抗
である。
2次コイル3のスイッチング時間は、
ts = tau.2.Pi (2.2)
であり、2次コイル3のカットオフ周波数fは、
fg = 1/ts (2.3)
である。
「技術的」アルフベン速度VAlfvenは、いかに速く擾乱が伝播するかに依存し、2次コイルの充電時間に左右される。この「技術的」アルフベン速度VAlfvenは、次の式で与えられる。
vAlfven = distance/t (2.4)
ここで、distanceは、磁場の平均変形経路としてのアルフベン波の伝播経路を表す。この技術的アルフベン速度が、物理的に可能なアルフベン速度未満の場合は、VAlfven(t)は、妥当な値である。
ここで、アルフベン速度VAlfvenは、磁場が、いかに速くその形状を変化させることができるかと定義する。ただし、ここでは、少なくとも高磁場密度領域で、材料がアルフベン波によって輸送できることも非常に重要である。すでに述べたように、このためには、相互作用する粒子の運動エネルギーがローカルな磁場強度よりも大きな場合に破られるアルフベン限界を考慮に入れなければならない。このために、最初に、粒子の運動エネルギーを初期温度から求めなければならない。粒子の熱速度は、次の式で与えられる。
T.k.(3/2) = (m.vT 2)/2 (3.1)
ここで、
T = 温度
k = ボルツマン定数
m = 粒子の質量
= 粒子の速度
である。
粒子の運動エネルギーは、ここで磁場強度と関連付けることができる。
Kinetic particle energy = (m.vT 2)/2 (4.1)
Limit value = energy density of the field = (μ0.B2)/2 (4.2)
ここで、
μ = 磁場定数
B = 磁束密度
である。
もし、粒子の運動エネルギーが、この限界値(Limit value)未満であれば、アルフベン波による質量輸送が可能である。
磁気ノズルの場合は、高磁場密度領域において磁力線の周りで円運動をする粒子によって機械的な壁力(wall force)が形成される。このようなローレンツ粒子は、囲まれた領域にいわゆるJ×Bの力を伝達し、その囲まれた領域から出ようとしている粒子を散乱させるので、その内部にある材料は、ノズルの開口部からしか脱出することができない。この場合、効率的な動作機構にとっては、磁気ノズル壁にそったローレンツ粒子は最小密度でなければならないことに留意されたい。この条件が満たされなければ、ノズル壁が「漏れやすい」ために、特に、放出質量が不完全にイオン化された場合に、圧縮の際の質量損失が生じる。この影響は、次のように近似して表すことができる。
J = J0 x (5.1)
ここで、
J = 囲まれた領域内に残るイオン化されていない残留ガスの質量
= 囲まれた領域内にあるイオン化されていないガスの本来の合計質量
x = 損失係数。これには、最小イオン密度と実際のイオン密度との比が含まれ、また、有効断面積として表すこともできる。
JおよびJについては、今回は、x値を1として表すことができる。これらのパラメータは、イオン源またはプラズマ源が、完全な、または適切なイオン密度を保証しない場合にのみ重要である。実際の加速機構は、このイオン源またはプラズマ源から切り離されているので、このイオン源またはプラズマ源は、エネルギーの点で、最小イオン密度を生成するために最適化することができる。これがこの機構そのものの補助的なパラメータであるが、必要に応じて考慮に入れなければならない。
磁場が、その形状を変化させ、磁気ノズルが狭くなる場合は、アルフベン速度VAlfvenに対応した圧縮速度で、その内側にある質量の空間圧縮が生じる。この速度が、放出質量内部の音速よりも大きければ、放出質量は、非弾性的に圧縮され、それによって、理想的なガス塑性体の場合における対応する熱励起を生じる。
以下に示すようなニュートンの運動方程式を、非弾性圧縮によって与えられるエネルギーを求める基礎として用いることができる。
F = M.(v2/(2.d1)) (6.1)
ここで、
F = 力
M = 質量
v = 速度
d1 = 非弾性変形距離
であり、以下のように導出される。
F = M.(vR 2/(2.Def)) = M.(vR 2/(2.(dl/dlelast))) (6.2)
ここで、Defは、インパルスによって与えられる力の、弾性的に輸送することができ、かつそれに起因する力に対する比に対しての変形係数である。vは、Δv、つまり基準距離1mに沿った速度変化を表す。
元の方程式に関する全ての変数は、以下のように、対応する方法で、この係数から導出することができる。
Def = Find/Fres = vind 2/vres 2 = Iind/Ires = dl/dlelast (6.3)
ここで、d1elastは、変形距離全体のうちの弾性成分を表す。従って、完全弾性変形の場合、Defは、常に1の値をとる。このように、明らかに経路長の比から無次元係数を定義できる。
indが、アルフベン波によって与えられるインパルスを表す場合は、Iresは、圧縮された媒質が弾性的に輸送することができるそのインパルス成分である。
Idef = Iind-Ires (6.4)
従って、Idefは、与えられたインパルスのうちの不可逆変形に変換される成分である。弾性係数がない理想的塑性体としての気体やプラズマの場合は、この非弾性変形の全てが熱に変換される。
従って、圧縮される媒質における音速とアルフベン速度とが分かっていれば、インパルスの分配率を、それらの速度から求めることができる。振動クロックサイクルあたりの質量と粒子1個の質量の両方が分かっているので、平均インパルス変化、従って平均粒子速度および温度もまた、粒子の数およびその質量から求めることができる。
プラズマ中の新たな音速は、このようにして新たな温度から得られる。
vc = vt.sqrt(1 + (Te/Ti)) (7.1)
ここで、
= イオン音速
= イオンの平均粒子速度
= イオン温度
= 電子温度
である。
単純化モデルでは、イオン温度と電子温度とを同じと仮定する。実際には、電子は、イオンよりも高温状態であるため、温度の単一化は、「最悪の場合の」仮定とみなすことができる。プラズマ中でのインパルスの分布は、粒子の質量に依存し、従って、電子ガスが、インパルス全体のかなりの割合を占めるわけではないが、さらに最悪条件として、電子が、その質量に基づいて実際に占めるよりも大きな割合を占めると仮定することができる。従って、プラズマ中のフォトンのインパルス成分も含めることができる。計算から、この場合、イオンには、粒子あたり、より小さなインパルスが与えられ、得られたイオン音速を低下させる。真空中の気体が、それ自身の音速で膨張するという仮定に基づき、その仮定から、磁気ノズルからの平均流出量速度を求める。プラズマは、それ自身の圧縮段階で、増加しつつあるそれ自身の音速で膨張するため、この場合、まさにそこから、全体の推力におけるかなりの割合が得られる。
この結果、1クロックサイクル中のアルフベン波による圧縮段階に対する初期値および最終値が得られる。また、インパルスは次のように表すことができるので、
M.v = F.t (8.1)
波の伝播時間tについて積分することが可能である。
圧縮段階を時間ステップに分解し、その結果、温度と音速のプロファイルが得られる。この場合、前述の全体計算と同じ原理を用いる。圧縮段階での平均温度、流出量速度、および推力は、このプロファイルデータから求められる。圧縮段階に続く膨張段階も、同様に、断熱と仮定される。ただし、この場合、圧縮段階とは対照的に、アルフベン波によって外部から与えられるいかなるインパルスも分解する必要はなく、このため、膨張時間中の体積変化からこれを計算することができる。
T = Ta.((Va/V)ad (9.1)
ここで
T = 膨張後の温度
= 初期温度
= 初期体積
V = 最終体積
ad = 断熱指数
である。
この場合も同様に、体積変化を時間ステップで積分し、そのプロファイルから対応する平均値を求める。
時間分布に関しては、この場合、振動クロックサイクルは、制御信号の状態配列に従ってオフ状態とスイッチング状態とに分けられ、また、短いオフ状態を有する非対称的なデューティサイクルが、この場合、効果的であることが分かっている、ということに留意されたい。オフ状態、つまり、1次コイル2とは反対方向に2次コイル3に極性が与えられていない初期状態では、2次磁場によって変形される1次磁場を生じることはなく、プラズマは、プラズマ源から磁気ノズルに流れ込む。また、スイッチング状態は、圧縮状態と膨張状態とに分けられる。圧縮状態の際は、磁気ノズルは、2次磁場により変形させられ、プラズマは、非弾性圧縮により加熱され、その結果、このプロセスの間に加速されて膨張する。この膨張状態の際は、磁気ノズルは、2次磁場によって変形されたままであり、加熱されたプラズマは、膨張状態の間に膨張し、そのプロセスの間に冷却される。
このプロセスの間に生ずるピーク値は、時間について計算された平均値よりも大きな値である。この場合、1回の完全な振動クロックサイクルの際の平均値に対して、オフ状態もまた考慮に入れなければならない。
次に、推力および流出量速度の値を、時間単位1秒に対して計算する。
シミュレーションに関する実施例
2種類の計算例を次に比較する。第1列は、低パワー領域でのいくつかの設定値を示し、既に試作品を用いて実験的に試験を行った値である(下記参照)。第2列は、予定されている高パワー領域での対応する設定値である。第1の例では、作動ガスとして窒素を仮定する。また、高パワーの変形例では、アルゴンを作動ガスとして仮定する。
Figure 2007506016
Figure 2007506016
第1の例では、実験条件に対応して対称的なデューティサイクルが用いられるが、第2の例では非対称的な状態配列が計算に用いられる。
前述の最悪条件のために、第1列に列記した値は、実際に測定された値よりも小さい。永久的な推力は、この場合、1.4mNと測定された。この場合、コールドガス推力の成分やイオン源の効果などのブートストラップ効果は計算には含まれていないことに留意されたい。しかし、これらの効果は、イオン源が、例えば1Wの入力パワーで操作され、その結果、イオン温度の上昇には有意な寄与をなさなかったことから、測定にはさして重要ではなかった。
このシミュレーションでは、1%という低イオン化率と関連して、さまざまな質量流と共にさまざまな基準イオン密度が仮定されている。一定ではない膨張の結果として、このプロセスの間に生じる質量損失は、主として測定中に観察された共振領域に関与し、400Hz前後の動作領域で最小となる推力を示す。
基準イオン密度は、他のMPDシステムによるデータから外挿された値であり、第2の限界値から定義された条件を満たすために必要な最小値であるイオン密度を定義する。もし、イオン源またはプラズマ源が、対応する最小イオン密度を確保するために2次システムとして十分に強力であれば、本システムを用いる必要はなく、このような2次システムだけで完全なイオン化を実現できる。競合システムとは対照的に、実際の加速機構はイオン源やプラズマ源とは独立して動作するので、後者に必要なエネルギー量も、他のパワー領域における最小値に関して最適化することができる。このことに起因する効率の向上は、それ以降の全体のシステムに対するプラス効果をもたらす。
基本的には、理論予測と実際の結果とはよく一致していることが明らかである。シミュレーションを最悪条件で実行し、また実際に、実測は定量的に高度であり、その上、定性的なプロファイルは一致するので、高パワー領域でも、少なくとも予測した結果は得られることが期待できる。
図6に、本発明による装置の試作品を実際に用いてアルフベン波を発生させた試験時のレイアウトに関するブロック図を示す。本発明によるアルフベン波を発生させる装置20を、懸架システムを用いて真空チャンバ21内に配置し、バルブを備えた配管を用いて、イオン化可能な材料を生成する装置8、この例では窒素ボンベと接続した。なお、配管系については、これ以上詳しく説明は行わない。この試験は、ガルヒング(Garching)にあるミュンヘン工科大学(Munich Technical University)の宇宙飛行工学部(Faculty for Spaceflight Technology)の真空チャンバを用いて行われた。アルフベン波を発生させる装置20までの距離dは、レーザ反射計22を用いて求めた。また、適切なコンピュータ設備23、24で、この試験レイアウト内の構成機器を観察して制御した。
図9a〜9cに、真空チャンバ21内にあるアルフベン波を発生させる装置20に用いた懸架システム、およびレーザ反射計22によって求めた距離dに対する力の計算を表す回路図を概略的に示す。
次の方程式:
sinα= δ/l
は、図9bより導くことができる。図9cに示した力の関係に関する略図を用いて、次の各式が得られる。
F = -FR
G = m.g = FR + Fs
sinα = -F/G
F = -m.g.sinα
最後に、合成力Fは次の式から求められる。
F = -m.g.δ/l
測定手順は、次の各ステップを特徴とした。
1.真空チャンバを始動する
2.距離dを測定する(ゼロ表示)
3.ガス供給のスイッチをオンにする
4.動作圧力を設定する
5.スイッチングバルブを開ける
6.真空チャンバ内の圧力を確認する
7.距離dを測定する
8.イオン源を始動する
9.距離dを測定する
10.1次コイルを始動する(時間制限付で)
10.1.1次コイルの時間制限を設定する(必要以上の温度になるため)
10.2.1次コイル電圧を設定する
11.距離dを測定する
12.2次コイルを始動する
13.距離dを測定する
14.1次コイルの温度を観測する
15.1次コイルおよび2次コイルのスイッチをオフにし、それらが冷却できるようにする
16.距離dを測定する
17.イオン源のスイッチをオフにする
18.距離dを測定する
19.ガス供給のスイッチをオフにする
20.距離dを測定する
これまでに行った4回の試験のうち、2004年5月28日に行った実験によって、この機構が正常に機能するという最終的な証拠が得られた。さらに、この評価に基づいて、2次パラメータを数値シミュレーションに導入した。これらのパラメータは、主として、既存の試験状態に関連する。例として、2次コイル2のカットオフ周波数と、低イオン化率での推力プロファイルとを挙げておく。
3台の異なるプラズマ源を、アルフベン波発生装置20の試作品に対して組み立て、そのうちの2台の試験をこれまでに行った。このように、イオン源やプラズマ源とは無関係に実際の加速機構を評価できることを示すことも可能である。
図7に、イオン源として高電圧放電路を用いたアルフベン波発生装置20を示す。また、この装置には、供給路とスイッチングバルブ25とを介して陽極27に供給される窒素Nと、陽極27と陰極29との間に印加される高電圧とが含まれ、その結果として、貫流している窒素Nは、放電領域での電子のサージによりイオン化される。さらに、コンピュータユニット23に接続された制御用電子アセンブリ26を用いて、1次コイル2および2次コイル3を駆動する。
図8に、高周波イオン源を備えたアルフベン波発生装置20の変形形態を示す。この例では、イオン化可能な材料を生成するのに必要な対応する高周波エネルギーが、陽極27と陰極29との間に、高周波発生器28により供給される。誘導の法則に従って、高周波らせん状電界(electrical vortex field)が誘起され、それによって放電電子が、窒素Nをイオン化できるまで加速用陰極30に向かって加速される。
試作品は、低パワー領域用に設計されている。この目的は、原理の検証を行い、技術的により最適化を図るための基礎的なデータを取得することであった。
この装置には、積極的に冷却を行うシステムはなく、常に、運転は最大1分間しか行われなかった。冷却は、累積的に実行されたので、個々の運転時間の合間での、熱の再発生に注意を払う必要があった。
実際の研究では、2次コイル3を、振動数100Hzの方形波電流信号で駆動した。この方形波信号のフランクは扁平であった。真空チャンバ21内の装置20に用いられる懸架装置の長さは0.44mであり、装置20の質量は6kgであった。また、真空チャンバ21内の圧力は3.1×10−3mbarであった。さらに、窒素Nの動作圧力は5mbarであった。1.07mNの力に対応する差異は、反射計22を用いて測定することができた。
推進システム用であり、かつ宇宙船の方向補正用の本発明による装置の潜在能力を例示するために、本発明による推進システムにおける、シミュレーションで求めた最も重要な特性値を次の表に示す。この例では、燃料系統を通過するさまざまな質量流M、およびさまざまな振動数foscilと共に、アルゴン、二酸化炭素、水素、ネオン、キセノンなどの各種媒質が用いられ、さらに、シミュレーションが対象にしたアルフベン速度vAlfven、燃料質量の平均流出量速度V、推力、全体としての達成効率η、材料を加速するために排気ジェットに投入されたパワーPjet、および総パワーPも取り入れられた。
Figure 2007506016
この結果は、用いられた質量流Mおよび振動数foscilに依存して異なる効率を示している。従って、用途によって最適な設定を行うことができる。例えば、一例として衛星に関する場合のように、パワーPが特に低い場合は、姿勢補正を、できるだけ高い効率で実行する。本発明により、膨大な量の燃料を節約することが可能になり、宇宙船の最大積載量をより効果的に活用することが可能になる。宇宙飛行で用いられるような電気動力装置は、高流出量速度を特徴とするが、低推力密度という弱点も有する。プラズマ動力装置は、確かに、高推力密度の実現を可能にするが、流出量速度は低い。例えば、既知のプラズマ動力装置の流出量速度vは30〜50km/sであり、電気動力装置の流出量速度は最大80km/sである。また、プラズマ動力装置の推力に対する正常値は250〜300mNであるのに対し、電気動力装置では50mN未満である。本発明に基づき動作する推進システムにより、燃料の質量流と動作周波数とを適切に選択することによって、電気動力装置の高流出量速度という長所と、プラズマ動力装置の高推力密度とを、1台の装置で兼ね備えることが可能になる。
アルフベン波発生装置の概略図である。 図2a〜図2bは、それぞれ、磁場を変形させる機構を示す概略図である。 図3a〜図3dは、2次コイルに供給する電流の各種曲線である。 本発明にかかるプラズマ動力装置のブロック図である。 本発明にかかる流体力学推進システムのブロック図である。 本発明にかかる方法の動作を試験するための、実際の実験レイアウトのブロック図である。 アルフベン波発生装置のブロック図である。 別のアルフベン波発生装置のブロック図である。 図9a〜図9cは、図6に示す試験で、アルフベン波発生装置の偏向計算を説明する回路概略図である。

Claims (33)

  1. イオン化可能な材料が生成され、その材料が磁場を通過するアルフベン波発生方法であって、
    前記磁場は、1次磁場に対して逆極性の少なくとも1つの振動する2次磁場によって周期的に変形される1次磁場を含み、
    その結果として、アルフベン波は、イオン化可能な前記磁場内の前記材料内に形成され、
    そのアルフベン波は、前記磁場を通過する前記材料の質量密度と、前記磁場の磁場強度とに依存する速度(v)で伝播し、
    前記磁場の前記磁場強度は、前記磁場内の前記材料の運動エネルギーよりも大きく、その結果、質量は、前記アルフベン波によって輸送されることを特徴とする前記方法。
  2. 前記アルフベン速度(v)は、前記磁場内の前記材料の音速以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記アルフベン速度(v)は、前記磁場内の前記材料の音速よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記1次磁場は、原則的に一定であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記1次磁場は、周期的にオフに切り替えられることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記振動する2次磁場は、前記1次磁場がオフに切り替えられている間は、同様にオフに切り替えられることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記磁場は、軸方向および/または半径方向に集束することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記1次磁場の前記磁場強度は、前記2次磁場がオンに切り替えられている間は変動することを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記アルフベン波は、位相遅延することを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記アルフベン波は、反応原理に基づいてスラストを発生させることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記アルフベン波は、高運動エネルギーの粒子線を発生させることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
  12. 前記アルフベン波は、加速された質量にさらにインパルスを与えることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
  13. 前記磁場内の前記材料中でフォノンを発生させ、またはフォノンを増幅することを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
  14. 前記磁場内の前記材料によって、周囲媒質中でフォノンを発生させ、またはフォノンを増幅することを特徴とする請求項1〜13のうちのいずれか1つに記載の方法。
  15. 前記磁場内の前記材料は、圧縮、および熱励起され、前記材料の前記熱励起は、電磁放射を発生させ、または電磁放射を増幅することを特徴とする請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載の方法。
  16. アルフベン波を発生させる装置であって、
    1次磁場を発生させる少なくとも1つの装置(2)と、2次磁場を発生させる少なくとも1つの2次コイル(3)とから形成される磁気ノズル(1)と、
    イオン化可能な前記材料が前記両磁場を通過するように案内するチャネル(4)と、
    電源供給装置(6)と、を有するイオン化可能な材料を生成する装置(8)を有する前記装置において、
    前記少なくとも1つの2次コイル(2)は、前記1次磁場を発生させる前記装置(2)に対して逆極性であり、かつ振動電気信号が供給され、
    その結果、前記1次磁場は、前記2次磁場により周期的に変形され、
    アルフベン波は、イオン化可能で前記磁場内にある前記材料中で形成され、
    そのアルフベン波は、アルフベン速度(v)で伝播し、
    その際、前記磁場の磁場強度は、前記磁場内にある前記材料の運動エネルギーより大きく、
    その結果、質量は前記アルフベン波によって輸送されることを特徴とする装置。
  17. 前記1次磁場を発生させる前記装置(2)は、1次コイル(2)により形成されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
  18. 前記1次磁場を発生させる前記装置(2)は、永久磁石によって構成されることを特徴とする請求項16または17のいずれかに記載の装置。
  19. 前記コイル(2、3)は、液体冷却されるように設計されていることを特徴とする請求項16〜18のうちのいずれか1つに記載の装置。
  20. 前記コイル(2、3)は、超電導であるように設計されていることを特徴とする請求項16〜18のうちのいずれか1つに記載の装置。
  21. イオン化可能な材料を生成する前記装置は、イオン化可能なガスを含む容器と、イオン化可能な前記ガスを前記磁場内に導入するインジェクタ装置とから形成されることを特徴とする請求項16〜20のうちのいずれか1つに記載の装置。
  22. イオン化可能な材料を生成する前記装置は、導電性液体の供給源から形成されることを特徴とする請求項16〜21のうちのいずれか1つに記載の装置。
  23. 発生させた前記アルフベン波の位相遅延のための装置を備えたことを特徴とする請求項16〜22のうちのいずれか1つに記載の装置。
  24. 前記磁場を集束させる装置を備えたことを特徴とする請求項16〜23のうちのいずれか1つに記載の装置。
  25. 前記集束装置は、前記1次コイル(2)と、必要に応じて、例えば、FFAG(固定磁場強収束)型コアをベースにしたさまざまな材料からなる磁気コアを持つ2次コイル(3)とから形成されることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  26. 磁気遮蔽を備えたことを特徴とする請求項16〜25のうちのいずれか1つに記載の装置。
  27. 前記磁気遮蔽は、遮蔽板(5)を含み、その遮蔽板は、前記アルフベン波の出口方向に対して、前記磁場の反対側に配置されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
  28. 制御装置(7)が備えられ、かつ前記コイル(2、3)の前記電源供給装置に接続されることを特徴とする請求項16〜27のうちのいずれか1つに記載の装置。
  29. 前記制御装置(7)は、コンピュータにより形成されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 請求項16〜29のうちのいずれか1つに記載の装置を備えたことを特徴とするヴィークル用の動力装置。
  31. イオン化可能な材料を生成する前記装置は、プラズマ発生装置を用いて形成され、スラストは、反応原理に基づいて、前記アルフベン波によって発生することを特徴とする請求項30に記載の動力装置。
  32. イオン化可能な材料を生成する前記装置は、導電性液体を供給する装置から形成されることを特徴とする請求項30に記載の動力装置。
  33. イオン化可能な材料を生成する前記装置は、アーク動力装置から形成されることを特徴とする請求項30〜32のうちのいずれか1つに記載の動力装置。
JP2006525567A 2003-09-15 2004-09-15 アルフベン波を発生させる方法および装置 Pending JP2007506016A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AT0144803A AT502984B8 (de) 2003-09-15 2003-09-15 Verfahren und einrichtung zur erzeugung von alfven-wellen
PCT/AT2004/000313 WO2005027142A1 (de) 2003-09-15 2004-09-15 Verfahren und einrichtung zur erzeugung von alfvén-wellen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007506016A true JP2007506016A (ja) 2007-03-15

Family

ID=34280362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006525567A Pending JP2007506016A (ja) 2003-09-15 2004-09-15 アルフベン波を発生させる方法および装置

Country Status (13)

Country Link
US (1) US7482597B2 (ja)
EP (1) EP1671333B1 (ja)
JP (1) JP2007506016A (ja)
KR (1) KR20070019954A (ja)
AT (2) AT502984B8 (ja)
AU (1) AU2004273099B2 (ja)
CA (1) CA2538827A1 (ja)
DE (1) DE502004011183D1 (ja)
IL (1) IL174274A (ja)
NO (1) NO20061648L (ja)
NZ (1) NZ546592A (ja)
WO (1) WO2005027142A1 (ja)
ZA (1) ZA200603012B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103796407A (zh) * 2014-01-23 2014-05-14 电子科技大学 一种缓解空间等离子体对高速飞行器再入通信影响的装置
JP2015145675A (ja) * 2015-03-10 2015-08-13 瑞穗 新谷 Ufoの飛行原理に基づくufo飛行装置
JP2016122654A (ja) * 2010-05-14 2016-07-07 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated Bフィールド集中装置を使用する金属シャワーヘッドを備える誘導性プラズマ源

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9299536B2 (en) * 2013-10-17 2016-03-29 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Wide metal-free plasma flood gun
CN109677645B (zh) * 2019-01-24 2021-10-22 哈尔滨工业大学 模拟三维非对称磁重联的等离子体模拟装置及其实现方法
CN109785718B (zh) * 2019-01-24 2021-01-12 哈尔滨工业大学 一种模拟地球磁尾三维磁重联的地面模拟装置及方法
US11555738B2 (en) * 2019-04-01 2023-01-17 President And Fellows Of Harvard College System and method of generating phonons
DE102020128964A1 (de) * 2020-11-03 2022-05-05 NeutronStar Systems UG (haftungsbeschränkt) Antriebssystem für Raumfahrzeuge
AT524896A1 (de) * 2021-03-22 2022-10-15 Hettmer Manfred Verfahren und Vorrichtung zur Bereitstellung elementarer Stoffe
US20240240622A1 (en) * 2021-05-20 2024-07-18 Neutronstar Systems Ug Thermal Management System for Spacecraft Thruster
CN114352493A (zh) * 2021-12-06 2022-04-15 兰州空间技术物理研究所 一种用于射频阴极的集成化气体分配及离子收集组件
US20230191916A1 (en) * 2021-12-20 2023-06-22 Micah Skidmore Novel electromagnetic propulsion and levitation technology

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4263097A (en) * 1977-02-23 1981-04-21 General Atomic Company Method and apparatus for driving a continuous current in a toroidal plasma
US4267488A (en) * 1979-01-05 1981-05-12 Trisops, Inc. Containment of plasmas at thermonuclear temperatures
US4412967A (en) * 1980-04-09 1983-11-01 Winterberg Friedwardt M Multistage high voltage accelerator for intense charged particle beams
USRE34806E (en) * 1980-11-25 1994-12-13 Celestech, Inc. Magnetoplasmadynamic processor, applications thereof and methods
US4458148A (en) * 1981-06-22 1984-07-03 Omega-P, Inc. Method and apparatus for separating substances of different atomic weights using a plasma centrifuge
SE459378B (sv) * 1988-05-05 1989-06-26 Alfred Sillesen Saett i en pulsad accelerator foer accelerering av magnetiserat roterande plasma
US5003225A (en) * 1989-01-04 1991-03-26 Applied Microwave Plasma Concepts, Inc. Method and apparatus for producing intense microwave pulses
AU5098293A (en) * 1992-09-02 1994-03-29 University Of North Carolina At Chapel Hill, The Method for plasma processing at high pressures
DE4445762A1 (de) * 1994-12-21 1996-06-27 Adolf Slaby Inst Forschungsges Verfahren und Vorrichtung zum Bestimmen absoluter Plasmaparameter
US6897616B2 (en) * 2002-06-20 2005-05-24 Raphael A. Dandl Slow-wave induction plasma transport

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016122654A (ja) * 2010-05-14 2016-07-07 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated Bフィールド集中装置を使用する金属シャワーヘッドを備える誘導性プラズマ源
CN103796407A (zh) * 2014-01-23 2014-05-14 电子科技大学 一种缓解空间等离子体对高速飞行器再入通信影响的装置
JP2015145675A (ja) * 2015-03-10 2015-08-13 瑞穗 新谷 Ufoの飛行原理に基づくufo飛行装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1671333A1 (de) 2006-06-21
EP1671333B1 (de) 2010-05-19
US20060289117A1 (en) 2006-12-28
NO20061648L (no) 2006-04-11
WO2005027142A1 (de) 2005-03-24
AU2004273099A1 (en) 2005-03-24
AT502984B8 (de) 2008-10-15
DE502004011183D1 (de) 2010-07-01
IL174274A0 (en) 2008-02-09
US7482597B2 (en) 2009-01-27
KR20070019954A (ko) 2007-02-16
AT502984A1 (de) 2007-06-15
AT502984B1 (de) 2008-09-15
ZA200603012B (en) 2007-04-25
AU2004273099B2 (en) 2009-09-24
ATE468590T1 (de) 2010-06-15
IL174274A (en) 2010-12-30
NZ546592A (en) 2007-09-28
CA2538827A1 (en) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5561901B2 (ja) スラスタ及びそのシステム、そして推力発生方法
CA2519701C (en) Spacecraft thruster
JP6023876B2 (ja) 核融合パワーロケットエンジンから高比推力および適度な推力を発生する方法
JP2016536519A (ja) 無電極プラズマ推進器
US20130067883A1 (en) Spacecraft thruster
JP2007506016A (ja) アルフベン波を発生させる方法および装置
Cassady et al. Recent advances in nuclear powered electric propulsion for space exploration
JP2013137024A (ja) スラスタ及びそのシステム、そして推進発生方法
RU2764823C1 (ru) Двунаправленный волновой плазменный двигатель для космического аппарата
Andreescu et al. Concept study of radio frequency (rf) plasma thruster for space propulsion
RU2776324C1 (ru) Прямоточный релятивистский двигатель
JP2014194220A (ja) スラスタ及び推進発生方法
Fujino et al. Numerical study on influences of radiative de-excitation on seed-free magnetohydrodynamic generator
Wen et al. Modeling, Simulation and Testing of a Magnetically Enhanced RF Plasma Source for a High Power Electromagnetic Thruster
Golea New technologies for military aerospace vehicles and plasma weapons: applications of photon-photon recombination in thermonuclear plasma
Emsellem Electrodeless plasma thruster design
Mhatre The VASIMR technology: Advance propulsion concept for interplanetary applications.
Stallard et al. Plasma confinement in the whistler wave plasma thruster
Slough et al. Performance enhancement and modeling of the high power helicon plasma thruster
Biagioni et al. Development and preliminary characterization of a low power hall thruster prototype
Williams Jr Spacecraft propulsion utilizing ponderomotive forces
Froning Combining MHD Air breathing and Aneutronic Fusion for Aerospaceplane Power and Propulsion
Kuninaka et al. Advancing Japanese Electric Propulsion
Smith et al. Overview of nuclear MHD power conversion for multi-megawatt electric propulsion
Loureiro et al. Creation and expansion of a magnetized plasma bubble for plasma propulsion

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100305

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100312

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100405

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100412

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100430

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101109