JP2007504634A - X線管における強化電子後方散乱 - Google Patents

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Abstract

X線管(24)は標的を定める陽極(42)を含む。X線(56)を生成するために、陰極組立体(40)は陽極と動作的関係にある。真空外被(35)が陽極及び陰極を取り囲む。真空外被は金属フレーム部分(39)を含む。金属フレームを構成する材料は後方散乱係数を有する。X線透過窓(41)が真空外被のフレーム部分に気密に接合される。X線透過窓を構成する材料は後方散乱係数を有する。後方散乱層(90)が、X線透過及びX線透過窓周囲の真空外被の金属フレーム部分の上に蒸着される。後方散乱層は、窓及び金属フレームの双方の後方散乱係数よりも大きい後方散乱係数を有する。

Description

本発明は金属フレームX線管に関し、より詳細には、X線透過窓及び該窓周囲の金属フレームの加熱を低減するよう構成されたX線管に関する。本発明は医療用診断画像システムで用いられ、特にそれに関して記載される。
従来的な医療用診断画像システムのX線使用は、患者の静止陰影画像がX線フィルムに生成されるX線撮影、蛍光スクリーン上に衝突する低強度X線によって、患者通過後に、患者の可視的な実時間陰影光画像が生成されるX線透視、及び、完全な患者画像が患者の体の周りを回転する高電力X線管によって生成されるX線から電気的に再構築されるコンピュータ断層撮影の形態を含む。
X線管組立体は、回転陽極及び固定陰極を保持する真空外被又はX線インサートを包含するリード線付きハウジングを含むのが典型的である。X線インサートは金属シェル又はフレームであってよく、X線インサートからのX線透過を許容するために、そこに取り付けられた或いは鑞付されたベリリウムX線透過窓を備える。同様に、X線がベリリウム窓及びX線出力窓を直接的に通過するよう、X線インサートのベリリウム窓と整列するX線出力窓がハウジング内に定められる。冷却オイルがX線インサートとハウジングとの間を循環される。
典型的には、陰極は陰極フィラメントを有し、加熱電流がそこを通過する。この電流はフィラメントを十分に加熱するので、無数の電子が放出される、換言すれば、熱電子放電が発生する。100〜200kVのオーダの高電位が、真空外被内に位置する陰極と陽極との間に印加される。この電位は外被内側の真空領域を通じて電子を陰極から陽極に流す。陰極フィラメントを収容する陰極収束カップが、電子を陽極上の小領域又は収束スポットに収束する。電子ビームは十分なエネルギーを備えて陽極に衝突するので、X線が発生する。発生したX線の一部が外被のX線透過窓を通過し、X線管ハウジングに取り付けられた照射野限定装置又はコリメータに至る。照射野限定装置は、患者又は被検体の方向に向けられるX線ビームのサイズ及び形状を規制し、それによって、患者又は被検体の画像が再構築されるのを許容させる。
X線の生成中、一次電子のビームが陽極の標的面を打ち叩くとき、電子の極少量が固体に浸透し、格子核及び標的材料の電子と相互作用する。主として外部シェル電子との相互作用によって、これは励起とイオン化を生成する。この工程によって固体内で自由化された電子は表面方向に移動し、これらの電子の極少量は真二次電子として逃げ出す。真二次電子は数eVのエネルギーレベルを有するのが典型的である。典型的には、50eV未満のエネルギーレベルを備える電子は二次電子と呼ばれる。固体内でそのエネルギーの一部を失った一次電子は表面に後方散乱されることも可能である。もしそのような一次電子が十分な残余エネルギーを有するならば、それは表面でポテンシャル障壁を登り、ラザフォード分散の結果として逃げ出す。加えて、極少量の一次電子は固体面から弾力的に分散される。後者の2分類に含まれる電子は50eVと電子ビームの一次電子レベルとの間のエネルギーを有する。
これらの3つに識別された表面離脱電子の間を、(i)弾力的反射一次電子、(ii)非弾力的反射一次電子、及び、(iii)真二次電子として区別し得る。分類(i)及び(ii)は一般的に後方散乱電子と呼ばれる。
30keVより上の電子エネルギーに関して、真二次電子放出による標的材料からのエネルギー損失は無視し得る程度である。分類(i)及び(ii)の後方散乱によるエネルギー損失は、X線管内のX線透過窓及びフレーム加熱のためにより顕著である。これらの後方散乱電子によって引き起こされる金属フレームX線管の窓領域周囲の加熱は、より高い電力レベルでの金属フレームX線管の操作を制限する要因である。
標的から後方散乱されたこれらの電子は、50eVと完全陰極電位との間のエネルギーを有し得る。しかしながら、典型的な後方散乱電子は、一次ビーム電子のエネルギーの約2分の1を有する。これらの電子はX線管の他の領域を打ち叩く。それらの顕著な分量が反射され、接地X線透過窓及び該窓を囲繞する金属管外被(又はフレーム)の方向に加速され、次に、それらを打ち叩く。一部の電子は完全陰極電位から導出される力によって加速される。
標的から後方散乱されたものであれ、或いは、陰極フィラメントから直接的に放出されたものであれ、電子が窓/フレームとの非弾性衝突を受けると、その運動エネルギーは熱に変換され、それは窓及び囲繞フレームの加熱を引き起こし得る。
窓は陽極上の収束スポットにより近接するので、X線透過ベリリウム窓は後方散乱二次電子加熱の最高強度を受ける。窓が十分に冷却されないと、熱はX線インサートのX線透過窓と金属フレームとの間の鑞付接合に損傷を与え、X線管の不良を引き起こし得る。加えて、窓近傍の冷却液は沸騰し、窓上に残留炭素分を残し得る。そのような被膜はX線画像の質を劣化し得るので、それは望ましくない。
より高電力照射及びより短い映像時間を生むX線管を提供する継続的な望みを持って、陽極を打ち叩く電子ビームの強度は増大し続ける。残念なことに、これは二次的後方散乱電子衝撃の分量の増大を招き、それによって、窓と金属外被との間の信頼性のある気密接合をもたらすのを困難にする。
窓と金属フレームとの間の接合部に発生する二次電子衝撃の分量を低減する1つの既知の方法がSiemens Aktiengesellschaftに譲渡された米国特許第5,511,104号に記載されている。第104号特許は、窓に到達するために、陽極から放射する二次電子が第一電極と第二電極との間の空隙を通過しなければならないよう位置付けられた、陽極電位の第一電極及び陰極電位の第二電極を提供する。該空隙を通過する二次電子は陽極電位の電極に引き付けられるので、より少ない二次的後方散乱電子が窓に達し、よって、窓と外被との間の接合部での加熱を低減する。第104号特許の1つの欠点は、この設計で構成されるX線管がシングルエンド設計に限定されるのが典型的であり、そこでは、例えば、陽極は接地電位にあり、陰極は−150,000ボルトにある。もし、陽極が正電位(即ち、+75,000ボルト)にあり且つ陰極が負電位(即ち、−75,000ボルト)にある第104号特許に記載の設計と共に、双極配置が用いられるならば、アークが電極と陽極及び/又は陰極との間に発生しないよう電極を位置付けるのは困難である。
従って、必要とされるのは、上述された欠陥を克服する、窓及び金属フレームでの後方散乱二次電子の衝撃に起因する熱の分量を削減するための装置である。
もし窓及び窓を囲繞するフレーム上に入射する電子の大部分を再後方散乱電子として反射するようにし得るならば、フレーム内の熱に変換されるこれらの電子の運動エネルギーを削減し得る。本発明は、X線発生中の後方散乱電子に起因する局所的加熱の削減を有するX線透過窓領域を提供する必要を満足するX線管構造に向けられている。
本発明の原理を適合する装置はX線管を含み、X線管は、標的を定める陽極と、X線を生成するために、陽極と動作的関係にある陰極組立体とを備える。真空化された外被は陽極と陰極とを含む。真空外被は金属フレーム部分を含む。金属フレーム部分を構成する材料は後方散乱係数を有する。X線透過窓が真空外被の金属フレーム部分に真空気密に接合される。X線透過窓を構成する材料は後方散乱係数を有する。後方散乱層が窓及びX線透過窓周囲の真空外被の金属フレーム部分上に蒸着される。後方散乱層は、窓及び金属フレームの双方の後方散乱係数よりも大きい後方散乱係数を有する。
本発明の原理を適合する装置の他の特徴によれば、後方散乱層を構成する材料は少なくとも35の原子番号(Z)を有する。
本発明の原理を適合する装置の他の特徴によれば、後方散乱層を構成する材料は少なくとも0.40の後方散乱係数を有する。
本発明の原理を適合する装置の他の特徴は、X線透過窓を通じたX線の透過を、X線透過窓に起因する減衰及び後方散乱層に起因する減衰の組み合わせのための所定閾値より上に維持する。
本発明の原理を適合するさらに他の特徴によれば、X線透過窓に塗布される後方散乱層の厚さは少なくとも1ミクロンである。本発明の原理を実施する装置のさらに限定的な特徴によれば、X線透過窓に塗布される後方散乱層の厚さは9.5ミクロン未満である。
本発明の利点の1つは、本発明がX線管動作中の窓領域の局所的加熱を削減することである。
本発明の他の利点は、X線管の寿命が延長されることである。
本発明のさらに他の利点は、X線管の信頼性及び性能が向上することである。
本発明の原理を適合する装置及び方法は、以下に記載され且つ請求項によって具体的に指し示される上記及び他の特徴を提供する。以下の記載及び添付の図面は、本発明の原理を適合する特定の描写的な実施態様を示す。本発明の原理を適合した異なる実施態様は様々な構成部材及び構成部材の配置の形態を取り得ることが理解されるべきである。これらの記載された実施態様は、本発明の原理が用いられ得る様々な方法の少しだけを表示している。図面は本発明の原理を適合する装置の好適実施態様を描写することのみが目的であり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
添付の図面を参照して本発明の好適実施態様の以下の詳細な説明を考慮することによって、明の上記及び他の特徴及び利点は当業者に明らかになるであろう。
図1を参照すると、X線管システム20が本発明の特徴を描写して示されている。システム20は、高電圧の電源22と、ハウジング26内に取り付けられたX線管24と、熱交換器28とを有する。一般的にインサートとも呼ばれるX線管24は、管支持体(図示せず)を備えて、X線管ハウジング26内に通常の方法で固着されている。ハウジング26には、高電気抵抗を有する例えば誘電体電気絶縁オイルのような冷却液体が充填されている。しかしながら、他の適当な絶縁冷却液体/媒体を代替的に用い得ることが理解されよう。オイルは、供給ライン31を通じて、X線管24を囲繞するX線管ハウジング26によって定められるチャンバ32内に送り込まれる。送り込まれたオイルはX線管24からの熱を吸収し、X線管ハウジング26外部に配置された熱交換器28に接続された帰還ライン34を通じてハウジングから排出される。熱交換器28は冷却流体ポンプ(図示せず)を含む。
X線管24は、真空チャンバ36を定める真空外被35を含む。一部の高電力X線管では、セラミック及び金属を含む他の適切な材料と組み合わされたガラスで外被35を形成し得る。例えば、陽極壁部37は、銅、ステンレス鋼、又は、他の適当な金属のような金属から成る。中央壁部39も同様な適当な金属から成り、X線透過窓41を有する。X線透過窓41はベリリウム、チタン、又は、代替的に他の既知の適切なX線透過材料から成り得る。陰極壁部43は、ガラス又は他の適切なセラミック材料から成る。
外被35内に配置されているのは、陽極組立体38及び陰極組立体40である。陽極組立体38は円形の標的基板42を含み、標的基板は標的の周縁に沿って収束トラック44を有する。収束トラック44はタングステン合金又は電子衝突時にX線を生成し得る他の適切な材料から成る。標的の冷却を助けるために、陽極組立体38は黒鉛から成る背板46をさらに含む。
陽極組立体38は、標的42を回転可能に支持するための軸受組立体66を含む。標的42は既知の方法でロータ茎58に取り付けられている。ロータ茎58は、動作中に電気固定子(図示せず)によって回転軸について回転するロータ本体64に接続されている。ロータ本体64は軸受組立体66を収容し、それはロータ本体への支持をもたらす。
陰極組立体40は本質的に固定的であり、電子を収束トラック44上の収束スポット50に収束するために収束トラック44に対して空間関係で動作可能に位置付けられた陰極収束カップ48を含む。X線56を生成するよう、収束スポット50に向けて加速された電子54を放出するために、陰極収束カップ48に取り付けられた陰極フィラメント(図示せず)が励起される。
電源22は、冷却液体充填ハウジング26内に位置する陽極ソケット及び導体74を通じて、70kV〜100kVの高電圧を陽極組立体38に供給する。ソケット72及び導体74は、陽極の動作電圧のための電気接続を提供するのに適している。
X線管用に、典型的には−70kV〜−100kVの所要動作電力を陰極組立体40に供給するために、陰極組立体40は、陰極ソケット75及び導体76,78,79を用いて、電源22に適切に接続されている。代替的に、陽極端部を接地又は共通電位に保持し、正常なX線管動作のために適切な高電圧を陰極構成部材にのみ印加し得る。
上述のように、X線管の動作中に、二次的であり且つ後方散乱された電子(以後「後方散乱電子」と総称することもある)が存在し、X線透過窓並びに窓周囲の金属フレームを打ち叩く。標的から後方散乱されたものであれ、或いは、陰極フィラメントから直接的に放出されたものであれ、電子が窓又はフレームと非弾性衝突を有するとき、電子の運動エネルギーは熱に変換され、それは窓及び囲繞フレームの望ましくない加熱の増大を招き得る。局所的な加熱の増大は、フレーム内に窓を固定する接合部の統合を失わせ、管の性能又は寿命に否定的な影響を与え得る。
図2及び3を参照すると、本発明の特徴に従って、窓及びフレーム材料のための後方散乱係数よりも大きな後方散乱係数を備える高い原子番号(Z)材料の後方散乱層90が、窓41及びフレーム39の双方の内側(真空)面に蒸着される。電子後方散乱係数は、表面入射電子が衝突後に表面から離脱する確率である。係数は、表面入射電子に対する表面離脱電子の比率として表現される。上述のように、金属フレームは、約0.34の後方散乱係数を有する銅、鉄と類似した約0.25〜0.3の後方散乱係数を有すると推定されるステンレス鋼であり得る。典型的には、ベリリウム又はチタンが窓を構成する。ベリリウムの後方散乱係数は0.04であり、チタンの後方散乱係数は0.25である。他の適切な材料を窓のために用い得ることが理解されるべきである。
後方散乱層90のための適切な高Z材料の2つの例は、約0.47の後方散乱係数を有するタングステン(Z=74)、又は、約0.40の後方散乱係数を有する金(Z=79)である。加えて、モリブデン(Z=43)及びプラチナ(Z=78)のような材料も一部の用途のために適し得る。静電気的、スパッタリング、火炎溶射、蒸発、又は、窓41及び窓周囲の金属フレーム39上に後方散乱層90の蒸着の比較的均一な塗膜を提供する他の適切な技法のような既知の蒸着技法によって後方散乱層90を塗布し得る。
X線透過窓41を通じて抜け出るX線56の経路における不完全性はX線画像内にアーチファクトを生成し得るので、後方散乱層90のための均一性をもたらすために、後方散乱層90は上述のように塗布される。加えて、過剰に厚い積層は、窓を通じて患者に向けられたX線を望ましくなく減衰し、画像に否定的な影響を与え得る。画像アーチファクトの増大を商業的及び臨床的に適度な程度に少なくしながら、窓41の後方散乱特性を向上し、且つ、窓を通じてのX線の透過の減衰を受容可能レベルに制限するのが望ましい。
タングステンの適切な後方散乱層90を銅フレーム部分の上に加えることは、窓の周囲のフレーム領域から後方散乱される電子の数を約13%だけ増大し得る。これは窓に伝達される且つ熱に変換される入射電子エネルギーを削減する。1ミクロンのタングステン膜厚は、60keVの電子が膜に浸透し且つそれらのエネルギーを熱の形態で金属フレームに伝達するのを防止するのに十分である。
陽極からの後方散乱電子の浸透の最大深さが、フレームに塗布される後方散乱層90のための膜厚D及び窓に塗布される後方散乱層のための膜厚D以下であるとき(図3)、電子は後方散乱係数に従って各層/積層から反射される、換言すれば、再後方散乱される。電子浸透の最大深さがD又はDよりも大きい場合には、後方散乱係数は、基板材料、即ち、フレーム又は窓の後方散乱係数に接近する。
本発明において、各後方散乱層90は、完全貫通からフレーム又は窓への特定エネルギー範囲内の電子量を低減するのに十分な厚さである。それ故、窓領域の周り及び窓のための後方散乱係数は各層の後方散乱係数であり、フレーム/窓の各後方散乱係数ではない。再後方散乱電子は窓/フレーム内に吸収されず、局所的な窓/フレーム加熱は低減される。
しかしながら、後方散乱積層92の厚さDもX線減衰のより低い閾量を満足させる結果となるよう選択される。より具体的には、X線窓41及び後方散乱層90に起因するX線ビーム減衰を、2.5mmの厚さのアルミニウムと類似の減衰値に制限するのが好ましい。以下に記載されるように、この制限はベリリウム窓上のタングステンの約9.5ミクロンの厚さに対応し、同様に以下に記載されるように、チタン窓上の約8.0ミクロンの厚さに対応する。
図4は、X線透過窓の2つの実施例、例えば、ベリリウム及びチタン上のタングステン塗膜の厚さの関数としてのX線ビーム透過率の減少を表示するグラフを示している。類似の透過減衰関係が、窓及び後方散乱材料の他の適切な寸法及び材料の組み合わせのために存在する。このグラフ表示のための閾値が線100によって示され、それは窓に入射して発生したX線の88.5%の透過を表わし、2.5mmのアルミニウムの厚さに対応している。この表示中、線102はタングステン後方散乱層を備えたベリリウム窓のためのX線透過の変化を表わしている。同様に、線104はタングステン後方散乱層を備えたチタン窓を表わしている。線106はタングステン後方散乱層のみのためのX線透過の変化を表わしている。
図4における表示のためのベリリウム窓は、0.102cmの窓厚、93KeVでの1357cm/gmの減衰係数、及び、1.845gm/cmの公称密度を有した。チタン窓に関して、窓厚は0.030cmであり、93KeVでの減衰係数は0.3006cm/gmであり、4.53gm/cmの公称密度を有した。タングステン後方散乱材料は、93KeVでの5.2412cm/gmの減衰係数、及び、19.3gm/cmの公称密度を有した。X線透過線104は、タングステン層のための8.0ミクロンの厚さが、チタン窓との組み合わせで、線100によって示される透過下方限界を満足したことを描写している。X線透過線102は、タングステン層のための9.5ミクロンの厚さが、ベリリウム窓との組み合わせで、線100によって示される透過下方限界を満足したことを描写している。異なる厚さのX線透過窓、後方散乱層、及び、透過限界の減少を本発明の原理に従って用い得ること、並びに、本発明は上記に引用された特定の実施例に限定されないことが理解されるべきである。
本発明の特別な特徴が描写された実施態様の1つのみに関して上述されたが、如何なる所定の特別な用途のためにも望ましく且つ有利であり得るように、そのような特徴を他の実施態様の1つ又はそれ以上の他の特徴と組み合わせ得る。
本発明の上記の記載から、当業者であれば改良、変更、及び、修正に気付くであろう。当該技術分野の技術範囲内のそのような改良、変更、及び、修正は添付の請求項によってカバーされることが意図されている。
本発明の原理を適合するX線管システムを概略的に示す断面図である。 本発明の原理を適合するX線管を概略的に示す一部断面図である。 本発明の原理を適合するX線管を概略的に示す別の一部断面図である。 本発明の原理を適合する装置のための幾つかのX線透過窓材料の実施例に関する塗布を有するタングステン厚みの関数としての材料のX線透過特性を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 標的を定める陽極と、
    X線を生成するために、前記陽極と動作的関係にある陰極と、
    前記陽極及び前記陰極とを取り囲み、且つ、金属フレーム部分を有する真空外被と、
    該真空外被の前記金属フレーム部分に真空気密に接合されたX線透過窓と、
    該X線透過窓の上及び前記X線透過窓周囲の前記真空外被の前記金属フレーム部分の上に蒸着された後方散乱層とを有し、
    前記金属フレーム部分は金属フレーム部分後方散乱係数を有し、前記X線透過窓は窓材料後方散乱係数を有し、且つ、前記後方散乱層は前記X線透過窓及び前記金属フレームの双方の後方散乱係数よりも大きい後方散乱係数を有する、
    X線管。
  2. 前記後方散乱層は、静電蒸着、スパッタリング、火炎溶射、及び、蒸発の少なくとも1つによって蒸着される、請求項1に記載のX線管。
  3. 前記蒸着される後方散乱層を構成する前記材料は、少なくとも35の原子番号を有する、請求項1に記載のX線管。
  4. 前記蒸着される後方散乱層を構成する前記材料は、少なくとも0.4の後方散乱係数を有する、請求項1に記載のX線管。
  5. 前記X線透過窓に起因する減衰及び前記後方散乱層に起因する減衰の組み合わせのために前記X線透過窓を通るX線の透過率は、所定の閾百分率値よりも上である、請求項1に記載のX線管。
  6. 前記X線透過窓に塗布される前記後方散乱層の厚さは少なくとも1ミクロンである、請求項1に記載のX線管。
  7. 前記X線透過窓に塗布される前記後方散乱層の厚さは少なくとも9.5ミクロンである、請求項1に記載のX線管。
  8. 前記金属フレームに塗布される前記後方散乱層の厚さは少なくとも1ミクロンである、請求項1に記載のX線管。
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