JP2007501870A - ヒドロキシアルキルデンプンとg−csfの複合体 - Google Patents

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本発明は、ヒドロキシアルキルデンプンと顆粒球コロニー刺激因子タンパク質(G−CSF)の複合体に関し、ここで、これらの複合体は、ヒドロキシアルキルデンプンまたはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体と該タンパク質との間の共有結合によって形成される。また、本発明は、これらの複合体の製造方法およびこれらの複合体の使用に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ヒドロキシアルキルデンプンと顆粒球コロニー刺激因子タンパク質(G−CSF)の複合体に関し、ここで、これらの複合体は、ヒドロキシアルキルデンプンまたはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体と該タンパク質との間の共有結合によって形成される。また、本発明は、これらの複合体の製造方法およびこれらの複合体の使用に関する。
タンパク質の安定性を改善することができ、タンパク質をポリマー分子に結合させる場合にこれらのタンパク質に対する免疫応答が低減化されることが、一般に認められている。WO94/28024は、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾された生理活性タンパク質が、免疫原性および抗原性の低下を示し、非複合タンパク質よりも著しく長く血流中を循環する、すなわち、クリアランス速度が遅いことを開示している。
G−CSFは、2つの鎖内ジスルフィド結合によって安定化され、単一のO連結糖質部分を含む21kDaの糖タンパク質である。成熟G−CSFは174個のアミノ酸を有する。動物の体内において、G−CSFは、骨髄間質細胞、マクロファージおよび線維芽細胞によって合成される。その主な機能は、好中球およびその前駆細胞に対する成長または分化因子である。しかし、G−CSFが成熟好中球を活性化することも当業界で周知である。さらに、それは、様々な他の造血前駆細胞の成長/分化を刺激し(さらなる造血成長因子と相乗して)、内皮細胞の増殖および異動を促進する。臨床上、G−CSFは、好中球欠乏(たとえば、再生不良性貧血、骨髄異形性症候群、エイズまたは化学療法などによって引き起こされた)の治療のために投与される。
WO02/09766は、特に、生理活性タンパク質および生体適合性ポリマー誘導体を複合させることによって製造される生体適合性タンパク質−ポリマー化合物を開示する。使用される生体適合性ポリマーは、高反応性分枝ポリマーであり、得られる複合体は、ポリマー誘導体とタンパク質の間に長いリンカーを含む。生体適合性ポリマーとして、式:(P−OCH2CO−NH−CHR−CO−)n−L−Qk−Aで示されるポリマーが記載されている;ここで、PおよびQはポリマー残基であり、kは1または0である。PおよびQとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレングリコール、ポリ乳酸およびその誘導体、ポリアクリル酸およびその誘導体、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミドおよびデキストランまたは多糖などの水溶性ポリマーが言及されている。タンパク質として、特に、α、βおよびγインターフェロン、血液因子、インターロイキンなどのサイトカイン、G−CSF、GM−CSFが言及されている。WO02/09766の実施例においては、インターフェロンおよび上皮成長因子およびヒト成長ホルモンに排他的に結合する、モノ、ジおよびトリ−ポリエチレングリコール誘導体のみが、開示されている。
WO94/01483は、特定のタイプの化学結合を介して、生理不活性ポリマーまたはポリマー誘導体を医薬的に純粋な合成親水性ポリマーに共役的に結合させることによって形成される生体適合性ポリマー複合体を開示する。天然のポリマーおよびその誘導体として、ヒアルロン酸などの多糖、コノドロイチン硫酸A、BおよびCなどのプロテオグリカン、キチン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、シクロデキストランなどのデキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースエーテルおよびデンプン、トリグリセリドおよびリン脂質などの脂質が開示されている。合成ポリマーとして、特に、平均分子量が約100〜約100,000のポリエチレンおよびその誘導体が記載されている。ポリマーまたはポリマー誘導体に連結するタンパク質として、インターフェロン、腫瘍壊死因子、インターロイキン、コロニー刺激因子、骨形成因子抽出物、上皮成長因子、トランスフォーミング成長因子、血小板誘導成長因子、酸性線維芽細胞成長因子などの成長因子といったようなサイトカインおよび成長因子が記載されている。WO94/01483の実施例においては、ポリエチレングリコール誘導体がポリマーとして用いられている。
WO96/11953は、N末端化学修飾タンパク質化合物およびその製造方法を開示する。特に、水溶性ポリマーをG−CSFのN末端に結合させて得られるG−CSF組成物が記載されている。WO96/11953に関連して、N末端を水溶性ポリマーに結合させたコンセンサスインターフェロンも開示されている。WO96/11953には、多種多様な水溶性ポリマーが、列挙されているが(たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマー)、ポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーまたはポリオキシエチル化ポリオール)、ペグ化G−CSFまたはコンセンサスIFN組成物のみが、WO96/11953の実施例に記載されている。
US6,555,660B2は、G−CSF活性を示し、少なくとも1つの特定の導入および/または除去アミノ酸残基においてヒトG−CSFのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むポリペプチド複合体を開示する;ここで、該複合体は、非ポリペプチド部分に対するアタッチメント基を含み、さらにポリペプチドのアッタチメント基に結合する少なくとも1つの非ポリペプチド部分を含む。非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコールまたはオリゴ糖などのポリマーであってよい。US6,555,660B2には、デキストランなどの多糖と比べて、架橋することができる反応性基を少ししか有さないので、PEGが断然最も好ましいポリマー分子であることが明快および明白に述べられている。
WO97/30148は、それに結合する2つ以上のポリペプチド分子を有するポリマー担体分子を含むアレルゲン性が低いポリペプチド複合体に関する。これらの複合体が、個人医療市場で用いられる組成物の一部であるのが好ましい。この複合体は、ポリマー担体分子を活性化し、2つ以上のポリペプチド分子を活性化ポリマー担体と反応させ、複合体上の残りの活性基をブロックすることによって製造される。ポリマー担体分子として、少なくとも2つの異なるアタッチメント基を含む、天然または合成の、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸などのホモポリマーおよびヘテロポリマーのような異なるグループの化合物といったような非常に多種多様の分子がWO97/30148に列挙されている。例には、星状PEG、分枝PEG、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸塩、ポリビニルピロリドンおよびポリ−D,L−アミノ酸が含まれる。特に、カルボキシメチルデキストランなどのデキストラン、ヒドロキシメチルセルロースなどのもしくはヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース、キトサンの加水分解物、ヒドロキシエチルデンプンまたはヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン、グリコーゲン、アガロース、グアーガム、イヌリン、プルラン、キサンタンガム、カラゲニン、アルギン酸などが、開示されている。ポリペプチドとして、幾つかの酵素のみが、明示されている。
Baldwin,J.E.らのTetrahedron、vol.27(1981)、pp1723−1726は、ヘモグロビンと反応して可溶性ポリマー結合ヘモグロビンを得ることができる、アルデヒド置換ポリマーを得るためのデキストランおよびヒドロキシメチルデンプンの化学修飾を記載する。これらは、酸素を結合することができることが示されるが、心臓灌流試験から、ポリマー結合ヘモグロビンが、代用血液として用いるのに適していないことが明らかであった。
WO99/49897は、デキストランまたはヒドロキシエチルデンプンなどの多糖をヘモグロビンのアミノ基と反応させることによって形成されるヘモグロビンの複合体を記載する。多糖の官能基として、酸化的糖開環によって製造されるアルデヒド基を用いる。用いる好ましい還元剤として、ジメチルアミンボランが開示されている。さらに、WO99/49897は、全くヘモグロビンのみに限定される。
WO03/074087は、デンプン誘導修飾多糖にタンパク質を結合させる方法に関する。タンパク質と多糖であるヒドロキシアルキルデンプンの間の結合作用は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の末端アルデヒド基または該末端アルデヒド基の化学修飾から得られる官能基とタンパク質の官能基との間に形成される共有結合である。タンパク質の反応基として、アミノ基、チオ基およびカルボキシル基が開示され、タンパク質のアルデヒド基は言及されていない。さらに、異なる官能基、理論的に適した異なる結合分子および異なる化学的操作などの非常に多様な異なる結合の可能性が多くのリストの形態で挙げられているが、実施例には、2つの代案のみが記載されている;第一に、酸化されたヒドロキシエチルデンプンを用い、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)活性化を用いてタンパク質に直接結合させるか、または非酸化ヒドロキシエチルデンプンを用い、シッフ(Schiff)塩基を形成するタンパク質に直接結合させ、次いで、各アミンに還元する。このように、WO03/074087の実施例は、タンパク質のチオ基またはカルボキシ基を介して結合した単一の複合体も、ヒドロキシエチルデンプン、タンパク質および1つ以上のリンカー分子を含む複合体も開示していない。さらに、実施例においてG−CSF分子を使用していない。
したがって、本発明の目的は、従来技術に記載されていないヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンとG−CSFの複合体を提供することである。
本発明のさらなる目的は、これらの複合体の製造方法を提供することである。
したがって、本発明は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であるタンパク質およびヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であるポリマーまたはその誘導体を含む複合体の製造方法であって、
該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも1つの官能基Aと該タンパク質の少なくとも1つの官能基Zを反応させることによって共有結合を形成する
[ここで、Zは、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびケト基から選ばれる;
ここで、Zがアルデヒド基またはケト基である場合、AはZと該結合を形成するアミノ基を含む;または
ここで、Zがアミノ基である場合、Aは反応性カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基から選ばれる
[ここで、Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である場合、該方法はさらに、
i)1つの官能基がポリマーと反応し、少なくとも1つの他の官能基がアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であるか、またはさらに化学的に修飾されてアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基が得られる官能基である、少なくとも二官能性の化合物とポリマーを反応させることによって;または
ii)ポリマーを酸化して少なくとも1つ、特に少なくとも2つのアルデヒド基を得ることによって;
ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む;または
ここで、Aが反応性カルボキシ基である場合、該方法はさらに、
i)ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、得られるカルボキシ基を活性化することによって;または
ii)ポリマーをその酸化されていない還元末端で炭酸ジエステルと反応させることによって;
ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む];または
ここで、Zがチオール基である場合、Aは該結合を形成するマレイミド基またはZとハロゲンアセチル基を含む]ことを含む方法に関する。
したがって、本発明はまた、上述の方法によって得られる複合体に関する。
G−CSFは、化学合成手順によって製造することができるが、あるいはヒト(たとえば、Burgess, A.W.ら、1977, Stimulation by human placental conditioned medium of hemopoietic colony formation by human marrow cells, Blood 49(1977), 573−583; Shah, R.G.ら、1977, Characterization of colony−stimulating activity produced by human monocytes and phytohemagglutinin−stimulated lymphocytes, Blood 50(1977), 811を参照)もしくは他の哺乳動物源由来であってもよく、ヒト胎盤、ヒト血液またはヒト尿などの天然源から精製することによって得ることができる。さらに、上皮性ガン、急性骨髄性白血病細胞および種々の腫瘍細胞系(膀胱ガン、髄芽腫)が、この因子を発現することができる。
さらに、発現G−CSFには、1つ以上のアミノ酸(たとえば、1〜25、好ましくは1〜10、より好ましくは、1〜5、最も好ましくは、1または2)が別のアミノ酸で交換されていて、G−CSF活性を示すG−CSF変異体も包含される(たとえば、Riedhaar−Olson, J.F.ら、1996, Identification of residues critical to the activity of human granulocyte colony−stimulating factor, Biochemistry 35:9034−9041 1996;米国特許Nos.5,581476;5,214,132;5,362,853;4,904,584を参照)。G−CSF活性の測定は、当技術分野において説明されている(インビトロでのG−CSF活性の測定については、たとえば、Shirafuji, N.etal.1989, A new bioassay for human granulocyte colony−stimulating factor(hG−CSF)using murine myeloblastic NFS−60 cells as targets and estimation of its levels in sera from normal healthy persons and patients with infectious and hematological disorders, Exp.Hematol.1989,17, 116−119を参照;インビボでのG−CSF活性の測定については、たとえば、Tanaka, H.ら、1991, Pharmacokinetics of recombinant human granulocyte colony−stimulating factor conjugated to polyethylene glycol in rats, Cancer Research 51,3710−3714, 1991を参照)。G−CSFの活性の測定をテストするさらに他の刊行物は、米国特許No.6,555,660;Nohynek, G.J.ら、1997, Comparison of the potency of glycosylated and nonglycosylated recombinant human granulocyte colony−stimulating factors in neutropenic and nonneutropenic CD rats, Cancer Chemother Pharmacol(1997)39;259−266である。
G−CSFを組換え的に製造するのが好ましい。これは、ゲノムもしくはcDNAクローニングによるか、またはDNA合成によって得られた外来性DNA配列の原核または真核宿主発現を含む。適当な原核宿主として、大腸菌などの種々の細菌が挙げられる。適当な真核宿主として、出芽酵母(S.cerevisiae)などの酵母およびチャイニーズハムスター卵巣細胞およびサル細胞などの哺乳動物細胞が挙げられる。
タンパク質の組換え産物は、当業界で周知である。一般に、これは、適当な発現ベクターを用いる宿主細胞のトランスフェクション、タンパク質の産生を可能にする条件下での宿主細胞の培養および宿主細胞からのタンパク質の精製を含む。詳細な情報については、たとえば、Souza, L.M.ら、1986, Recombinant human granulocyte colony−stimulating factor:effects on normal and leukemic myeloid cells, Science 1986 232:61−65,1986;Nagata, S.ら、1986, Molecular cloning and expression of cDNA for human granulocyte colony−stimulating factor, Nature 319:415−418, 1986;Komatsu, Y.ら、1987, Cloning of granulocyte colony−stimulating factor cDNA from human macrophages and its expression in Escherichia coli, Jpn J Cancer Res.1987 78(11):1179−1181を参照。
好ましい具体例によれば、G−CSFは、ヒト成熟G−CSFのアミノ酸配列を有し(たとえば、Nagata, S.ら、1986, Molecular cloning and expression of cDNA for human granulocyte colony−stimulating factor, Nature 319:415−418,1986を参照)、さらに、メチオニンをそのアミノ末端に含んでもよく、結果として175アミノ酸のタンパク質がもたらされる。
本発明方法において用いるG−CSFおよび本発明の複合体は、Thr 133位におけるO連結グリコシル化を介してG−CSFに結合する1つの糖質側鎖を含み、すなわち、G−CSFが、グリコシル化される(V.Gervaisら、Eur.J.Biochem.1997, 247, 386−395)。糖質側鎖の構造は、NeuNAc(α2−3)Gal(βl−3)[NeuNAc(α2−6)]GalNAcおよび(α2−3)Gal(βl−3)GalNAc(NeuNAc=N−アセチルノイラミン酸、GalNAc=N−アセチルガラクトサミン)である。
天然のポリペプチドと比べて、少なくとも1つの追加の糖質側鎖を導入するためのG−CSFおよび他のポリペプチドの修飾が示唆されている(米国特許No.5,218,092)。使用した宿主に応じて、哺乳動物または他の真核糖質でG−CSF発現産物をグリコシル化することができる。通常、G−CSFが真核細胞で産生される場合、タンパク質は、翻訳後にグリコシル化される。したがって、哺乳動物、特にヒト、虫または酵母細胞における生合成中に糖質側鎖をG−CSFに結合することができる。
組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)は、一般に、種々の態様の白血球減少症の治療のために用いられる。したがって、市販のrhG−CSFが、フィルグラスチム(filgrastim)(グラン(Gran:登録商標)およびニューポジェン(Neupogen:登録商標))、レノグラスチム(lenograstim)(ノイトロジン(Neutrogin:登録商標)およびグラノサイト(Granocyte:登録商標))およびナトグラスチム(nartograstim)(ノイアップ(Neu−up:登録商標))という名称で入手可能である。グラン(登録商標)およびニューポジェン(登録商標)は、グリコシル化されておらず、組換え大腸菌細胞で産生される。ノイトロジン(登録商標)およびグラノサイト(登録商標)は、グリコシル化されており、組換えCHO細胞で産生され、ノイアップ(登録商標)は、グリコシル化されておらず、組換え大腸菌細胞で産生された無処理のrhG−CSFのN末端領域において置換された5つのアミノ酸を有する。
グリコシル化タンパク質として、グラノサイト(登録商標)などのグリコシル化G−CSFのどれでも用いることができる。本発明方法および複合体において、非グリコシル化タンパク質として、ノイトロジン(登録商標)などのグリコシル化G−CSFのどれでも用いることができる。
さらに、1位において、G−CSFは、メチオニンアミノ酸残基、セリン残基またはトレオニン残基を含むことができる。
本発明との関連において、用語「ヒドロキシアルキルデンプン」(HAS)は、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基によって置換されたデンプン誘導体を意味する。好ましい本発明のヒドロキシアルキルデンプンは、式(I):
Figure 2007501870
(I)
[ここで、デンプン分子の還元末端は、非酸化型で示され、末端糖単位は、たとえば溶媒に応じてアルデヒド型と平衡状態にあってもよいアセタール型で示される]
で示される構造を有する。
本発明で用いる用語ヒドロキシアルキルデンプンは、末端糖質部分が、式(I)において簡潔にするためにR1、R2および/またはR3で示すヒドロキシアルキル基を含む化合物に限定されないだけでなく、末端糖質部分および/またはデンプン分子HAS'の残りの部分のいずれかにおいてどこかに存在する少なくとも1つのヒドロキシ基が、ヒドロキシアルキル基R1、R2またはR3で置換される化合物をも意味する。
2つ以上の異なるヒドロキシアルキル基を含むヒドロキシアルキルデンプンもまた可能である。
HASに含まれる少なくとも1つのヒドロキシアルキル基が、2つ以上のヒドロキシ基を含んでもよい。好ましい具体例によれば、HASに含まれる少なくとも1つのヒドロキシアルキル基は、1つのヒドロキシ基を含む。
語句「ヒドロキシアルキルデンプン」は、アルキル基がモノまたはポリ置換される誘導体も包含する。これに関連して、アルキル基がハロゲン、特にフッ素、またはアリール基で置換されるのが好ましい。さらに、ヒドロキシアルキル基のヒドロキシ基が、エステル化またはエーテル化されてもよい。
さらに、アルキルの代わりに、直鎖または分枝の置換または非置換アルケン基を用いてよい。
ヒドロキシアルキルデンプンは、デンプンのエーテル誘導体である。このエーテル誘導体の他に、他のデンプン誘導体を本発明に用いることができる。たとえば、エステル化ヒドロキシ基を含む誘導体が有用である。これらの誘導体は、たとえば、2−12個の炭素原子を有する非置換モノまたはジカルボン酸の誘導体またはその置換誘導体である。2−6個の炭素原子を有する非置換モノカルボン酸の誘導体が特に有用であり、特に酢酸の誘導体が有用である。これに関連して、アセチルデンプン、ブチルデンプンおよびプロピルデンプンが好ましい。
2−6個の炭素原子を有する非置換ジカルボン酸の誘導体が好ましい。
ジカルボン酸の誘導体の場合、ジカルボン酸の第2のカルボキシ基がエステル化されるのも有用である。さらに、ジカルボン酸のモノアルキルエステルの誘導体もまた本発明に関連して適当である。
置換モノまたはジカルボン酸については、置換基が、置換アルキル残基について上述したものと同じであるのが好ましい。
デンプンのエステル化のための技術は当業界で周知である(たとえば、Klemm Dら, Comprehensive Cellulose Chemistry Vol.2, 1998, Whiley−VCH, Weinheim, New York, 特に chapter 4.4, Esterification of Cellulose(ISBN3−527−29489−9)を参照)。
本発明の好ましい具体例によれば、式(I)のヒドロキシアルキルデンプンを用いる。式(I)では、明示された糖環およびHAS'で示される残基はともに好ましいヒドロキシアルキルデンプン分子を表す。HAS'に含まれる他の糖環構造は、明示した糖環と同じであるか、または異なってもよい。
式(I)の残基R1、R2およびR3に関する限りは、特別な限定はない。好ましい具体例にしたがって、R1、R2およびR3は独立して、水素または各アルキル残基に2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基またはヒドロキシアルカリール基である。水素および2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基が好ましい。より好ましくは、ヒドロキシアルキル基は2〜6個の炭素原子、より好ましくは2〜4個、さらにより好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。したがって、「ヒドロキシアルキルデンプン」には、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンおよびヒドロキシブチルデンプンが含まれるのが好ましく、ここで、ヒドロキシエチルデンプンおよびヒドロキシプロピルデンプンが特に好ましく、ヒドロキシエチルデンプンが最も好ましい。
アルキル、アリール、アラルキルおよび/またはアルカリール基は直鎖または分枝であってよく、適当に置換されてもよい。
したがって、本発明はまた、R1、R2およびR3が独立して、水素または1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝のヒドロキシアルキル基である上記方法に関する。
このように、R1、R2およびR3が、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピルなどのヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシエチル、水素であるのが好ましく、2−ヒドロキシエチルが特に好ましい。
したがって、本発明はまた、R1、R2およびR3が独立して、水素または2−ヒドロキシエチル基である上述の方法および複合体に関し、ここで、少なくとも1つのR1、R2およびR3残基が2−ヒドロキシエチルであるのが特に好ましい。
本発明のすべての具体例にとって、ヒドロキシエチルデンプン(HES)が最も好ましい。
したがって、本発明は、ポリマーがヒドロキシエチルデンプンであり、ポリマー誘導体がヒドロキシエチルデンプン誘導体である上述の方法および複合体に関する。
ヒドロキシエチルデンプン(HES)は、天然のアミロペクチンの誘導体であり、体内でα−アミラーゼによって分解される。HESは、糖質ポリマーアミロペクチンの置換誘導体であり、95重量%の濃度でトウモロコシデンプンに存在する。HESは、有利な生物学的特性を示し、血液量補充剤として用いられ、診療所における血液希釈療法において用いられる(Sommermeyerら、1987, Krankenhauspharmazie, 8(8), 271−278;およびWeidlerら、1991, Arzneim.−Forschung/Drug Res., 41,494−498)。
アミロペクチンは、グルコース部分からなり、主鎖においてα−1,4−グリコシド結合が存在し、分枝部分にα−1,6−グリコシド結合が見出される。この分子の物理化学的特性は、主としてグリコシド結合のタイプによって決定される。切れ目の入ったα−1,4−グリコシド結合のために、一回転当たり約6個のグルコースモノマーを有するへリックス構造が生じる。このポリマーの物理化学ならびに生化学的特性は、置換によって変更することができる。ヒドロキシエチル基の導入は、アルカリヒドロキシエチル化によって達成することができる。反応条件を適合させることによって、ヒドロキシエチル化に関し、非置換グルコースモノマーにおける各ヒドロキシ基の異なる反応性を開発することができる。この事実のために、当業者は、置換パターンを限定的になるようにすることができる。
HESは、主として、分子量分布および置換の度合いによって特徴付けられる。置換度を記載する2つの可能性がある:
1.度合いを、全グルコース部分に対する置換されたグルコースモノマーの割合について相対的に記載することができる。
2.置換の度合いを、モル置換として記載することができ、グルコース部分当たりのヒドロキシエチル基の数を記載する。
本発明に関連してDSで示す置換の度合いは、上述のモル置換に関する。
HES溶液は、多分散組成物として存在し、各分子が、重合度、分枝部分の数およびパターンならびに置換パターンに関して他の分子とは異なる。したがって、HESは、異なる分子量をもつ化合物の混合物である。その結果として、特定のHES溶液は、統計的平均を利用する平均分子量によって決定される。これに関連して、Mnは、分子の数に従属する算術平均として計算される。あるいは、重量平均であるMw(またはMW)は、HESの質量に従属する単位を表す。
本発明に関連して、ヒドロキシエチルデンプンの平均分子量(重量平均)が1〜300 kDであるのが好ましい。さらに、ヒドロキシエチルデンプンは、ヒドロキシエチル基に関し、好ましいモル置換度0.1〜0.8および好ましいC2:C6置換比2〜20を示す。
本発明に関連して用いる用語「平均分子量」は、Sommermeyerら、1987, Krankenhauspharmazie, 8(8), 271−278;およびWeidlerら、1991, Arzneim.−Forschung/Drug Res., 41, 494−498にしたがって測定された重量に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、用いるヒドロキシエチルデンプンの平均分子量は、1〜300 kD、より好ましくは2〜200 kD、さらに好ましくは4〜130 kD、特に好ましくは4〜70 kDである。
平均分子量約130 kDのHESの例は、フレゼニウス(Fresenius)のVoluven(登録商標)である。Voluven(登録商標)は、たとえば、血液量減少の治療および予防のための治療指標で使用される体積補充用に用いられる人工コロイドである。Voluven(登録商標)は、平均分子量130,000±20,000 D、モル置換0.4およびC2:C6比=約9:1を特徴とする。
したがって、本発明はまた、ヒドロキシアルキルデンプンが、平均分子量4〜70 kDのヒドロキシエチルデンプンである上述の方法および複合体に関する。
平均分子量の好ましい範囲は、たとえば、4〜70 kDまたは10〜70 kDまたは12〜70 kDまたは18〜70 kDまたは50〜70 kDまたは4〜50 kDまたは10〜50 kDまたは12〜50 kDまたは18〜50 kDまたは4〜18 kDまたは10〜18 kDまたは12〜18 kDまたは4〜12 kDまたは10〜12 kDまたは4〜10 kDである。
本発明の特に好ましい具体例によれば、用いるヒドロキシエチルデンプンの平均分子量は、約10 kDなどの4 kD以上70 kD以下の範囲、または9〜10 kDまたは10〜11 kDまたは9〜11 kDの範囲、または約12 kD、または11〜12 kDまたは12〜13 kDまたは11〜13 kDの範囲、または約18 kD、または17〜18 kDまたは18〜19 kDまたは17〜19 kDの範囲、または約50 kD、または49〜50 kDまたは50〜51kDまたは49〜51 kDの範囲である。
置換度(DS)に関する限りでは、DSは、好ましくは少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.2、およびより好ましくは少なくとも0.4である。好ましいDSの範囲は、0.1〜0.8、より好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.3〜0.8およびなおより好ましくは0.4〜0.8、さらにより好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは0.2〜0.7、より好ましくは0.3〜0.7、およびより好ましくは0.4〜0.7である。特に好ましいDSの値は、たとえば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8、および0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8であり、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8がより好ましく、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8がなおより好ましく、たとえば、0.4および0.7がさらにより好ましい。
ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの分子量と置換度DSの特に好ましい組み合わせは、たとえば、10 kDと0.4またはlO kDと0.7または12 kDと0.4または12 kDと0.7または18 kDと0.4または18 kDと0.7または50 kDと0.4または50 kDと0.7である。
本発明の別の好ましい具体例によれば、ヒドロキシエチルデンプン(本発明に用いられ、本明細書に記載の複合体に含まれる)は、分子量約20 kD〜約130 kD(すなわち、約40 kD、約50 kD、約60 kD、約70 kD、約80 kD、約90 kD、約100 kD、約110 kD、約120 kD、約130 kD)であり、好ましくは平均分子量約30 kD〜約100 kD、より好ましくは約40〜約70 kDであり、置換度0.4〜0.8、より好ましくは0.5〜0.8である。
これに関連して、用語「約30kD」は、25 kD〜34 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量26、27、28、29、31、32、33または34 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約40kD」は、35 kD〜44 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量36、37、38、39、41、42、43または44 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約50kD」は、45 kD〜54 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量46、47、48、49、51、52、53または54 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約60kD」は、55 kD〜64 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量56、57、58、59、61、62、63または64 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約70kD」は、65 kD〜74 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量66、67、68、69、71、72、73または74 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約80kD」は、75 kD〜84 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量76、77、78、79、81、82、83または84 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約90kD」は、85 kD〜94 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量86、87、88、89、91、92、93または94 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約100kD」は、95 kD〜104 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量96、97、98、99、101、102、103または104 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約110 kD」は、105 kD〜114 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量106、107、108、109、111、112、113または114 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約120kD」は、115 kD〜124 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量116、117、118、119、121、122、123または124 kDのデンプンも含まれる。
これに関連して、用語「約130kD」は、125 kD〜134 kDの範囲の平均分子量に関すると理解され、すなわち、平均分子量126、127、128、129、131、132、133または134 kDのデンプンも含まれる。
したがって、上記具体例は、平均分子量約30 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)を含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約40 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約50 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約60 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約70 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約80 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約90kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約1001cDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約110 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)も含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約120 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)を含む。
したがって、上記具体例は、平均分子量約130 kDおよび置換度0.4または0.5または0.6または0.7または0.8、好ましくは0.6、0.7または0.8であるヒドロキシエチルデンプン(およびヒドロキシエチルデンプンを含む本明細書に記載の複合体ならびにヒドロキシエチルデンプンを用いる本明細書に記載の方法)を含む。
平均分子量約130 kDのHESの1つの例は、置換度0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8などの置換度0.2〜0.8、好ましくは置換度0.4、0.5、0.6または0.7などの置換度0.4〜0.7のHESである。
C2:C6置換の比に関する限り、置換は、2〜20の範囲が好ましく、2〜15の範囲がより好ましく、3〜12の範囲がよりさらに好ましい。
本発明のさらなる具体例によれば、異なる平均分子量および/または異なる置換度および/または異なるC2:C6置換比を有するヒドロキシエチルデンプンの混合物を用いることもできる。したがって、異なる平均分子量および異なる置換度および異なるC2:C6置換比を有する、あるいは異なる平均分子量および異なる置換度および同じまたはほぼ同じC2:C6置換比を有する、あるいは異なる平均分子量および同じまたはほぼ同じ置換度および異なるC2:C6置換比を有する、あるいは同じまたはほぼ同じ平均分子量および異なる置換度および異なるC2:C6置換比を有する、あるいは異なる平均分子量および同じまたはほぼ同じ置換度および同じまたはほぼ同じC2:C6置換比を有する、あるいは同じまたはほぼ同じ平均分子量および異なる置換度および同じまたはほぼ同じC2:C6置換比を有する、あるいは同じまたはほぼ同じ平均分子量および同じまたはほぼ同じ置換度および異なるC2:C6置換比を有する、あるいはほぼ同じ平均分子量およびほぼ同じ置換度およびほぼ同じC2:C6置換比を有するヒドロキシエチルデンプンの混合物を用いることができる。
本発明の異なる複合体および/または異なる方法において、異なるヒドロキシアルキルデンプン、好ましくは異なるヒドロキシエチルデンプンおよび/または異なるヒドロキシアルキルデンプンの混合物、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの混合物を用いることができる。
本発明の1つの具体例によれば、タンパク質の官能基Zはアルデヒド基またはケト基である。したがって、本発明は、タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基である上述の方法および複合体に関する。
タンパク質におけるアルデヒド基またはケト基の配置に関して一般的な制限はないが、本発明の好ましい具体例によれば、アルデヒド基またはケト基は、タンパク質の糖質側鎖にある。したがって、この具体例に関連して、グリコシル化タンパク質を用いる。
グリコシル化タンパク質として、グラノサイト(登録商標)などのグリコシル化タンパク質のどれでも用いることができる。
本発明に関連して、用語「糖質側鎖」は、ヒドロキシアルデヒドまたはヒドロキシケトンならびにその化学修飾体を意味する(Rompp Chemielexikon, Thieme Verlag Stuttgart, Germany, 9th edition 1990, Volume 9, pages 2281−2285およびその引用文献を参照)。さらに、この用語は、ガラクトースなどの天然の糖質部分、N−アセチルノイラミン酸およびN−アセチルガラクトサミンなどの誘導体も意味する。N−グリコシル化されているG−CSFの突然変異体の場合、糖質部分はマンノースである。
よりさらに好ましい具体例によれば、アルデヒド基またはケト基は、糖質側鎖のガラクトース残基の一部である。後述するように、末端シアル酸を除去し、次いで酸化することにより、このガラクトース残基をポリマーまたはポリマー誘導体に含まれる官能基Aとの反応に利用できるようにすることができる。
なおさらに好ましい具体例によれば、官能基Aを含むポリマーまたはポリマー誘導体は、糖質側鎖のシアル酸残基、好ましくは糖質側鎖の末端シアル酸残基に結合される。
末端糖質部分の酸化は、化学的または酵素的のいずれかにおいて行うことができる。ポリペプチドの糖質部分を化学酸化する方法は、当業界で周知であり、過ヨウ素酸塩による処理を含む(Chamowら、1992, J.Biol.Chem., 267, 15916−15922)。
化学的酸化により、末端に位置するか、または位置しない、どのような糖質部分をも酸化することが原則として可能である。しかし、穏やかな反応条件を選択することによって、糖質側鎖の末端シアル酸を好ましく酸化して、アルデヒド基またはケト基を得ることが可能である。
本発明の1つの具体例によれば、この穏やかな反応条件は、タンパク質を好ましくは1〜50 mMの範囲、より好ましくは1〜25 mMの範囲および特に好ましくは約1 mMなどの1〜10 mMの範囲にある過ヨウ素酸塩濃度を有する適当な過ヨウ素酸溶液と、好ましくは0〜40℃、および特に好ましくは約0℃などの0〜21℃の反応温度にて、好ましくは5分〜5時間、より好ましくは10分〜2時間、および特に好ましくは約1時間などの10分〜1時間の反応時間で反応させることに関する。過ヨウ素酸:タンパク質のモル比は、好ましくは1:200〜1:1、およびより好ましくは約15:1などの1:50〜1:5である。
したがって、本発明はまた、タンパク質とポリマーまたはポリマー誘導体との反応の前に、グリコシル化タンパク質を過ヨウ素酸溶液と反応させて、酸化された糖質側鎖に位置するアルデヒド基またはケト基を有するタンパク質を得る上述の方法および複合体に関する。
さらに、糖質側鎖を酵素的に酸化してもよい。個々の糖質側鎖の酸化のための酵素は、当業界で周知であり、たとえば、ガラクトースの場合、酵素はガラクトースオキシダーゼである。末端ガラクトース部分を酸化しようとするならば、ポリペプチドが、たとえば哺乳動物細胞などの糖質鎖にシアル酸を結合することができる細胞、またはシアル酸を糖質鎖に結合する能力をもつように遺伝子工作された細胞で産生された場合、末端シアル酸を(部分的または完全に)除去することが最終的に必要である。シアル酸の除去のための化学的または酵素的方法は、当業界で周知である(ChaplinおよびKennedy編, 1996, Carbohydrate Analysis:a practical approach, especially Chapter 5 Montreuill, Glycoproteins, pages 175−177; IRL Press Practical approach series(ISBN 0−947946−44−3))。
本発明の別の好ましい具体例によれば、アルデヒド基またはケト基は、タンパク質のN末端に位置することができ、適当な酸化によって達成される。特に、アミノ酸を含むヒドロキシ基が、トレオニンまたはセリンといったようなタンパク質のN末端に位置する場合、N末端アミノ酸の酸化を行ってケト基またはアルデヒド基を得ることができる。トレオニンは、ヒト誘導G−CSFにおけるN末端アミノ酸である。分子生物学的方法によって、G−CSF様活性を示すタンパク質のいずれにおいても追加のN末端セリンまたはトレオニンを導入することができる。このタンパク質またはヒトアミノ酸配列を発現しているタンパク質は、細菌、哺乳動物、昆虫または酵母細胞などの原核または真核細胞において発現させることによって産生することができ、それをグリコシル化するか、またはしない。適当なN末端アミノ酸の化学酸化のための方法として、あらゆる考えられる方法を適用することができるが、過ヨウ素酸塩による酸化が好ましい。
本発明のさらに好ましい具体例によれば、穏やかな反応条件は、好ましくは0〜40℃、および特に好ましくは約0℃などの0〜21℃の温度にて、好ましくは5分〜5時間、より好ましくは10分〜2時間、および特に好ましくは約1時間などの10分〜1時間の反応時間で、好ましくは1〜50 mM、より好ましくは1〜25 mM、および特に好ましくは約1 mMなどの1〜10 mMの範囲の過ヨウ素酸塩濃度を有する適当な水性過ヨウ素酸塩溶液とタンパク質を反応させることに関する。過ヨウ素酸塩:タンパク質のモル比は、好ましくは1:200〜1:1、およびより好ましくは約15:1などの1:50〜1:5である。
したがって、本発明はまた、アルデヒド基またはケト基が、タンパク質の糖質側鎖および/またはタンパク質のN末端基に位置する上述の方法および複合体に関する。
真核細胞で産生され、したがって翻訳後にグリコシル化されているタンパク質のオリゴ糖パターンは、ヒト由来のタンパク質に一致しない。さらに、多くのグリコシル化タンパク質は、ガラクトース残基などの追加の糖質部分をマスキングする所望の数の末端シアル酸残基を有さない。しかし、ガラクトース残基などのこのような追加の糖質部分は、マスキングされない場合、医薬としてのタンパク質の潜在的用途においてタンパク質の血漿半減期が短くなるなどの不利点の原因となるかもしれない。驚いたことに、直接的または1つまたは2つのリンカー化合物などの少なくとも1つのリンカー化合物を介してのいずれかにおいて、たとえば、後述するようにオキシム結合を介して、タンパク質の糖質側鎖の糖質部分に共有的に結合するヒドロキシアルキルデンプンポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンポリマーにより形成されたタンパク質複合体を提供することによって、少なくとも上述の不利点を克服する可能性があることが見出された。したがって、ヒドロキシアルキルデンプンポリマーまたはその誘導体、好ましくはヒドロキシエチルデンプンポリマーまたはその誘導体を、グリコシル化タンパク質の少なくとも1つの糖質側鎖に結合させることによって、糖質側鎖に位置する適当な末端糖質残基の欠如が補償されると考えられる。本発明の別の態様において、上述のように酸化された糖質部分に結合したヒドロキシアルキルデンプンポリマーまたはその誘導体、好ましくはヒドロキシエチルデンプンポリマーまたはその誘導体は、不利点を克服するのみならず、所望の使用分野においてそれぞれ天然のタンパク質よりも、さらによい特徴を有するタンパク質複合体の提供も行う。したがって、本発明のそれぞれの複合体は、補償効果ならびに相乗効果さえも有する。ヒトタンパク質に一致するか、またはヒトタンパク質であるタンパク質でさえも、天然の糖質残基において所望の数のシアル酸残基などの適当なマスキング末端糖質残基を有さないという可能性もある。このような場合、上述のように酸化された糖質部分に結合したヒドロキシアルキルデンプンポリマーまたはその誘導体、好ましくはヒドロキシエチルデンプンポリマーまたはその誘導体とのそれぞれの複合体を提供することは、人工的に生産されたタンパク質の不利点を克服し、補償するのみならず、天然のタンパク質の特徴の改善も行う。タンパク質の酸化された糖質部分のアルデヒド基またはケト基に結合するヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンまたはその誘導体の官能基に関して、後述する官能基Aについて申し述べる。この一般的概念は、グリコシル化G−CSFに適用可能であるのみならず、主として末端糖質残基が欠如しているすべてのグリコシル化タンパク質にも適用される。特に、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロンβ(IFNβ la)、ATIII(アンチトリプシンIII)、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、α1−アンチトリプシン(A1AT)、htPAまたはGM−CSFを言及することができる。
したがって、本発明はまた、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する、タンパク質の少なくとも1つの酸化された糖質部分に、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンまたはその誘導体を共有的に結合することによる、天然に存在する末端糖質残基、好ましくはシアル酸残基またはタンパク質の翻訳後に結合した糖質部分の欠如を補償するための該デンプンまたはその誘導体の使用に関する。
したがって、本発明はまた、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する、タンパク質の少なくとも1つの酸化された糖質部分に、好ましくはオキシム結合を介して、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンまたはその誘導体を共有的に結合することによる、天然に存在する末端糖質残基、好ましくはシアル酸残基またはタンパク質の翻訳後に結合した糖質部分の欠如を補償する方法に関する。
さらに、本発明はまた、天然源から単離されるか、または哺乳動物、昆虫または酵母細胞などの真核細胞における発現によって産生されるタンパク質の、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する少なくとも1つの酸化された糖質部分に、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンまたはその誘導体を共有結合させることによって形成された、所望の分野の使用、好ましくは医薬としての使用において、それぞれの非修飾タンパク質と比べて同じかまたはより良い特徴を有する複合体に関する。
タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基である場合、ポリマーまたはその誘導体の官能基Aは、構造式:−NH−で示されるアミノ基を含む。
したがって、本発明はまた、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基Aが、構造式:−NH−で示されるアミノ基を含む上述の方法および複合体に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、この官能基Aは、構造式:R'−NH−(ここで、R'は水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基である(ここで、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基は、直接NH基に結合するか、または別の具体例によれば、酸素橋によってNH基に結合してもよい))で示される基である。アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基は、適当に置換されてもよい。好ましい置換基として、F、ClまたはBrなどのハロゲンが挙げられる。特に好ましい残基R'は、水素、アルキルおよびアルコキシ基であり、水素および非置換アルキルおよびアルコキシ基がより好ましい。
アルキルおよびアルコキシ基では、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基が好ましい。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシ基がより好ましい。メチル、エチル、メトキシ、エトキシが特に好ましく、メチルまたはメトキシがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、R'が水素またはメチルまたはメトキシ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明の別の好ましい具体例によれば、官能基Aは、構造式:R'−NH−R''−で示され、式中、R''は、構造単位:−NH−および/または構造単位:−(C=G)−(ここで、GはOまたはS)および/または構造単位:−SO2−を含むのが好ましい。より好ましい具体例によれば、官能基R''は、
Figure 2007501870
および
Figure 2007501870
(ここで、Gが2回存在する場合、独立して、OまたはSである)
から選ばれる。
したがって、アミノ基:−NH2を含む好ましい官能基Aは、たとえば、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
などである。
特に好ましいアミノ基を含む官能基Aは、
Figure 2007501870
(H2N−O−が特に好ましい)
およびヒドラジド基
Figure 2007501870
(ここで、好ましいGはOである)
である。
したがって、本発明はまた、タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基であり、官能基Aがアミノオキシ基またはヒドラジド基である上述の方法に関する。本発明の特に好ましい具体例によれば、Aはアミノオキシ基である。
したがって、本発明はまた、タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基であり、官能基Aがアミノオキシ基またはヒドラジド基である上述の複合体に関する。本発明の特に好ましい具体例によれば、Aはアミノオキシ基である。
ポリマーまたはポリマー誘導体のアミノオキシ基をタンパク質のアルデヒド基またはケト基と反応させる場合、オキシム結合が形成される。
したがって、本発明はまた、タンパク質とポリマーまたはポリマー誘導体の間の共有結合が、アルデヒド基またはケト基であるタンパク質の官能基Zとアミノオキシ基であるポリマーまたはポリマー誘導体の官能基Aの反応によって形成されるオキシム結合である上述の複合体に関する。
ポリマーまたはポリマー誘導体のヒドラジド基をタンパク質のアルデヒド基またはケト基と反応させる場合、ヒドラゾン結合が形成される。
したがって、本発明はまた、タンパク質とポリマーまたはポリマー誘導体の間の共有結合が、アルデヒド基またはケト基であるタンパク質の官能基Zとヒドラジド基であるポリマーまたはポリマー誘導体の官能基Aの反応によって形成されるヒドラゾン結合である上述の複合体に関する。
官能基Aをポリマーに導入するために、ポリマー誘導体が官能基Aを含むようになるならば、特別な制限は存在しない。
本発明の好ましい具体例によれば、ポリマーを二官能性以上の化合物と反応させることによって官能基Aはポリマーに導入される、この二官能性以上の化合物の1つの官能基は、少なくとも1つのポリマーの官能基と反応する能力があり、二官能性以上の化合物の少なくとも1つの別の官能基は官能基Aであるかまたは化学的に修飾されて官能基Aになることができる。
さらになお好ましい具体例によれば、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端で二官能性以上の化合物と反応させる。
ポリマーをその酸化されていない還元末端で反応させる場合、好ましいポリマーは、
Figure 2007501870
(I)
[ここで、式(I)には、酸化されていない還元末端のアルデヒド型が含まれる]
で示される構造を有する。
ポリマーをその酸化された還元末端で反応させる場合、ポリマーが式(IIa):
Figure 2007501870
(IIa)
および/または式(IIb):
Figure 2007501870
(IIb)
で示される構造を有するのが好ましい。
上述の構造式(IIa)および/または(IIb)の化合物が得られるそれぞれの方法または方法の組み合わせにしたがって、ポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの還元末端の酸化を行うことができる。
ヒドロキシアルキルデンプンの酸化された還元末端が得られるすべての適当な方法(1種またはそれ以上)にしたがって酸化を行うことができるが、たとえば、DE 196 28 705 A1(各内容(実施例A、9蘭、6〜24行)は、参考文献として本発明に援用される)などに記載のアルカリヨウ素溶液を用いて行うのが好ましい。
二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基として、ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端と化学結合を形成することができる各官能基を用いることができる。
本発明の好ましい具体例によれば、この官能基は化学構造式:−NH−を含む。
したがって、本発明はまた、二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基が、構造式:−NH−を含む上述の方法および複合体に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物のこの官能基は、構造式:R'−NH−を有する基であり、式中、R'は水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基である(ここで、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、NH基と直接結合してもよく、あるいは別の具体例によれば、酸素橋によってNH基に結合してもよい)。アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、適当に置換することができる。好ましい置換基として、F、ClまたはBrなどのハロゲンが挙げられる。特に好ましい残基R'は水素、アルキルおよびアルコキシ基であり、さらになお好ましい残基は水素および非置換アルキルおよびアルコキシ基である。
アルキルおよびアルコキシ基の間で、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含む基が好ましい。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシ基がより好ましい。メチル、エチル、メトキシ、エトキシが特に好ましく、メチルまたはメトキシがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、R'が水素またはメチルまたはメトキシ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明の別の好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物の官能基は、構造式:R'−NH−R''−を有し、式中、R''は構造単位:−NH−および/または構造単位:−(C=G)−(ここで、GはOまたはS)および/または構造単位:−SO2−を含むのが好ましい。より好ましい具体例によれば、官能基R''は、
Figure 2007501870
および
Figure 2007501870
(ここで、Gが2回存在する場合、独立して、OまたはSである)
から選ばれる。
したがって、本発明はまた、二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基が、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
から選ばれる上述の方法および複合体に関する。
本発明のさらに好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応する能力があり、アミノ基を含む官能基は、アミノオキシ基:
Figure 2007501870
(H2N−O−が特に好ましい)
またはヒドラジド基:
Figure 2007501870
(ここで、好ましいGはOである)
である。
したがって、本発明はまた、タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基であり、二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基がアミノオキシ基またはヒドラジド基、好ましくはアミノオキシ基である上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、タンパク質の官能基Zがアルデヒド基またはケト基であり、二官能性以上の化合物の、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基がアミノオキシ基またはヒドラジド基である上述の複合体に関する。本発明の特に好ましい具体例によれば、Aはアミノオキシ基である。
本発明のさらになお好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物は、酸化されていない還元末端でポリマーと反応する。
本発明のまた別の好ましい具体例によれば、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応する二官能性以上の化合物は、官能基Aを含む。
二官能性以上の化合物を最初にポリマーと反応させてポリマー誘導体を得、次いで、官能基Aを介してタンパク質と反応させることができる。最初に、二官能性以上の化合物を、官能基Aを介してタンパク質と反応させてタンパク質誘導体を得、次いで、タンパク質誘導体中に含まれる二官能性以上の化合物残基の少なくとも1つの官能基を介してポリマーと反応させることもまた可能である。
本発明の好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物を最初にポリマーと反応させる。
したがって、本発明は、方法が、Aを含むポリマー誘導体とZを含むタンパク質との反応の前に、ポリマーをその酸化されていない還元末端で、ポリマーの酸化されていない還元末端および基Aと反応することができる官能基を含む二官能性以上の架橋化合物と反応させることをさらに含む、上述の方法および複合体に関する。
ポリマーと反応する二官能性以上の連結化合物の官能基と官能基Zと反応する二官能性以上の連結化合物の官能基Zを、いずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であってもよい。一般に、炭化水素残基は、60個以下、好ましくは40個以下、より好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下、より好ましくは6個以下および特に好ましくは4個以下の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個および特に好ましくは1〜2個のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子として、O個が好ましい。炭化水素残基は、必要に応じて、たとえば、5〜7個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基を含んでもよく、あるいはアルキル部分が直鎖および/または環式アルキル基であってもよいアラルキル基、アルカリール基であってもよい。本発明のより好ましい具体例によれば、官能基は、4個の炭素原子を有する直鎖炭化水素鎖によって分離される。本発明の別の好ましい具体例によれば、官能基は、4個の炭素原子および少なくとも1つ、好ましくは1つのヘテロ原子、特に好ましくは酸素原子を有する直鎖炭化水素鎖によって分離される。
さらに好ましい具体例によれば、二官能性以上の連結化合物は、ホモ二官能性連結化合物である。したがって、本発明はまた、二官能性以上の連結化合物がホモ二官能性化合物である上述の複合体の製造方法に関する。
したがって、連結化合物の上述の好ましい官能基に関して、ホモ二官能性連結化合物が、2つのアミノオキシ基:H2N−O−または2つのアミノオキシ基R'−O−NH−または2つのヒドラジド基:H2N−NH−(C=G)−のいずれかを含むのが好ましく、アミノオキシ基:H2N−O−およびヒドラジド基:H2N−NH−(C=O)−が好ましく、アミノオキシ基:H2N−O−が特に好ましい。
すべての考えられる2つのヒドラジド基:H2N−NH−(C=O)−を含むホモ二官能性化合物の間で、2つのヒドラジド基が、60個以下、好ましくは40個以下、より好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下、より好ましくは6個以下および特に好ましくは4個以下の炭素原子を有する炭化水素残基によって分離されるのが好ましい。炭化水素残基が、1、2、3または4個などの1〜4個の炭素原子を有するのが好ましい。炭化水素残基が、4個の炭素原子を有するのがより好ましい。 したがって、式:
Figure 2007501870
で示されるホモ二官能性化合物が好ましい。
本発明のより好ましい具体例によれば、二官能性連結化合物は式:
Figure 2007501870
で示されるカルボヒドラジドである。
上述したように、本発明はまた、二官能性以上の連結化合物がホモ二官能性化合物であり、2つのアミノオキシ基を含む上述の方法および複合体に関する。したがって、本発明はまた、二官能性以上の連結化合物がホモ二官能性化合物であり、2つのアミノオキシ基:H2N−O−を含む上述の方法および複合体に関する。
上述したように、ポリマーが、二官能性連結化合物との反応前に酸化されていないその還元末端で反応するのが好ましい。したがって、2つのアミノオキシ基:H2N−O−を含む好ましい二官能性化合物とポリマーの反応により、オキシム結合を含むポリマー誘導体が得られる。
したがって、タンパク質の官能基Zが、ポリマー誘導体のアミノオキシ基と反応するのが好ましいアルデヒド基またはケト基である場合、本発明はまた、オキシムまたは環式アミノ結合によって連結化合物にそれぞれ共有的に結合するポリマーおよびタンパク質を含む上述の複合体に関する。
すべての考えられる2つのアミノオキシ基:H2N−O−を含むホモ二官能性化合物の間で、2つのアミノオキシ基が、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個および特に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する炭化水素残基によって分離されるのが好ましい。炭化水素残基が、1、2、3または4個などの1〜4個の炭素原子を有するのがより好ましい。炭化水素残基が、4個の炭素原子を有するのがより好ましい。炭化水素残基が、少なくとも1つのヘテロ原子、より好ましくは1つのヘテロ原子および最も好ましくは酸素原子を有するのがさらに好ましい。式:
Figure 2007501870
で示される化合物O−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンが特に好ましい。
したがって、本発明は、式:
Figure 2007501870
および/または
Figure 2007501870
で示される構造を有する上述の複合体に関する。
HAS'がHES'であるのが好ましい。特に好ましいヒドロキシエチルデンプンは、たとえば、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンなどである。
ポリマーの酸化されていない還元末端と連結化合物との反応は、特に、特に連結化合物が2つのアミノオキシ基:H2N−O−を含むホモ二官能性連結化合物である場合、水性系で行うのが好ましい。
本発明において用いる用語「水性系」は、関連する溶媒の重量に基づいて、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%または〜100重量%の範囲の水を含む溶媒または溶媒混合物を意味する。
別の具体例によれば、HAS、好ましくはHESが可溶性である少なくとも1つの別の溶媒を用いることができる。これらの溶媒の例は、たとえば、DMF、ジメチルアセトアミドまたはDMSOなどである。
反応に適用される温度に関しては、反応によって所望のポリマー誘導体が得られるならば、特に制限はない。
ポリマーが、2つのアミノオキシ基:H2N−O−、好ましくはO−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンを含むホモ二官能性連結化合物と反応する場合、温度は、好ましくは0〜45℃、より好ましくは4〜30℃および特に好ましくは15〜25℃である。
ポリマーと2つのアミノオキシ基:H2N−O−、好ましくはO−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンを含むホモ二官能性連結化合物との反応時間は、特定の必要性に適合させることができるが、一般に 1時間〜7日、好ましくは1時間〜3日およびより好ましくは2時間〜48時間である。
ポリマーと2つのアミノオキシ基:H2N−O−、好ましくはO−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンを含むホモ二官能性連結化合物との反応のためのpH値は、反応物の化学的性質などの特定の必要性に適合させることができる。pH値は、好ましくは4.5〜9.5、より好ましくは4.5〜6.5である。
上述の反応条件の特定の例は、たとえば、反応温度約25℃およびpH約5.5である。
反応混合物の適当なpH値は、少なくとも1つの適当な緩衝液を添加することによって調節することができる。好ましい緩衝液として、酢酸ナトリウム緩衝液リン酸塩またはホウ酸塩緩衝液が挙げられる。
ポリマーおよびそれに結合する二官能性連結化合物を含むポリマー誘導体が形成されると、少なくとも1つの適当な方法によって反応混合物から単離することができる。必要であれば、ポリマー誘導体を沈澱させた後に少なくとも1つの適当な方法によって単離することができる。
ポリマー誘導体をまず沈澱させる場合、たとえば、反応混合物中に存在する溶媒または溶媒混合物以外の少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物と反応混合物とを適当な温度にて接触させることが可能である。溶媒として水性媒体、好ましくは水を用いる本発明の特に好ましい具体例によれば、好ましくは−20〜+50℃および特に好ましくは−20〜25℃の温度にて、反応混合物を2−プロパノールと接触させる。
ポリマー誘導体の単離は、1つ以上のステップを含む適当な工程によって行うことができる。本発明の好ましい具体例によれば、第1に、遠心分離または濾過などの適当な方法によって、反応混合物または反応混合物と水性2−プロパノール混合物などとの混合物からポリマー誘導体を分離する。第2のステップでは、分離したポリマー誘導体を、透析、遠心濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処置に付す。さらに好ましい具体例によれば、分離されたポリマー誘導体を好ましくは水に対してまず透析し、次いで、反応生成物の所望の規格にしたがって該生成物の溶媒含量が十分に少なくなるまで凍結乾燥する。凍結乾燥は、20〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度にて行うことができる。
このように単離されたポリマー誘導体を、官能基Aを介して、アルデヒド基またはケト基であるタンパク質の官能基Zとさらに反応させる。ポリマーとタンパク質の間のオキシム結合を得るためにAがアミノオキシ基:H2N−O−である特に好ましい場合において、水性媒体、好ましくは水中で、0〜40℃、より好ましくは4〜25℃および特に好ましくは15〜25℃の温度にて反応を行うのが好ましい。反応媒体のpH値は、好ましくは4〜10、より好ましくは5〜9および特に好ましくは5〜7である。反応時間は、好ましくは1〜72時間、より好ましくは1〜48時間および特に好ましくは4〜24時間である。
この複合体を透析、遠心濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥などのさらなる処置に付してもよい。
本発明の別の具体例によれば、タンパク質の官能基Zはアミノ基である。したがって、本発明は、タンパク質の官能基Zがアミノ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明のさらに好ましい具体例によれば、アミノ基である官能基Zと反応する官能基Aは、反応性カルボキシ基である。したがって、本発明はまた、官能基Zがアミノ基であり、ポリマーまたはポリマー誘導体の官能基Aが反応性カルボキシ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明の第1の好ましい具体例によれば、反応性カルボキシ基は、ポリマーをその還元末端で選択的に酸化することによってポリマーに導入される。
したがって、反応性カルボキシ基が導入されるポリマーが、式(IIa):
Figure 2007501870
(IIa)
および/または式(IIb):
Figure 2007501870
(IIb)
で示される構造を有するのが好ましい。
式(I):
Figure 2007501870
(I)
で示されるポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの還元末端の酸化は、上述の構造式(IIa)および/または(IIb)を有する化合物が得られるそれぞれの方法または方法の組み合わせにしたがって行うことができる。
酸化は、ヒドロキシアルキルデンプンの酸化された還元末端が得られるすべての適当な方法(1種またはそれ以上)にしたがって行うことができるが、たとえば、DE 196 28 705 A1(各内容(実施例A、9蘭、6〜24行)は、参考文献として本発明に援用される)などに記載のアルカリヨウ素溶液を用いて行うのが好ましい。
その還元末端で選択的に酸化されるポリマーへの反応性カルボキシ基の導入は、すべての考えられる方法によって行うことができる。
酸化されたポリマーは、それ自体として、またはアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム塩などの塩として用いることができる。
本発明の好ましい方法によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端で、少なくとも1つのアルコール、好ましくは少なくとも1つの酸性アルコールと反応させる。25℃におけるpKA値が6〜12、より好ましくは7〜11である酸性アルコールがさらに好ましい。酸性アルコールの分子量は、好ましくは80〜500 g/mole、より好ましくは90〜300 g/moleおよび特に好ましくは100〜200 g/moleである。
適当な酸性アルコールは、酸性プロトンを有するすべてのアルコール:H−O−RAであり、酸化されたポリマーと反応して、好ましくは式:
Figure 2007501870
、さらにより好ましくは式:
Figure 2007501870
で示されるそれぞれの反応性ポリマーを得ることができる。
好ましいアルコールは、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である。N−ヒドロキシスクシンイミド類が特に好ましく、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドがより好ましい。すべてのアルコールは、単独または2つ以上の適当な組み合わせとして用いることができる。本発明に関して、たとえば、カルボン酸のジエステルの添加などによって、それぞれのアルコールを放出する化合物を用いることも可能である。
したがって、本発明はまた、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーが、酸化されたポリマーと酸性アルコール、好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドおよび/またはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドとの反応によって活性化される上述の方法および複合体に関する。
さらに好ましい本発明の具体例によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端で、少なくとも1つの炭酸ジエステル:RB−O−(C=O)−O−RC(ここで、RBおよびRCは同一または異なってよい)と反応させる。この方法により式:
Figure 2007501870
[式中、HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示される反応性ポリマーが得られるのが好ましい。
適当な炭酸ジエステル化合物として、アルコール成分が独立して、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である化合物を用いることができる。N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましく、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーが、酸化されたポリマーとN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートを反応させることによって活性化される上述の方法および複合体に関する。
好ましくは5:1〜50:1、より好ましくは8:1〜20:1の酸性アルコール:ポリマーのモル比で、好ましくは2〜40℃、より好ましくは10〜30℃および特に好ましくは15〜25℃の反応温度にて、酸性アルコールを酸化されたポリマーまたは酸化されたポリマーの塩と反応させる。反応時間は、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜5時間、より好ましくは2〜4時間および特に好ましくは2〜3時間である。
好ましくは1:1〜3:1、より好ましくは1:1〜1.5:1のジエステル化合物:ポリマーのモル比で、炭酸ジエステル化合物を酸化されたポリマーまたは酸化されたポリマーの塩と反応させる。反応時間は、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.2〜6時間、より好ましくは0.5〜2時間および特に好ましくは0.75〜1.25時間である。
本発明の好ましい具体例によれば、酸化されたポリマーと酸性アルコールおよび/または炭酸ジエステルとの反応を、少なくとも1つの非プロトン溶媒中、特に好ましくは含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である無水非プロトン溶媒中で行う。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。反応温度は、好ましくは2〜40℃、より好ましくは10〜30℃である。
酸化されたポリマーと少なくとも1つの酸性アルコールを反応させるために、少なくとも1つの追加の活性化剤を用いる。
特に適当な活性化剤は、カルボニルジイミダゾール、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドであり、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が特に好ましい。
したがって、本発明はまた、その還元末端で酸化されるポリマーを、追加の活性化剤の存在下で酸性アルコールと反応させて反応性ポリマーエステルを得る上述の方法および複合体に関する。
本発明の特に好ましい具体例によれば、酸化されたポリマーと炭酸ジエステルおよび/または酸性アルコールの反応は、水:反応混合物の体積比10:1で水を反応混合物に加えることによって決定される低塩基活性において行う。添加前に、本質的に緩衝液を含まない水の25℃におけるpH値は7である。混合物の添加後、pH値を測定することにより、反応混合物の塩基活性が得られ、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下および特に好ましくは7.5以下の値である。
本発明の好ましい具体例によれば、酸化されたポリマーを、水を含まない無水DMAおよびEDC中でN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させて、式:
Figure 2007501870
[式中、HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示されるポリマーN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを選択的に得る。
驚いたことに、この反応は、EDCとHESのOH基の反応から得られる副産物を生じず、驚いたことに、EDCおよび酸化されたポリマーによって形成されるO−アシルイソウレアのそれぞれのN-アシルウレアへの転位反応が抑制される。
本発明の別の好ましい具体例によれば、酸化されたポリマーを、無水DMF中、活性化剤の不在下でN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させて、式:
Figure 2007501870
[式中、HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示されるポリマーN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを選択的に得る。
上述の反応性ポリマーをさらに、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基と反応させて、アミド結合を得るのが好ましい。本発明の好ましい具体例によれば、反応性ポリマーをタンパク質の1つのアミノ基と反応させる。
したがって、本発明は、好ましくは式:
Figure 2007501870
で示される構造を有する複合体に関する。ここで、アミド結合のN原子は、タンパク質のアミノ基から誘導され、HAS'がHES'であるのがより好ましく、ヒドロキシエチルデンプが、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンであるのが好ましい。
反応性ポリマーとタンパク質の反応は、反応性ポリマーの調製品の反応混合物(すなわち、反応性ポリマーを単離することなく、少なくとも10、より好ましくは少なくとも30およびさらにより好ましくは少なくとも50重量%の反応性ポリマーを含む)とタンパク質の水性溶液とを合わせることによって行うことができる。好ましいタンパク質の水性溶液は、好ましくはpH 5.0〜9.0、より好ましくは6.0〜9.0および特に好ましくは7.5〜8.5にて、0.05〜10、より好ましくは0.5〜5および特に好ましくは0.5〜2重量%のタンパク質を含む。
本発明によれば、無水エタノール、イソプロパノールおよび/またはアセトンなどの少なくとも1つの適当な沈澱剤による少なくとも1回、好ましくは複数回の沈澱によって反応性ポリマーを精製して、少なくとも10、より好ましくは少なくとも30およびさらにより好ましくは少なくとも50重量%の反応性ポリマーを含む固体を得ることもできる。
精製された反応性ポリマーをタンパク質の水性溶液に加えてもよい。タンパク質の水性溶液に精製された反応性ポリマーの溶液を加えることもできる。
本発明の好ましい具体例によれば、アミド結合を得るための反応性ポリマーとタンパク質の反応を、2〜40℃、より好ましくは5〜35℃および特に好ましくは10〜30℃の温度にて、好ましくはpH 7.0〜9.0、好ましくは7.5〜9.0および特に好ましくは7.5〜8.5において、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間、さらにより好ましくは0.5〜72時間および特に好ましくは0.5〜1時間の反応時間で、好ましくは1:1〜70:1、より好ましくは5:1〜50:1および特に好ましくは10:1〜50:1の反応性ポリマー:タンパク質のモル比にて行うことができる。
本発明のもう1つの具体例によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端で、カルボニルジイミダゾールまたはカルボニルジベンズイミダゾールなどのアゾリドと反応させて、反応性カルボキシ基を有するポリマーを得る。カルボニルジイミダゾールの場合、式:
Figure 2007501870
[式中、HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示される反応性ポリマー誘導体が得られる。ポリマーとアゾリドの反応から得られるイミダゾリドを、タンパク質のアミノ基と選択的に反応させて、アミド結合を得ることができる。もし存在すればタンパク質のヒドロキシ基と反応させてエステル結合を得るか、またはタンパク質のチオ基と反応させてチオエステル結合を得るか、もし存在すればタンパク質のカルボキシ基と反応させて−(C=O)−O−(C=O)−結合を得ることも可能である。
本発明のもう1つの具体例によれば、ポリマーの選択的に酸化された還元末端と上述の化合物の1つ、好ましくは少なくとも1つの酸性アルコールおよび/または少なくとも1つの炭酸ジエステル化合物との反応から得られる反応性カルボキシ基Aを有するポリマーは、少なくとも1つのリンカー化合物を介して、タンパク質の官能基Zに結合することができる。リンカー化合物を用いる場合、該化合物は、ポリマー誘導体の官能基Aと反応することができる少なくとも1つの官能基F1およびタンパク質の官能基Zと反応することができる少なくとも1つの官能基F2またはタンパク質の官能基Zと反応するように化学的に修飾されることができる官能基F2を有する二官能性以上の化合物である。化学修飾は、たとえば、官能基F2とさらなるリンカー化合物の官能基F3の反応または適当な官能基F2の酸化もしくは還元などである。少なくとも1つのリンカー化合物を用いる場合、反応はタンパク質のアミノ基に限定されるのではなくて、リンカー化合物(1種またはそれ以上)の官能基の化学的性質に応じて、カルボキシ基、反応性カルボキシ基、アルデヒド基、ケト基、チオ基、アミノ基またはヒドロキシ基などのタンパク質の適当な官能基それぞれとの結合を形成するために用いられる。2つのリンカー化合物を用いる場合、アミノ基、チオ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基などの、ポリマーの反応性カルボキシ基Aと反応することができる少なくとも1つの官能基F1を有する第1のリンカー化合物を用いる。さらに、第1のリンカー化合物は、第2のリンカー化合物の少なくとも1つの官能基F3と反応することができる少なくとも1つの他の官能基F2を有する。官能基F2として、特に、以下の官能基が挙げられる:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノアルコール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
ここで、F3は、上述の基の1つと化学結合を形成することができる基であり、上述の基から選ばれるのが好ましい。さらに、第2のリンカー化合物は、たとえば、アミノ基、チオ基、カルボキシ基、反応性カルボキシ基、アルデヒド基、ケト基またはヒドロキシ基などのタンパク質の官能基Zと反応することができる少なくとも1つの官能基を有する。1つのリンキング化合物をポリマーおよびタンパク質を共有的に結合するのに用いる場合、ポリマーがリンキング化合物と反応することができ、得られるポリマー誘導体がタンパク質と反応するか、またはタンパク質がリンキング化合物と反応することができ、得られるタンパク質誘導体がポリマーと反応する。2つのリンキング化合物L1およびL2を用いる場合、ポリマーをL1と結合させ、得られるポリマー誘導体をL2と反応させることができ、かつ得られるポリマー誘導体をタンパク質と反応させることができるか、またはタンパク質をL2と反応させ、得られるタンパク質誘導体をL1と反応させることができ、かつ得られるタンパク質誘導体をポリマーと反応させることができる。ポリマーをL1と反応させ、タンパク質をL2と反応させ、ポリマー誘導体をタンパク質誘導体と反応させることもできる。さらに、L1をL2と反応させ、得られる化合物をポリマーと反応させ、得られるポリマー誘導体をタンパク質と反応させることができる。さらに、L1をL2と反応させ、得られる化合物をタンパク質と反応させ、得られるポリマー誘導体をポリマーと反応させることができる。
ポリマーへの反応性カルボキシ基の導入に関する本発明の第2の好ましい具体例によれば、ポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基をカルボン酸ジエステルと反応させることによって、反応性カルボキシ基を還元末端が酸化されないポリマーに導入する。
したがって、本発明はまた、Aが反応性カルボキシ基であり、ポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を少なくとも1つのカルボン酸ジエステル:RB−O−(C=O)−O−RC(ここで、RBおよびRCは同一または異なってよい)と反応させることによって、Aを還元末端が酸化されないポリマーに導入する上述の方法および複合体に関する。
本発明のもう1つの具体例によれば、還元末端が酸化されないポリマーを少なくとも1つのヒドロキシ基にてカルボニルジイミダゾール、カルボニル−ジ−(1,2,4−トリアゾール)またはカルボニルジベンズイミダゾールなどのアゾリドと反応させて、反応性カルボキシ基を有するポリマーを得る。
適当な炭酸ジエステル化合物として、アルコール成分が独立して、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である化合物を用いることができる。
対称カルボン酸ジエステル化合物、したがって、RBおよびRCが同一である化合物が特に好ましい。カルボン酸ジエステルのアルコール成分が、N−ヒドロキシスクシンイミド、スルホン化N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールならびにニトロ−およびハロゲン−置換フェノールから選ばれるのが好ましい。特に、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノールおよびペンタフルオロフェノールが好ましい。N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましく、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの少なくとも1つのヒドロキシ基、好ましくは少なくとも2つのヒドロキシ基をカルボン酸ジエステル化合物と反応させて、それぞれの反応性エステルを得る、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体、好ましくはヒドロキシエチルデンプン誘導体およびその製造方法に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、還元末端が酸化されないポリマーと少なくとも1つのカルボン酸ジエステル化合物の反応を、2〜40℃、より好ましくは10〜30℃および特に好ましくは15〜25℃の温度にて、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間および特に好ましくは2〜3時間の反応時間で行う。
カルボン酸ジエステルおよび/またはアゾリド、好ましくはカルボン酸ジエステル化合物:ポリマーのモル比はは、反応しないポリマーに存在するヒドロキシ基の数と比較した、カルボン酸ジエステル化合物と反応するヒドロキシ基の数という点でのポリマーの置換の度合いに従属する。
本発明の1つの好ましい具体例によれば、カルボン酸ジエステル化合物:無水グルコース単位のモル比は、1:2〜1:1000、より好ましくは1:3〜1:100および特に好ましくは1:10〜1:50であり、0.5〜0.001、好ましくは0.33〜0.01および特に好ましくは0.1〜0.02の置換度が得られる。置換度は、紫外線分光法によって決定される。
本発明の好ましい具体例によれば、還元末端が酸化されないポリマーとカルボン酸ジエステルの反応を、少なくとも1つの適当な溶媒中、特に好ましくは含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の無水非プロトン溶媒中で行う。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
したがって、本発明はまた、反応性エステル基Aを得るための、その還元末端が酸化されないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基とカルボン酸ジエステルの反応を、無水非プロトン溶媒中、好ましくはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはその混合物中で行う上述の方法および複合体に関する。
少なくとも1つのアミド結合、好ましくは少なくとも2つのアミド結合を得るための、少なくとも1つの反応性エステル基、好ましくは少なくとも2つの反応性エステル基を含む反応性ポリマーとタンパク質の反応を、反応性ポリマーの調製品の反応混合物(すなわち、反応性ポリマーを単離することなく、少なくとも5、より好ましくは少なくとも10およびさらにより好ましくは少なくとも15重量%の反応性ポリマーを含む)とタンパク質の水性溶液とを合わせることによって行う。好ましいタンパク質の水性溶液は、好ましくはpH7.0〜9、より好ましくは7.5〜9および特に好ましくは7.5〜8.5にて、0.05〜10、より好ましくは0.5〜5および特に好ましくは0.5〜2重量%のタンパク質を含む。
本発明によれば、無水エタノール、イソプロパノールおよび/またはアセトンなどの少なくとも1つの適当な沈澱剤による少なくとも1回、好ましくは複数回の沈澱によって反応性ポリマーを精製して、少なくとも20、より好ましくは少なくとも50およびさらにより好ましくは少なくとも80重量%の反応性ポリマーを含む固体を得ることもできる。
精製された反応性ポリマーをタンパク質の水性溶液に加えてもよい。タンパク質の水性溶液に精製された反応性ポリマーの溶液を加えることもできる。
本発明の好ましい具体例によれば、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのアミド結合を得るための反応性ポリマーとタンパク質の反応を、2〜40℃、より好ましくは5〜35℃および特に好ましくは10〜30℃の温度にて、好ましくはpH 7.5〜9.5、好ましくは7.5〜9および特に好ましくは7.5〜8.5において、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間および特に好ましくは0.5〜1時間の反応時間で、好ましくは1:1〜70:1、より好ましくは5:1〜50:1および特に好ましくは10:1〜50:1の反応性ポリマー:タンパク質のモル比にて行うことができる。
本発明の好ましい具体例によれば、タンパク質分子がアミド結合を介してポリマーに結合するオリゴまたはマルチタンパク質置換ポリマーが得られる。
本発明において用いるタンパク質分子の置換度(PDS)は、HAS、好ましくはHESに含まれるすべてのグルコース部分に対するタンパク質に結合したグルコース部分の割合を意味する。
PDSは、0.001〜1、好ましくは0.005〜0.5、より好ましくは0.005〜0.2である。
本発明のもう1つの具体例によれば、ポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基と上述の化合物の1つ、好ましくは少なくとも1つの炭酸ジエステル化合物との反応から得られる反応性カルボキシ基Aを有するポリマーは、少なくとも1つのリンカー化合物を介して、タンパク質の官能基Zに結合することができる。リンカー化合物を用いる場合、該化合物は、ポリマー誘導体の官能基Aと反応することができる少なくとも1つの官能基F1およびタンパク質の官能基Zと反応することができる少なくとも1つの官能基F2またはタンパク質の官能基Zと反応するように化学的に修飾されることができる官能基F2を有する二官能性以上の化合物である。化学修飾は、たとえば、官能基F2とさらなるリンカー化合物の官能基F3の反応または適当な官能基F2の酸化もしくは還元などである。少なくとも1つのリンカー化合物を用いる場合、反応はタンパク質のアミノ基に限定されるのではなくて、リンカー化合物(1種またはそれ以上)の官能基の化学的性質に応じて、カルボキシ基、反応性カルボキシ基、アルデヒド基、ケト基、チオ基、アミノ基またはヒドロキシ基などのタンパク質の適当な官能基それぞれとの結合を形成するために用いられる。2つのリンカー化合物を用いる場合、アミノ基、チオ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基などの、ポリマーの反応性カルボキシ基Aと反応することができる少なくとも1つの官能基F1を有する第1のリンカー化合物を用いる。さらに、第1のリンカー化合物は、第2のリンカー化合物の少なくとも1つの官能基F3と反応することができる少なくとも1つの他の官能基F2を有する。官能基F2として、特に、以下の官能基が挙げられる:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノアルコール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
ここで、F3は、上述の基の1つと化学結合を形成することができる基であり、上述の基から選ばれるのが好ましい。さらに、第2のリンカー化合物は、たとえば、アミノ基、チオ基、カルボキシ基、反応性カルボキシ基、アルデヒド基、ケト基またはヒドロキシ基などのタンパク質の官能基Zと反応することができる少なくとも1つの官能基を有する。1つのリンキング化合物をポリマーおよびタンパク質を共有的に結合するのに用いる場合、ポリマーがリンキング化合物と反応することができ、得られるポリマー誘導体がタンパク質と反応するか、またはタンパク質がリンキング化合物と反応することができ、得られるタンパク質誘導体がポリマーと反応する。2つのリンキング化合物L1およびL2を用いる場合、ポリマーをL1と結合させ、得られるポリマー誘導体をL2と反応させることができ、かつ得られるポリマー誘導体をタンパク質と反応させることができるか、またはタンパク質をL2と反応させ、得られるタンパク質誘導体をL1と反応させることができ、かつ得られるタンパク質誘導体をポリマーと反応させることができる。ポリマーをL1と反応させ、タンパク質をL2と反応させ、ポリマー誘導体をタンパク質誘導体と反応させることもできる。さらに、L1をL2と反応させ、得られる化合物をポリマーと反応させ、得られるポリマー誘導体をタンパク質と反応させることができる。さらに、L1をL2と反応させ、得られる化合物をタンパク質と反応させ、得られるポリマー誘導体をポリマーと反応させることができる。
本発明の特に好ましい具体例によれば、タンパク質の官能基Zがアミノ基であり、ポリマーまたはその誘導体の官能基Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である。特に好ましい具体例によれば、官能基Zおよび官能基Aは、還元的アミノ化反応を介して反応する。
ポリマーまたはポリマー誘導体が少なくとも1つのアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を介してタンパク質の少なくとも1つのアミノ基に共有的に結合する本発明の還元的アミノ化反応を、0〜40℃、より好ましくは0〜25℃および特に好ましくは4〜21℃の温度にて行うのが好ましい。反応時間は、好ましくは0.5〜72時間、より好ましくは2〜48時間および特に好ましくは4〜7時間である。反応のための溶媒として、水性媒体が好ましい。
したがって、本発明はまた、4〜21℃の温度にて還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、水性媒体中で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって本発明はまた、水性媒体中で4〜21℃の温度にて還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
本発明において用いる用語「水性媒体」は、関連する溶媒の重量に基づいて、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%または〜100重量%の水を含む溶媒または溶媒混合物に関する。好ましい反応媒体は水である。
反応媒体のpH値は一般に、4〜9または4〜8または4〜7.3である。
本発明の好ましい具体例によれば、還元的アミノ化反応を行うpHは、7.3以下、より好ましくは7以下および最も好ましくは7未満、すなわち酸性の範囲である。したがって、好ましい範囲は、3〜7未満、より好ましくは3.5〜6.5、なおより好ましくは4〜6、さらにより好ましくは4.5〜5.5および特に好ましくは約5.0、すなわち、4.6または4.7または4.8または4.9または5.0または5.1または5.2または5.3または5.4である。特に好ましい範囲は、3〜6.9または3〜6.5または3〜6または3〜5.5または3〜5または3〜4.5または3〜4または3〜3.5または3.5〜6.9または3.5〜6.5または3.5〜6または3.5〜5.5または3.5〜5または3.5〜4.5または3。5〜4または4〜6.9または4〜6.5または4〜6または4〜5.5または4〜5または4〜4.5または4.5〜6.9または4.5〜6.5または4.5〜6または4.5〜5.5または4.5〜5または5〜6.9または5〜6.5または5〜6または5〜5.5または5.5〜6.9または5.5〜6.5または5.5〜6または6〜6.9または6〜6.5または6.5〜6.9である。
したがって、本発明はまた、pH7または7未満、好ましくはpH6または6未満で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、pH7または7未満、好ましくはpH6または6未満で、4〜21℃の温度にて還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、水性媒体中、pH7または7未満、好ましくはpH6または6未満で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、水性媒体中、pH7または7未満、好ましくはpH6または6未満で、4〜21℃の温度にて還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
反応に用いるポリマー誘導体:タンパク質のモル比は、好ましくは200:1〜5:1、より好ましくは100:1〜10:1および特に好ましくは75:1〜20:1である。
驚いたことに、特に上記好ましいpH範囲にて、特にpH7未満およびpH4以上にてポリマー誘導体をタンパク質のN末端に位置するアミノ基と優勢的に反応させることができることがわかった。本発明において用いる用語「優勢的」は、利用しうるN末端アミノ基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%が還元的アミノ化を介して反応する具体例に関する。利用しうるN末端アミノ基の少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも96%または少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%を反応させることができる。N末端アミノ基以外のアミノ基への結合を完全に除外することはできなかったが、pH7未満、好ましくは6未満での本発明の還元的アミノ化を介する結合は、本質的に選択的にN末端アミノ基で起こったと思われる。
したがって、本発明はまた、タンパク質がN末端アミノ基および少なくとも1つのアミノ基を含み、複合体がN末端アミノ基に優勢的に結合しているポリマーを含む上述の方法および複合体に関する。
好ましい具体例によれば、本発明は、アルデヒドまたはケトまたはヘミアセタール官能化ヒドロキシアルキルデンプンまたはアルデヒドまたはケトまたはヘミアセタール官能化ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、タンパク質のN末端アミノ基に優勢的に結合する方法に関し、該方法は、該ヒドロキシアルキルデンプンまたはその誘導体を、pH7未満、好ましくは6未満で、好ましくは水性媒体中で行う還元的アミノ化反応に付すことを含む。
本発明によれば、アルデヒド官能化ヒドロキシアルキルデンプンまたはアルデヒド官能化ヒドロキシアルキルデンプン誘導体が好ましい。
さらに好ましい具体例によれば、本発明は、アルデヒドまたはケトまたはヘミアセタール官能化ヒドロキシエチルデンプンまたはアルデヒドまたはケトまたはヘミアセタール官能化ヒドロキシエチルデンプン誘導体を、タンパク質のN末端アミノ基に優勢的に結合する方法に関し、該方法は、pH7未満、好ましくは6未満で、好ましくは水性媒体中で行う還元的アミノ化反応に付すことを含み、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンを用いるのが好ましい。
アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基とアミノ基の間のポリマー誘導体とタンパク質の反応は、シッフ塩基が製造される還元的アミノ化である。反応の後に続いて、少なくとも1つの還元剤によってこの塩基が還元されて、ポリマー誘導体とタンパク質の間の安定な結合が得られる。少なくとも1つの還元剤の存在下で反応を行うこともできる。好ましい具体例によれば、還元的アミノ化反を少なくとも1つの還元剤の存在下で反応を行う。
好ましい還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、4−(ジメチルアミン)ピリジンボラン錯体、N−エチルジイソプロピルアミンボラン錯体、N−エチルモルホリンボラン錯体、N−メチルモルホリンボラン錯体、N−フェニルモルホリンボラン錯体、ルチジンボラン錯体、トリエチルアミンボラン錯体またはトリメチルアミンボラン錯体などの有機ボラン錯体化合物である。シアノ水素化ホウ素ナトリウムが特に好ましい。
したがって、本発明はまた、NaCNBH3の存在下で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、水性媒体中、pH7以下、好ましくは6以下で、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、温度4〜21℃にて、水性媒体中、pH7以下、好ましくは6以下で、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で還元的アミノ化を行う上述の方法および複合体に関する。
反応に用いるポリマー誘導体:タンパク質のモル比は、好ましくは200:1〜10:1、より好ましくは100:1〜10:1および特に好ましくは75:1〜20:1である。
したがって、本発明はまた、水性媒体中、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で、アルデヒド基を含むポリマーまたはポリマー誘導体をタンパク質のアミノ基と反応させることを含む、複合体の製造方法に関する。
本発明の第1の好ましい具体例によれば、ポリマーは、開環酸化反応によってポリマー中に導入される少なくとも2つのアルデヒド基を含み、好ましくは少なくとも1つの式:
Figure 2007501870
で示される構造を含む。
本発明の具体例によれば、ポリマーの少なくとも1つの糖環を酸化することができる酸化剤または酸化剤の組み合わせのそれぞれを用いて、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのアルデヒド基を有する開いた糖環を得ることができる。酸化されて、2つのアルデヒド基を有する開環が得られるポリマーの糖環を示す以下の反応工程式によって、この反応を説明する。
Figure 2007501870
特に、適当な酸化剤は、過ヨウ素酸アルカリ金属または2つ以上のその混合物などの過ヨウ素酸塩であり、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウムが好ましい。
したがって、本発明はまた、ポリマーを、過ヨウ素酸塩を用いる開環酸化反応に付して、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのアルデヒド基を有するポリマー誘導体を得る上述の方法および複合体に関する。
この酸化反応のために、酸化されたか、または酸化されていないいずれかのその還元末端でポリマーを用いることができ、酸化されていない形体が好ましい。
したがって、酸化されていない形体のその還元末端でポリマーを用いる本発明はまた、上述の方法および複合体に関する。
反応温度は、好ましくは0〜40℃、より好ましくは0〜25℃および特に好ましくは0〜5℃である。反応時間は、好ましくは1分〜5時間および特に好ましくは10分〜4時間である。所望の酸化の度合い、すなわち、酸化反応から得られるアルデヒド基の数に応じて、過ヨウ素酸塩:ポリマーのモル比を適切に選択することができる。
したがって、本発明はまた、0〜5℃の温度にて開環酸化反応を行う上述の方法および複合体に関する。
過ヨウ素酸塩によるポリマーの酸化反応は、水性媒体中で行うのが好ましく、水中が最も好ましい。
したがって、本発明はまた、水性媒体中で開環酸化反応を行う上述の方法および複合体に関する。反応混合物の適当なpH値は、少なくとも1つの適当な緩衝液を添加することによって調節することができる。好ましい緩衝液として、酢酸ナトリウム緩衝液、リン酸塩またはホウ酸塩緩衝液が挙げられる。
上記開環酸化反応に付すヒドロキシエチルデンプンは、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンが好ましい。
少なくとも1つの適当な方法によって、得られるポリマー誘導体を反応混合物から精製することができる。必要であれば、少なくとも1つの適当な方法によって、単離前にポリマー誘導体を沈澱させてもよい。
最初にポリマー誘導体を沈澱させるならば、たとえば、適当な温度にて、反応混合物中に存在する溶媒または溶媒混合物以外の少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物と反応混合物を接触させることが可能である。水性媒体、好ましくは水を溶媒として用いる本発明の特に好ましい具体例によれば、好ましくは−20〜+50℃および特に好ましくは−20〜25℃の温度にて、化合物と等しい体積を示す2−プロパノールまたはアセトンとエタノールの混合物、好ましくは1:1(v/v)混合物と反応混合物を接触させる。
1つ以上のステップを含む適当な方法によって、ポリマー誘導体の単離を行ってもよい。本発明の好ましい具体例によれば、遠心分離または濾過などの適当な方法によって、反応混合物から、または反応混合物とたとえば水性2−プロパノール混合物との混合物から、ポリマー誘導体を第一に分離する。第2のステップにおいて、透析、遠心分離濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処理に分離されたポリマー誘導体を付す。さらにより好ましい具体例によれば、分離されたポリマー誘導体を、好ましくは水に対して最初に透析し、次いで、生成物の所望の規格にしたがって反応生成物の溶媒含量が十分に低くなるまで凍結乾燥する。凍結乾燥は、20〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度にて行うことができる。
好ましい具体例によれば、たとえば、望ましくない低分子量塩を除去し、それによって酸化されたポリマーの分子量範囲をコントロールする手段をも提供するために、限外濾過および/または透析などの少なくとも1つの適当な方法を用いて、酸化反応から得られる酸化されたポリマーを精製する。
酸化されたポリマーをタンパク質との反応に直接用いることができるが、あるいは最初のステップにおいて、たとえば凍結乾燥によって、適当に回収し、第2のステップにおけるタンパク質との複合のために水に再溶解する。還元的アミノ化による、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基とポリマーの少なくとも1つのアルデヒド基との結合について、pHまたは温度などの還元的アミノ化反応の特定の反応パラメーターに関する上述の詳細な記載について述べる。
第2の好ましい具体例によれば、ポリマーと反応することができる少なくとも1つの官能基Mおよびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基であり、還元的アミノ化によってタンパク質のアミノ基と反応する少なくとも1つの官能基Qを含む二官能性以上の化合物とポリマーを反応させる。
酸化されたポリマーをタンパク質との反応に直接用いることができるが、あるいは最初のステップにおいて、たとえば凍結乾燥によって、適当に回収し、第2のステップにおけるタンパク質との複合のために水に再溶解する。還元的アミノ化による、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基とポリマーの少なくとも1つのアルデヒド基との結合について、pHまたは温度などの還元的アミノ化反応の特定の反応パラメーターに関する上述の詳細な記載について述べる。本発明の特に好ましい具体例によれば、温度0〜5℃(約4℃など)にて、pH約4.5〜5.5(約5.0など)で、反応時間約20〜30時間(約24時間など)の還元的アミノ化を行うのが好ましい。
第2の好ましい具体例によれば、ポリマーと反応することができる少なくとも1つの官能基Mおよびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基であり、還元的アミノ化によってタンパク質のアミノ基と反応する少なくとも1つの官能基Qを含む二官能性以上の化合物とポリマーを反応させる。
アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基に加えて、少なくとも1つのカルボキシ基または少なくとも1つの反応性カルボキシ基、好ましくは1つのカルボキシ基または1つの反応性カルボキシ基を有する化合物を用いるのが好ましい。アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基およびカルボキシ基または反応性カルボキシ基はいずれかの適当なスペーサーによって分離することもできる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基である。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は、一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基は、たとえば5〜7個の炭素原子を有する必要に応じて分枝鎖したアルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基であるか、またはアラルキル基、アルカリール基(ここで、アルキル部分は直鎖および/または環式アルキル基である)であってよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、5〜7個および好ましくは6個の炭素原子を有するアリール残基である。炭化水素残基がベンゼン残基であるのが最も好ましい。この好ましい具体例によれば、カルボキシ基およびアルデヒド基は、1,4−位、1,3−位または1,2−位においてベンゼン環に位置することができ、1,4−位が好ましい。
反応性カルボキシ基として、反応性エステル、イソチオシアネートまたはイソシアネートが挙げられる。好ましい反応性エステルは、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類から誘導される。N−ヒドロキシスクシンイミド類が特に好ましく、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドがさらに好ましい。すべてのアルコールを、それ単独または2つ以上のアルコールの適当な組み合わせで用いることができる。反応性エステルとして、ペンタフルオロフェニルエステルおよびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルが、特に好ましい。
したがって、好ましい具体例によれば、本発明は、ポリマーをホルミル安息香酸と反応させる上述の方法および複合体に関する。
別の好ましい具体例によれば、本発明は、ポリマーをホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルと反応させる上述の方法および複合体に関する。
また別の好ましい具体例によれば、本発明は、ポリマーをホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させる上述の方法および複合体に関する。
また別の好ましい具体例によれば、本発明は、ポリマーを4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸と反応させる上述の方法および複合体に関する。
Mを有する化合物(Mは好ましくはカルボキシ基または反応性カルボキシ基であり、Qは好ましくはアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基である)との反応に付すヒドロキシエチルデンプンは、平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンが最も好ましい。平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンもまた反応に付すことができる。ヒドロキシアルキルデンプンが特に好ましく、 はヒドロキシエチルデンプンを酸化された形体においてその還元末端で用いるのが、さらにより好ましい。
アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を有する得られるポリマー誘導体を、次いで、還元的アミノ化を介してタンパク質のアミノ基と反応させる。還元的アミノ化による、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基とポリマーの少なくとも1つのアルデヒド基との結合について、pHまたは温度などの還元的アミノ化反応の特定の反応パラメーターに関する上述の詳細な記載について述べる。本発明の特に好ましい具体例によれば、タンパク質のアミノ基との反応を0〜40℃、より好ましくは4〜25℃および特に好ましくは4〜21℃の温度にて行うのが好ましい。反応時間は、好ましくは30分〜72時間、より好ましくは2〜48時間および特に好ましくは4〜17時間である。反応のための溶媒として、水性媒体が好ましい。反応媒体のpH値は、好ましくは4〜9、より好ましくは4〜8および特に好ましくは4.5〜5.5である。
第3の好ましい具体例によれば、ポリマーを、必要に応じて酸化されたその還元末端で、アミノ基Mおよび官能基Qを含む二官能性以上の化合物と反応させる;ここで、該アミノ基Mをポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応させ、官能基Qを化学的に修飾して、還元的アミノ化によってタンパク質のアミノ基と反応するアルデヒド官能化ポリマー誘導体を得る。
官能基Qとして、特に、以下の官能基が挙げられる:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
1,2−アミノアルコール;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
本発明の好ましい具体例によれば、用語「官能基Q」は、化学構造式:−NH−を含む官能基Qに関する。
本発明の1つの好ましい具体例によれば、官能基Mは、構造式:R'−NH−を有する基である;ここで、R'は水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基である;ここで、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、NH基に直接結合するか、または別の具体例によれば、酸素橋によってNH基に結合することができる。アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、適当に置換されてもよい。好ましい置換基として、F、ClまたはBrなどのハロゲンが挙げられる。特に好ましい残基R'は、水素、アルキルおよびアルコキシ基であり、水素ならびに非置換アルキルおよびアルコキシ基がより好ましい。
アルキルおよびアルコキシ基のうち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基が好ましい。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシ基がより好ましい。メチル、エチル、メトキシ、エトキシがより好ましく、メチルまたはメトキシがよりさらに好ましい。
本発明の別の好ましい具体例によれば、官能基Mは、構造式:R'−NH−R''−を有し、式中、R''は構造単位:−NH−および/または構造単位:−(C=G)−(ここで、GはOまたはS)および/または構造単位:−SO2−を含むのが好ましい。特別の官能基R''は、
Figure 2007501870
および
Figure 2007501870
(ここで、Gが2回存在する場合、独立して、OまたはSである)
から選ばれる。
したがって、本発明はまた、官能基Mが、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
から選ばれる上述の方法および複合体に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、官能基Qは、構造式:R'−NH−(ここで、R'は水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基である(ここで、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基は、直接NH基に結合するか、または別の具体例によれば、酸素橋によってNH基に結合してもよい))で示される基である。アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールもしくはシクロアルキルアリール残基は、適当に置換されてもよい。好ましい置換基として、F、ClまたはBrなどのハロゲンが挙げられる。特に好ましい残基R'は、水素、アルキルおよびアルコキシ基であり、水素および非置換アルキルおよびアルコキシ基がより好ましい。
アルキルおよびアルコキシ基では、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基が好ましい。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシ基がより好ましい。メチル、エチル、メトキシ、エトキシが特に好ましく、メチルまたはメトキシがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、R'が水素またはメチルまたはメトキシ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明の別の好ましい具体例によれば、官能基Qは、構造式:R'−NH−R''−で示され、式中、R''は、構造単位:−NH−および/または構造単位:−(C=G)−(ここで、GはOまたはS)および/または構造単位:−SO2−を含むのが好ましい。より好ましい具体例によれば、官能基R''は、
Figure 2007501870
および
Figure 2007501870
(ここで、Gが2回存在する場合、独立して、OまたはSである)
から選ばれる。
したがって、本発明はまた、官能基Qが、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
から選ばれる上述の方法および複合体に関する。
本発明の特に好ましい具体例によれば、官能基Qは、アミノ基:−NH2である。
本発明のさらに好ましい具体例によれば、MおよびQの両方がアミノ基:−NH−を含む。本発明の特に好ましい具体例によれば、MおよびQの両方がアミノ基:−NH2である。
本発明の好ましい具体例によれば、MおよびQを含む化合物は、ホモ二官能性化合物、より好ましくは、官能基MおよびQを含むホモ二官能性化合物であり、最も好ましくは、アミノ基:−NH2であり、あるいは他の具体例によれば、ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2または
Figure 2007501870
(ここで、GはOであるのが好ましい)
で示される基である。
MおよびQを含むこれらの化合物の特別の例は、
Figure 2007501870
または
Figure 2007501870
または
Figure 2007501870
である。
M(好ましくはアミノ基:−NH−、より好ましくはアミノ基:−NH2であり、さらにより好ましくはMおよびQの両方がアミノ基:−NH−を含み、特に好ましくはMおよびQの両方がアミノ基:−NH2を含む)を含む化合物との反応に付すヒドロキシエチルデンプンが、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンであるのが好ましい。平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンもまた反応に付すことができる。
MおよびQの両方がアミノ基:−NH2である場合、MおよびQをいずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であってもよい。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基が、必要に応じて、たとえば、5〜7個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基を含んでもよく、あるいはアルキル部分が直鎖および/または環式アルキル基であってもよいアラルキル基、アルカリール基であってもよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、1〜20個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子からなるアルキル鎖である。
したがって、本発明はまた、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパンまたは1,2−ジアミノエタンとポリマーを反応させてポリマー誘導体を得る上述の方法および複合体に関する。
MおよびQを含む二官能性以上の化合物とポリマーとの反応は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは4〜80℃および特に好ましくは20〜80℃の温度で行う;反応時間は、好ましくは4時間〜7日、より好ましくは10時間〜5日および特に好ましくは17〜4時間である。二官能性以上の化合物:ポリマーのモル比は、好ましくは10〜200、特に好ましくは50〜100である。
二官能性以上の化合物とポリマーとの反応のための溶媒として、含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒、特に好ましくは無水非プロトン溶媒が好ましい。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
二官能性以上の化合物とポリマーとの反応のための溶媒として、水性媒体を用いることもできる。好ましい具体例によれば、ポリマーおよび二官能性以上の化合物を含むポリマー誘導体を遊離官能基Qにて化学的に修飾して、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を含むポリマー誘導体を得る。この具体例によれば、ポリマー誘導体を、官能基Qおよびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基と反応することができる官能基を含む二官能性以上の化合物と反応させるのが好ましい。
二官能性以上の化合物として、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基およびポリマー誘導体の官能基Qとの結合を形成することができる少なくとも1つの官能基を有する各化合物が適当である。少なくとも1つの官能基は、官能基Qと同じ範囲から選ばれ、Qと反応することができるように選択される。Qがアミノ基:−NH2である好ましい場合、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基に加えて、少なくとも1つのカルボキシ基または少なくとも1つの反応性カルボキシ基、好ましくは1つのカルボキシ基または1つの反応性カルボキシ基を有する化合物を用いるのが好ましい。アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基およびカルボキシ基または反応性カルボキシ基はいずれかの適当なスペーサーによって分離することもできる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基である。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は、一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基は、たとえば5〜7個の炭素原子を有する必要に応じて分枝鎖したアルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基であるか、またはアラルキル基、アルカリール基(ここで、アルキル部分は直鎖および/または環式アルキル基である)であってよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、5〜7個および好ましくは6個の炭素原子を有するアリール残基である。炭化水素残基がベンゼン残基であるのが最も好ましい。この好ましい具体例によれば、カルボキシ基およびアルデヒド基は、1,4−位、1,3−位または1,2−位においてベンゼン環に位置することができ、1,4−位が好ましい。
反応性カルボキシ基として、反応性エステル、イソチオシアネートまたはイソシアネートが挙げられる。好ましい反応性エステルは、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類から誘導される。N−ヒドロキシスクシンイミド類が特に好ましく、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドがさらに好ましい。すべてのアルコールを、それ単独または2つ以上のアルコールの適当な組み合わせで用いることができる。反応性エステルとして、ペンタフルオロフェニルエステルおよびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルが、特に好ましい。
したがって、好ましい具体例によれば、本発明は、Q(ここでQはアミノ基:−NH2)を含むポリマーをホルミル安息香酸とさらに反応させる上述の方法および複合体に関する。
別の具体例によれば、本発明は、Q(ここでQはアミノ基)を含むポリマーをホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルとさらに反応させる上述の方法および複合体に関する。
また別の具体例によれば、本発明は、Q(ここでQはアミノ基)を含むポリマーをホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルとさらに反応させる上述の方法および複合体に関する。
また別の具体例によれば、本発明は、Q(ここでQはアミノ基)を含むポリマーを4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸とさらに反応させる上述の方法および複合体に関する。
アミノ基を含むポリマーの反応のための溶媒として、含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒、特に好ましくは無水非プロトン溶媒が好ましい。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
反応は、好ましくは0〜40℃、より好ましくは0〜25℃および特に好ましくは15〜25℃の温度にて、好ましくは0.5〜24時間および特に好ましくは1〜17時間の反応時間で行う。
好ましい具体例によれば、活性化剤の存在下で反応を行う。適当な活性化剤は、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドであり、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)が特に好ましい。
少なくとも1つの適当な方法によって、得られるポリマー誘導体を反応混合物から精製することができる。必要であれば、少なくとも1つの適当な方法によって、単離前にポリマー誘導体を沈澱させてもよい。
最初にポリマー誘導体を沈澱させるならば、たとえば、適当な温度にて、反応混合物中に存在する溶媒または溶媒混合物以外の少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物と反応混合物を接触させることが可能である。水性媒体、好ましくは水を溶媒として用いる本発明の特に好ましい具体例によれば、好ましくは−20〜+50℃および特に好ましくは−20〜25℃の温度にて、化合物と等しい体積を示す2−プロパノールまたはアセトンとエタノールの混合物、好ましくは1:1(v/v)混合物と反応混合物を接触させる。
1つ以上のステップを含む適当な方法によって、ポリマー誘導体の単離を行ってもよい。本発明の好ましい具体例によれば、遠心分離または濾過などの適当な方法によって、反応混合物から、または反応混合物とたとえば水性2−プロパノール混合物との混合物から、ポリマー誘導体を第一に分離する。第2のステップにおいて、透析、遠心分離濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処理に分離されたポリマー誘導体を付す。さらにより好ましい具体例によれば、分離されたポリマー誘導体を、好ましくは水に対して最初に透析し、次いで、生成物の所望の規格にしたがって反応生成物の溶媒含量が十分に低くなるまで凍結乾燥する。凍結乾燥は、20〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度にて行うことができる。
アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を有する得られるポリマー誘導体を、次いで、還元的アミノ化を介してタンパク質のアミノ基と反応させる。還元的アミノ化による、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基とポリマーの少なくとも1つのアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基との結合について、pHまたは温度などの還元的アミノ化反応の特定の反応パラメーターに関する上述の詳細な記載について述べる。本発明の特に好ましい具体例によれば、温度0〜10℃(1〜8℃など)または2〜6℃(約4℃など)にて、pH約4.5〜5.5(約5.0など)で還元的アミノ化を行う。反応時間は、約10〜20時間(12〜19時間など)または14〜18時間(約17時間など)または約20〜30時間(約24時間など)である。
したがって、上述の好ましい具体例によれば、ポリマーがその酸化された還元末端を介して反応する場合、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
で示される複合体に関する。
特に好ましい具体例によれば、上述のように、ポリマーは、ヒドロキシエチルデンプン、すなわち、HAS'はHES'であり、n=2、3または4、最も好ましくは4である。したがって、ポリマーがその酸化された還元末端を介して反応する場合、本発明はまた、
Figure 2007501870
で示される複合体に関する。
別の好ましい具体例によれば、ポリマーがその酸化された還元末端を介して反応する場合、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3または4、R4は独立して水素またはメトキシ基であり、およびR4 が水素の場合、m=0ならびにR4がメトキシの場合、m=1であり、HASは好ましくはHES'である]
で示される複合体に関する。
上述の各式において、タンパク質に結合した窒素は、アルデヒド基を介してポリマー誘導体に結合する。
官能基MおよびQがアミノ基:−NH2を含む上述の具体例に関し、Mがアミノ基:−NH2 であり、Qがベータヒドロキシアミノ基:−CH(OH)−CH2−NH2を含む、好ましくはQがベータヒドロキシアミノ基であることもできる。
したがって、本発明はまた、2つのアミノ基MおよびQを含む化合物のアミノ基Qが、ベータヒドロキシアミノ基:−CH(OH)−CH2−NH2である上述の方法および複合体に関する。
この場合、MおよびQをいずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であってもよい。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは1〜6個および特に好ましくは1〜2個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基が、必要に応じて、たとえば、5〜7個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基を含んでもよく、あるいはアルキル部分が直鎖および/または環式アルキル基であってもよいアラルキル基、アルカリール基であってもよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個および特に好ましくは1〜2個の炭素原子からなるアルキル鎖である。MおよびQがメチレン基であるのがさらになお好ましい。
したがって、本発明はまた、ポリマーを1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンと反応させる上述の方法および複合体に関する。
ポリマーをその酸化された還元末端を介して反応させる場合、ポリマー誘導体は、式:
Figure 2007501870
で示される。HAS'=HES'であるのが特に好ましい。
MおよびQを含む二官能性以上の化合物、特に好ましくは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンとポリマーとの反応は、好ましくは40〜120℃、より好ましくは40〜90℃および特に好ましくは60〜80℃の温度にて行う。反応時間は、好ましくは17〜168時間、より好ましくは17〜96時間および特に好ましくは48〜96時間である。二官能性以上の化合物:ポリマーのモル比は、好ましくは200:1〜10:1、特に好ましくは50:1〜100:1である。
二官能性以上の化合物とポリマーとの反応のための溶媒として、含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒、特に好ましくは無水非プロトン溶媒が好ましい。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
ポリマー誘導体のベータヒドロキシアミノ基Qは一般に、Qと反応することができる少なくとも1つの官能基およびさらにアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基である少なくとも1つの官能基またはアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基が得られるように修飾されうる官能基を含む二官能性以上の化合物と反応することができる。本発明の別の具体例によれば、化学的酸化によって、ベータヒドロキシアミノ基を直接化学的に修飾して、アルデヒド基を得る。
この酸化は、ベータヒドロキシアミノ基をアルデヒド基に変換することができるすべての適当な酸化剤により行うことができる。好ましい酸化剤は、過ヨウ素酸アルカリ金属などの過ヨウ素酸塩である。過ヨウ素酸ナトリウムが特に好ましく、水溶液で用いるのが好ましい。この溶液のヨウ素酸塩濃度は、好ましくは1〜50 mM、より好ましくは1〜25 mMおよび特に好ましくは1〜10 mMである。酸化は、0〜40℃、好ましくは0〜25℃および特に好ましくは4〜20℃の温度で行う。
少なくとも1つの適当な方法によって、得られるポリマー誘導体を反応混合物から精製することができる。必要であれば、少なくとも1つの適当な方法によって、単離前にポリマー誘導体を沈澱させてもよい。
最初にポリマー誘導体を沈澱させるならば、たとえば、適当な温度にて、反応混合物中に存在する溶媒または溶媒混合物以外の少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物と反応混合物を接触させることが可能である。水性媒体、好ましくは水を溶媒として用いる本発明の特に好ましい具体例によれば、好ましくは−20〜+50℃および特に好ましくは−20〜25℃の温度にて、化合物と等しい体積を示す2−プロパノールまたはアセトンとエタノールの混合物、好ましくは1:1(v/v)混合物と反応混合物を接触させる。
1つ以上のステップを含む適当な方法によって、ポリマー誘導体の単離を行ってもよい。本発明の好ましい具体例によれば、遠心分離または濾過などの適当な方法によって、反応混合物から、または反応混合物とたとえば水性2−プロパノール混合物との混合物から、ポリマー誘導体を第一に分離する。第2のステップにおいて、透析、遠心分離濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処理に分離されたポリマー誘導体を付す。さらにより好ましい具体例によれば、分離されたポリマー誘導体を、好ましくは水に対して最初に透析し、次いで、生成物の所望の規格にしたがって反応生成物の溶媒含量が十分に低くなるまで凍結乾燥する。凍結乾燥は、20〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度にて行うことができる。
したがって、本発明はまた、過ヨウ素酸塩を用いてベータヒドロキシアミノ基Qの酸化を行う上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、ポリマーの酸化された還元末端を用いる場合、ベータヒドロキシアミノ基を有するポリマー誘導体、特に好ましくは、式:
Figure 2007501870
で示されるポリマー誘導体および特にHAS'=HES'であるポリマー誘導体を、好ましくは過ヨウ素酸塩で酸化して、アルデヒド基を有するポリマー誘導体、特に好ましくは、式:
Figure 2007501870
で示されるポリマー誘導体および特にHAS'=HES'であるポリマー誘導体を得る、上述の複合体の製造方法に関する。
アルデヒド基Aをもつ得られるポリマー誘導体を続いてタンパク質と反応させる。したがって、本発明はまた、ポリマーの酸化された還元末端を用いる場合、ベータヒドロキシアミノ基を有するポリマー誘導体、特に好ましくは、式:
Figure 2007501870
で示されるポリマー誘導体および特にHAS'=HES'であるポリマー誘導体を、タンパク質のアミノ基と反応させることを含む、上述の複合体の製造方法に関する。
次いで、得られるアルデヒド基を有するポリマー誘導体を、還元的アミノ化を介して、タンパク質のアミノ基と反応させる。還元的アミノ化によるタンパク質の少なくとも1つのアミノ基とポリマーの少なくとも1つのアルデヒド基の結合に関しては、前記詳述の通りである。
したがって、上記好ましい具体例によれば、本発明はまた、ポリマーの酸化された還元末端を用いる場合、式:
Figure 2007501870
で示される複合体、特にHAS'=HES'である複合体に関する。上記式において、タンパク質のアミノ基に由来するタンパク質に結合する窒素が、ポリマー誘導体のアルデヒド基に結合する。
本発明のさらなる具体例によれば、最初にポリマーを適当な化合物と反応させて、少なくとも1つの反応性カルボキシ基を含む第1のポリマー誘導体を得る。次いで、第1のポリマー誘導体を、続いてのさらなる二官能性以上の化合物と反応させる;ここで、このさらなる化合物の少なくとも1つの官能基が、ポリマー誘導体の少なくとも1つの反応性カルボキシル基と反応し、およびさらなる化合物の少なくとも1つの他の官能基は、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基もしくはアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基が得られるように化学的に修飾されうる官能基であり;ここで、該アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を有する得られるポリマー誘導体は、上述したように還元的アミノ化を介して、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基と反応する。それぞれの化合物の反応の順序を互いに変更することもできる。
このさらなる具体例の第1の別法によれば、ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、次いで、式:
Figure 2007501870
(IIa)
で示されるラクトンおよび/または式:
Figure 2007501870
(IIb)
で示されるカルボン酸もしくはアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム塩といったようなカルボン酸の適当な塩である酸化されたポリマー(HAS'がHES'であるのが好ましい)を、適当な化合物と反応させて、少なくとも1つの反応性カルボキシ基有するポリマーを得ることによって、少なくとも1つの反応性カルボキシ基を有するポリマーを調製する。
上述の構造式(IIa)および/または(IIb)を有する化合物が得られる各方法またはその組み合わせにしたがって、ポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの酸化を行うことができる。
酸化は、ヒドロキシアルキルデンプンの酸化された還元末端が得られるすべての適当な方法(1種またはそれ以上)にしたがって行うことができるが、たとえば、DE 196 28 705 A1(各内容(実施例A、9蘭、6〜24行)は、参考文献として本発明に援用される)などに記載のアルカリヨウ素溶液を用いて行うのが好ましい。
その還元末端で選択的に酸化されるポリマーへの反応性カルボキシ基の導入は、すべての考えられる方法およびすべての適当な化合物によって行うことができる。
本発明の特別の方法によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端にて、少なくとも1つのアルコール、好ましくは少なくとも1つの、25℃におけるpKA値6〜12または7〜11を有する酸アルコールなどの酸アルコールと反応させる。酸アルコールの分子量は、90〜300 g/moleまたは100〜200 g/moleなどの80〜500 g/moleである。
適当な酸アルコールは、酸プロトンを有するすべてのアルコール:H−O−RAであり、酸化されたポリマーと反応して、好ましくは式:
Figure 2007501870
、より好ましくは式:
Figure 2007501870
で示されるそれぞれの反応性ポリマーエステルを得ることができる。
好ましいアルコールは、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である。N−ヒドロキシスクシンイミド類が特に好ましく、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドがさらに好ましい。すべてのアルコールを、それ単独または2つ以上のアルコールの適当な組み合わせで用いることができる。本発明に関連して、たとえば、炭酸のジエステルを加えることによってそれぞれのアルコールを放出する化合物を用いることもできる。
したがって、本発明はまた、酸化されたポリマーを、酸アルコール、好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドおよび/またはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させることによって、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを活性化する、上述の方法に関する。
本発明の好ましい具体例によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端で少なくとも1つのカルボン酸ジエステル:RB−O−(C=O)−O−RC(ここで、RBおよびRCは同一または異なってよい)と反応させる。この方法により、式:
Figure 2007501870
[式中、HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示される反応性ポリマーを得るのが好ましい。
適当な炭酸ジエステル化合物として、アルコール成分が独立して、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である化合物を用いることができる。N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましく、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、酸化されたポリマーを、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させることによって、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを活性化する、上述の方法に関する。
好ましくは5:1〜50:1、より好ましくは8:1〜20:1の酸性アルコール:ポリマーのモル比で、好ましくは2〜40℃、より好ましくは10〜30℃および特に好ましくは15〜25℃の反応温度にて、酸性アルコールを酸化されたポリマーまたは酸化されたポリマーの塩と反応させる。反応時間は、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜5時間、より好ましくは2〜4時間および特に好ましくは2〜3時間である。
一般に1:1〜1.5:1などの1:1〜3:1のジエステル化合物:ポリマーのモル比で、炭酸ジエステル化合物を酸化されたポリマーまたは酸化されたポリマーの塩と反応させる。反応時間は、一般に0.2〜6時間または0.5〜2時間または0.75〜1.25時間などの0.1〜12時間である。
本発明の好ましい具体例によれば、酸性アルコールおよび/または炭酸ジエステルと酸化されたポリマーとの反応を、無水非プロトン溶媒などの含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒中で行う。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。反応温度は、好ましくは2〜40℃、より好ましくは10〜30℃である。
酸化されたポリマーを少なくとも1つの酸性アルコールと反応させるために、少なくとも1つのさらなる活性化剤を用いる。
特に適当な活性化剤は、カルボニルジイミダゾール、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドであり、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が特に好ましい。
したがって、本発明はまた、その還元末端で酸化されるポリマーを、さらなる活性化剤の存在下で酸性アルコールと反応させて、反応性ポリマーエステルを得る上述の方法に関する。
本発明の1つの具体例によれば、酸化されたポリマーと炭酸ジエステルおよび/または酸性アルコールとの反応を、水:反応混合物の体積比10:1で反応混合物を水に加えることによって決定されうる低塩基活性にて行う。添加前、本質的に緩衝液を含まない水のpH値は、25℃にて7である。反応混合物を添加した後、pH値を測定すると、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下および特に好ましくは7.5以下の値を有する反応混合物の塩基活性が得られる。
本発明のもう1つの具体例によれば、酸化されたポリマーを、EDCを含む無水DMA中、水の不在下にて、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させて、式:
Figure 2007501870
[HAS'がHES'であるのがより好ましい]
で示されるポリマーN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを選択的に得る。
驚いたことに、この反応では、EDCとHESのOH基との反応から生じる副産物が生成されず、驚いたことに、EDCおよび酸化されたポリマーによって形成されたO−アシルイソウレアのそれぞれのN−アシルウレアへの転位反応が抑制される。
本発明の別の好ましい具体例によれば、酸化されたポリマーを、EDCを含む無水DMA中、水の不在下および活性化剤の不在下にて、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させて、式:
Figure 2007501870
[HAS'がHES'であるのがより好ましい]
で示されるポリマーN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを選択的に得る。
本発明の別の具体例によれば、その還元末端で選択的に酸化されるポリマーを、酸化された還元末端でカルボニルジイミダゾールまたはカルボニルジベンズイミダゾールなどのアゾリドと反応させて、反応性カルボキシ基を有するポリマーを得る。カルボニルジイミダゾールの場合、式:
Figure 2007501870
[HAS'がHES'であるのが好ましい]
で示される反応性イミダゾリドポリマー誘導体が得られる。
ポリマーへの少なくとも1つの反応性カルボキシ基の導入に関する本発明の前記のさらなる具体例の第2の別法によれば、ポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させることによって、反応性カルボキシ基を還元末端が酸化されないポリマーに導入する。
したがって、本発明はまた、ポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を少なくとも1つの炭酸ジエステル:RB−O−(C=O)−O−RC(ここで、RBおよびRCは同一または異なってよい)と反応させることによって、反応性カルボキシ基を還元末端が酸化されないポリマーに導入する方法および複合体に関する。
本発明の別の具体例によれば、還元末端が酸化されないポリマーを、少なくとも1つのヒドロキシ基でカルボニルジイミダゾール、カルボニル−ジ−(1,2,4−トリアゾール)またはカルボニルジベンズイミダゾールなどのアゾリドと反応させて、反応性カルボキシ基を有するポリマーを得る。
適当な炭酸ジエステル化合物として、アルコール成分が独立して、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなどのN−ヒドロキシスクシンイミド類、p−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o'−ジニトロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノールなどのトリクロロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノールなどのトリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノールなどの適当に置換されたフェノール類またはヒドロキシベンゾトリアゾールなどのヒドロキシアゾール類である化合物を用いることができる。
対称炭酸ジエステル化合物、したがって、RBおよびRCが同一である化合物が特に好ましい。炭酸ジエステルのアルコール成分が、N−ヒドロキシスクシンイミド、スルホン化N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールならびにニトロ−およびハロゲン−置換フェノールから選ばれるのが好ましい。特に、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノールおよびペンタフルオロフェノールが好ましい。N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましく、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートがさらに好ましい。N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましく、N,N'−ジスクシンイミジルカーボネートがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの少なくとも1つのヒドロキシ基、好ましくは少なくとも2つのヒドロキシ基を炭酸ジエステル化合物と反応させて、それぞれの反応性エステルを得る、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体、好ましくはヒドロキシエチルデンプン誘導体に関する。
本発明の1つの具体例によれば、還元末端が酸化されないポリマーと少なくとも1つの炭酸ジエステル化合物の反応を、温度2〜40℃、より好ましくは10〜30℃および特に好ましくは15〜25℃にて行う。反応時間は、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間および特に好ましくは2〜3時間である。
炭酸ジエステル化合物:ポリマーのモル比は、非置換ポリマーに存在するヒドロキシ基の数に対する炭酸ジエステル化合物と反応したヒドロキシ基の数に関するポリマーの置換度に従属ずる。
本発明の1つの具体例によれば、置換度0.5〜0.001、好ましくは0.33〜0.01および特に好ましくは0.1〜0.02を得るための炭酸ジエステル化合物:ポリマーのアンヒドログルコースユニットのモル比は、1:2〜1:1000、より好ましくは1:3〜1:100および特に好ましくは1:10〜1:50である。
本発明の1つの具体例によれば、含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒、特に好ましくは無水非プロトン溶媒中で、還元末端が酸化されていないポリマーと炭酸ジエステルとの反応を行う。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
したがって、本発明はまた、反応性カルボキシ基を得るための、還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基と炭酸ジエステルとの反応を、無水非プロトン性極性溶媒中で行う上述の方法に関し、溶媒は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはその混合物が好ましい。
ポリマーと上述の酸性アルコール、炭酸塩および/またはアゾリドとの反応から得られるのが好ましい、少なくとも1つの反応性カルボキシ基を含む反応性ポリマー誘導体を、さらなる二官能性以上の化合物とさらに反応させる;ここで、さらなる化合物の少なくとも1つの官能基F1をポリマー誘導体の少なくとも1つの反応性カルボキシ基と反応させる。さらなる化合物の少なくとも1つの官能基F1として、ポリマーの少なくとも1つの反応性カルボキシ基との反応が可能ならば、特別な限定は存在しない。好ましい官能基F1は、たとえば、アミノ基もしくはヒドロキシ基またはチオ基またはカルボキシ基である。
さらなる二官能性以上の化合物は、アルデヒド基である少なくとも1つの他の官能基F2または化学的に修飾されてアルデヒト基が得られる官能基F2を含む。化学的修飾は、たとえば、官能基F2とさらなるリンカー化合物の官能基F3との反応または適当な官能基F2の酸化もしくは還元などである。
F2をさらなる化合物の官能基F3と反応させる場合、官能基F2は、特に、以下から選ばれる:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノアルコール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
ここで、F3は、上述の基の1つと化学結合を形成することができる基であり、上述の基から選ばれるのが好ましい。さらに、第2のリンカー化合物は、たとえば、還元的アミノ化を介してタンパク質のアミノ基と反応することができる少なくとも1つのアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を有する。
ポリマーと反応する二官能性以上のリンキング化合物の官能基F1およびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基および/またはポリマーと反応する二官能性以上のリンキング化合物の官能基F1およびF2および/またはさらなる二官能性以上のリンキング化合物の官能基F3およびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基は、独立して、いずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式脂肪族もしくは芳香族炭化水素残基であってもよい。一般に、炭化水素残基は、60個以下、好ましくは40個以下、より好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個および特に好ましくは1〜2個のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子として、O個が好ましい。炭化水素残基は、必要に応じて、たとえば、5〜7個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基を含んでもよく、あるいはアルキル部分が直鎖および/または環式アルキル基であってもよいアラルキル基、アルカリール基であってもよい。
官能基F1およびF2を有する化合物の例は、たとえば、2〜20個の炭素原子を有する必要に応じて置換されたジアミノアルカン、特に好ましくは1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパンおよび1,4−ジアミノブタンである。官能基F3およびアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を有する化合物の好ましい例は、たとえば、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよび4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸である。
したがって、本発明はまた、ポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンをその必要に応じて酸化された還元末端で、酸性アルコール、炭酸ジエステルおよびアゾリドから選ばれる化合物と反応させて、少なくとも1つの反応性カルボキシ基を含むポリマー誘導体を得、該ポリマー誘導体を二官能性以上の化合物と反応させて、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基または化学的に修飾されてアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基が得られる官能基を含むポリマー誘導体を得、必要に応じて該官能基を化学的に修飾して、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を含むポリマー誘導体を得、次いで、還元的アミノ化を介して、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を含む該ポリマー誘導体をタンパク質のアミノ基と反応させることを含む、上述の複合体の製造方法に関する。
したがって、本発明はまた、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端で、酸性アルコール、炭酸ジエステルおよびアゾリドから選ばれる化合物と反応させて、少なくとも1つの反応性カルボキシ基を含むポリマー誘導体を得、該ポリマー誘導体を二官能性以上の化合物と反応させて、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基または化学的に修飾されてアルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基が得られる官能基を含むポリマー誘導体を得、必要に応じて該官能基を化学的に修飾して、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を含むポリマー誘導体を得、次いで、還元的アミノ化を介して、アルデヒド基またはケト基またはヘミアセタール基を含む該ポリマー誘導体をタンパク質のアミノ基と反応させることを含む、複合体の製造方法によって得ることができる、互いに共有的に結合するポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンおよびタンパク質を含む複合体に関する。
酸化されてアルデヒド基が得られる、官能基F1および官能基F2を有する化合物の特別の例は、たとえば、F1としてアミノ基およびF2としてベータヒドロキシアミノ基を有する化合物などである。特に好ましい例は、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンである。この酸化は、ベータヒドロキシアミノ基をアルデヒド基に変換することができるすべての適当な酸化剤を用いて行うことができる。好ましい酸化試薬は、過ヨウ素酸アルカリ金属などの過ヨウ素酸塩である。好ましくは水溶液として用いる過ヨウ素酸ナトリウムが特に好ましい。この溶液のヨウ素濃度は、好ましくは1〜50 mM、より好ましくは1〜25 mMおよび特に好ましくは1〜10 mMである。温度0〜40℃、好ましくは0〜25℃および特に好ましくは4〜20℃にて酸化を行う。
少なくとも1つの適当な方法によって、反応混合物から得られるポリマー誘導体を精製することができる。必要であれば、少なくとも1つの適当な方法によって、単離前にポリマー誘導体を沈澱させてもよい。
最初にポリマー誘導体を沈澱させるならば、たとえば、適当な温度にて、反応混合物中に存在する溶媒または溶媒混合物以外の少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物と反応混合物を接触させることが可能である。水性媒体、好ましくは水を溶媒として用いる本発明の特に好ましい具体例によれば、好ましくは−20〜+50℃および特に好ましくは−20〜25℃の温度にて、化合物と等しい体積を示す2−プロパノールまたはアセトンとエタノールの混合物、好ましくは1:1(v/v)混合物と反応混合物を接触させる。
1つ以上のステップを含む適当な方法によって、ポリマー誘導体の単離を行ってもよい。本発明の好ましい具体例によれば、遠心分離または濾過などの適当な方法によって、反応混合物から、または反応混合物とたとえば水性2−プロパノール混合物との混合物から、ポリマー誘導体を第一に分離する。第2のステップにおいて、透析、遠心分離濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処理に分離されたポリマー誘導体を付す。さらにより好ましい具体例によれば、分離されたポリマー誘導体を、好ましくは水に対して最初に透析し、次いで、生成物の所望の規格にしたがって反応生成物の溶媒含量が十分に低くなるまで凍結乾燥する。凍結乾燥は、20〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度にて行うことができる。
本発明の別の好ましい具体例によれば、ポリマーまたはポリマー誘導体の官能基Aと反応するタンパク質の官能基Zは、チオール基である。
チオール基は、このようにタンパク質において存在することができる。さらに、適当な方法にしたがって、チオール基をタンパク質に導入することができる。特に、化学的方法が挙げられる。もし、タンパク質にジスルフィド橋が存在するならば、−S−S−構造を還元して、チオール基にすることができる。一方は、アミノ基と反応することができ、他方は、SH基またはN−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオプロピオネートまたはN−スクシンイミジル−3−(ピリジルジチオ)プロピオネートといったようなSH基の前駆体である少なくとも2つの異なる官能基を有する化合物とポリペプチドとのアミノ基を介する反応によって、ポリペプチドに存在するアミノ基をSH基に変換することもできる。タンパク質へ追加のシステインを導入すること、システインへアミノ酸を交換すること、またはタンパク質中のもう1つのシステインがジスルフィド橋を形成することができないようにするために、タンパク質からシステインを除去することなどによるタンパク質の変更によって、SH基をタンパク質に導入することもできる。ポリマーをタンパク質の遊離のシステイン、特に好ましくは、Cys 17またはCys 18に結合するのが最も好ましく、Cys 17はたとえばグラノサイト(登録商標)に存在し、Cys 18はたとえばニューポジェン(登録商標)に存在する。
最初の具体例によれば、タンパク質の官能基Zはチオール基であり、ポリマーの官能基Aはハロゲンアセチル基であり、ここで、Aは、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端でそれぞれアミノ基を含む少なくとも2つの官能基を有する二官能性以上の化合物と反応させて、アミノ基を含む少なくとも1つの官能基を有するポリマー誘導体を得、次いで、ポリマー誘導体をモノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応させることによって導入される。
それぞれアミノ基を含む少なくとも2つの官能基を有する二官能性以上の化合物に関して、すべての化合物が、ポリマーと、その必要に応じて酸化された還元末端で反応して、モノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応することができるアミノ基を含むポリマー誘導体を得ることができると考えられる。
好ましい具体例によれば、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応している二官能性以上の化合物の1つの官能基は、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
から選ばれる。
本発明の特に好ましい具体例によれば、必要に応じて酸化された還元末端と反応している二官能性以上の化合物の官能基は、アミノ基:−NH2である。本発明のさらに好ましい具体例によれば、この官能基、最も好ましくはアミノ基を、ポリマーの酸化された還元末端と反応させる。
本発明の好ましい具体例によれば、モノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応している二官能性以上の化合物の官能基は、アミノ基:−NH2である。
ポリマーと、その必要に応じて酸化された還元末端、好ましくは酸化された還元末端で反応している、好ましくは両方がアミノ基:−NH2である二官能性以上の化合物の官能基およびモノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体を、いずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基である。特に適当な置換基は、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、ハロゲン、カルボニル、アシル、カルボキシ、カルボキシエステル、ヒドロキシ、チオ、アルコキシおよび/またはアルキルチオ基である。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は、一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基は、たとえば5〜7個の炭素原子を有する必要に応じて分枝鎖したアルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基であるか、またはアラルキル基、アルカリール基(ここで、アルキル部分は直鎖および/または環式アルキル基である)であってよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、炭素原子1〜20個、好ましくは2〜10個および特に好ましくは2〜8個のアルキル鎖である。したがって、好ましい二官能性以上の化合物は、二官能性アミノ化合物、特に好ましくは1,8−ジアミノオクタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパンおよび1,2−ジアミノエタンである。さらなる好ましい具体例によれば、二官能性以上の化合物は、ジアミノポリエチレングリコール、好ましくは式:
H2N−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−NH2[ここで、mは整数であり、mが1、2、3または4であるのが好ましい]
で示されるジアミノポリエチレングリコールである。
したがって、本発明はまた、ポリマーを、その酸化された還元末端で、1,8−ジアミノオクタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパンおよび1,2−ジアミノエタンと反応させて、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3、4、5、6、7または8であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示されるポリマー誘導体を得る上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、ポリマーを、その酸化された還元末端で、H2N−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−NH2[ここで、mは1、2、3または4である]と反応させて、式:
Figure 2007501870
[式中、m=1、2、3または4であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示されるポリマー誘導体を得る上述の方法および複合体に関する。
各方法または方法の組み合わせにしたがって、ポリマー、好ましくはヒドロキシエチルデンプンの還元末端の酸化を行うことができ、構造式(IIa)および/または(IIb):
Figure 2007501870
(IIa)
Figure 2007501870
(IIb)
で示される化合物が得られる。
酸化は、ヒドロキシアルキルデンプンの酸化された還元末端が得られるすべての適当な方法(1種またはそれ以上)にしたがって行うことができるが、たとえば、DE 196 28 705 A1(各内容(実施例A、9蘭、6〜24行)は、参考文献として本発明に援用される)などに記載のアルカリヨウ素溶液を用いて行うのが好ましい。
ポリマーと二官能性以上の化合物との反応から得られるポリマー誘導体を、モノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体とさらに反応させる。
モノハロゲン置換酢酸または反応性酸として、Cl置換、Br置換およびI置換酢酸が好ましく、酢酸塩化物が特に好ましい。
ハロゲン置換酸をこのように用いる場合、活性化剤の存在下で酸とポリマー誘導体を反応させるのが好ましい。特に適当な活性化剤は、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドであり、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が特に好ましい。
したがって、本発明はまた、ポリマー、好ましくはHESを、ジアミノ化合物、好ましくは炭素数2〜8個のジアミノアルカンまたはm=1、2、3または4のH2N−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−NH2と反応させ、活性化剤、好ましくはEDCの存在下、得られるポリマー誘導体をBr置換およびI置換酢酸と反応させる上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
[式中、X=Cl、BrまたはI、n=2、3、4、5、6、7または8であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示されるポリマー誘導体、または式:
Figure 2007501870
[式中、X=Cl、BrまたはI、m=1、2、3または4であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示されるポリマー誘導体に関する。
ポリマー誘導体とハロゲン置換酢酸と反応を、水性系、好ましくは水中で、pHを好ましくは3.5〜5.5、より好ましくは4.0〜5.0および特に好ましくは4.5〜5.0で;反応温度を好ましくは4〜30℃、より好ましくは15〜25℃および特に好ましくは20〜25℃にて;反応時間を好ましくは1〜8時間、より好ましくは2〜6時間および特に好ましくは3〜5時間で行うのが好ましい。
ポリマー、二官能性以上の化合物およびハロゲン置換酢酸を含むポリマー誘導体を含む反応混合物それ自体をタンパク質との反応に用いることができる。本発明の好ましい具体例によれば、好ましくは限外濾過、続いての沈澱、任意の洗浄および減圧乾燥によって、ポリマー誘導体を反応混合物から分離する。
ポリマー誘導体とタンパク質の反応を水性系で行うのが好ましい。
ポリマー誘導体とタンパク質の反応を、pHを好ましくは6.5〜8.5、より好ましくは7.0〜8.5および特に好ましくは7.5〜8.5で;反応温度を好ましくは4〜30℃、より好ましくは15〜25および特に好ましくは20〜25℃にて;反応時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜6時間および特に好ましくは2〜5時間で行うのが好ましい。
ポリマー誘導体とタンパク質のチオール基との反応により、ポリマー誘導体とタンパク質の間にチオエーテル結合が形成される。
したがって、本発明はまた、ポリマー、好ましくはHESを、ジアミノ化合物、好ましくは炭素数2〜8個のジアミノアルカンまたはm=1、2、3または4のH2N−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−NH2と反応させ、活性化剤、好ましくはEDCの存在下、得られるポリマー誘導体をBr置換およびI置換酢酸と反応させ、得られるポリマー誘導体をタンパク質のチオール基と反応させて、タンパク質とポリマー誘導体の間のチオエーテル結合を含む複合体を得る上述の方法および複合体に関する。
したがって、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3、4、5、6、7または8であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示される複合体、または式:
Figure 2007501870
[式中、m=1、2、3または4であり、ポリマーはHESであるのが特に好ましい]
で示される複合体に関する。ヒドロキシエチルデンプンが、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンであるのが好ましい。
第2の具体例によれば、タンパク質の官能基Zはチオール基であり、ポリマーの官能基Aはマレイミド基を含む。
この具体例によれば、複合体を製造する幾つかの可能性が存在する。一般に、ポリマーを、その酸化された還元末端で、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる1つの官能基およびマレイミド基を含むか、または化学的に修飾されてマレイミド基を含むポリマー誘導体が得られるかのいずれかである少なくとも1つの官能基を含む、二官能性以上の化合物と反応させる。好ましい具体例によれば、この官能基が化学的に修飾されてマレイミド基を含むポリマー誘導体が得られる。
したがって、本発明はまた、マレイミド基を含むポリマー誘導体をタンパク質のチオール基と反応させることによる上述の方法および複合体に関し、該方法は、ポリマーを、その必要に応じて酸化された還元末端で、必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基Uを含む二官能性以上の化合物と反応させることを含み、二官能性以上の化合物は化学的に修飾されてマレイミド基が得られる官能基Wをさらに含み、方法は、官能基Wを化学的に修飾してマレイミド基を得ることをさらに含む。
官能基Uに関して、各官能基は、ポリマーの必要に応じて酸化された還元末端と反応することができると考えられる。
本発明の好ましい具体例によれば、官能基Uは、化学構造式:−NH−を含む。
したがって、本発明はまた、官能基Uが構造式:−NH−を含む上述の方法および複合体に関する。
本発明の1つの好ましい具体例によれば、官能基Uは、構造式:R'−NH−(ここで、R'は水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基であり、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、NH基に直接結合するか、または別の具体例によれば、酸素橋によってNH基に結合する)を有する基である。アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アリールシクロアルキル、アルカリールまたはシクロアルキルアリール残基は、適当に置換されてもよい。好ましい置換基として、F、ClまたはBrなどのハロゲンが挙げられる。特に好ましい残基R'は水素、アルキルおよびアルコキシ基であり、水素および非置換アルキルおよびアルコキシ基がより好ましい。
アルキルおよびアルコキシ基のうち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基が好ましい。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシ基が、より好ましい。メチル、エチル、メトキシ、エトキシが特に好ましく、メチルまたはメトキシがさらに好ましい。
したがって、本発明はまた、R'が水素またはメチルまたはメトキシ基である上述の方法および複合体に関する。
本発明の別の好ましい具体例によれば、官能基Uは、構造式:R'−NH−R''−で示され、式中、R''は、構造単位:−NH−および/または構造単位:−(C=G)−(ここで、GはOまたはS)および/または構造単位:−SO2−を含むのが好ましい。より好ましい具体例によれば、官能基R''は、
Figure 2007501870
および
Figure 2007501870
(ここで、Gが2回存在する場合、独立して、OまたはSである)
から選ばれる。
したがって、本発明はまた、官能基Uが、
Figure 2007501870
(ここで、GはOまたはSであり、2回存在する場合、独立して、OまたはSであり、R'はメチルである)
から選ばれる上述の方法および複合体に関する。
本発明のいっそう好ましい具体例によれば、Uはアミノ基:−NH2である。
本発明の1つの具体例によれば、Wを含むポリマ誘導体を、Wと反応することができる官能基およびさらにマレイミド基を含むさらなる二官能性以上の化合物と反応させることによって、二官能性以上の化合物の官能基Wを化学的に修飾する。
官能基WおよびWと反応することができるさらなる二官能性以上の化合物の官能基に関して、特に、以下の官能基が挙げられる:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノアルコール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
ここで、Wおよびさらなる二官能性以上の化合物の官能基は、上述の基の1つと化学結合を形成することができる基である。
本発明のさらにより好ましい具体例によれば、Wはアミノ基:−NH2である。
本発明の好ましい具体例によれば、Wおよび他の官能基はともに、上記リストに挙げられる基である。
本発明の1つの具体例によれば、これらの官能基の1つは、チオ基である。この特定の場合、他の官能基が、
Figure 2007501870
(ここで、HalはCl、BrまたはIであり、BrまたはIが好ましい)
から選ばれるのが好ましい。
本発明の特に好ましい具体例によれば、これらの官能基の1つは、N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nは、ヘテロアリール化合物の一部であるか、またはペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物の一部である)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの反応性エステル、あるいは必要に応じて反応性エステルに変換されるカルボキシ基から選ばれる。この特定の場合、他の官能基は、化学構造式:−NH−を含む。
本発明の特に好ましい具体例によれば、Wは構造式:−NH−を含み、さらなる二官能性以上の化合物は反応性エステルおよびマレイミド基を含む。
構造式:−NH−を含む官能基Wとして、上述の官能基が挙げられ、ここで、WはUと同一または異なってよい。本発明の好ましい具体例によれば、UとWは同一である。UとWの両方がアミノ基を含むのがさらに好ましい。UとWの両方がアミノ基:−NH2を含むのが特に好ましい。
本発明の1つの具体例によれば、ポリマーを、水性媒体中、その酸化されていない還元末端で、UおよびWを含む二官能性以上の化合物と反応させることができる。UとWの両方がアミノ基である好ましい具体例によれば、含水量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の少なくとも1つの非プロトン溶媒、特に好ましくは無水非プロトン溶媒中で、酸化された還元末端ポリマーとポリマーを用いて反応を行う。特に適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。
特に、UとWの両方がアミノ基:−NH2である場合、UとWをいずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。特に、スペーサーは、必要に応じて置換された、直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基である。特に適当な置換基は、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、ハロゲン、カルボニル、アシル、カルボキシ、カルボキシエステル、ヒドロキシ、チオ、アルコキシおよび/またはアルキルチオ基である。一般に、炭化水素残基は、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。ヘテロ原子が存在する場合、分離基は、一般に、1〜20個、好ましくは1〜8個および特に好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む。炭化水素残基は、たとえば5〜7個の炭素原子を有する必要に応じて分枝鎖したアルキル鎖またはアリール基またはシクロアルキル基であるか、またはアラルキル基、アルカリール基(ここで、アルキル部分は直鎖および/または環式アルキル基である)であってよい。より好ましい具体例によれば、炭化水素残基は、炭素原子1〜20個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個および特に好ましくは2〜4個のアルキル鎖である。
したがって、本発明はまた、ポリマーを、その酸化された還元末端で、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパンまたは1,2−ジアミノエタンと反応させて、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3または4であり、ポリマーはHESであるのが好ましい]
で示されるポリマー誘導体を得る上述の方法および複合体に関する。
上述の好ましい具体例によれば、アミノ基を含むポリマー誘導体を、反応性エステル基およびマレイミド基を含む二官能性以上の化合物とさらに反応させる。反応性エステル基およびマレイミド基をいずれかの適当なスペーサーによって分離することができる。このスペーサーとして、官能基UとWの間のスペーサーが挙げられる。本発明の好ましい具体例によれば、1〜10個、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜個、より好ましくは1〜2個および特に好ましくは1個の炭素原子を有する炭化水素鎖によって、反応性エステル基およびマレイミド基を分離する。別のさらに好ましい具体例によれば、反応性エステルはスクシンイミドエステルであり、特に好ましい具体例によれば、マレイミド基および反応性エステル基を含む二官能性以上の化合物は、N−(α−マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステルである。
したがって、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3または4であり、ポリマーはHESであるのが好ましい]
で示されるポリマー誘導体に関する。
マレイミド基を含むポリマー誘導体をタンパク質のチオール基とさらに反応させて、チオエーテル基を介してタンパク質に結合するポリマー誘導体を得る。
したがって、本発明はまた、式:
Figure 2007501870
[式中、n=2、3または4であり、4が好ましく、ポリマーはHESであるのが好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーを含む複合体に関する。ここで、式中のS原子は、タンパク質のCys17またはCys18から誘導される。好ましいヒドロキシエチルデンプンは、たとえば、平均分子量約10 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約10 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約12 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約18 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.4を有するヒドロキシエチルデンプンまたは平均分子量約50 kDおよびDS約0.7を有するヒドロキシエチルデンプンである。
マレイミド基を含むポリマー誘導体とタンパク質のチオール基との反応を、緩衝水性系中、好ましくはpH5.5〜8.5、より好ましくは6〜8および特に好ましくは6.5〜7.5で、好ましくは反応温度0〜40℃、より好ましくは0〜25および特に好ましくは4〜21℃にて、好ましくは反応時間0.5〜24時間、より好ましくは1〜20時間および特に好ましい2〜17時間で行うのが好ましい。反応混合物の適当なpH値は、少なくとも1つの適当な緩衝液を加えることによって調節することができる。好ましい緩衝液のうち、好ましくは濃度0〜8 M、より好ましくは2〜8 Mおよび特に好ましくは4〜8 Mにて尿素を含む、および/または好ましくは濃度0〜1%(w/v)、より好ましくは0.4〜1%(w/v)および特に好ましくは0.8〜1%(w/v)にてSDSを含む酢酸ナトリウム緩衝液、リン酸塩またはホウ酸塩緩衝液が挙げられる。
複合体を、透析、遠心分離濾過または加圧濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、HPLC、MPLC、ゲル濾過および/または凍結乾燥といったような後処理などのさらなる処理に付すことができる。
したがって、本発明はまた、上述の方法によって得られる複合体に関する。
したがって、本発明はまた、Aが反応性カルボキシ基であり、Aがポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させることによってその還元末端が酸化されていないポリマーに導入された、1つのポリマー分子およびアミド結合を介してポリマーに結合した少なくとも1つ、特に1〜10個のタンパク質分子を含む、上述の方法によって得られる複合体に関する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
および/または
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;および
Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、N=C二重結合におけるオキシム結合の部分である炭水化物部分の炭素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、−L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である上述の複合体に関する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
および/または
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、N=C二重結合におけるオキシム結合の部分である炭水化物部分の炭素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
および/または
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、N=C二重結合におけるオキシム結合の部分である炭水化物部分の炭素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
上記の2つの構造は、架橋化合物がオキシム結合を介して、HESの末端サッカリドユニットが開口型で存在するHASの還元末端に結合する構造および架橋化合物がオキシアミノ基を介して、HESの末端サッカリドユニットが環式型で存在するHESの還元末端に結合するそれぞれの環式アミノ状態をもつ構造を表す。両方の構造は、互いに平衡状態で同時に存在することができる。
本発明はまた、−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
oは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である上述の複合体に関する。
本発明はまた、Ra、Rb、RcおよびRd が水素であり、m=2、n=1およびo=2である上述の複合体に関する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、アミド結合の部分であるアミノ基の窒素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
結合:−O−(C=O)−は、カルボキシ基または反応性カルボキシ基とHAS分子のヒドロキシ基との反応によって形成された]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、アミド結合の部分であるアミノ基の窒素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜2個および特に好ましくは1個の炭素原子を有し、特に、CH2が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、アミノメチル結合の部分であるアミノ基の窒素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
L1およびL2は独立して、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
Dは、結合であり、L1に結合した適当な官能基F2とL2に結合した適当な官能基F3によって形成された共有結合が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、アミノメチル結合の部分であるアミノ基の窒素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、−L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である上述の複合体に関する。
本発明はまた、L2が、必要に応じて適当に置換されたアリール部分、好ましくは6個の炭素原子を含むアリール部分、特に好ましくはL2がC6H4を含むか、または−L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4である)である上述の複合体に関する。
本発明はまた、F2が、以下から選ばれる上述の複合体に関する:
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
1,2−アミノアルコール;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:
Figure 2007501870

基:
Figure 2007501870
ここで、F3は、F2と化学結合を形成することができる官能基であり、好ましくは上記の基から選ばれ、F2が部分:−NH−を含むのが好ましく、アミノ基を含むのがより好ましく、F3が部分:−(C=G)−を含むのが好ましく、−(C=O)−がより好ましく、部分:−(C=G)−G−を含むのが好ましく、−(C=O)−G−がなおより好ましく、および−(C=O)−Oが特に好ましく、Dがアミド結合であるのが特に好ましい。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、部分:−CH2−NH−の炭素原子は、開環酸化反応によってポリマーに導入されたアルデヒド基から誘導される;HAS”は、開環酸化から得られ、タンパク質のアミノ基と反応するアルデヒド基なしのヒドロキシアルキルデンプン分子を意味する;窒素原子は、タンパク質のアミノ基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
上記式中で用いる略語「タンパク質’」は、アミド結合の部分であるアミノ基の窒素原子なしの反応に用いるG−CSF分子を意味する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
本発明はまた、−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
nは0;および
oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である上述の複合体に関する。
本発明はまた、ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
Figure 2007501870
[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
L1およびL2は独立して、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体に関する。
本発明はまた、−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
nは0;および
oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である上述の複合体に関する。
本発明はまた、ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプンである上述のいずれかの複合体に関する。
本発明はまた、ヒドロキシエチルデンプンの分子量が、2〜200 kD、好ましくは4〜130 kD、より好ましくは4〜70 kDである上述のいずれかの複合体に関する。
さらなる態様によれば、本発明は、ヒトまたは動物の身体の治療方法に用いるための、上述の方法によって得られる、上述の複合体または1つの複合体に関する。
さらに、本発明は、上述の方法によって得られる、治療有効量の上述の複合体または1つの複合体を含む医薬組成物に関する。
本発明において用いる用語「治療有効量」は、所定の身体状態および投与計画に対して治療効果を提供する量を意味する。経路による投与が好ましい。特別の経路の選択は、治療される身体状態に従属する。ポリソルベートなどの適当な担体、水などの適当な希釈剤および/またはソルビトールなどの適当な補助剤を含む製剤の一部として投与を行うのが好ましい。必要な量は、治療される身体状態の重篤度、患者の個々の反応、使用される投与方法などに応じて変化する。
したがって、好ましい具体例において、医薬組成物は、少なくとも1つの医薬的に許容しうる希釈剤、補助剤および/または担体をさらに含み、G−CSF療法に有用なものが特に好ましい。
造血機能および免疫機能の低下を特徴とする疾患またはそれに関連する疾患の治療のために該医薬組成物を用いるのが好ましい。
したがって、本発明はまた、造血機能または免疫機能の低下を特徴とする疾患の治療用医薬の製造のための、上述の方法によって得られる、上述の複合体または1つの複合体を含む上述の医薬組成物の使用に関する。
好ましい具体例によれば、造血機能または免疫機能の低下を特徴とする疾患は、化学療法、放射線療法、感染性疾患、重篤な慢性の好中球減少症または白血病の結果である。
したがって、本発明はまた、化学療法、放射線療法、感染性疾患、重篤な慢性の好中球減少症または白血病の結果である、造血機能または免疫機能の低下を特徴とする疾患の治療用医薬の製造のための、上述の方法によって得られる、上述の複合体または1つの複合体を含む上述の医薬組成物の使用に関する。
本発明の医薬組成物を用いる治療の対象には、静脈内(i.v.)または皮下経路(s.c.)によって投与されるのが好ましい。このために、滅菌溶液として医薬組成物を投与してもよい。
以下の図面、表および実施例によって、本発明をさらに説明するが、これらは、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1:
アルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
実施例1.1(a):
その還元末端で選択的に酸化されたヒドロキシエチルデンプンの過ヨウ素酸塩酸化およびに0℃おけるインキュベーションによる合成
100 mgのオキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4;DE 196 28 705 A1参照、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製)を5 mlの20 mMリン酸ナトリウム緩衝液,pH 7.2に熔解し、0℃に冷却する。21.4 mgの過ヨウ素酸ナトリウム(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を5 mlの同じ緩衝液に溶解し、0℃に冷却する。両方の溶液を混合し、0℃にて10分間インキュベートした後、0.73 mlのグリセロールを加え、反応混合物を21℃にて10分間インキュベートする。反応混合物を水に対して24時間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.1(b):
その還元末端で選択的に酸化されたヒドロキシエチルデンプンの過ヨウ素酸塩酸化および21℃おけるインキュベーションによる合成
100 mgのオキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4;DE 196 28 705 A1参照、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製)を5 mlの20 mMリン酸ナトリウム緩衝液,pH 7.2に熔解する。21.4 mgの過ヨウ素酸ナトリウム(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を5 mlの同じ緩衝液に溶解する。両方の溶液を混合し、21℃にて10分間インキュベートした後、0.73 mlのグリセロールを加え、反応混合物を21℃にて10分間インキュベートする。反応混合物を水に対して24時間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.2(a):
酸化されていない還元末端をもつヒドロキシエチルデンプンの過ヨウ素酸塩酸化および0℃におけるインキュベーションによるアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
100 mgのオキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)を5 mlの20 mMリン酸ナトリウム緩衝液,pH 7.2に熔解し、0℃に冷却する。21.4 mgの過ヨウ素酸ナトリウム(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を5 mlの同じ緩衝液に溶解し、0℃に冷却する。両方の溶液を混合し、0℃にて10分間インキュベートした後、0.73 mlのグリセロールを加え、反応混合物を21℃にて10分間インキュベートする。反応混合物を水に対して24時間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.2(b):
酸化されていない還元末端をもつヒドロキシエチルデンプンの過ヨウ素酸塩酸化および21℃におけるインキュベーションによるアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
100 mgのオキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4、製造:Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)を5 mlの20 mMリン酸ナトリウム緩衝液,pH 7.2に熔解する。21.4 mgの過ヨウ素酸ナトリウム(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を5 mlの同じ緩衝液に溶解する。両方の溶液を混合し、21℃にて10分間インキュベートした後、0.73 mlのグリセロールを加え、反応混合物を21℃にて10分間インキュベートする。反応混合物を水に対して24時間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.3:
アミノ官能化ヒドロキシエチルデンプンおよびホルミル安息香酸からのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
5.1 g(0.51 mmol)のオキソ−HES10/0.4を15 mlの無水ジメチルスルホキシド(DMSO、Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、窒素下、10 mlの無水ジメチルスルホキシド中の5.1 ml(51 mmol)の1,4−ジアミノブタンに滴下し、40℃にて19時間攪拌する。反応混合物を80 mlのエタノールおよび80 mlのアセトンの混合物に加える。得られる沈澱を遠心分離により分離し、20 mlのエタノールおよび20 mlのアセトンの混合物で洗浄し、80 mlの水に再溶解する。溶液を水に対して4日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Science Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、次いで、凍結乾燥する。収率:67%(3.4 g)アミノ−HES10/0.4。
150 mgの4−ホルミル安息香酸および230 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を10 mlのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、204 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミドを加える。21℃にて30分間インキュベートした後、1 gのアミノ−HES10/0.4を加える。22℃にて19時間振とうした後、反応混合物に84 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、50 mlの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.4:
ヒドロキシエチルデンプンおよびホルミル安息香酸からのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
83 mgの4−ホルミル安息香酸および180 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を5 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、78 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミドを加える。21℃にて30分間インキュベートした後、0.5 gのオキソ−HES10/0.7を加える。22℃にて19時間振とうした後、反応混合物に37.5 mlのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、2.5 mlの水および2.5 mlのDMFの混合物に再溶解し、上述のように再度沈澱させる。反応生成物を上述のように遠心分離により集め、10 mlの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.5:
ヒドロキシエチルデンプンおよびホルミル安息香酸からのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である。
50 mgの4−ホルミル安息香酸および108 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ)を3 mlのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、47 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミドを加える。21℃にて30分間インキュベートした後、0.3 gのHES10/0.7を加える。22℃にて19時間振とうした後、反応混合物に23 mlのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、1.5 mlの水および1.5 mlのDMFの混合物に再溶解し、上述のように再度沈澱させる。反応生成物を上述のように遠心分離により集め、10 mlの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.6:
アミノ官能化ヒドロキシエチルデンプンおよびホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルからのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
6.0 g(0.6 mmol)のオキソ−HES10/0.7を20 mlの無水ジメチルスルホキシド(DMSO、Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、窒素下、11 mlの無水ジメチルスルホキシド中の6 ml(60 mmol)の1,4−ジアミノブタンの溶液に滴下し、40℃にて19時間攪拌する。反応混合物を80 mlのエタノールおよび80 mlのアセトンの混合物に加える。得られる沈澱を遠心分離により分離し、20 mlのエタノールおよび20 mlのアセトンの混合物で洗浄し、80 mlの水に再溶解する。溶液を水に対して4日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Science Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、次いで、凍結乾燥する。収率:52%(3.15 g)アミノ−HES10/0.7。
J.S.Lindseyら、Tetrahedron 50(1994)、pp.8941−68、特に、p.8956の記載にしたがって、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルを合成する。50 mgのアミノ−HES10/0.7を0.5 mlのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、15.3 mgの4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルを加える。22℃にて22時間振とうした後、反応混合物に3.5 mlの氷冷2−プロパノールを加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、4 mlの氷冷2−プロパノールで洗浄し、50 mlの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.7:
ヒドロキシエチルデンプンおよびホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルからのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
J.S.Lindseyら、Tetrahedron 50(1994)、pp.8941−68、特に、p.8956の記載にしたがって、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルを合成する。200 mgのオキソ−HES10/0.7を2 mlのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、61.2 mgの4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステルを加える。22℃にて22時間振とうした後、反応混合物に15 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、1.4 mlの水および0.7 mlのDMFの混合物に再溶解し、上述のように再度沈澱させる。反応生成物を上述のように遠心分離により集め、10 mlの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例1.8:
アミノ官能化ヒドロキシエチルデンプンおよび4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からのアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンの合成
オキソ−HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
5.1 g(0.51 mmol)のオキソ−HES10/0.4を15 mlの無水ジメチルスルホキシド(DMSO、Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、窒素下、10 mlの無水ジメチルスルホキシド中の5.1 ml(51 mmol)の1,4−ジアミノブタンの溶液に滴下し、40℃にて19時間攪拌する。反応混合物を80 mlのエタノールおよび80 mlのアセトンの混合物に加える。得られる沈澱を遠心分離により分離し、20 mlのエタノールおよび20 mlのアセトンの混合物で洗浄し、80 mlの水に再溶解する。溶液を水に対して4日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Science Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、次いで、凍結乾燥する。収率:67%(3.4 g)アミノ−HES10/0.4。
80.5 mgの4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸(Calbiochem−Novabiochem(Laufelfingen、スイス))および61 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を3 mlのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、オランダ))に溶解し、45.4 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミドを加える。21℃にて30分間インキュベートした後、0.3 gのアミノ−HES10/0.4を加える。22℃にて22時間振とうした後、反応混合物に23 mlのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、2 mlの水および1 mlのDMFの混合物に再溶解し、上述のように再度沈澱させる。反応生成物を上述のように遠心分離により集め、10 mlの水に再溶解し、水に対して1日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。
実施例2:
還元的アミノ化によるG−CSF複合体の合成
実施例2.1(a):
酸化されていない還元末端をもつヒドロキシエチルデンプンとの、pH=7.4での還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成(比較例)
実施例2.1では、HES−G−CSF複合体の製造のために、WO 03/074087(実施例12、p.22−23)の合成方法の使用を試みた。
pH 7.4の0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液中の3.33 μlのG−CSF(ニューポジェン(登録商標)(Amgen(Munchen、ドイツ))またはグラノサイト(登録商標)(Aventis Pharma AG(Zurich、スイス))、それぞれ、3 mg/ml)の水溶液に、3.33 μlの同じ緩衝液中のHES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)、79 mg/ml)の溶液を加える。この混合物に、3.33 μlの同じ緩衝液中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムの60 mM溶液を加え、得られる混合物を22℃にて4時間インキュベートする。次いで、さらなる3.33 μlの新たに調製した60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液を加える。30時間のインキュベーション中、全体で5部の3.33 μlの新たに調製した60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液を加える。反応混合物をゲル電気泳動で分析する。反応は観察されなかった。
実施例2.1(b):
酸化されていない還元末端をもつヒドロキシエチルデンプンとの、pH 5.0〜9.2での還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成(比較例)
3.33 μlの所定の緩衝液中のG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ)製のG−CSF、3 mg/mL)の水溶液に、3.33 μlの同じ緩衝液中のHES溶液(300 mg/ml)を加える。混合物を4℃に冷却し、3.33 μlの同じ緩衝液中の60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液を4℃にて加え、得られる混合物を4℃にて20時間インキュベートする。
以下のHES製品と緩衝液を用いる:
a)緩衝液:0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液、pH 5.0
HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
HES50/0.4(MW=50 kD、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
HES50/0.7(MW=50 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
b)緩衝液:0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.2
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
c)緩衝液:0.1 Mホウ酸ナトリウム緩衝液、pH 8.3
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
d)緩衝液:0.2 Mホウ酸カリウム緩衝液、pH 9.2
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
各反応混合物をゲル電気泳動で分析する。複合体は観察されないか、無視できる程度にしか観察されない(反応b)〜d)についてのゲルスキャンは示さず)。
実施例2.2:
酸化された還元末端をもつヒドロキシエチルデンプンとの、pH 5.0〜9.2での還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成(比較例)
3.33 μlの所定の緩衝液中のG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ)製のG−CSF、3 mg/mL)の水溶液に、3.33 μlの同じ緩衝液中のHES溶液(300 mg/ml)を加える。混合物を4℃に冷却し、3.33 μlの同じ緩衝液中の60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液を4℃にて加え、得られる混合物を4℃にて17時間インキュベートする。
以下のHES製品と緩衝液を用いる:
a)緩衝液:0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液、pH 5.0
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
オキソ−HES50/0.4(MW=50 kD、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
オキソ−HES50/0.7(MW=50 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
b)緩衝液:0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.2
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
c)緩衝液:0.1 Mホウ酸ナトリウム緩衝液、pH 8.3
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
d)緩衝液:0.2 Mホウ酸カリウム緩衝液、pH 9.2
HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ))
各反応混合物をゲル電気泳動で分析する。複合体は観察されないか、無視できる程度にしか観察されない(反応b)〜d)についてのゲルスキャンは示さず)。
Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)が、HES10/0.4(MW=10 kD、DS=0.4)の酸化を行った;DE 196 28 705 A1参照。
実施例2.3:
過ヨウ素酸塩酸化により合成されたアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンとの、還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成
pH 5.0の0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液中の3.33 μlのG−CSF(グラノサイト(登録商標)(Aventis Pharma AG(Zurich、スイス))またはニューポジェン(登録商標)(Amgen(Munchen、ドイツ))、それぞれ、3 mg/ml)の水溶液に、3.33 μlの同じ緩衝液中のアルデヒド−HES(79 mg/mL)の溶液を加える。この混合物に、3.33 μlの同じ緩衝液中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムの60 mM溶液を加え、混合物を21℃にて25時間インキュベートする。反応混合物をゲル電気泳動で分析する。
以下のアルデヒド官能化HES複合体を用いる:
(i−N):実施例1.1(a)にしたがってニューポジェン(登録商標)と製造;
(ii−N):実施例1.1(b)にしたがってニューポジェン(登録商標)と製造;
(iii−N):実施例1.2(a)にしたがってニューポジェン(登録商標)と製造;
(iv−N):実施例1.2(b)にしたがってニューポジェン(登録商標)と製造;
(i−G):実施例1.1(a)にしたがってグラノサイト(登録商標)と製造;
(ii−G):実施例1.1(b)にしたがってグラノサイト(登録商標)と製造;
(iii−G):実施例1.2(a)にしたがってグラノサイト(登録商標)と製造;
(iv−G):実施例1.2(b)にしたがってグラノサイト(登録商標)と製造。
実施例2.4:
ホルミル−カルボン酸へのヒドロキシエチルデンプンの複合により合成されたアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンとの、還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成
pH 5.0の0.1 M酢酸酸ナトリウム緩衝液中の3.33 μlのG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ)製のG−CSF、3 mg/ml)の水溶液に、3.33 μlの同じ緩衝液中のアルデヒド−HES(118.5 mg/mL)の溶液を加え、4℃に冷却する。混合物に、3.33 μlの同じ緩衝液中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムの60 mM溶液を4℃にて加え、混合物を4℃にて17時間インキュベートする。反応混合物をゲル電気泳動で分析する。
以下のアルデヒド官能化HES複合体を用いる:
(v):上述の実施例1.4にしたがって製造;
(vi):上述の実施例1.5にしたがって製造;
(vii):上述の実施例1.6にしたがって製造;
(viii):上述の実施例1.7にしたがって製造;
(ix):上述の実施例1.8にしたがって製造。
実施例2.5:
ホルミル−カルボン酸へのヒドロキシエチルデンプンの複合により合成されたアルデヒド官能化ヒドロキシエチルデンプンとの、還元的アミノ化によるG−CSF−複合体の合成
pH 5.0の0.1 M酢酸酸ナトリウム緩衝液中の3.33 μlのG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ)製のG−CSF、2.27 mg/ml)の水溶液に、上述の実施例1.3にしたがって製造した136 mgのアルデヒド−HES10/0.4を加え、溶液を0℃に冷却する。混合物に、2.5 mlの同じ緩衝液中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムの氷冷40 mM溶液を加え、混合物を4℃にて17時間インキュベートする。反応混合物をゲル電気泳動で分析する。
実施例3:
SHアルキル化によるG−CSF複合体の合成
オキソ−HES10/0.7(MW=10 kD、DS=0.7)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。
6.0 g(0.6 mmol)のオキソ−HES10/0.7を20 mlの無水ジメチルスルホキシド(DMSO、Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、窒素下、11 mlの無水ジメチルスルホキシド中の6 ml(60 mmol)の1,4−ジアミノブタンの溶液に滴下し、40℃にて19時間攪拌する。反応混合物を80 mlのエタノールおよび80 mlのアセトンの混合物に加える。得られる沈澱を遠心分離により分離し、20 mlのエタノールおよび20 mlのアセトンの混合物で洗浄し、80 mlの水に再溶解する。溶液を水に対して4日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Science Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、次いで、凍結乾燥する。収率:52%(3.15 g)アミノ−HES10/0.7。
100 μlのリン酸ナトリウム緩衝液(0.1 M、0.15 M NaCl、50 mM EDTA,pH 7.2)に溶解した132 μgのアミノ−HES10/0.7に、10 μlの無水DMSO中の17.5 mg/mlのN−α(マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル(AMAS)の溶液(両方とも、Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加え、透明溶液を25℃にて80分間、次いで、40℃にて20分間インキュベートする。VIVASPIN 0.5 ml遠心分離器、5KD MWCO(VIVASCIENCE(Hannover、ドイツ))を用いて、13,000 rpmで遠心分離することにより過剰のAMASを除去し、450 μlのリン酸緩衝液で30分間2回および450 μlの緩衝液Bで1回洗浄する。残りの溶液に、10 μgのG−CSF(ニューポジェン(登録商標)(Amgen(Munchen、ドイツ))およびグラノサイト(登録商標)(Aventis Pharma AG(Zurich、スイス))、それぞれリン酸緩衝液中3 μg/μl)を加え、混合物を25℃にて16時間インキュベートする。減圧濃縮した後、反応混合物をゲル電気泳動で分析する。
以下の方法を選択する:
(x):G−CSF(グラノサイト(登録商標))、緩衝液Bとしてリン酸ナトリウム緩衝液(0.1 M、0.15 M NaCl、50 mM EDTA,pH 7.2)を使用。
(xi):G−CSF(ニューポジェン(登録商標))、緩衝液Bとしてリン酸ナトリウム緩衝液(0.1 M、0.15 M NaCl、50 mM EDTA,pH 7.2)を使用。
(xii):G−CSF(グラノサイト(登録商標))、緩衝液Bとしてリン酸ナトリウム緩衝液(0.1 M、0.15 M NaCl、50 mM EDTA,pH 7.2)および8 M尿素、1%SDS,pH 7.4の1:1(v/v)混合物を使用。
(xiii):G−CSF(ニューポジェン(登録商標))、緩衝液Bとしてリン酸ナトリウム緩衝液(0.1 M、0.15 M NaCl、50 mM EDTA,pH 7.2)および8 M尿素、1%SDS,pH 7.4の1:1(v/v)混合物を使用。
(xiv):G−CSF(グラノサイト(登録商標))、緩衝液Bとして8 M尿素、1%SDS,pH 7.4を使用。
(xv):G−CSF(ニューポジェン(登録商標))、緩衝液Bとして8 M尿素、1%SDS,pH 7.4を使用。
実施例4:
反応性エステル基を有するヒドロキシエチルデンプンとG−CSFの反応によるG−CSF複合体の合成
実施例4.1:
オキソ−HES10/0.4(MW=10.559 D、DS=0.4)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。オキソ−HESの酸化度は95%である。
66 mgのオキソ−HES10/0.4 を0.5 mlの無水DMFに溶解する。この溶液に、3.4 mgのN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートを加え、混合物を室温にて2時間攪拌する。得られる溶液の反応性HES濃度は13重量%である。
G−CSF約0.5 mg/mlの濃度を有するG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ))の溶液を、冷却遠心分離機を用いる10 kDカットオフにおける超遠心分離により濃縮して、10 mg/mlの濃度にする。
0.5 mlのこの濃縮G−CSF溶液に、180 μlの重炭酸ナトリウム溶液を加える。次いで、30分後に反応が終了するまで、タンパク質溶液に3部(各100 μl)の反応性HES溶液を滴下する。したがって、反応性HES:G−CSFの総モル比は、20:1である。次いで、0.1 N HClを用いて、混合物のpHを4.0に調節する。
HPGPC分析(高性能ゲル浸透クロマトグラフィー)による収率は、約70%である。この結果を図9に示す。
HPGPC分析によれば、混合物は、4℃、pH4.0にて4日間、安定なまま、すなわち変化なしで保存することができる。
未反応のオキソ−HESおよび遊離N−ヒドロキシスクシンイミドなどの反応副産物ならびに溶媒に関する混合物の含量の低下は、冷却遠心分離機における10 kD限外濾過膜の使用により容易に可能である。この低下試験の結果を図10に示す。
実施例4.2:
オキソ−HES10/0.4(MW=10.559 D、DS=0.4)は、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製である;DE 196 28 705 A1参照。オキソ−HESの酸化度は95%である。
400 mgのオキソ−HES10/0.4を1 mlの無水DMFに溶解する。この溶液に、21 mgのN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートを加え、混合物を室温にて2時間攪拌する。得られる溶液の反応性HES濃度は40重量%である。
G−CSF約0.5 mg/mlの濃度を有するG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ))の溶液を、冷却遠心分離機を用いる10 kDカットオフにおける超遠心分離により濃縮して、10 mg/mlの濃度にする。
0.5 mlのこの濃縮G−CSF溶液に、180 μlの重炭酸ナトリウム溶液を加える。次いで、30分後に反応が終了するまで、タンパク質溶液に3部(各100 μl)の反応性HES溶液を滴下する。したがって、反応性HES:G−CSFの総モル比は、50:1である。次いで、0.1 N HClを用いて、混合物のpHを4.0に調節する。
HPGPC分析(高性能ゲル浸透クロマトグラフィー)による収率は、95%以上である。反応しないG−CSFは検出されない。この結果を図11に示す。
限外濾過技術を用いて、混合物は容易に精製される。これらの低下の結果を図12に示す。
実施例5
実施例5.1:
精製
市販製品であるニューポジェン(登録商標)(Amgen)と本質的に同じ特徴をもつ精製G−CSFを得、1つのアリコートをコントロールとして修飾せずにおく。
実施例5.2:
HESおよびG−CSF複合体の合成
オキソ−HES50/0.7(サンプルコードA60)を用いて実施例4.2にしたがって、あるいは、実施例2.5(サンプルコードA32)にしたがって、複合体を本質的に合成し、さらなる緩衝液交換および精製に用いる。
実施例5.3:
アニオン交換クロマトグラフィーによる精製前のG−CSFの緩衝液交換およびHES修飾G−CSサンプル
HES修飾G−CSFサンプルまたは非修飾G−CSF(コントロールとして)(0.5〜5 mgのタンパク質)を、Vivaspin 6 Concentrator units(10.000 MWCO PES、Vivascience、Cat.Nr.VS0602)を用いる緩衝液交換に付す。サンプルを0.5−0.7 mlに濃縮し、10 mM Na−リン酸緩衝液、pH 7.2で5 mlに希釈する。この濃縮/緩衝液交換に各サンプルを3回付す。
実施例5.4:
DEAE−セファロースカラムにおけるG−CSFおよびそのHES修飾体のアニオン交換クロマトグラフィー
HES修飾後のG−CSFサンプルおよび、比較のために、非修飾G−CSFのサンプルを、前述のAKTAエクスプローラー10システムを用いる室温でのアニオン交換クロマトグラフィーによって精製し、分析する。HES処理(HESylation)前または後のいずれかのG-CSFのアリコートを、緩衝液A(10 mMリン酸ナトリウム,pH 7.2)に対する限外濾過によって透析するか、または約13容の緩衝液Aで希釈する。2 mlのDEAE−セファロース(DEAE−セファロース CL−6B、Pharmacia Kat.Nr.17−0710−01)を含むカラムを、5.0 カラム容積(CV)の6.5 Mグアニジン/HCl、5.0 CVの緩衝液A、5.0 CVの緩衝液C(10 mMリン酸ナトリウム中の1.5 M NaCl,pH 7.2)、次いで、10 CVの緩衝液Aを適用することによって再生させる。次いで、サンプル(10 mMリン酸ナトリウム緩衝液中,pH 7.2、0.8〜4.5 ml)を流速0.6 ml/分で注入する。適用したサンプルに応じて、10 ml(2 mlのサンプルループ)または20 ml(5 mlのサンプルループ)の緩衝液Aを用いるサンプルループを洗浄し、次いで、0−22 CVの緩衝液A(流速=0.8 ml/分)でカラムをさらに洗浄する。5 CVの0−100%緩衝液Bを直線勾配で、および2.5 CVの100%緩衝液Bを一定濃度で、流速0.6 ml/分で流すことによって溶離を行う。5 CVの緩衝液Aでカラムを再平衡化し、流速1 ml/分で流すことにより上に詳述するように再生させる。
必要に応じて、Vivaspin濃縮機を用いてサンプルを濃縮し、前述のように緩衝液交換を行う。0.2 μm 濾過ユニット(Corning、Cat.No.431215)を用いる滅菌濾過の前後には、10 mMのNa−Acetat緩衝液(pH 4.0)中で、0−8℃にてサンプルを保存する。インビトロバイオアッセイおよびさらなる分析的分析のために以下のサンプルを調製する。タンパク質濃度は、後記セクション6.1に記載のように決定する:
I.0401−15/A33、0.44 mg/ml、体積=500 μl
G−CSF(大腸菌)
II.0402−03/A60、0.35 mg/ml、体積=600 μl
H−G−CSF(G−CSF HES修飾、10/0.4)
III.0401−13/A32、0.28 mg/ml、体積=900 μl
G−CSF(大腸菌)HES修飾、10/0.4
IV.0401−28/A58、0.60 mg/ml、体積=350 μl
ニューポジェン
V.0401−28/A57、0.50 mg/ml、体積=400 μl
ニューラスタ
実施例5.5:
G−CSFサンプルのさらなる分析
サンプルのタンパク質含量および修飾についてアリコートを分析する。
実施例5.5(a):
RP−HPLCによるG−CSFタンパク質の定量
標準として、未修飾タンパク質製品(濃度:0.453 mg/ml)を用いて、サンプルのG−CSFタンパク質含量を定量した。
ポンプP 680 A HPG、脱気ユニットDegasys DG 1210、オートサンプラーおよびインジェクターASI−100、サンプルループ250 μl、サーモスタット付きカラム部TCC 100およびSoftware Chromeleon Chromatography Management Systemを備えたUV/Vis−検出器UVD170Uを用いる。プレカラムCC 8/4 Nucleosil 120−5 C4、Macherey−Nagel,Cat.No.721889および分離カラム40 C−4 Nucleosil MPN、5 μm、125 x 4 mm RP−カラム(Macherey−Nagel、注文No.7200 45.40)からなるDionex HPLCシステムを用いる。溶媒Aは、H2O+0.06%(v/v)トリフルオロ酢酸であり、溶媒Bは、0.06%(v/v)トリフルオロ酢酸を含む90%アセトニトリル水溶液である;流速は1 ml/分である。UV検出は、214、221、260および280 nmの波長で行う。
約10〜20 μgのサンプルをRP−HPLC カラムに注入する。
以下の勾配を用いる:
0〜5分:0−10%B
〜17分:10−45%B
〜35分:45−80%B
〜36分:80−100%B
〜38分:100%B
〜39分:10%B
〜45分:10%B。
標準G-CSF製品の溶出位置において得られるピーク領域を用い、波長280 nmで29分当たりに出現するピークと比較することにより、基準である標準と比較する。
実施例5.5(b):
G−CSFタンパク質の還元+カルボキサミドメチル化
他の文献に記載にしたがって、G−CSFタンパク質サンプルからのアリコートを還元し、カルボキサミドメチル化する(Guillermina Forno、Mariela Bollati Fogolin、Marcos Oggero、Ricardo Kratje、Marina Etcheverrigaray、Harald S.Conradt、Manfred Nimtz(2004) N− and O−linked carbohydrates and glycosylation site occupancy in recombinant human granulocyte−macrophage colony−stimulating factor secreted by a Chinese hamster ovary cell line;European J.Biochem.、273(5)、907−919)。カルボキサミドメチル化によりシステイン残基が修飾される。pH 7,8にて1 M尿素を含む25 mM NH4HCO3中、酵素/基質比を0.2:10とし、カルボキサミドメチル化タンパク質のエンドプロテイナーゼGlu−C消化を18〜24時間行う。
実施例5.5(c):
RP−HPLCによるEndo−Glu−Cペプチドの分離
Endo−Glu−C消化により生成したペプチドを、ポンプP 680 A HPG、脱気ユニットDegasys DG 1210、オートサンプラーおよびインジェクターASI−100、サンプルループ250 μl、サーモスタット付きカラム部TCC 100およびSoftware Chromeleon Chromatography Management Systemを備えたUV/Vis−検出器UVD170Uを用いて分離する。プレカラムCC 8/4 Nucleosil 120−5 C4、Macherey−Nagel,Cat.No.721889および分離カラム40 C−4 Nucleosil MPN、5 μm、125 x 4 mm RP−カラム(Macherey−Nagel、注文No.7200 45.40)からなるDionex HPLCシステムを用いる。溶媒Aは、H2O+0.06%(v/v)トリフルオロ酢酸であり、溶媒Bは、0.06%(v/v)トリフルオロ酢を含む90%アセトニトリル水溶液である;流速は1 ml/分である。以下の勾配を適用する:
0〜5分:10%B
〜17分:45%B
〜65分:100%B
〜67分:100%B
〜69分:10%B
〜75分:10%B
UV検出は、214、221、260および280 nmの波長で行う。Endo−Glu−C消化により生成したペプチドを分離する(データ示さず)。
実施例5.5(d):
マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI/TOF/TOF−MS)によるタンパク質分解ペプチドの分析
質量分析を用いて、調製した異なるサンプル中のG-CSFの無処理N末端を検出する。還元およびカルボキサミドメチル化タンパク質サンプルのエンドプロテイナーゼGlu−C消化によって得られるサンプル(3〜5 μg)を、直接MS分析に用い(ステップ6.3のRP−HPLCを行わず)、使用説明書にしたがって、C18逆相マテリアルを含むZipTipピペットを用いて精製する。0.1%(v/v)ギ酸で洗浄した後、60%(v/v)アセトニトリル中の10 μlの0.1%(v/v)ギ酸でペプチドの溶離を行う。
Bruker ULTRAFLEX 飛行時間型(TOF/TOF)装置にて、リニアポジティブイオンモードで、400 μlのアセトニトリル中の22.4 mgの3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ−桂皮酸およびH2O中の600 μlの0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸からなるマトリックスを用いてタンパク質分解(Endo−Glu−C)ペプチドフラグメントを分析し;同じ溶媒混合物中の19 mgのα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸からなるマトリックスを用い、分解能増強用リフレクトロンを用いて(グリコ)ペプチドを測定する。濃度約1−10 pmol/μlのサンプル溶液1 μlを等量の各マトリックスと混合する。この混合物をステンレス鋼ターゲットに置き、分析前に室温で乾燥させる。900〜5000ダルトンの質量範囲でスペクトルを記録する。
以下の表は、予想質量と各GLP-1ペプチドを相関させる。
表:XM02から得られるEndo−Glu−Cペプチドの理論(モノアイソトピック)質量
Figure 2007501870
システイン残基はカルボキサミドメチル化される;脂肪として表示されるペプチドが、非修飾G-CSFのMALDI/TOFスペクトルにおいて検出される。
タンパク質の1−20位を含むN末端Endo−Glu−Cペプチド(MTPLGPASSLPQSFLLKCLE; m/z 2189.1)が、上述のようなエンドプロテイナーゼGlu−CによるG-CSFのタンパク質分解処理後のサンプルのMALDI/TOF−MSスペクトルにおいて検出される。
実施例5.6:
結果
実施例5.6(a):
G-CSFおよびHES修飾変異体の精製
A4下で記載したDEAE−セファロースCL−6Bカラムを用いて、A32、A60および非修飾G−CSFを精製する。
非修飾サンプル0401−15/A33の場合、フロースルー中には280 nmにおいて有意な吸収は検出されず、タンパク質は、40−50%緩衝液B濃度(0.16−0.20 M NaCl)において、体積6 mlで、280 nmにおける特異的ピーク領域660 mAU x ml x mg−1として溶出する。
サンプル0401−14/A32(アルデヒドHES 10/0.4によるHES処理によって、0401−15/A33から誘導される)は、20−80%(0.08−0.32 M NaCl)緩衝液Bという広範囲の濃度勾配において体積12 mlで溶出する。280 nmで検出される総ピーク領域の約90%がフロースルー中に見出され、図13に示すSDS−PAGE分析によって検出されるように、溶出したタンパク質と比べて明らかにわずかにより高い分子量をもつ総タンパク質の約50%を含む。
サンプル0402−03/A60(実施例4.2の全ての手順にしたがって、HES 10/0.4でHES処理したもの)は、20−80%緩衝液Bという同様の濃度において体積10.5 mlで溶出する。この場合、280 nmで検出される総ピーク領域の約35%がフロースルー中に見出されるが、SDS−PAGE分析によれば、未結合タンパク質はこの画分に見出されない。サンプル0401−15/A33の特異的ピーク領域と比べると、サンプル0402−03/A60の溶出液中のタンパク質含量は、カラムに適用される規定タンパク質の量よりも45%高い。
非修飾G-CSFタンパク質と比べた溶出画分のピーク領域(A280 nm)に基づいてタンパク質の回収率を計算する。
第1表:280 nmでの検出におけるピーク領域の比較
Figure 2007501870
**)RP−HPLCによるタンパク質の定量によりこれらの結果は確認された。
実施例5.6(b):
エンドプロテイナーゼGlu−C処理後のペプチドマッピングおよびMALDI/TOF MSによるタンパク質の分析
カルボキサミドメチル化非修飾G−CSF(図14)および市販品ニューポジェン(データ示さず)の両方のエンドプロテイナーゼGlu−C消化から得られるN末端ペプチドは、MALDI/TOF−MS(MTPLGPASSLPQSFLLKC*LE、m/z 2189.1;カルボキサミドメチル化システイン)によってはっきりと検出される。このシグナルは、還元的アミノ化によるHES修飾サンプル(図15)およびニューラスタ(データ示さず)には現れず、サンプルペプチドが修飾されていることを示す。修飾が活性エステルの化学反応によって行われるHES修飾G−CSFの場合、N末端ペプチドは、非修飾出発物質A32(図16)のそれに匹敵する相対的シグナル強度において検出され、この誘導体のHES修飾が、異なるアミノ酸側鎖で達成されたことを示す。
HES修飾G−CSF(サンプルA33および市販品ニューラスタ)のN末端配列は、実際にこのタンパク質誘導体のN末端メチオニン残基がHES誘導体によって修飾されることを意味する、ブロックされたN末端を示す。
35−47位のアミノ酸残基(KLCATYKLCHPEE;両方のシステイン残基がカルボキサミドメチル化されている;m/z 1648.78)を含むこのペプチドに対応するシグナルは、サンプルA60においては検出されないので、2つのリシン残基(35位および41位)の一方または両方が、HESによって修飾されうることが結論付けられる。
参考文献:
Guillermina Forno、Mariela Bollati Fogolin、Marcos Oggero、Ricardo Kratje、Marina Etcheverrigaray、Harald S.Conradt、Manfred Nimtz(2004)N− and O−linked carbohydrates and glycosylation site occupancy in recombinant human granulocyte−macrophage colony−stimulating factor secreted by a Chinese hamster ovary cell line
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Nimtz、M.、Martin、W.、Wray、V.、Kloppel、K.−D.、Agustin、J.& Conradt、H.S.(1993)Structures of sialylated oligosaccharides of human erythropoietin expressed in recombinant BHK−21 cells。Eur J.Biochem.213、39−56
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E.Grabenhorst、A.Hoffmann、M.Nimtz、G.Zettlmeiβl and H.S. Conradt(1995)、Construction of stable BHK−21 cells coexpressing human secretory glycoproteins and human Galβ1−4GlcNAc−R α2,6−sialyltransferase: α2,6−linked NeuAc is preferably attached to the Galβ1−4GlcNAcβ1−2Manβ1−3−branch of biantennary oligosaccharides from secreted recombinant−trace protein。Eur.J.Biochem.、232、718−725
実施例6:
実施例2.5および4.2において製造し、実施例5にしたがって精製したG−CSF複合体のインビトロの結果:マウスNFS−60細胞に対するG−CSF変異体の***促進性
G−CSFは、好中球性顆粒球系譜の造血細胞の増殖、分化、活性化におけるその特別の効果が知られている。マウスNFS−60細胞(N.Shirafujiら、Exp.Hematol.1989、17、116−119)を用いて、G−CSF変異体の***促進能を試験する。外因性IL−3源として5−10%WEHI−3B(DSMZ(Braunschweig、ドイツ));DSMZの説明書にしたがって培養)ならし培地を含む10%ウシ胎児血清(Gibco INVITROGEN GmbH (Karlsruhe、ドイツ))を補足したRPMI培地にて成長させた細胞を遠心分離によって回収し、洗浄し、24ウエルプレートにおいてウエル当たり100,000個の細胞に等分する。WEHI−3Bならし培地を含まないRPMI培地に37℃にて1時間細胞を適合させた後、同じ培地で希釈したG-CSF成長因子サンプルを加える。NFS−60細胞を、37℃にて3日間精製G−CSF変異体に曝し、細胞をコンピューターで計数する(Casy TT Cell Counter、Scharfe System (Reutlingen、ドイツ))。結果を図12にまとめる。図12に示すように、種々のG-CSF変異体(0.5−50 pg/ml)が、追加の成長因子を含まない培地と比べて、3日後に、細胞数の増加を刺激することができる。非修飾コントロールタンパク質G−CSF/A33およびG−CSF/A58は、非常に類似した範囲(ED50=5−10 pg/ml)で細胞を刺激し、一方、G−CSF複合体であるG−CSF/A60、G−CSF/A32およびG−CSF/A57は、非修飾バージョン(ED50=10−25 pg/ml)と比べた場合、比較的少ない活性の低下を示す(図8参照)。
実施例7:
G−CSF複合体の合成
実施例7.1:
アルデヒド−HES誘導体の合成
実施例7.1(a):
アミノHES10/0.4の合成
5.12 gのオキソHES10/0.4(MW=10000 D、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ);DE 196 28 705 A1参照)を80℃にて減圧下で一夜加熱し、窒素下、25 mLの無水ジメチルスルホキシド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))中に溶解し、5.13 mLの1,4−ジアミノブタンを加える。40℃にて17時間攪拌した後、反応混合物に150 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、40 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で洗浄し、遠心分離により集める。粗生成物を80 mLの水に溶解し、4日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、67%である。
実施例7.1(b):
アルデヒドHES10/0.4の合成
105 mgの4−ホルミル安息香酸および135 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を7 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、135 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加える。21℃にて30分間インキュベートした後、0.7 gのアミノHES10/0.4(実施例1.1にしたがって合成)を加える。22℃にて18時間振とうした後、反応混合物に42 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、5 mLのDMFに再溶解し、前述のとおり、42 mLのエタノール/アセトンに沈澱させる。遠心分離後、集めた沈澱を水に溶解し、1日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、95%である。
実施例7.1(c):
アミノHES10/0.7の合成
6.02 gのオキソ−HES 10/0.7(MW=10000 D、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ);DE 196 28 705参照)を窒素下、32 mLの無水ジメチルスルホキシド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、6.03 mLの1,4−ジアミノブタンを加える。40℃にて17時間攪拌した後、反応混合物に150 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、40 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で洗浄し、遠心分離により集める。粗生成物を80 mLの水に溶解し、4日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、52%である。
実施例7.1(d):
アルデヒドHES10/0.7の合成
150 mgの4−ホルミル安息香酸および230 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を10 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve、Valkenswaard、NL)に溶解し、204 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加える。21℃にて30分間インキュベートした後、1 gのアミノHES10/0.7(実施例1.3にしたがって合成)を加える。22℃にて19時間振とうした後、反応混合物に84 mLの氷冷2−プロパノールを加える。沈澱した生成物を4℃にて遠心分離により集め、50 mLの水に再溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、83%である。
実施例7.1(e):
アミノHES30/0.4の合成
5 gのオキソ−HES 30/0.4(MW=30000 D、DS=0.4、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ);DE 196 28 705 A1にしたがう成分のモル比を用いる)を減圧下で80℃にて一夜加熱し、窒素下、28 mLの無水ジメチルスルホキシド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、1.67 mLの1,4−ジアミノブタンを加える。40℃にて17時間攪拌した後、反応混合物に175 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集める。粗生成物を40 mLの水に溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は決定しなかった。
実施例7.1(f):
アルデヒドHES30/0.4の合成
130 mgの4−ホルミル安息香酸および153 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を36 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve (Valkenswaard、オランダ))に溶解し、110 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加える。21℃にて30分間インキュベートした後、2.61 gのアミノHES30/0.4(実施例1.5にしたがって合成)を加える。22℃にて22.5時間振とうした後、反応混合物に160 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集め、アセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で洗浄する。遠心分離後、沈澱を30 mLの水に溶解し、1日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、81%である。
実施例7.1(g):
アミノHES30/0.7の合成
5 gのオキソ−HES 30/0.7(MW=30000 D、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ);DE 196 28 705 A1にしたがう成分のモル比を用いる)を減圧下で80℃にて一夜加熱し、窒素下、28 mLの無水ジメチルスルホキシド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、1.67 mLの1,4−ジアミノブタンを加える。40℃にて17時間攪拌した後、反応混合物に175 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集める。粗生成物を40 mLの水に溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は決定しなかった。
実施例7.1(h):
アルデヒドHES30/0.7の合成
122 mgの4−ホルミル安息香酸および144 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を34 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve (Valkenswaard、オランダ))に溶解し、103 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加える。21℃にて30分間インキュベートした後、2.46 gのアミノHES30/0.7(実施例1.7にしたがって合成)を加える。22℃にて22.5時間振とうした後、反応混合物に160 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集め、アセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で洗浄する。遠心分離後、沈澱を30 mLの水に溶解し、1日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、87%である。
実施例7.1(i):
アミノHES50/0.7の合成
6.09 gのオキソ−HES 50/0.7(MW=50000 D、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ);DE 196 28 705 A1にしたがう成分のモル比を用いる)を減圧下で80℃にて一夜加熱し、窒素下、28 mLの無水ジメチルスルホキシド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))に溶解し、1.22 mLの1,4−ジアミノブタンを加える。40℃にて17時間攪拌した後、反応混合物に150 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集め、40 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で洗浄し、遠心分離により集める。粗生成物を80 mLの水に溶解し、4日間水に対して透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、82%である。
実施例7.1(j):
アルデヒドHES50/0.7の合成
125 mgの4−ホルミル安息香酸および174 mgの1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(両方とも、Aldrich、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を38 mLのN,N−ジメチルホルムアミド(Peptide synthesis grade、Biosolve (Valkenswaard、オランダ))に溶解し、155 μlのN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(Fluka、Sigma−Aldrich Chemie GmbH (Taufkirchen、ドイツ))を加える。21℃にて30分間インキュベートした後、3.8 gのアミノHES50/0.7(実施例1.9にしたがって合成)を加える。22℃にて19時間振とうした後、反応混合物に160 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物を加える。沈澱生成物を4℃にて遠心分離により集め、20 mLのN,N−ジメチルホルムアミドに再溶解し、前述のとおり80 mLのアセトンおよびエタノールの氷冷1:1(v/v)混合物で沈澱させる。遠心分離後、沈澱を50 mLの水に溶解し、水に対して2日間透析し(SnakeSkin透析管、3.5 kDカットオフ、Perbio Sciences Deutschland GmbH (Bonn、ドイツ))、凍結乾燥する。単離された生成物の収率は、77%である。
実施例7.2:
還元的アミノ化によるHES−G−CSF複合体の合成
実施例7.2(a):
緩衝液交換A:
10 mM酢酸ナトリウム、50 mg/mLソルビトールおよび0.004%Tween 80(pH 4.0)中のhG−CSF(XM02、BioGeneriX AG、Mannheim、ドイツ))の0.454 mg/mL溶液33 mLを、Vivaspin 15R濃縮機(VS15RH11、5KD MWCO、Vivascience AG (Hannover、ドイツ))を用いて、0℃にてダイアフィルトレーションにより4 mLに濃縮し、0.1 M酢酸ナトリウム 緩衝液(pH 5.0)で15 mLに再希釈する。このダイアフィルトレーションを2回繰り返す。最後のダイアフィルトレーションステップにおける最終濃度は、3 mg/mLである。
実施例7.2(b):
hG−CSFと実施例7.1(b)、実施例7.1(d)および7.1(j)のアルデヒドHES誘導体の反応
0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液,pH 5.0への緩衝液交換後(上記実施例7.2(a)にしたがって)、1.67 mLのhG−CSFの溶液に、1.67 mLのHES−誘導体の溶液および1.67 mLの60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液(両方とも同じ緩衝液中)を加え、溶液を4℃にて15.5時間インキュベートする。すべての溶液を0℃に冷却した後、混合する。
以下の最終HES濃度を用いる:
実施例7.1(b)および7.1(d)にしたがって製造したHES誘導体:39.4 mg/mL。
実施例7.1(j)にしたがって製造したHES誘導体:197 mg/mL。
反応コントロールとしてHES50/0.7(MW=50000 D、DS=0.7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)):197 mg/mL 。
ゲル電気泳動によって、反応混合物を分析する(図17参照)。
実施例7.2(c):
緩衝液交換B:
10 mM酢酸ナトリウム、50 mg/mLソルビトールおよび0.004%Tween 80(pH 4.0)中のhG−CSF(XM02、BioGeneriX AG、Mannheim、ドイツ))の0.454 mg/mL溶液20 mLを、Vivaspin 15R濃縮機(VS15RH11、5KD MWCO、Vivascience AG (Hannover、ドイツ))を用いて、15℃にてダイアフィルトレーションにより4 mLに濃縮し、0.1 M酢酸ナトリウム 緩衝液(pH 5.0)で15 mLに再希釈する。このダイアフィルトレーションを2回繰り返す。最後のダイアフィルトレーションステップにおける最終濃度は、1.5 mg/mLである。
実施例7.2(d):
hG−CSFと実施例7.1(b)、実施例7.1(f)および7.1(h)のアルデヒドHES誘導体の反応
0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液,pH 5.0への緩衝液交換後(上記実施例7.2(c)にしたがって)、3.3 mLのhG−CSFの溶液に、3.3 mLの789 mgのHES−誘導体の溶液および3.3 mLの60 mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム溶液(両方とも同じ緩衝液中)を加え、溶液を4℃にて30時間インキュベートする。すべての溶液を0℃に冷却した後、混合する。
17時間後、反応コントロールのためにサンプルを除去する。ゲル電気泳動によって、反応混合物を分析する(図18参照)。
実施例7.3:
NN'−スクシンイミジルカーボネートカップリングによるHES−GCFS複合体の合成
実施例7.3(a):
反応性エステル基を有するヒドロキシエチルデンプンとG−CSFの反応によるG−CSF複合体の合成
400 mgのオキソ−HES10/0.7(Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach−Rodheim、ドイツ)製;DE 196 28 705 A1を参照、オキソ−HESの酸化の度合いは、95%である)を、1 mlの無水DMFに溶解する。この溶液に、21 mgのN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートを加え、混合物を室温にて2時間攪拌する。得られる溶液における反応性HES 濃度は、40重量%である。
G−CSF約0.5 mg/mlの濃度を有するG−CSF(Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ))の溶液を、冷却遠心分離機を用いる10 kDカットオフにおける超遠心分離により濃縮して、10 mg/mlの濃度にする。
0.5 mlのこの濃縮G−CSF溶液に、180 μlの重炭酸ナトリウム溶液を加える。次いで、30分後に反応が終了するまで、タンパク質溶液に3部(各100 μl)の反応性HES溶液を滴下する。したがって、反応性HES:G−CSFの総モル比は、50:1である。次いで、0.1 N HClを用いて、混合物のpHを4.0に調節する。
HPGPC分析(高性能ゲル浸透クロマトグラフィー)による収率は、95%以上である。反応しないG−CSFは検出されない。この結果を図19に示す。
実施例7.4:
インビトロアッセイ
マウスNFS−60細胞に対するG−CSF変異体の***促進性
G−CSFは、好中球性顆粒球系譜の造血細胞の増殖、分化、活性化におけるその特別の効果が知られている。マウスNFS−60細胞(N.Shirafujiら、Exp.Hematol.1989、17、116−119)を用いて、G−CSF変異体の***促進能を試験する。外因性IL−3源として5−10%WEHI−3B(DSMZ(Braunschweig、ドイツ));DSMZの説明書にしたがって培養)ならし培地を含む10%ウシ胎児血清(Gibco INVITROGEN GmbH (Karlsruhe、ドイツ))を補足したRPMI培地にて成長させた細胞を遠心分離によって回収し、洗浄し、24ウエルプレートにおいてウエル当たり100,000個の細胞に等分する。WEHI−3Bならし培地を含まないRPMI培地に37℃にて1時間細胞を適合させた後、同じ培地で希釈したG-CSF成長因子サンプルを加える。NFS−60細胞を、精製G−CSF変異体(実施例5.3、5.4にしたがって精製、実施例5.5(a)にしたがってタンパク質を定量)に曝す:
ニューポジェン(登録商標)、ニューラスタ(登録商標)(両方ともAmgen製);
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS10/0.4複合体」;
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS10/0.7複合体」;
実施例7.2(d)で製造した「HES−GCFS30/0.4複合体」;
実施例7.2(d)で製造した「HES−GCFS30/0.7複合体」;
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS50/0.7複合体」;
実施例7.3(a)にしたがって製造した「HES−GCFS 10/0.7複合体(Supramol)」;
「模擬(Mock)インキュベーション」(=反応コントロール、197mg/mlのHES50/0.7、MW 50000D、DS 7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach Rodheim、ドイツ));37℃にて3日間行い、次いで、細胞をコンピューターで計数する(Casy TT Cell Counter、Scharfe System (Reutlingen、ドイツ))。結果を第2表および図20にまとめる。すべてのケースにおいて、第2表および図20において与えられるタンパク質の量は、複合体のみのG-CSF含量を表し、GlycoTheraによって決定された濃度に基づく。図20に見られるように、すべての異なるG-CSF変異体(2.5−250 pg/ml)が、加えれらた成長因子を含まない培地と比べて、3日後に細胞数の増加を刺激することができる。すべての変異体が、濃度250 pg/mlにおいて同じ最大刺激レベルを達成する。
第2表:G-CSF変異体によって誘発されたマウスNFS−60細胞の増殖
Figure 2007501870
実施例7.5:
ラットにおけるhG−CSF複合体のインビボ生物学的効果
到着後、ラット[雄性 CRL:CD(登録商標)ラット(7週齢)、Charles River Deutschland GmbH (Sanghofer Weg 7、D−97633 Sulzfeld)]を無作為に5つのグループに分けた。7日間馴化した後、調子の悪いラットを除外し、予備の動物と交換する。到着時のラット体重は、181−203 gである。
次いで、無作為に選んだ各グループ5匹のラットに、以下の非複合または複合G-CSFサンプル(実施例5.3、5.4にしたがって精製、実施例5.5(a)にしたがってタンパク質を定量)をタンパク質100 μg/体重kgの量で静脈内投与する(注入速度15 秒/投与、ビヒクル: 5ml PBS/体重kg):
ニューポジェン(登録商標)、ニューラスタ(登録商標)(両方ともAmgen製);
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS10/0.4複合体」;
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS10/0.7複合体」;
実施例7.2(d)で製造した「HES−GCFS30/0.4複合体」;
実施例7.2(d)で製造した「HES−GCFS30/0.7複合体」;
実施例7.2(b)で製造した「HES−GCFS50/0.7複合体」;
実施例7.3(a)にしたがって製造した「HES−GCFS 10/0.7複合体(Supramol)」;
「模擬インキュベーション」(=反応コントロール、197mg/mlのHES50/0.7、MW 50000D、DS 7、Supramol Parenteral Colloids GmbH (Rosbach Rodheim、ドイツ));および
ビヒクルコントロール。
約200 μlのEDTA全血であるすべての実験動物からの血液サンプルを、エーテル軽麻酔下で球後静脈叢から採取する。試験の5日前、朝に、夜間絶食させたすべての実験動物から一度に血液を採取する。試験日第1〜8日に、12時間間隔で1日2回血液を採取する。G−CSF/GCSF−複合体投与の前に、第1日における最初の血液サンプルを採取する。
白血球(WBC)の計数は、Bayer ADVIATM 120 (Fernwald、ドイツ)を用いて行う。結果を図21に示す。
図1aは、実施例2.1(a)にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;ニューポジェン(登録商標)。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:実施例2.1(a)に記載のG−CSF(ニューポジェン(登録商標))とHESの複合後の粗生成物。レーンC:G−CSF出発物質。図1bは、実施例2.1(a)にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;グラノサイト(登録商標)。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:実施例2.1(a)に記載のG−CSF(グラノサイト(登録商標))とHESの複合後の粗生成物。レーンC:G−CSF出発物質。 図2は、実施例2.1(b)にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;「Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ」からのG−CSF。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:G−CSFとHES10/0.4の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンC:G−CSFとHES10/0.7の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンD:G−CSFとHES50/0.4の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンE:G−CSFとHES50/0.7の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンF:G−CSF出発物質。 図3は、実施例2.2にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;「Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ」からのG−CSF。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:G−CSFと酸化HES10/0.7の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンC:G−CSFと酸化HES50/0.4の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンD:G−CSFと酸化HES50/0.7の複合後の粗生成物;0.1M NaOAc緩衝液,pH 5.0において。レーンE:G−CSF出発物質。 図4は、実施例2.3にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;G−CSF is ニューポジェン(登録商標)またはグラノサイト(登録商標)。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:実施例2.3の粗生成物(i−N)。レーンC:実施例2.3の粗生成物(ii−N)。レーンD:実施例2.3の粗生成物(iii−N)。レーンE:実施例2.3の粗生成物(iv−N)。レーンF:実施例2.3の粗生成物(i−G)。レーンG:実施例2.3の粗生成物(ii−G)。レーンH:実施例2.3の粗生成物(iii−G)。レーンI:実施例2.3の粗生成物(iv−G)。レーンJ:ニューポジェン(登録商標)。 図5は、実施例2.4にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;「Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ」からのG−CSF。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:実施例2.4の粗生成物(vi)。レーンC:実施例2.4の粗生成物(v)。レーンD:G−CSF出発物質。レーンE:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンF:実施例2.4の粗生成物(ix)。レーンG:実施例2.4の粗生成物(viii)。レーンH:実施例2.4の粗生成物(vii)。レーンI:G−CSF出発物質。 図6は、実施例2.5にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;「Strathmann Biotec AG(Hamburg、ドイツ」からのG−CSF。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、10%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kD。レーンB:実施例2.5の粗生成物。レーンC:G−CSF出発物質。 図7は、実施例3にしたがって製造したHES−G−CSF複合体のSDS page分析を示す;G−CSFは、ニューポジェン(登録商標)またはグラノサイト(登録商標)である。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。レーンA:タンパク質マーカーSeeBlue(登録商標)Plus2(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:188 kD、98 kD、62 kD、49 kD、38 kD、28 kD、17 kD、14 kD、6 kD、3 kDレーンB:実施例3の粗生成物(x)。レーンC:実施例3の粗生成物(xi)。レーンD:実施例3の粗生成物(xii)。レーンE:実施例3の粗生成物(xiii)。レーンF:実施例3の粗生成物(xiv)。レーンG:実施例3の粗生成物(xv)。 図8は、実施例6のインビトロの結果を示す。図において、x軸は、濃度(pg/ml)を示し、y軸は、細胞数(x100,000)を示す。図において、略語の意味は下記の通りである。G−CSF/A32:実施例2.5にしたがって製造したG−CSF複合体G−CSF/A33:実施例2.5の複合体に使用したG−CSF出発物質G−CSF/A57:非修飾ニューラスタ(Neulasta:登録商標)G−CSF/A58:非修飾ニューポジェン(登録商標)G−CSF/A60:実施例4.2にしたがって製造したG−CSF複合体 図9は、実施例4.1の粗複合体反応生成物のHPGPCクロマトグラムを示す。以下のパラメーターを用いてHPGPC分析を行った。カラム:Superose 12 HR 10/30 300 x 10 mm I.D.(Pharmacia)溶離液:27.38 mMNa2HPO4;12.62 mMNaH2PO4;0.2 M NaCl;0.005%NaN3/1リットルの脱塩水流量:0.24 ml/時間検出器1:MALLS検出器検出器2:UV(280 nm)検出器3:RI(屈折率検出器)Aは検出器1の結果を表し、Bは検出器2の結果を表す。 図10は、実施例4.1の粗複合体反応生成物のHPGPCクロマトグラムを示す;ここで、反応しないオキソ−HESおよび遊離N−ヒドロキシスクシンイミドなどの反応副産物ならびに溶媒についての混合物の含量は、冷却遠心分離器中、10 kD限外濾過膜を用いて低下された。以下のパラメーターを用いてHPGPC分析を行った。カラム:Superose 12 HR 10/30 300 x 10 mm I.D.(Pharmacia)溶離液:27.38 mMNa2HPO4;12.62 mMNaH2PO4;0.2 M NaCl;0.005%NaN3/1リットルの脱塩水流量:0.24 ml/時間検出器1:MALLS検出器検出器2:UV(280 nm)検出器3:RI(屈折率検出器)Aは検出器1の結果を表し、Bは検出器2の結果を表す。 以下のパラメーターを用いてHPGPC分析を行った。カラム:Superose 12 HR 10/30 300 x 10 mm I.D.(Pharmacia)溶離液:27.38 mMNa2HPO4;12.62 mMNaH2PO4;0.2 M NaCl;0.005%NaN3/1リットルの脱塩水流量:0.24 ml/時間検出器1:MALLS検出器検出器2:UV(280 nm)検出器3:RI(屈折率検出器)Aは検出器1の結果を表し、Bは検出器2の結果を表す。 以下のパラメーターを用いてHPGPC分析を行った。カラム:Superose 12 HR 10/30 300 x 10 mm I.D.(Pharmacia)溶離液:27.38 mMNa2HPO4;12.62 mMNaH2PO4;0.2 M NaCl;0.005%NaN3/1リットルの脱塩水流量:0.24 ml/時間検出器1:MALLS検出器検出器2:UV(280 nm)検出器3:RI(Refractive index検出器)Aは検出器1の結果を表し、Bは検出器2の結果を表す。 図13は、DEAE−セファロースCL−6Bクロマトグラフィー後のフロースルーおよびHES修飾G−CSF(A32)の溶出液のSDS−PAGE分析を示す。示された画分の1.5%を限外濾過によって脱塩し、SpeedVacにて乾燥し、12.5%ポリアクリルアミドゲルに適用した。 図14は、G−CSF出発物質(サンプルA33)のMALDI/TOFスペクトルを示す。 図15は、HES修飾G−CSF(サンプルA32)のMALDI/TOFスペクトルを示す。 図16は、HES修飾G−CSF(サンプルA60)のMALDI/TOFスペクトルを示す。 図17は、実施例7.2(b)の反応混合物のゲル電気泳動を示す。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。使用説明書にしたがってRoti−Blue(Carl Roth GmbH+Co.KG、Karlsruhe、ドイツ))でゲルを染色した。レーンA:タンパク質マーカーRoti−Mark STANDARD(Carl Roth GmbH+Co.KG、Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:200 KD、119 KD、66 KD、43 KD、29 KD、20 KD、14.3 KDレーンB:実施例7.1(d)で製造したhG−CSFとHES誘導体の複合後の粗生成物レーンC:実施例7.1(b)で製造したhG−CSFとHES誘導体の複合後の粗生成物レーンD:実施例7.1(j)で製造したhG−CSFとHES誘導体の複合後の粗生成物レーンE:反応コントロール:HES 50/07 図18は、実施例7.2(d)の反応混合物のゲル電気泳動を示す。ゲル電気泳動のために、XCell Sure Lock Mini Cell(Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))およびConsort E143 power supply(CONSORTnv(Turnhout、ベルギー))を用いた。還元条件下、使用説明書にしたがって、12%Bis−TrisゲルならびにMOPS SDS泳動用緩衝液を用いた(両方とも、Invitrogen GmbH (Karlsruhe、ドイツ))。使用説明書にしたがってRoti−Blue(Carl Roth GmbH+Co.KG、Karlsruhe、ドイツ))でゲルを染色した。レーンA:タンパク質マーカーRoti−Mark STANDARD(Carl Roth GmbH+Co.KG、Karlsruhe、ドイツ))。高分子量から低分子量までの分子量マーカー:200 KD、119 KD、66 KD、43 KD、29 KD、20 KD、14.3 KD。レーンB:実施例7.2(c)で記載した緩衝液交換後のhG−CSF。レーンC:実施例7.1(f)で製造したhG−CSFとHES誘導体の複合後の粗生成物。レーンD:実施例7.1(h)で製造したhG−CSFとHES誘導体の複合後の粗生成物。 図19は、実施例7.3の複合体反応生成物に関するHPGPCクロマトグラムを示す(MALLS検出器:上のチャート;UV検出器:下のチャート)。以下のパラメーターを用いてHPGPC分析を行った。カラム:Superose 12 HR 10/30 300 x 10 mm I.D.(Pharmacia)溶離液:27.38 mMNa2HPO4;12.62 mMNaH2PO4;0.2 M NaCl;0.005%NaN3/1リットルの脱塩水流量:0.24 ml/時間検出器1:MALLS検出器検出器2:UV(280 nm)検出器3:RI(屈折率検出器) 図20は、実施例7.4の***促進性アッセイの結果を示す。Y軸は、NFS−60−細胞数/mlを示し、X軸は、濃度(pg/ml)を示す。 図21は、実施例7.5のインビボアッセイの結果を示す。

Claims (78)

  1. 顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であるタンパク質およびヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であるポリマーまたはその誘導体を含む複合体の製造方法であって、
    該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも1つの官能基Aと該タンパク質の少なくとも1つの官能基Zを反応させることによって共有結合を形成する
    [ここで、Zは、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびケト基から選ばれる;
    ここで、Zがアルデヒド基またはケト基である場合、AはZと該結合を形成するアミノ基を含む;または
    ここで、Zがアミノ基である場合、Aは反応性カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基から選ばれる
    [ここで、Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である場合、該方法はさらに、
    i)1つの官能基がポリマーと反応し、少なくとも1つの他の官能基がアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であるか、またはさらに化学的に修飾されてアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基が得られる官能基である、少なくとも二官能性の化合物とポリマーを反応させることによって;または
    ii)ポリマーを酸化して少なくとも1つ、特に少なくとも2つのアルデヒド基を得ることによって;
    ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む;または
    ここで、Aが反応性カルボキシ基である場合、該方法はさらに、
    i)ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、得られるカルボキシ基を活性化することによって;または
    ii)ポリマーをその酸化されていない還元末端で炭酸ジエステルと反応させることによって;
    ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む];または
    ここで、Zがチオール基である場合、Aは該結合を形成するマレイミド基またはZとハロゲンアセチル基を含む]ことを含む方法。
  2. ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項1に記載の方法。
  3. ヒドロキシエチルデンプンの平均分子量が、2〜200 kD、好ましくは4〜130 kD、より好ましくは4〜70 kDである請求項2に記載の方法。
  4. Zが、アルデヒド基またはケト基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. アルデヒド基またはケト基が、タンパク質の糖質側鎖および/またはタンパク質のN末端基に位置する請求項4に記載の方法。
  6. タンパク質の糖質側鎖および/またはタンパク質のN末端基を酸化して、アルデヒド基またはケト基を得ることをさらに含む請求項5に記載の方法。
  7. 酵素的に、または過ヨウ素酸塩を用いて、いずれの場合にも、必要であれば、末端シアル酸を除去した後に、酸化反応を行う請求項6に記載の方法。
  8. Aを含むポリマー誘導体とZを含むタンパク質との反応の前に、ポリマーをその酸化されていない還元末端で、ポリマーの酸化されていない還元末端および基Aと反応することができる官能基を含む二官能性以上の架橋化合物と反応させることをさらに含む請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
  9. Aが、アミノオキシ基またはヒドラジド基である請求項4〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 二官能性以上の連結化合物がホモ二官能性化合物である請求項8または9に記載の方法。
  11. ホモ二官能性化合物が、アミノオキシ基を含む請求項10に記載の方法。
  12. ホモ二官能性化合物が、O−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンである請求項11に記載の方法。
  13. ポリマーと二官能性以上の連結化合物の反応を水性媒体中で行う請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
  14. ポリマーと二官能性以上の連結化合物の反応が、オキシム結合および/またはオキシアミノ結合をもたらす請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. Zがアミノ基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  16. ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、酸化されたポリマーをその酸化された還元末端でN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させて、反応性カルボキシ基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させて、反応性カルボキシ基Aを得ることをさらに含む請求項15に記載の方法。
  18. 炭酸ジエステルが、対称ジエステルである請求項17に記載の方法。
  19. 該エステルのアルコール成分が、N−ヒドロキシスクシンイミド、スルホン化N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールならびにニトロ−およびハロゲン−置換フェノールから選ばれる請求項17または18に記載の方法。
  20. ハロゲン置換フェノールが、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノールおよびペンタフルオロフェノールから選ばれる請求項19に記載の方法。
  21. 反応性エステル基Aを得るための、還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基と炭酸ジエステルとの反応を、無水非プロトン性極性溶媒中で行う請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはその混合物である請求項21に記載の方法。
  23. Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であり、方法が、ポリマーを二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させてポリマー誘導体を得ることをさらに含み、該二官能性以上の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aである少なくとも1つの他の官能基Qをさらに含む請求項15に記載の方法。
  24. Mがアミノ基を含む請求項23に記載の方法。
  25. Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であり、方法が、ポリマーを二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させてポリマー誘導体を得ることをさらに含み、該二官能性以上の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aである少なくとも1つの他の官能基Qをさらに含み、方法が、官能基Qを少なくとも1つの適当な化合物と反応させて、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに含む請求項23に記載の方法。
  26. MおよびQがアミノ基を含む請求項24に記載の方法。
  27. 少なくとも1つの適当な化合物が、カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基を含む請求項25または26に記載の方法。
  28. 少なくとも1つの適当な化合物が、ホルミル安息香酸または4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸である請求項27に記載の方法。
  29. Mがアミノ基を含み、Qがベータヒドロキシアミノ基を含む請求項25または26に記載の方法。
  30. ポリマーをその酸化された還元末端で二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させる請求項29に記載の方法。
  31. ベータヒドロキシアミノ基を酸化してアルデヒド基を得ることをさらに含む請求項29に記載の方法。
  32. 過ヨウ素酸塩を用いて酸化反応を行う請求項31に記載の方法。
  33. ポリマーを、過ヨウ素酸塩を用いる開環酸化反応に付して、少なくとも1つ、特に、少なくとも2つのアルデヒド基Aを有するポリマー誘導体を得る請求項15に記載の方法。
  34. ポリマーまたはポリマー誘導体とタンパク質の反応が還元的アミノ化である請求項23〜33のいずれかに記載の方法。
  35. NaCNBH3の存在下で還元的アミノ化を行う請求項34に記載の方法。
  36. pH7以下で還元的アミノ化を行う請求項34または35に記載の方法。
  37. pHが、6以下である請求項36に記載の方法。
  38. 温度0〜25℃にて還元的アミノ化を行う請求項34〜37のいずれかに記載の方法。
  39. 水性媒体中で還元的アミノ化を行う請求項34〜38のいずれかに記載の方法。
  40. Zがチオール基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  41. ポリマーの官能基Aがハロゲンアセチル基を含み、方法が、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端でそれぞれアミノ基を含む少なくとも2つの官能基を有する二官能性以上の化合物と反応させて、アミノ基を含む少なくとも1つの官能基を有するポリマー誘導体を得ることをさらに含み、方法が、ポリマー誘導体をモノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応させることを含む請求項40に記載の方法。
  42. ハロゲンがBrまたはIである請求項41に記載の方法。
  43. 二官能性以上の化合物が、2〜10個の炭素原子を有するジアミノアルカンである請求項41または42に記載の方法。
  44. 二官能性以上の化合物が、1〜5個のアルキレン単位を有するジアミノポリエチレングリコールである請求項41または42に記載の方法。
  45. ポリマーを、その酸化された還元末端で二官能性以上の化合物と反応させる請求項41〜44のいずれかに記載の方法。
  46. ジメチルホルムアミドおよび水の混合物を含む溶媒の存在下でハロゲンアセチル基を含むポリマー誘導体をタンパク質と反応させる請求項41〜45に記載の方法。
  47. Aがマレイミド基を含み、方法が、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端で、必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基Uを含む二官能性以上の化合物と反応させることを含み、二官能性以上の化合物が、化学的に修飾されてマレイミド基が得られる官能基Wをさらに含み、方法が、官能基Wを化学的に修飾してマレイミド基を得ることをさらに含む請求項40に記載の方法。
  48. Uが、アミノ基を含む請求項47に記載の方法。
  49. Wが、アミノ基を含む請求項47または48に記載の方法。
  50. Wを含むポリマー誘導体を、Wと反応することができる官能基を含み、マレイミド基をさらに含む二官能性以上の化合物と反応させる請求項47〜49に記載の方法。
  51. 二官能性以上の化合物が、N−(α−マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステルである請求項50に記載の方法。
  52. 請求項1〜51のいずれかに記載の方法によって得られる複合体。
  53. Aが反応性カルボキシ基であり、Aがポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させることによってその還元末端が酸化されていないポリマーに導入された、1つのポリマー分子およびアミド結合を介してポリマーに結合した少なくとも1つ、特に1〜10個のタンパク質分子を含む請求項52に記載の複合体。
  54. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    および/または
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;
    Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;および
    Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  55. −L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である請求項54に記載の複合体。
  56. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    および/または
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  57. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    および/または
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  58. −L−が、式:
    −[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
    [式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
    Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
    mは1、2、3または4;
    残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
    nは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
    oは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
    残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
    である請求項57に記載の複合体。
  59. Ra、Rb、RcおよびRd が水素であり、m=2、n=1およびo=2である請求項57または58に記載の複合体。
  60. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  61. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    結合:−O−(C=O)−は、カルボキシ基または反応性カルボキシ基とHAS分子のヒドロキシ基との反応によって形成された]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  62. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    および/または
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜2個および特に好ましくは1個の炭素原子を有し、特に、CH2が好ましい]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  63. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    L1およびL2は独立して、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
    Dは、結合であり、L1に結合した適当な官能基F2とL2に結合した適当な官能基F3によって形成された共有結合が好ましい]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  64. −L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である請求項63に記載の複合体。
  65. L2が、必要に応じて適当に置換されたアリール部分、好ましくは6個の炭素原子を含むアリール部分、特に好ましくはL2がC6H4を含む請求項63または64に記載の複合体。
  66. F2が、
    C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
    チオ基またはヒドロキシ基;
    アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
    1,2−ジオール;
    1,2−アミノ−チオアルコール;
    アジド;
    1,2−アミノアルコール;
    アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
    ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
    それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
    カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
    −OHまたは−SH;
    アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
    アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
    アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
    N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
    ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
    −NH−NH2または−NH−NH−;
    −NO2
    ニトリル基;
    アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
    カルボキシ基;
    −N=C=O基または−N=C=S基;
    ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
    −C≡C−H;
    −(C=NH2Cl)−Oアルキル
    基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
    −CH=CH−SO2−;
    構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
    基:
    Figure 2007501870

    基:
    Figure 2007501870
    から選ばれる請求項63〜65に記載の複合体。
  67. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、部分:−CH2−NH−の炭素原子は、開環酸化反応によってポリマーに導入されたアルデヒド基から誘導され、窒素原子は、タンパク質のアミノ基から誘導される]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  68. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
    イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  69. −L−が、式:
    −[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
    [式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
    Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
    mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
    残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
    nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
    oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
    残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
    nは0;および
    oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
    残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
    である請求項68に記載の複合体。
  70. ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
    Figure 2007501870
    [式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
    Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
    イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
    で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
  71. −L−が、式:
    −[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
    [式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
    Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
    mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
    残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
    nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
    oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
    残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
    nは0;および
    oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
    残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
    である請求項70に記載の複合体。
  72. ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項54〜71のいずれかに記載の複合体。
  73. ヒドロキシエチルデンプンの分子量が、2〜200 kD、好ましくは4〜130 kD、より好ましくは4〜70 kDである請求項72に記載の複合体。
  74. ヒトまたは動物の身体の治療方法に用いるための請求項52〜73のいずれかに記載の複合体。
  75. 請求項52〜73のいずれかに記載の複合体を治療有効量で含む医薬組成物。
  76. 少なくとも1つの医薬的に許容しうる希釈剤、補助剤または担体をさらに含む請求項75に記載の医薬組成物。
  77. 造血機能または免疫機能の低下を特徴とする疾患の治療用医薬の製造のための、請求項52〜73のいずれかに記載の複合体の使用。
  78. 疾患が、化学療法、放射線療法、感染性疾患、重篤な慢性の好中球減少症または白血病の結果である請求項77に記載の使用。


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