JP2007501254A - アセチルコリンエステラーゼ阻害特性を有する、シグマ‐1受容体配位子 - Google Patents

アセチルコリンエステラーゼ阻害特性を有する、シグマ‐1受容体配位子 Download PDF

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Abstract

神経細胞の細胞変性に関わる病気の予防または治療のためのものであり、アセチルコリンエステラーゼを阻害すると共にシグマ‐1受容体を結合することにより同効能を発揮する新規化合物および同予防、治療の方法に関する。ジメチルカルバミン酸2,3-ビス-ジメチルカルバモイルオキシ-6-[4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-ブチリル]-フェニルエステルとその誘導体はそれぞれがb-アミロイド・ペプチドに原因する神経毒に対する新規な治療手法を提供する。同新規化合物及び同治療方法が示す本効能はアセチルコリンエステラーゼの阻害、コリンの作動経路の活性化、およびシグマ‐1受容体との結合といった機序に拠るほか、同新規化合物の代謝産物がシグマ‐1受容体の配位子としての特性を有すると同時に抗酸化剤でもあることに起因する。
【選択図】図3

Description

本発明は、広くは神経細胞が細胞変性をきたすことに関係した病気をアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害することにより予防ないしは治療する手法に関するものであり、具体的には、神経細胞の細胞変性に関係し、神経細胞の壊死とも関係した病気あるいは疾患の予防ないしは治療に用いる治療薬化合物ないし医薬組成物に関するものである。
神経細胞の変性ないし壊死は重篤かつ回復不可能な影響を個体に及ぼす可能性を持っている。脳梗塞の発作、心臓発作、あるいはこれら以外、例えば、脳や脊髄部に発生する虚血状態や同部分が被る外傷を典型的な例とする様々な原因によって神経細胞の細胞変性ないし壊死が発生する。壊死をも含めた神経細胞の細胞変性に関係する疾患には、アルツハイマー氏病、パーキンソン氏病、ハンチントン氏病、筋萎縮性側索硬化症、ダウン氏症候群およびコルサコフ氏病がある。
アルツハイマー氏病(AD)は大脳皮質に存在する神経細胞に発生する細胞変性に関係した病気であり、脳の萎縮・退化や老年性認知症を引き起こす。米国においては現在4百万人以上がADに罹患しており、ADは加齢者が罹患する様々なタイプの認知症の内、最も一般的なものであり、65歳以上の人々の約10%、80歳以上の人々の約40%がADに罹患している。家族性ADは早期発症タイプのADであって、アミロイド蛋白前駆体(APP)遺伝子の異常と関連して発症すると共に全てのAD症例の約5%をこのタイプが占める。突発性ADは後期発症タイプのADであって全てのAD症例の約95%をこのタイプが占める。突発性ADの原因は今日においてもなお不明である。AD症状の平均罹患期間は8年である。ADは、医療費用、介護費用、社会的サービスの給付費用、生産性の損失ならびに寿命の短縮といった面で大きな経済的負担を強いるタイプの病気である。
臨床的観点からは、理解能力に対して亢進的かつ回復不能な障害を与える作用、ならびに記憶を変節させる作用を持つのがADであるとされる。組織学的観点からは、脳内部における、不溶解性アミロイド物質の析出物が凝集してできたものである神経細胞プラークの出現、タウ蛋白質のハイパーフォスフォリレーションによる神経原線維のもつれの発生、およびコリン作動性神経細胞における細胞変性の発生がADであるとされる。ADの治療のため現在採用されている方策には、b-アミロイド・ペプチド(A b)の産生を阻害するタイプの各種薬品、A bのオリゴマー化や繊維化の進行を抑制するタイプの各種化合物、各種の抗炎症性薬品、コレステロール産生を防止するタイプの各種薬品、各種抗酸化剤、神経細胞修復作用を有するタイプの各種薬品ならびに各種ワクチンの使用がある。Selkoe, Nature, 399: A23-31 (1999)、Emilien et al., Arch. Neurol., 57: 454-459 (2000)、Klein, Neurochem. Int., 41: 345-352 (2002)、及びHelmuth, Science, 297: 1260-1262 (2002) を参照。科学者たちの多くは、これまでコリン作動系ネットワークの機能不全を除去・改善することに焦点を当て開発努力してきており、その結果、様々なタイプのアセチルコリンエステラーゼ(AchE)阻害剤をその治療薬として開発するに至っている。このタイプの治療薬については期待できる臨床データが得られたにもかかわらず、AchE 阻害型治療薬の代表といえるタクリンについてですら、凡庸な薬効が認められる程度に留まっている。
加えて、ガランタミンならびにドネゼピルに代表される新世代AchE阻害型治療薬にあっても当該症状の発症時期を従来からある治療薬のそれ以上に遅延させる効果を発揮するに至ってはいない。現在知られているAchE阻害型治療薬の使用にあってはその使用で症状の発現を1ないし2年間遅らせたとしても、その間止まることなくコリン作動神経細胞の細胞変性は亢進し続けるという事実は、AchE の阻害のみを目標にしていては必要とされる治療法の改善を達成できないであろうことを示唆している。Tariot & Winblad, Alzheimer’s disease: advances in etiology, pathogenesis and therapeutics, 707-723 (2001) (Iqbal et al. 編集)、及びWaldemar et al., Alzheimer’s disease: advance in etiology, pathogenesis and therapeutics, 725-738 (2001) (Iqbal et al.編集) を参照。グルタミン酸作動性NMDA-サブタイプ受容体の抑制因子であるメマンチンは例外であるが、アルツハイマー氏病の治療処方に関する改善はまったく進んでいない。
しかし、最近の実験において得られたデータによるとシグマ‐1(s-1)受容体がADの治療処方候補の開発を進める上での目標として魅力的であると思われる。s-1受容体は脳の内部構造のいくつか特定の部位、例えば、大脳皮質や海馬にのみ存在し、それもそれらの細胞膜、小胞体膜あるいはミトコンドリアの膜といった部分に偏在する。Alonso et al., Neuroscience, 97: 155-170 (2000) を参照。このようにs-1受容体が細胞内の更に細部に相当する特定部分数箇所に偏在することの意義は今のところ分かっていない。しかし、s-1受容体の複数種の作動物質がラットの神経細胞を脳虚血による損傷から守る作用をすること、Ab25-35処理されマウスにおいて抗欝活性を示すこと、ラットの脳内でのアセチルコリンの放出を助長すること、更には神経成長因子に誘発されたPC12細胞内で神経突起の発芽を現出させることが分かっている。Kume et al., Eur. J. Pharmacol., 455: 91-100 (2002)、Goyagi et al., Anesth. Analg., 96: 532-538 (2003)、Urani et al., Behav. Brain Res., 134: 239-247 (2002)、Kobayashi et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 279: 106-113 (1996)、及びTakebayashi et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 303: 1227-1237 (2002) を参照。
s-1受容体の作動物質の何種類かは、その投与量によって回復の程度はまちまちであるものの、ラットにおけるスコポラミン誘発型記憶喪失症の回復作用をもつことが示されている。Maurice et al., Brain Rex. Rev., 37: 116-132 (2001) を参照。s-1受容体の作動物質の一つであるSA4503が、ラットの脳の海馬の切片サンプル内においてアセチルコリンの放出を助長させることが確認されており、加えて、生体での実験に基づいて、同作動物質がコリン作動経路を活性化させることで、例えその全てでないにしろ、記憶喪失症の抑制効果を発揮する可能性のあることも分かっている。Horan et al., Synapse, 46: 1-3 (2002)、 及びKobayashi et al., J. Pharnacol. Exp. Ther., 279: 106-113 (1996) を参照。また、s-1受容体の別種の作動物質に一つであるイグメシンが抗欝活性を持つことが、最近になって、脳室間液にアミロイド断片Ab25-35の注射投与を受けたマウスによる実験によって示され、それがおそらくモノアミン作動システムに変化与えることに原因すると推定されている。Urani et al., Behav. Brain Res., 134: 239-247 (2002)、及びAkunne et al., Neuropharmacology, 41: 138-149 (2001) を参照。この種成分の抗欝活性については、マウスを用いた強制水泳試験において、s-1受容体のもう一つ別種の作動物質であるPRE-084も抗欝活性を示すことが確認されている。Urani et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 298: 1269-1279 (2001) を参照。
s-1受容体の作動物質が示す上記のような抗欝活性は細胞間のカルシウム動員に変化が生じることで効果が現れ、カルシウム動員の変化の一部はリアノジン受容体の制御に原因するものである。Urani et al., Psychopharmacology, 163: 26-34 (2002) 及びHayashi et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 293: 788-798 (2000) を参照。カルシウムの恒常性の破壊は、カルシウム・シグナリングの病的変化を結果するものであり、現在、ADの根本原因であるとする学説がある。Kachaturian, Neurobiol. Aging, 8: 345-346 (1987) を参照。実際、ADの発症機序に関連してカルシウムが果たす役割に焦点を当てたデータは大量に発表されている。そしてADの亢進の抑制や記憶変節からの回復を実現するため、様々なカルシウム阻害薬の投与が試みられているものの成果はあがっていないのが現状である。
すなわち、ADを予防したり治療したりする処方についてはあまり成果があがっていないというのが現状である。コリン作動系の不調を改善すべくAchEを阻害する働きをするような、加えて神経細胞を保護し神経細胞の細胞変性に関係した病気や病変に対して優れた効果を発揮するべくs-1受容体と結合できるような新しい化合物や医薬品が求められているといえる。
本発明はアセチルコリンエステラーゼを阻害し、加えてシグマ‐1受容体と結合することにより神経系細胞の細胞変性に関係する病気や病変の予防や治療に効果を持つ化合物ないしは医薬組成物あるいは同予防や治療の方法を提供するものである。したがって本発明は化学式(I)で与えられる新しい化合物群またはそれら化合物の薬学的に許容される塩を提供するものである。
ここで、a) R1とR2の各々は、H基、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、ただしここでシクロアルキル基はその1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)を含んでなるいずれかのシクロアルキル基であるかもしくはアリール基、アリール(C1-C6)アルキル基、アリール(C2-C6)アルケニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル基のいずれかであり、あるいはR1とR2と更に加えてこれらが直接結合するNとを含んで5ないし6員のヘテロ環またはヘテロアリール環が形成されていても良く、この場合、同へテロ環またはヘテロアリール環がR1で置換されていても良くあるいはその1ないし2箇所にS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)が含まれていても良く、
b) (Alk)は(C1-C6)アルキル基、(C2-C6)アルケニル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C2-C6)アルキル)基、または[(C2-C6)アルキル(C3-C6)シクロアルキル[(C3-C6)アルキル]基の何れかであり、またそれぞれはその1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)で置換されていても良く、
c) nは1、2または3の何れかであり、
d) mは0または1の何れかであり、
e) R3は、H基、OH基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロゲン化(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C6)アルキルチオ基、チオ(C1-C6)アルキル基または(C1-C6)アルカノイルオキシ基である。
好ましくはnは2ないし3であり、更に好ましくは3であり、前記カルバモイル置換基は前記フェニル基の環の2、3および4の位置に結合するのが好ましい。R1、R2およびR3の各々は(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基または(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基であるのが好ましく、より好ましくはメチル、エチル、ブチルまたはプロピル基すなわち(C1-C4)アルキル基の何れかであるのが好ましい。(Alk)は(C1-C6)アルキル基であることが好ましく、-(CH2)3-のごとき-(CH2)1-4-基の一つであるのが最も好ましい。mは0でR3はエチル基であるのが好ましい。ピペラジニル基はその1-2位の双方の位置においてメチルもしくはエチル基の何れかに置換されていても良い。[(R1)(R2)NC(O)O]で表される端末部分はその一つあるいはそれ以上数のものが[HO-]基に取り替えられ化学式(II)で示される酸化防止性能を有すると考えられる構造を持つ化合物群を形成しても良い。化学式(I)で表されるグループの化合物の中には同化学式(I)で表される他の化合物を合成する為の有用な中間物となるものがある。
本発明は上記に加えて、化学式(I)で示される内の一種の化合物の有効性を発揮できる一定量を含みその他に薬学的に許容される一種類の担体成分および/あるいは一種類ないしはそれ以上種類の賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供するものであり、更には上記した化合物ないしは医薬組成物の有効な量を神経系細胞の病変をきたした状態にありあるいはそのことで苦しんでいるヒトなどの哺乳動物の個体に投与することで同病変を治療する方法を提供するものである。
化学式(I)で示される化合物は簡単に生成できる。すなわち、一般式(PO)nPhで表される保護基に守られたフェノール化合物(ここでPは水酸基を保護する解離可能な官能基で、nは1ないし3、Phはベンゼン環ないしはその他のアリール環を示す)をAlCl3の存在下で一般式ClC(O)-(Alk)-Clで示されるところの酸クロライドと反応させて生成できる。この反応の生成物を1位に置換基を有するピペリジンとを、同ピペリジンの1-C(O)R3-基を必要に応じ還元あるいは保護された状態にした後に、反応させその後適宜フェノールのOH基、更にはアシル基の保護を取り外すことで一般に化学式(II)で示される化合物を得る。

(4位置換ピペラジン-1-イル)(Alk)C(O)Ph(OH)n (II)

ここで、nは1ないし3であり、ピペラジン-1-イルはその4位が(C(O))mR3で置換されている。化学式(II)が示す化合物グループに属する生物活性化合物群は本発明の範囲に含まれるものである。フェノール系のOH基をこの後一般式(R1)(R2)NC(O)Clで表される化合物と反応させることでカーバモイル化すると化学式(I)が示す化合物が得られる。図2には図1に示した本発明になる化合物群中の典型例である化合物の一種についてその生成経路を明らかにするものである。
その一具体例がジメチルカルバミン酸2,3-ビス-ジメチルカルバモイルオキシ-6-[4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-ブチリル]-フェニルエステルであるが、化学式(I)に示した化合物群はアセチルコリンエステラーゼの阻害ならびにシグマ‐1受容体との結合の双方の目的で使用できる。更に、同化合物群はシグマ‐1受容体配位子としても有効でありかつ抗酸化剤としての効能をも有する代謝産物を生成するためにも使用できる。
治療目的において効力を発揮するのに必要な量の本発明になる新しい化合物は、コリンの移動性を改善しb-アミロイド・ペプチドが原因する脳内部の神経毒症状の予防ならびに緩和を図るため、ひいては神経細胞の細胞変性に関係した病気ならびに病変の治療のための医薬組成物という形態にて投薬されても良いものである。すなわち本発明の一側面にあっては、発明になる化合物について目的とする治療に必要とされるその投与量を当該医薬品とするに適当な担体物質とで医薬組成物を作成し提供することになる。
本発明の別の一側面にあっては、本発明になる新らしい化合物を合成する方法を提供するものである。更に別の側面にあっては本発明は、本発明になる新しい化合物の治療のために有効な量投与することで、各被験体(a subject)の神経系細胞の細胞変性に関係した病気あるいは病変を防止しあるいは治療するための方法を提供するものである。以下には一つないしそれ以上数の本発明の実施例を詳細に記述する。本発明の他の構成、目的、および効果については、ここでの説明以外の箇所での記述あるいは請求項から明らかになるものである。
本発明は多様な様態で実施することが可能であるが、ここではそれらの内から選んだ数種類の実施例についてのみ説明を加えることにする。すなわち、これら説明の為に選ばれた実施例はあくまでも本発明の原理を例示するものであって、本発明の範囲をここに取り上げた実施例に限定しようとするものではない。
ここでは次の通りの省略表現を用いることにする。すなわち、アセチルコリン(Ach)、アセチルコリンエステラーゼ(AchE)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AchEI)、アルツハイマー氏病(AD)、b-アミロイド・ペプチド(Ab)、ジメチルカルバミン酸2,3-ビス-ジメチルカルバモイルオキシ-6-[4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-ブチリル]-フェニル エステル(SP004)、4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-ブタン-1-オン(SP004m)、シグマ‐1 受容体(s-1受容体)、ならびにシグマ‐2 受容体(s-2受容体)とそれぞれ省略表記することにする。
「コルチゾール変性物質」という表現はコルチゾール合成の病的な高まりを調整し、予防しあるいは低下させるような、あるいはコルチゾール合成のバランスに変更を加えるあるいは変更を加える傾向を示すような、したがってコルチゾール効果の強さに変更を加えるような薬理学的活性を有する物質のすべてを指すものとする。本願文書で用いる定義によれば、「コルチゾール変性物質」という表現は本願文書に記した各種方法、組み合わせの類、キット類あるいは化学物組成等のいずれかに採用するについてそれが薬理学的に適正でありすなわち効果を発揮するものである限りにおいて、コルチゾール変性、コルチゾール調整、コルチゾールバランス変更といった医薬品活性を有するすべての薬品成分を意味するもので同薬品成分が遊離の塩基、遊離の酸、塩、エステル、水和物、アミド、光学異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグ、ポリモルフ、誘導体あるいはこれらに類するものの内そのいずれでもあり得るものとなる。
「治療に有効な量」、「有効量」あるいは「薬理学的に有効な量」という言葉は当該物質成分が投与された被験体において治療効果を発現するのに必要とされる同物質成分の量をいうものとする。
「誘導体」という言葉は似た構造をもつ他の化合物から生成されるものであってかつその素となる化合物の原子、分子あるいは官能基を別のものと交換ないし置換して生成されるものを指す。
「生物学的利用効率」とは活性な部分(医薬成分あるいは代謝産物)が一般の循環に溶け込み、当該医薬成分が活動するべき身体内部の特定部位に届く割合をいうものとする。
「組み合わせ治療法」とは神経細胞の細胞変性に関係した病気あるいは病変の治療あるいは予防ための本発明以外にある医薬品成分と併用するべく処方される形で本発明にかかる組成物類の内の少なくとも一種類が当該被験体に投与される治療法をいうもので、神経細胞の細胞変性が関係する病気あるいは病変の治療において、併用される医薬品成分間に共同作業的効果を期待する治療方策に沿ったものを意味するものとする。
「予防する」あるいは「予防」なる言葉は被験体の神経細胞の細胞変性が関係した病気ないし病変に関して用いられる場合にあっては、それがその時点までに当該病気ないし病変の出現がない場合にあってはそのいずれもがその後に出現しないこと、当該病気ないし病変の出現がすでに認められる場合にあってはそのいずれもがその後悪化しないことを言うものとする。
「プロドラッグ」なる言葉は医薬品ないしは化学物質成分(活性を持つ主体)であって体内での代謝プロセスを経ることで変化しその結果薬学的活性を獲得するものをいう。プロドラッグとは一般的には、被験体への投与とそれに続く同被験体体内への吸収があってはじめて惹起される何らかの過程、例えば何等かの特定の代謝プロセスにおいて活性を有するあるいは当初より高い活性を有する形のものに変換されるような、医薬品の前駆体といえるものを指すものである。この変換の過程において生成されるそれ以外の成分は当該身体から簡単に排出される。プロドラッグ類には一般に何等かの化学的な意味での官能基が存在し、その官能基が当該プロドラッグの活性を弱いものとしたり、当該プロドラッグに特定の溶解度やその他何らかの特性を与えたりするものである。当該官能基が一旦切り離されると同プロドラッグよりもより高い活性をもつ医薬成分が生成されることになる。プロドラッグのそれぞれは可逆反応で変換生成される医薬成分の誘導体であり、特定の場所にある細胞組織への輸送割合が高くなるように同変換が設計されているものであって良いものとする。今日までに実現されているプロドラッグは、水が基本的な溶媒であるような部位を輸送先とし、そのために治療用の化学成分の水に対する実質的溶解度を高くするべく設計されたタイプのものに留まっている。例えば、Fedorak et al., Am. J. Physiol, 269: G210-218 (1995) にはデクサメタゾン-ベータ-D-グルキュロニドについての記述がある。McLoed et al., Gastroenterol., 106: 405-413 (1994) にはデクサメタゾンサクシネート-デクストラン類に関する記述がある。Hochhaus et al., Biomed. Chrom., 6: 283-286 (1992) にはデクサメタゾン-21-スルホベンゾアート ナトリウム およびデクサメタゾン-21-イソニコチナートに関する記述がある。更に加えて、J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987) にはN-アシルスルフォアニリド類化合物がプロドラッグ誘導体類となりえる可能性に関する評価が記載されている。J. Larsen et al., Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988) にはN-メチルスルホンアミド類化合物がプロドラッグ誘導体類となりえる可能性に関する評価が記載されている。様々のプロドラッグについては、例えばSinkula et al., J. Pharm. Sci., 64: 181-210 (1975) に記述がある。
「治療する」や「治療」なる表現は本願書類にあっては被験体の神経細胞の細胞変性に関係した病気ないし病変の病気・病変治療、あるいは同被験体の神経病理学的な病気・病変の治療をいうものであって、限定的でないとの了解のもとに、次のものを含めて指すものとする。当該病変や病気の前記段階にある可能性があるものの同病変の発生があったり病気に罹患したりはしていないと診断された被験体がその後において同病変を発症したり同病気に罹患したりするのを防止すること、同病変や病気の進行を押しとどめるなど同病変や病気を阻止すること、同病変や病気から快復させるなど同病変や病気の緩和、同病変や病気からの開放を達成すること、同病気や病変にともなう一つまたはそれ以上の症状を取り除くなど同病気や病変によって結果する状態からの開放を達成することを含むものとする。
また、別途但し書きのない限り、ハロゲン化はフッ化、塩化、臭化、またはヨウ化を意味し、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基などはそれら各々が直鎖あるいは分岐鎖のいずれかの官能基であること意味するものとする。しかし例えば「プロピル基」のごとく一種類のラジカルを示す場合にあっては直鎖のラジカルのみを指すものとし、分岐鎖を有する「イソプロピル基」のような異性体はそのとおりに区別して記載するものとしている。アリール基はフェニル・ラジカルまたはおよそ9ないし10員の環構成原子で構成され、少なくともその一つは芳香族環であるオルソ位置で互いに縮合する2環の炭素環で構成されるラジカルを意味するものとする。ヘテロアリール基は単環の芳香族環の環構成炭素の位置で結合するラジカルであって、その1ないし4員はヘテロ原子であることを特徴とするおよそ5ないし6員の環構成原子で同芳香族環が構成されるものをいうこととする。ただし、ここで、これらのヘテロ原子のそれぞれは過酸化物を構成するものではない酸素原子、イオウおよびN(R1)のグループから選ばれる何れかであることとし、ここでR2は欠如しているか、上記に定義されたとおりであり、およそ8ないし10員の環構成原子からなる互いにオルソ位置で縮合した2つのヘテロ環のラジカルであるほか、特に、それから誘導されるベンゾ誘導体ないしはプロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレンといったジラジカルを縮合させて誘導されるものであるものとする。
本発明の技術分野の技術者には理解できるごとく本発明になる化合物のそれぞれはキラル中心を有する場合にあっては、その結果光学活性を有する化合物に分離されて存在するかあるいはラセミ体として存在することになる。またポリモーフィズムを示す化合物であることもある。本発明になる化合物にはそれらのラセミ体であったり光学活性を有するポリモーフィックな化合物であったり、立体異性体であったり更にはそれらの混合体に該当する化合物すべての内で本願文書に記載した有用な性質を有するものをも含むものとする。また、本発明に関わる技術分野の技術者にはどのような方法で光学活性を持った化合物を生成するか(例えば、再結晶化の手法によるラセミ体の分離、原料成分として光学活性を有する成分を採用した合成、キラル合成、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフ法による分離が採用できる)とか、本願文書に記載した方法の標準試験によるにしろ、それ以外の公知の方法による代替的試験によるにしろ毒性成分に対する無害化活性の有無の同定をどの様に実施するかとかは良く知られているところである。
以下に記述するラジカル成分、置換基に関わり、それらについて好ましいとした特定の値あるいは同値に関わる特定の範囲は、あくまでも説明のために用いたものであって、ここで記述する説明のために採用した値でないものを、同ラジカル成分や同置換基に関して別途記載し定めた本発明の範囲から除外しようとするものではない。
(C1-C6)アルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、3-ペンチル基またはヘキシル基であり、(C3-C12)シクロアルキル基には単環、2環または3環の脂環族官能基であって、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、2環[2.2.2.]オクタニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ならびにその他の様々なテルペンやテルペノイド型構造の官能基が含まれる。(C3-C12)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基は前出のシクロアルキル基を含み、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロへキシルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-シクロブチルエチル基、2-シクロペンチルエチル基、または2-シクロヘキシルエチル基であることが可能である。ヘテロシクロアルキル基ならびに(ヘテロシクロアルキル)アルキル基は前出のシクロアルキル基における環構造が単環、2環、または3環であって、同環がその1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R7)をその環の構成員としていても良く、これらと併せて2-12員の炭素原子で構成されることを特徴とするシクロアルキル基であり、具体的にはモルフォリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、インダニル基、1,3-ジチアン-2-イル基などであることが可能である。ここで更にこのシクロアルキル基はその環構造の1ないし3箇所に二重結合またはエポキシ構造部分を含むものであっても良く、更にはその1ないし3箇所がOH基、(C1-C6)アルカノイロキシ基、(CO)基、(C1-C6)アルキル基または(C2-C6)アルキニル基に置換されているものであることが可能である。(C1-C6)アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソ-プトキシ基、sec-ブトキシ基、ペントキシ基、3-ペントキシ基またはヘキシロキシ基であることが可能である。(C2-C6)アルケニル基はビニル基、アリル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基または5-ヘキセニル基であることが可能である。(C2-C6)アルキニル基はエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル基または5-ヘキシニル基であることが可能である。(C1-C6)アルカノイル基はホルミル基、アセチル基、プロパノイル基またはブタノイル基であることが可能である。ハロゲン化(C1-C6)アルキル基としてはヨウ化メチル基、臭化メチル基、塩化メチル基、フッ化メチル基、三フッ化メチル基、2-クロロエチル基、2-フルオロエチル基、2,2,2-三フッ化エチル基あるいは五フッ化エチル基であることが可能である。ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基はその1ないし2箇所がOH基で置換されたアルキル基のことであり、具体的にはヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基、3,4-ジヒドロキシブチル基、1-ヒドロキシペンチル基、5-ヒドロキシペンチル基、1-ヒドロキシヘキシル基または6-ヒドロキシヘキシル基などがこれに相当する。(C1-C6)アルコキシカルボニル基はメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基またはヘキシロキシカルボニル基であることが可能である。(C1-C6)アルキルチオ基はメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基またはヘキシルチオ基であることが可能である。(C2-C6)アルカノイロキシ基はアセトキシ基、プロパノイロキシ基、ブタノイロキシ基、イソブタノイロキシ基、ペンタニイロキシ基またはヘキサノイロキシ基であることが可能である。アリール基はフェニル基、インデニル基、インダニル基またはナフチル基であることが可能である。そして、ヘテロアリール基はフリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、ピラジニル基、テトラゾリル基、ピリジル(またはそのN-オキシド)基、チエニル基、ピリミニジル(またはそのN-オキシド)基、1H-インドリル基、イソキノリル(またはそのN-オキシド)基またはキノリル(またはそのN-オキシド)基であることが可能である。
化学式(I)または(II)で示される化合物類は、SP004も含めて、それらの各々がAchE阻害効果とs-1受容体の作動物質としての有効性の両方の特性を発現する。一つの実施例にあっては、SP004は活性代謝産物SP004m(図7参照)を生成する。同SP004mはSP004と同様にs-1受容体と結合すると共に抗酸化剤としての諸特性をも発揮する。
SP004のヒトAchEに対する選択性(IC50= 1.3 mM)はガランタミンのそれの1.6倍であり、ドネゼピルのそれの6.8倍になる。Greig et al., Acta Neurol. Scand., 176: 74-84, 2000を参照。SP004はs-2受容体(IC50< 10 mM)に比べて高い選択性でs-1受容体(IC50 = 680 nM、Ki = 560 nM)と結合する。SP004がそうであるべき理論的背景はないのであるが、この結果、SP004はs-2受容体の作動物質群に対するアポトーシス誘因作用や細胞毒としての作用を持たないかもしれない。Bowen, Pharm. Acta Helv., 74: 211-218 (2000)、およびCrawford et al., Eur. J. Pharmacol., 443: 207-209 (2002) を参照。
SP004はAchEを阻害すると同時にあるいは阻害した後にSP004mと名付けられた活性代謝産物を図6に示した通り遊離する。SP004はしたがって医薬成分であると共にプロドラッグでもあり、プロドラッグである故に活性な代謝産物SP004mを遊離することになる。理論的必然性はないものの、SP004mの構造はs-1受容体配位子の化学構造を有し、酸化防止効果を発揮する化学成分の化学構造をも持っている。SP004mはSP004と同一の構造部分をも持っており、それ故にs-1受容体と結合することも可能でSP004の活動を補助し強化する働きも果たす。これらに加えて、SP004からその3箇所に存在したカルバモイル基が除去されることでSP004mに形成されることになるポリフェノール基群は強力な酸化防止性能をSP004mに付与することになるが、酸化の進行という方向でADの脳の病変が悪化するものであるだけに、この酸化防止性能は望ましい性能ということになる。植物由来のポリフェノール類は様々な酸化防止能、様々な発がん性抑止効果、様々な抗血小板作用、循環器系病気からの様々な面での保護性能ならびに酸化作用がもたらす病変から脳神経を様々な面で保護する能力を有することが知られている。Rice-Evans, Biochem. Soc. Symp., 61: 103-116 (1995)、Damianaki et al., J. Cell Biochem., 78: 429-441 (2000)、Soleas et al., Clin. Biochem., 35: 119-124 (2002)、Wang et al., Chin. Med. J., 115: 378-380 (2002)、Cuevas et al., Lipids, 35: 143-148 (2000) およびBastianetto et al., Br. J. Pharmacol., 131: 711-720 (2000) を参照。
病気ないしは病変の治療において投与するにあっては、SP004および/またはSP004mの有効量を薬学的に許容される担体成分物質と混合調整し医薬組成物にしたものを利用する。この様にして調製される本発明になる医薬組成物を当該被験体に投与するにあっては本発明になる当該化合物の当該被験体の血清中濃度が目的とする治療効果を現出するために必要される期間の全域において、同治療効果を現出させるに足るレベルとなるような投与量にしなければならない。
治療効果の現出させるに足る治療用医薬品の投与量については実験的に特定できるものであって、当該医薬品の血清中に吸収される速さ、生物学的利用効率ならびに病変の治療効力などといった要素・変数を基にして導出されるものである。しかし、本発明になる治療用医薬品の個々の被験体への具体的な投与量となると、様々な要素・変数に基づいて決定しなければならない。これら要素・変数とは、本発明と同分野の技術者にはよく知られている通り、実際に使用される化学品成分個々に固有の活性度、投与する時刻スケジュール、***される速さ、併用される医薬品成分の組み合わせの違い、治療対象の病変の深刻さの度合い、投与の経路、ならびに個々の被験体の年齢、体重、広い意味での健康度、性別、食習慣を含むものである。
本発明になる各種医薬組成物はそれぞれに応じて様々な経路から投与できるものであって、例えば、これらに限るという趣旨ではなく、経口投与、経鼻胃投与、直腸投与、経皮投与、非経口(注射)投与、皮下投与、筋肉投与、静脈注射(点滴)投与、髄内投与、皮内注射投与、鼻内への注射投与、経粘膜投与、膣内局所投与、口腔投与ならびに舌下投与が可能である。この様な医薬組成物は、当該分野の技術者には良く知られた通り、そのそれぞれに応じて様々な緩衝剤、保存剤、浸透促進剤、適合する担体剤ならびにその他の治療効果を有するまたは治療効果を有さないタイプの賦形剤が配合されるのが一般的である。
医薬品成分に含有することが許容される陽イオンには種々の金属のイオンならびに種々の有機イオンがあり、好適な金属イオンには、これらに限定するとの意味ではなく、適正に選択された種々のアルカリ金属塩、種々のアルカリ土類塩を形成するイオンならびに生理学的に許容されるこれら以外の種々の金属イオンがある。好適な有機イオンには、これらに限定するとの意味ではなく、水素が配位した種々のターシャリー・アミンや種々の四級アンモニウム陽イオンがある。
医薬品成分に含有することが許容される酸には、これらに限定するとの意味ではなく、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、その他これらに類する多種類の酸がある。治療の為の投与量は一般に安全を期しながら効果が現れる量になるまで漸増させることが可能である。生体内(in vivo)試験や試験管内(in vitro)試験で得られた投与量対効果の関係曲線は個々の被験体に対する適正投与量のガイダンスとして有用である。本発明に関わる胃腸疾患や胃腸病の治療のための有効投与量に関するガイダンスとして、一般的には動物をモデルとした調査結果を利用することが可能である。治療プロトコールという観点でいえば、医薬品の投与における投与量については、いくつかの要件の状況次第で適宜変更を加えるべきものであり、例えば、投与する医薬品の違い、投与する経路の違い、当該被験体の状態の違いなどを考慮して適宜変更する必要がある。
試験管での(in vitro)試験において確認された治療効果を発現するに必要な濃度に相当する血清内濃度レベルを、同治療効果を出現させるに必要な時間に渡り維持するのに適した量の化合物を投与しようとするのが一般的な考え方である。したがって、もし最大有効投与量200 nMの、例えば、半分の量で当該化合物が試験管(in vitro)試験における活性を発揮することが判明したとすると、一般的に言って、同最大有効投与量である200 nMの半分のレベルの濃度を、当該治療の効果発現までに必要である時間に渡って、生体内(in vivo)において維持できるような量の当該医薬品の投与を実施しようとすることになる。ここで治療の効果とは、例えば、ベータ-アミロイド由来の神経毒に原因する病変の治療における効果ならびにその他の当該分野の技術者には良く知られた要件に関わるインジケータ値から適宜選ばれた何種類かにより判定される治療効果を意味するものである。ここで採用するこれらパラメター値の決定については当該分野の技術者には良く理解されているところであり、また標準的な教科書にも説明がなされている知識事項である。本発明になる化合物について、被験体への有効投与量を測定に基づいて決定するにあたっては、標準的な検定技術に基づくことで本発明になる化合物の血清内濃度を測定することが可能である。本発明になる化合物のそれぞれは、それとは別の医薬品成分であってかつ神経細胞の細胞変質に関わる病気ないし病変の治療に向けられたものと併用する形で利用することも可能である。いわゆるコンビネーション療法が実施される場合であってそれが本発明と連携した形のものである場合には、追加的ないしは相乗的な効果が生じすべてでないにしろ多くの副作用の低減ないし除去が可能となる可能性がある。ここで言う医薬品それぞれが持つ副作用の程度を低減できる一般的な理由には、例えば医薬品を組み合わせ使用することで一定の治療効果を達成するために必要なここの医薬品の投与量が減少することがあげられる。
この様なコンビネーション療法によりもたらされる利点として、これらに限定するものではないが、組み合わせられる治療用薬品成分の間で薬学的速度論あるいは薬学的運動論上の協力関係効果の存在があげられる。この様に治療用薬品成分を組み合わせて投与する場合にあっては、通常の場合にはそれら薬品成分を、実質的な意味で、同時に投与することを一定期間継続することになる。ここで言う一定期間は、採用する組み合わせの如何によって、何分間という期間であったり、何時間でという期間であったり、何日間といった期間であったり、何週間、何年間といった期間になったりと様々である。それぞれが単独療法として計画された複数種類の治療が実行され、同複数種類の治療がたまたま本発明に関わる組み合わせに該当するとしても、それらが単に結果的に2種あるいはそれ以上数の種類の治療薬成分を投与することになるだけのケースは、原則として一般的な意味でのコンビネーション療法には含まれません。
コンビネーション療法とは、むしろ、当該複数種類の治療薬を一定の順番に投与するケース、すなわちこれら複数種類の治療薬のそれぞれをそれぞれ別々の時刻に投与するケース、ならびに、当該複数種類の治療薬、少なくともそれらの内の2種類、を実質的に同時に投与するケースを指そうとするものである。実質的に同時になされる投与とは当該複数種の治療用化学品成分を同一の医薬品組成物の形にしてあるいはそれぞれの治療用化学品成分を別個の医薬品組成物の形にして実施されて良いものである。一定の順番で投与を行うにケースにあってはそれぞれの治療用医薬品をそれぞれに適した経路で投与することが可能である。コンビネーション療法には更に、これまでに述べてきた治療用医薬品に加えて、それら以外であってかつ生物活性を持つ何種類かの医薬品成分、これ限定する意味ではなく例えば、鎮痛剤成分を同コンビネーションに含め投与するケースや、投薬治療でなく、これに限定するとの意味ではないものの例えば外科手術のような手段を同コンビネーションに含め投与・実施するケースも含まれる。
この様なコンビネーション療法の実施にあっては、実施する個々のコンビネーション療法において採用される様々な種類の治療薬成分が、それらが同時に、実質的に同時に、あるいは一定の順番に従って投与されるかの違いに関わらず、当該コンビネーション療法に関わる一定の治療計画にしたがって投与されるものであり、投与の経路に関してはその一種に対して経口投与を指定したからといってその他の一種にも経口投与を指定するとは限らず、経口投与の他、例えば、経皮投与、静脈注射による経路、筋内投与、あるいは粘膜細胞組織からの直接吸収といった経路が指定されても良いものとされる。個々のコンビネーション療法において採用される複数種類の治療用化合物のそれぞれはそれが経口投与されるものである、スプレー吸入で投与されるものである、直腸内投与されるものである、局所的に投与されるものである、口腔投与されるものである、舌下投与されるものである、非経口経路で投与(例えば、皮下注射、筋内注射、静脈内点滴や皮内注射による投与)されるものであるのいずれであるかに関わらず、そのそれぞれが各々適当とされる処方の合医薬品組成物という形で薬学的に許容される何種類かの賦形剤成分、何種類かの希釈剤成分あるいはその他の何種類かの配合剤成分と共に供給されるものである。
経口投与することを前提とする医薬組成物は、本発明に関わる化合物の所望量を含有し、また、例えば、タブレット、硬いかあるいは柔らかいカプセル、ロゼンジ、カシェット、トローチ、粉末、顆粒、懸濁液、エリキシル剤、液体など、経口投与に概ね適応した何らかの形状物の形態として供給される。概要説明をするとするならば、同医薬組成物のそれぞれは投与用に、例えばタブレットやカプセルなどと呼ばれる一定単位量ごとに分離されており、各単位が当該活性化合物成分の所定量を含有する。この様な形状の投与組成物単位は同活性化合物成分以外にも例えば緩衝剤類などを含有する。タブレットやピルあるいはそれらの類似形状の投与組成物単位は更に腸において溶解するタイプの物質によるコーティングが施されることもある。
口腔吸収や舌下からの吸収投与を前提とする様々な医薬組成物にあっては、フレーバーを加えた、蔗糖をその一例とする基質剤に保持された当該活性化合物成分ならびにアカシアとトラガカンスのいずれかを含有するロゼンジや、ゼラチンとグリセリンの混合物あるいは蔗糖をその例とする不活性な基質剤に保持された同活性化合物成分ならびにアカシアを含有するトローチに仕立てられる。経口投与を前提とする液体状の投与形体には薬学的に許容される配合組成を有する乳液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。これら投与形体にあっては当該分野では良く知られた例えば水といった不活性の希釈剤が使用され、またこの種の投与体の組成物には更に湿潤助剤類や乳化・分散助剤類、加えて甘味剤類、フレーバー剤類および芳香剤類が含まれることもある。
本発明に係る医薬組成物には経口投与以外の経路、(静脈内点滴、筋内注射、皮下注射といった)注射による投与を前提とするものが含まれている。この様な注射による投与を前提とする配合組成物には担体物質として例えば生理食塩水、デキストローズあるいは水が採用される。同配合組成物のpHレベルは必要に応じて好適な酸、塩基あるいはpH緩衝剤を加えて調整されることがある。同配合組成物には上記に加えて、好適な膨潤助剤、分散助剤、湿潤助剤、懸濁助剤類が配合されることがある。これらの助剤類にはマニトール、ポリエチレン・グリコール(例えばPEG 400)が含まれる。経口投与以外の経路に向けた配合組成物の中には、凍結乾燥され投与量ごとに容器中に入れ保存されるタイプのものもある。この様なタイプのものにあっては、注射の実施に先立って当該配合組成そのものを溶解するための水性液を同容器に注入できるようになっている。
医薬組成物のある種タイプのものは座剤あるいはそれに類する形式で投与することを前提としている。このタイプの医薬組成物にあっては例えばココア・バター、カカオ脂、その他の油脂、ポリエチレン・グリコールといった座剤の基材が担体物質として採用されている。更には必要に応じて、表面コーティング剤(例えばヒドロキシプロピル メチルセルローズからなるコーティングフイルム)や形状崩壊剤(例えばクロスカルメロースナトリウムや架橋型ポビドン)が配合されることがある。
各種のコロイド形状にて医薬品成分のデリバリーを達成するシステムにあっては、当該化合物は、例えばリポソーム、マイクロエマルジョンあるいはマクロエマルジョンと表現されるようなマイクロ・カプセルに封入されて当該コロイドにされる場合と、封入されずにそのまま当該コロイドにされる場合がありえる。これらのいずれにあっても。同医薬組成物はそれに適した薬剤学的手法、当該活性成分である本発明になる化合物と一種ないしは複数種の担体物質とを会合させえる段階を含むような薬学的手法を採用することで生成できる。ここで言う手法にあっては、採用される配合組成は活性を有する当該化合物が液体と微小なサイズに粉砕された固体物である二種類の担体のいずれか一方またはその双方と均一にかつ高い親和性をもって混合するように選択調製され、また必要によっては、更に同調整された配合組成を一定の形状に成型するものである。
本発明になるタブレットにはコーティングが施されていても良く、同コーティングはOpadryTM White YS-1-18027A(または他の色グレード)のような広く知られた材料を使用して形成できる。同コーティング部分のコーティング後のタブレットの全重量に対する重量比を3%程度に調整するのが好適である。更には、本発明になる組成物は、その組成物の崩壊が、当該被験体への投与後早急に始まるようにも、徐々にしか進行しないようにも、あるいは一定期間の経過後にはじめて始まるようにも設計することが可能で、そのためには従来から知られているその為の処方を利用できる。
賦形剤が希釈目的で使用される場合には同賦形剤として固体物質のほか、半固体の物質や液体の物質をも採用することができ、同賦形剤として用いた物質は当該活性成分の保持体、担体、または媒体として作用する。この様にして最終的には、当該組成物はタブレット、チュアブル・タブレット、ピル、粉末、ロゼンジ、サシェット、カプセル、エリキシル、懸濁液、乳液、溶液、シロップ、エアゾール(粉体または液体を媒体とする形体の双方がある)、柔らかいあるいは堅いゼラチン製カプセル、および無菌包装された粉末といった様々な形体にて提供されることになる。
本発明の一実施形態にあっては、当該製造工程は、(1)ドライ・ミキシング、(2)直接圧縮、(3)ミリング、(4)乾式または非水性グラニュレーション、(5)湿潤グラニュレーション、および(6)フュージョンの内の一つないしはいくつかの工程を含んで構成されることになる。Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy (1986) を参照。
神経細胞の細胞変性に関わる病気や病変に罹患している被験体の治療にあって、本発明になる組成物を長期間に渡って継続的に投与することが望ましい場合には、長期間に渡り一定レベルの放出が起こるようなインプラントを利用するのが良いと考えられる。ここで言う「長期間に渡る放出」とは当該インプラントが活性成分を当該治療に有効なレベルで少なくとも30日間、望ましくは60日間に渡り放出し続けられるように作製され配置されることを意味している。この様な長期間に渡る放出を実現するインプラントはすでに本発明分野の技術者には良く知られているところのものであって、上述したいくつかの放出システムもこの様に既知の技術に属するものである。
本願文書に記した内容に基づくことで本発明の分野の一般的な能力を有する技術者は本発明のすべてを実施することが可能になる。したがって以下に記述する具体例はすべて、事例に沿って本発明について説明を加えるためのものであって、これら具体例に記載しない側面があったとしても以下の具体例記述部分以外の部分で開示する本発明に制限を加える趣旨のものでない旨ご理解ください。

〔例1〕
〔SP004の合成〕
図2に説明した通り、2,3,4-トリメトキシ-フェニル(図2では100で示す)の10グラム(0.059モル)を塩化アルミニウム35.5グラム(0.26モル)の二硫化炭素懸濁液に加えた。同懸濁液の温度が約10℃である時点にて、g-クロロブチル クロライドを14.7グラム(0.1モル)追加投与した。この追加投与が完了した後2時間に渡り室温にて同混合物の攪拌を続けた。その反応混合物を氷の上に注ぎ、同反応混合物についてジクロロメタンによる抽出を行った。抽出操作における有機ソルベントの層を分取し水で洗浄し、MgSO4によって乾燥した。その後同溶液を減圧して濃縮し、出来た残渣物をそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
次のステップでは、上記で得られた化合物、4-クロロ-1-(2,3,4-トリメトキシ-フェニル)-ブタン-1-オン(図2では200で示す)の7グラム(0.026モル)とN-エチルピペラジンの5.8グラム(0.051モル)を100℃で7時間加熱した。未反応のN-エチルピペラジンを蒸散させた後の残渣をシリカゲルによるクロマトグラフにかけた。
つぎに、上記で生成された化合物、4-(4-エチルピペラジニル)-1-(2,3,4-トリメトキシ-フェニル)-ブタン-1-オン(図2では300で示す)0.5グラム(0.0014モル)の無水ジクロロメタン溶液に、アルゴン雰囲気下において、ボロントリブロマイドを1.7グラム(0.0071モル)加えた。同溶液をその後12時間に渡って加熱還流した。その後その溶液にメタノールを加え、同混合物を蒸散させた。メタノールによる蒸散を数回繰り返した後、その残渣をシリカゲルによるクロマトグラフにかけた。
次のステップにおいては、無水アセトニトリル中で、上記の通り生成された化合物、4-(4-エチルピペラジン-1-イル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-ブタン-1-オン(図2では400で示す)の0.5グラム(0.0016モル)、ジメチルカーバモイル クロライド の1.36グラム(0.0098モル)およびK2CO3の1.05グラム(0.0098モル)からなる混合体を無水アセトニトリル中で、アルゴン雰囲気下において3時間に渡り加熱還流した。同混合体はその後水で希釈した後ジクロロメタンを用いて抽出操作し、その有機層をMgSO4により乾燥させた。その後同溶剤を蒸散させその残渣をシリカゲルによるクロマトグラフにかけSP004(図2では500で示す)を生成した。

〔例2〕
〔SP004の結合能検定〕
様々なSP004濃度:3E-10、3E-9、1E-8、3E-8、1E-7、3E-7、1E-6、1E-5 Mにおいて互いに独立した結合能力試験を実施した。
(使用した物質と試験方法)
セントラル・イミダゾリン‐2受容体(I2): ラットの大脳皮質から抽出された複数ロットのセントラルI2受容体を本試験に供した。SP004濃度が段階的に高くなる複数の濃度レベルに調製したSP004を2 nMの特定のI2受容体配位子[3H]-イダゾキサンと共に22℃で30分間インキュベートした。Brown et al., Brit. J. Pharmacol., 99: 803-809 (1990) を参照。
ムスカリン性受容体(そのタイプは特定ぜず): ラットの大脳皮質から抽出された複数ロットのムスカリン性受容体を本試験に供した。SP004濃度が段階的に高くなる複数の濃度レベルに調製したSP004を0.05 nMのムスカリン性配位子[3H]-QNBと共に22℃で120分間インキュベートした。Richards, Brit. J. Pharmacol., 99: 753-761 (1990) を参照。
神経細胞由来ニコチン性a-BGTX-非感受性受容体:ラットの大脳皮質から抽出された複数ロットの神経細胞由来ニコチン性a-BGTX-非感受性受容体を本試験に供した。SP004濃度が段階的に高くなる複数の濃度レベルに調製したSP004を1.5 nMの特定の神経細胞由来ニコチン性a-BGTX-非感受性受容体配位子[3H]-シチシンと共に4℃で75分間インキュベートした。Pabreza et al., Mol. Pharmacol., 39: 9-12 (1991) を参照。
ヒト組み換えシグマ−1受容体: 複数ロットのジャーカット細胞で発現するヒト組み換えシグマ−1受容体を本試験に供した。SP004濃度が段階的に高くなる複数の濃度レベルに調製したSP004を8 nMのシグマ−1受容体配位子[3H]-(+)-ペンタゾシンと共に22℃で120分間インキュベートした。Ganapathy et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 289: 251-260 (1999) を参照。
シグマ−2受容体: ラットの大脳皮質から抽出した複数ロットのシグマ−2受容体を本試験に供した。SP004濃度が段階的に高くなる複数の濃度レベルに調製したSP004を5 nMのシグマ−2受容体配位子[3H]-DTGと共に22℃で120分間インキュベートした。Bowen et al., Mol. Neuropharmacol., 3: 117-126 (1993) を参照。
(試験結果)
本試験の結果は図3および図4ならびに表1に示す通りでした。
表1に示された通り、SP004はI2、M、N(a-BGTX非感受性)ならびにシグマ‐2のいずれの受容体に対してもその配位子ではない。SP004はIC50= 6.8E-07 Mでありシグマ‐1と結合している。
〔アセチルコリンエステラーゼの検定〕
本検定試験は様々なSP004濃度:3E-10、1E-9、3E-9、1E-8、3E-8、1E-7、1E-6、3E-6、1E-5 Mにおいて実施した。
(使用した物質と試験方法)
HEK-293細胞内に発現したヒトの組み換えアセチルコリンエステラーゼを本検定試験に供した。濃度50 mMのAMTCh基質の存在下でAchE(h)を37℃において30分間インキュベートした。同インキュベーション配合物としてはSP004が含まれないもの、ならびにSP004を含むもの(その濃度は複数のレベルに渡る)を準備された。Ellman et al., Biochem. Pharmacol., 7: 88-95 (1961) を参照。
(試験結果)
図5にその結果を示す。それから解かるとおり、SP004に関してIC50 = 1.3E-06 M、nH = 0 でありSP004はAchEを阻害している。
((考察))
結果データはSP004がヒトAchEに関して示す選択性、IC50(1.3 mM)がガランタミンのそれの1.6倍、ドネゼピルのそれの6.8倍である。別の試験報告によるとAchEの阻害効果の大きさは脳内のAch濃度上昇の大きさを示すものでないこと、またAchEの阻害効果の大きさが治療上の有用性と関係しないことが解っている。Messamore et al., Neuropharmacology, 32: 745-750 (1993)、Isomae et al., Jpn. J. Pharmacol., (2002) を参照。したがって、これまでに存在するこれらの試験結果は、SP004が有効なAchEI候補であることを示している。しかし、脳微量透析のような相補的な試験研究によりこれまでに存在するこれらデータの正当性を再確認することが必要である。
これまでに存在するこれらデータは興味をそそるものであるが、AchEのみを対象とする治療法では意識状態の悪化の速度を改善するといっても精々1ないし2年間長く治療を継続できるようになる程度にとどまるものであろうことが解っている。ニコチン酸受容体で変性することで細胞培地内の細胞をb-アミロイド・ペプチドから保護できることからして、ガランタミンのようにニコチン酸受容体にも働きかけるような医薬品を開発目標におくのも一案と思われる。しかし、この様にしたところでコリン作用性の経路のみにしか関わっていないことに違いはない。
一方、本発明は、AchEの阻害に関わっていることからこのコリン作用性の経路を対象にしていることになるが、加えてシグマ‐1受容体をも対象にしている。この結果、本発明になる化合物はAchEを阻害するのみならず、シグマ‐1受容体と結合することで、このほかに、少なくとも脳虚血という問題から脳細胞を保護する作用、抗欝剤としての作用、アセチルコリン放出を増加させる作用、更には神経突起の発芽促進作用をも併せ持つものとなっている。SP004はその他、コリン作用経路を活性化する作用を持つことから、記憶喪失の進行抑制のための活性を持つものとも言うことが出来る。
SP004は、更に加えて、活性を有する代謝産物を生成する。同代謝産物はシグマ‐1受容体と結合することで、本発明になる新規化合物が有する効果を一層増強するものである。また同代謝産物は抗酸化剤としても作用する。SP004mは抗酸化剤として、脳細胞の変性に関わる病気や病変に伴い脳の細胞内に加わる酸化を進行させる方向への圧力を和らげる作用をする。
ここでは本発明を事例に沿って説明してきた。ここでの事例に沿った説明はここで使用した表現が説明のためにするものであって発明を限定するためにするものでない旨を理解されたい。ここに開示された技術に基づくことで様々な変更が加えられた本発明、本発明と等価なもの、本発明の様々な具体化例を創案することが可能なことは明らかである。すなわち、本願文書、ここまでに記述した具体的内容に含まれていない技術であるとしても、請求項として別途限定的に記載した発明の範囲を超えることにはならないことを理解頂く必要があることをここに申し添える。
本願文書内に参照文献として言及した特許文献並びにその他の文献についてはそれらが開示するすべて内容を本願開示事項に含めるものとする。
図1はジメチルカルバミン酸2,3-ビス-ジメチルカルバモイルオキシ-6-[4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-ブチリル]-フェニルエステル(SP004)の化学構造を示すものである。 図2はSP004の化合物を合成するステップのフローチャートである。 図3はヒトのs-1受容体に対するSP004とハロペリドールの選択的結合力に関する競合関係を示すグラフである。 図4はヒトのs-2受容体に対するSP004とハロペリドールの選択的結合力に関する競合関係を示すグラフである。 図5はSP004がヒトのAchE活性に及ぼす影響を示すグラフである。 図6はSP004によるAchEの活性阻害ならびに活性を有する代謝産物生成の機序を示すものである。 図7は4-(4-エチル-ピペラジン-イル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-ブタン-1-オン(SP004m)の化学構造を示すものである。

Claims (22)

  1. 化学式(I)が示す化合物による治療効果が発現する量の同化合物を含有してなる医薬組成物。
  2. 薬学的に許容される賦形剤を少なくとも1つ更に含有する請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記化合物が、該化合物を治療効果が発現する量含む投与形体である請求項1記載の医薬組成物。
  4. 前記投与形体が、タブレット、柔らかいゼラチン製カプセル、堅いゼラチン製カプセル、懸濁液タブレット、発泡性タブレット、粉末、発泡性を有する粉末、チュアブル・タブレット、溶液、懸濁液、乳化液、クリーム、ゲル、貼り薬ならびに座剤からなるグループから選択される請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記投与形体が、薬学的に許容される賦形剤を更に含有する請求項3記載の医薬組成物。
  6. 薬学的に許容される前記賦形剤が、結合剤、崩壊剤、充填剤、表面活性剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤、付着防止剤、流動促進剤、あるいは薬学的に好適な担持体を含有する請求項5記載の医薬組成物。
  7. 前記化合物がアセチルコリンエステラーゼを阻害する請求項1記載の医薬組成物。
  8. 前記化合物がシグマ受容体と結合する請求項1記載の医薬組成物。
  9. 前記化合物が、神経細胞の細胞変性に関係する病気または病変の治療に効果を有する代謝産物を生成する請求項1記載の医薬組成物。
  10. 4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-ブタン-1-オンを含有してなる医薬組成物。
  11. 被験体における神経細胞の細胞変性に関係する病気あるいは病変を治療する方法であって、前記被験体に化学式(I)が示す化合物を投与する行為を含む治療方法。
  12. 神経病理学的異常をきたし、あるいは該異常に苦しめられている哺乳類動物の個体を治療するための組成物であって、担持物質または賦形剤と共に、化学式(I)で示される化合物または該化合物の薬学的に許容される塩の有効量を含有してなる前記組成物であり、
    化学式(I)において、
    a) R1とR2はそれぞれがH、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、ここで同シクロアルキル基は必要によっては1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)を含んでなるいずれかのシクロアルキル基であるかもしくはアリール基、アリール(C1-C6)アルキル基、アリール(C2-C6)アルケニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル基のいずれかであるものであり、あるいはR1とR2は同R1とR2に繋がるNをも含む5ないし6員のヘテロ脂環ないしはヘテロアリール環を形成するものであり、更に同へテロ脂環ないしはヘテロアリール環はR1を置換基として保有するものであっても良くその上1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)を含んでいても良く、
    b) (Alk)は(C1-C6)アルキル基、(C2-C6)アルケニル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C2-C6)アルキル基または[(C2-C6)アルキル(C3-C6)シクロアルキル[(C3-C6)アルキル]基であるものとし、その各々は1ないし2箇所においてS、過酸化物のものでないOまたはN(R1)で置換されていても良く、
    c) nは1、2または3であるものとし、
    d) mは0または1であるものとし、
    e) R3はH、OH基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6) アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6) シクロアルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロゲン化(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C6)アルキルチオ基、チオ(C1-C6)アルキル基または(C1-C6)アルカノイロキシ基であるものとする。
  13. mが0である請求項12記載の組成物。
  14. mが1である請求項12記載の組成物。
  15. R3が(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基または(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基である請求項13記載の組成物。
  16. R3が(C1-C4)アルキル基である請求項15記載の組成物。
  17. (Alk)が(C1-C6)アルキル基である請求項12または15記載の組成物。
  18. (Alk)が -(CH2)3-である請求項17記載の組成物。
  19. nが3である請求項12または16記載の組成物。
  20. (R1)(R2)NC(O)Oが2,3および4の位置にある請求項19記載の組成物。
  21. R1とR2が (C1-C4)アルキル基である請求項20に記載の組成物。
  22. R1とR2がメチル基であり、mが0であり、R3がエチル基である請求項12に記載の組成物。
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