JP2007336424A - パワー増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
効率の良い増幅ができるとともに、出力信号における高周波ノイズの低減を簡易な構成で効率良く低減することができるパワー増幅装置を提供する。
【解決手段】
増幅回路120A,120Bにより、スイッチング方式を用いて効率良く増幅された信号がLPF130A,130Bを介することにより、正相スイッチングノイズを含む高周波ノイズが残留している正相信号S3A、及び、逆相スイッチングノイズを含む高周波ノイズが残留している逆相信号S3Bが生成される。正相信号S3Aは、複合フィルタ140Aにおいて、逆相信号S3Bから抽出されたスイッチング周波数周辺逆相スイッチングノイズと合成されるとともに、高周波ノイズが低減される。また、逆相信号S3Bは、複合フィルタ140Bにおいて、正相信号S3Aから抽出されたスイッチング周波数周辺正相ノイズと合成されるとともに、高周波ノイズが低減される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、パワー増幅装置に関する。
従来からオーディオ等用のパワー増幅装置として、負荷とBTL(Balanced Transformerless)接続するパワー増幅装置が知られている。こうしたパワー増幅装置として、図1に示される回路構成を有するものが知られている(以下、「従来例1」と呼ぶ:特許文献1参照)。
従来例1のパワー増幅装置700は、信号源910から出力されたオーディオ信号S0を増幅するものであり、PWM(Pulse-Width Modulation)回路710と、増幅回路720A,720Bと、ローパスフィルタ(LPF)730と、CMRフィルタ740とを備えている。
このパワー増幅装置700では、PWM回路710が、オーディオ信号S0をパルス幅変調して、互いに逆位相のPWM信号S71A,S71Bを生成する。こうして生成されたPWM信号S71A,S71Bは、増幅回路720A,720Bによりスイッチング方式を用いて増幅されて、信号S72A,S72Bとして出力される。
信号S72Aには、ローパスフィルタ(LPF)730において、インダクタLAのインダクタンス値とキャパシタンスCの容量値とで定まる時定数に応じた積分が施される。この結果、信号S72Aに含まれるスイッチングノイズを含む高周波成分が効率的に減衰されて、元のオーディオ信号S0に対応する正相信号S73Aが、LPF730から出力される。
一方、信号S72Bには、LPF730において、インダクタLBのインダクタンス値とキャパシタンスCの容量値とで定まる時定数に応じた積分が施される。この結果、信号S72Bに含まれるスイッチングノイズを含む高周波成分が効率的に減衰されて、元のオーディオ信号S0に対応して、正相信号S73Aに対して逆位相の逆相信号S73Bが、LPF730から出力される。
この後、LPF730から出力された正相信号S73Aと逆相信号S73Bとにおけるコモンモードノイズが、CMRフィルタ740によって除去される。そして、CMRフィルタ740から出力された信号S74A,S74Bが、負荷であるスピーカ920に供給される。
なお、特許文献1には、従来例1のパワー増幅装置700におけるLPF730とCMRフィルタ750との機能について、部品点数を減らしつつ実現させることができるパワー増幅装置の回路構成も併せて開示されている。
また、負荷にBTL接続されるパワー増幅装置として、図2に示される回路構成を有するものが提案されている(以下、「従来例2」と呼ぶ:特許文献2参照)。なお、図2においては、図1の場合と同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
従来例2のパワー増幅装置800は、上述のパワー増幅装置700と同様に、信号源910から出力されたオーディオ信号S0を増幅するものであり、PWM回路710と、増幅回路720A,720Bと、LPF830A,830Bと、ノイズ成分抽出手段840A,840Bと、ノイズ成分合成手段850A,850Bとを備えている。
このパワー増幅装置800では、上述のパワー増幅装置700の場合と同様に、PWM回路710が、オーディオ信号S0をパルス幅変調して、互いに逆位相のPWM信号S71A,S71Bを生成する。こうして生成されたPWM信号S71A,S71Bは、増幅回路720A,720Bによりスイッチング方式を用いて増幅されて、信号S72A,S72Bとして出力される。
引き続き、LPF830Aにおいて、信号S72Aにおけるスイッチングノイズを含む高周波成分が効率的に減衰される。そして、元のオーディオ信号S0に対応する正相信号S83Aが、LPF830Aから出力される。また、LPF830Bにおいて、信号S72Bにおけるスイッチングノイズを含む高周波成分が効率的に減衰される。そして、元のオーディオ信号S0に対応して、正相信号S83Aに対して逆位相の逆相信号S83Bが、LPF830Bから出力される。
次に、バンドパスフィルタ(BPF)等により構成されるノイズ成分抽出手段840Aにおいて、正相信号S83Aに重畳している正相高周波ノイズS85Aが抽出されて、正相信号S84A及び正相高周波ノイズS85Aが出力される。また、上記のノイズ成分抽出手段840Aと同様に構成されたノイズ成分抽出手段840Bにおいて、逆相信号S83Bに重畳している逆相高周波ノイズS85Bが抽出されて、逆相信号S84B及び逆相高周波ノイズS85Bが出力される。
次いで、ノイズ成分合成手段850Aにおいて、正相信号S84Aと逆相高周波ノイズS85Bとが合成されることにより、正相信号S84Aに残留している正相高周波ノイズと逆相高周波ノイズS85Bとが相殺される。また、ノイズ成分合成手段850Bにおいて、逆相信号S84Bと正相高周波ノイズS85Aとが合成されることにより、逆相信号S84Bに残留している逆相高周波ノイズと正相高周波ノイズS85Aとが相殺される。
こうしてスイッチングノイズを含む高周波ノイズが有効に除去された正相信号S86A及び逆相信号S86Bが生成される。そして、正相信号S86A及び逆相信号S86Bが負荷であるスピーカ920に供給される。
なお、特許文献2には、従来例2のパワー増幅装置800において生成された正相信号S86Aと逆相信号S86Bとにおけるコモンモードノイズを除去するCMRフィルタ740を更に備えるパワー増幅装置の構成例も開示されている。
特開2003−46345号公報 WO 2006/049154 A1
上述した従来例1のパワー増幅装置700では、D級の増幅動作に伴って、増幅回路720A,720Bのスイッチング動作に由来するスイッチングノイズが発生する。かかるスイッチングノイズは、例えば、原信号S0がオーディオ信号の場合には、ラジオ放送波と重なる又は極めて近い周波数を有することが多い。
パワー増幅装置700では、こうしたスイッチングノイズの出力信号への残留の防止をLPF730によって図っている。しかし、簡易な構成のLPFによるスイッチングノイズの除去という観点からすると、オーディオ信号の周波数帯域は、ラジオ放送波の周波数帯域と大きく離れているとはいいがたい。このため、例えば、車載のオーディオ装置のように、パワー増幅装置からスピーカまでの配線がラジオ放送波の受信アンテナと近接している場合には、LPF730のみのLPFの1段構成では、スイッチングノイズの除去を十分に行うことができず、パワー増幅装置からスピーカまでの配線から放射された無視できない大きさのノイズがラジオ放送波に混入することになってしまう。なお、パワー増幅装置700では、LPF730の後段にCMRフィルタ740を備えているが、LPF730から出力される信号S73A,S73Bに重畳しているスイッチングノイズは互いに逆相の関係にあるので、CMRフィルタ740によっては、スイッチングノイズの低減を行うことはできない。
これに対し、パワー増幅装置800では、正相側及び逆相側のスイッチングノイズの除去を、まず、LPF830A及びLPF830Bによって、パワー増幅装置700におけるLPF730による高周波ノイズ除去と同等の性能で行う。そして、ノイズ成分合成手段850A,850Bによる信号合成により、更に、スイッチングノイズの除去を行う。この結果、高周波ノイズの主な成分であるスイッチングノイズについて、LPFを2段接続した場合と同等程度の高周波ノイズ除去を行うことができる。
しかしながら、上述した、車載のオーディオ装置のような場合には、パワー増幅装置800における高周波ノイズ除去でも、出力信号におけるスイッチングノイズを含む高周波ノイズの除去が十分とはいえない場合がある。本発明者が、研究及び開発の結果から得た知見によれば、車載のオーディオ装置のような場合には、高周波ノイズの主な成分であるスイッチングノイズについては、LPFを3段接続した場合程度以上のノイズ除去を行うことが好ましい。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、効率の良い増幅ができるとともに、出力信号における高周波ノイズの低減を簡易な構成で効率良く低減されることができるパワー増幅装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、互いに位相が逆の第1信号と第2信号のうちの前記第1信号をスイッチング方式により増幅する第1増幅手段と;前記第1増幅手段と略同一の増幅率で、前記第2信号をスイッチング方式により増幅するとともに、前記第1増幅手段とともにBTL増幅手段を構成する第2増幅手段と;前記第1増幅手段から出力された第3信号を入力し、予め定められた低周波域の信号成分を透過させる第1ローパスフィルタ手段と;前記第2増幅手段から出力された第4信号を入力し、前記低周波域の信号成分を透過させる第2ローパスフィルタ手段と;前記第1ローパスフィルタ手段から出力された第5信号と前記第2ローパスフィルタ手段から出力された第6信号とを入力し、前記第6信号に重畳されているスイッチングノイズを抽出して前記第5信号と合成しつつ、前記第5信号における前記低周波域の信号成分を透過させる第1複合フィルタ手段と;前記第5信号と前記第6信号信号とを入力し、前記第5信号に重畳されているスイッチングノイズを抽出して前記第6信号と合成しつつ、前記第6信号における前記低周波域の信号成分を透過させる第2複合フィルタ手段と;を備えることを特徴とするパワー増幅装置である。
以下、本発明の一実施形態を、図3〜図5を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、上述した従来例1,2と同様に、信号源910から出力されたオーディオ信号S0を増幅して、負荷であるスピーカ920に供給するパワー増幅装置を例示して説明する。
[構成]
図3及び図4には、本実施形態に係るパワー増幅装置100の構成が示されている。ここで、図3には、パワー増幅装置100の概略的な構成がブロック図にて示され、図4には、図3における後述するローパスフィルタ(LPF)130A,130B及び複合フィルタ140A,140Bの部分が、詳細回路図にて示されている。
図3に示されるように、パワー増幅装置100は、パルス幅変調(PWM)回路110と、増幅回路120A,120Bと、LPF130A,130Bと、複合フィルタ140A,140Bとを備えている。
PWM回路110は、上述した従来例1,2におけるPWM回路710と同様の機能を果たす。すなわち、PWM回路110は、信号源910からのオーディオ信号S0を受けて、パルス幅変調を行い、互いに位相が逆の正相PWM信号S1A及び逆相PWM信号S1Bを生成して出力する。
増幅回路120Aは、正相PWM信号S1Aをスイッチング方式により増幅し、正相PWM信号S2Aを生成して出力する。また、増幅回路120Bは、逆相PWM信号S1Bを、スイッチング方式により、増幅回路120Aと略同一の増幅率で増幅し、逆相PWM信号S2Bを生成して出力する。
LPF130Aは、図4に示されるように、インダクタL1Aと、キャパシタC1Aとを備えて構成されている。ここで、インダクタL1Aの一方の端子は、増幅回路120Aの出力端子と接続される。また、インダクタL1Aの他方の端子は、キャパシタC1Aの一方の端子と接続される。そして、キャパシタC1Aの他方の端子は接地される。このLPF130Aでは、インダクタL1Aの一方の端子がLPF130Aの入力端子となり、キャパシタC1Aの一方の端子がLPF130Aの出力端子となっている。
このように構成されたLPF130Aでは、正相PWM信号S2Aに対して、インダクタL1Aのインダクタンス値とキャパシタC1Aの容量値で定まるカットオフ周波数の逆数である時定数に応じた積分が行われる。この結果、LPF130Aのカットオフ周波数よりも高い周波数を有する正相PWM信号S2Aにおける高周波成分(正相スイッチングノイズを含む)が効率的に減衰され、正相信号S3Aが生成されて出力される。
LPF130Bは、図4に示されるように、インダクタL1Bと、キャパシタC1Bとを備え、上述のLPF130Aと対称的に構成されている。すなわち、インダクタL1Bの一方の端子は、増幅回路120Bの出力端子と接続される。また、インダクタL1Bの他方の端子は、キャパシタC1Bの一方の端子と接続される。そして、キャパシタC1Bの他方の端子は接地される。このLPF130Bでは、インダクタL1Bの一方の端子がLPF130Bの入力端子となり、キャパシタC1Bの一方の端子がLPF130Bの出力端子となっている。
なお、インダクタL1Bのインダクタンス値は、上述のインダクタL1Aのインダクタンス値と略同一とされている。また、キャパシタC1Bの容量値は、上述のキャパシタC1Aの容量値と略同一とされている。
このように構成されたLPF130Bでは、逆相PWM信号S2B対して、インダクタL1Bのインダクタンス値とキャパシタC1Bの容量値で定まるカットオフ周波数の逆数である時定数に応じた積分が行われる。この結果、LPF130Bのカットオフ周波数よりも高い周波数を有する逆相PWM信号S2Bにおける高周波成分(逆相スイッチングノイズを含む)が効率的に減衰され、逆相信号S3Bが生成されて出力される。
複合フィルタ140Aは、図4に示されるように、インダクタL2Aと、キャパシタC2Aと、バンドパスフィルタ(BPF)141Aとを備えて構成されている。ここで、BPF141Aは、インダクタL3Aと、キャパシタC3Aとを備えて構成されている。
BPF141Aにおいて、キャパシタC3Aの一方の端子は、LPF130Bの出力端子と接続される。また、キャパシタC3Aの他方の端子は、インダクタL3Aの一方の端子と接続される。そして、インダクタL3Aの他方の端子は、インダクタL3Aの他方の端子と接続される。このBPF141Aでは、キャパシタC3Aの一方の端子がBPF141Aの入力端子となり、インダクタL3Aの他方の端子がBPF141Aの出力端子となっている。
複合フィルタ140Aにおいて、インダクタL2Aの一方の端子は、LPF130Aの出力端子と接続される。また、インダクタL2Aの他方の端子は、BPF141Aの出力端子(インダクタL3Aの他方の端子)及びキャパシタC2Aの一方の端子と接続される。そして、キャパシタC2Aの他方の端子は接地される。この複合フィルタ140Aでは、インダクタL2Aの一方の端子及びキャパシタC3Aの一方の端子が入力端子となり、キャパシタC2Aの一方の端子が出力端子となっている。
なお、インダクタL2Aのインダクタ値とインダクタL3Aのインダクタ値とは略同一に設定されている。また、インダクタL2Aのインダクタ値とキャパシタC2Aとで定まるカットオフ周波数は、上述のLPF130Aのカットオフ周波数と略同一に設定されている。
また、インダクタL3Aのインダクタンス値及びキャパシタC3Aの容量値は、BPF141Aとして通過させる信号の周波数がスイッチング周波数周辺となるように設定されている。こうしたBPF141Aを通過する信号は、LPF130Bにおいて減衰されたスイッチング周波数付近の周波数を有する高周波信号なので、インダクタL3Aを流れる電流は微小なものとなる。このため、インダクタL3Aとしては、電流容量が小さなインダクタ、すなわち小型のインダクタを採用することができるようになっている。
このように構成された複合フィルタ140Aでは、インダクタL2Aを介した信号とBPF141Aを通過した高周波信号S4Aとが合成されるとともに、インダクタL2Aのインダクタンス値とキャパシタC2Aの容量値で定まるカットオフ周波数の逆数である時定数に応じた積分が行われる。この結果、当該カットオフ周波数よりも高い周波数を有する高周波成分が減衰され、正相信号S5Aが生成されて出力される。
複合フィルタ140Bは、図4に示されるように、インダクタL2Bと、キャパシタC2Bと、BPF141Bとを備え、上述の複合フィルタ140Aと対称的に構成されている。ここで、BPF141Bは、インダクタL3Bと、キャパシタC3Bとを備えて構成されている。
BPF141Bにおいて、キャパシタC3Bの一方の端子は、LPF130Aの出力端子と接続される。また、キャパシタC3Bの他方の端子は、インダクタL3Bの一方の端子と接続される。そして、インダクタL3Bの他方の端子は、インダクタL2Bの他方の端子と接続される。このBPF141Bは、キャパシタC3Bの一方の端子がBPF141Bの入力端子となり、インダクタL3Bの他方の端子がBPF141Bの出力端子となっている。
複合フィルタ140Bにおいて、インダクタL2Bの一方の端子は、LPF130Bの出力端子と接続される。また、インダクタL2Bの他方の端子は、BPF141Bの出力端子(インダクタL3Bの他方の端子)及びキャパシタC2Bの一方の端子と接続される。そして、キャパシタC2Bの他方の端子は接地される。この複合フィルタ140Bでは、インダクタL2Bの一方の端子及びキャパシタC3Bの一方の端子が入力端子となり、キャパシタC2Bの一方の端子が出力端子となっている。
なお、インダクタL2B,L3Bのインダクタ値は、上述のインダクタL2A,L3Aのインダクタ値と略同一に設定されている。また、キャパシタC2B,C3Bの容量値は、上述のキャパシタC2A,C3Aのインダクタ値と略同一に設定されている。このため、BPF141Bは、BPF141Aと同様に、スイッチング周波数周辺の周波数の信号を通過させるように設定されている。また、複合フィルタ140Bは、複合フィルタ140Aと同様に、高周波成分を減衰させる。
このように構成された複合フィルタ140Bでは、インダクタL2Bを介した信号とBPF141Bを通過した高周波信号S4Bとが合成されるとともに、インダクタL2Bのインダクタンス値とキャパシタC2Bの容量値で定まるカットオフ周波数の逆数である時定数に応じた積分が行われる。この結果、当該カットオフ周波数よりも高い周波数を有する高周波成分が減衰され、逆相信号S5Bが生成されて出力される。
[動作]
次に、以上のように構成されたパワー増幅装置100によるオーディオ信号S0の増幅動作について、主に図5を参照して説明する。
信号源910から出力されたオーディオ信号S0は、パワー増幅装置100におけるPWM回路110で受けられる。オーディオ信号S0を受けたPWM回路110は、オーディオ信号S0のサンプル時点における信号値に応じた時間幅を有する同様の高さのパルス信号に変調するパルス幅変調を行い、図5に波形が例示されるような、互いに位相が逆で、振幅が同様の正相PWM信号S1A及び逆相PWM信号S1Bを生成する。そして、PWM回路110は、正相PWM信号S1Aを増幅回路120Aへ向けて出力するとともに、逆相PWM信号S1Bを増幅回路120Bへ向けて出力する。
正相PWM信号S1Aを受けた増幅回路120Aは、スイッチング方式を用いて正相PWM信号S1Aを増幅して正相PWM信号S2Aを生成する。そして、増幅回路120Aは、正相PWM信号S2AをLPF130Aへ向けて出力する。
一方、逆相PWM信号S1Bを受けた増幅回路120Bは、増幅回路120Aによる増幅動作と並行して、スイッチング方式を用いて逆相PWM信号S1Bを増幅回路120Aと略同一の増幅率で増幅して逆相PWM信号S2Bを生成する。そして、増幅回路120Bは、逆相PWM信号S2BをLPF130Bへ向けて出力する。
正相PWM信号S2Aを受けたLPF130Aは、LPF130Aのカットオフ周波数で定まる特性に応じた高周波成分の減衰作用により、正相信号S3Aを生成する。そして、LPF130Aからは、正相信号S3Aが、複合フィルタ140A及び複合フィルタ140Bへ向けて出力される。なお、正相信号S3Aには、ノイズ成分として、スイッチング周波数を有するスイッチングノイズ(正相スイッチングノイズ)が主に残留している。
一方、逆相PWM信号S2Bを受けたLPF130Bは、LPF130Aの動作と並行して、LPF130Bのカットオフ周波数で定まる特性、すなわちLPF130Aと同様の特性に応じた高周波成分の減衰作用により、逆相信号S3Bを生成する。そして、LPF130Bからは、逆相信号S3Bが、複合フィルタ140A及び複合フィルタ140Bへ向けて出力される。なお、逆相信号S3Bには、ノイズ成分として、スイッチング周波数を有するスイッチングノイズ(逆相スイッチングノイズ)が主に残留している。この逆相スイッチングノイズは、上述した正相スイッチングノイズと逆の位相及び同様の振幅を有している。
複合フィルタ140Aでは、LPF130Aからの信号をインダクタL2Aの一方の端子で受けるとともに、LPF130Bからの信号をBPF141Aの入力端子で受ける。BPF141Aでは、入力信号における逆相スイッチングノイズを含むスイッチング周波数周辺の周波数を有する高周波信号を透過させ、高周波信号S4Aとして出力する。この結果、インダクタL2Aを介した信号と高周波信号S4Aとが合成される。
ところで、インダクタL2Aを介した信号におけるスイッチング周波数周辺の周波数を有する高周波ノイズ(以下、「スイッチング周波数周辺正相ノイズ」とも呼ぶ)と高周波信号S4Aとは、上述した回路構成のもとで生成されるので、互いにほぼ逆の位相を有するとともに、同様の振幅を有している。このため、インダクタL2Aを介した信号と高周波信号S4Aとの合成の結果、インダクタL2Aを介した信号に残留しているスイッチング周波数周辺正相ノイズの多くは、高周波信号S4Aと相殺される。
複合フィルタ140Aでは、上記の信号合成によるスイッチング周波数周辺正相ノイズの除去に加えて、LPF130Aからの信号に残留している高周波ノイズを、インダクタL2AとキャパシタC2Aとから構成されるLPFによって更に除去する。この結果、複合フィルタ140Aは、スイッチング周波数周辺正相ノイズを、LPF130Aと同等のLPFを3段接続した場合と同等の除去率で除去する。
以上のようにして高周波ノイズを低減させた正相信号S5Aが、複合フィルタ140Aからスピーカ920に供給される。
一方、複合フィルタ140Bでは、LPF130Bからの信号をインダクタL2Bの一方の端子で受けるとともに、LPF130Aからの信号をBPF141Bの入力端子で受ける。BPF141Bでは、上述のBPF141Aの場合と同様にして、入力信号における逆相スイッチングノイズを含むスイッチング周波数周辺の周波数を有する高周波信号を透過させ、高周波信号S4Bとして出力する。この結果、インダクタL2Bを介した信号と高周波信号S4Bとが合成される。
ところで、インダクタL2Bを介した信号におけるスイッチング周波数周辺の周波数を有する高周波ノイズ(以下、「スイッチング周波数周辺逆相ノイズ」とも呼ぶ)と高周波信号S4Bとは、上述した回路構成のもとで生成されるので、複合フィルタ140Aの場合と同様に、互いにほぼ逆の位相を有するとともに、同様の振幅を有している。このため、インダクタL2Bを介した信号と高周波信号S4Bとの合成の結果、インダクタL2Bを介した信号に残留しているスイッチング周波数周辺ノイズの多くは、高周波信号S4Bと相殺される。
複合フィルタ140Bでは、複合フィルタ140Aの場合と同様に、上記の信号合成によるスイッチング周波数周辺逆相ノイズの除去に加えて、LPF130Bからの信号に残留している高周波ノイズを、インダクタL2BとキャパシタC2Bとから構成されるLPFによって更に除去する。この結果、複合フィルタ140Bは、スイッチング周波数周辺逆相ノイズは、LPF130B、すなわち、LPF130Aと同等のLPFを3段接続した場合と同等の除去率で除去する。
以上のようにして高周波ノイズを低減させた逆相信号S5Bが、複合フィルタ140Bからスピーカ920に供給される。
以上説明したように、本実施形態のパワー増幅装置100では、増幅回路120A及び増幅回路120Bが、スイッチング方式によるD級動作により、正相PWM信号S1A及び逆相PWM信号S1Bを効率良く増幅して、正相PWM信号S2A及び逆相PWM信号S2Bを生成する。正相PWM信号S2AがLPF130Aを介することにより、正相スイッチングノイズを含む高周波ノイズが残留している正相信号S3Aが生成されるとともに、逆相PWM信号S2BがLPF130Bを介することにより、逆相スイッチングノイズを含む高周波ノイズが残留している正相信号S3Bが生成される。正相信号S3Aは、複合フィルタ140Aにおいて、逆相信号S3BからBPF141Aによって抽出されたスイッチング周波数周辺逆相ノイズとの合成がなされつつ、高周波ノイズが低減される。また、逆相信号S3Bは、複合フィルタ140Bにおいて、正相信号S3AからBPF141Bによって抽出されたスイッチング周波数周辺正相ノイズとの合成がなされつつ、高周波ノイズが低減される。
ここで、BPF141A及びBPF141Bを構成する回路部品は、電流容量の小さなものとできるため、小型の回路部品を採用することができる。このため、LPFの2段構成の場合のスペースで、LPFの3段構成の場合と同様のスイッチングノイズの除去ができる。したがって、本実施形態のパワー増幅装置100によれば、効率の良い増幅ができるとともに、出力信号における高周波ノイズの低減を簡易な構成で効率良く低減することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、BPF141A及びBPF141Bにおいて、キャパシタを入力側に配置したが、インダクタを入力側に配置することもできる。
また、更に高周波ノイズを除去したい場合には、複合フィルタ140A,140Bの前段又は後段にLPFを配置することができる。
特にスイッチングノイズを更に除去したい場合には、複合フィルタ140A,140Bそれぞれの後段に、複合フィルタ140A,140Bと同様に構成された複合フィルタを配置することができる。
また、2つの出力信号S5A,S5Bにおけるコモンモードノイズを低減する必要がある場合には、上記の実施形態のパワー増幅装置100の後段にコモンモードノイズを低減するためのCMRフィルタ750と同様のCMRフィルタ190を配置した、図6に示されるパワー増幅装置200を構成するようにすることもできる。
また、上記の実施形態では、信号源910から信号をパルス幅変調した後に、スイッチング方式を用いたD級動作により変調信号を増幅するようにした。これに対し、パルス幅変調に代えて、信号源910から信号の振幅値に対応して、単位時間当たりのパルス数を変化させるパルス列変調をした後に、スイッチング方式を用いたD級動作により変調信号を増幅するようにすることもできる。
また、上記の実施形態では、サウンド信号S0を増幅することとしたが、サウンド信号S0以外のアナログ信号を増幅する場合にも、上記の実施形態と同様の構成でパワー増幅装置を構成することができる。
従来例1のパワー増幅装置の概略的な構成を示すフロック図である。 従来例2のパワー増幅装置の概略的な構成を示すブロック図である。 一実施形態にかかるパワー増幅装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図3の装置におけるLPF及び複合フィルタの回路構成を説明するための図である。 図3の装置の動作を説明するための図である。 変形例の装置の概略的な構成を説明するためのブロック図である。
符号の説明
100,200 … パワー増幅装置
110 … PWM回路(パルス幅変調手段)
120A,120B … 増幅回路(第1及び第2増幅手段)
130A,130B … LPF(第1及び第2ローパスフィルタ手段)
140A,140B … 複合フィルタ(第1及び第2複合フィルタ手段)
141A,141B … BPF(第1及び第2バンドパスフィルタ手段)
190 … CMRフィルタ(同相成分除去手段)
L2A,L2B,L3A,L3B … インダクタ(第1〜第4インダクタンス素子)
C2A,C2B,C3A,C3B … キャパシタ(第1〜第4容量素子)

Claims (6)

  1. 互いに位相が逆の第1信号と第2信号のうちの前記第1信号をスイッチング方式により増幅する第1増幅手段と;
    前記第1増幅手段と略同一の増幅率で、前記第2信号をスイッチング方式により増幅するとともに、前記第1増幅手段とともにBTL増幅手段を構成する第2増幅手段と;
    前記第1増幅手段から出力された第3信号を入力し、予め定められた低周波域の信号成分を透過させる第1ローパスフィルタ手段と;
    前記第2増幅手段から出力された第4信号を入力し、前記低周波域の信号成分を透過させる第2ローパスフィルタ手段と;
    前記第1ローパスフィルタ手段から出力された第5信号と前記第2ローパスフィルタ手段から出力された第6信号とを入力し、前記第6信号に重畳されているスイッチングノイズを抽出して前記第5信号と合成しつつ、前記第5信号における前記低周波域の信号成分を透過させる第1複合フィルタ手段と;
    前記第5信号と前記第6信号とを入力し、前記第5信号に重畳されているスイッチングノイズを抽出して前記第6信号と合成しつつ、前記第6信号における前記低周波域の信号成分を透過させる第2複合フィルタ手段と;を備えることを特徴とするパワー増幅装置。
  2. 前記第1複合フィルタ手段は、
    前記第6信号に重畳されているスイッチングノイズを選択的に透過させる第1バンドパスフィルタ手段と;
    前記第1ローパスフィルタ手段の出力端子と一方の端子が接続されるとともに、他方の端子が前記第1バンドパスフィルタ手段の出力端子と接続された第1インダクタンス素子と;
    前記第1インダクタンス素子の他方の端子に一方の端子が接続されるとともに、他方の端子が接地レベルと接続された第1容量素子と;を備え、
    前記第2複合フィルタ手段は、
    前記第5信号に重畳されているスイッチングノイズを選択的に透過させる第2バンドパスフィルタ手段と;
    前記第2ローパスフィルタ手段の出力端子と一方の端子が接続されるとともに、他方の端子が前記第2バンドパスフィルタ手段の出力端子と接続された第2インダクタンス素子と;
    前記第2インダクタンス素子の他方の端子に一方の端子が接続されるとともに、他方の端子が接地レベルと接続された第2容量素子と;を備えることを特徴とする請求項1に記載のパワー増幅装置。
  3. 前記第1バンドパスフィルタ手段は、
    第3インダクタンス素子と;
    前記第3インダクタンス素子の一方の端子と、一方の端子が接続された第3容量素子と;を備え、
    前記第2バンドパスフィルタ手段は、
    第4インダクタンス素子と;
    前記第4インダクタンス素子の一方の端子と、一方の端子が接続された第4容量素子と;を備えることを特徴とする請求項2に記載のパワー増幅装置。
  4. 前記第1インダクタンス素子及び前記第3インダクタンス素子は略同一のインダクタンス値を有し、かつ、前記第2インダクタンス素子及び前記第4インダクタンス素子は略同一のインダクタンス値を有する、ことを特徴とする請求項3に記載のパワー増幅装置。
  5. 原信号をパルス幅変調して、前記第1信号及び前記第2信号を生成するパルス幅変調手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパワー増幅装置。
  6. 前記第1複合フィルタ手段から出力された第7信号と、前記第2複合フィルタ手段から出力された第8信号とを入力し、前記第7信号と前記第8信号とにおける同相成分を除去する同相成分除去手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のパワー増幅装置。

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