JP2007334948A - 光検出器の位置調整方法及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高S/Nの再生信号が得られるように構成された光検出器を備える光ピックアップ装置について、光検出器の位置調整を容易且つ正確に行う方法を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置に備えられる光検出器には、1つの領域のみから成って、その領域から得られる電気信号のみによって光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域16が設けられている。光検出器の位置調整は、光記録媒体からの反射光が前記受光領域に形成する光スポットの光スポット径を拡大し、その後、光検出器をX方向とY方向とに移動させて、前記受光領域で検出される検出信号の出力変化を観測し、検出信号の出力の絶対値が最大となるように調整される。
【選択図】図5
【解決手段】光ピックアップ装置に備えられる光検出器には、1つの領域のみから成って、その領域から得られる電気信号のみによって光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域16が設けられている。光検出器の位置調整は、光記録媒体からの反射光が前記受光領域に形成する光スポットの光スポット径を拡大し、その後、光検出器をX方向とY方向とに移動させて、前記受光領域で検出される検出信号の出力変化を観測し、検出信号の出力の絶対値が最大となるように調整される。
【選択図】図5
Description
本発明は、光記録媒体に光ビームを照射して情報の読み取りや書き込みを可能とする光ピックアップ装置が備える光検出器の位置調整方法に関する。また、本発明は、光検出器の位置調整方法を応用して、光記録媒体からの反射光の光軸の光検出器に対するずれを補正することが可能な光ディスク装置に関する。
コンパクトディスク(以下、CDという。)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという。)といった光記録媒体が普及している。また、最近では、光記録媒体の情報量を更に増やすために、光記録媒体の高密度化に関する研究が進められ、例えば、ブルーレイディスク(以下、BDという。)といった高密度化された光記録媒体も実用化されてきている。
このような光記録媒体の記録再生を行う光ディスク装置においては、光記録媒体に光ビームを照射して光記録媒体に情報を書き込んだり、光記録媒体から情報を読み取ったりする光ピックアップ装置が備えられる。例えば、光ピックアップ装置を用いて光記録媒体の情報の読み取りを行う場合、光源から出射された光ビームが、対物レンズにより光記録媒体の記録面に集光され、この光記録媒体で反射された反射光が光検出器に受光される。
この際、光記録媒体で反射された反射光が光検出器上に形成する光スポットの位置がずれていると、光検出器における光の検出が不正確となり、情報の読み取り品質が劣化するといった問題が発生する。このため、光ピックアップ装置において、光検出器の位置調整は非常に重要であり、光ピックアップ装置の組み立て工程で重要な位置を占める。
ところで、光ピックアップ装置が備える光検出器に形成される受光領域は、特許文献1にも示されるように、その目的や設計上の都合により、様々な形態が採用される。例えば、図9に示されるように、光検出器の受光面に、放射状に4つの領域O、P、Q、Rに分割された受光領域が形成され、これにより再生信号やサーボ信号の生成が可能とされることがある。
そして、光検出器に図9に示すような受光領域が形成される場合には、従来、X方向とY方向とに光検出器を移動させながら、各領域O、P、Q、Rで得られる信号値の演算を利用して、最適な位置を見つける方法が採用されている。すなわち、各領域で得られる信号をSO、SP、SQ、SRとした場合に、例えば、以下の式(1)、式(2)を満たすように、X方向とY方向の位置調整を行うことにより、光検出器を最適な位置に配置することが行われる。
X方向;(SO+SP)−(SQ+SR)=0 (1)
Y方向;(SO+SR)−(SP+SQ)=0 (2)
X方向;(SO+SP)−(SQ+SR)=0 (1)
Y方向;(SO+SR)−(SP+SQ)=0 (2)
一方、光検出器上に、X方向とY方向との2方向の分割線で分割された受光領域が形成されない場合には、上述したような各領域で得られる信号値の演算を利用して光検出器の位置調整を行う方法が採用できず、光検出器の位置調整を行うのが困難となる場合がある。そのため、例えば、特許文献1に紹介されるように、光検出器上に位置調整のための受光領域を設ける方法が採用されるか、又は、位置調整のためにX方向とY方向との2方向の分割線が得られるように受光領域を分割して、各領域で得られる信号値の演算を利用し、光検出器の位置調整をX方向とY方向とに移動しながら調整する方法が採用される。
特開2005−276391号公報
しかしながら、光記録媒体の情報の再生を行う場合、光検出器の再生信号を得る領域を複数の領域に分割し、多数の領域(すなわち多数の電流電圧変換アンプから)の信号を足し合わせる構成とすると、再生信号のS/Nが低下することがわかっている。このため、再生信号を得る受光領域は分割せず1つの領域とし、再生信号を1つの電流電圧変換アンプ(I/Vアンプ)から得ることが有効な手段であり、従来行われているように、例えば受光領域を放射状に4分割する構成等は好ましくない。
また、サーボ信号を得るための受光領域についても、例えば、位置調整のために受光領域を分割すると、この場合も信号のS/N低下に繋がり、更にはアンプが余分に必要となってコストアップに繋がるために、位置調整のために受光領域を分割するのは避けるのが好ましい。
また、再生信号を高S/Nとするために、再生信号を検出する領域を分割せず1つの受光領域とする場合、その受光領域は、対物レンズのレンズシフト等の影響を考慮して光記録媒体で反射された反射光の光スポットのサイズよりその面積を広くする必要がある。この点、特許文献1の構成において、受光領域の調整用に設けられる0次回折光の検出セグメントは光スポットのサイズと略同一の大きさとされており、これを再生信号の検出領域とすることはできず、特許文献1の構成では、再生信号を複数の受光領域の足し合わせで得る構成とするしかなく、再生信号の高S/Nを達成するとともに、光検出器の位置調整を正確且つ容易とすることはできない。
ただし、再生信号を高S/Nとするために、再生信号を検出する領域を分割せず1つの受光領域とし、且つ再生信号を受光する領域の面積を光記録媒体で反射された反射光の光スポットのサイズより広い設計とすると、光検出器を位置調整するためにX方向とY方向とに移動して調整する場合、光検出器の最適位置近傍では、X、Y方向の少なくともいずれか1方向に多少位置ずれしていても、図10に示すように位置ずれに対する出力信号値の変化が小さく、出力信号値を見ながら光検出器を最適位置に配置するのは難しい。このため、光検出器の調整が困難で作業負担が増大する場合があり問題となる。
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は、高S/Nの再生信号が得られるように構成された光検出器を備える光ピックアップ装置について、光検出器の位置調整を容易且つ正確に行う方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、高S/Nの再生信号が得られるように構成された光検出器を備える光ディスク装置について、前述の光検出器の位置調整を容易に行う方法を応用して、光記録媒体からの反射光の光軸の光検出器に対するずれを適宜調整することが可能な光ディスク装置提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、光源と、該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を所定の位置へと導く光学系と、前記所定の位置に配置されて前記反射光を受光する光検出器と、を備える光ディスク装置において、前記光検出器には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、所定のタイミングで、前記受光領域に前記反射光が形成する光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段と、前記光学系中に配置され、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動可能であって、前記受光領域が前記光スポット径拡大手段によって拡大された光ビームを受光した際に検出する検出信号に基づいて、前記光軸の前記光検出器に対するずれを調整する光軸補正素子と、が設けられ、前記光スポット径拡大手段は、前記光学系中に配置されて収差の補正を行う液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴としている。
また、本発明は上記目的を達成するために、光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を光検出器へと導く光学系を備える光ピックアップ装置の前記光検出器を、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動しながらその位置調整を行う光検出器の位置調整方法において、前記光検出器上には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、前記反射光が前記受光領域に形成する光スポットの光スポット径を拡大し、その後、前記光検出器を前記X方向と前記Y方向とに移動させて前記受光領域が検出する検出信号の出力変化を観測しながら、前記光検出器の前記X方向と前記Y方向との最適位置を決定することを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光検出器の位置調整方法において、前記光スポット径の拡大は、前記光学系中に波面収差を補正するために配置される収差補正素子を用いて行うことを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光検出器の位置調整方法において、前記収差補正素子は、液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光検出器の位置調整方法において、前記光スポット径の拡大は、前記光源から出射される光ビームを前記記録面に集光する対物レンズをフォーカス方向に移動することによって行うことを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光検出器の位置調整方法において、前記光スポット径の拡大は、前記光検出器を前記光検出器の受光面と垂直な方向に移動することによって行うことを特徴としている。
また、本発明は上記目的を達成するために、光源と、該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を所定の位置へと導く光学系と、前記所定の位置に配置されて前記反射光を受光する光検出器と、を備える光ディスク装置において、前記光検出器には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、所定のタイミングで、前記受光領域に前記反射光が形成する光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段と、前記光学系中に配置され、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動可能であって、前記受光領域が前記光スポット径拡大手段によって拡大された光ビームを受光した際に検出する検出信号に基づいて、前記光軸の前記光検出器に対するずれを調整する光軸補正素子と、を設けたことを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記光スポット径拡大手段は、前記光学系中に配置されて収差の補正を行う収差補正素子であることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記収差補正素子は、液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記光スポット径拡大手段は、前記光源からの光ビームを前記記録面に集光する対物レンズを少なくともフォーカス方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータであることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、光ディスク装置は再生信号が複数の受光領域の足し合わせでなく、1つの受光領域のみの電気信号から得られる構成であるために、高S/Nの再生信号を得られる。そして、再生信号を生成可能とする受光領域上に光記録媒体からの反射光が形成する光スポットの光スポット径が収差補正を行う液晶素子又はビームエキスパンダによって拡大可能に設けられているために、光軸補正素子によって反射光の光軸を動かすことによって、前述の再生信号を生成可能とする受光領域で得られる電気信号の信号値が大きく変化させることが可能となり、反射光の光軸の光検出器に対するずれを精度良く補正することが可能となる。このため、高S/Nの再生信号を得られるように、再生信号の受光領域を分割しない構成とした光ディスク装置においても、容易に光検出器と光軸とのずれを所定のタイミングで調整することが可能な光ディスク装置を提供することが可能となる。
また、本発明の第2の構成によれば、高S/N再生が可能となるように、分割されることなく設けられた再生信号の生成を可能とする受光領域に形成される光スポットの光スポット径を拡大して、その光スポットから得られる電気信号の出力の大きさを観測しながら光検出器のX方向とY方向との位置調整を行う構成としているために、光検出器の移動によって電気信号の出力値について大きな変化を観測することが可能となり、これにより精度良く光検出器を最適位置に配置することが可能となる。すなわち、高S/N再生と光検出器の正確な調整との両方を実現可能となる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の光検出器の位置調整方法において、収差補正素子を用いて収差を発生させることで光スポット径の拡大を容易に実現できる。このため、収差補正用の収差補正素子を有する光ピックアップ装置について、光検出器の位置調整用に別途部品を設ける必要がなく、光検出器の位置調整のために余分なコストアップを抑制可能となる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の光検出器の位置調整方法において、従来、収差補正素子として液晶素子やビームエキスパンダが用いられており、上述の光検出器の位置調整について実現が容易である。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第2の構成の光検出器の位置調整方法において、集光レンズを焦点位置からずらすことにより光スポット径の拡大は容易に実現可能である。また、光源から出射される光ビームを光記録媒体に集光する集光レンズ(対物レンズ)は、光ピックアップ装置においては、通常アクチュエータによってフォーカス方向に移動可能とされており、この操作は容易に実現できる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第2の構成の光検出器の位置調整方法において、光検出器を光検出器の受光面と垂直な方向に移動することにより光検出器の位置が焦点からずれるために、光スポット径の拡大が容易に可能となる。
また、本発明の第7の構成によれば、光ディスク装置は再生信号が複数の受光領域の足し合わせでなく、1つの受光領域のみの信号から得られる構成であるために、高S/Nの再生信号を得られる。そして、再生信号を生成可能とする受光領域上に光記録媒体からの反射光が形成する光スポットの光スポット径が光スポット径拡大手段によって拡大可能に設けられているために、光軸補正素子によって反射光の光軸を動かすことによって、前述の再生信号を生成可能とする受光領域で得られる電気信号の信号値が大きく変化させることが可能となり、反射光の光軸の光検出器に対するずれを精度良く補正することが可能となる。このため、高S/Nの再生信号を得られるように、再生信号の受光領域を分割しない構成とした光ディスク装置においても、容易に光検出器と光軸とのずれを所定のタイミングで調整することが可能な光ディスク装置を提供することが可能となる。
また、本発明の第8の構成によれば、上記第7の構成の光ディスク装置において、光スポット径拡大手段を収差補正素子としているために、収差補正素子をあらかじめ備える光ディスク装置においては、光スポット径拡大手段を別途用意する必要がない。
また、本発明の第9の構成によれば、上記第7の構成の光ディスク装置において、収差補正素子として液晶素子やビームエキスパンダは従来から広く使われており、その実現が容易となる。
また、本発明の第10の構成によれば、上記第7の構成の光ディスク装置において、光スポット径拡大手段を、対物レンズをフォーカス方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータとしているために、通常、光ディスク装置においてはフォーカス方向への移動を可能とする対物レンズアクチュエータが設けられているために、光スポット径拡大手段を別途用意する必要がない。
以下に本発明の内容を詳細に説明するが、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
(光ピックアップ装置の構成例)
まず、本発明に係る光検出器の位置調整方法の説明を行う前に、本発明が適用される光ピックアップ装置の構成例について説明する。図1は、本発明の光検出器の位置調整方法が適用される光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。図1に示すように、光ピックアップ装置1は、光源2と、ビームスプリッタ3と、コリメートレンズ4と、ホログラム光学素子5と、収差補正素子6と、対物レンズ7と、光検出器8と、を備える。
まず、本発明に係る光検出器の位置調整方法の説明を行う前に、本発明が適用される光ピックアップ装置の構成例について説明する。図1は、本発明の光検出器の位置調整方法が適用される光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。図1に示すように、光ピックアップ装置1は、光源2と、ビームスプリッタ3と、コリメートレンズ4と、ホログラム光学素子5と、収差補正素子6と、対物レンズ7と、光検出器8と、を備える。
半導体レーザで構成される光源2から出射される光ビームは、ビームスプリッタ2で反射され、コリメートレンズ4で平行光に変換される。コリメートレンズ4で平行光に変換された光ビームは、ホログラム光学素子5で回折されて回折光(0次光と±1次光)を生じ、その後、収差補正素子6によって波面収差の補正が行われ、対物レンズ7によって光記録媒体9の記録面9aに集光される。
そして、光記録媒体9で反射された反射光は、対物レンズ7、収差補正素子6の順に透過する。なお、光記録媒体9で反射される反射光のうち、回折光はその光軸がずれているために対物レンズ7から全て外れるか、僅かに入射する程度であるために無視できる。収差補正素子6を透過した反射光は、ホログラム光学素子5で回折光(0次光と±1次光)を生じ、その後、コリメートレンズ4を透過後、ビームスプリッタ3を透過し、光検出器8へと集光される。
このような光ピックアップ装置1において、対物レンズ7と、収差補正素子6と、ホログラム光学素子5とは図示しない対物レンズホルダに搭載され、対物レンズアクチュエータ10で、光軸方向と平行な方向であるフォーカス方向と、フォーカス方向と直交し、光記録媒体9の半径方向と平行なトラッキング方向(図1においては紙面方向)とに移動可能とされている。なお、対物レンズアクチュエータ10の構成は、磁気回路とコイルとを用いて対物レンズホルダを駆動することにより対物レンズを移動可能とする公知の構成であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
また、ホログラム光学素子5は、光記録媒体9で反射された反射光から回折光を生じることによって、光検出器8に形成される受光領域との関係で、フォーカス制御用のフォーカスエラー信号とトラッキング制御用のトラックエラー信号とを得られるようにする。本実施形態においては、フォーカスエラー信号をスポットサイズディテクション(SSD)方式で、トラックエラー信号をコレクトファーフィールド(CFF)方式で得られる構成となっている。ホログラム光学素子5と光検出器8に形成される受光領域との関係について、以下に詳細に説明する。
なお、フォーカスエラー信号は、対物レンズ7の焦点位置が記録面9a上に常に合うように制御するフォーカシング制御用の信号で、トラックエラー信号は、対物レンズ7の焦点位置が光記録媒体9に形成されるトラックに追従するように制御するトラッキング制御用の信号である。
図2は、ホログラム光学素子5の構成を説明するための図で、ホログラム光学素子5に入射する光ビームの光軸と略直交する2つの面のうち、回折パターンが形成された一方の面の構成を模式的に示した模式図である。
図2に示すように、ホログラム光学素子5は、ホログラム光学素子5に入射する光ビームの光束中心19を通る第1分割線20aで、第1領域11と第2領域12との2つの領域に分割されている。そして、この第1領域11と第2領域12とは、更に、第1分割線20aと直交し、且つ光束中心19を通る第2分割線20bによって、それぞれ領域11a、11bと領域12a、12bとに分割されている。
第1領域11と第2領域12とでは、形成される回折パターンが異なっており、光記録媒体9で反射された反射光が、この領域11、12を通過する際の光ビームの回折のされ方が異なる。一方、第1領域11と第2領域12とを更に分割する第2分割線20bによって分けられた領域11aと領域11b、及び領域12aと領域12bとは、それぞれ回折のされ方は同じである。第2分割線20bは、第1領域11及び第2領域12で回折された回折光が光検出器8で受光される際の光ビームのスポットを分割する機能を果たす。
図3は、ホログラム光学素子5を通過して生じる0次光13及び1次光14a、14b、15a、15bと光検出器8との対応関係を模式的に示した図であり、図3(a)は、ホログラム光学素子5からの0次光13及び1次光14a、14b、15a、15bが到達する光検出器8の受光面8a上の位置を示した図で、図3(b)は、図3(a)に対応させて、0次光13及び1次光14a、14b、15a、15bが到達する受光面8a上に形成される受光領域16、17a、17b、18a、18bを示した平面図である。
反射光のうち、ホログラム光学素子5を回折されることなく透過する0次光13は、5つの受光領域16、17a、17b、18a、18bの真ん中に配置される受光領域16で受光される。この光受光領域16で受光された光情報は、RF信号に変換され、光記録媒体9に記録される情報の再生信号として用いられる。そして、この再生信号を生成する受光領域16は分割されておらず、図示しない1つのアンプとのみ接続される構成となっているために、従来多く見られる、複数のアンプから得られる信号の足し合わせにより再生信号を得る構成の光ピックアップ装置の場合に比べて、高S/Nの再生信号を得ることが可能となっている。
第1領域11を通過する反射光は、回折されて+1次光14aと−1次光14bとを生じる。+1次光14aは、受光面8aの手前(図3(a)ではホログラム光学素子5と受光面8aとの間)で焦点を結び、−1次光14bは、受光面8aの先(図3(a)では受光素子8の下側)で焦点を結ぶ。そして、+1次光14aは受光領域17bで、−1次光14bは受光領域18aで受光される。
また、第2領域12を通過する反射光は、回折されて+1次光15aと−1次光15bとを生じる。+1次光15aは、受光面8aの手前で焦点を結び、−1次光15bは、受光面8aの先で焦点を結ぶ。そして、+1次光15aは受光領域18bで、−1次光15bは受光領域17aで受光される。
第2領域12で生じる−1次光15bを受光する受光領域17aと、第1領域11で生じる+1次光14aを受光する受光領域17bと、はSSD方式によるフォーカスエラー信号の生成を可能とする受光領域で、それぞれ3つの領域B、C、D、及びG、H、Iに分割される。各領域B、C、D、G、H、Iについて、光情報から得られる電気信号をそれぞれ、SB、SC、SD、SG、SH、SIとすると、フォーカスエラー信号(FES)は次式(3)の演算で得られる。
FES=(SB+SH+SD)−(SG+SC+SI) (3)
FES=(SB+SH+SD)−(SG+SC+SI) (3)
一方、第1領域11で生じる−1次光14bを受光する受光領域18aと、第2領域12で生じる+1次光15aを受光する受光領域18bとは、CFF方式によるトラックエラー信号の生成を可能とする領域で、それぞれ2つの領域A、E及びF、Jに分割される。各領域A、E、F、Jにおいて、光情報から得られる電気信号をそれぞれ、SA、SE、SF、SJとすると、トラックエラー信号(TES)は次式(4)の演算で得られる。
TES=(SA+SE)−(SF+SJ) (4)
TES=(SA+SE)−(SF+SJ) (4)
(光検出器の位置調整方法)
以上のように構成される光ピックアップ装置1の光検出器8の位置調整方法について、以下説明する。なお、ここで言う位置調整は、光検出器8の最終的な位置調整である、光検出器8のX方向とY方向(いずれも図3(b)参照)の位置調整であり、X方向とY方向は、光ピックアップ装置1の反射光の光軸21(図1又は図3参照)と垂直な面内で互いに直交する2つの方向である。
以上のように構成される光ピックアップ装置1の光検出器8の位置調整方法について、以下説明する。なお、ここで言う位置調整は、光検出器8の最終的な位置調整である、光検出器8のX方向とY方向(いずれも図3(b)参照)の位置調整であり、X方向とY方向は、光ピックアップ装置1の反射光の光軸21(図1又は図3参照)と垂直な面内で互いに直交する2つの方向である。
本実施形態の光ピックアップ装置1の場合、光検出器8上に形成される受光領域16、17a、17b、18a、18bのうち、受光領域16は、その領域が分割されることなく形成(上述したように高S/Nの再生信号を得るためである。)されており、その他の受光領域17a、17b、18a、18bについては、X方向の分割線で分割されて複数の領域となっているが、Y方向の分割線によって形成される領域は存在しない。このため、従来行われるように信号値の演算を利用してX方向とY方向との両方の位置調整を行うことができず、従来は光検出器8の位置調整が困難であったが、本発明の位置調整方法を用いれば光検出器8の位置調整は正確且つ容易に行える。以下、光検出器8の位置調整方法について、3つの実施形態を例に挙げて説明する。
(第1実施形態の光検出器の位置調整方法)
第1実施形態の光検出器8の位置調整方法では、光ピックアップ装置1に備えられる収差補正素子6を用いるために、まず、収差補正素子6について説明しておく。本実施形態においては、収差補正素子6は液晶素子である。図4は、本実施形態の収差補正素子6の構成を説明するための図で、図4(a)は収差補正素子6の構成を示す概略断面図で、図4(b)は収差補正素子6を図4(a)の上側から見た概略平面図である。
第1実施形態の光検出器8の位置調整方法では、光ピックアップ装置1に備えられる収差補正素子6を用いるために、まず、収差補正素子6について説明しておく。本実施形態においては、収差補正素子6は液晶素子である。図4は、本実施形態の収差補正素子6の構成を説明するための図で、図4(a)は収差補正素子6の構成を示す概略断面図で、図4(b)は収差補正素子6を図4(a)の上側から見た概略平面図である。
図4(a)に示すように、収差補正素子6は、液晶22と、液晶22を挟む2枚の透明電極23a、23bと、液晶22と透明電極23a、23bで形成される部分24を挟む2枚のガラス板25と、を備えている。また、図4(b)に示すように、収差補正素子6を構成する透明電極23aは同心円状の複数の領域に分割されている。一方、透明電極23aに対向する透明電極23bは分割されることなく、全体で一つの共通電極となっている。
なお、透明電極23bも透明電極23aと同一の同心円状の複数の領域としても構わない。また、透明電極27aを分割して形成される領域の数(本実施形態では、6つとしている)は、本実施形態の構成に限らず、必要に応じて自由に変更されるものである。
このように構成される収差補正素子6の透明電極23a、23bに駆動電圧を印加した場合、液晶22がその配向方向を変化して屈折率の変化を生じ、収差補正素子6を通過する光ビームは、収差補正素子6に印加される駆動電圧に応じて位相差を生じる。そして、収差補正素子6の透明電極23aは、上述のように複数に分割された構成となっているために、各領域に印加する電圧を調整することで、収差補正素子6を通過する光ビームに対して所望の位相差を発生し、球面収差の補正を適切に行うことが可能となる。なお、透明電極23a、23bは、配線26によって収差補正素子駆動回路(図示せず)と電気的に接続されており、印加される駆動電圧がコントロールされる。
収差補正素子6は、上述のように球面収差を補正するために光ピックアップ装置1に備えられているが、この収差補正素子6を用いて光検出器8の位置調整を容易に行うことが可能となる。この点について、以下説明する。
収差補正素子6を光検出器8の位置調整に使用する場合には、収差補正素子6の各領域に印加する電圧を調整して、球面収差を補正する設定にするのではなく、逆に球面収差が大きくなる設定として用いる。そして、収差補正素子6の設定を球面収差が大きくなる設定とした場合、光検出器8の受光領域16(図3(b)参照)に形成される光スポットの光スポット径は、球面収差の影響で拡大する。
光スポット径が或る程度大きくなると、光検出器8の位置によって受光領域16で得られる信号の出力値が大きく変動するようになる。図5は、この様子をグラフで示したもので、光検出器8の最適位置からのずれ量(X方向又はY方向)と受光領域16で得られる信号出力値との関係を示したグラフである。また、図5において、グラフの下に示した図は、グラフ上の各ポイントにおける受光領域16と光スポットの関係を示した図で、(a)は光検出器8が最適位置に配置されている状態で、(b)、(c)は光検出器8がX方向にずれた状態である。
図5に示すように、光検出器8が最適位置に配置されている場合には、受光領域16から得られる信号の出力値が最大となり((a)の状態)、最適位置よりずれた場合には信号の出力値が小さくなる((b)、(c)の状態)。従って、光検出器8をX方向とY方向とに動かしながら、受光領域16で得られる信号の出力値が最大となる位置(正確には、検出信号の出力がマイナスとなることもあるので、出力値の絶対値が最大となる位置)を探し出すことにより光検出器8の位置を最適位置に合わせることが可能となる。
なお、受光領域16に形成される光スポットを拡大する量としては、光スポット径の一部が受光領域16からはみ出すぐらいに拡大するのが好ましい。これにより、光検出器8の最適位置からのずれに対して受光領域16で得られる信号の出力値が大きく変化し、光検出器8の位置調整の精度を向上させることができる。また、光スポットは、中心側においてエネルギーが高くなるようなエネルギー分布を有するために、光スポット径が拡大し、受光領域16が光スポット内に入ってしまうような場合でも光検出器8の位置ずれは、或る程度明確に検出できるために、光スポット径を拡大する上限については特に限定されない。
また、以上では収差補正素子6が液晶素子である場合について説明したが、これに限定される趣旨ではなく、例えば、収差補正素子6が、2枚のレンズの距離を変動させることにより球面収差の補正を可能とするビームエキスパンダであっても構わない。そして、収差補正素子6がビームエキスパンダの場合にも、2枚のレンズの距離を変動して球面収差を大きくして受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大することによって、上述の収差補正素子6が液晶素子の場合と同様に光検出器8の位置調整を行うこととなる。
(第2実施形態の光検出器の位置調整方法)
第2実施形態の場合も、第1実施形態の場合と同様に、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大して、光検出器8をX方向とY方向とに移動させながら、受光領域16で得られる信号の出力値が最大となる位置を探索し、その位置を光検出器8の最適位置として決定するという手法を採用する。このため、この点の説明は省略する。ただし、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大する方法が異なる。
第2実施形態の場合も、第1実施形態の場合と同様に、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大して、光検出器8をX方向とY方向とに移動させながら、受光領域16で得られる信号の出力値が最大となる位置を探索し、その位置を光検出器8の最適位置として決定するという手法を採用する。このため、この点の説明は省略する。ただし、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大する方法が異なる。
すなわち、第1実施形態においては、光スポット径の拡大方式として、収差補正素子6で収差を与えて光スポット径を拡大する方式としたが、本実施形態においては、対物レンズ7(図1参照)をフォーカス方向(図1参照)に移動させることによって行う。対物レンズ7を焦点位置からずらすと、光検出器8の受光領域16に形成される光スポットは焦点がぼけるために、光スポット径が拡大する。
この対物レンズ7の移動は、手動で行っても構わないが、上述したように対物レンズ7は対物レンズアクチュエータ10(図1参照)に搭載されており、対物レンズアクチュエータ10は、対物レンズ7をフォーカス方向に移動可能であるために、対物レンズアクチュエータ10を用いて対物レンズ7の位置の移動を行えば、光検出器8の位置調整をより容易に行うことができる。
なお、本実施形態においては、対物レンズ7を移動する構成としたが、例えば光ピックアップ装置1が光検出器8の前に集光レンズを配置するような構成の場合には、この集光レンズを動かして、光検出器8に形成される光スポットの光スポット径を拡大する構成としても構わない。また、本実施形態の方法は、光ピックアップ装置の光学系中に収差補正素子6が配置されないような場合に有効である。
(第3実施形態の光検出器の位置調整方法)
第3実施形態の場合も、第1及び第2実施形態の場合と同様に、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大して、光検出器8をX方向とY方向とに移動させながら、受光領域16で得られる信号の出力値が最大となる位置を探索し、その位置を光検出器8のX方向とY方向の最適位置として決定するという手法を採用する。このため、この点の説明は省略する。ただし、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大する方法が異なる。
第3実施形態の場合も、第1及び第2実施形態の場合と同様に、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大して、光検出器8をX方向とY方向とに移動させながら、受光領域16で得られる信号の出力値が最大となる位置を探索し、その位置を光検出器8のX方向とY方向の最適位置として決定するという手法を採用する。このため、この点の説明は省略する。ただし、受光領域16に形成される光スポットの光スポット径を拡大する方法が異なる。
すなわち、第3実施形態の場合は、光検出器8を光ピックアップ装置1の反射光の光軸21方向(光検出器8の受光面8aと垂直な方向)に移動することで、光記録媒体9で反射された反射光が受光領域16に形成する光スポットを焦点位置からずらした位置に形成することで、光スポット径の拡大を行う。この場合には、光検出器8を光軸方向に自動で動かすアクチュエータが光ピックアップ装置1中には存在しないために、光検出器8を光軸21方向に移動するための器具を別途準備する必要がある。なお、この第3実施形態の場合は、光検出器8のX方向とY方向との位置調整終了後に、光検出器8の光軸方向の位置を元の位置に戻す必要がある。
(光ディスク装置の構成例)
次に、以上に説明した光検出器8の位置調整方法を応用した本発明の光ディスク装置について説明する。図6は、本実施形態に係る光ディスク装置30の構成を示すブロック図である。光ディスク装置30は、光記録媒体9の情報の再生、及び光記録媒体9への情報の記録を行うことができる。31は、スピンドルモータであり、光記録媒体9は、このスピンドルモータ31の上部に設けられるチャック部(図示せず)に着脱可能に保持される。そして、光記録媒体9の情報の記録再生を行う際に、スピンドルモータ31は光記録媒体9を連続回転する。スピンドルモータ31の回転制御は、スピンドルモータ制御部32によって行われる。
次に、以上に説明した光検出器8の位置調整方法を応用した本発明の光ディスク装置について説明する。図6は、本実施形態に係る光ディスク装置30の構成を示すブロック図である。光ディスク装置30は、光記録媒体9の情報の再生、及び光記録媒体9への情報の記録を行うことができる。31は、スピンドルモータであり、光記録媒体9は、このスピンドルモータ31の上部に設けられるチャック部(図示せず)に着脱可能に保持される。そして、光記録媒体9の情報の記録再生を行う際に、スピンドルモータ31は光記録媒体9を連続回転する。スピンドルモータ31の回転制御は、スピンドルモータ制御部32によって行われる。
33は、光ピックアップ装置で、図7に、光ピックアップ装置33の光学系の構成の概略図を示す。この光ピックアップ装置33の構成は、上述した光ピックアップ装置1と基本的に同様であるために、重複する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。光ピックアップ装置33が光ピックアップ装置1と異なる点は、ビームスプリッタ3と光検出器8との間に光軸補正素子42を備える点である。
光軸補正素子42は、光記録媒体9からの反射光の光軸21が光検出器8に対して位置ずれを生じている場合に、光軸21の位置ずれを修正できるように設けられた素子であり、光軸21と直交する2つの面のうち一方の面には回折パターンが形成されている。また、光軸補正素子42は、光軸21と直交する面内で互いに直交するX方向とY方向に移動可能であって、その位置の調整が可能となっている。この光軸補正素子42の位置調整の制御は、光軸補正素子制御部37(図1参照)によって行われる。光軸補正素子42を用いた光記録媒体9からの反射光の光軸21の光検出器8に対する位置ずれの補正については後述する。
図1に戻って、光ディスク装置30には信号処理部38が設けられており、この信号処理部38は、光検出器8で変換された電気信号に基づいて、RF信号、トラックエラー信号(TE信号)、フォーカスエラー信号(FE信号)を生成する。RF信号はデータ復調部40でデータに復調され、図示しないインターフェースを介してパソコン等の外部機器に出力される。
アクチュエータ制御部35は、TE信号及びFE信号を受信し、これらの信号に基づいて、対物レンズ7を移動可能とする対物レンズアクチュエータ10に駆動信号を供給する。駆動信号が供給された対物レンズアクチュエータ10は、信号に基づいて各部を作動させて、対物レンズ7をフォーカス方向に移動して、光記録媒体17の記録面にフォーカスを追従させるフォーカス制御や対物レンズ7を光記録媒体9の半径方向と平行な方向に移動して光ビームのスポット位置を光記録媒体9に形成されるトラック位置に追従させるトラッキング制御を行う。
収差補正素子制御部36は、収差補正素子6の駆動を制御する。また、本実施形態においては、収差補正素子制御部36は、収差補正素子6を、光検出器8上に設けられる受光領域16(図3(b)参照)に形成される光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段として機能させる役割も果たす。
その他、レーザ制御部34は、光ピックアップ装置33に備えられる半導体レーザから成る光源2のレーザ出力を制御する。また、全体制御部39は、スピンドルモータ制御部32、レーザ制御部34、アクチュエータ制御部35、収差補正素子制御部36、光軸補正素子制御部37、信号処理部38、及びデータ復調部40等を制御して、装置全体のコントロールを行う。
次に、光ディスク装置30において、光記録媒体9からの反射光の光軸21の光検出器8に対する位置ずれを補正する方法について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ユーザによって、光ディスク装置30に備えられる光軸補正ボタン(図6の入力部41が相当)が押されると全体制御部39によって光軸補正命令が出される(ステップS1)。そして、この光軸補正命令が出されると、収差補正素子制御部37は、液晶素子で形成される収差補正素子6を駆動する駆動電圧を制御して、所定の球面収差を発生させる。これによって、光検出器8の受光領域16に形成される光スポットの光スポット径が、所定の大きさに拡大される(ステップS2)。
そして、受光領域16で受光される光スポットの光スポット径が所定の大きさに拡大されることにより、光スポットが受光領域16に対して移動すると、図5にグラフで示した場合と同様に、受光領域16で検出される信号値の大きさが大きく変化するようになり、光軸補正素子42を移動させて光スポットの位置を動かしながら、光軸21を光検出器8に対して適切な位置に合わせることが可能となる。
光スポット径が所定の大きさに拡大されると、次に光軸補正素子42がX方向のプラス方向とマイナス方向(プラス方向及びマイナス方向の基準は、補正を開始する前の元の位置としている。以下についても同じ。)に所定の間隔で移動される(ステップS3)。なお、X方向の各移動について、受光領域16で得られる出力信号の大きさが検出されて、記憶手段(図示しない)に記憶される。そして、X方向に移動したときに出力信号が最大となった位置に光軸補正素子42のX方向の位置が調整される(ステップS4)。
次に、今度は光軸補正素子42がY方向のプラス方向とマイナス方向に所定の間隔で移動される(ステップS5)。この場合においても、Y方向の各移動について、受光領域16で得られる出力信号の大きさが検出されて、記憶手段(図示しない)に記憶される。そして、Y方向に移動したときに出力信号が最大となった位置に光軸補正素子42のY方向の位置が調整される(ステップS6)。これにより、光軸21を光検出器8に対して適切な位置に合わすことが可能となる。
なお、光軸21を光検出器8に対して適切な位置とする場合のフローは、本実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で変更可能であるのはもちろんである。すなわち、例えば、本実施形態においては、光軸補正命令が出されるタイミングについて、ユーザからの命令による構成としているが、これに限らず、例えば、光ディスク装置30を起動する毎としても構わないし、また、所定の時間毎としても構わない。更には、温度変化と関連づけて補正命令を出すようにしても構わない。
また、本実施形態の光ディスク装置30では、収差補正素子6を液晶素子としているが、ビームエキスパンダとしても構わない。
また、本実施形態においては、受光領域16に形成される光スポットを拡大する手段として収差補正素子6を用いているが、これに限らず、対物レンズアクチュエータ10を用いて対物レンズ7をフォーカス方向に移動させて光スポットの光スポット径を拡大する構成等としても構わないし、光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段を別途別部材として設ける構成等としても、もちろん構わない。
本発明によれば、高S/Nの再生信号を得られるように、再生信号を生成可能とする受光領域を分割することなく1つの領域とした構成の光検出器を備える光ピックアップ装置について、光検出器の位置調整を精度良く行うことが可能であり、光ピックアップ装置の組み立て工程で有用である。
また、本発明の光ディスク装置は、光記録媒体からの反射光の光軸が、光検出器に対して位置ずれを起こしても適宜補正できるため、再生信号の品質を維持することが可能となり、有用である。
1 光ピックアップ
2 光源
6 収差補正素子(光スポット径拡大手段)
7 対物レンズ
8 光検出器
8a 受光面
9 光記録媒体
9a 記録面
10 対物レンズアクチュエータ(光スポット径拡大手段)
16 受光領域
21 光軸(反射光の光軸)
30 光ディスク装置
42 光軸補正素子
2 光源
6 収差補正素子(光スポット径拡大手段)
7 対物レンズ
8 光検出器
8a 受光面
9 光記録媒体
9a 記録面
10 対物レンズアクチュエータ(光スポット径拡大手段)
16 受光領域
21 光軸(反射光の光軸)
30 光ディスク装置
42 光軸補正素子
Claims (10)
- 光源と、
該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を所定の位置へと導く光学系と、
前記所定の位置に配置されて前記反射光を受光する光検出器と、
を備える光ディスク装置において、
前記光検出器には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、
所定のタイミングで、前記受光領域に前記反射光が形成する光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段と、
前記光学系中に配置され、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動可能であって、前記受光領域が前記光スポット径拡大手段によって拡大された光ビームを受光した際に検出する検出信号に基づいて、前記光軸の前記光検出器に対するずれを調整する光軸補正素子と、が設けられ、
前記光スポット径拡大手段は、前記光学系中に配置されて収差の補正を行う液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴とする光ディスク装置。 - 光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を光検出器へと導く光学系を備える光ピックアップ装置の前記光検出器を、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動しながらその位置調整を行う光検出器の位置調整方法において、
前記光検出器上には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、
前記反射光が前記受光領域に形成する光スポットの光スポット径を拡大し、その後、前記光検出器を前記X方向と前記Y方向とに移動させて前記受光領域が検出する検出信号の出力変化を観測しながら、前記光検出器の前記X方向と前記Y方向との最適位置を決定することを特徴とする光検出器の位置調整方法。 - 前記光スポット径の拡大は、前記光学系中に波面収差を補正するために配置される収差補正素子を用いて行うことを特徴とする請求項2に記載の光検出器の位置調整方法。
- 前記収差補正素子は、液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴とする請求項3に記載の光検出器の位置調整方法。
- 前記光スポット径の拡大は、前記光源から出射される光ビームを前記記録面に集光する対物レンズをフォーカス方向に移動することによって行うことを特徴とする請求項2に記載の光検出器の位置調整方法。
- 前記光スポット径の拡大は、前記光検出器を前記光検出器の受光面と垂直な方向に移動することによって行うことを特徴とする請求項2に記載の光検出器の位置調整方法。
- 光源と、
該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される反射光を所定の位置へと導く光学系と、
前記所定の位置に配置されて前記反射光を受光する光検出器と、
を備える光ディスク装置において、
前記光検出器には、1つの領域からなって、その領域から得られる電気信号のみによって前記光記録媒体の情報を再生する再生信号を生成可能とする受光領域が形成されており、
所定のタイミングで、前記受光領域に前記反射光が形成する光スポットの光スポット径を拡大する光スポット径拡大手段と、
前記光学系中に配置され、前記反射光の光軸と垂直な面内で互いに直交するX方向とY方向とに移動可能であって、前記受光領域が前記光スポット径拡大手段によって拡大された光ビームを受光した際に検出する検出信号に基づいて、前記光軸の前記光検出器に対するずれを調整する光軸補正素子と、を設けたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記光スポット径拡大手段は、前記光学系中に配置されて収差の補正を行う収差補正素子であることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
- 前記収差補正素子は、液晶素子又はビームエキスパンダであることを特徴とする請求項8に記載の光ディスク装置。
- 前記光スポット径拡大手段は、前記光源からの光ビームを前記記録面に集光する対物レンズを少なくともフォーカス方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータであることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
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JP2006163106A JP2007334948A (ja) | 2006-06-13 | 2006-06-13 | 光検出器の位置調整方法及び光ディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014091639A1 (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-19 | パナソニック株式会社 | 光ピックアップおよび光記録再生装置 |
CN117572028A (zh) * | 2024-01-19 | 2024-02-20 | 合肥综合性国家科学中心能源研究院(安徽省能源实验室) | 一种太赫兹近场***激光光路的调整方法 |
-
2006
- 2006-06-13 JP JP2006163106A patent/JP2007334948A/ja active Pending
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