JP2007333567A - 多重反射型セルおよび赤外線式ガス検知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多重反射型セルは、内部に測定室を有するセル本体を備え、当該測定室内の一端および他端において反射面が互いに対向状態で配置された2つの球面反射鏡と、測定室内の一端に配置された赤外線光源および赤外センサとを有し、2つの球面反射鏡の離間する方向に沿って延びる平面状の反射面と前記球面反射鏡の反射面とによって多重反射構造が形成されてなり、赤外線光源および赤外センサが共通の保持部材によって保持されていると共に、当該保持部材と一端側に配置される球面反射鏡とが一体に固定されている。赤外線式ガス検知器は、上記多重反射型セルを備えてなる。
【選択図】 図4
Description
このような赤外線式ガス検知器においては、ガス検知が行われる対象となる、例えば環境雰囲気の空気などの被検ガスが導入されるガスセル内における赤外光の光路長が大きくなるに従って、低濃度域の特定ガス成分に対して高い感度が得られることが知られている。
このような多重反射型セルとしては、例えば曲率半径の大きさが互いに等しい3つの凹面反射鏡を用い、一の凹面反射鏡をガスセル本体内の一端側に配置し、他の2つの凹面反射鏡をその曲率中心の位置が一の凹面反射鏡の反射面上に位置された状態でガスセル本体内の他端側に配置された構成のもの(例えば特許文献1参照)や、一の凹面鏡と一の平面鏡を用い、凹面鏡の曲率中心が平面鏡の反射面上に位置された構成のもの(例えば特許文献2参照)などが知られている。
本発明の更に他の目的は、上記多重反射型セルを備え、所期のガス検知を確実に行うことのできる小型の赤外線式ガス検知器を提供することにある。
赤外線光源および赤外センサが共通の保持部材によって保持されていると共に、当該保持部材と一端側に配置される球面反射鏡とが一体に固定されていることを特徴とする。
しかも、赤外線光源および赤外センサが共通の保持部材によって保持されて測定室内に配置されると共に当該保持部材と測定室内の一端側に配置される球面反射鏡とが一体に固定されていることにより、必要な構成部材を合理的に配置することができるので、多重反射型セルを一層小型のものとして構成することができることに加え、赤外線光源および赤外センサがセル本体と別個に設けられた構成のものであれば、当該赤外線光源および赤外センサが配置される空間中の雰囲気ガスによる影響を受けやすい、という問題があるが、本発明の多重反射型セルによれば、赤外線光源および赤外センサが測定室内に配置されていることにより、外乱要素を排除することができるので、高い精度でガス検知を行うことができる。
この赤外線式ガス検知器10は、内部に被検ガスが導入される測定室Sを有する多重反射型セル20により構成されたガス検知部11を備えてなる。図1乃至図3において、12は多重反射型セル20に一体に固定された基板配置部、13はガス検知器設置用の取り付け板、15は被検ガスを測定室内に導入する導入部に設けられたダストフィルタ、16は例えば校正用ガスを導入するためのガス導入用コネクタ(ニップル)、17は信号出力基板である。
そして、セル本体21における一端および他端には、互いに同一の大きさの曲率半径を有する一端側球面反射鏡25および他端側球面反射鏡30が、一端側球面反射鏡25および他端側球面反射鏡30の対向する反射面間の離間距離が曲率半径の大きさに一致するよう、一端側球面反射鏡25の曲率中心位置が平面反射鏡部22の平面反射面22A上に位置されると共に他端側球面反射鏡30の曲率中心位置が一端側球面反射鏡25の反射面上に位置された状態で、対向配置されており、これにより、被検ガスが導入される測定室Sが形成されている。
また、他端側球面反射鏡30についても同様の構成とされており、球面反射面31Aを有する反射機能部31がセル本体21の外形形状に適合する平板状の基材部32に一体成型されてなり、反射機能部31がセル本体21内に位置された状態において、基材部32がセル本体21に対して例えばネジ止めされて固定されている。
赤外線光源35および赤外センサ36は、共通の保持部材である保持用基板40によって保持、固定されており、赤外線光源35および赤外センサ36が一端側球面反射鏡25の基材部26における光源挿入用開口部28Aおよびセンサ挿入用開口部28Bを介して測定室S内に露出された状態において、保持用基板40が一端側球面反射鏡25の基材部27に例えばネジ止めされて一体に固定されている。
以上において、2つの球面反射鏡25,30および平面反射鏡部22による反射回数は、赤外センサ36によって十分な大きさの出力信号が得られる大きさの光路長を得ることができれば、特に限定されるものではない。
一方、例えば自然拡散によって、被検ガスがダストフィルタ15を介してガス導入部より測定室S内に導入されて、当該被検ガス中に検知対象ガス(特定ガス成分)が含まれる場合には、当該特定ガス成分によって赤外線が吸収されることによって赤外センサ36に検出される赤外線光量が低下し、この赤外線光量の減衰の程度に応じた検知対象ガスの濃度が算出される。
しかも、赤外線光源35および赤外センサ36が共通の保持部材である保持用基板40によって保持されて測定室S内に配置されると共に、保持用基板40と一端側球面反射鏡25とが一体に固定されていることにより、必要な構成部材を合理的に配置することができるので、多重反射型セル20を一層小型のものとして構成することができる。
また、赤外線光源および赤外センサがセル本体と別個に設けられた構成のものであれば、当該赤外線光源および赤外センサが配置される空間中の雰囲気ガスによる影響を受けやすく、特にCO2 ガスの測定を行う場合には、当該空間中のCO2 ガスによる影響が無視できない程大きく、高い精度で測定を行うことができない、という問題があるが、上記多重反射型セル20によれば、赤外線光源35および赤外センサ36が測定室S内に配置されていることにより、外乱要素を排除することができるので、所期のガス検知を高い精度で行うことができる。
例えば、本発明の多重反射型セルを構成する球面反射鏡の諸元は、例えば測定対象物(例えば特定ガス成分等)の種類と測定濃度範囲など目的に応じて適宜に設定することができる。また、測定室内において別個に平面鏡が設けられた構成とされていてもよい。
また、本発明は多重反射型セルを小型のものとして構成することができるという効果が得られるものであるが、必要に応じて、セル本体を大型のものとして構成し、大きな光路長が得られる多重反射構造が形成されるよう構成されていてもよいことはいうまでもない。
さらに、本発明の多重反射型セルは、ガス検知器だけではなく、光の吸光度を利用して、測定対象物の濃度や純度を測定するための装置に適用することができる。
さらにまた、本発明の多重反射型セルをガス検知器に適用する場合においては、拡散式のものであっても、吸引式のものであっても、いずれのものであってもよい。
11 ガス検知部
12 基板配置部
13 取り付け板
15 ダストフィルタ
16 ガス導入用コネクタ
17 信号出力基板
20 多重反射型セル
S 測定室
21 セル本体
22 平面反射鏡部
22A 平面反射面
25 一端側球面反射鏡
26 反射機能部
26A 球面反射面
27 基材部
28A 光源挿入用開口部
28B センサ挿入用開口部
30 他端側球面反射鏡
31 反射機能部
31A 球面反射面
32 基材部
35 赤外線光源
36 赤外センサ
40 保持用基板
Claims (5)
- 内部に測定室を有するセル本体を備え、当該測定室内の一端および他端において、反射面が互いに対向状態で配置された2つの球面反射鏡と、測定室内の一端に配置された赤外線光源および赤外センサとを有し、2つの球面反射鏡の球面反射面と当該2つの球面反射鏡の離間する方向に沿って延びる平面状の反射面とによって多重反射構造が形成されてなり、
赤外線光源および赤外センサが共通の保持部材によって保持されていると共に、当該保持部材と一端側に配置される球面反射鏡とが一体に固定されていることを特徴とする多重反射型セル。 - 2つの球面反射鏡は、互いに同一の大きさの曲率半径を有するものであり、一端側に配置される球面反射鏡の曲率中心位置が平面状の反射面上に位置されると共に他端側に配置される球面反射鏡の曲率中心位置が一端側に配置される球面反射鏡の球面反射面上に位置された状態で、配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多重反射型セル。
- セル本体が断面形状が矩形枠状の細長い形態を有するものであり、平面状の反射面がセル本体の内壁面によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多重反射型セル。
- 測定室内の一端側に配置される球面反射鏡は、球面反射面を形成する反射機能部が、当該球面反射鏡をセル本体に対して固定するための基材部と一体成型されてなるものであり、基材部には、赤外線光源および赤外センサを測定室内に露出させる開口部が並んで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多重反射型セル。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多重反射型セルにより構成されたガス検知部を備えてなることを特徴とする赤外線式ガス検知器。
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