JP2007332938A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、内燃機関の始動時に、吸気弁の傘裏に燃料が付着することを回避しつつも、燃費を向上させる。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、内燃機関(200)の燃焼室(201)内への吸気を行うための吸気弁(203)の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を変更可能な動弁手段(10)と、内燃機関の温度を検出する温度検出手段(220)とを備える。そして、内燃機関の始動時には、検出された温度に応じて、上記少なくとも一方を変更するように、動弁手段を制御する制御手段(100)とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えばVVT−i(Variable Valve Timing intelligent system:VVT−i)のように、吸気弁の動弁特性を変更可能な動弁手段を備える内燃機関の制御装置に関する。
この種の動弁手段を用いて、吸気弁の開閉動作を工夫して、内燃機関の燃費を向上させるための技術が各種提案されている。例えば、いわゆる早閉じのように吸気弁を閉じるタイミングを比較的早くする技術が提案されている。ところが、このように吸気弁等の開閉動作をタイミング制御するにあたり、吸気弁の傘裏に燃料が付着してデポジットを形成すると、実際の吸気量が大きく変化してしまう虞がある。
このような不具合に対処するために、例えば以下の特許文献1に開示されているように、吸気弁のリフト量を減少させることで、吸気の流速を高め、デポジットを除去する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005‐16491号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示されている技術には、以下のような問題が生じ得る。例えば、内燃機関の始動時のように吸気の流速が未発達の場合、特許文献1に開示された技術のようにリフト量を減少させ、開口面積を縮小して吸気の流速が高まるのは、吸気弁を通過する瞬間、縮小された開口部を通過する時であって、吸気弁を通過するよりも前の、吸気管内での吸気の流速はさほど早くない。故に、このような始動時には、吸気管内に噴射された燃料は吸気流れに乗らず、バルブ傘裏に付着してしまう虞が依然としてある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えば内燃機関の始動時に吸気弁の傘裏に燃料が付着することを回避しつつ、燃費を向上可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関の燃焼室内への吸気を行うための吸気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を変更可能な動弁手段と、前記内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、前記内燃機関の始動時には、前記検出された温度に応じて、前記少なくとも一方を変更するように、前記動弁手段を制御する制御手段とを備える。
この内燃機関の制御装置によれば、例えばCambyWire機構或いは電磁駆動弁機構等を備えるVVT−iにおける吸気弁を動かす駆動機構などの、動弁手段によって、内燃機関の燃焼室と吸気管とを所定タイミングで連通する吸気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方が変更可能である。
そして、例えば、吸気管に設けられた温度センサ等の検出手段によって、内燃機関の温度が検出される。ここに、「内燃機関の温度」とは、吸気管或いは燃焼室内に噴射される燃料の状態(例えば、どの程度蒸発しているか)を、直接的或いは間接的に特定するための、定量的な尺度を示す包括的な概念である。従って、例えばエンジン冷却水の温度やシリンダ外壁の温度などであってもよく、実践上は、既存の温度センサの検出出力を利用するのが好ましく、或いは、専用のセンサを設けてもかまわない。
ここで一般に、内燃機関の始動時のように吸気の流速が未発達の場合には、上述した課題のように、燃費を向上するべく早閉じにしても、吸気弁の傘裏に燃料が付着する虞がある。この傾向は、特に、冷間始動時において顕著である。ここで「冷間始動時」とは、内燃機関の始動時に未だ暖気が不十分であるために、燃料が十分に蒸発していないと想定される状態をいう。このように、燃料の蒸発が十分でないと、蒸発していない燃料が、吸気弁の傘裏に一層付着し易いのである。
しかるに本発明によれば、かかる内燃機関の始動時、例えば冷間始動時には、検出された温度に応じて、吸気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を変更するように、例えばECU等からなる制御手段によって、動弁手段が制御される。例えば、吸気弁の開閉時期は、冷間始動時には遅閉じのアトキンソン(ミラー)サイクルとし、暖気後には早閉じとすることで、圧縮比を低くしてノッキングの発生を防止することが出来ると共に、膨張比を高くして熱効率を向上し、燃費の向上が見込まれる。この際、遅閉じで、且つリフト量を大きくすれば、吸気の流速が発達しやすくなるので、燃料が吸気弁の傘裏に付着することも回避できる。
以上の結果、内燃機関の始動時に、吸気弁の傘裏に燃料が付着することを回避しつつ、燃費が向上される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記検出された温度に応じて、前記吸気弁を下死点よりも先に閉じる早閉じとする、或いは前記下死点よりも後に閉じる遅閉じとするように、前記動弁手段を制御する。
この態様によれば、検出された温度に応じて、吸気弁を下死点よりも先に閉じる早閉じ或いは下死点よりも後に閉じる遅閉じとすることで、実質的な圧縮比を小さく抑え、圧縮比よりも膨張比を大きくする。ここに「下死点」とは、狭義には燃焼室内で上下に往復運動するピストンが最も低い位置に達する時期を意味するが、広義には、最も低い位置に若干のマージンをもたせた位置に達する時期、或いは圧縮比が最大となる時期を意味してもよい。このように、いわゆるアトキンソン(ミラー)サイクルで内燃機関が運転されるので、ノッキングの発生を防止することが出来ると共に、熱効率を向上できる。この際、実質的な圧縮比を小さく抑える観点からは略同等な効果を奏する「早閉じ」及び「遅閉じ」を、検出された温度に応じて、使い分けることで、吸気の流速の発達具合を調整して燃料の付着を回避も可能となる。
この態様では、前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、前記吸気弁を前記遅閉じとし、下回らない場合には、前記早閉じとするように、前記動弁手段を制御してもよい。
この態様によれば、始動時に検出された温度と所定温度閾値との大小関係に応じて、吸気弁を早閉じにするか、或いは遅閉じとするかが決められる。ここに、「所定温度閾値」とは、吸気管内に噴射された燃料が、所定割合以上は蒸発していると想定される温度として、予め経験、実験或いはシミュレーション等によって定められる温度であり、例えば80°である。ここでいう「所定割合」は、必ずしも100%でなくともよく、例えば80%等、その割合以上に燃料が蒸発していれば、吸気弁に付着する量が実践上問題とならない値として定めればよい。そして、始動時に検出された温度が所定温度閾値を下回る、冷間始動の場合には、燃料の蒸発が不十分であり吸気弁に付着する虞があるので、吸気弁を遅閉じとする。その結果、早閉じとする場合に比べて、吸気の流速の発達が早まり、吸気弁傘裏への燃料の付着を回避できる。他方、検出された温度が所定温度閾値を下回らない、暖気が十分な場合には、燃料の蒸発が十分であり吸気弁に付着する虞がないので、早閉じとする。その結果、遅閉じとする場合に比べて、燃焼室内温度の上昇が促進され、燃焼が改善される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記始動時に、前記リフト量が所定リフト量閾値を超える値となるように、前記動弁手段を制御する。
この態様によれば、リフト量が所定リフト量閾値を超える値とされる。ここに、「所定リフト量閾値」は、リフト量を縮小するだけで、吸気弁を通過する際の吸気の流速を所定量増し、吸気弁の傘裏等に付着したデポジットの付着を振り払うために必要とされるリフト量として、予め経験、実験、シミュレーション等によって定められる値である。本態様では、少なくともこの値よりもリフト量を大きくし、その分、遅閉じ等によって、吸気管内の広範囲にわたって、吸気の流速を増すことができる。従って、流速が増した吸気の流れに燃料が乗り、燃料が吸気弁の傘裏に付着することを回避し、ひいては付着した燃料を除去できる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記吸気弁へと連通する吸気管の流路に備わり、前記吸気管内を流れる吸気の流量を絞るためのスロットル弁を開閉するスロットル弁開閉手段を更に備え、前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、前記スロットル弁の開度が、アクセル開度から定まる開度よりも大きくなるように、前記スロットル弁開閉手段を制御する。
この態様によれば、始動時に、検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、スロットル弁の開度が、アクセル開度から定まる開度よりも大きく、例えば全開となる。従って、スロットル弁でのポンプ損失を低下できる。ここに、「アクセル開度から定まる開度」とは、通常の走行時に、運転手が踏み込んだアクセル開度に基づいて、ECU等の制御装置が算出し、定められるアクセル開度である。なお、この場合でも、吸気の流量は吸気弁を遅閉じ或いは早閉じとすることで調整可能である。特に、スロットル弁が全開とされ、吸気弁を遅閉じとし、リフト量が所定リフト量閾値を超える値とされれば、吸気の流れは、一段と早期に速くなり、吸気弁への燃料の付着を回避し、或いは付着した燃料を除去できる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記動弁手段は、前記燃焼室内からの排気を行うための排気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を更に変更可能であり、前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が前記所定温度閾値を下回る場合には、下回らない場合に比べて、前記吸気弁と前記排気弁とが共に開いているオーバーラップ量を小さくするように、前記動弁手段を制御する。
この態様によれば、始動時に、検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、下回らない場合に比べて、例えば吸気弁が開く時期を遅らせる。その結果、オーバーラップ量が減少し、排気ガスが吸気管へ吹き返すことを回避できる。即ち、燃焼悪化を回避できる。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態として本発明の一実施形態を、図面に基いて詳細に説明する。
(1)構成
先ず、本実施形態に係る内燃機関の制御装置を備えた内燃機関の構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置を備えた内燃機関の模式的な断面図である。
図1において、内燃機関200には、本発明に係る「動弁手段」の一例である可変動弁装置10、吸気管206、本発明に係る「温度検出手段」の一例である温度センサ220、本発明に係る「スロットル弁開閉手段」の一例であるスロットル弁駆動モータ217、燃焼室201、排気管210、ターボ過給機(即ち、コンプレッサ41及びタービン42)、本発明に係る「制御手段」の一例である制御装置100等が備わる。
吸気管206は、吸気弁203の開閉によって燃焼室201内部との連通状態が制御されている。即ち、吸気管206において、外部から吸入された空気(即ち、吸入空気)と、燃料噴射装置であるインジェクタ211から噴射された燃料とが混合され(即ち、混合気を形成し)、吸気弁203を介して燃焼室201に供給される。吸気弁203の傘裏には、後述するように、噴射された燃料が、十分に蒸発しないまま付着する虞がある(図3)。本実施形態では、この付着する燃料を、吸気弁203の開閉時期を調整し、或いはリフト量を調整することで、回避或いは除去するよう試みる。
可変動弁装置10は、例えばVVT-iであり、カムバイワイヤ、電磁駆動弁等を用いて、吸気弁203及び排気弁204の動弁特性(例えば、開閉時期或いはリフト量)を変更可能に構成されている。
アクセルポジションセンサ216は、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量、即ちアクセル開度を検出する。このアクセル開度に基づいて、加速要求があるか否かが判断される。
温度センサ220は、例えば吸気管206から燃焼室201近傍に配置され、内燃機関200を冷却する冷却水(不図示)の水温から、内燃機関200の温度が検出される。検出された温度に基づいて、インジェクタ211から噴射された燃料の状態(例えば、どの程度蒸発しているか)が、直接的或いは間接的に特定される。
スロットル弁駆動モータ217は、その踏み込み量に基いてスロットル弁214を開閉駆動する。スロットル弁214は、吸気管234から燃焼室201内部へ送り込む空気量を調節する。サージタンク111は、各燃焼室へ送り込む空気を分配する他、分配される空気の圧力変動を抑制する効果がある。スロットルポジションセンサ215は、スロットル弁214の開度を検出する。
燃焼室201は、その内部で吸気管206から送られてきた混合気を、点火プラグ202により燃焼させることが可能に構成されている。この燃焼により、ピストン205は、燃焼室201内で上下に往復運動する。この往復運動がクランクシャフト219の回転運動に変換され、当該内燃機関200が搭載された車両を駆動可能に構成されている。クランクポジションセンサ218は、クランクシャフト219の回転角(即ち、クランク角)を検出する。
排気管210は、燃焼室201内部で発生する排気ガスを、排気弁204を介して排気することが可能に構成されている。空燃費センサ221は、排気ガスの空燃比A/F2を検出して、制御装置100へ伝達可能に構成されている。こうして検出された空燃比A/F2は、例えばインジェクタ211によって噴射される燃焼量のフィードバック補正に利用される。
ターボ過給機は、コンプレッサ41及びタービン42を備えてなる。タービン42は、排気管210に配設されており、排気ガスの運動エネルギを受けて回転させられ、このタービン42の回転トルクをコンプレッサ41の回転に変換可能に構成されている。コンプレッサ41は、吸気管234に配設されており、その回転によって吸気を圧縮させる(過給する)ことが可能である。
制御装置100は、内燃機関200の動作全体を制御する。中でも、吸気弁制御部110、排気弁制御部120等を備えており、可変動弁装置10を制御して吸気弁203及び排気弁204の開弁期間のオーバーラップ量を調整する。これらは、好適には、周知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。更に、各種センサからの入力信号(例えば、アクセル開度、スロットル開度、内燃機関200の回転数Ne、クランク角CA、空燃費A/F2等)を受ける入力ポート及び、各種アクチュエータ(例えば、可変動弁装置10、スロットル弁駆動モータ217等)に制御信号を送る出力ポートに対して、バスを介して接続されている。
以上説明した構成によると、本実施形態に係る内燃機関の制御装置は、温度センサ220、スロットル弁駆動モータ217、可変動弁装置10、制御装置100等を備えるので、例えば、温度センサ220の出力に応じて、スロットル弁214、吸気弁203及び排気弁204の動弁特性を変えるように、スロットル弁駆動モータ217、可変動弁装置10を制御装置100が制御するので、吸気管206内を流れる吸気の流れが内燃機関200の運転状態に応じて調整され、内燃機関200の始動時(特に、冷間始動時)に、吸気弁203の傘裏に燃料が付着することを回避しつつも、燃費の向上が可能となるのである。
(2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理について、図1に加えて、図2から図5を用いて説明する。
先ず、図2を用いて、上述した可変動弁装置10を用いて実現される、吸気弁203の遅閉じ、及び早閉じについて、説明を加える。ここに、図2は、実施形態に係る内燃機関の制御装置のバルブタイミング図である。
内燃機関のピストン205は、燃焼室201内を上下動し、この燃焼室201内での挙動は、吸入、圧縮、燃焼、膨張、排気といった一連のサイクルで表現される。
一般的な燃焼サイクルであるオットーサイクルにおいては、膨張比と圧縮比とがほぼ等しい関係にある。従って、熱効率を上昇させようとする場合に、圧縮比(≒膨張比)を高めることが考えられる。しかし、単に圧縮比を高めると、ノッキングが発生しやすくなる虞がある。
そこで、上記オットーサイクルに対し、アトキンソンサイクル(或いは、ミラーサイクル)と称される技術が開示されている。このアトキンソンサイクルにおいては、膨張比を大きくとった上で吸気弁203の閉タイミングを変えることにより、実質的な圧縮比が下げられ、熱効率を上昇させつつも、ノッキングを防止する。具体的には、図2(a)に示すように、下死点よりも後に閉じる遅閉じとする、或いは、図2(b)吸気弁を下死点よりも先に閉じる早閉じとすることで、実質的な圧縮比を下げることができる。
より具体的には、図2(a)の遅閉じの場合、ピストン205が一旦下死点に降りた後に反転して上死点の近くまで上昇したときに吸気弁203が閉じるので、一旦燃焼室201内へ吸入された吸気のうちの相当の部分を吸気管206へ押し返すことにより、燃焼室201内の吸気量を所望の量に変更し(減少させ)、実質的な圧縮比を下げることができる。他方、図2(b)の早閉じの場合、ピストン205が下死点に降りる前に吸気弁203が閉じるので、未だ燃焼室201内の吸気量が最大に達していないことにより、燃焼室201内の吸気量を所望の量に変更し(減少させ)、実質的な圧縮比を下げることができる。即ち、いずれにせよ熱効率を上昇させつつも、ノッキングを防止する。ただし、同一排気量のオットーサイクルと比べた場合、吸入できる混合気が制限されてしまい、発生できる出力が低下する。この出力低下分は、ターボ過給機或いは不図示の電動モータ等により補完されるとよい。
本実施形態に係る内燃機関の制御装置は、このような、図2(a)の遅閉じ或いは図2(b)の早閉じを、内燃機関200の始動時に、検出された温度に応じて使い分けることで、図4を用いて後述するような優れた効果を奏する。
次に、図3を用いて、上述した吸気弁203の傘裏に付着する付着燃料を回避或いは除去する態様について、説明を加える。ここに、図3は、実施形態に係る吸気弁の傘裏に付着した燃料を除去する様子を模式的に示す断面図である。
図3において、比較例に係る図3(a)及び本実施形態に係る図3(b)は、いずれも吸気弁203の開弁時期の状態を示している。
比較例に係る図3(a)では、吸気弁203のリフト量を減少させることで、吸気の流速を高め、吸気弁203の傘裏に付着した付着燃料500を除去しようと試みられている。しかし、吸気弁203を通過する前の吸気管206内での吸気の流れは、吸気弁203を通過する時点での吸気の流れほど強くない。故に、吸気管206内に噴射された燃料は吸気流れに乗らず、吸気弁203の傘裏に付着してしまう虞があり、一度付着した付着燃料500は、脱離が困難である。
一方、本実施形態に係る図3(b)では、スロットル弁214が比較的大きく開かれており、吸気弁203のリフト量を比較的大きいので、吸気管206内での吸気の流れが早期に発達する。故に、吸気管206内に噴射された燃料は吸気流れに乗り、吸気弁203の傘裏に付着してしまうことを回避し、ひいては既に付着している付着燃料500を除去できる。
次に、図4を用いて、上述したスロットル弁214の開度に応じてポンプ損失が異なる様子について、説明を加える。ここに、図4は、実施形態に係る内燃機関に備わる模式的に示す吸気管の断面図である。
図4において、図4(a)はスロットル弁214がアクセル開度から定まる開度に開かれた状態を示し、図4(b)は、スロットル弁214がアクセル開度から定まる開度よりも大きく開かれた状態(典型的には、全開)とされた状態を示す。図4(a)に示すスロットル弁214の開度に比べて、図4(b)に示すスロットル弁214の開度に比べて大きい、即ち、より大きく開いている。この結果、吸気管206内を流れる吸気が、スロットル弁214に絞られて発生するポンプ損失は、図4(a)の場合よりも、図4(b)の場合の方が少ない。加えて、図4(b)では、吸気の流れが遮られないので、吸気弁203の傘裏に燃料が付着することを回避し、ひいては付着した付着燃料500(図3参照)を除去できる。従って、スロットル弁214の開度は、図4(b)のように、極力大きいほうが望ましい。好ましくは全開のままがよい。本実施形態では、かかる要望をみたすべく、スロットル弁214の開度を全開とし、本来スロットル弁214の開閉で調整されるべき吸気量は、図2で説明したように、吸気弁203を閉じる時期を調整することで、所望の量に調整されるのである。
次に、図5を用いて、内燃機関の制御装置の動作処理の一具体例として、冷間始動ルーチンを説明する。ここに、図5は、実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理を示すフローチャートである。
図5において、内燃機関200の始動時、特に冷間始動時には、通常走行に先立ち、以下に示す冷間始動ルーチンが実行される。具体的には先ず、温度センサ220によって検出された冷却水の水温Tと所定温度閾値T1との高低が判定される(ステップS1)。ここに、「所定温度閾値」とは、吸気管206内に噴射された燃料が、所定割合以上は蒸発していると想定される温度として、言い換えれば、十分に蒸発していると想定される温度として、予め経験、実験或いはシミュレーション等によって定められる温度であり、例えば80°である。
ここで、水温Tが所定温度閾値T1よりも低い場合(ステップS1:Yes)、即ち、燃料が十分に蒸発していないと想定される場合、吸気行程で吸気弁203を図2(a)の如きアトキンソンサイクルの遅閉じにするよう、可変動弁装置10を制御装置100が制御する(ステップS21)。
この際、吸気弁203の閉弁時期を調整することで、一旦燃焼室201内へ吸入された吸気のうちの相当の部分を吸気管206へ押し返し、燃焼室201内に流入する吸気量を調整できる。故に、スロットル弁214の開度は図4(b)の如くアクセル開度から定まる開度よりも大きく開かれた状態(典型的には、全開)にしてよい。その結果、スロットル弁214による絞り作用を抑えて、吸気管206内の流れを早期に発達させ、吸気管206内に噴射された燃料が吸気弁203の傘裏に付着してしまうことを回避し、ひいては既に付着している付着燃料500を除去できる。ここで、ポンプ損失も低下させるので、燃費の向上も見込まれる。加えて、吸気弁203のリフト量も図3(b)の如く、スロットル弁214が比較的大きく開いてやることで、吸気管206から燃焼室201内へと流入し、或いは押本される吸気の流れを阻害する要因が一層低減されるので、上述した付着燃料500の回避或いは除去の効果が一層高まる。尚、このように比較的温度が低い状況で図2(a)の如き遅閉じにする場合、吸気弁203と排気弁204とのオーバーラップ量は、図2(b)の如き早閉じに比べて小さくすることで、燃焼悪化を回避できる。比較的温度が低い状況では、オーバーラップ期間に吸気管206へ吹き返す虞がある排気ガスを低減できるからである。
このようにして吸気行程が終わると、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程を経て、再び吸気行程が繰り返される。この際、燃焼・膨張行程での燃焼により、水温Tが上昇していく。
そして、制御装置100によって、通常走行への復帰要求があるか否かが、例えば水温T,機関回転数、トルク等の各種パラメータに基づいて判断される(ステップS3)。ここで、復帰要求がある場合(ステップS3:Yes)、本冷間始動ルーチンを終了し、通常走行へ復帰する。他方、復帰要求が未だない場合(ステップS3:No)、上述の温度に関する判定が再度なされる(ステップS1)。ここで、水温Tが所定温度閾値T1以上である場合(ステップS1:No)、即ち、暖気され、燃料が十分に蒸発していると想定される場合、吸気行程で吸気弁203の傘裏に付着する虞も比較的少ない。そこで、燃費の向上を優先すべく、吸気弁203を図2(b)の如き早閉じにするよう、可変動弁装置10を制御装置100が制御する(ステップS21)。その結果、燃焼室201内に流入する吸気量を調整する際に、一旦燃焼室201内へ吸入された吸気のうちの相当の部分を吸気管206へ押し返す必要がない。故に、燃焼室201内の温度が効率よく上昇し、燃焼を改善し、燃費を向上できる。
以上、図1に加えて図2から図5を用いて説明した動作処理によると、吸気弁203の傘裏への燃料付着を回避しつつも、始動時から燃費を向上できる。
尚、上述の実施形態では、単独の内燃機関を用いて説明したが、アトキンソンサイクルが可能な動弁手段を有する機関であれば、他の態様でもよい。例えば、内燃機関でアトキンソンサイクルとする場合に、電動機で出力を補完することが可能なハイブリッドシステムに適用することもできる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置も又、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置を備えた内燃機関の模式的な断面図である。 実施形態に係る内燃機関の制御装置のバルブタイミング図である。 実施形態に係る吸気弁の傘裏に付着した燃料を除去する様子を模式的に示す断面図である。 実施形態に係る内燃機関に備わる模式的に示す吸気管の断面図である。 実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理を示すフローチャートである。
符号の説明
200…内燃機関、206…吸気管、220…温度センサ、217…スロットル弁駆動モータ、201…燃焼室、210…排気管、41…コンプレッサ、42…タービン、10…可変動弁装置、100…制御装置

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室内への吸気を行うための吸気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を変更可能な動弁手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、
    前記内燃機関の始動時には、前記検出された温度に応じて、前記少なくとも一方を変更するように、前記動弁手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記検出された温度に応じて、前記吸気弁を下死点よりも先に閉じる早閉じとする、或いは前記下死点よりも後に閉じる遅閉じとするように、前記動弁手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、前記吸気弁を前記遅閉じとし、下回らない場合には、前記早閉じとするように、前記動弁手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記始動時に、前記リフト量が所定リフト量閾値を超える値となるように、前記動弁手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記吸気弁へと連通する吸気管の流路に備わり、前記吸気管内を流れる吸気の流量を絞るためのスロットル弁を開閉するスロットル弁開閉手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が所定温度閾値を下回る場合には、前記スロットル弁の開度が、アクセル開度から定まる開度よりも大きくなるように、前記スロットル弁開閉手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記動弁手段は、前記燃焼室内からの排気を行うための排気弁の開閉時期及びリフト量の少なくとも一方を更に変更可能であり、
    前記制御手段は、前記始動時に、前記検出された温度が前記所定温度閾値を下回る場合には、下回らない場合に比べて、前記吸気弁と前記排気弁とが共に開いているオーバーラップ量を小さくするように、前記動弁手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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