JP2007332518A - 油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法、炭素繊維束 - Google Patents

油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法、炭素繊維束 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において擦過による繊維表面の損傷を防止または軽減可能な油剤組成物を提供する。
【解決手段】アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に、下記式(1)で示される化合物を40質量%以上90質量%以下含有する油剤組成物を付着させる。
Figure 2007332518

(式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数11〜17のアルキル基であり、A1及びA2はそれぞれ独立してエチレン基またはプロピレン基であり、m及びnはそれぞれ独立して1〜2である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化繊維に転換する耐炎化工程において単繊維間融着の発生を防止し、また、品質および物性の優れた炭素繊維束を製造するのに好適で、炭素繊維束の製造に際して工程通過性が改善された炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法、並びにそれに付着させる油剤組成物に関する。
従来、アクリル繊維は炭素繊維の製造の前駆体として広く利用されている。具体的には、アクリル繊維を200〜400℃の酸化性雰囲気中で加熱処理する事により耐炎化繊維に転換し、得られた耐炎化繊維を不活性雰囲気下で700℃程度までの温度で処理する前炭素化や、続いて不活性雰囲気中少なくとも1000℃で処理する炭素化を行うことが炭素繊維の製造法として一般的である。このようにして得られた炭素繊維は、優れた物性により繊維強化樹脂複合材料の好適な強化繊維として広く利用されている。特に、炭素繊維が複数まとまった炭素繊維束の形態で利用されることが多い。
一方、上記の炭素繊維束の製造方法において、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化繊維束に転換する耐炎化工程で単繊維間融着が発生し、焼成(炭素化)が不均一になり、毛羽や束切れといった障害が発生する。この融着を回避するためには、耐炎化前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束に付与する油剤の選択が重要である事が知られており、多くの油剤が検討されている。
油剤付与は、通常、紡出後、洗浄工程で紡糸溶媒を水で置換した段階にある、乾燥緻密化前のゲル状態の繊維束(以下、「水膨潤状態」の繊維束と略する)に対して行われる。この油剤は、焼成工程でのトラブルや炭素繊維束の物性の低下の原因である繊維中の潜在的な欠陥や単繊維間接着を防止するために、熱安定性と集束性・耐擦過性を兼備していることが重要である。油浴処理で使用される油剤は、アミノ変性シリコーンやエポキシ変性シリコーンなど熱安定性に優れた物質を主成分として使用する場合が多い(特許文献1など)。
現在、広く使われているシリコーン系油剤であるが、幾つか欠点もある。ロールガムアップの問題、焼成工程でのシリカ飛散に伴う工程トラブルや炭素繊維品質低下の問題、価格の問題がまず挙げられるが、これらの他に、耐擦過性の問題がある。一般にシリコーンオイルは耐熱性、離型性などの点で優れているため、潤滑油の分野でも広く使われている。潤滑油の必要特性である耐擦過性も優れているが、高荷重下における耐擦過性(極圧性)は鉱物油などに比べ劣る事が知られている。これは、シリコーンオイルの凝集力(分子間力)が小さい事に関連するものであり、摩擦面における油膜が破断して潤滑力が失われる。シリコーン系油剤の耐擦過性は衣料用などの繊維油剤に使用する場合の低荷重下の摩擦では問題がないが、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造においては生産量アップと低コスト化を目的とした多錘化、高速化が進行しており、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の表層部とロール、ガイド等との接触が高荷重下で起こる事による繊維束表面の擦過は酷くなり、ごく近い将来には繊維束表面の損傷による種々のトラブルの発生が想定される。また、この現象は、高性能炭素繊維束を製造する段階になって顕在化し、炭素繊維束の物性・品質が低下する事も考えられる。このため、耐擦過性を改善した炭素繊維前駆体アクリル繊維束製造用油剤の開発が急務である。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造工程で発生する繊維束基質の損傷が炭素繊維束物性に影響する事は広く認識されていたが、油剤の耐擦過性(極圧性)を改善する事でこの損傷を低減し、繊維束物性を向上させる検討については過去に報告されていない。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束製造用油剤の耐擦過性(極圧性)の評価法が確立していない事も、また問題である。有機高分子で炭素繊維前駆体アクリル繊維束表面を被覆する事で、工程ローラー等との接触による繊維の損傷を防止する技術(特許文献2)が公開されているが、被覆層の硬さ(鉛筆硬度)を評価基準にしており、耐擦過性との相関はない。
特開昭58−214517号公報 特開平9−176923号公報
本発明は、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において擦過による繊維表面の損傷を防止または軽減できる油剤組成物を提供する事を目的とする。
本発明は、上記問題を解決するために次のような手段を採用するものである。
アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に付着させる油剤組成物であって、下記式(1)で示される化合物を40質量%以上90質量%以下含有することを特徴とする油剤組成物である。
Figure 2007332518
(式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数11〜17のアルキル基であり、A1及びA2はそれぞれ独立してエチレン基またはプロピレン基であり、m及びnはそれぞれ独立して1〜2である。)
アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に、前記の油剤組成物を付着させて得られることを特徴とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束である。また、アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に、前記の油剤組成物を付着させる工程を有することを特徴とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法である。
前記の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化及び炭素化して得られることを特徴とする炭素繊維束である。
本発明によれば、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において擦過による繊維表面の損傷を防止または軽減でき、品質および物性の優れた炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を製造することができる。
本発明者等は、上記の従来技術の問題点を解決し、炭素繊維前駆体用アクリル繊維束の製造工程における繊維表面の擦過による損傷を防止あるいは軽減する事ができ、焼成時の毛羽などの発生や炭素繊維束の物性低下を防ぐための炭素繊維前駆体アクリル繊維束製造用油剤について鋭意検討した結果、特定の耐擦過性向上成分を含有する油剤組成物が有効である事を見出した。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、油剤付与前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成するアクリル繊維には公知のアクリル繊維を用いることができ、その組成は特に限定されるものではないが、アクリロニトリル単位とアクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体単位とからなるアクリロニトリル系共重合体を紡糸して得られるアクリル繊維が好ましい。このアクリロニトリル系共重合体において、アクリロニトリル単位が95質量%を下回らず、アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体単位が5質量%を超えないことが好ましい。アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、又は、これらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、およびアクリルアミド等の単量体群から選ばれる1種以上の単量体が、耐炎化反応を促進する上で好ましい。このようなアクリル繊維を複数有するアクリル繊維束の製造方法も特に限定されるものではなく、公知の湿式、乾式および乾湿式の各紡糸方式が採用できる。
本発明で使用する油剤組成物について説明する。
本発明の油剤組成物は、耐擦過性向上成分となる下記式(1)で示される化合物を含有する。
Figure 2007332518
(式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数11〜17のアルキル基であり、A1及びA2はそれぞれ独立してエチレン基またはプロピレン基であり、m及びnはそれぞれ独立して1〜2である。)
上記のR1及びR2がそれぞれ独立して炭素数7〜21のアルキル基であり、かつ、m及びnがそれぞれ独立して1〜5の範囲内にある上記式(1)と同様の構造を有する化合物は、耐熱性や軽荷重下での平滑性などの点で優れている。中でも、R1及びR2がそれぞれ独立して炭素数11〜17のアルキル基であり、かつ、m及びnがそれぞれ独立して1〜2であると、耐熱性、軽荷重下での平滑性に加えて、高荷重下での耐擦過性にも優れている。A1及び/又はA2が複数存在する場合には、エチレン基とプロピレン基が混在していても良い。式(1)で示される化合物は、1種でも2種以上を組み合わせてもよい。なお、式(1)で示される化合物は、R1及びR2並びにA1及びA2が同一である複数の化合物の混合物である場合も含み、m及び/又はnは整数でない場合もあり得る。その場合は、その複数の化合物の各々について、m及びnがそれぞれ独立して1〜2でなくてもよく、R1及びR2並びにA1及びA2が同一である複数の化合物の混合物の平均値として、m及びnがそれぞれ独立して1〜2であればよい。m及びnがそれぞれ独立して1または2でもよい。
本発明の油剤組成物における式(1)の化合物の含有量は40質量%以上90質量%以下であると、上記の耐擦過性向上成分配合の効果が得られる。該成分の比率が40質量%より少ないと耐擦過性が不足するため、ストランド強度などの炭素繊維性能が低下する傾向がある。また、90質量%より多いと下記の乳化剤で分散した水系エマルションの粒子径ならびに経時安定性の点で問題がある。好ましくは、60質量%以上80質量%以下である。この場合、下記の乳化剤、酸化防止剤、シリコーン成分を配合すると、耐擦過性に加えて、紡糸工程における単繊維間接着や耐炎化工程での融着の抑制にも効果がある。
本発明の油剤組成物は、上記耐擦過性向上成分以外の成分を10質量%以上60質量%以下含有する。耐擦過性向上成分以外の成分としては、乳化剤、酸化防止剤、シリコーン成分等が挙げられる。これらの成分は、目的に応じて適宜使用することができるが、以下の様に使用することが好ましい。
乳化剤は、上記の耐擦過性向上成分を水膨潤状態のアクリル繊維束に付与する際に使用する水系エマルションの形態にするために好適に使用される。乳化剤としては、ノニオン系界面活性剤を使用する事が好ましい。乳化剤は、1種でも2種以上の組み合わせでも良い。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物などが挙げられ、疎水部のアルキル鎖は直鎖状でも分岐していてもよい。ノニオン系界面活性剤のHLBは6〜16であることが好ましく、8〜13であることがより好ましい。また、ノニオン系界面活性剤が焼成工程において加熱残渣として耐炎化糸や炭素化糸に残存しない方が好ましいので、空気中250℃で2時間加熱後の残渣率が1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。この様なノニオン系界面活性剤の親水部であるオキシアルキレン単位の繰り返し数、オキシアルキレン単位の種類やオキシアルキレン単位の繰り返しの形態は、混合物の水分散物が安定な水系エマルションとなるように適宜選択することができる。
本発明の油剤組成物における乳化剤の含有率は、9〜35質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは15質量%以上30質量%以下である。9質量%より少ないと水系エマルションの安定性が低下して繊維への付着斑(ムラ)が生じる傾向があり、また、35質量%より多いとストランド強度などの炭素繊維束の性能が低下する傾向がある。
酸化防止剤は、油剤組成物付与後の炭素繊維前駆体繊維束の乾燥工程や耐炎化工程での単繊維間接着・融着の抑止に有効な場合があるため、紡糸条件・焼成条件に応じて配合する事ができる。酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシルホスファイト)などが好ましく用いられる。酸化防止剤は、1種でも2種以上の組み合わせでも良い。
本発明の油剤組成物における酸化防止剤の含有率は、14.0質量%以下とするのがよく、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。14.0質量%を超えても耐熱性の向上効果は変わらず、酸化防止剤が加熱残渣として耐炎化糸や炭素化糸に残存する事や水系エマルションの安定性が低下する事がある。
シリコーン成分は、上述の如く耐擦過特性の問題を有しているものの、油剤組成物付与後の炭素繊維前駆体繊維束の乾燥工程や耐炎化工程での単繊維間接着・融着の抑止に有効な場合があるため、紡糸条件・焼成条件に応じて配合する事ができる。また、周知の如く繊維の、特に軽荷重下での摩擦係数が小さくなる事により、例えば繊維束にかかる張力が小さい場合(例えばボビンからの解舒)の工程通過性や接触時の損傷を抑止・軽減に有効である場合がある。シリコーン成分としては、ジメチルシリコーンや、変性基を有する、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等から適宜選択できるが、中でも繊維に対する親和性に優れたアミノ変性シリコーンが好ましく用いられる。シリコーン成分は1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ変性シリコーンとしては、下記式(2)または式(3)で表される化合物の1種または2種以上を使用する事が好ましい。
Figure 2007332518
式(2)におけるアミノ変性部において、kは1〜10の整数、Lは1〜10の整数、pは0〜5の整数、R3〜R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であることが、アクリル系炭素繊維前駆体に対する親和性ならびに耐熱性において好ましく、アミノプロピル基[−C36NH2(式(2)のアミノ変性部においてk=3、p=0、R4、R5は水素原子)]、またはN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基[−C36NHCH2CH2NH2(式(2)のアミノ変性部においてk=3、L=2、p=1であり、R3、R4、R5は水素原子)]であることが特に好ましい。
式(2)におけるiは10〜10000の整数、jは1〜100の整数を表し、好ましくは50≦i≦1000、1≦j≦10である。i,jがこの範囲を外れると、炭素繊維の性能発現性や耐熱性が低下することがある。i<10だと、耐熱性が低く単糸間の融着を防止することができないことがある。また、i>10000だと、水中への分散が困難となり、繊維の表面に均一に付与することができなくなることがある。j=0だと十分な耐熱性が発現せず、単糸間の融着を効果的に防止することができないことがある。また、j>100だと、油剤そのものの耐熱性が低下して、やはり単糸間の融着を防止できないことがある。
Figure 2007332518
式(3)におけるYで示されるアミノ変性部において、qは1〜10の整数、rは1〜10の整数、sは0〜5の整数、R3〜R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であることがアクリル系炭素繊維前駆体に対する親和性ならびに耐熱性において好ましく、アミノプロピル基[−C36NH2(式(3)のYにおいてq=3、s=0、R7、R8は水素原子)]、またはN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基[−C36NHCH2CH2NH2(式(3)のYにおいてq=3、r=2、s=1であり、R6、R7、R8は水素原子)]であることが特に好ましい。
式(3)におけるtは10〜10000の整数であり、好ましくは50≦t≦1000である。tがこの範囲を外れると、炭素繊維の性能発現性や耐熱性が低下するため好ましくない。
本発明の油剤組成物におけるシリコーン成分の含有率は、50質量%以下である事が好ましく、より好ましくは2質量%以上25質量%以下である。50質量%より多いと、本発明の油剤組成物による耐擦過性の発現が阻害される事がある。また、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において乾燥緻密化工程以降でのアクリル繊維束の集束性が悪化し、工程通過性が低下する。
本発明において、上記油剤組成物における各成分及びその混合比率として、表1に示す成分及び比率から選択すると、より好ましい結果が得られる。
Figure 2007332518
本発明の油剤組成物は、その特性向上のために、帯電防止剤、浸透剤、消泡剤、防腐剤などを適宜含有してもよい。
本発明の油剤組成物は、水膨潤状態のアクリル繊維束に付与するために、耐擦過性向上成分およびその他の配合剤を水中に分散した水系エマルションの状態とするのが好適である。水系エマルションは、例えば式(1)で示される耐擦過性向上成分(ビスフェノールA誘導体)とシリコーン成分(例えば式(2)で示されるアミノ変性シリコーン)を攪拌しながら酸化防止剤を必要に応じて加熱しつつ添加し、この混合物に乳化剤(例えばノニオン系界面活性剤)を添加攪拌したものを水中に分散させる事により調製できる。各成分の混合または水中分散は、プロペラ攪拌、ホモミキサー、ホモジナイザー等を使って行うことができる。
水膨潤状態のアクリル繊維束は、例えば湿式紡糸法により得ることができる。湿式紡糸法とは、原料である重合体を溶媒に溶解させた紡糸原液を調製し、凝固液の入った凝固槽に浸漬されたノズルからその紡糸原液を紡出して、繊維化する方法である。
原料である重合体としては、前記のとおりアクリロニトリル系共重合体を使用する。紡糸原液を調製するための溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、硝酸、ロダンソーダ水溶液、塩化亜鉛水溶液等を用いることができる。紡糸原液中のアクリル系共重合体の濃度は、15〜35質量%とすることが好ましく、18〜28質量%とすることがより好ましい。
凝固槽に入れられる凝固液としては、紡糸原液調製に使用した溶媒と水との混合液を用いるのが一般的である。
使用するノズルに設けられた孔の数は、目的とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束のフィラメント数や分割の有無に応じて適切なものを選択すれば良い。孔間ピッチが狭いと紡糸性が低下して毛羽が発生する可能性があるため、可能な範囲で孔間ピッチが広いものを使用することが好ましい。通常、孔間ピッチは0.4〜0.9mmのものを使用する。
得られた繊維(凝固糸)は、水洗槽で脱溶媒され、水膨潤状態となる。この際に、2〜6倍に延伸することもできる。
この水膨潤状態のアクリル繊維束に水系エマルションが付与される。水系エマルションの水膨潤状態のアクリル繊維束への付与は、ローラー給油、浸漬法など公知の方法で行う事ができる。水系エマルションが付与された水膨潤状態のアクリル繊維束は、続いて乾燥緻密化、延伸などの処理を施して、油剤組成物が付着した炭素繊維前駆体アクリル繊維束となる。
乾燥緻密化は、膨潤した状態のアクリル繊維束の水分を蒸発させ、ボイドの焼き潰し、緻密化をする処理である。乾燥緻密化する際の温度は通常110〜200℃、時間は1〜5分程度行う。
乾燥緻密化後の延伸は、加熱ロールや加圧スチーム処理装置により行うことができる。延伸時の温度は110〜150℃程度とすることができ、加圧スチーム処理装置による延伸では150〜500kPa(ゲージ圧)で行うことができる。延伸倍率は、例えば1.5〜6倍とすることができる。
続いて、本発明の耐擦過性向上成分を含有する油剤組成物の評価・選定方法について説明する。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性の欠如により繊維が損傷すると、焼成工程での単糸切れ(毛羽発生)や、炭素繊維束の物性低下(低強度繊維の比率増大)等が起こると思われるので、これらの工程データや品質に基づく評価解析を行うのがひとつの方法である。しかし、これらは焼成工程因子を含んだ情報であるため、油剤因子を抽出するのが困難な場合がある。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の段階での耐擦過性(潜在的な損傷発生要因)の評価ができれば、油剤組成物の特性をより的確に把握できると考える。また、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の段階で評価できれば、品質管理の点でもメリットが大きいと思われる。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性は、焼成時に顕在化するものであるため、炭素繊維前駆体アクリル繊維束をそのままの形で観察・評価しても必要なデータは得られない。また、繊維の損傷が幾つも簡単に検出できるようでは、焼成原料として不適格である。本発明の目的は、高荷重下での擦過に対して繊維表面基質を防護する機能に優れた油剤組成物を見出し、この様な油剤組成物を付与した炭素繊維前駆体アクリル繊維束を製造する事である。繊維そのものの観察・評価には限界があるため、本発明者らは炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性評価を行うための加速試験・過酷試験の方法の検討を行った。繊維束同士か、又は繊維束と別の物体とを擦り合わせる事による損傷の評価は、例えば、接触荷重を一定にして擦過し、繊維束が断裂するまでの時間あるいは擦過回数を測定する事や、特定荷重下で一定回数擦過した後の繊維束あるいは繊維束を構成する単繊維の引張り強度・伸度を測定する事で定量的なデータが得られ、また、(油剤を含む)炭素繊維前駆体アクリル繊維束製造条件との関係も把握できる。
この様な擦過モデル試験を行う装置は、上記のデータが得られるものであれば、特に限定されないが、本発明者等は、通常の衣料用繊維の紡績に使用されるリング精紡機を用いて評価した。衣料用繊維の場合、ステープル紡績特有の前工程を経由するが、本発明では炭素繊維前駆体アクリル繊維束のままで精紡機にかけて耐擦過性を評価する事で、簡便に油剤組成物の特性を把握できる。リング精紡とくに高速で金属部品と繊維が接触する所で行われる紡績試験は通常衣料用繊維の工程通過性や染色異常、白粉脱落等、擦過ダメージの評価により紡績条件の決定や繊維基質改良、繊維処理剤(油剤)の選定試験に利用される公知の方法であるが、本発明者らは、この試験法を炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性の評価装置として使用した。
ここでは、RY型精紡機(TOYODA製)を調温・調湿(温度20℃、湿度65%RH)した実験室内で使用した。炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する単繊維数が多いと精紡機に装着できないので、紡績試験機を通る繊維束の太さにするため、ここでは100フィラメントの炭素繊維前駆体アクリル繊維束を評価用に用いた。上記精紡機で擦過モデル試験を行うときの条件は、スピンドル回転数16000rpm、撚り数は665T/mの条件に設定した。
油剤の耐擦過性は、同一条件で擦過した時の損傷の程度により相対的な評価が可能である。評価は、種々の紡績データや、擦過後の炭素繊維前駆体アクリル繊維束および単繊維の物性・外観に基づいて行う事ができる。ここでは、リングレールに固定されたトラベラーとの擦過により断糸(あるいはトラベラー破損)までの時間を比較した。短い時間で切れるのは、繊維基質とトラベラーが油膜を介さず直接擦れ合う(又はそれに近い状況)である為であり、間接的ではあるが、油膜強度・耐擦過性の指標となり得る。この方法による評価にも、通常の炭素繊維前駆体アクリル繊維束製造とは異なる因子が入ってくる事は否めないが、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の段階で評価できる事、通常の精紡機を使用できること等から、耐擦過性の評価による品質管理や、油剤成分のスクリーニングに応用する事も出来る。
上記条件のリング精紡において、100フィラメントの炭素繊維前駆体アクリル繊維束が切れるまでの時間は、長いほど良いが、30分以上切れなければ、油剤被膜を介した繊維基質と金属部品との接触が安定して続いていると考えられたので、耐擦過性は良好と判定した。より好ましくは、45分以上切れない事である。
言うまでもないが、ここで述べた耐擦過性評価データと焼成工程通過性や炭素繊維束物性など焼成のデータとを揃える事で、炭素繊維前駆体アクリル繊維束および油剤組成物についての多角的な評価・解析が可能となり、より有益な情報が得られる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性の評価として、RY型精紡機(TOYODA製)で、100フィラメントの炭素繊維前駆体アクリル繊維束を高速精紡した時の断糸(あるいはトラベラー破損)までの時間を測定した。1サンプルにつき3回測定し、その平均値で比較した。この時、スピンドル回転数16000rpm、撚り数は665T/mの条件に固定した。
炭素繊維束の性能評価として、炭素繊維ストランド強度を、JIS−R−7601に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じて測定した。測定回数は10回とし、その平均値を以て示した。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束における油剤組成物の付着量は、SACMA法SRM14−90に準拠した熱分解法により測定した。
(実施例1)
油剤組成物を含む水系エマルションを以下の方法で調製した。
耐擦過性向上成分として、式(1)においてA1およびA2が共にエチレン基であり、m=1,n=1であり、R1,R2を形成するカルボン酸が共にラウリン酸である化合物(i)と、ノニオン系乳化剤として、加熱残渣(250℃、2時間加熱後の質量)0.4質量%であるポリオキシエチレンラウリルエーテル[EO(エチレンオキサイド)ユニット数:10,HLB:14.0](iv)と、酸化防止剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(v)とを75:23:2の質量比で混合した油剤組成物に、イオン交換水を加えて、各成分の合計濃度を25質量%に調整した。その後、ホモミキサーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで30MPaで二次乳化を行って、水系エマルションを得た。
アクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル単位/メタクリル酸単位/アクリルアミド単位の質量比97.1/0.9/2.0)をジメチルアセトアミドに溶解し、アクリロニトリル共重合体濃度21質量%、60℃における粘度が500ポイズの紡糸原液を調製した。この紡糸原液を、35℃の69質量%ジメチルアセトアミド水溶液を満たした凝固浴中に、孔径(直径)75μm、孔数100の紡糸口金より吐出して、凝固糸とした。凝固糸を水洗槽中で脱溶媒するとともに5倍に延伸して水膨潤状態のアクリル繊維束を得た。
この水膨潤状態にあるアクリル繊維束を、上記水系エマルションにイオン交換水を加えて有効成分濃度1.0質量%に調整した希釈液を満たした油浴に導き、油剤組成物を付着させた。その後、表面温度130℃の加熱ロールで乾燥緻密化し、さらに表面温度170℃の加熱ロール間で1.7倍延伸を施して、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得た。この炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、単糸繊度1.2dtex、引張り強度7g/dtex、伸度10.5%であり、油剤組成物の付着量は0.9質量%であった。
この炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性を評価した。ここでは100フィラメントの炭素繊維前駆体アクリル繊維束の一部をそのまま評価に用いた。
擦過試験に供していない炭素繊維前駆体アクリル繊維束の一部を焼成して炭素繊維束を製造した。具体的には、230〜270℃の温度勾配を有する耐炎化炉に60分かけて通し、さらに窒素雰囲気中で300〜1300℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維束とした。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(実施例2)
耐擦過性向上成分として、式(1)においてA1およびA2が共にエチレン基とプロピレン基の混合物(モル比50/50)であり、m=2,n=2であり、R1,R2を形成するカルボン酸が共にパルミチン酸である化合物(ii)を用いる事を除いては、実施例1と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(実施例3)
アミノ変性シリコーンとして、式(2)においてk=3、L=2、p=1であり、R3、R4、R5は水素原子であり、i=60,j=1である物質(vi)を追加して用い、耐擦過性向上成分、ノニオン系乳化剤、酸化防止剤、アミノ変性シリコーンを71:23:2:4の質量比で混合する事を除いては、実施例1と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(実施例4)
アミノ変性シリコーンとして、式(3)においてq=3、s=0、R7、R8は水素原子であり、t=60である(vii)を用いる事を除いては実施例3と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(実施例5)
耐擦過性向上成分、ノニオン系乳化剤、酸化防止剤、アミノ変性シリコーンを65:23:2:10の質量比で混合する事を除いては、実施例3と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(比較例1)
耐擦過性向上成分、ノニオン系乳化剤、酸化防止剤、アミノ変性シリコーンを20:23:2:55の質量比で混合する事を除いては、実施例3と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(比較例2)
耐擦過性向上成分(i)及びノニオン系乳化剤(iv)を91:9の質量比で混合した油剤組成物とする事を除いては、実施例1と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(比較例3)
耐擦過性向上成分として、式(1)においてA1およびA2が共にエチレン基であり、m=6,n=6であり、R1,R2を形成するカルボン酸が共にラウリン酸である化合物(iii)を用いる事を除いては、実施例1と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
(比較例4)
ノニオン系乳化剤(iv)及びアミノ変性シリコーン(vi)を15:85の質量比で混合した油剤組成物とする事を除いては、実施例1と同様の方法で水系エマルションを調製した。この水系エマルションを用いること以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維前駆体アクリル繊維束及び炭素繊維束を得た。炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性試験結果及び炭素繊維束のストランド強度を表2に示した。
Figure 2007332518
表2中の成分における(i)〜(vii)は、次の化合物を表す。
(i)ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル(1モルのビスフェノールAに対するモル数、以下同じ)付加物のジラウリルエステル。m=1,n=1。
(ii)ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル及びプロピレンオキシド2モル付加物のジパルミチルエステル。m=2,n=2。
(iii)ビスフェノールAのエチレンオキシド12モル付加物のジラウリルエステル。m=6,n=6。
(iv)ポリオキシエチレンラウリルエーテル[EO(エチレンオキサイド)ユニット数:10,HLB:14.0、加熱残渣:0.4質量%]。加熱残渣は、アルミシャーレ(直径60mm、深さ10mm)にノニオン系界面活性剤2.0gを精秤し、空気中250℃で2時間加熱した残分の質量から求めた。
(v)ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕。
(vi)アミノ変性シリコーン[式(2)においてk=3、L=2、p=1であり、R3、R4、R5は水素原子であり、i=60,j=1]。
(vii)アミノ変性シリコーン[式(3)においてq=3、s=0、R7、R8は水素原子であり、t=60]。
表2に結果を示すように、実施例における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐擦過性は、いずれも比較例より優れている結果となった。実施例における炭素繊維束のストランド強度は、比較例と同等または優れている結果となった。これらは、現行の炭素繊維束の製造条件および炭素繊維束の要求特性からは問題がなくても、将来高速化、多錘化などで繊維表面に高荷重下での擦過が加えられた時に、工程通過性や品質などに問題が発生する可能性を示唆しており、注目される。

Claims (4)

  1. アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に付着させる油剤組成物であって、下記式(1)で示される化合物を40質量%以上90質量%以下含有することを特徴とする油剤組成物。
    Figure 2007332518
    (式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数11〜17のアルキル基であり、A1及びA2はそれぞれ独立してエチレン基またはプロピレン基であり、m及びnはそれぞれ独立して1〜2である。)
  2. アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に、請求項1に記載の油剤組成物を付着させて得られることを特徴とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
  3. アクリル繊維を複数有するアクリル繊維束に、請求項1に記載の油剤組成物を付着させる工程を有することを特徴とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
  4. 請求項2に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化及び炭素化して得られることを特徴とする炭素繊維束。
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