JP2007332039A - 赤潮の除藻剤および赤潮の除藻方法 - Google Patents
赤潮の除藻剤および赤潮の除藻方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】成分として有害性がほとんど無く、赤潮プランクトンなどの一部を除いて水生生物に対する影響がほとんどない安心安全な除藻剤および除藻方法を提供する。
【解決手段】(a)チオ硫酸銀を銀イオン換算で100重量部に対し、(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部を含有する赤潮の除藻剤および該除藻剤を用いた除藻方法。
【選択図】図1
【解決手段】(a)チオ硫酸銀を銀イオン換算で100重量部に対し、(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部を含有する赤潮の除藻剤および該除藻剤を用いた除藻方法。
【選択図】図1
Description
本発明は赤潮の除藻剤および該除藻剤を用いた赤潮の除藻方法に関する。
さらに詳細には、赤潮が発生した海洋、汽水、陸水および養殖水域に本発明の除藻剤を添加および/または散布することにより、本発明の除藻剤から出る銀イオンが海水中の塩化物イオンと結合することなく赤潮の原因である植物性単細胞プランクトンのみを駆除し浄化することができる赤潮の除藻剤および除藻方法に関する。
さらに詳細には、赤潮が発生した海洋、汽水、陸水および養殖水域に本発明の除藻剤を添加および/または散布することにより、本発明の除藻剤から出る銀イオンが海水中の塩化物イオンと結合することなく赤潮の原因である植物性単細胞プランクトンのみを駆除し浄化することができる赤潮の除藻剤および除藻方法に関する。
魚介類の養殖は、陸水では湖沼で、海洋では内湾や入り江などで行われることが多い。このような水域では水の循環が悪いため、陸上からの有機汚染物質や養殖魚介類などの残餌などによる水質汚染により、赤潮が発生する恐れがある。
漁業、水産業に大きな被害を与えている赤潮には有効な対策方法がない中で、安心安全、特に人畜無害な除藻剤と除藻方法が求められているが、その解決方法は見つかっていない。年々、赤潮の被害は、日本のみならず世界中でも問題になっており、早急に解決策が望まれている。
これまで経験的に、赤潮の除藻(駆除)剤として、粘土などが知られているが、粘土散布による濁度の増加による養殖や美観の被害も引き起こすので、適用が限定される。
漁業、水産業に大きな被害を与えている赤潮には有効な対策方法がない中で、安心安全、特に人畜無害な除藻剤と除藻方法が求められているが、その解決方法は見つかっていない。年々、赤潮の被害は、日本のみならず世界中でも問題になっており、早急に解決策が望まれている。
これまで経験的に、赤潮の除藻(駆除)剤として、粘土などが知られているが、粘土散布による濁度の増加による養殖や美観の被害も引き起こすので、適用が限定される。
本発明は、従来技術の課題を背景になされたもので、成分として有害性がほとんど無く、しかも使用量がごく微量のため、赤潮プランクトンなどの一部を除いて海生生物に対する影響がほとんどなく、安心安全な赤潮の除藻剤および除藻方法を提供することを目的とする。
本発明は、(a)チオ硫酸銀を銀イオン換算で100重量部に対し、
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部
を含有することを特徴とする赤潮の除藻剤に関する。
ここで、(a)におけるチオ硫酸銀イオンは、式[Ag(S2O3)2]3−および/または式[Ag(S2O3)6]10−であることが好ましい。
また、本発明の除藻剤の固形分濃度は、5〜25重量%であることが好ましい。
次に、本発明は、上記記載の除藻剤を用いた赤潮の除藻方法に関する。
上記除藻方法としては、海水あるいは陸水に対し、固形分換算で、1/500,000〜1/100,000を添加するか、海面または河川と混合する汽水面1m2あたり2〜20mgを散布することが好ましい。
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部
を含有することを特徴とする赤潮の除藻剤に関する。
ここで、(a)におけるチオ硫酸銀イオンは、式[Ag(S2O3)2]3−および/または式[Ag(S2O3)6]10−であることが好ましい。
また、本発明の除藻剤の固形分濃度は、5〜25重量%であることが好ましい。
次に、本発明は、上記記載の除藻剤を用いた赤潮の除藻方法に関する。
上記除藻方法としては、海水あるいは陸水に対し、固形分換算で、1/500,000〜1/100,000を添加するか、海面または河川と混合する汽水面1m2あたり2〜20mgを散布することが好ましい。
本発明の赤潮の除藻剤を船上または空中から赤潮発生または発生予想の領域の水面に添加または散布すると海水中の赤潮プランクトンなどを除藻できるので、赤潮を駆除できるし、発生も抑えられる。
本発明の除藻剤は、成分として有害性がほとんど無く、しかも使用量がごく微量のため、赤潮プランクトンなどの一部を除いて海生生物に対する影響がほとんどないばかりか、本発明の除藻剤を使用した水が浄化され、有益な海生生物の生長を促進させる効果がある。
散布された除藻剤が水中に溶入すると銀錯イオン以外の成分がないため、他の海生生物や動物に対し無害であり、かつ海洋を汚染しないものである。
本発明の除藻剤は、成分として有害性がほとんど無く、しかも使用量がごく微量のため、赤潮プランクトンなどの一部を除いて海生生物に対する影響がほとんどないばかりか、本発明の除藻剤を使用した水が浄化され、有益な海生生物の生長を促進させる効果がある。
散布された除藻剤が水中に溶入すると銀錯イオン以外の成分がないため、他の海生生物や動物に対し無害であり、かつ海洋を汚染しないものである。
本発明は、(a)チオ硫酸銀を銀イオン換算で100重量部に対し、
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部を含有する赤潮の除藻剤である。
以下、本発明の除藻剤を構成する各成分ごとに説明する。
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部を含有する赤潮の除藻剤である。
以下、本発明の除藻剤を構成する各成分ごとに説明する。
(a)チオ硫酸銀イオン
(a)チオ硫酸銀中のチオ硫酸銀イオンは、海水中において塩化物イオンと結合することなく、赤潮の原因である海水中の植物性単細胞プランクトンおよび好気性細菌のみを駆除することを目的に使用される。
(a)チオ硫酸銀イオンは、次の(1)〜(3)いずれかの方法で作成される。
(a)チオ硫酸銀中のチオ硫酸銀イオンは、海水中において塩化物イオンと結合することなく、赤潮の原因である海水中の植物性単細胞プランクトンおよび好気性細菌のみを駆除することを目的に使用される。
(a)チオ硫酸銀イオンは、次の(1)〜(3)いずれかの方法で作成される。
(1)硝酸銀の溶液にチオ硫酸銀ソーダの水溶液を加えると白色の沈殿ができる。さらに、チオ硫酸ソーダ水溶液を加えていくと沈殿が溶けてチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
(2)チオ硫酸銀の水溶液にチオ硫酸ソーダ水溶液を混合するとチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
(3)硝酸銀の溶液に苛性ソーダの水溶液を加えると黒褐色の酸化銀の沈殿ができる。この上澄液を除去した後、チオ硫酸ソーダ水溶液を加え、沈殿を溶かすとチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
(2)チオ硫酸銀の水溶液にチオ硫酸ソーダ水溶液を混合するとチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
(3)硝酸銀の溶液に苛性ソーダの水溶液を加えると黒褐色の酸化銀の沈殿ができる。この上澄液を除去した後、チオ硫酸ソーダ水溶液を加え、沈殿を溶かすとチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
(a)成分におけるチオ硫酸銀イオンは、式[Ag(S2O3)2]3−および/または式[Ag(S2O3)6]10−で表されることが好ましい。
上記の方法でチオ硫酸イオンS2O3 2−の濃度が低いときは[Ag(S2O3)2]3−に、チオ硫酸イオンS2O3 2−の濃度が高いときは[Ag(S2O3)6]10−になる。チオ硫酸銀イオンは、0.2〜2ppm海水中に存在すると、海水と反応することなく植物性単細胞プランクトンおよび好気性細菌のみを駆除する働きをする。
上記の方法でチオ硫酸イオンS2O3 2−の濃度が低いときは[Ag(S2O3)2]3−に、チオ硫酸イオンS2O3 2−の濃度が高いときは[Ag(S2O3)6]10−になる。チオ硫酸銀イオンは、0.2〜2ppm海水中に存在すると、海水と反応することなく植物性単細胞プランクトンおよび好気性細菌のみを駆除する働きをする。
(a)成分におけるチオ硫酸銀濃度は、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは8〜16重量%である。
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウム
チオ硫酸銀イオンは、海水中において水中と比較してその除菌力は低下する。化学抵抗力が大きく、触媒能および化学的活性度の高いコロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムが極微量存在すると、海水中における除菌力の低下を抑えると共に、その性能を安定持続させ、さらに銀の使用量を減少させることができる。
チオ硫酸銀イオンは、海水中において水中と比較してその除菌力は低下する。化学抵抗力が大きく、触媒能および化学的活性度の高いコロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムが極微量存在すると、海水中における除菌力の低下を抑えると共に、その性能を安定持続させ、さらに銀の使用量を減少させることができる。
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムとは、平均粒子径が1〜10nm、好ましくは2〜5nmの粒子が分散媒中に分散しているものをいう。分散媒としては、通常、水が用いられるが、メタノール、エタノールなどの親水性有機溶媒であってもよい。また、分散白金および分散パラジウム粒子の濃度は、通常、0.005〜0.05重量%程度である。
本発明において、(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムは、(a)成分を銀換算で100重量部に対し、0.02〜0.2重量部、好ましくは0.02〜0.1重量部含まれる。(b)成分が0.02重量部未満では、触媒能が発揮されず、一方、0.2重量部を超えても、触媒能がほとんど変わらず、コスト負担が増える。
本発明の除藻剤には、上記(a)〜(b)成分のほか、必要に応じて各種界面活性剤、銅塩などを含むこともできる。
また、必要に応じ水(水道水)を添加することもできる。
また、必要に応じ水(水道水)を添加することもできる。
本発明の除藻剤の調製方法としては、(a)成分に(b)成分を加えて、攪拌・混合する。また、必要に応じてこれに水を加えて攪拌・混合する。
また、本発明の固形分濃度は、5〜25重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜15重量%である。
固形分濃度の調整は、水を使用することにより行う。
また、本発明の固形分濃度は、5〜25重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜15重量%である。
固形分濃度の調整は、水を使用することにより行う。
本発明の除藻剤により、駆除される赤潮プランクトンとしては、赤色イオウ細菌、ケイソウ類、ランソウ類、ベンソウ類、夜光虫、繊毛虫類、ギョウキャク類などが挙げられる。
本発明の赤潮の除藻剤は、除藻剤を海水あるいは汽水に対し、固形分換算で、1/500,000〜1/100,000、好ましくは1/400,000〜1/20,000を添加するか、海面または汽水面1m2あたり上記赤潮の除藻剤2〜20mgを散布することにより使用されることが好ましい。散布方法は、希釈液を噴霧することにより行うが、船上または航空機から行う。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、特許請求の範囲を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に示す本発明の除菌剤を調製した。成分比は以下に示すとおりである。
(a)−1:チオ硫酸銀イオン(銀分約5重量%、日板研究所製)
(b)−1:水性コロイダル白金(白金分約0.02重量%、日板研究所製)
(c)−1:水道水
表1に示す本発明の除菌剤を調製した。成分比は以下に示すとおりである。
(a)−1:チオ硫酸銀イオン(銀分約5重量%、日板研究所製)
(b)−1:水性コロイダル白金(白金分約0.02重量%、日板研究所製)
(c)−1:水道水
試験例1
漁業、水産業に大きな被害を与えている赤潮のうち、主要プランクトンであるHaterosigma akashiwo(H.akashiwo)に対する本発明の銀イオン溶液(A−1)の除藻効果について調べた。
漁業、水産業に大きな被害を与えている赤潮のうち、主要プランクトンであるHaterosigma akashiwo(H.akashiwo)に対する本発明の銀イオン溶液(A−1)の除藻効果について調べた。
(イ)試験生物
Haterosigma akashiwo
(ロ)試験溶液
試験区<A>:A−1溶液(150,000倍希釈)
試験区<B>:A−1溶液(100,000倍希釈)
(ハ)対照区および試験区
対照区および試験区の培養容量は500mlとし、各試験区の使用試験溶液と培養液中の銀濃度は表2の通りとする。
Haterosigma akashiwo
(ロ)試験溶液
試験区<A>:A−1溶液(150,000倍希釈)
試験区<B>:A−1溶液(100,000倍希釈)
(ハ)対照区および試験区
対照区および試験区の培養容量は500mlとし、各試験区の使用試験溶液と培養液中の銀濃度は表2の通りとする。
(ニ)試験方法
1)大量培養されたH.akashiwoの計数を行い、培養液で希釈して対照区および試験区のH.akashiwoの細胞密度をそれぞれ10,000細胞/ml前後とし、上記の培養容量(表2)にて試験を開始する。
2)各試験区にA−1溶液を表2の銀濃度になるように培養液中に添加する。
3)対照区および試験区をインキュベーター内の蛍光灯を4本点灯したまま20℃で培養する。
4)各試験溶液を添加した直後(0時間)と添加してから24時間後、48時間後、72時間後、96時間後に対照区および試験区の遊泳しているH.akashiwoと遊泳せず計数板上に静止しているH.akashiwo、破裂した状態で計数可能な状態のH.akashiwoの計数を行う。
この時、遊泳しているH.akashiwoを生細胞、動かずに計数板上に静止しているH.akashiwoを死細胞、破裂したH.akashiwoを破裂細胞として表す。
H.akashiwoの計数は、枠付界線入りスライドガラス(長さ5cm、幅2cm、深さ1mmの枠付きで枠内に1mm×1mmのマスが1,000マスあるスライドガラス)試料1mlを入れて20マス分に確認されるH.akashiwoの生細胞、死細胞、破裂細胞を実体顕微鏡を用いて観察し、計数を行い1ml当たりの細胞数に換算する。
1)大量培養されたH.akashiwoの計数を行い、培養液で希釈して対照区および試験区のH.akashiwoの細胞密度をそれぞれ10,000細胞/ml前後とし、上記の培養容量(表2)にて試験を開始する。
2)各試験区にA−1溶液を表2の銀濃度になるように培養液中に添加する。
3)対照区および試験区をインキュベーター内の蛍光灯を4本点灯したまま20℃で培養する。
4)各試験溶液を添加した直後(0時間)と添加してから24時間後、48時間後、72時間後、96時間後に対照区および試験区の遊泳しているH.akashiwoと遊泳せず計数板上に静止しているH.akashiwo、破裂した状態で計数可能な状態のH.akashiwoの計数を行う。
この時、遊泳しているH.akashiwoを生細胞、動かずに計数板上に静止しているH.akashiwoを死細胞、破裂したH.akashiwoを破裂細胞として表す。
H.akashiwoの計数は、枠付界線入りスライドガラス(長さ5cm、幅2cm、深さ1mmの枠付きで枠内に1mm×1mmのマスが1,000マスあるスライドガラス)試料1mlを入れて20マス分に確認されるH.akashiwoの生細胞、死細胞、破裂細胞を実体顕微鏡を用いて観察し、計数を行い1ml当たりの細胞数に換算する。
(ホ)試験結果
試験結果を表3−1〜3−3に示す。
破裂した状態の細胞は対照区では確認されず、試験区<A>、<B>では試験溶液を添加してから24時間後に確認された。
試験区<A>においては、試験溶液添加後96時間、試験区<B>においては試験溶液添加後72時間で全ての細胞が分解されたようになっており、細胞自体を計数することが不可能な状態であった。
このことより、本試験溶液は低濃度でもH.akashiwoに対して除藻効果があることが確認された。
試験結果を表3−1〜3−3に示す。
破裂した状態の細胞は対照区では確認されず、試験区<A>、<B>では試験溶液を添加してから24時間後に確認された。
試験区<A>においては、試験溶液添加後96時間、試験区<B>においては試験溶液添加後72時間で全ての細胞が分解されたようになっており、細胞自体を計数することが不可能な状態であった。
このことより、本試験溶液は低濃度でもH.akashiwoに対して除藻効果があることが確認された。
表3−1〜3−3において、生細胞、死細胞、破裂細胞は、以下のものを表す。
生細胞:遊泳しているH.akashiwo
死細胞:遊泳せず、計数板上に静止しているH.akashiwo
破裂細胞:破裂して分解しつつある状態のH.akashiwo
生細胞:遊泳しているH.akashiwo
死細胞:遊泳せず、計数板上に静止しているH.akashiwo
破裂細胞:破裂して分解しつつある状態のH.akashiwo
試験例2
自然海域からの海水サンプルに本発明の銀イオン溶液(A−1)を加えることで、海水中に生存する様々なプランクトンへの影響を調べた。
自然海域からの海水サンプルに本発明の銀イオン溶液(A−1)を加えることで、海水中に生存する様々なプランクトンへの影響を調べた。
(イ)試験生物
表4、表5および表6に示す名称の生物。
(ロ)試験溶液
A−1溶液(希釈なし)
(ハ)試験方法
プランクトンが生存するシャーレ容器内の自然海水10mlに、原液(A−1)数滴を滴下した。
表4、表5および表6に示す名称の生物。
(ロ)試験溶液
A−1溶液(希釈なし)
(ハ)試験方法
プランクトンが生存するシャーレ容器内の自然海水10mlに、原液(A−1)数滴を滴下した。
(ニ)試験結果
基本的に浮遊性の単細胞生物は、A−1溶液を加えた後30分以内に死滅した。
一方、珪藻類は珪酸質の殻を持つため影響はないと思われるが、細胞変化の観察が困難であるため実質的な影響度はわからない。
溶液添加後にも運動がしばらく続いていた種は、ユーグレナ藻のEutreptiella gymnastjca,ハプト藻のChrysochromulina sp.だった。ただし、その他のChrysochromulina spp.は細胞の破裂を確認している。多細胞性のカイアシ類および線虫類にはA−1添加後も運動と形態に変化が見られなかった。
このことにより、影響を受けるのはもっぱら単細胞生物であり、多細胞生物や有殻細胞生物は影響を全く受けないかまたは影響が少ないことが確認された。
基本的に浮遊性の単細胞生物は、A−1溶液を加えた後30分以内に死滅した。
一方、珪藻類は珪酸質の殻を持つため影響はないと思われるが、細胞変化の観察が困難であるため実質的な影響度はわからない。
溶液添加後にも運動がしばらく続いていた種は、ユーグレナ藻のEutreptiella gymnastjca,ハプト藻のChrysochromulina sp.だった。ただし、その他のChrysochromulina spp.は細胞の破裂を確認している。多細胞性のカイアシ類および線虫類にはA−1添加後も運動と形態に変化が見られなかった。
このことにより、影響を受けるのはもっぱら単細胞生物であり、多細胞生物や有殻細胞生物は影響を全く受けないかまたは影響が少ないことが確認された。
試験例3
海生の動物プランクトン甲殻類のうち、アルテミアに対するA−1溶液の影響について調べた。
海生の動物プランクトン甲殻類のうち、アルテミアに対するA−1溶液の影響について調べた。
(イ)試験生物
Artemia
(ロ)試験溶液
A−1を溶出させた海水溶液。銀濃度は3ppm。
(ハ)試験方法
アルテミアの乾燥卵小さじ一杯を28℃恒温海水槽400ccに浸漬し、孵化させた。
24時間でアルテミアが孵化した水槽にA−1を溶出させた海水溶液(銀濃度3ppm)100mlを注入した。
A−1溶液の注入後でも孵化するかその傾向を調べるため、孵化したアルテミアの生存数をシャーレ0.5mlにとり計測した。
Artemia
(ロ)試験溶液
A−1を溶出させた海水溶液。銀濃度は3ppm。
(ハ)試験方法
アルテミアの乾燥卵小さじ一杯を28℃恒温海水槽400ccに浸漬し、孵化させた。
24時間でアルテミアが孵化した水槽にA−1を溶出させた海水溶液(銀濃度3ppm)100mlを注入した。
A−1溶液の注入後でも孵化するかその傾向を調べるため、孵化したアルテミアの生存数をシャーレ0.5mlにとり計測した。
(ニ)試験結果
孵化はA−1溶液の注入後でも発生し、アルテミアの生存数を増加させた。その結果を図1に示す。
このことにより、A−1がアルテミアの孵化に影響を与えないことを確認した。
孵化はA−1溶液の注入後でも発生し、アルテミアの生存数を増加させた。その結果を図1に示す。
このことにより、A−1がアルテミアの孵化に影響を与えないことを確認した。
本発明の赤潮の除藻剤は、他の水生生物や人畜に対し無害であると共に、優れた除藻効果および抑藻効果を発揮することができる。
Claims (5)
- (a)チオ硫酸銀を銀イオン換算で100重量部に対し、
(b)コロイド状の白金および/またはコロイド状のパラジウムを固形分換算で0.02〜0.2重量部
を含有することを特徴とする赤潮の除藻剤。 - (a)成分のチオ硫酸銀イオンが、式[Ag(S2O3)2]3−および/または式[Ag(S2O3)6]10−で表される請求項1記載の赤潮の除藻剤。
- 固形分濃度が、5〜25重量%である請求項1または2記載の赤潮の除藻剤。
- 請求項1〜3いずれかに記載の赤潮の除藻剤を用いた赤潮の除藻方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載の赤潮の除藻剤を、海水あるいは汽水に対し、固形分換算で、1/500,000〜1/100,000添加するか、海面または河川と混合する汽水面1m2あたり2〜20mg散布する請求項4記載の赤潮の除藻方法。
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---|---|---|---|---|
JP2015048348A (ja) * | 2013-09-04 | 2015-03-16 | 市川 好男 | 制癌剤 |
WO2017082201A1 (ja) * | 2015-11-09 | 2017-05-18 | 大阪ガスケミカル株式会社 | 微生物防除剤及び殺ダニ組成物 |
WO2018193847A1 (ja) * | 2017-04-18 | 2018-10-25 | チカミミルテック株式会社 | 藻類増殖抑制剤および藻類の増殖を抑制する方法 |
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2006
- 2006-06-12 JP JP2006162159A patent/JP2007332039A/ja active Pending
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JP7134442B2 (ja) | 2017-04-18 | 2022-09-12 | チカミミルテック株式会社 | 藻類増殖抑制剤および藻類の増殖を抑制する方法 |
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