JP2007329069A - 固体高分子電解質膜及び燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜及び燃料電池 Download PDF

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Atsuo Kawada
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Shigeru Konishi
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Abstract

【解決手段】放射線を照射した樹脂膜に、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーを含むラジカル重合性モノマーをグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質膜であって、膜中のSi量が0.1質量%以上であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
【効果】本発明の固体高分子電解質膜は、溶液のゲル化を起こすことなく、化学的安定性及び寸法安定性に優れ、特にメタノール透過度が低減されて、ダイレクトメタノール型燃料電池用として好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子電解質膜及び燃料電池に関する。
ノートPC、PDA、携帯電話などの携帯情報機器の高性能化に伴い、小型高容量の電源が求められている。その有力な候補としてダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)への期待が高まっている。DMFCはメタノールと酸素の化学反応から直接電気エネルギーを取り出す燃料電池であり、理論上の体積エネルギー密度が高く、燃料補給により連続的に使用できるという特長がある。
初期の固体高分子電解質膜型燃料電池では、スチレンとジビニルベンゼンとを共重合させて製造した炭化水素系樹脂のイオン交換膜が電解質膜として使用されていた。しかし、この電解質膜は、耐久性が低く、工程も複雑であること等から、放射線グラフト重合法により製造することが行われている(例えば、特許文献1:特開2001−348439号公報、特許文献2:特開2002−313364号公報、特許文献3:特開2003−82129号公報参照)。この放射線グラフト重合法による固体高分子電解質膜は、化学的安定性向上(長寿命)、寸法安定性向上(低膨潤)、メタノール透過度低減に有利であるものの、架橋剤にジビニルベンゼンやビスアクリルアミド等の多官能重合性モノマーを使うと、グラフト反応時に溶液がゲル化するという問題がある。実験室スケールではゲル除去は容易であるが、工場スケールの連続生産ではかなりの困難が生じる可能性がある。
また、パーフルオロ系電解質膜にアルコキシシランを含浸させ、加水分解・脱水縮合させてイオンチャンネル中にシリカを析出させることで、メタノール透過度を低減することが検討されている(例えば、非特許文献1:Journal of Applied Polymer Science, Vol.68, 747−763 (1998)参照)。しかし、シリカと電解質膜の間に化学結合がないため、安定性に問題が生じる可能性がある。
特開2001−348439号公報 特開2002−313364号公報 特開2003−82129号公報 Journal of Applied Polymer Science, Vol.68, 747−763(1998)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、溶液のゲル化を起こすことなく、化学的安定性及び寸法安定性に優れ、しかもメタノール透過度を著しく低減し、従ってダイレクトメタノール型燃料電池に好適に用いられる固体高分子電解質膜及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、先に放射線グラフト重合法により、溶液のゲル化を起こすことなく、化学的安定性及び寸法安定性に優れ、メタノール透過度を低減した固体高分子電解質膜を提供するために、フッ素系樹脂からなる薄膜に放射線を照射して、イオン伝導性基を導入可能なラジカル重合性モノマーとアルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーとをグラフト重合させた後、アルコキシシリル基を反応、イオン伝導性基を導入する燃料電池用の固体高分子電解質膜を提案した(特願2005−135056号)。
しかしながら、イオン伝導性基の導入処理時、Si脱離が起こるため、十分な量のSiを導入できない場合があった。
そこで、本発明者らは、好ましくはイオン伝導性基を導入可能なラジカル重合性モノマーとアルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーをグラフト重合させた後、イオン伝導性基の導入に際し、比較的温和な条件(例えばスルホン化温度が50℃以下、スルホン化に用いる酸の濃度が0.02mol/L以下)を選択することで、膜中のSi脱離が抑制可能で、十分な量のスルホン酸基を付与できることを見出した。
即ち、本発明は、下記固体高分子電解質膜及び燃料電池を提供する。
(1)放射線を照射した樹脂膜に、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーを含むラジカル重合性モノマーをグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質膜であって、膜中のSi量が0.1質量%以上であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
(2)樹脂膜が、フッ素系樹脂膜であることを特徴とする(1)記載の固体高分子電解質膜。
(3)アルコキシシリル基を有する重合性モノマーが、同分子中にスチリル基を有する重合性モノマーであることを特徴とする(1)又は(2)記載の固体高分子電解質膜。
(4)(1),(2)又は(3)記載の固体高分子電解質膜を、燃料極と空気極の間に設けてなることを特徴とする燃料電池。
本発明の固体高分子電解質膜は、溶液のゲル化を起こすことなく、化学的安定性及び寸法安定性に優れ、特にメタノール透過度が低減されて、ダイレクトメタノール型燃料電池用として好適である。
本発明の固体高分子電解質膜は、放射線を照射した樹脂膜に、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーを含むラジカル重合性モノマーをグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質膜である。
このような放射線を照射した樹脂膜に重合性モノマーをグラフト重合させて固体高分子電解質膜を製造する方法としては、
樹脂膜に放射線を照射する工程と、
放射線を照射した樹脂膜に、アルコキシシリル基を有する重合性モノマーを単独で、あるいは該アルコキシシリル基を有する重合性モノマーと他の重合性モノマーをグラフト重合する工程と、
アルコキシシリル基を有する重合性モノマーをグラフト重合した場合は、アルコキシシリル基の反応により架橋する工程と、
重合性モノマーがイオン伝導性基を持たないモノマーの場合は、イオン伝導性基を導入する工程と
を採用することが好ましい。
ここで、樹脂膜としては、フッ素系樹脂からなるフィルムやシートを用いることが好ましい。フッ素系樹脂の中でも、膜物性に優れ、更に放射線グラフト重合法に適することから、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましい。これらの樹脂はそれぞれ単独で使用してもよく、適宜組み合わせて使用してもよい。
また、樹脂膜の膜厚は10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
上記の樹脂膜には、まず、例えば室温にて放射線が照射される。放射線としては、電子線、γ線、X線が好ましく、電子線が特に好ましい。照射量は、放射線の種類、更には樹脂膜の種類及び膜厚にもよるが、例えば、上記のフッ素系樹脂膜に電子線を照射する場合1〜200kGyが好ましく、1〜100kGyがより好ましい。
更に、放射線の照射は、ヘリウム、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましく、該ガス中の酸素濃度は100ppm以下、特に50ppm以下が好ましいが、必ずしも酸素不在下で行う必要はない。
次いで、上記の放射線照射された樹脂膜は、アルコキシシリル基を有する重合性モノマーを含む重合性モノマーによりグラフト化される。
アルコキシシリル基を有する重合性モノマーとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(アクリロキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(アクリロキシエトキシ)プロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシエトキシ)プロピルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、デセニルトリメトキシシラン、デセニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。中でも、分子中にビニルフェニル基を有するトリメトキシシリルスチレン、トリエトキシシリルスチレン、ビニルベンジルトリメトキシシラン、ビニルベンジルトリエトキシシラン、ビニルフェネチルトリメトキシシラン、ビニルフェネチルトリエトキシシラン等は、グラフト膜中のアルコキシシリル基の含有量を大幅に高めることができるため好ましく、特にスチリル基を有するラジカル重合性モノマーが好ましい。これらのアルコキシシリル基を有する重合性モノマーは、単独で使用してもよく、適宜組み合わせて使用することもできる。
上記アルコキシシリル基を有する重合性モノマーとしては、単独で用いても、その他の重合性モノマーとして上記アルコキシシリル基を持たない重合性モノマーと併用することができる。
この場合、その他の重合性モノマーとしては、イオン伝導性基を導入可能なラジカル重合性モノマーが好ましい。
イオン伝導性基を導入可能なラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、トリフルオロスチレン等のスチレンモノマー等が挙げられる。またイオン伝導性基を付与可能な前駆体を有する化合物、例えばp−クロロスルホニルスチレン、アリルグリシジルエーテル、臭化アリル、2−アリロキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルフロライド等であってもよい。
なお、上記イオン伝導性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられるが、スルホン酸基であることが好ましく、また化学反応によりイオン伝導性基に転換される前駆体基としては、アシルオキシ基、エステル基(−COOR:Rは一価炭化水素基)、酸イミド基、ハロゲン化スルホニル基、グリシジル基等が挙げられる。この前駆体基は、例えば、水酸化ナトリウム、メタノール又は亜硫酸ナトリウムと化学反応してカルボン酸基又はスルホン酸基を形成するものである。これらの化合物は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
なお、このようにその他の重合性モノマーM2をアルコキシシリル基を有する重合性モノマーM1と併用する場合、その割合は適宜選定されるが、好ましくはM1:M2がモル比で2:8〜7:3、特に3:7〜4:6である。
グラフト化の方法は、例えば、アルコキシシリル基を有する重合性モノマーと、その他の重合性モノマーとを含む溶液に、放射線照射された樹脂膜を浸漬し、窒素雰囲気下で50〜80℃に10〜20時間加熱すればよい。また、グラフト率は10〜100%が好ましい。
ここで、放射線を照射した樹脂にグラフトする重合性モノマーの使用量は、樹脂フィルム100質量部に対して重合性モノマーを1,000〜100,000質量部、特に4,000〜20,000質量部使用することが好ましい。モノマーが少なすぎると接触が不十分になる場合があり、多すぎるとモノマーが効率的に使用できなくなるおそれがある。
これら重合性モノマーをグラフト重合するに際しては、アゾビスイソブチロニトリルなどの重合開始剤を本発明の目的を損なわない範囲で適宜用いてもよい。
更に、グラフト反応時に溶媒を用いることができ、溶媒としては、モノマーを均一に溶解するものが好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。モノマー/溶媒(質量比)は0.01〜1が望ましい。モノマー/溶媒(質量比)が1より大きいとグラフト鎖のモノマーユニット数の調整が困難になり、0.01より小さいと、グラフト率が低くなりすぎる場合がある。更に望ましい範囲は0.03〜0.5である。
上記のグラフト化された樹脂膜は、次いで、アルコキシシリル基を有するモノマーをグラフト化した場合はアルコキシシリル基の反応、例えば加水分解及び脱水縮合による架橋が施される。加水分解は、例えば、グラフト化された樹脂膜を、塩酸とジメチルホルムアミド(DMF)との混合溶液に、室温で10〜20時間浸漬すればよい。また、脱水縮合は、加水分解後の樹脂膜を、減圧(通常、1〜10Torr)中もしくは大気圧下、不活性ガス雰囲気中で100〜200℃で数時間(通常、2〜8時間)加熱すればよい。この際、反応を温和な条件で進めるため、ジラウリン酸ジブチル錫等の錫系触媒を使用することもできる。
更に、イオン伝導性基を持たないモノマー(例えば、上記スチレンモノマー)の場合はグラフト鎖にスルホン酸基、カルボン酸基、四級アンモニウム塩基等のイオン伝導性基を導入することで、本発明の固体高分子電解質膜が得られる。スルホン酸基の導入方法は、従来と同様であり、例えば、クロルスルホン酸やフルオロスルホン酸と接触させてスルホン化すればよい。なお、脱水縮合の前にスルホン化を行い、加水分解を省略することもできる。
ここで、本発明においては、上記固体高分子電解質膜中のSi量が0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5.0質量%であり、Si量が0.1質量%より低いと、架橋の効果が十分に得られず、メタノール透過度の低減が十分でない。
この場合、上記Si量0.1質量%以上の電解質膜は、特にスルホン化の温度を50℃以下、特に室温〜50℃で、クロルスルホン酸やフルオロスルホン酸等のスルホン化に用いる酸の濃度を0.02mol/L以下と比較的温和な条件で行うことによって得ることができる。
また、グラフト化された樹脂膜をアルコキシシランに浸漬し、グラフト鎖のアルコキシシリル基と共加水分解及び共脱水縮合することにより、更に架橋密度を高めることができる。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。この場合、アルコキシシランの使用量は、グラフト膜100質量部に対し1,000〜10,000質量部使用し、樹脂膜にアルコキシシランを0.1〜20質量%含浸させることができる。
本発明においては、上記固体高分子電解質膜に常法により燃料極及び空気極となる触媒電極を接合し、燃料電池を得ることができる。この場合、触媒電極は、多孔質電極基材と触媒層とから形成される。多孔質電極基材としては、カーボンペーパー、カーボンクロス等が好適に用いられる。また、触媒層は、白金族金属系触媒粒子及び固体高分子電解質を含むものが好ましい。
燃料電池の種類は特に制限されないが、メタノール透過度が低いため、ダイレクトメタノール型燃料電池とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
(1)スチレン(St)−トリメトキシシリルスチレン(MOSS)共グラフト
縦5cm,横6cm,厚さ25μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE,ノートン社製)に低電圧電子線照射装置(岩崎電気社製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線(EB)40kGyを照射した(加速電圧100kV)。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.5mgをトルエン15.0gに溶解して開始剤溶液を調製した。三方コックを付けた25mL試験管に、40kGyを照射したETFE膜,St 3.25g,MOSS 1.75g,開始剤溶液15.0025gを入れ、室温で15分間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、63℃オイルバス中で16時間グラフト重合した。グラフト重合後、溶液はゲル化していなかった。膜をキシレン洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。グラフト率は41.9%だった。
(2)St−MOSS共グラフト膜の架橋
2モル塩酸3gとジメチルホルムアミド(DMF)22gを混合し、HCl/H2O+DMF溶液を調製した。50mLビーカーに共グラフト膜と上記溶液を入れ、室温で16時間加水分解した。次に膜を減圧(5Torr)中200℃で6時間加熱して架橋した。
(3)St−MOSS共グラフト膜のスルホン化
クロロスルホン酸0.047gとジクロロエタン20mLを混合してクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。25mL試験管にグラフト膜と上記溶液を入れ、25℃で6時間スルホン化した。その後、膜をジクロロエタンと水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。
次に、25mL試験管にスルホン化膜と純水を入れ、50℃恒温槽中24時間加水分解して電解質膜を得た。得られた電解質膜の特性を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(特性評価)
<1>グラフト率
グラフト前後の質量変化から、次式よりグラフト率を求めた。
グラフト率(%)=[(グラフト後膜質量−グラフト前膜質量)/グラフト前膜質量]×100
<2>イオン伝導度
インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製1260)を使い、4端子交流インピーダンス法により室温で短冊状サンプル(幅1cm)の長手方向の抵抗を測定して求めた。
<3>メタノール透過係数
10モルメタノール水と純水を電解質膜で隔離し、室温でメタノール水側から電解質膜を透過して純水側に出てきたメタノール量をガスクロマトグラフィーで定量して求めた。
<4>電解質膜中のSi含有量測定
得られた電解質膜2.5〜3.5mgをグラッシーカーボン容器(日清紡社製)に入れ、KOH2粒(1粒約0.25g)を膜上に置いて、同じグラッシーカーボン製の蓋を被せて、予め最大出力で発熱した電熱器上に250mLガラス製ビーカーを保温のために被せて5分間放置した。分解処理後、容器を鉄板上で室温まで冷却し、少量の水で蓋を洗浄した。洗浄液と少量の水で容器内の分解物を溶解して、50mL遠沈管に回収して水を加え、50mLとした。その後、0.45μmのポリテトラフルオロエチレンメンブランフィルターで濾過し、浮遊する残渣を取り除いた。
この溶液3mLを、陽イオン交換繊維(ニチビ社製:IEF−SA)を充填したポリテトラフルオロエチレンチューブに15mL/minで供給し、分解剤由来のカリウムを取り除き、中性溶液とした。この処理溶液9容量に20質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を1容量加えた処理溶液から、誘導結合型プラズマ分光分析装置(ICP−AES)を用いてSi含有量を求めた。
[比較例1]
(1)St単独グラフト
縦5cm,横6cm,厚さ25μmのETFE膜(ノートン社製)に低電圧EB照射装置(岩崎電気社製ライトビームL)で窒素雰囲気中、EB 15kGyを照射した(加速電圧100kV)。AIBN 2.5mgをトルエン15.0gに溶解して開始剤溶液を調製した。三方コックを付けた25mL試験管に、15kGy照射ETFE膜,St 5.0g,開始剤溶液15.0025gを入れ、室温で15分間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、63℃オイルバス中で16時間グラフト重合した。グラフト重合後、溶液はゲル化していなかった。膜をキシレン洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。グラフト率は40.7%だった。
(2)St単独グラフト膜のスルホン化
クロロスルホン酸0.447gとジクロロエタン20mLを混合してクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。25mL試験管にグラフト膜と上記溶液を入れ、50℃で6時間スルホン化した。その後、膜をジクロロエタンと水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次に、25mL試験管にスルホン化膜と純水を入れ、50℃恒温槽中24時間加水分解して電解質膜を得た。得られた電解質膜について実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
Figure 2007329069

Claims (4)

  1. 放射線を照射した樹脂膜に、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性モノマーを含むラジカル重合性モノマーをグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質膜であって、膜中のSi量が0.1質量%以上であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 樹脂膜が、フッ素系樹脂膜であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質膜。
  3. アルコキシシリル基を有する重合性モノマーが、同分子中にスチリル基を有する重合性モノマーであることを特徴とする請求項1又は2記載の固体高分子電解質膜。
  4. 請求項1,2又は3記載の固体高分子電解質膜を、燃料極と空気極の間に設けてなることを特徴とする燃料電池。
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